フットボール・クレイジー
football crazy
silverboy club
presents
2009年11月30日 00:24
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【ブンデスリーガ第14節】グラードバッハ×シャルケ
現地6時半開催なので日本時間夜中の2時半キックオフ。さすがにウェブ・ラジオを聴く気も起こらず、勝つことを祈って寝た。日曜日の日中はすっかり結果を確認するのを忘れていて、夕方おもむろに「
kicker
」のサイトをチェックしたら、1-0で勝っていた。こないだHSVにアウェイで勝ったのに続き、上位を争っているクラブへの嫌がらせである。
グラードバッハは前節と同じメンバーでスタート。経過を見ると開始早々の5分、ダンテからのロングパスを受けたアランゴがクロス、ロイスがこれをゴールに流しこみいきなり先制したらしい。シャルケはこれで目が覚めたか、次第にボールを支配するようになるがフィニッシュに精度を欠き得点できない。1-0のまま前半を折り返した。
後半も最初はグラードバッハがチャンスを迎えたが、その後は少しずつシャルケが主導権を握り、グラードバッハは固い守備からカウンターで追加点を狙う展開となる。終盤は押しこまれたようだが失点を許さず、71分にはフレンドに代えて負傷欠場から復帰のボバディラを投入、86分にはアランゴにクライネ、89分にはマトモアにメーヴィスと守備を固めてリードを守りきった。
この試合、グラードバッハには1枚のイエローもないのにシャルケには5枚も出ており、シャルケが相当苛ついていたのかもしれない。何にしてもフェリックス・マガトに悔しい思いをさせることができたのが嬉しいね。順位は暫定11位とひとつしか上がらないが、こうして勝ち点を積み重ねることが重要で、これでアウェイでのバイエルン戦にも弾みがつく。水曜日のハイライトが楽しみだ。
CSフジテレビではバイエルン戦は中継してもらえないようなので、ここは1カ月だけGAORAに加入して見るしかない。希望出したのに残念だ。ボッフムだのヴォルフスブルクだの、どうでもいいようなクラブの試合を中継している場合じゃないだろう。
ミヒャエル・フロンツェク監督談話:
「非常に際どい、激しい試合だったと思う。我々は敵をほとんど自由にさせず、球際も非常によく戦った。勝利は我々が激しく勝ち取ったもので、最終的には妥当だ。開始5分でリードしたことも重荷にはならなかった」
フェリックス・マガト監督(シャルケ)談話:
「我々の問題は不注意だったことだ。グラードバッハが長いボールを蹴ってくるとは思わなかった(訳者註:クソサッカーだという皮肉だろう)。決勝点を取られた局面では我々のフォーバックはみんな眠っていたようだ。この敗戦は腹立たしいが、まだそれほど悲劇的なことだとは思っていない」
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Borussia M'Gladbach
2009年11月29日 00:49
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【Jリーグ第33節】FC東京×神戸
ホーム最終戦、スタジアムに着いたのは3時過ぎ。いつものバックスタンドにまず席を確保し、それから選手カードをもらってナビスコ優勝記念DVD先行販売の列に並んだ。いったん席に戻ったがまだ4時頃だったのでもういちどコンコースに出て、今度はナビスコ優勝記念グッズの列に並び、Tシャツとマフラーをゲット。今日はえらい人出だった。バクスタ側のファンクラブテントを見たら梶山がファンサービスしていた。
昼間はいい天気だったがキックオフの5時にはすっかり日も暮れ結構冷え込んだ。ビール売りもあれでは苦労したことだろう。東京は梶山が引き続き出場停止なのに加え、平山も前節退場のため今節は出場停止。一方で長友が左SBに復帰、CBには平松を先発起用し、ブルーノはベンチスタートとなった。また中盤では羽生、米本のダブルボランチ、右に中村、左に田邉を配し、赤嶺、鈴木のツートップとなった。
序盤は神戸も出足鋭く高い位置からプレスをかけてきて、東京はなかなか思ったようなビルドアップをさせてもらえないが、次第にボールも落ち着き始め、徐々に東京がボールを回せるようになる。12分、赤嶺のパスから鈴木が抜け出したがシュートはGKに当ててしまう。14分には中央で得たFKから中村が直接ゴールを狙うがGK正面に。その後も東京は何度かチャンスを作るが決めきれず。赤嶺がオフサイドになるプレーも多かった。敵の攻撃はカウンター主体で何度か危ないピンチを迎えたが失点は許さなかった。
後半に入っても中盤までは構築できるがなかなか最後が崩しきれない展開が続く。ボールを回しながら機会を窺っても、そこから崩しにかかるスイッチを入れる選手がいないようだ。その部分の息が合わずにみすみすボールを敵に渡してしまうシーンも多かった。拮抗した内容で選手交代のタイミングも難しい。できれば藤山、浅利を投入したいということもあり、交代を遅らせた部分もあるのかもしれない。
神戸には何となく「ドローでもいい」という意識が感じられたように思う。東京は70分、田邉に代え近藤を投入。80分には中村を下げて椋原を起用し、長友を二列目に上げる。86分、米本からのパスを受けた長友がエリア右から狙うがGKがセーブ。これで得たCKを鈴木が蹴ると、ニアに入り込んだ平松が難しい角度ながらボールをゴールに叩き込み、土壇場で東京が先制した。東京は89分鈴木に代えて藤山を投入、この後4分間のロスタイムも無事にしのぎきり、非常に価値のある勝ち点3を得ることができた。
ホーム最終戦ということで試合後はまず監督からコメントが。その後、今季限りでチームを去る藤山、現役を引退する浅利の挨拶があった。藤山は来季札幌でプレーすることが報告された。
この試合、今いるメンバーでベストのパフォーマンスを出すという点では、選手は皆それぞれ力を出していたとは思うが、微妙な連係なりプレーの精度なりでどうしても綻びが出てくるのはある程度やむを得ないのだろう。それでも神戸の攻撃をしっかり押さえ込んだ守備は評価しなければならない。決して満足できる内容ではないが、セットプレーでしっかり得点して勝ちきれたという点では大きな意味のある試合だった。
特に、この試合で先発起用された平松が決勝点を挙げたこと、田邉が左サイドで才能の片鱗を感じさせるボール運びやパス・センスを見せたのは嬉しかった。次節は梶山、平山が帰ってくるので有終の美を飾るしかないだろう。まだ4位でACLという可能性は残っており、そうである以上はそこを目指して戦わなければならない。
採点(
採点の見方
):
権田(3.5) 安定した守り、止めるべきボールはきちんと止めた
徳永(3.5) 地味な働きだが、機を見ての攻撃参加は効果的
平松(3.5) 敵のトップを封じた、得点シーンは見事なヘディング
今野(3) 抜群の読みとポジショニングでピンチを未然につぶした
長友(3) 二列目へのコンバートにも十分応えた
米本(4) 中盤でしっかりボールを押さえたがパスミスも多かった
羽生(3.5) パス交換の中心としてバランスを取った
中村(4) ゴールに向かう姿勢は見えた、使い続けたい
田邉(3.5) 敵を幻惑するドリブルセンス、パスセンスを見せた
鈴木(3) 豊富な運動量で敵をかき回し続けた
赤嶺(4) 前線で踏んばった点は評価、ゴール前で迷いが出るシーンも
===
近藤(4.5) 先週よりはマシだったがもっとプレーをやり抜こう
椋原(4) 投入された意図に忠実に働いた
藤山(-) 時間短し、お疲れさま
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FC東京
2009年11月23日 17:00
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【ブンデスリーガ第13節】フランクフルト×グラードバッハ
ここ3試合を1勝2分と復調の兆しを見せているグラードバッハ、今節はアウェイでフランクフルトとの対戦である。土曜日の夜11時半からウェブ・ラジオ中継を聴いた。グラードバッハは前節のVfB戦と同じスターティング・イレブン。ボバディラはまだ復帰できないようだ。
試合は序盤からアウェイのグラードバッハが主導権を握る。8分にはロイスが左のアランゴに展開、アランゴが直接ゴールを狙ったがわずかに外れた。しかしフランクフルトも徐々にペースをつかみ始める。前半の終盤にはいくつかのチャンスをフランクフルトに許したが失点には至らず、スコアレスで前半を終えた。
後半開始早々の54分、レヴェルスが右サイドからクロスを送ると敵DFがこれをクリアしようとしたが、そのボールが敵GKの頭に当たってそのままゴールへ。ラッキーな自殺点でグラードバッハが先制点を得た。さらに65分、ロイスのCKからブラウアースがフリーでヘディング、これが決まって2-0。グラードバッハは83分、アランゴに代えてメーヴィスを投入、守備を固めに入る。
直後の85分にはフレンドが自陣ペナルティ・エリア内でハンドを犯し敵にPKを献上、これを決められて2-1となるが、ロスタイムにはロイスを下げてクライネを投入、そのまま逃げ切ってアウェイ2連勝を飾った。
これでここ4試合で勝ち点8と調子を上げており、順位も12位まで回復してきた。次節はホームとはいえ相手は好調のシャルケ。その次はアウェイでバイエルンとの対戦であり油断はできないが、ここで勝ち点が積めればそこそこ悪くない順位でシーズン前半を終えることができるのではないか。CSフジテレビでは第15節の中継カードのうちひとつがまだ「未定」なので「是非バイエルン×グラードバッハ」を中継するよう希望のメールを出しておこう。もしダメなら12月だけGAORAに入ろうと思う。
ミヒャエル・フロンツェク監督談話:
「ハンブルクに続いてフランクフルトでもアウェイでの勝利を挙げることができ大変嬉しい。我々の勝利は全体として見れば決して偶然ではない。5連敗を受けて我々は自信を回復するために厳しく取り組んだ。ゴールに関して言えば今日は非常に効率的だった。だが、最後は勝利を確実なものにするために試合をクローズしなければならなかった」
テレビではバイエルン×レバークーゼンを見たが、試合前、先頃死去したエンケに対して黙祷が行われていた。おそらくどこのスタジアムでも同じだっただろう。このできごとがドイツのサッカー界に大きな衝撃を与えたことは想像に難くない。彼の個人的な問題が大きかったのだろうとは思うが、現役選手、それも代表GKが自殺するというのは穏やかな話ではない。ドイツのサッカー全体がこのできごとで意気消沈しないように祈るばかりだ。
ところで、ボッフムの監督っていつハイコ・ヘアリッヒに代わったんだっけ。ボッフムの監督ってマルセル・コラーだと思ってたのに。ヘアリッヒも選手時代には苦労したよな…。
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Borussia M'Gladbach
2009年11月22日 21:48
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【Jリーグ第32節】千葉×FC東京
また美味しい弁当でも買って行こうと新宿の京王百貨店に寄ったが何となく胃が重く食指が動かないまま都営新宿線経由馬喰町から総武線快速に乗った。さらに千葉で内房線に乗り換え。臨海よりは百倍マシだがそれでも遠い。駅を出ると冷たい雨。一応折りたたみ傘は持っていたが、一度開いてしまうとあとが面倒臭いのでベンチコートのフードをかぶってフクアリまで歩いた。
千葉にはナビスコで勝ったとはいえ、昨季の最終戦、そして今季のホームゲームとやられ続けており、彼らが一部にいる間に借りは返しておかなければならない。前の方の席は雨がかかりそうだが最上段も雨が吹き込んで来そうだったので、バクスタ二階のSA自由席、最もアウェイ寄りの前から4列目あたりに席を確保した。回りは東京サポばかりだった。雨はかからなかったが冷え込みはきつかった。
東京は長友がねんざで再び離脱、椋原を右SBに起用し代表帰りの徳永が左SBに。また梶山が警告累積で今節と次節出場停止となっており、羽生をボランチに、右SHに中村、左SHに鈴木を配した。前線は平山と赤嶺のツートップ。昨日の試合結果により東京はこの試合に勝てば3位と勝ち点差5の4位となり、ACL出場にも希望をつなぐことができる。とにかく勝ちが欲しい試合だ。
試合が始まってみるとやはり中盤の底にボールの収まりどころがないのがはっきりと分かる。いつもは梶山とのコンビネーションでしっかりボールを捌く米本もパスミスを連発し、ポゼッションは意識するが千葉に奪われ押しこまれるシーンも目立つ。25分、ペナルティ・エリアに攻め込まれふわりと上がったクロスに頭で合わされて失点。
だが、これで目が覚めたか、30分、赤嶺がパス交換から敵ゴール前に抜け出し右足で決め同点に。東京はこの時間帯がいちばんパスがよくつながっていた。東京はその後もパス回しから攻め上がる形で敵ゴールを狙うがシュートに至らず、一方でピンチも集中した守備でしのぎ1-1の同点で前半を終えた。
後半に入るとすぐに試合が動く。46分、左サイドから千葉にアーリークロスを許すと中央でまたしても頭で合わされ失点、再びリードを許す。東京は53分、赤嶺に代え近藤を投入。挽回を目指すがオフサイドが多くなかなかチャンスを作れない。63分、敵に倒された平山がヒジを使ったか、ファウル後のプレイで2枚目のイエローをもらい退場。これで東京は近藤のワントップとなり苦しい戦いを強いられることになる。
攻め急げば急ぐほどミスが出て敵のペースに。69分、東京は中村に代えて平松を起用、平松が最終ラインに入り、今野をボランチに上げる。これで東京は中盤に起点ができたものの、相変わらずラインを意識せずオフサイドになるプレーが多くフィニッシュまで持ち込めない。77分には羽生を下げて大竹を起用、前に人数をかけるが逆に度々千葉のカウンターを受けて危ない場面も。
最後まで積極的に攻めたものの一人少ない状況でゴールが遠く、結局1-2で非常に痛い敗戦を喫した。東京はこれで8位。残り2試合で何が起こるかは見てみなければ分からないが、最終節に奇跡を起こすにもかなり厳しい状況になってしまった。
シーズンのここに来ての連敗。ケガ人も多く無理からぬ部分はあるが、それを含めて何とか戦いの形を作るのがプロであり、その意味では上位を争うクラブとしてはいかにも拙い。リーグ戦はウソをつかないと城福監督も言っているが、この結果、この順位が我々にとってフェアなところなのかもしれず、ここを打ち破るための何かを我々はまだ手にしていないのだろう。
戦術的には、梶山が欠けることで、まるで指揮者を失ったオーケストラのように攻撃の要がなくなってしまうのが明白。終盤、今野をボランチに上げることでこの点は大きく改善しており、次節、梶山のいない状況でこのオプションを最初から試して欲しい。
あと、交替で入った近藤がひどかった。一人少ない状況なのにもかかわらずボールは追わず、明らかなオフサイド・ポジションでもボールにプレーしようとする。倒されればファウルをアピールして起き上がらず、次のプレーに参加できていない。セットプレーでもクイック・リスタートの意識がなくボールに背を向けて歩いている。なぜ後半の早いタイミングで赤嶺を下げ近藤を入れたのかまったく疑問だ。フィットしていてこの状態なら使えないし、フィットしていないのなら使うべきでない。
ここで今季残りをズルズル行くのか、残り2試合を立て直しひとつでも上の順位を目指すのか。今いるメンバーで何ができるか真価が問われている。ナビスコで燃え尽きたと言われないためには、自分たちのベースをもう一度見直す必要がある。
採点(
採点の見方
):
権田(4.5) 危険なクロスをパンチングで防いだが、敵にボールを渡すことも
椋原(5.5) 攻撃参加のタイミング見えず、守備でもサイドを破られた
ブルーノ(4) 失点シーンでは敵FWをカバーしきれていなかった
今野(3.5) 彼の攻め上がりが唯一今日の見せ場だったのでは
徳永(4) 攻撃にはよく絡んだが決定機は演出できず
米本(5) ボール奪取の後のパスミス多し、梶山がいないと威力半減
羽生(4.5) よく動いたがやはり本来前目の人、もったいなかった
中村(4.5) 気持ちは見えた、試合に出し続ければ光るはず
鈴木(4) 効果的な切り込み、アシストもあったが89分のチャンスは惜しかった
赤嶺(4) 前線で起点となり得点も決めた、早い交替は残念
平山(5) 献身的にボールを追ったが退場でチームを追い込んでしまった
===
近藤(6) 悪かった時期の平山を見ているよう、敗戦の責任を感じて欲しい
平松(4.5) バタバタしたが何とか敵の攻撃はしのぎきった
大竹(5) センスは見せたがもっと傲慢に勝負すれば流れが変わる
フクアリからまた冷たい雨に打たれながら蘇我まで歩いた。残念な試合だった。
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FC東京
2009年11月15日 21:33
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【天皇杯4回戦】FC東京×仙台
丸亀での開催でありテレビ中継もないので仕方なく携帯サイトの速報を追いかけていたが、前半0-1、後半途中で0-2、ロスタイムに0-3と、着々と加点されての完敗だったようだ。後でNHKのハイライトは確認するが、負けたという以上のことは今は分からない。
いずれにしても天皇杯はこれで終わった。石川のためにも正月まで頑張るつもりだったが仕方ない。これで今季の残り公式戦はリーグ戦の3試合のみになってしまった。天皇杯の準決勝を年末まで追いかけることのできた昨年と比べれば尻すぼみで寂しい。
代表招集やケガ人で編成が苦しいという言い訳はあるだろうが、それは他のクラブも同じこと。残ったメンバーで同じレベルの戦いができないのは層の薄さの問題でありだれかのせいにできる訳ではない。来季に向けては外国人の獲得を含めた選手層の強化が必要になる。
天皇杯の敗退は残念だが、僕は城福東京を信じているし、リーグ戦の残り3試合を最後までしっかり見届ける他ない。ナビスコで燃え尽きたと言われないためにも、残された可能性をぎりぎりまで追求しなければならない。
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FC東京
2009年11月11日 23:50
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【天皇杯3回戦】FC東京×草津
ナビスコの決勝があったため繰り下げ日程となった天皇杯3回戦。まあ、どのみち諫早での開催なので行ける訳もなく、BSでの中継を録画した。ていうかこないだの週末まではBSが見られなくて、この試合を見るためにいろいろ試した結果ようやく映るようになったのだ。会社から帰り、風呂に入り、晩ごはんを食べておもむろにテレビのスイッチを入れたのが8時半。実際には試合は終わりかけていた時間だが、試合経過は一切見ていなかったのでここからキックオフである。
東京は今野と徳永が代表に呼ばれている他、ケガを抱える選手を休ませることも考えてか大胆なターンオーバーを行った。GKには塩田、右SBの椋原は長友の負傷でこのところの試合に続いての先発だが、左SBには平松が入った。またCBは佐原がブルーノとコンビを組んだ。ボランチにはケガの梶山をベンチスタートにして浅利が先発、鈴木がケガのため右SHには田邉を、またFWでは近藤が平山とツートップを組んだ。
試合は全体に重い流れ。やはり梶山と今野がいないとタメが全然作れない。奪ったボールもポンポンと景気よく蹴ってしまうことが多く(これは佐原)、攻撃が単発でなかなかつながって行かないもどかしい展開になった。とはいえ敵の攻撃も冴えず、中盤でポロポロとボールがこぼれてきたり、「あ、ヤバい」と思うような状況で詰めの一手がなく助かったりと、正直ふだんやっている相手とはその辺の厳しさが違って救われた。
得点は32分。右CKをなぜか近藤が蹴るとマークを振り切った佐原が中央でたたきつけ先制。決して東京の流れではなかったが、この時間帯にセットプレーで1点をもぎ取れたのは大きかった。その後はこれといった見せ場もなく1-0で前半を終了。何だか見ている方もあまり力が入らない、低調な試合である。
後半に入ってすぐの51分、田邉に代えて中村を投入。57分にはドリブルで攻め上がった平山が敵DFを引きつけてフリーの近藤にパスしたが近藤のシュートは敵GKに当たる。直後の58分、敵FWにロングボールを通され、これを防ごうと塩田がペナルティ・エリアいっぱいまで飛び出す。しかし敵FWの足が先にボールに触れ、塩田の頭を越すループとなって無人のゴールへ。1-1に追いつかれてしまう。
負けられない東京は60分、浅利に代えて温存していた梶山を投入、突き放しにかかる。すると63分、左寄りからのFKを中村が右足できれいに決めて2-1に。この日セットプレーから2点目を入れて勝ち越した。73分には傷んだ近藤に代えて赤嶺を投入。76分には梶山のサイドチェンジをフリーで受けた羽生が中央にクロスを送ると中央で平山が難度の高いヘディングを決めリードを2点に広げた。
81分、東京の右サイドから上げられたクロスをファーで押しこまれ再び1点差に。残り時間、東京は草津のパワープレーを跳ね返し、敵陣でのキープで時間を効果的に使って逃げ切った。
全体に動きに冴えがない試合だった。コンディション的にもモチベーション的にも難しい試合だったと思うが、敵にボールを献上することが多く、パスを小気味よくつないで押し上げる、作り直すといういつものサッカーがほとんどできなかった。梶山が入ってから若干ボールを持てる時間が長くなった気はするが、彼も決して万全ではなかった。失礼ながら敵が草津だったから勝てたが、J2でも厳しいクラブが相手なら微妙な試合だったかもしれない。
まあ、こっちもパッとしないが敵もパッとせず、内容的には乏しい試合だったが最後は格の違いで勝つだけは勝ったという感じ。
東京はこれで天皇杯4回戦に進み、15日に丸亀で仙台と戦うことになる。この日程、試合会場は何とかして欲しい。これについてはいずれまたどこかに書くだろう。次も今野、徳永が代表招集であり不参加。元日に国立で復帰した石川がカムバックできるよう勝ち続けるしかない。
採点(
採点の見方
):
塩田(5) 危なっかしいシーン多く失点はいずれも処理ミス。
椋原(4.5) 再三クロスを上げられ苦労したが自信をつけつつある。
佐原(4.5) すぐに蹴っちゃうのがもったいない。得点は見事。
ブルーノ(4) ピンチの芽はよく摘んでいた。
平松(4.5) カバーリングはいいがその後の精度はどうよ。
浅利(4) 前線にまで顔を出す一方、中盤の穴も埋めつづけた。
米本(3.5) こうやって見ると成長した。レギュラーの貫禄があった。
田邉(5) もっと自分のリズム、自分の得意技で勝負したい。
羽生(3.5) メンバーが変わっても不変の貢献。90分間お疲れさま。
平山(3) 最終的に決定点となった価値ある得点。キープ力も見せた。
近藤(4) 何回かあった決定機のどれかは決めたかった。
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中村(3.5) 勝ち越しのFKは芸術的。体調不良をおして踏んばった。
梶山(4) 存在感は見せたが途中出場では試合に入りきれず。
赤嶺(4) 意図通りに行かないプレーが多かった。
梶山がリーグ戦2試合出場停止であることを考えると、梶山がおらず中盤の起点を失った今日の戦いは問題。仙台戦での戦い方で方向性が見えればいいのだが。
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FC東京
2009年11月09日 23:32
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【ブンデスリーガ第12節】グラードバッハ×VfB
前節、アウェイでHSVに劇的な逆転勝利を収め勢いに乗るグラードバッハ。今節は開幕から不調のVfBをホームに迎えることになった。キックオフは土曜日の現地3時半。夏の間は日本時間夜10時半だったが、サマータイムも終わり時差が8時間に戻ったおかげで11時半キックオフとなり、夜中の1時過ぎまで起きていることを強いられる。
ブンデスリーガ公式サイト
のウェブ・ラジオと「
kicker
」のサイトのティッカーで経過を追いかけた。
グラードバッハは前節からFWを入れ替え。コラウッティとボバディラに代えてフレンドとマトモアをツートップに、左にアランゴ、右にロイスを配する布陣となった。ボバディラは肉離れらしいが大丈夫だろうか。
立ち上がりからグラードバッハが攻撃を仕掛ける。8分から9分にはロイス、フレンド、ブラッドリーらが立て続けにVfBゴールを狙うが得点ならず。次第に態勢の整ってきたVfBを相手にその後はチャンスも少なくなる。その後はどちらも最後の局面での精度を欠き自滅する展開に。前半終了間際に再びロイスが仕掛けるがクロスは敵DFにクリアされてしまう。結局スコアレスで前半を終了した。
後半もグラードバッハ優勢で始まったが、ロイスがまたしても枠を捉えられず、その後のチャンスも敵GKにセーブされてしまう。その後はVfBもチャンスを作るが互いに得点を奪えない展開に。71分にはマトモアに代わってノイヴィルを投入したが終盤のチャンスもモノにできず、スコアレス・ドローに終わった。
この試合、ロイス君が「kicker」で1.5の採点を受けていたが、確かにラジオでもよく名前を聞いた。マリンの次としてしっかり成長して欲しい。これでグラードバッハは勝ち点12の14位に後退。いずれにしてももうちょっと勝たないと話にならない。次節はアウェイでのフランクフルト戦であり、最低でも勝ち点1は持ち帰ってきたい。その後はシャルケ(H)、バイエルン(A)、ハノーファー(H)、レバークーゼン(A)と戦ってシーズン前半を終えることになる。厳しいカードが多いができる限り勝ち点を拾わなければ。
ミヒャエル・フロンツェク監督談話:
「得点のチャンスは我々の方が多かった訳で、本来なら勝ってしかるべきだった。VfB相手に、そのうちひとつは入るだろうというようなチャンスを5つも6つもモノにするのは簡単なことではない」
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Borussia M'Gladbach
2009年11月08日 23:52
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【Jリーグ第31節】FC東京×浦和
ナビスコ決勝後の最初のリーグ戦、しかも相手は前回のナビスコ決勝以来勝っていない浦和であり、入り方の難しい試合になった。僕はナビスコ決勝でクセがついた訳でもないのだが、混みそうだしということで久しぶりに開門前にSOCIO待機列に並んだ。この日は大量動員が見込まれたためか開門は試合開始3時間前。早めに入っていい席を確保したのはよかったが時間を持て余すことに。天気は薄曇りだが次第に晴れ間が出て暑いくらいの時間帯もあった。
東京は鈴木が足を傷めたとの情報もあったが結局ナビスコ決勝と同じ布陣。中4日の試合は悪条件というほどではないかもしれないが、対する浦和は天皇杯2回戦で敗退したため2週間ぶりの試合でありしっかり修正してくるだろう。我々は相手がどこであれ自分たちのサッカーをするしかない。とにかく残り4試合を全部勝った上で何が起こるか見るというスタンスなので、正面からぶつかるのみである。
さて、試合は中盤の支配権を激しく争う展開となった。パスをつないで敵のブロックを崩しゴールに迫るという似たスタイルを志向するクラブどうしの戦いとなった訳だが、互いに中盤で細かくパスをつないでも最後にスイッチを入れて敵ゴールに向かうあたりで敵のプレスに引っかけられてボールを失うことが多くなかなかリズムに乗れない。しかし、このスタイルでは一日の長がある東京の方が徐々に主導権を握るようになる。
27分には右サイドから中央にクロスを送り赤嶺が頭から飛びこむがヒットできず。前半終了間際には今野がドリブルで左サイドを上がり中央にクロス、ニアに再び赤嶺が飛びこんだがボールは枠を捉えられず。シュートは東京4本、浦和1本で前半を終えた。
後半開始早々の49分、敵DFに左サイドを深くえぐられ、ここからマイナスのクロスを許すと、中央で敵FWがこれを受け、持ち直してシュート。十分に寄せることができずこれをたたきこまれて先制点を与えてしまう。この時点ではまだ負ける気はしなかったが、53分、敵MFがバックチャージでこの日2枚目のイエローをもらい退場、この辺から流れがおかしくなったと思う。
押され気味ながらワンチャンスでリードを奪ったチームが一人少なくなればやることはもう決まっている。東京はここからボールを支配しながらも自陣を固める相手に苦しい攻撃を強いられることになってしまう。正直、これはイヤだなと思ったし、他にも同じように感じた人は多かったのではないか。
60分、鈴木に代え長友が左MFに入り羽生が右に回る。さらに69分、羽生を下げて平松を投入。平松がCBに入って今野をトップ下に上げるとともに、徳永を右に回し、スリーバックの3-5-2的な布陣になったと思う。こんな感じ。
権田
椋原 ブルーノ 平松
徳永 梶山 米本 長友
今野
平山 赤嶺
73分、敵ゴール前でパスをつなぎ最後は平山が頭でシュート、これがゴールに入ったがその二つほど前のプレーでオフサイドがありノーゴール。既に早い時点で副審は旗を上げており、残念ではあったが判定はおかしくなかった。77分にはCKからボールを持った今野がシュートを放つが敵GKに阻まれる。84分にはブルーノがミドルを放つがこれも敵GKがセーブ。この日の敵GKは当たっており、再三のチャンスを防がれた。
87分には平山のスルーパスから赤嶺がゴール前に抜け出し、敵GKと一対一になるが、GKに当てないようにコースを狙ったシュートはわずかに枠をそれてゴール前を横切ってしまう。焦りが出るほどゴールが遠くなり、前線に一人を残したきりで自陣を固める相手を攻めあぐねる展開。結局、シュート数は12本-5本、支配率は62%-38%と圧倒的に試合を支配しながらも1点が重くのしかかり、公式戦では9月12日以来の敗戦となった。
少なくともナビスコの優勝による慢心とか気の緩みとか疲れとは無縁の試合であり、よく流動的にボールを回しながら何度かチャンスを作ったが、それを決めきれずに1点に泣いたというべきだろう。フィニッシュの甘さは反省しなければならないが、一人少ない相手に引きこもられてしまうという流れの悪さや敵GKの再三のセーブもあり、内容的に何か致命的な問題点があった訳ではないと思う。
とはいえ、ここで浦和に負けるのは悔しい。今回はナビスコ効果もあってかスタンドも広い範囲を東京サポで埋め、応援の声も決して負けていなかったし、自分たちのプレーに自信を持っていただけに、こうした形で負けるとは正直思っていなかった。ワンチャンスで決めて後は引きこもりというオールド浦和の得意スタイルで、退場によって余儀なくされたとはいえ、浦和的にはこの勝利は(まあ、ひとつの勝ちは勝ちとして)どう評価するのだろう。
この敗戦により首位の川崎との勝ち点差は9に広がり、残り3試合での「奇跡」はほぼ絶望的になった。ACL圏の3位とも勝ち点差は5になり、いずれにしても残り3試合を全部勝って後は他のクラブがどうなるか次第ということになる。今日の試合こそあと一歩の意地を見せて欲しかったが終わってしまったものは仕方がない。水曜日には天皇杯があるし、残りの試合でできることをやりきるだけだ。
採点(
採点の見方
):
権田(3.5) 試される機会少なし、失点シーンは責められまい…
椋原(4) 守備はしっかりしていたがクロスはまた練習しような
ブルーノ(3.5) 積極的な攻撃参加でシュート3本
今野(3) 失点シーン以外は抜群のカバーリング、シュートも2本
徳永(4) 左右でよく攻撃に絡んだが結果には結びつかず
梶山(4) 中盤でボールを散らし演出家としての役割は果たした
米本(4) ボール奪取や敵の攻撃を遅らせる部分での貢献は絶大
鈴木(4) 何度かチャンスにも絡んだがなかなか特色を発揮できず
羽生(3.5) クレバーなプレーで中盤を締めたがあまり目立たず
赤嶺(5) 動きの質は悪くないがどれかひとつでも決めていれば…
平山(4) 強引にシュートに行くシーンがもう少しあってもいい
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長友(4) ケガを抱えながら頑張ったが決定機は作れず
平松(4) 主戦場は敵陣に移っており目立った働きはなかった
梶山は累積警告でリーグ戦2試合出場停止。これは痛い。ブルーノか今野を一列前に上げて、CBに佐原か平松、ケガが治っていれば茂庭を投入するプランでどうだろか。いずれにしても苦しい戦いになるだろう。
尚、今日は大分に続き新たに千葉の二部降格が決まるとともに、C大阪と仙台の一部昇格が確定した。降格の残り一つは柏だが、星勘定的には絶体絶命の状態。一方、昇格の残り一つは甲府と湘南が激しく争っている。甲府も好きだし、阿部、ジャーンのいる湘南も上がってきて欲しいし、難しいところ。いずれにせよシーズンも架橋にさしかかってきた。
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FC東京
2009年11月03日 21:02
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【ナビスコカップ決勝】FC東京×川崎
いよいよやってきた決勝の日。気温は低いが快晴だ。SOCIO枠で手に入れたチケットを握りしめ、新宿の京王百貨店でウニイクラ丼弁当を買って意気揚々と国立に向かった。
スタジアムに着いたのは11時前だったが、既に千駄ヶ谷門には長蛇の入場待機列。最後尾を求めて列を追いかけて行くと外苑西通に降り、観音橋の交差点まで幾重にも折り返した列がつながっていた。やむなく最後尾に並んだらほどなく列は動き出したが、それでも実際に入場できたのは11時半くらいではなかっただろうか。
入場するとホーム自由は既にかなり埋まっている。もともとゴール裏よりはバクスタ上層を狙っていたのでそのままバック側へ回り、上層席への二階回廊からスタンドに出てみた。ここも既に埋まっていたが、バックスタンド上層の中央部分はまだ開放しておらず、席のない人たちがその部分の開放を待っている状態。やむなくしばらく待ったが、5分ほどで中央部分の一部が開放され、無事に席を確保することができた。
ウニイクラ丼弁当を食べながら人の流れを見ていたが、開放部分もすぐにいっぱいになり、人が通路に滞留し始めたので、さらに中央に近い部分が順次開放されたようだ。いずれにしても12時半頃までには既に席の大半が埋まった格好で、後から来る人は隙間を探して潜りこむという感じ。自由席だといくら係員が注意しても3人で4席座る人とか間に1席だけ空いてるところとかができてしまい、詰めきれないようだ。これだけ人の来る試合なら全席指定にしてしまった方が誘導も楽でいいのではないかと思った。ウニイクラ丼弁当は美味かった。
選手入場時のコレオグラフィは水色と黒のツートーンの真ん中に黄色い星を描いた川崎に対し、東京は下層が赤、上層が青の風船で色分けし、トイレットペーパーが乱れ飛んで遠目には白いラインが縦横に走るという趣向。しかしながら風船ではスタンドは染まりきらず、黒っぽい地色が見え隠れする上、トイレットペーパーが全体の意匠を曖昧にしてしまい、あまり美しいとは言えない出来だったと思う。素直にボードを使った方がよかったのではないだろうか。
さて、肝心の試合の方だが、東京はリーグ戦前節の清水戦と同じ布陣。長友はベンチスタートとなった。序盤は両チームとも慎重な入り方。互いに何度か攻撃の手数を出し合い、チャンスを作るがこの辺りはまだジャブの打ち合いだろう。8分には右サイドをえぐった米本からのクロスに平山がゴール前で合わせたが枠に飛ばず。逆に11分には敵FWのミドルが枠に行きヒヤッとしたが権田がセーブ。
さらに19分には敵ボランチがスペースに抜け出したが飛び出した権田が身体に当てセーブ。しかしこのこぼれ球をゴール前でフリーの敵FWにつながれ、権田が完全に背後をとられた形になり決定的なピンチ。ここは敵FWがふかしてくれて命拾いしたが絶体絶命だった。この時間帯は川崎に中盤を使われ素早く前線につながれて押しこまれていた。
ところが21分、ボランチから攻撃参加した米本が前を向いて赤嶺からボールを受けるとそのまま迷わずシュート。30メートルほどあったミドルだがこれが意表を突いた形で敵GKの手を弾いてゴールイン。東京が非常に重要な先制点を挙げた。
その後も東京はCBとボランチを軸にボールをつなぐいつものサッカーを試みるが、川崎も前線からの守備の意識が高くなかなかボールを落ち着けることができない。中盤でのボールロスから攻め込まれることも少なくなかったが、守備は集中しており、決定的なチャンスは与えなかった。川崎が攻め、東京がしのぐ中で数少ないチャンスから先制するという展開で、1-0で前半を終えた。
後半に入っても東京はなかなか自分たちのスタイルを見出すことができないが、その分、権田の再三のセーブもあり、敵の攻撃を手堅くしのぐ時間が続く。すると59分、敵CKのクリアボールを鈴木が拾ってカウンター。左サイドを独走した鈴木が、逆サイドを併走した平山にクロスを送ると平山が絶妙のタイミングで頭でこれに合わせゴール。苦しい時間帯に価値のある追加点を奪った。
直後の60分、赤嶺に代えて長友を投入、長友は左SHに入り、羽生が右に、鈴木がトップに上がる。川崎は2点をリードされ焦ったか、前がかりに圧力をかけてくる。再三FK、CKのピンチを迎えるが、権田がことごとくこれを跳ね返し続ける。その中で74分、椋原からボールを受けた長友が裏へ抜け出し敵GKと一対一になったが、シュートは戻ったDFに当ててしまう。このこぼれ球をさらに拾い鈴木にパス、鈴木がシュートしたがポスト直撃。絶好の得点機を逸してしまう。これが決まっていれば残り時間はもう少し余裕をもって戦えたと思うが、どちらがよかったのかは神様しか分からない。
74分、羽生を下げ平松を起用。試合をクローズしに入るサインが示される。この辺から試合のほとんどが東京ハーフで行われ、東京は川崎の攻撃を跳ね返すだけの展開になるが、引き続き東京は集中を切らすことなく川崎の攻撃に対応し続ける。86分、敵FWのヘディング・シュートがバーに嫌われるラッキー。直後、鈴木に代え佐原を起用。ファイブ・バックに近い形にして川崎のパワープレー対策をはっきりさせた。
ロスタイム4分を含めた最後20分ほどは本当に苦しい戦いだったが、川崎のロングボールやCK、FK、シュートをことごとく跳ね返し、逆にロスタイムには長友が裏に抜け出すチャンスもあり。結局川崎は最後まで東京のゴールを割ることができず、試合終了の笛を聞くことになった。東京が2-0でナビスコカップ優勝を決めた瞬間であった。
前回の浦和戦の時は、一点取られたらほぼ試合が終わるという緊迫感の中で延長戦まで0-0でしのぎきり、最後はPKというドラマティックな展開だったが、今回は前半に先制、後半に追加点を奪い、押しこまれながらも2点の余裕をもって試合をクローズした訳で、試合終了の瞬間の感動は正直前回の方が大きかったと思う。
だが、このチームでタイトルを獲ったことはもちろん大きい。こうした大きな試合にきちんと勝ちきることができたタフさは賞賛に値する。特に、必ずしも90分間を支配できた訳ではなく、むしろ敵に何度か危ないシーンを作られ、押しこまれる時間帯もあった中で、自分たちのサッカーが思うようにできなくても数少ないチャンスを生かして勝ったというのは、強いクラブの勝ち方だと思う。今日の試合の価値はそこにあった。
カボレ、茂庭、石川、長友と主力が次々離脱する中ではあったが、逆にそれをモチベーションに変えて勝利を、優勝をもぎ取ったことでこのチームは確実に成長したし、そのようにチームをモチベートした城福監督の手腕は高く評価しなければならない。今季、我々にはまだリーグ戦も天皇杯も残っている。ここで気を抜いてしまうことなく、残りのシーズンを戦いきることが必要で、まずは土曜日に迫った浦和とのリーグ戦に集中しなければならない。
MVPは先制点を決めた米本になり、米本はニューヒーロー賞とのダブル受賞となった。これで賞金150万円とヤマザキナビスコ製品2年分を手に入れたことになる(チップスター食べ放題か)。米本は先制点だけでなく、中盤でのボール奪取や攻撃時の起点として縦横無尽の働きをしており、この受賞は妥当だと思う。これで慢心するような選手ではないし、ここをベースにさらに成長して欲しい。来季は浅利の引退によって空き番となる「7」をつけて欲しい。
採点(
採点の見方
):
権田(2) CK、FKをことごとくパンチング、セーブも素晴らしかった
椋原(2.5) 敵の強力な攻撃陣を最後まで抑えこんだ
ブルーノ(2.5) 難しいラインコントロールを強いられたが集中切れず
今野(2.5) 得点力のある敵FWに自由を与えなかった
徳永(2.5) 敵の動きを見極めサイド攻撃を封じた
梶山(3) 中盤の要となったが時折余裕を欠いたプレーも
米本(1.5) 試合を決めた先制点、中盤での縦横無尽な働きも見事
鈴木(3) 豊富な運動量で敵をかき回しチャンスを演出した
羽生(2.5) 穴を見つけてはカバーする職人的な貢献で陰の功労者
赤嶺(4) よく働いたが決定的なシーンをなかなか作れず
平山(3) 前線で身体を張った、追加点はそれが実ったもの
===
長友(3) ケガをおしての出場で惜しいチャンスを作った
平松(3.5) 押しこまれたが組織的な守備には貢献した
佐原(-) 短い時間だったがハイボールの跳ね返しに存在感
試合後は、例によって副都心線の北参道駅から帰った。相変わらずこの駅の存在はほとんど知られていないようだ。確かに国立からは徒歩で10分程度かかるが、大江戸線、総武線の駅や電車の混み具合を思えば、あるいは外苑前駅まで歩くことを思えば、北参道駅は帰り道の有力な選択肢だと思うし、今日みたいに4万人を超す動員がある日なら、終了後の観客の排出という意味でももっと有効に使えるのではないか。副都心線なら新宿にも(新宿三丁目だけど)渋谷にも池袋にも一本で行ける。まあ、僕としてはだれにも知られず空いた電車に乗れる方が嬉しいからいいんだけど。
夜7時から味スタで優勝報告会があって、行こうかどうしようか迷ったけど、遅くなりそうなので見送った。
いつもこのブログをROMってる青赤者がもしいたら、今日は特別にひとことコメントを残してもらえると嬉しい。
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FC東京
2009年11月01日 11:52
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【ブンデスリーガ第11節】HSV×グラードバッハ
前節ケルンとのスコアレスドローで連敗を5で止めたとはいえリーグ戦6戦勝ちがなく、降格圏に沈んでいるグラードバッハ。首位HSVを相手のアウェイ戦で、やる前からモチベーションが下がってしまいそうな、あまり希望の持てなさそうな状況ではあったが、とにかく勝ち点が欲しい。グラードバッハは前節と同じ布陣で試合に臨んだ。並びはこんな感じらしい。
バイリー
レヴェルス ブラウアース ダンテ ヤウレス
ロイス ブラッドリー マルクス アランゴ
ボバディラ コラウッティ
さて、この試合、例によって
ブンデスリーガ公式サイト
のウェブ・ラジオと「
kicker
」紙のティッカーで経過を追った(先週ウェブ・ラジオの音が出なかったのは何だったんだろう…)。いい気分でCDを聴いていたらキックオフを聞き逃し、ああ、いかんいかんと思ってウェブ・ラジオを立ち上げたのが11時45分頃だったと思うが、その時点で既に0-1。ガックリきた。
試合は互いにアグレッシブに入ったものの、13分に敵MFの見事なミドルで先制されたらしい。ここから試合はHSVが優勢となり、前半は押され気味の展開に。だがHSVも最後のところでの正確さを欠き、何とか追加点を許さずにしのいだ。すると、39分、ボバディラ、コラウッティとワンタッチでつないだボールが最後はフリーのロイスに渡る。独走したロイスはループで敵GKを抜いてゴール、1-1で前半を折り返す。いい時間帯に追いついた。
ところが、ハーフタイムに麦茶を飲んだりして席を外している間にまたしても後半が始まっており、画面を更新したら1-2。目を疑ったよ。47分、FKを直接決められたらしい。こっちとしては「やっぱり力の差か」と正直テンションが下がったが、チームの方は試合を諦めなかった。なかなかチャンスは作れなかったものの、63分、コラウッティに代えてマトモア、73分にはマルクスに代えてフレンドを投入、前線をリフレッシュして同点を狙いに行く。
すると76分、アランゴのCKにダンテが頭で合わせ2-2。「kicker」紙ではこれを「Urgewalt」と表現しているが、「Urgewalt」とは自然災害という意味でありいったいどういう状況だったのか興味深い。水曜日のダイジェストを楽しみにしておこう。直後には敵DFとGKの間で「誤解」があり(たぶんバックパスの受け渡しミスか何か)、ボバディラがフリーでボールを持ったが決めきれず。だが、82分、アランゴの柔らかいパスを右サイドで受けたフレンドが正確なシュートを決めてついに逆転に成功した。
その後、HSVの反撃を受けたものの何とかこれをしのぎきり(残りの10分はすごく長かった…)、いつ以来か分からないアウェイでの勝利をもぎ取った。
グラードバッハはこれで勝ち点を11に伸ばし順位も12位に浮上。とはいえ11試合で勝ち点11は降格圏でおかしくない数字であり、ここで連勝することが重要。次節はホームでのVfB戦であり、この上がり調子を何とか維持したいところだ。
ミヒャエル・フロンツェク監督談話:
「この働きと素晴らしい戦いに対してチーム全体を高く評価しなければならない。二度もリードを奪われたが我々は決して組織だった戦い方を見失わなかった。この勝利は偶然ではない。今週は、先週にはなかった運も少しばかり味方した。6試合勝ちのなかったのをストップできたのは嬉しい。ハンブルクが我々を侮っていた訳ではないこともよく分かっている」
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