フットボール・クレイジー
football crazy
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2012年03月31日 23:24
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【Jリーグ第4節】FC東京×広島
■2012年3月31日(土) 14:00キックオフ
■味の素スタジアム
朝から強風で京王線も断続的に運休、徐行を繰り返す嵐の土曜日。気温は高めだが午後からは雨の予報もあり、波乱が予想されるホームゲームとなった。
青赤横丁もあり、喜作のソーセージ盛りに並ぼうかとも思っていたが、そういう天気だったのであっさり諦めてゆっくり支度していたら出遅れ、最寄り駅では京王線が笹塚付近の強風で運転見合せのアナウンスがあって結構焦った。
結局ほどなく運転は再開され、乗り継ぎも問題なく、飛田給駅からは雨に打たれながらキックオフの30分前までにはスタジアムに到着したが結構リスク高かった。
さて、開幕3連勝の東京はホームで広島と対戦。長谷川が前節退場で出場停止なのに加え、梶山がふくらはぎ痛で出場を回避、そのためボランチは田邉が今季初先発して高橋とコンビを組み、3シャドーは右から石川、羽生、谷澤となった。また大竹、橋本がベンチに入った。
ともにパスをつないで崩そうとするスタイルだったが、試合は広島優位に展開する。東京がボールを持つと広島は自陣で3バックに両翼も下げた5バックに近い陣形で対応、東京は長谷川、梶山を欠くこともあって前線で起点を作れず、有効なくさびを入れられない。サイドに展開してもそこから中央に入れず、下げてはフィフティの長いボールを蹴らされるなど、こちらのやりたいサッカーをやらせてもらえない。
広島は右サイドを起点に素早い展開から何度か決定的なボールを中央に送り、FWが点で合わせるスタイルでチャンスを作る。こういう感じでこれまで何度もやられており、この日も森重と加賀の連携がズレる瞬間に裏に出られるシーンが何回かヒヤッとするが、何とかしのぐ時間が続く。東京がボールを持つ時間もあるものの全体としては広島が主導権を握っているように見える。
東京は効果的な崩しができないためシュートも遠めから可能性の低いものが多く得点の可能性が感じられない。35分、敵のフィードの対し権田が飛びだしたもののボールが大きくバウンドして頭を越えられピンチを招く。風が強くボールの目測も難しかったのだろう。何とか対応して失点には至らなかったものの決定的な状況になりかねないシーンだった。強風のせいで、ボールを受ける、止めるという基本的な動作の質が問われる。
結局、前半はシュート3本に終わり、形を作れないままスコアレスでハーフタイムを迎えた。マイボールの時はしっかりパスをつなごうとするが、敵にとってクリティカルなエリアにはいい形で入って行けない。
後半に入っても東京は切替速く素早く自陣を固める広島の前に前線で起点を作れない状況が続く。56分、東京の左サイドで敵MFにボールを持たれ、中央にグラウンダーのクロスを入れられる。飛び込んだ敵FWが中央でこれに合わせ失点。分かっちゃいるけど止められないという感じでいつもの広島戦の失点パターン。今日の展開からは重いビハインドを背負う。しかし広島のゴール・パフォーマンスは不発。
広島は得点で余裕ができたか、後ろを固め攻撃は前の選手にボールを預ける戦術が鮮明に。崩しきれない展開に怒ったポポヴィッチ監督は、65分、羽生、谷澤を下げ、渡邉、大竹を投入。渡邉がワントップに入りルーカスがトップ下に落ちる。大竹は左SHに入る。
東京は敵陣でボールを持っても分厚い敵の守備の前にアタッキング・サードまで侵入できない。攻撃がパターン化してうまく行かないシーンを何度も繰り返している感じ。変化をつけることのできる選手といえば大竹か田邉だと思うが、なかなか決定的な仕事をさせてもらえない。一度、大竹のスルーパスに石川が反応したシーンもあったが正確さを欠いた。
90分には加賀を下げて平山を投入、同点を狙いに行くが、あくまでパスをつないで崩すのか放り込みもありなのかはっきりせず、どっちつかずの中途半端な攻撃を繰り返してはボールを失うことの繰り返し。結局アディショナル・タイムにも得点することはできず、0-1で今季リーグ戦初めての敗戦を喫した。
東京は決してひどい試合をした訳ではなく、自分たちの目指すサッカーを愚直に表現し続けたが、緩急の変化や、時として長いボールを取り混ぜたり、ドリブルで仕掛けるなどのバリエーションが乏しく、チームとしての完成度が高い広島を最後まで崩すことができなかった。
広島はパス・サッカーというベースのスタイルをしっかりと守りながらも、状況に応じて割り切りや調整ができる柔軟性をチームに組み込んでおり、それがきちんと共有されている印象を持った。一方の東京はまだまだプリンシパルを確立する段階で、それを生かすためのゆさぶりまで手が回らずに単調な攻撃に終始したということだろう。
守備は何とか持ちこたえていたが、いつものパターンでワン・チャンスを生かされ失点。シュートは5本しか許さなかったが、最も注意しなければならない形で失点したことが残念だ。
東京は順位をひとつ下げ3位に。このひとつの敗戦に過剰にこだわる必要はないが、まだまだ課題、学ぶべきことは多くあることを確認した試合。やはりJ1ではもっと精度を上げ、リズムに変化をつけないと、逆に隙につけ込まれてやられるということを痛感。次のACL北京戦、そして次節多摩川クラシコでこの課題をどう克服して行くか、いずれにしても連敗しないことが極めて重要だ。今季初めて、負けた後の対応が問われる1週間になる。
採点(
採点の見方
):
権田(4) 前半の飛び出しには肝を冷やした。失点シーンはやむなしか。
徳永(3.5) 要所で攻撃に絡んだが決定機を演出するまでには至らず。
加賀(4) 粘り強い守備を見せたがまだまだ不安定なところも。
森重(3.5) 許したシュートは5本に抑えたが決定機も作られた。
太田(4) 対面の敵SHに手を焼いた。攻撃では特徴出せず。
高橋(3.5) 中盤でボールをしっかり散らしたが前への推進は難しかった。
田邉(3.5) ボランチとして機能。このポジションの選択肢に十分なり得る。
石川(4) 何度かの決定機にも決めきれず。敵にもケアされていた。
羽生(4) 愚直に動き回ったが結果につながらず。
谷澤(4.5) 消えている時間長し。イージーミスも出た。
ルーカス(4) 敵のチェックもきつく起点になれなかった。役割の整理を。
===
渡邉(4) スペースがない中で動けず。もっとゴリゴリ行っていい。
大竹(4) クリエイティビティの片鱗は見せた。もう少し見たい。
平山(-) 時間短し。
ここでひとつ負けたのはタイミングとしては悪くない。我々は昇格クラブであり、まだまだ発展途上なのだ。
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FC東京
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J1リーグ戦
2012年03月27日 00:29
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【ブンデスリーガ第27節】グラードバッハ×ホフェンハイム
■2012年3月24日(土) 15:30キックオフ
■Stadion im Borussia-Park
DFBポカールではバイエルンにPK戦で敗れ、リーグ戦でも一時期より調子を落としつつあるグラードバッハ、ホームでのホフェンハイム戦はしっかり勝ち点3を確保したい試合だ。日本時間土曜日夜11時半からの試合で、本来ならウェブ動画とかウェブ・ラジオで経過をチェックするのだが、実家に滞在していたのでノーチェック。日曜日の朝に結果だけ確認した次第。
さて、グラードバッハはシュトランツルをケガで欠く他、ノードファイトが警告累積で出場停止。このためCBにはブラウアースが入り、ボランチにはマルクスが久しぶりに先発した。また、前線ではヘアマンが右SHに復帰、トップはデ・カマルゴがロイスとツートップを組み、ハンケがベンチ・スタートとなるなど、ちょっとメンバーをいじってきた感じ。
グラードバッハは水曜日にDFBポカールで120分を戦った疲れもあってか精彩を欠くスタート。自陣での守備は手堅いものの、攻撃ではパスミスが多く前線までボールが供給できない。一方のホフェンハイムはサイドを起点に攻撃を組み立てようとするが、正確さを欠き大きなチャンスにならず。盛り上がりを欠くまま試合は進んだようだ。
39分、ヘアマンからのパスを受けたロイスがエリア内でフリーでシュートを放ち、これが決まってグラードバッハが1-0と先制。41分にはアランゴもシュートを放つがこれはわずかにバーの上で追加点はならず、1点をリードして前半を折り返す。
後半に入るとグラードバッハは引き気味になり、ホフェンハイムがボールを持つようになる。しかし守りを固めるグラードバッハに対してホフェンハイムは有効な攻め手が見出せない。
74分、デ・カマルゴに代えてハンケを投入。77分、敵FWのシュートをブロックしたボールを敵MFに拾われ、エリア外から狙われて失点。1-1の同点になってしまう。
直後にはヘアマンに代えてヴェントを投入、だが、79分、CKからつながれたボールを頭で決められ逆転を許す。83分にはマルクスに代えてレッキーを投入、得点を狙いに行くが追いつくことはできず、1-2で今季ホーム初の負けを喫した。
前半のうちに先制できたのはよかったが、残り15分で逆転されての敗戦はショックが大きい。これでシャルケに抜かれ順位も4位にひとつ後退。ホフェンハイムにはアウェイでも負けており、今日は勝っておきたいところだったが…。
ヘアマンの復帰は嬉しいが、よかったときのマジックが失われつつあるようだ。次節はアウェイでのハノーファー戦。その次の週はホームでのヘルタ戦と続く。この辺できっちり踏ん張れるか、ズルズルと勝ち点の取りこぼしを続けるかでシーズン終了時の着地点が随分変わってくるはずだ。
既に優勝はやや非現実的になりつつあるが、チャンピオンズ・リーグ圏内は十分狙えるところにいる訳で、ここからの建て直しに期待したい。幸いここまでリーグ戦での連敗はなく、ハノーファー戦がポイントになりそうだ。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「敗戦にはもちろん落胆している。我々はいい試合をし、ゴールのチャンスも何度かあったのだが、残念ながら1点しか取ることができなかった。同点に追いつかれてからの対応は難しかった。すぐに下を向いてしまっていることが分かった。ホフェンハイムは先週シュトゥットガルトに負けるはずはなかったが、実際には負けてしまった。今日もそんなように思えた。我々も負けるはずはなかった。70分間はより上手く戦うことができたが、2-0にすることができなかったのは残念だった。しかしチームのパフォーマンスはよかった」
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2012年03月25日 21:58
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【Jリーグ第3節】神戸×FC東京
■2012年3月24日(土) 14:00キックオフ
■ホームズスタジアム神戸
サッカーとは別に一度関西に帰って済まさねばならない用事があり、その日程を調整してついでに神戸戦を現地観戦することにした。朝9時半頃東京出発の新幹線に乗り、新神戸から三宮を経てホムスタへ。開幕2連勝同士の対戦ということで注目も高い。ていうか1年半前に残留を競った2クラブが連勝同士で首位を争うとはだれも思わなかっただろう。
神戸は会社に入ったときの最初の勤務地であり、2年半働いたところなので一応の勝手は分かっているつもりだが、あれからもう20年が経ち、またその間震災もあって街の様子は変わった。だいたい地下鉄海岸線なんてものはなかったのだ。ていうか三宮での地下鉄から地下鉄の乗換がちょっとアレすぎるやろ。
このスタジアムもサッカー専用でいい雰囲気。東京もこういう感じで30,000人から35,000人くらい収容のサッカー専用スタジアムが欲しいな。理想は日立台だけど。バック自由席のやや東京よりに陣取ったが、周囲は東京サポと神戸サポのミックス・ゾーンといった雰囲気。ここってホームの神戸がメインスタンドから見て右手のベンチを使うんだな。
東京はACL蔚山戦からまたしてもターンオーバー、先週末の名古屋戦と同じ布陣に戻した。高橋と長谷川がダブル・ボランチを組み、2列目には石川、梶山、羽生が入って、ルーカスがワントップを務める。
試合は神戸のペース。コンパクトな布陣を徹底する神戸を前に、東京はボールを持っても出しどころがなく、最終ラインでパスを回すうちに前線から追いかけられて蹴らされたり、それどころか奪われてショート・カウンターを受けるシーンが目立つ。動きの中で緩急をつけながらパスを回すことができず、窮屈な展開を強いられる。
11分、17分にはこうした展開から敵に決定的なチャンスを作られるがいずれも権田がセーブ。この日も権田に助けられたシーンは少なくなかった。
森重、加賀、高橋らが懸命にエリアを守ってしのぐ時間帯が続く中、31分、自陣で奪ったボールを梶山が右サイドの石川に展開、カウンターになる。石川は右サイドを上がったところで再び中央の梶山へ。梶山はタメを作りタイミングを計って左サイドを上がったルーカスにパス。ルーカスが逆サイドに振ったクロスに石川がダイレクトで合わせ、角度的には難しいところだったがニアを抜くファイン・シュートとなりゴール。
東京は苦しい試合展開の中、ワンチャンスを生かし目の覚めるようなカウンターから先制点を奪った。その後も神戸にチャンスを作られるもののしっかりした守備で得点を許さず、1-0とリードして前半を終えた。
東京は後半から梶山に代えて谷澤を投入。羽生がトップ下に回る。事後の情報によれば梶山は前半の途中で既にふくらはぎを傷めていたらしい。心配だ。
後半に入っても神戸が主導権を握り、東京はこれを受ける流れが続く。東京はなかなかリズムよくパスを回すことができず、ボールを奪っても前線に展開できない。しかし神戸の攻撃も最後のところで精度を欠き、また集中した守備でいい形でのシュートは打たせない。
71分、羽生に代え渡邉を投入。渡邉がワントップに入りルーカスが一列下がったように見えたが、あるいは渡邉とルーカスのツートップに変更したのか。さらに77分、石川に代えて椋原を投入、椋原がそのまま左SHに入る。
MFなら米本も田邉もいたはずだが、敢えて椋原を起用したということはしっかりボールを追いかけろということか。米本を入れて長谷川をサイドに出すのでもよかったのかもしれないが、ここは今季出場の少ない椋原を敢えて使うポポヴィッチ流の用兵なのか。ともかく、10分以上を残してカードを使いきるのはポポヴィッチ監督としては珍しいように思う。
残り時間も神戸の攻勢を受けるが、疲れが出て得点への焦りも色濃くなる神戸は次第に前がかりになり、中盤にスペースができ始める。そのため東京はボールを奪うと得点まで行けなくてもパスを回して時間を使うことができるようになる。
86分、長谷川がこの日2回目の警告を受け退場に。警告の対象となったシーンはよく見ていなかったがそれほど悪質にも見えず、思いがけず警告を受けた印象。東京は一人少なくなり、渡邉をトップに残したままルーカスが2列目に落ちた4-4-1になったか。
数的優位を生かしてパワー・プレーに出る神戸に対し東京が必死に守る。アディショナル・タイムには加賀がエリア内で敵FWと交錯し敵FWが倒れるがホイッスルは鳴らず。神戸サポ的には納得できない判定だったようだが遠いサイドだったのでよく分からなかった。ただ、この日の主審はボールを巡る一対一のコンタクトはかなり我慢強く流していたので、僕はこのプレーもその文脈で理解した。
5分のアディショナル・タイムも終了に近づいた頃、権田がキャッチしたボールを前線に送ると、一人残っていた渡邉がこれを収め、敵DFと競り合いながらも抜け出し、GKとの一対一も冷静に流し込んで追加点。これと同時に試合終了となり東京が2-0で開幕3連勝を飾った。
内容的には流動的なパスワークをコンパクトな守備で封じられ、得点機もほとんどない苦しい試合。連戦の疲れも見えて運動量が足りず、持ち味が出せないまま終始神戸に主導権を握られた。シュートも8本に終わった。
しかし、最後の守備のところは権田のファイン・セーブもあり、また最終ラインと高橋による必死の対応もあって何とか守りきり、一方でわずかなチャンスを生かして勝ちきった。チームがまだまだ発展途上にあることを示したが、それでも勝ちきる勝負強さは昨季J2でやった経験が生きたか。勝ったということに大きな意味がある試合で、結果が内容を牽引するのであればそれはそれでいい。
これで東京は2位に順位を上げたが、まだまだ順位に意味はない。それよりも3試合で勝ち点9を積み上げたことが重要だ。
次節は長谷川が出場停止となる他、梶山のケガも心配だ。まあ、仮に二人とも出られない場合は、高橋と米本のダブル・ボランチ、2列目に石川、羽生、谷澤で何とかなりそうな気はするが…。あるいは渡邉のワントップにルーカスのトップ下というのも面白いかもしれない。
渡邉は移籍後初得点。ストライカーは得点をひとつ決めることでグッと動きがよくなることがあるので次節以降が楽しみだ。
採点(
採点の見方
):
権田(2) 素晴らしい反応で何度もピンチを救う。勝ちの高い働き。
徳永(3.5) 敵のMFに手を焼いたが最後まで粘り強く守り通した。
加賀(4) ビルドアップに難が残る。森重との連携も向上の余地あり。
森重(3.5) 守備に追われたが何とか守りきる。ラインコントロールしっかり。
太田(3.5) 我慢強い守備で完封に貢献。攻撃には絡めなかった。
高橋(2.5) 抜群の対応力で何度もピンチの芽を摘んだ。代表もあるか?!
長谷川(4) スペースがなく特徴出せず。退場はやや気の毒か…。
石川(3) 得点だけで十分な働き。2009年の感覚が戻ってきたか。
梶山(3) 先制点の起点になったパスも見事。ケガが心配される。
羽生(3.5) よくバランスを取ったが窮屈な動きを強いられた。
ルーカス(3.5) 厳しいマークを受けながらもボールを捌いた。
===
谷澤(4) 谷澤なんだからもうちょっと何か面白いことをやって欲しい。
椋原(3.5) SHでの起用だったが意外とボールを受けられていた。
渡邉(3.5) 嬉しい初得点。これでFWとして楽になったはず。
石川はここまで3得点でランキング1位。次節、どんなメンバーで来るのか楽しみだ。試合後は実家に帰り一泊、日曜日に所用を済ませて午後の新幹線で東京に戻った。お土産は551蓬莱の豚まんと赤福。大阪土産はこれで必要十分だ。
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FC東京
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J1リーグ戦
2012年03月24日 01:10
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【DFBポカール準決勝】グラードバッハ×バイエルン
■2012年3月21日(水) 20:30キックオフ
■Stadion im Borussia-Park
DFBポカール準決勝はホームでバイエルンと戦うことになった。僕の知る限り、というか僕が応援し始めてからDFBポカールで準決勝に進出したのは初めてのはず。ましてや決勝進出とか優勝とかいうことになるともう想定外の世界。
日本時間では木曜日の未明4時半のキックオフだが、GAORAで生中継があるので契約解除を1カ月延ばして待っていた。一応録画はしたが、朝5時半に起きて後半だけでもナマで見ようという算段。
グラードバッハは週末のレバークーゼン戦を警告累積で欠場したヤンチュケが右SBに復帰、これに連れてシュトランツルがCBに戻り、ブラウアースがベンチ・スタートとなった。それ以外のポジションは変更なし。
試合はバイエルンがボールを支配する一方、グラードバッハは引き気味に守備を固め、ボールを奪えば速い切り替えからカウンターを狙うという展開に。さすがに個々の選手の能力に優れたバイエルンだけあって押し込まれる状態が続くが、その辺は予定通りなのかグラードバッハも集中した守備で最後のところは守りきる。
18分には敵のシュートがポストを直撃。21分にはロイスがGKとの一対一でGKに当ててしまう。その後も何度かチャンスはつかむものの得点には至らず。一方のバイエルンも正確さを欠きスコアレスのまま前半を終えた。
後半からテレビ観戦。引き続き自陣内に押し込められる時間帯が続く。62分、ヴェントに代えヘアマンを、ケガのシュトランツルに代えてブラウアースを投入。ヘアマンは鎖骨骨折からの復帰だが本当に大丈夫なのかな。ユニに着替えているときに右肩にギプスをはめているのが見えた。
75分にはハンケに代えてデ・カマルゴを投入。バイエルンの攻撃に耐えながら、何度か奪ったボールをダイレクト・プレーで前線に運ぶが、なかなか敵ゴールに迫ることができない。84分にはロイスが裏に抜け出し敵GKと再び一対一になるがやはりGKに当ててしまう。敵GKの飛び出し、コースの切り方も見事だった。
結局90分を終えてもスコアレスのまま決着がつかず試合は延長戦へ。僕はここで泣く泣く出勤、あとはiPhoneで経過だけを確認した。延長ではどちらも失点を恐れて慎重な戦い。終盤にバイエルンが攻勢をかけるがグラードバッハの守備の前に得点できず、0-0のまま延長戦の30分も終了した。
決着はついにPK戦に持ち込まれたが、バイエルンが4人連続でキックを成功させたのに対し、グラードバッハは3人目のダンテが外し、4人目のノードファイトが敵GKに止められて勝負あり。グラードバッハは最後まで戦ったが決勝進出を逃した。
決勝には進出できなかったとはいえ、1シーズンに3度バイエルンと戦って2勝1分と一度も負けなかったのは素晴らしい。この試合も堅い守備からの速い切り替えと展開という持ち味をしっかり生かしてバイエルンとガッチリ組み合い、90分で勝つ可能性も十分あった内容で、下を向く必要のない試合だった。「kicker」でも試合評は「1」。最高の評価だ。
ポカール敗退は残念だが仕方ない。切り替えてリーグ戦に集中したい。次の試合は土曜日のホフェンハイム戦。ホームであり勝たなければならない試合だ。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「私としては両チームともに非常にリズムを作ったいいカップ戦だったと思う。どちらのチームもいいパフォーマンスを見せたし、バイエルンは確かにより多くのゴール・チャンスがあったが、我々にも機会はあった。PK戦というものはいつでも多少なりとも運に左右される部分があり、この敗戦を受け入れるのは難しい。しかし私にすればもう終わったこと。頭はもう土曜日のホフェンハイム戦へと切り替えた。我々はポジティブにものを考え、前を向かなければならない。もちろん、選手たちの落胆は非常に大きく、それは簡単なことではない。敗退を消化するのは大変だが、しかしそれを変えることはできないのだし、リーグ戦で勝ち点を積み上げるようにしたい」
いちばんこだわってんのはあんたやがな。
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Borussia M'Gladbach
2012年03月21日 23:00
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【ブンデスリーガ第26節】レバークーゼン×グラードバッハ
■2012年3月17日 15:30キックオフ
■BayArena
ここ3試合で1敗2分と失速気味のグラードバッハはアウェイでレバークーゼンと対戦。このジリ貧を何とかするためにはそろそろ勝つしかない。日本時間土曜日夜10時半のキックオフだが、味スタで見た名古屋戦のレポートを書いているところだったのでウェブ動画を見ることができず、ウェブラジオで音声だけ聞いていた。
グラードバッハは累積警告で出場停止のヤンチュケに代わってシュトランツルが右SBに回り、ブラウアースがCBで先発した以外は前節と同じ布陣。
試合は開始早々に動く。7分、アランゴからのパスを受けたロイスがエリア内からGKをよく見てシュート。これが決まってグラードバッハが早々に1-0と先制した。グラードバッハはその後もサイドを起点に何度かチャンスを作る。
一方、レバークーゼンも15分を過ぎた頃から徐々にペースをつかみ、ゲームはオープンに。僕がウェブラジオを聴き始めたのは確かこの時間帯だったと思う。忘れていたのだ。グラードバッハはレバークーゼンの攻撃に対し、守ってカウンターを狙う戦術に。しかしどちらも守備が固く得点機は訪れない。中盤での競り合いが続く。
次第に、引いて守るグラードバッハに対し、中盤を支配しながらもこれを崩せないレバークーゼンという展開になる。グラードバッハは押し込まれながらも決定機を許さず守りきり、1-0とリードしたまま前半を終える。
後半に入ってもドン引きのグラードバッハに対し攻めあぐねるレバークーゼン。62分にはロイスが敵GKと一対一になり追加点の決定的なチャンスとなったがGKにセーブされる。70分、ハンケに代えてデ・カマルゴを投入。
75分、敵CKからのシュートをテア・シュテゲンがセーブ、こぼれ球をアランゴがクリアしようとしたがこれが敵FWに渡り決められる。1-1の同点に。これを聴いて僕は寝てしまった。翌日が仕事だったのだ。
追いつかれたグラードバッハは再び前に出る。デ・カマルゴ、シュトランツル、ロイスが立て続けにシュートを放つが敵GKの好セーブに遭う。84分、ヴェントに代えてリングを投入。両チームとも勝ち点3を求めて攻撃を仕掛けたが、88分、ロイスがドリブルで持ち上がってデ・カマルゴにラストパス。デ・カマルゴがこれをきれいに流し込んでグラードバッハが土壇場で勝ち越し。
グラードバッハはアディショナル・タイムにロイスに代えてマルクスを投入、時間を使いきって2-1で勝利を収めた。
このところ勝ちきれない試合が続いていただけに、このアウェイでの勝利は大きい。首位BVBとの勝ち点差は8の3位と変わらず。ここからはとにかくひとつでも多く勝って勝ち点を上積みするしかないだろう。最後にどんな順位にいるかはその結果ということでいい。
グラードバッハは水曜日の夜にDFBポカールの準決勝をホームでバイエルンと戦う。GAORAで中継があるので契約は3月までにした。1シーズンに3回もバイエルンに勝てたら面白いが。リーグ戦はホームでホフェンハイムと。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「今日の勝利は我々にとって大変重要なものだ。1-1にされた後の私のチームの対応は素晴らしいと思った。そこで私のチームは特長を出し能力を見せてくれた。今週はずっと、レバークーゼンで勝ちたいと言い続けてきた。我々はそれをやり遂げた。イゴー・デ・カマルゴは既に得点の前にもチャンスがあった。忘れてはならないのは、彼が長い間ケガをしていたということであり、そのために試合勘が不足していておそらくはリズムをつかめないところがあっただろうということだ。だが、彼は今日、傷が癒えたこと、そして彼がボルッシアにとって重要な選手であるということを示してくれた」
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2012年03月20日 21:34
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【ACLグループリーグ第2節】FC東京×蔚山
■2012年3月20日(火) 14:00キックオフ
■国立競技場
快晴の春分の日。ホームでのACL初戦には絶好の天気だ。気温はやや低くひんやりしているものの、日射しを受ければ暖かい。Tシャツの上にハイネックシャツを着て、その上にフード付のトレイナーシャツを重ね着していたが、ユニをさらにその上から着るとジャンパーは要らなかった。京王百貨店で買って行った焼肉&ステーキ弁当を美味しくいただきキックオフを待った。
東京は土曜日の名古屋戦から3人を入れ替え。ボランチには米本が先発し長谷川がベンチ・スタートとなった。左SHには羽生に代わって谷澤が、ワントップにはルーカスに代わって渡邉が先発した。連戦の中でのターンオーバーということだろう。試合開始前の場内アナウンスなども微妙にACL仕様で、特に選手入場のシーンは感慨深いものがあった。それにしても東京はこの日があることを予想してスタジアムMCをスティーヴン・スペンサーにしていたのか?!
さて、試合は互いに難しく拮抗した展開になった。東京はパスをつないで前線にボールを運ぼうとするが、距離のあるパスを狙われて再三カットされ、敵の長身FWやシャドウに当てられる。森重、加賀、高橋を中心とした守備でピンチはしのぐものの、主導権を握れずチャンスとピンチが交互に訪れるような状況がしばらく続いて行く。
敵は名古屋と似た感じか、個人技に優れる前線の選手を核に、奪ったボールを早めに前線に送って勝負するサッカーのように見えた。時間を経るにつれて東京がパスをつないで敵ペナルティ・エリアに迫るシーンも増えて行くが、シュートは遠めからのものが多く、なかなかエリア内では勝負をさせてもらえない印象。
激しいつばぜり合いで必ずしも東京ペーストは言えない前半だったが、37分、石川が右CKをゴール前の密集ではなく中央後方のエリア外にいた徳永に送るサイン・プレー。これを受けた徳永はドリブルで突っかけ、敵DFに捕まったようにも見えたがギリギリのタイミングでループ・シュート。これがGKの頭を越え、きれいにゴールに入って東京が先制。いい時間帯で1-0とリードを奪った。
後半に入ってもつなごうとする東京とインターセプトからカウンター気味に前を狙う蔚山との戦いになるが、徐々に蔚山の足が止まり始め、中盤にスペースが生まれてくる。次第に高橋や米本が中央で前を向いてボールを持つことができるようになる。62分、復帰後初先発でスタミナに不安のある米本に代えて長谷川を投入。まず穏当な交替か。
この辺りから東京がボールを支配し、敵ゴールに迫るシーンも増えてくるが、敵GKの好守や敵DFの身体を張った守備もあり、決定機を決めきれない。67分の石川のシュートは敵DFがブロック。68分には梶山がボレー・シュートを放つがGKが好セーブ。一方、敵にボールが渡ったときも果敢にプレスバックできており、ボールを絡め取ることが多く好きにはさせない。やはりこの時間帯に追加点を取っておきたかった。
69分、谷澤に代え羽生を投入。しっかりとボールを持ちながら主導権を握っていたが、80分、敵GKのロング・フィードがそのまま敵FWに渡る。ラインを高く保っていた分、後ろを向いてのディフェンスとなったが、オフサイドを取りきれず、ボールにも対応できないまま完全に裏を取られてしまう。権田と一対一になった敵FWに冷静に決められて1-1の同点に。一瞬のできごとで現実感のないまま追いつかれてしまった。
ここから試合は流動的になる。得点に気をよくして圧力を高める蔚山に対し、東京は83分、長谷川が中央でボールを持ち、石川とのワンツーで上がって左に開いた羽生へパス。羽生が再び中央にボールを戻すと梶山がダイレクトでこれに合わせ強烈なシュート。これがゴールに突き刺さって東京が2-1と再び勝ち越す。このときは勝ったと思った。
しかし、その安心感がいけなかったのか。直後には渡邉に代えルーカスを投入、試合をクローズしに行ったが88分、再び敵陣からのロング・ボールを受けたFWに裏に抜け出され、飛び出した権田をかわすようにループで放り込まれて2-2と再び同点に。これも縦ポンで一瞬で裏を取られた失点で、オフサイド・トラップがかからなかった。一瞬集中が切れたのか、ボールの出し手にも圧力がかからず、ボールを見送ってしまった。
その後は再度勝ち越す力も残っておらず、そのまま2-2で引き分けとなった。
内容的にはまだまだ万全ではないにせよ、グループリーグ突破の最大のライバルと目されるKリーグ首位の蔚山に対して一歩も引かずに自分たちのやり方で戦い、勝ち点1を得たことは結果としてはそんなに悪くない。しかし、押し込んだ時間帯で追加点が取れず、終盤集中が切れて二度までも同じような縦ポンで裏を取られ追いつかれたのは今後の課題として重く受け止めなければならない。
蔚山は確かに迫力のあるサッカーをするが、歯が立たない相手という訳ではもちろんなく、むしろ後半は東京が主導権を握って十分勝てる試合だった。それだけにこの失点の仕方、この負け方はもったいなく、悔しい。グループリーグ突破に向け足がかりは作ったが、端的に言って勝ち点2を最後に返上したゲームだった。
先発した米本は独特のボール奪取に拍手が起きていたが、ボールを受けた後の判断のスピードはまだまだ戻っていない。うかつなボールロスト、パスミスもあり、もうしばらくは調子を見ながら使い続けるしかないだろう。
一方、このところトップ下にコンバートされている梶山は前線でのボールキープ、ラストパスの出し手として高い能力を発揮。この日の試合はザッケローニ監督が視察に訪れていたようだが、もしかしたら代表招集もあるのではないかというパフォーマンスだった。ファースト・ディフェンダーとしての働きも評価したい。
東京はグループリーグ2試合を終え、勝ち点4で首位をキープ。次節、アウェイでの北京戦が大事な戦いになる。リーグ戦では土曜日にアウェイでの神戸戦。日程はきついが相応のターンオーバーはしており、ここまでのチーム・マネジメントはしっかりしていると言っていいだろう。
採点(
採点の見方
):
権田(3.5) 飛び出し、キャッチング、パンチングとも的確。失点はやむなし。
徳永(3) 対人の強さを発揮。ループシュートでの得点は見事。
加賀(4) 敵の大型FWにもよく対応したが失点シーンでは出足が遅れた。
森重(4) 高い能力は見せたがやはり失点シーンでラインをコントロールしきれず。
太田(3.5) 高いポジションに張っているがなかなか使ってもらえないのはなぜ?
米本(4) 致命的なポールロストもあったが先発復帰としてはまず及第点か。
高橋(3) もはや中盤の核。縦に当てるタイミング、選択も的確。売出中。
石川(3.5) 突っかけるところで奪われるシーン多し。アクセントとしては機能。
梶山(3) 敵にとって危険な選手。守備への貢献も大きい。代表間近か。
谷澤(4) よくボールに触ったが決定的な働きはできず。倒れグセは要修正。
渡邉(4) ゴール前でのシーンが少なく本領が発揮できていない。まず得点が欲しい。
===
長谷川(3.5) 中盤でボールを受けて起点となった。守備にも貢献した。
羽生(3.5) 敵の足が止まった時間帯の投入で効果を発揮。
ルーカス(4) 必死に動き回ったが再度の勝ち越しにはつながらず。
ところでこの試合の入場者数は14,000人余りだった。アウェイ側がガラガラだったことを考えればそれなりの動員かもしれないが、せっかくの祝日の昼間に東京の真ん中で国際試合をしているのだから、もっと積極的に広報をして集客してもよかったのではないか。アウェイ側だってすぐそこに新大久保があるのだから、韓国人コミュニティに働きかけたりすればもっと入ったかも。
コアなサッカー・ファンだけではなく、家族連れの行楽としても悪くないコンテンツだと思うが、その辺の訴求が足りず手なりのだったように思う。天気もすごくよかっただけに何かすごくもったいなかった。
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FC東京
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ACL
2012年03月18日 00:16
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【Jリーグ第2節】FC東京×名古屋
■2012年3月17日(土) 19:00キックオフ
■味の素スタジアム
4時から横浜で所用があり、それがまた何時に終わるか分からないというタチの悪い状況だったが、幸い4時半すぎには用が片づき、5時前の東横線に乗ることができた。朝から冷たい雨の降る寒い日だったが、6時前に飛田給に着いた頃には雨もほぼ上がり(それでもたくさんの人が傘をさして歩いていたのには驚いた)、ホーム開幕戦に無事駆けつけることができた。
シーズンレビューDVDと「名勝負BEST10」を買い、ビッグフレームス特典でファンブックをもらって着席。いつものバックスタンド上層中央に帰ってきた。開幕戦イベントはテリー伊藤とVOJAというコーラス・グループ。悪くなかったがなぜテリー伊藤なのかはちょっとナゾ。特に味スタでの今年最初のシャーをテリー伊藤に持って行かれたのはいかがなものか…。
さて、東京は石川が右SHで先発、羽生が左SHに回り、谷澤がベンチスタートとなった。また、米本が昨年4月以来のベンチ入りを果たした。
試合は名古屋ペースで始まる。東京は中盤で主導権を握れず、たびたび決定機を作られる。攻撃は散発的なものにとどまり、22分までシュートなし。パスを狙われ、奪われたボールを力のあるFWに通されて苦しい戦いを強いられる。丁寧にパスをつなごうとするが正確さを欠き、中盤でボールを持てないままバタバタしたサッカーに終始する。
名古屋は速さはないもののフィジカルに優れた外国人を中心にパワー・フットボールとも言うべき迫力のあるサッカーを展開、東京は持ち味を出すことができない。20分過ぎからは徐々にパスが回るようになってくるが、36分、中盤から前線にスルーパスを通され、一気に裏を取られる。加賀が後ろから追いかけるが止められず、果敢に飛び出した権田もシュートを身体に当てることができずに流し込まれ先制。
押された展開で前半は何とか無失点に押さえ、後半の修正に賭けたいところだったが前半のうちに痛い失点。この1点は重いとだれもが思っただろう。僕も思った。結局、東京は前半ルーカスのシュート1本に抑えられる。さすがに昨年戦った相手とはレベルというか格が違うと感じた。これがJ1復帰ということなんだろう。まあ、シュートを6本放たれて1点ですんだのはむしろラッキーだったのかもしれない。
前半、長谷川のところでボールが収まらず、後半から米本でどうだと思ったが、後半もメンバーの変更なし。50分、敵のパスをカットした加賀がドリブルで攻め上がりシュート。加賀は1試合に1回はこれをやることになっているのか。でも全然悪くなかった。
59分、太田が左サイドからクリロナばりの連続またぎフェイントで敵を幻惑、エリア内に侵入し、長谷川、羽生とパスをつなぐ。羽生のシュートは敵DFに当たるが、こぼれたボールに石川が詰めゴール。東京が後半の早い時間に追いつき流れを引き寄せる。
意気上がる東京はパスも回り始める。後半になって名古屋がトーンダウンした要因は今ひとつよく分からないのだが、守りの意識が出たのか、またそのタイミングで失点を喫したためにフォーメーションの変更でバタついたのか、いずれにしても足が止まり始めてボールを動かす東京について来られなくなる。
67分、ショート・コーナーからファーに送ったクロスを加賀が折り返し。これに長谷川が頭で合わせてゴール。東京が逆転に成功する。
さらに73分、ルーカスからのボールを中央で受けた梶山が左サイドの石川の絶妙のスルーパス。これを受けた石川がきれいに流し込んで3-1に。東京が完全に試合の流れを支配する。80分、羽生に代えて谷澤を投入。
2点のビハインドを背負った名古屋はなりふり構わずパワープレーに出てくる。前線にデカいのを並べて放り込んでくる攻撃は単純なだけに迫力がある。87分、敵FKがバーに当たり跳ねたところに詰められ失点。3-2と1点差に詰め寄られる。90分、梶山に代えて米本がイン。感涙を禁じ得ない。アディショナル・タイム5分の表示に場内が騒然とする。
アディショナル・タイム、敵のファウルを受けて倒れた太田の手を敵MFが引っ張って無理矢理起こそうとする。太田がこれを嫌って倒れ込むがなおも起こそうとする敵MFにルーカスが駆け寄り猛然と抗議。ここから両軍が入り乱れての小競り合いとなり、結局この騒ぎで最初に太田を引っ張り起こそうとした敵MFが退場に。
さらには交替を準備している平山をピッチ・インさせるためFKのリリースを止めた権田に対して遅延の警告。権田はFKを直接敵側のゴールラインに蹴り出し、アウト・オブ・プレーにして平山を石川と交代させる。結局8分以上アディショナル・タイムを戦い、押し込みに来る相手のパワープレーを何とかしのいで、3-2で東京が逆転勝利を収めた。
押し込まれて先制を許した前半から、後半に修正して逆転、終盤は敵のパワープレーに手を焼き失点を喫したものの、最後は逃げ切り優勝候補の一角である名古屋に勝つことができた。決して理想的な内容ではなく、シュートも結局8本にとどまったが、そのうち3本を決めて勝ちきったことは大きい。まだシーズン序盤で、チームとしても試行錯誤を重ねて行く段階だが、それだけに勝利という結果が勢いになって行くはずだ。
ただ、前節もそうだが、試合の入り方が悪いのは気になる。今日は逆転できたからよかったようなものの、このレベルで先制点を許すことは時にそれだけで致命傷になる。試合の流れをつかみ、ギャップは早い時間帯にピッチ内の判断で修正できる調整機構のようなものがチーム内にできなければならない。ハーフタイムの監督の雷を待っているのでは手遅れになりかねない。
東京は開幕2連勝で3位。今の段階での順位には意味はないが、こうやって勝ち点を積み上げて行くことがシーズンのベースになる。次の試合は火曜日に国立でACLの蔚山戦。土曜日にはアウェイで神戸戦がある。蔚山戦ではターンオーバーするのか。おそらくいくつかのポジションで調整があるのではないか。楽しみだ。
採点(
採点の見方
):
権田(3) 前半に決定的なセーブあったがロング・キックの精度を欠いた。
徳永(3.5) 攻守に躍動。サイドを上がったときには自分でゴリゴリ行ってもいい。
加賀(4) 判断の遅れからパスミスも。使い続けるべきとは思うが…。
森重(3.5) 敵の大型FWに手を焼いたが失点には責任なし。
太田(3.5) 臆せず高いポジションを取った。またぎフェイントは茂庭を超えた。
高橋(3.5) ボールの出し手として活躍。いいくさびを入れられるようになった。
長谷川(4) 得点はあったものの前半は冴えず。替えられてもおかしくなかった。
石川(3) 2得点。ここしかないという局面で正確なシュートを打てたのが勝因。
梶山(3) 3点目のスルーパスは卓越。このポジションで機能し始めるとヤバい。
羽生(3.5) 前線で中継点になり敵を撹乱。ポポ東京に欠かせないピース。
ルーカス(4) 敵のチェックもきつくポストに正確さを欠く。
===
谷澤(-) 時間短し。
米本(-) 時間短し。
平山(-) 時間短し。
ちゃんと傘も忘れず持って帰ってきた。見てる方としてはスペクタクルで面白い試合だった。寒い中駆けつけてよかった。
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FC東京
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J1リーグ戦
2012年03月12日 23:57
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【ブンデスリーガ第25節】グラードバッハ×フライブルク
■2012年3月10日(土) 15:30キックオフ
■Stadion im Borussia-Park
失速気味のグラードバッハ、ホームでのフライブルク戦だがこれは勝たなきゃの試合。マイスターシャーレは遠のいたが、チャンピオンズ・リーグとかまだまだ現実的な目標はある。ここで諦める訳には行かない。だって次がいつになるか分からないんだから。時折紙芝居になるネットの動画中継で観戦した。
さて、グラードバッハはデ・カマルゴに代えてスウェーデン代表のオスカー・ヴェントを右ウィングに起用。ロイスとハンケのツートップ的な布陣になった。
試合はグラードバッハが優勢で始まったが、パスミスが多く、しっかりと守りを固めるフライブルクを崩すことができない。グラードバッハはいつものようにダイレクト・プレーでリズムを作りに行く。10分にはハンケがフリーでシュートを放つが敵GKがセーブ、こぼれ球にロイスが詰めるがこれも線上でクリアされた。
グラードバッハはその後もボールを支配するが、引いて守りボール・ホルダーには厳しいプレスをかけるフライブルクを相手に中盤を突破することができない。ロイスに長いボールを入れることで局面を打開しようとするが敵GKの攻守もあってつながらず。43分には敵CKをクリアしようとしたヤンチュケのヘディングがゴールに向かい、テア・シュテゲンも触れなかったがバーに当たり事なきを得るシーンも。結局スコアレスで前半を終えた。
後半もしっかりと組織だった守りを見せるフライブルクにグラードバッハは攻撃の糸口をつかめない。試合は我慢比べの様相を呈する。66分、ハンケに代えてデ・カマルゴを投入。70分にはデ・カマルゴが左寄りからシュートを放つがわずかに右に外れる。
71分にはヴェントに代えてフィンランド代表のアレクサンダー・リングを投入。終盤にかけて前がかりに得点を狙いに行くが、79分にはリングが至近距離からのシュートを外す。85分にはロイスが敵GKと一対一になるがシュートをGKに当てる。88分にはデムスがシュートを放つがやはり敵GKがファイン・セーブ。
結局グラードバッハはフライブルクのゴールをこじ開けられないまま試合終了。ホームで痛い引き分けとなった。
これでグラードバッハは3試合勝ちがなくこの間の勝ち点は2、得点はわずか1。BVBも引き分けたため首位との勝ち点差は8のまま変わらず、順位も3位をキープしているが、チーム自体がジリ貧の感は否めない。ヴェント、リング、あるいはこの日はベンチ外だったが大津といった選手がこういうときにしっかり結果を出せるようでないとここから先は戦えない。
このままズルズルと順位を切り下げて行くのか、ここで踏ん張ってCLへの足がかりをつかむのか、残り試合も10試合を切り、いよいよチーム力が問われる時期になってきた。ここまで来たからにはやれるところまでやってやろうじゃないか。次節はアウェイでレバークーゼン戦である。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「今日はマシな試合ができた。連携もより見られ、5つのはっきりしたゴールのチャンスもあった。しかし我々は残念ながらそれを生かすことができなかった。これには少しがっかりしている。しかし我々はポジティブに物事を考えなければならない。チームのパフォーマンスには満足している。フライブルクは1月からずっとよくなったし大変コンパクトになった。この相手と戦うのは簡単なことではない。我々は引き続きハードなトレーニングをして、パフォーマンスをこれからも上げて行かなければならない」
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2012年03月11日 01:42
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【Jリーグ第1節】大宮×FC東京
■2012年3月10日(土) 19:00キックオフ
■NACK5スタジアム大宮
いよいよリーグ戦の開幕を迎えた。思えば去年はJ1の結果やらダイジェストを見ても所詮他人事だった。トップリーグのニュースが自分たちの日常と直接関わってくることの喜びは、忘れていたというか正直考えないようにしていたもの。改めてそれを感じると、去年、J2をそれなりに楽しみながらも実は悔しかったんだということを今さらながらに思い知らされる。
今日は朝から冷たい雨。午後からは雨は上がる予報だったが気温は5度程度と冷え込むことが予想されたので、ハイネックの上にパーカを着込み、その上からベンチコートを羽織って大宮を目指した。駅前のそごうの地下のさぼてんでヒレカツ弁当を買ってスタジアムへ。
この試合、開幕戦ということもあってアウェイ側のチケットは早々に完売。僕は発売日に所用があって昼頃コンビニに行ったが10時発売のチケットは既に売り切れていた。その後いろいろ手を尽くして何とかホーム側バックスタンドの指定席を手に入れたが、観戦ルールではアウェイ・チームの応援禁止エリアのため、マフラーなどのオフィシャル・グッズは遠慮し、試合中も心の中でステルス応援する悲愴な覚悟。
しかし、いざスタジアムに着いてみると周囲には結構露骨に青赤な人たちがたくさんいて、堂々とマフラーを巻いている人たちまで。そういうクラブやサポの評判を無用に貶めかねないようなマナー違反は慎むべきだろうと僕は思う。禁止行為をしてトラブルになったような場合、クラブに迷惑がかかることになる。味スタのアウェイ・クラブ応援禁止エリアで他サポが堂々と応援していたら自分たちはどう思うのか。よく考えた方がいいと思う。残念だった。
現地は雨も降らず、気温は低いものの重ね着が効いたかそこまで凍えることもなく観戦には問題なかった。入口ではかなり立派なアルディージャ・バッグをもらった。無料とは思えない実用的なアイテム。ちょうどいい大きさだったので荷物を詰めて結局そのまま持って帰った。
さて、東京はACLからメンバーを入れ替えてきた。スーパーカップとACLを折衷したような布陣で、GKは権田、DFラインはACLと同じく徳永を右SBに配し加賀と森重がCB。ボランチにはオーストラリアに帯同しなかった梶山が戻って高橋とコンビを組み、右に羽生、中央に長谷川、左に谷澤、トップにはやはりACLを欠場したルーカスが入った。
試合開始直後、加賀が敵FWにボールをさらわれてフリーで裏に抜け出される。権田がセーブしたが肝を冷やした。東京はパスをつないで攻撃を組み立てようとするが、高い位置からのプレスに苦しみ、また連戦の疲れもあってかパスに精度を欠き、中盤でボールを失うことも多くフィニッシュまで持ち込めない。
逆に大宮には高い守備ラインの裏を突かれ何度か決定的な形を作られる。22分、左サイドを破られ中央にクロスを入れられる。決定的なシュートを放たれたが権田がこれをセーブ、さらにこぼれ球に詰められたがこれも権田が足一本でセーブして何とかゴールを死守する。28分には左からのクロスにファーで合わされるがサイドネットに。東京が押し込まれる時間帯が続く。
41分には谷澤がシュートを狙うがボールはゴールの前を横切る。結局、東京はなかなか思い通りのサッカーが展開できず、大宮の攻撃に対して防戦一方のままスコアレスで前半を終える。とはいえ、この前半を権田のスーパー・セーブで無失点で切り抜けられたのは大きかった。前半途中から梶山と長谷川がポジションを交換していたようだが、この時点では僕は気づかなかった。
後半に入ると、前線に出してルーカスとほぼツートップ状態になった梶山が機能、東京が流れをつかみ始める。56分、谷澤に代えて石川を投入。梶山が前線で起点になり試合を作る。58分、再び大宮に決定的なシュートを放たれるが権田がセーブ。権田が当たっている。すると61分、梶山が右から入れたパスをルーカスがトラップ、浮いたボールをそのままボレーでシュートするとこれがライナーになりゴールネットを揺らす。東京が待望の先制。素晴らしいシュートだった。
これで東京は固さが取れたか、あるいは大宮に焦りが出たか、ここからは東京のペースとなる。70分、ルーカスからのパスを受けた石川がゴールするがオフサイドの判定。よく分からなかった。72分、羽生に代えて渡邉を投入。渡邉がトップに入り、ルーカスは右SHにスライドしたように見えたが…。
83分、敵クロスから押し込まれボールがゴールに入るが、その前にホイッスルが鳴っておりノーゴールに。どうもハンドがあったようだ。現場では分からなかったが、シュートの前からホイッスルが鳴っていたのは聞こえたので心配はしなかった。場内アナウンスが先走って「ゴール!!」とやってしまったが。
終盤は焦って前に出る大宮に対し、東京が落ち着いてボールをつなぎ時間を使う展開に。何度か裏に放り込まれるが、権田が鬼の形相でペナルティ・エリアを再三に亘って飛び出し、ヘディングでクリアするなど意地を見せる。一度エリア外でのクリアの際に傷むシーンもあったがプレーを継続(試合後のインタビューでは「普通のむち打ちなので大丈夫です」とコメントしていたらしい)。
アディショナル・タイムには長谷川を下げて田邉を投入。最後は危なげなく守りきり、結局、東京が1-0でアウェイでの開幕戦で勝利を収めた。
前半は運動量も少なく、足許でボールをもらってから周囲を見て次に出すという感じでテンポが作れず。悪い形でボールを失い、決定的なピンチを招いたが、権田のセーブで何とか難を逃れた。やや集中力を欠き、大宮につけ込まれて劣勢を強いられたと言っていい。
一方、後半は梶山が前線での起点として攻守に機能。ボランチに落ちた長谷川と高橋の連携もよく、フレッシュな石川の動き出しもあって東京が主導権を握った。ただ、得点がルーカスの個人技とも言うべきシュートのみだったのは残念。オフサイドになった石川のシュートを含め、追加点はあってしかるべきだった。
簡単に思い通りやらせてはくれないのはさすがにJ1。昨季なら見逃してもらえた軽いパスミスなども、このレベルでは致命的なピンチを招きかねないことがよく分かった。権田のセーブに救われたが、前半に失点していればどうなっていたか分からない試合。
とはいえ、梶山と長谷川のポジション・チェンジで流れを引き寄せるなどポポヴィッチ監督の采配も光り、特に終盤は疲れの出た相手に対ししっかりボールをキープできた。まだまだ発展途上とはいえ、目指す方向に対して矛盾のない戦いでその点は理解できた。何より、アウェイでの開幕試合で勝てたのは評価できる。出てきた課題は次につなげればよい。今後を展望する上でも意義のある試合だった。
次節はホーム開幕戦。強豪・名古屋との試合となるが、それほど悪い印象はない。1週間あるのでしっかりコンディションを整えて、チーム内でいい競争をして欲しい。
採点(
採点の見方
):
権田(1.5) スーパー・セーブ連発で勝利を引き寄せた。飛び出しには注意。
徳永(2.5) 前半は何度となく敵SBの裏を突いて起点に。対面の敵にもよく対処。
加賀(4.5) うかつなボールロストでピンチを招く。役割の整理が必要。
森重(3.5) 敵のFWをしっかり抑え込んだがCB間の連携にはまだまだ時間が必要。
太田(4) 攻撃参加ではもうちょっと攻めきってもいいのでは。やや中途半端。
高橋(3) アンカーとなりボールを捌き続けた。進境著しいとはこのこと。
梶山(2.5) 前に出た30分以降、攻守に視野の広さと技術の確かさを披露。
羽生(3.5) フリーランで前線を活性化。前半はボールを引き出しきれず。
長谷川(3.5) 前半はルーカスとの距離感に難点。後半は要所を締めた。
谷澤(4) 消えている時間あり。シュートは枠に行きたかった。
ルーカス(3.5) 得点は素晴らしかったが、前半ボールが足につかないシーン多し。
===
石川(3.5) 途中起用で攻撃にスピードを注入。オフサイドのノーゴールは残念。
渡邉(-) 時間短し。何度か好機はあったが…。
田邉(-) 時間短し。
大宮駅までの帰り道、後ろを歩いていた大宮サポのカップルが「東京の4番よかったね〜」「全部触られてたよな〜」と会話しているのを聞いて思わず暗闇でにんまり。ヒレカツ弁当も美味かった。ついにリーグ戦も始まったな。
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FC東京
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J1リーグ戦
2012年03月08日 00:35
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【ブンデスリーガ第24節】ニュルンベルク×グラードバッハ
■2012年3月4日(日) 15:30キックオフ
■Easy-Credit-Stadion
前節引き分けて首位からジリジリ引き離されつつあるグラードバッハ。今節はニュルンベルクと対戦である。アウェイとはいえ首位BVBが土曜日に勝っていることを思えば何としても勝ち点3を得て追走したいところだが…。
日曜日の午後3時半キックオフということで、日本時間では夜11時半。スカパー中継はないので、インターネットで動画を流しているサイトを探して見た。ツイッターで見つけたサイトにつないだら、絵は粗いもののストリーミングの品質は悪くなく、ほぼ途切れなく見ることができた。有り難い。
グラードバッハはシュトランツルがブラウアースに代わって最終ラインに起用されたのを除けば前節と同じ布陣。
試合は序盤からグラードバッハが主導権を握る。我々も引いて守られるほどのチームになったかと思うと感無量である。グラードバッハはアランゴを起点に小気味よくパスを回しながら敵ゴールに迫ろうとするが、ニュルンベルクの守備も堅く、またパスの精度も今ひとつで決定的なチャンスはなかなか作れない。
グラードバッハは支配率で明らかにニュルンベルクを上回るものの、ほぼ得点機もなく、これといって見せ場もないまま前半を終える。果敢にワンタッチ、ツータッチでボールを回すものの、最後のところでアイデアが足りないというか、何かひとつひねりがないという感じ。やはりヘアマンがいないのが大きいのか。
後半に入っても守備戦の様相は変わらず、大きなチャンスは作れない。アナウンスも開設もない動画を見ていたせいか、すごく淡々と試合が流れて行くように思えた。81分、デ・カマルゴに代えてヴェントを投入。動かない試合ならもう少し早く交替でアクセントをつけてもよかったのかもしれない。大津とかも。
このままスコアレスで試合終了かと思われた87分、サイドから流し込まれたクロスに中央で合わされてまさかの失点。土壇場でグラードバッハは窮地に立たされる。90分、ノードファイトに代えてブラウアースを投入、パワープレーの合図かと思われたがこれも奏功せず、グラードバッハは交替枠をひとつ残したまま0-1で試合終了を迎えた。
ボールは試合するものの突破力に欠け、迫力のないゲームに終始した。これまでロイス、ハンケ、アランゴ、ヘアマンのカルテットで攻撃を組み立ててきた訳だが、そのピースがひとつ欠けると狂いも大きいのか。こういうときに大津辺りがしっかりアピールしないといけないのだが、そこまでの信頼は勝ち得ていないようだ。ボバディラも放出してしまってデ・カマルゴの次が見当たらない。
これでグラードバッハは2試合勝ちなし。首位のBVBとは勝ち点差が8に開いてしまった。2位グループにはしっかり足がかりを持っておきたいところで、シーズンもここからが山場。どんな踏ん張りを見せてくれるか期待したいところだ。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「ひどい試合ではなかったと思う。この試合ほどボールを支配できたことはなかった。しかし我々には突破力が足りなかった。運動量が少なすぎ、ゴールのチャンスもほとんどなかった。全体にボール・ロストが多すぎたし、技術的にも問題があった。そのせいで何度かカウンターを浴びた。失点もそうで、中盤でのボールロストに端を発したものだ。我々は数週間前ほどいいサッカーができていない。深さと正しい動きが欠けている。引き続きしっかり取り組まなければならない」
ああ、負けると分かっていたら日曜日の夜中1時過ぎとか起きてなかったのに…。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2012年03月07日 00:20
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【ACLグループリーグ第1節】ブリスベン×FC東京
■2012年3月6日(火) 18:30キックオフ
■ブリスベンスタジアム
いよいよFC東京のアジア進出。初戦はオーストラリアでブリスベン・ロアと戦う。見に行くにはちょっと遠いし平日なのでテレビ観戦することにした。幸いBS朝日で生中継があったが、仕事帰宅したのは9時前。録画した分を再生観戦することになった。もちろん結果、経過に関する情報は遮断。ツイッターも見ないようにして帰ってきたのは言うまでもない。
東京は梶山とルーカスを東京に残し、スーパーカップからはいくつかのターンオーバーを行った。GKには権田が先発。DFラインでは徳永が右SBに回りCBでは加賀が森重とコンビを組んだ。ダブル・ボランチは高橋と長谷川。羽生をトップ下に置き、ワントップは渡邉が起用された。
テレビ画面でもはっきり分かるほどの激しい雨。試合は序盤から東京が押し込む展開となった。4分、DFラインを背にボールを受けた渡邉が反転してシュートを放つがジャスト・ミートせずGKがキャッチ。10分、谷澤が左サイドからドリブルで切れ込んでシュートを放つがこれもGKがセーブ。
その後も東京はパスをつなぎながら攻撃を組み立て主導権を握るが、アタッキング・サードでは敵も密集しており、なかなかフィニッシュの形を作れない時間が続く。一方のブリスベンもパスをつなごうとするがプレーに精度を欠き、正直怖さはあまり感じない。34分、渡邉のポストから攻め上がった徳永がシュートを放つが枠外に。
ボールは支配するものの決め手を欠く展開で、このままスコアレスで前半終了かと思われたアディショナル・タイム、石川がドリブルで突っかけ、こぼれたボールを右から徳永がグラウンダーで中央に送ると、走り込んだ谷澤がスライディングで合わせゴール。前半終了間際のいい時間帯に東京が先制点を奪った。
後半に入っても東京が試合を優位に進める。55分、石川がドリブルでエリアに入りシュートを放つがDFがブロック。だがその直後、森重からのパスをオフサイドギリギリで受けDFラインの裏に抜け出した羽生がシュート。これはGKにセーブされたものの、こぼれたボールを長谷川が押し込んで2-0に。
疲れと苛立ちで徐々にプレーが雑になるブリスベンを相手に、東京は丁寧にパスをつないで行くが、決定機はなかなか作れない。77分、羽生に代えて田邉を投入。80分、田邉のスルーパスから裏に抜け出した石川がシュートを放つがGKがキャッチ。86分、足がつった加賀に代わりチャンを起用。87分、FKを森重が直接狙うがわずかに枠外。
アディショナル・タイムには石川に代えて河野を投入、結局そのまま2-0で東京がアジア・デビュー戦を完勝で飾った。
東京は90分を通してパスをしっかりつなぎ敵のカバーをひとつずつ剥がして行くサッカーでブリスベンを圧倒。敵にほぼチャンスらしいチャンスを作らせずに完封した。まだまだ精度の甘いところ、意図が通じ合わないところもあるし、さすがに終盤には足が止まり始め、また、「で、結局だれがシュート打つんや」的な場面もあったが、スーパーカップに続いて自分たちのやりたいサッカーをしっかり見せられた試合だったと思う。
もっとも、ブリスベンが正直思っていたほど強くなかったという感もある。東京と同様につなぐチームと言われていたが、パスの精度やプレー選択の幅などで大雑把なところがかなり見受けられた。昨季、J2でやっていたときのような、「これが通るのか」とか「これを外してくれるのか」といったラッキー感は結構あった。相手がもう少し強ければ、東京もここまではできなかったかもしれない。
また、選手交代はもう少し早くてもよかったと思う。加賀にチャンを投入したのは予定外だったかもしれないが、石川から河野への交代はあと15分早くてもよかったし、加賀が傷まなければ林も見てみたかった。全体に的確なターンオーバーだったとは思うが、河野はもう少し見たかった。
6試合のグループリーグで、アウェイでの初戦に勝利できたのは大きい。ACLの次の試合は3月20日(火)の国立競技場での蔚山戦。祝日なので見に行けるだろう。連勝できればグループリーグ突破への大きな足がかりになる。楽しみな一戦だ。
一方、10日(土)にはリーグ戦が開幕する。東京はアウェイで大宮と対戦。アウェイでの開幕ってこれまであんまり記憶がない。何とかチケットも確保したので、ナイターだがこれも見に行く予定だ。寒いかもしれないな…。
採点(
採点の見方
):
権田(4) ほぼ試されなかったがセットプレーでは不用意な飛び出しも。
徳永(3) 好守に存在感を示す。谷澤へのアシストになったクロスは見事。
加賀(3.5) 対人に強さを示しポジション争いに名乗り。顔はしっかり見せた。
森重(3.5) 敵の雑な攻撃に余裕のある対応。このレベルでは盤石と言っていい。
太田(4) 高いポジションで攻撃に参加したがボールが足につかない場面も。
長谷川(3) しっかりボールに絡み中盤に君臨。得点はあの場所にいたことを評価。
高橋(3.5) アンカーとしてボールをコントロール。成長の跡がくっきり。
石川(3.5) 裏への飛び出しで攻撃にアクセントをつけた。オフサイド多し。
羽生(3) やはり東京は羽生のチーム。羽生が走らないと東京じゃない。
谷澤(3.5) 今日はいいニョロニョロで敵を苛立たせた。得点も技術高かった。
渡邉(4) ポストに身体を張ったがシュートは打てず。押し込み屋の本領を見たい。
===
田邉(3) リズムを作ることのできる選手の一人。今季も成長を期待。
チャン(-) 時間短し。
河野(-) 時間短し。
スカパーのCS朝日に加入しないといけないのかと思ってたけど、BSで生中継してくれて有り難かった。4月4日のアウェイ北京戦もBSで生中継してくれるかな。
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FC東京
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ACL
2012年03月03日 22:21
[posted by der_ball_ist_rund]
■
【FUJI XEROX SUPER CUP】柏×FC東京
■2012年3月3日(土) 13:35キックオフ
■国立競技場
リーグ戦のスタートは来週だが、Jリーグ優勝チームと天皇杯優勝チームで一足先に争われるフジゼロックス・スーパーカップで東京のシーズンは幕を開けた。相手は昨季Jリーグを制覇した柏。事実上のプレ・シーズン・マッチとはいえカップと賞金のかかった公式戦であり、火曜日にはACLのグループリーグ第一戦が控えていることも考えれば、内容とともに結果も重視したい試合だ。
東京は昨季の主力を軸にしつつも新加入選手を加えた布陣。徳永をCBで起用し、右に椋原、左に新加入の太田。ボランチ起用も予想された長谷川は一列前でトップ下に起用、ボランチは昨季と同様に梶山と高橋がコンビを組み、ルーカスがワントップを張ることになった。GKにはU23から戻ったばかりの権田ではなく塩田を起用した。ポポヴィッチ体制での最初の公式戦であり、ここまでの仕上がり具合が試される。
塩田
椋原 森重 徳永 太田
梶山 高橋
石川 長谷川 谷澤
ルーカス
快晴の国立競技場は試合開始までにはほぼ満員に。僕はバックスタンドの上層で見ていたが、両クラブのサポの他に、ふだん熱心にサッカーを見に来る訳でもなさそうな家族連れや若いグループもたくさんいて、イベントとしては悪くないと思った。
試合は序盤、まず東京が主導権を握る。ボールを支配しながら敵陣を中心に試合を進め、敵のボールも高い位置でカットできている。10分、左サイドから太田がエリア内に切れ込もうとしたところを敵DF二人にはさまれて倒されるがファウルはエリア外の判定でFKを得る。11分、これを谷澤が蹴り巻いてファーポストを狙うが敵GKが腕一本でセーブ。
17分、長谷川がルーカスに預けたボールのこぼれを拾ってダイレクトでシュートするが枠の上に。18分、谷澤の落としを受けた高橋がミドルを狙うがGKがセーブ。19分、谷澤からのフィードを右サイドで受けた石川が敵DFを切り返してシュートを放つが枠外。
さらに21分、谷澤が倒されて得たFKを、石川が小さくリリースして森重がシュートしたが大きく枠外に。この辺りまでは東京が小気味よくパスをつなぎ、前線からの積極的な守備も奏功して柏を押し込む展開。柏は自陣内での守備に追われ、自慢の外国人が攻撃で機能しない時間が続く。この時間帯に得点が欲しいところだった。
だが、逸機が続くと流れが変わるのはいつものこと。26分、敵のクリアボールがそのまま前線のMFに渡り、30メートル近いミドルを放たれる。塩田が反応したものの無回転のボールはそのままゴールに突き刺さり失点。押し気味に試合を進めていた東京は思わぬ形で先制点を喫することになった。
この得点で試合の潮目が変わる。落ち着きを取り戻した柏は中盤でボールを持てるようになり、前線への起点ができ始める。逆に東京は失点で焦りが出たかパスが微妙にずれ始めてつながらなくなり、またルーカスも前線でプレッシャーを受けてボールを収められなくなる。また、梶山も中盤でボールを持てなくなり、結果としてここから前半終了まではほぼチャンスらしいチャンスを作れなくなってしまった。
42分、敵のFKからのシュートを塩田がセーブ、徳永がこぼれ球をクリアしようとしたがこれがエリア内で高く上がる。ボールを見上げながら落下点に入ろうとした森重が同じようにボールを追った敵FWとぶつかり、敵FWが倒れるとこれがファウルの判定となりPKに。これを決められて追加点を許す。気をつけなければならない時間帯に痛い失点を喫した。
この判定は互いにボールを追った結果ぶつかった不慮のできごとにも見え、また森重は手を使った訳でもなく意図的であったとしても正当なショルダーチャージとも解釈でき、いずれにしてもフィフティのプレーで一方のファウルを取るのは厳しい判定。テレビの解説者も「あれっ?!」と声が出たくらいで、疑問の残る判定だった。
結局、序盤は押しながらも得点できず、敵の素晴らしいミドルで先制を許すと流れを持って行かれて、最後は不運なPKで追加点まで献上するという前半になった。
後半に入って50分、ルーカスからパスを受けた谷澤がエリア内でドリブル突破を図ると、敵GKとDFが谷澤を追い、タックルを受けて谷澤が倒れる。解説者が「あ、PK」と言った通り少なくとも東京サポには明らかにファウルに見えたが、谷澤がダイヴを取られ逆に警告を受ける。
タックルに行った敵DFはボールに触れておらず、谷澤の足には確かにDFの足がかかっているのでファウルの判定が妥当であったのではないかと思う。谷澤も敵DFの足が出ることを読んでファウルをもらいに行っている部分はあったかもしれないが、これも疑問の余地のある判定だった。
57分、太田からパスを受けた長谷川が中央でキープ、ルーカスにつなぐとルーカスが反転してシュートしたが枠外に。直後の58分、石川を下げ渡邉を投入する。渡邉がルーカスとツートップになり、長谷川が右SHに流れる。
東京は積極的にボールをつなごうとするが、中盤では柏の寄せも厳しく、なかなか落ち着いてパスを回すことができない。うかつなボールロストも相変わらず多く、意図通りにボールを動かせないもどかしい時間が続く。
しかし65分、長谷川が敵DFラインに入った渡邉に縦パスを入れると、渡邉がこれをポストして左に流す。左サイドを駆け上がった高橋が中央にクロスを入れると長谷川がボレーで合わせ、このボールを敵GKがセーブして宙に浮いたところを頭で押し込んでゴール。東京が1点を返した。流れからいい形での得点だった。
ここから東京はやや動きがよくなる。というか、両チームとも足が止まり始めオープンな展開に。73分、谷澤に代えて羽生を投入。78分、右サイドを抜け出した椋原がクロスを入れると、フリーランでファーサイドから入ってきた羽生が頭で合わせるがシュートはゴール右に流れる。
同じく78分、渡邉がパスを受けて右寄りに抜け出し中央にマイナスの折り返し。またしても走り込んだ羽生がこれを受けたが、ボールが足許に入りすぎたかシュートはやや力を欠き、敵GKにセーブされる。羽生の自由な動きが敵DFを撹乱し、立て続けに決定機を作ったが生かしきれず。しかし羽生の価値がよく分かるプレーだった。
85分、やや傷んだかに見える高橋に代えて河野を投入。おそらく長谷川がボランチに落ちて河野が右SHに入ったと思う。が、終盤、羽生の投入でやや形を作り流れを引き寄せようとしたものの、同点に追いつくことはできず、結局1-2でカップを逃した試合となった。
負けはしたものの、前半失点を喫するまでと、後半得点して羽生を投入してからの戦いにはポポヴィッチ監督のやりたいサッカーが垣間見え、悲観するような内容ではなかったと思う。失点は事故のようなミドルと微妙な判定のPKで、流れから崩されてのものでなかったことも考慮してよい。
新監督になってまだ1カ月そこそこのチームであることを考えれば、リーグ戦の開幕に向けて柏を相手に真剣勝負で実力を試せたこの試合の意味は大きかったし、どうやって戦っていくのかという方向性とか形のようなものは、未完成ではあるにせよ、確かに見えた。
しかし一方で、J1のレベルを改めて実感したことも確かだ。J2では盤石に見えた梶山のキープやルーカスのポストも、柏のプレッシャーを受けると確実に精度は下がっていた。昨季の勝利の中には、実際には敵の拙さに助けられた部分が相当あって、同じスピード感、同じリズム感でやっているとJ1では通用しないところが出てくるはず。それは昨季の天皇杯でも感じたし、今日の柏戦でもはっきりしていた。その厳しさを実感できたのは大きな収穫だったと思う。
徳永のCBはよかった。徳永は右SBに固定すべしというのが僕の持論だが、今野がいなくなった今、ポポヴィッチ監督がやはり徳永をCBにという判断をするのであればそれはそれでいいのではないかという気がしてきた。強いフィジカルと対人、フィードも出せる戦術眼と足許の確かな技術など、現代的なCBとしての素養自体は高いものがあるはず。今野をボランチからCBにコンバートしたように、徳永のCB起用は今季のポイントになるかもしれない。
新加入では太田がよかった。敵の外国人MFにいなされるシーンもあったものの、縦に行ける速さ、強さがあり、ちょっと長友を思い出させるところがあった。期待したい。長谷川も中盤でしっかりボールに絡めていた。
次の試合は火曜日のACLブリスベン戦。アウェイでの戦いであり、初めての海外での公式戦となるが、どんな試合になるか楽しみだ。一部選手のターンオーバーも噂されており、リーグ戦開幕を控えて、ポポヴィッチ監督の用兵にも注目したい。
採点(
採点の見方
):
塩田(4) 失点はやむなし。受けたボールのリリースの判断をもう少し早く。
椋原(4) いいクロスもあったが、ボールを受けてから出し所を探していては遅い。
森重(3.5) PKを与えたファウルは不運。しっかり守備を統率できていた。
徳永(3.5) CB起用にも破綻なく応えた。慣れてくれば面白いと思わせた。
太田(3.5) 単なる宴会要員ではないことを示した。主力として計算できそうだ。
梶山(4) プレッシャーを受けて途中からうかつなプレーが増えてしまった。
高橋(3.5) アンカーとしてバランスを取り、ここ一番の上がりもよかった。
石川(4) 特長を出したプレーも見られた。個で打開できる強さは健在。
長谷川(3.5) 得点シーンの上がりは見事。中盤でゲームを作った。
谷澤(4) ダイヴは酷な判断。よく動いたが決定機にはなかなか絡めなかった。
ルーカス(4) 敵に追われてボールを収めきれず。プレーに迷いがあったか。
===
渡邉(4) チャンスにも絡んだが、らしいプレーはまだ見られなかった。
羽生(3) 思想のあるプレーをできるのはこの人しかいない。目に焼き付けたい。
河野(-) 片鱗は見せたが時間が短すぎた。もっと長い時間見てみたい。
帰りは副都心線の北参道駅に。まだ全然知られていないようでガラガラだった。
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2012年03月03日 01:24
[posted by der_ball_ist_rund]
■
【開幕前夜】真価を問われるシーズン
昨季。僕たちはJ2を戦い、シーズン序盤こそ苦戦したものの、その中から自分たちの戦い方を見つけて最後は頭ひとつ抜けた強さで優勝し、1年でのJ1復帰を果たした。
また、天皇杯では神戸、浦和、セレッソ大阪といったJ1のクラブを斥けて元日の国立に立ち、初めて栄冠を手にした。
オフにはポポヴィッチ監督を招聘、太田、渡邉、長谷川、加賀、河野といった即戦力の補強にも成功し、今野の移籍はあったものの全体としては満足できる強化ができたと言っていいだろう。
では僕たちは強いのだろうか。
僕は敢えて「違う」と言いたい。僕たちはあくまでJ2からの昇格クラブだ。僕たちが昨季戦ったJ2とは違った世界がそこにある。僕たちはそれを知らないし、そこでは僕たちは一介の挑戦者に過ぎないのだ。
もちろん僕たちにも強みはある。ここ4年間取り組んできたつなぐサッカーの技術的ベース、チームのメンバーの継続性、そして何より、降格からJ2での戦いを経てJ1復帰、天皇杯優勝を手にするまでの間に培われた「勝ちきる」ことへの意識、執着。
こうしたものの上にポポヴィッチ監督の標榜する魅力的な攻撃的サッカーが構築されれば、僕たちにも勝機はある。
だが、そこでの戦いは厳しいものになるはずだ。簡単な試合はひとつたりともない。J2から昇格したすべてのクラブが翌季にJ1でめざましい成績を挙げるという保証はどこにもない。加えて、昇格クラブであるにも関わらずACLを戦うという日程上の重荷もある。
それでも、だからこそ僕たちはFC東京を信じて今季も声を涸らすだろう。だが、僕たちの応援はそうした厳しい現状認識の上に成り立つものでなければならない。僕たちは僕たちのクラブが今どこにいて、何と戦っているのかをもう一度よく見極めなければならない。
そうすれば、僕たちの敵は柏でも名古屋でも大阪でもなく、僕たち自身のフワフワした慢心だということが分かるだろう。根拠のない楽観は単なる思考停止、単なる逃避であり、裏切られたときにヒステリックな反応を引き起こすだけだ。
J2経由で再挑戦するJ1の舞台。僕たちのJ2での一年が何だったのかを僕たちは示さなければならない。それはFC東京というクラブの飛躍のためになくてはならない雌伏の一年だったのか、あるいは斜陽の始まりになるただのムダな一年だったのか。それは今季の戦い次第で決まるのだ。
僕たちの真価が問われる重要なシーズンが、今日始まる。
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