フットボール・クレイジー
football crazy
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2012年04月30日 10:00
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【ブンデスリーガ第33節】グラードバッハ×アウクスブルク
■2012年4月28日(土) 15:30キックオフ
■Stadion im Borussia-Park
前節BVBの優勝が決まってしまい、消化試合感のあるブンデスリーガ第33節は全試合一斉開催。我がグラードバッハの試合は日本人対決の可能性もあったのにスカパー中継はなく、頼りのネット動画サイトも同時開催の試合が多すぎるためか選択肢がいつもより少ない。いくつか試してみたがなかなかいいのがなく、何とかつながったサイトも後半から見られなくなってしまった。
ホーム最終戦となるグラードバッハはノイシュテターがボランチで先発に復帰。シュトランツルが警告累積で出場停止となり、ヤンチュケは右SBにスライドした。大津はベンチ入り。そういえばアウクスブルクの監督はヨス・ルフカイなんだな。グラードバッハはユニの背番号が黄緑色になっており来季仕様か。ユニ自体は変わっていないように見えた。
グラードバッハはテンポよくボールをつなぎ攻撃的に試合に入る。ロイス、アランゴらがシュート・チャンスを迎えるが、アウクスブルクの注意深い守りに得点には至らず。30分にはデムスのパスがゴール前のハンケに通るがシュートは打ちきれず。40分、ノードファイトが敵との交錯で肩を痛めた様子でリングと交替。互いに何度かチャンスは作るもののスコアレスで前半を終了。
後半はリズムを欠いた立ち上がりで前半よりも見せ場少なし。両チームともプレーに正確さとゴールの意識と創造的なひらめきが足りなかった、と「kicker」のサイトには書いてある。66分、ハンケに代えてデ・カマルゴを投入したが状況は好転せず。84分、ヘアマンに代えてヴェントを投入し、終盤いくつか見せ場を作ったものの得点には至らず。結局スコアレス・ドローに終わった。
この結果、グラードバッハは勝ち点を57に伸ばし4位をキープ。5位レバークーゼンとの勝ち点差は6ある一方、3位シャルケとの勝ち点差も4あり、この時点で4位が確定した。この結果グラードバッハは来季UEFAチャンピオンズ・リーグの予備予選に出場することが決定、本戦に出場できなくてもUEFAヨーロッパ・リーグには参加できることになった。
シーズンの総括は次節が終わってからにしたいが、昨季入替戦で何とか残留を果たしたクラブが今季ここまでいい結果を残すとは思っていなかった。たぶん思っていた人はなかっただろう。シーズン終盤の失速は残念だが選手層を考えればムリからぬ面もある。4位という成績は望外の好結果であり、高く評価すべきものだ。来季、ロイス、ノイシュテター、ダンテらの放出が見込まれる中で、どこまでやれるか不安もあるが、しっかりとした強化をしてCLを勝ち上がりたい。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「まずはいいシーズン、とりわけ素晴らしいシーズン後半の成績を残したアウクスブルクを祝福したい。シーズン最初はだれもがアウクスブルクが降格するものと思っていたが、彼らはしっかりと戦い、それに見合った残留を勝ち取った。このようなクラブを相手に戦うのは難しく、突破力と速く技術力のある連係がなければゴールのチャンスをたくさん作ることはできない。我々はその辺をうまくやることができず、私は少しばかり落胆している。勝ち点57には大変満足しているが、今日のパフォーマンスはよくなかった。しかし、にもかかわらず4位という結果には我々みんなが満足しているし、1年前がどんな状況だったか忘れてはいけないと思う」
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2012年04月28日 20:17
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【Jリーグ第8節】FC東京×清水
■2012年4月28日(土) 13:00キックオフ
■味の素スタジアム
暑いくらいに晴れ上がった土曜日。朝から横浜で所用を済ませ、スーツのまま味スタに駆けつけた。バックスタンド上層に席を確保したのは円陣も解けてまさにキックオフという瞬間。マジでギリのタイミングだった。
東京は長谷川が出場停止から復帰して高橋とボランチ。また梶山も負傷離脱から戻り、シャドーは石川、梶山、谷澤となった。ワントップはルーカスが先発。なお、ポポヴィッチ監督は前節退席処分となったためこの試合もベンチ入り停止。長島コーチが指揮を執った。
試合は拮抗した展開となる。東京はいつも通りパスをつないで行こうとするが、例によって中盤で早い寄せに遭い、十分な形で受け渡しができない。プレスをかけられて苦しい状態でムリ目のパスを出すことを余儀なくされ、コースを読まれてカットされたりパスミスしたり、あるいは追い込まれてボールを失うことも多い。
前半はくさびを入れるよりは裏を狙ったパスも多く、こうした状況をうまくいなして行こうというアイデアも窺えるが、出し手と受け手の意志疎通が十分でなく前線に収まることは少ない。また、清水もラインを高く保ち中盤はコンパクトで東京は動ける余地が少ない。このためかパスは清水の守備ブロックの外側をなぞるように足許から足許へつなぐ格好になり、流動性に乏しく突破口が見出せない。
一方、清水の攻撃も散発で、決定的なチャンスは作らせていなかったが、ボランチからの緩い横パスは明らかに狙われており、37分には敵FWに高橋のパスをさらわれて権田と一対一に。幸い権田がこれをセーブして事なきを得たものの、完全に先制点を献上のケースだった。結局、何度かチャンスは作ったもののはっきりと主導権を握れないままスコアレスで前半を終了。
後半に入っても清水のラインは下がらず、遅攻でいったん敵のブロックができあがってしまうとこちらの動きも止まり、足許から足許へパスをつなぐばかりという光景は変わらない。ワンタッチでテンポよくパスを回しながら縦パスでスイッチを入れてサイドから切れ込んだり裏を狙ったりしたいところだが動きが少ない。暑いせいか。
56分、敵FWが二度目の警告で退場。この日、清水はプレーがムダに荒く、遅延も含めて全部で8回の警告を受けている。東京は一人多くなり、ボールを持つ時間は長くなったものの、敵の退場でかえって攻めあぐねるのはよくあること。清水のラインは引き続き高く、東京は窮屈なエリアでパス交換から打開を狙うが相変わらず流動性が足りず、なかなかシュートまで持って行けない。
73分、敵MFが二度目の警告を受け退場、清水は9人に。東京の優位はさらにはっきりするが、清水は残った人員でしっかりブロックを作り、ラインもしっかりコントロール。東京はボールを支配しながらもなかなか攻めきれない。
すると77分、太田のパスが敵FWに渡りショート・カウンターを受ける。東京はリトリートできず、最後はチャンが一人で対応したが止めきれず失点。ボールを取られた瞬間、「人数多くても往々にしてこういうカウンターで失点したりするんだよな」とか思ってたら本当にやられてがっくり。盛り上がる清水サポ。盛り下がる東京サポ。
直後に東京は谷澤を下げてケガから復帰した河野を投入。この交替は15分遅かったし、どちらかといえば石川に代えるべきではなかったかと思う。東京が押し込みハーフコート・マッチになるが、清水の守備も焦点が明確になった分集中しており、シュートを打たせてくれない。82分、高橋を下げて平山を投入。梶山がボランチに落ち、ルーカスがトップ下気味のツートップか。
東京は終盤押し込み、何とかゴール前まで行くものの攻めきれず、88分にはチャンに代えて渡邉を投入して前線を厚くするがゴールは遠かった。9人になった清水から1点が奪えず、0-1とホームで痛く、悔しい敗戦を喫した。
パスをつないで敵を崩し、確率の高いゴールを狙うというコンセプトは支持するし、それをブレずに追求するという方針も理解するが、その意味ではまだまだ道半ば。開幕からしばらくがうまく行きすぎていたので僕たち自身が見失っている部分があるが、このサッカーは緒についたばかりであり、僕たちにも我慢が必要だ。今日の試合のようなもどかしさ、悔しさはバネにするしかない。
具体的には単に足許から足許にパスをつなぐ数を増やすだけでなく、縦横のパスの出し入れから変化をつけるタイミング、タッチ数を少なくして寄せをいなす技術、動きながらスペースでパスを受けるなど流動性といったパスサッカーの基本的な必要事項(リクワイアメント)をもっともっと高い精度でやりきれるようにならなければならない。それが東京の目指すべき唯一の道であり、可能性の低いミドルや闇雲なシュートに逃げるべきでないと僕は思う。
だが、それ以上に気になるのは、昨季終盤から天皇杯にかけて顕著に結実していたチャレンジャーのメンタリティがどうも窺えないことだ。球際で負けない、守備をサボらないなどの「サッカーの本質」は大熊前監督が昨季厳しく指導したもの。J2で優勝・昇格を当然視される高いプレッシャーの中で、我々はひとつの勝利の大事さ、ひとつの敗戦の取り返しのつかなさを学んだはずだし、そのために愚直に、必死に戦うメンタリティを身につけたのではなかったのか。
今日の試合ではそうした勝利への執着、こだわりのようなものが伝わらず、「一所懸命やってダメならそれはそれで仕方ない、シーズンはまだ長い」的な淡泊さが目についた。もちろん選手も監督もコーチも一所懸命真面目にやっているのは当然だろうが、「この試合に負けたらもう終わり」という危機感があるのか僕には見えなかった。我々は単なる昇格クラブのひとつ。J1をナメてはいけない。弾幕のシャレにもならない。
水曜日にはACLもあり、修正はなかなか難しいが、梶山、長谷川、河野らが戻ってきて陣容は整った。今日の試合では梶山の存在感がなかったが、ここからまたフィットして行くことを期待したい。
東京は暫定8位と中位の団子に巻き込まれている。この時期の順位自体にはこだわらないが、1試合あたりの勝ち点が1.5まで下がってきたのは注意信号。次節、アウェイでの新潟戦はしっかり勝ち点3を取らなければならない。
採点(
採点の見方
):
権田(3) 再三のセーブで危機を救ったが失点シーンはなすすべなしか。
徳永(4) 局面で強さは見せたが攻撃参加ではもっと切り込んで欲しかった。
チャン(4) 裏へのフィードで特徴も見せたが失点は防ぎきれず。
森重(3.5) DFリーダーとしてカウンターからの失点をどう考えるか試されている。
太田(4.5) 失点につながる致命的なボールロスト。古巣相手に力が入りすぎたか。
高橋(4.5) うかつなパスミスあり、追い込まれてのプレーで余裕なし。経験積め。
長谷川(3.5) プレー選択にセンスを感じた。中盤に創造性をもたらした。
石川(4) 決定機に決めきれず、突破も途中で止められることが多かった。
梶山(4.5) 試合勘戻らず凡庸な出来。ここにしっかり収まっていれば。
谷澤(4) シュート精度を欠き、太田との連係も今ひとつ。
ルーカス(3.5) 孤軍奮闘したが周囲が動かず。そろそろ得点が欲しい。
===
河野(-) 時間短し。愚直にボールを追う姿に一筋の光明を見た。
平山(-) 時間短し。
渡邉(-) 時間短し。
9人の相手に勝てなかったこと自体はそこまで悲観することもないが、清水の守備を崩しきれなかったことの要因はしっかり分析、検証する必要がある。反省するところと切り替えるところのメリハリをしっかりつけよう。
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FC東京
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J1リーグ戦
2012年04月24日 00:25
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【ブンデスリーガ第32節】BVB×グラードバッハ
■2012年4月21日(土) 18:30キックオフ
■Signal-Iduna-Park
BVBの優勝がかかった試合のためスカパーで生中継あり。日曜日の未明1時半のキックオフなので、日曜日の朝7時に起きた。情報遮断したまま追っかけ再生で観戦。
グラードバッハは前節のケルン戦で負傷したノイシュテターに代わってヤンチュケがボランチで先発したが、それ以外は前節と同じ布陣。
試合は序盤からBVBがテンポをつかむ。少ないタッチ数でクリティカルなパスを次々と通し、あっという間にチャンスを作り出す戦術の浸透具合はハンパない。個々の選手の技術が確かなのはもちろんだが、局面ごとにだれがどこにいるか、互いに見なくても分かっているかのような連動性が恐ろしく高い水準にあって、ボールを持って何かを考える時間がまったくない。
しかしグラードバッハも集中した守備でBVBの攻撃を跳ね返し続ける。引いた守りからカウンターを狙う構えだが、特に序盤はしのぐのに精一杯。20分には敵MFのシュートがポストに当たるピンチがあったがボールは外にこぼれて事なきを得る。
23分、敵のFKにゴール前で頭で合わされ先制点を献上、0-1に。こうしたチームの先手を取られると決定的に苦しくなる。グラードバッハも次第にボールを持てるようになるが、いいテンポでつなごうとするパスが往々にしてミスになり敵にボールを奪われることが多い。意図は分かるし抜ければチャンスという形も多いがなかなか敵の守備網に引っかかり最後まで攻めきれない。
34分にはハンケがシュートを決めるがその前にデムスのオフサイドがあったとの判定でノーゴール。テア・シュテゲンの活躍もあり、何とか追加点を許さず0-1で前半を終了。
後半に入っても流れは変わらず。ホームの圧倒的なサポートを背に、ムリをする必要のないBVBは落ち着いた攻撃を仕掛けてくる。一方、グラードバッハも守りを固め試合は膠着、54分にはロイスがループ・シュートを放つが敵DFにクリアされる。
59分、パスを受けた敵MFに角度のないところから流し込まれ失点、0-2とリードを広げられる。この時点で既に試合は半分以上決まってしまったと言っていいだろう。グラードバッハは64分、ヘアマンに代えてリングを、69分にはアランゴに代えてヴェントを、立て続けに投入するが流れを変えることはできず、決定機も敵の守備に阻まれて、結局0-2と力負けを喫した。
優勝の引き立て役になったのは癪だが、BVBの完成度の高いサッカーの前に、グラードバッハも自分たちの特長を出そうと積極的に戦ったものの散発に終わり、劣勢を挽回するには至らなかった。この結果BVBは2連覇を達成。
グラードバッハは負けはしたものの、5位のVfBが引き分けにとどまったため、2試合を残して5位との勝ち点差が6となり、CL予選圏確保のためには残り試合のいずれかで引き分ければいいことになった。また、3位シャルケとの勝ち点差は2で、CLへのダイレクト・インも望める位置。
この試合も負けはしたものの別格の強さを誇るマイスターを相手にしっかり組み合った好ゲームだったと思う。チャンスがなかった訳ではないが決めきれず、セットプレーから先に失点してしまったのは悔やまれる。残り2試合をしっかり戦って有終の美を飾りたい。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「ドルトムントの勝利は妥当なもので議論の余地はない。ドルトムントは非常にテンポよくプレーし、ボールを持つと信じられないくらい素早く切り換えができていた。それに対して守備をするのは極端に難しい。腹立たしいのはマルコ・ロイスがソロで抜け出したシーンや、マイク・ハンケが同点と思われたゴールを決めたシーンでホイッスルが吹かれて戻されたことだ。得点が認められていれば我々には大きな自信になったはずで、そうなれば試合も違った展開をしていたかもしれない。だが、いずれにしても総合すればBVBが我々よりよかったと言う他ない。最高のテンポでプレーしているし、私から見ても優勝は妥当だと思う」
まあ、バイエルンが優勝するよりはよっぽど素直に祝福できる。クロップはそのうち代表監督に呼ばれるかもな。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2012年04月22日 00:17
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【Jリーグ第7節】仙台×FC東京
■2012年4月21日(土) 19:00キックオフ
■ユアテックスタジアム仙台
仕事からの戻りがキックオフに間に合わないだろうと思っていたので初めからBSの放送を録画、帰宅して晩ごはん食べて、8時頃から約1時間遅れでの追っかけ再生を見た。
GKには権田が復帰。全治3週間と発表されていたが大丈夫なのか。リーグ戦では長谷川がまだ出場停止のため、ボランチは高橋と米本のコンビだが、米本も肩を亜脱臼したばかり。この辺のフィジカル・マネジメントに若干の不安が残る。
また、ACLの北京戦での活躍を認められてか大竹がトップ下、渡邉がワントップで、ともにリーグ戦初先発を飾った。
試合は序盤からホームの仙台がボールホルダーへの厳しい寄せで東京の組立を許さず主導権を握る。東京は高い位置でボールを狙われ、パス回しでテンポを作ることができない。仙台は戦い方の意思統一が非常にしっかりしており、好守の切替に迷いがないため展開がスピーディで東京は受けに回るシーンが多い。
高橋、米本が前を向いてボールを持てず、前線にパスを供給できないばかりか、敵のプレスを受けて苦し紛れのパスをカットされたり、GKに戻してフィフティのロング・ボールを蹴らされたりとまったく形を作れず。26分、大竹が入れようとしたクロスのこぼれ球を石川がヒールで流し、米本がミドルを狙うが枠外。前半のシュートがこれ1本ではさすがにどうにもならない。
それでも敵のカウンターには森重、チャンが厳しく対応し仙台にも決定的な形は作らせない。37分には太田が敵DFの高く上げた足でアゴを蹴られ負傷したが治療して復帰。仙台に押されながらも耐え、前半をスコアレスで終えれば、後半は敵にも疲れが出て選手交代から流れを引き寄せられると皮算用を始めた前半アディショナル・タイム、大竹のファウルで与えたFKをDFラインの裏に放り込まれ、敵FWに完全に抜け出されて失点。
このシーン、オフサイドのようにも見え、僕も何度かテレビの画像をプレイバックしてみた。敵FWの抜け出しはギリギリで、一見したときの印象ほど明快なオフサイドではないものの、FWの上半身がDFラインのいちばん後ろにいたチャンより裏に出ているようにも見え、オフサイドだったのではないかと思う。とはいえ、もちろん判定が覆る訳でも、また明らかな誤審という訳でもなく、流されても仕方ないレベル。0-1と痛い失点を喫して前半を終えた。
東京は後半から大竹に代えて田邉を投入。田邉は左SHに入り羽生をトップ下にスライド。52分、石川のFKに渡邉が頭で合わせたが余裕がなくボールは枠外に。後半に入っても仙台の組織だった戦い方は綻びが見えず、各々がやるべきことをしっかりやりきっているイメージで、東京はやりたいサッカーをやらせてもらえない。
局面の打開を図るため、56分にはルーカスと谷澤を投入し羽生と米本を下げる。ルーカスはトップ下、田邉はボランチに。危機感は分かるがここでこういうカードの切り方をするのであれば、後半最初の交替は何だったんだろうと思った。
交替直後の58分、東京の左サイドに絶妙なパスを通され裏を取られる。ここから入れられたクロスに敵MFが中央で身体を投げ出してヘディング。石川が身体を張ったが潜り込まれるような格好で当てられゴール。0-2と点差を広げられる。
この後からは仙台がやや引き気味となり、東京はようやくトップ下のルーカスを経由する形でパスがつながり始め中盤を使えるようになるが、今度は前線で仙台の分厚い守りに阻まれフィニッシュまで持って行けない。仙台はディフェンスでもいくつかのシンプルな約束ごとが徹底されており、集中が切れないため東京のチャンスも散発に終わる。72分にはルーカスが敵エリアに抜け出すがシミュレーションを取られ警告。
さらに75分にはポポヴィッチ監督が退席に。前半最後のプレーからかなりフラストレーションがたまっており、おそらくは審判に執拗に文句を言っていたのだと思う。テレビ画面から湯気が出てきそうな怒り具合だったからな…。
自ら試合を難しくした東京は、その直後の76分、正面からのシュートを許し0-3に。さらに87分、敵FKからのこぼれ球を押し込まれて0-4と最後はメロメロ。終盤こそ引いた相手に対し意地で押し込んだもののシュートまで行けず、結局0-4と仙台に完敗を喫した。
この試合、何よりもまずやるべきことを愚直に徹底してやり続けた仙台の規律に圧倒された。「ディシプリン」という言葉の意味をこれほど明快に表現した仙台には素直に脱帽するしかない。このクラブが首位に立っていることには明確な理由と裏づけがある。スター選手や個人技に頼らなくてもこれだけのことができるということ。この事実はまず認めなければならない。
対する東京はパスをつなぐスタイルにこだわったが、中盤の早い寄せに苦しんでボールをしっかり受け渡すことすらできず、終わってみればシュート4本の惨敗。判断と球離れをもっと速くする必要があったが、対応しきれずに次々とボールを奪われてはチャンスの芽を摘み取られた。特にボランチから効果的なくさびがまったく入れられず、前線とのつながりを分断されて出しどころも見つけられなかった。
先制点はオフサイドだったと思うし、前半をスコアレスで終えられていればまったく違った試合になっていた可能性もあったが、それは考えてみても仕方のないこと。その面ではむしろ、そこから十分修正できず、ジャッジに対する不満を引きずったまま、その後もセルフ・ジャッジで中途半端なプレーが散見された東京の自滅と言っていい。監督の退席も稚拙。しっかり頭を冷やして欲しい。
我々は昇格クラブ。魅力的なサッカーをしようとしていることは間違いなく、うまく行ったときの快感はこの上ないが、完成まではまだまだほど遠い。課題は山ほどあり、ここまでがうまく行きすぎていたと考えた方がいいだろう。今日の完敗は内容的にも星勘定的にも極めて痛いが、チャレンジャーとしてのメンタリティを思い出すためには貴重な敗戦だったとも思う。
ここで踏ん張れるかどうかは決定的に重要であり、我々は大きな分水嶺にさしかかっている。昨季終盤から天皇杯で見せた、謙虚な現実認識に裏づけられた愚直な粘りと勝利へのこだわりを取り戻さなければならない。
採点(
採点の見方
):
権田(4.5) 終盤焦りが出たかミスキックを連発。失点はやむなしか…。
徳永(5) 攻め上がってもボールを失うこと多し。丁寧に行きたかった。
チャン(5) 局面ではしっかり敵を抑えていたが最後は敵の攻撃を止められず。
森重(4.5) 能力の高さは見せたが裏を狙ってくる敵への対処に苦慮。
太田(5) 裏のスペースを再三使われた。労多くして得るところ少なかった。
高橋(5) 落ち着いてボールを捌けず、終盤にはテンパってしまった。
米本(5) ボール奪取後の判断が遅く自らプレー選択を難しくした。
石川(5) 対面の相手に手を焼き特長を消されてしまった。
大竹(4.5) ボールを持ったときのアイデアは悪くなかった。交替は残念。
羽生(5) 動き回ったがボールを引き出せず。このところ精彩を欠く。
渡邉(5) ボールを収めきれず期待された働きはできなかった。
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田邉(4) 相手が引いた後は中盤のスペースで変化をつける仕事を果たした。
ルーカス(4) 懸命にボールに触ってくれた。シミュレーションはいただけない。
谷澤(5) 軽いプレーでボールを失うことも。やりきる感がなかった。
順位のことはいったん忘れて人繰りも含めた建て直しが必要。逆境に立ったときのポポヴィッチ監督の手腕に注目したい。
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FC東京
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J1リーグ戦
2012年04月20日 23:16
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【ブンデスリーガ第31節】グラードバッハ×ケルン
■2012年4月15日(日) 15:30
■Stadion im Borussia-Park
ケルンとのダービー・マッチ。日本時間では日曜日の10時半キックオフだが、スカパー中継がないためネットの動画サイトを探して観戦。いちばんつながり具合のよかったサイトがどうもイタリア語かスペイン語の中継だったのでそのまま見てた。
グラードバッハは前節と同じ布陣。試合は序盤からグラードバッハのペースに。小気味よくボールをつなぎながら敵陣内で試合を進める。残留争いの渦中にあるケルンも高いモラルで試合に入るが、攻撃は散発的に終わり、グラードバッハを止めることができない。
グラードバッハはボールを持ちすぎてゴールまでたどり着けない時間帯もあったが、19分、アランゴが20メートルほどのFKを直接決めて先制。このゴールの時はまだ動画を見ていたのだが、リプレイで見たところ芸術的とも言うべき素晴らしいFKだった。ボールはきれいな弧を描いて壁を越え、GKが届かないゴール右隅へ。
グラードバッハはそのあとも主導権を握りチャンスを作るが、敵GKのファイン・セーブもあり加点できず。僕は確か前半の途中から見たのだったと思う。グラードバッハは次第に引き気味になり、カウンターからの追加点を狙う形になる。グラードバッハは44分、ノイシュテターがケガで交替を余儀なくされヤンチュケがボランチで起用される。てかボランチできるんだ…。
後半に入るとケルンが攻撃的に仕掛けてくるが、テア・シュテゲンのセーブを初め集中した守備でしのぐ。すると53分、ロイスのFKにヤンチュケが頭で合わせ2-0に。さらに55分にはロイスがドリブルで仕掛け、敵DFを抜いて最後はGKと一対一になりゴールに流し込んで3-0に。ハーフタイムにコーヒーを飲んでて出遅れ、ふと動画を見たら3-0と一瞬我が目を疑った。
これで試合はほぼ決まり、ケルンの攻撃も精彩を欠いてしまう。グラードバッハは65分、ヘアマンに代えてリングを、77分にはハンケに代えてデ・カマルゴを投入、その後もチャンスを作りながら危なげなく試合を終え、3-0とケルンに完勝した。
グラードバッハは3月17日のレバークーゼン戦以来約1カ月ぶりの勝利。このところ勝てていなかったがようやくいいイメージで勝ち点3を積み上げることができた。これで勝ち点は56となり、順位は4位と変わらないものの3位のシャルケとの勝ち点差は1に。また、5位VfBとの勝ち点差は7となり、次節勝てば4位以上、つまりチャンピオンズ・リーグ予選以上が確定することになる。
今の時点でもヨーロッパ・リーグ進出は確定しており、来季は国際試合を戦う。昨季、入替戦の末に何とか残留したクラブとは思えない。
とはいうものの、次節の相手はBVB。BVBは2位バイエルンに勝ち点差8をつけており、こちらも次節勝てば優勝が決まる。アウェイ、あのヴェストファレンでの対戦となるが、我々としては目の前で優勝を見せられたくはない。敵の日本人選手のおかげでスカパーの生中継はあるだろうし、結構たくさんの日本人も注目するだろうから、ここでしっかり勝って存在感を示したいところ。また、ロイスは来季のBVB移籍が決まっており、その意味でも勝ちたい試合だ。
このところけが人も多く、層の薄さが気になるところだが、今季も残り3試合。予想外の躍進を見せたシーズンだけに、尻すぼみに終わりたくないところだ。BVB戦は日本時間で22日(日)未明1時半から。録画して日曜日は早起き、追っかけ再生のパターンかな。これ、勝ったら気持ちいいだろうな〜。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「我々はプレスでも、試合の組立でも大きな圧力をかけた。我々はラインを大変高く保ち、特に序盤はしっかり前を向いて戦った。1-0になったのは当然のことで、このゴールのおかげで少しばかりリラックスすることができた。その後も我々は攻撃的に試合を進め、前半のうちに2-0にすることもできたはずだった。残念ながらそれはうまく行かなかったが、後半に入っても引き続き攻撃的に戦ったし、チームは上手く切り替えてくれたと思う。2-0も再びFKからで、トニ・ヤンチュケが頭で決めてくれた。その直後にマルコ・ロイスが素晴らしい個人技で3-0にしてくれたおかげで、ケルンにとってはもはや大変難しい状況だっただろうと思う。3-0と言えば聞こえはいいが、そのうち2点はセットプレーからであり、思うほど簡単なことではなかった。いずれにせよ、今日はいいパフォーマンスだったし、勝利が妥当なものであることは明白だ」
今日は饒舌だなあ。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2012年04月18日 00:30
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【ACLグループリーグ第4節】FC東京×北京
■2012年4月17日(火) 19:30キックオフ
■東京スタジアム
何とか仕事を早く切り上げたつもりだったが横浜駅に着いたのは7時半を回っていた。乗換検索によれば最も早い乗り継ぎでも飛田給に着くのは8時44分。スタジアムまでの徒歩も考えれば、試合を見られるのは残り20分程度か。東横線の車中で悶々と悩んだが、結局まっすぐ家に帰って録画を追っかけ再生で見ることにした。
さて、東京は前節ケガで退場した権田に代わり塩田が先発。権田は靱帯損傷と捻挫で全治2〜3週間と発表された。高橋を警告累積で欠くボランチは長谷川と米本、また3シャドーには土曜日の鹿島戦の途中出場で存在感を見せた田邉と大竹が羽生と谷澤に代わって先発。ワントップはルーカスを休ませて渡邉という布陣になった。
試合は序盤から東京がボールを支配し主導権を握って試合を進める。中盤で大竹がボールを受け、タメを作っては配球する役割を積極的に担う。このボールを田邉、石川、渡邉が前を向いて受けるところからチャンスを作って行く。
一方の北京はアウェイということもあってか精彩を欠き、ボールを持っても出し所がなく、また前線の長身のFWのポストも機能せず、散漫な攻撃に終始する。森重、チャンの落ち着いた守備と、米本の果敢なボールへのチャレンジが敵のチャンスの芽を確実に摘み、長谷川が決定的なパスを前線に供給する。
7分、やや距離のあるFKを石川がゴール前に入れると、渡邉が頭で合わせる。ボールはポストに当たって内側に跳ねゴール。東京が早い時間帯に1-0と先制する。
東京はその後も小気味よくパスをつなぎながら縦へのボールをトリガーに流動化してゴールに向かう動きを継続。24分には大竹からのスルーパスを受けた渡邉が左サイドからゴールに向けてボールを流し込む。ボールはファーに流れ石川が詰めたがネットの外側。
37分、長谷川が左サイドに振ったボールを太田がクロス。渡邉が中央で頭で合わせようとするが敵DFにも身体を寄せられシュートは枠外に。だが、前半アディショナル・タイム、長谷川のスルーパスから抜け出した渡邉がエリアに侵入、敵DFをかわしてゴール右からゴール前に流し込んだボールがDFに当たって跳ねたところを、大竹が頭で押し込んで2-0。絶好の時間帯に先制点、追加点と得点を重ねていい流れで前半を終える。
だが、後半開始早々の48分、米本が敵MFとの接触で右肩を痛める。映像を見る限り敵の大きな関与があった訳でもないように見えるが、ともかく米本はそのまま担架で退場、51分に谷澤が投入され、田邉がボランチに入る。米本のケガは心配だが、その後の情報では右肩亜脱臼で、そこまでの重傷ではないとか。
ここから北京に中盤を使われ、セカンドボールを拾われる苦しい時間が続く。56分、石川からのスルーパスを受けた谷澤が裏に抜け出し、敵DFをかわしてゴール。トラップが大きくなったが敵DFのクリアミスにも助けられ3-0とする。流れの苦しい時間帯だっただけに大きな意味のある得点だった。
さらに60分、大竹からのスルーパスを受けた石川が中央にクロスを送ると谷澤が頭で合わせたが枠外に。するとまた北京に中盤でボールを持たれる展開になる。この時間帯を無失点で耐えたことが大きかった。76分、渡邉に代えて平山を投入。
その後も北京が反撃を仕掛けるが、3点差は大きく、北京の攻撃も最後のところで精度を欠いて東京がしっかりゴールを守る。アディショナル・タイムには田邉に代えて公式戦デビューとなる丸山を投入するなど余裕も見せ、結局3-0のまま東京がグループリーグ2勝目を挙げてグループ首位をキープした。
この試合、ターン・オーバーで先発した大竹、田邉といった若い選手が生き生きと躍動、前線にアクセントをつけて勝利に大きく貢献した。特に大竹の流れを読むセンスは非凡なもので何度もいいキープ、絶妙なパスを見せた。やはり大竹は少々我慢しても実戦で使い続けることに意味がある選手ではないか。かつて我々はそうやって梶山を育てたのではなかったか。
田邉はサイドに張って大竹や太田とのコンビで仕掛けるところに能力を発揮。だが、ボランチに回ってからは、守備はともかくとして、味方に渡そうとする軽いパスを敵にさらわれピンチを招くシーンが多かったように思う。
とはいえ、ケガ人や出場停止で人繰りが苦しい中、こうした選手たちがしっかり結果を出したことは大きなプラス。特にリーグ戦ではしばらく鳴りを潜めていたリズムのいいパス・サッカーが見られたことは 今後に向けてひとつの転機になり得る。鹿島戦での敗戦の直後だけに、悪いイメージを引きずることなく、ここで流れを変えられたのは大事なことだった。
高橋、梶山が不在の中で長谷川も存在感を見せた。鹿島戦では試合前に挨拶し、「ズル休み」「休みすぎ」とゴール裏からもネタにされたが、今日は再三の決定的なパスや、タイミングのいい攻め上がりでリズムを作った。米本とのコンビネーションも悪くなかった。
次の週末、首位仙台とのアウェイ戦になるが、どのような布陣で臨むのか楽しみだ。これだけ離脱者が出ても、これだけのメンバーが残ってきちんと結果を残しているのはなにげにすごいこと。離脱者が戻ってくれば選手層は相当厚くなる。
採点(
採点の見方
):
塩田(3.5) 好セーブもあり敵の散漫な攻撃を完封。ヤバい空振りあり。
徳永(3.5) いい攻撃参加を見せた。守備でも落ち着いた対応。
チャン(3.5) すっかりCBに定着。危なげない守備で完封に大きく貢献。
森重(3) 守備ラインを統率、敵の大型FWにも仕事をさせず。
太田(3) 再三の素晴らしい攻め上がり。今日は思いきりがよかった。
米本(3.5) アグレッシブな守備、パフォーマンスは戻りつつある。ケガが心配。
長谷川(3) 決定的なパスを何本も通した。米本とのコンビもよかった。
石川(3.5) ゴールに向かう動きで敵を悩ませたが終盤はちょっと消えていた。
大竹(2.5) 天才肌のボール捌き。これがコンスタントにできれば先発定着。
田邉(3.5) ボランチに回ってからは軽いボール・ロストあり、梶山を彷彿。
渡邉(3) 大竹がボールを捌いてくれたおかげで動きやすかったと思う。
===
谷澤(3) 貴重な追加点。その次のシュートが枠に行かないのは仕様。復活の兆し。
平山(-) 時間短し。
丸山(-) 時間短し。
スタジアムに駆けつけても残り25分はほとんど見るべきところがなかったような気がする。家で見て正解だったか。でもスタジアムのあの雰囲気が味わえなかったのは残念。特に味スタで見たかったな…。
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FC東京
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ACL
2012年04月14日 17:55
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【Jリーグ第6節】FC東京×鹿島
■2012年4月14日(土) 14:00キックオフ
■味の素スタジアム
朝から冷たい雨が降り続ける土曜日。今年のリーグ戦ホームゲームはいつも雨。傘をさして歩くのもイヤだが、何より動員に影響が出ているのではないかと心配になる。せっかくのスタジアムグルメも並ぶ気せず。残念だがコンビニでおにぎり買ってスタジアムに直行した。
東京は長谷川が前節退場となったため出場停止。ボランチは高橋と米本がコンビを組むことになった。それ以外は前節の川崎戦と変わらない布陣。梶山は足の負傷が治ったものの、発熱のためベンチ外となった。試合前には阿久根社長と長谷川によるマイク・パフォーマンスがあり、雨を吹き飛ばそうと檄。
鹿島は開幕から未勝利で最下位と不調をかこっているが、もともと実力のあるクラブだけに油断はまったくできない。試合は序盤から拮抗した展開となる。東京はいつも通りパスをつなごうとするが、敵の守備も堅く、いい形でアタッキング・サードに入って行くことができない。主導権を握り敵陣を中心に試合を進めているものの、パスをカットされてピンチを招くシーンも。
23分、裏に抜け出した敵FWに対し権田が飛び出してボールを確保。しかし敵FWと激しく交錯し起き上がれなくなる。スタンドからはこの時は分からなかったが膝を傷めたようだ。ピッチ内で数分治療したものの結局続行不可となり、29分、権田に代えて塩田を投入せざるを得なくなる。アクシデントでカードを一枚切らされた上、長い中断で集中もいったん切れてしまう。
このシーン、敵FWと権田が互いにボールに行った結果交錯したもので、悪質なプレーではなかったと思うし、実際警告もなかったが、敵FWはこの後ボールを持つたびに激しいブーイングにさらされることになった。
東京は34分にも敵FWに抜け出され塩田と一対一になるがシュートは塩田がセーブ、というか塩田の顔に当たる。このプレーで塩田も一時倒れ込んだのでヒヤッとしたがほどなく立ち上がりプレー続行。
東京はその後もボールを支配したが最後のところのアイデアが足らず、流れから鹿島の守備を崩しきれない。アディショナル・タイムは権田のインジャリーをカウントして8分あったが得点にはつながらず、スコアレスで前半を終える。
後半に入ると東京は中盤でのプレスを強め、素早い切替から何度か鹿島ゴールに迫るがいい形でフィニッシュできず。59分、中盤で高橋の蹴ったボールがゴールへ。塩田がこれをキャッチするとバックパスを取られ敵の間接FKに。塩田がボールをトラップで処理せず直接キャッチしたときに「えっ?!」と思ったが案の定バックパスを取られた。高橋がどこまで意図的にボールを戻したかは分からないが、うかつなプレーだった。
ゴール前至近からのFKとなり、東京はゴールライン上に並んで壁を作る。敵のシュートは飛び出した東京DFに当たり何とか絶体絶命のピンチを逃れるがこの辺から試合全体がどうもバタバタしてくる。
66分、太田が左サイドでボールを奪われるとそのまま鹿島のショート・カウンターに。奪われた後、集中を欠いたか東京の切替が遅く、戻りが遅い中での対応を迫られる。これをつながれきっちりと決められて鹿島に先制を許す。
失点シーンで奪われたボールのファースト・ディフェンスをしなかった太田にポポヴィッチ監督が怒ったか、69分、太田に代えて田邉を投入。田邉はそのまま左SBに入る。ベンチには椋原もいたが、得点を狙いに行くという宣言の意味合いもあったか。74分、谷澤に代えて大竹がイン。田邉、米本、大竹らの若手にこの試合は委ねられた。
81分、鹿島ゴール前でルーカスがシュートを放とうとしたところ、敵DFがクリアしたボールを敵GKがキャッチ。これがまたしてもバックパスの判定となり東京に間接FKが与えられる。だいたいバックパスでのFKなんて一年に一度見られるかどうかくらいなのに、ひとつの試合で両チームに一度ずつ与えられるなんてなかなかない。
鹿島の壁の飛び出しが早く、2度のやり直しの後の84分、ようやくリリースされたルーカスのシュートが壁に当たりゴール前で混戦となったが、田邉がこれを押し込んで1-1の同点に追いつく。試合がオープンになり互いにバタバタする中で、東京は、田邉、大竹を中心に流動的にボールを回し逆転を狙いに行く。
アディショナル・タイムは5分あったが、残り2分となったところ、中盤で敵ボールにチャレンジに行ったチャンがかわされ一気に裏を取られる。ドリブルでもちこんだ敵FWのシュートは塩田がセーブしたものの、こぼれ球をファーで流し込まれて失点。1-2と勝ち越しを許してしまう。
残り時間はほとんどなく、結局鹿島に今季初勝利を献上、一方東京は広島戦に続きホーム2連敗となった。あまり得点が入る気がせず、せいぜい引き分けが妥当な試合だったと思う。
この試合、パスは回るものの、どうやって最後のところを仕掛けるのか、どうやって点を取るのかという点でアイデアがまったく見られず、流れの中から点が取れそうなシーンはほとんどなかった。そういう意味ではやはり梶山の不在が大きいという他ない。ルーカスのポスト、キープ、羽生のフリーラン、石川のスピードと、ピースは揃っているはずなのだが、それらを組み合わせて攻撃を完成させる舞台監督がいないと感じた。
実際、前節の川崎戦は勝ちこそしたものの得点はCKからの森重のヘディング。その前の広島戦は無得点だし、今日の得点もFKからゴール前での超混戦の押し込みと、リーグ戦ではこのところ流れから得点できていない。パスが回るのはいいがそこからどう得点につなげて行くのかという最後のスイッチが見えない。ボールを支配しても結局得点にならないのでは意味がない。
また、失点シーンではいずれも一瞬の集中が途切れたように見えた。カウンターでの失点というのはどれもそんなものかもしれないが、中盤でのうかつなボール・ロストから、一瞬切替が遅れるともう裏に出られて後追いしかできなくなってしまうという悪いパターン。特に1失点目はボールを失った瞬間のリトリートが遅れ、前の選手の足が止まって全然戻れなかったように見えた。
可能性を感じたのは田邉と大竹。全体に動きが鈍くなる時間帯だったので余計に目立った部分はあるが、流動的にポジションを取り直し、パスと仕掛けのバリエーションもあってスピーディにいい形を作っていた。2列目の再構築はあっていい。
まだシーズンの先は長いとはいえ、ホームでのこの敗戦は痛い。今週はACLもあって日程がきついのは承知しているが、ここでしっかり課題を整理しないと次節のアウェイ仙台戦は難しい戦いになってしまう。まずはACL北京戦をどう戦うか、注目したい。
採点(
採点の見方
):
権田(-) 果敢な飛び出しで負傷。ケガの程度が心配だ。
徳永(4) タフに戦い続けたが守備に汲々とする局面も。
チャン(4.5) 決勝点を献上したチャレンジの失敗は責められてもやむなし。
森重(4) 出来は悪くなかったが結果的にカウンターから2失点は残念。
太田(5) 攻撃のリズムを作れず、失点シーンでは決定的な守備の遅れ。
高橋(3.5) 守備に奔走し果敢にボールをつないだがパスをカットされるシーンも。
米本(4) いいボール奪取も多かったがその後のつなぎに失敗することあり。
石川(4) 狭いエリアの中でなかなか特長を出して勝負できず。
羽生(4) アイデアを周囲と共有できず。最後はややお疲れか。
谷澤(4) よくボールに触ったが決定的なシュートを外す。
ルーカス(4) 懸命のキープ、ポストが次につながらない。
===
塩田(3.5) 難しい状況での交替。失点シーンはやむなしか。
田邉(3.5) 途中交替で求められる役割は果たした。
大竹(3.5) 久しぶりにいい時の動きを見た。今日ほぼ唯一希望を感じた。
帰り道も冷たい雨。ひとつの負けというより、この状態からどう立て直すか、今季最初のポイントに来ていると感じる。
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FC東京
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J1リーグ戦
2012年04月11日 23:34
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【ブンデスリーガ第30節】ブレーメン×グラードバッハ
■2012年4月10日(火) 20:00キックオフ
■Weserstadion
このところ貯金を食いつぶして生活している感の強いグラードバッハ。シーズン終盤での失速は避けたいところだがここへ来て層の薄さがじわじわ効いているように思う。英国週間となった第30節はアウェイでブレーメンとの対戦となった。
平日の夜、日本時間だと水曜日未明の3時キックオフ。テレビ中継はなく、動画サイトでのリアルタイム観戦もあっさり諦め、朝起きて結果を確認した次第。
グラードバッハはシュトランツルがヤンチュケに代わって右SBにスライド、ブラウアースがCBで先発した。前節負傷で途中退場し、出場が危ぶまれたロイスは無事に先発した。
グラードバッハは序盤からペースをつかむ。敵の守備の乱れを突き、7分にはロイスが、10分にはノイシュテターがチャンスを作るが決められず。17分にもヘアマンがシュートを放つが枠外に。だが、グラードバッハが優勢に試合を進めていた18分、敵のスルーパスをダンテがクリアし損ね、敵に決められて先制点を許してしまう。
しかし、グラードバッハはその後もテンポよくボールをつないで試合をコントロール。21分にはロイス、22分にはヘアマンがゴールを狙う。さらには27分、敵DFがヘアマンを倒して退場となり、グラードバッハは数的優位に立つ。
グラードバッハの優位はさらに鮮明になり、敵陣で(エレガントな、とkickerは書いている)攻撃を仕掛けるが、ラストパスが通らず、またブレーメンの必死の守りもあり、得点できないまま0-1で前半を終える。
後半はやや抑え気味に試合に入ったグラードバッハだったが、52分、左サイドのアランゴからパスを受けたハンケがシュート。これが決まってグラードバッハが同点に追いつく。
直後こそブレーメンの反撃を受けたものの、グラードバッハが再び流れをつかむ。66分、ダンテからのハイボールをハンケが頭でつなぐと、これを受けたロイスが中央に横パスを入れると、ハンケがこれに合わせて2-1と逆転。
しかし74分、ブレーメンにFKを与えると、これに頭で合わされ失点、2-2の同点に追いつかれてしまう。その後はオープンな打ち合いになり、グラードバッハは76分にヘアマン、80分にアランゴ、81分にロイスと立て続けにチャンスを迎えるが得点できず。
81分にヘアマンを下げてリングを投入すると、88分にはそのリングがフリーでシュートを放つがバーに当たる。90分にはハンケに代えてデ・カマルゴを投入したが、結局そのまま2-2の引き分けとなった。
同じ引き分けでも前節のヘルタ戦とは違いなかなか見てても楽しそうな試合だったようだが、せっかく逆転しておきながら終盤に追いつかれての引き分けはショックも大きい。とはいえ、この試合では攻撃がある程度機能し、先行されながらも2点取って逆転できたことは明るい材料か。
グラードバッハは勝ち点1を上積みし53とし4位をキープしているものの、5位のVfBとの勝ち点差は7に縮小しておりチャンピオンズ・リーグ出場に危険信号が点灯している。今季も残り4試合となり、この後はケルン(H)、BVB(A)、アウクスブルク(H)、マインツ(A)と戦うことになる。
首位BVBとの勝ち点差は既に13と開いており優勝の目はなくなったが、何とかチャンピオンズ・リーグは確保したい。ここからが勝負になる。
ルツィアン・ファヴレ監督:
「パフォーマンスには満足している。非常にいい試合をしたと思っている。どちらのクラブも人数が揃っていた間、我々は初めから多くのチャンスを作りだしていた。しかし0-1になってからは試合に入り直すのが難しかった。しかしそこでチームはうまく反応してくれた。勝ち点3が内容に相応しい結果だったことははっきりしており、その点ですこしばかり落胆している」
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ブンデスリーガ
2012年04月11日 00:14
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【ブンデスリーガ第29節】グラードバッハ×ヘルタ
■2012年4月7日(土) 18:30キックオフ
■Stadion im Borussia-Park
公式戦3試合勝ちのないグラードバッハはホームでヘルタと対戦。何とか勝ち点3を積み上げたいところだ。日本時間では日曜日未明の1時半キックオフということで、キックオフからしばらくは動画サイトの中継を見ていたが、あまり夜更かししている訳にも行かないので途中で寝てしまった。
グラードバッハはハンケが久しぶりにデ・カマルゴに代えて先発した他は前節と同じ布陣。開始からボールを支配し主導権を握るが、守備をしっかりと固めるヘルタを相手に攻撃の糸口をつかめない。一方、ヘルタは堅い守備からカウンターを狙うがこちらも形が作れない。
中盤での激しい競り合いが続く中、ロイスがファイルを受け負傷。20分にデ・カマルゴと交替する。その後も一進一退の攻防が続き、37分にデ・カマルゴが反転してシュートを放った他は見るべきシーンもなくスコアレスのまま前半を終了した。
後半に入っても試合は低調。アウェイで次第に引き分け狙いを鮮明にして手堅い戦いをするヘルタを相手にグラードバッハは勝ち点3を取りに行くが、アイデアを欠きラストパスがつながらない。結局、最後までどちらも局面を打開できないままスコアレス・ドローに終わった。
いや、レビューが短いように見えるかもしれないが、ネタ元の「kicker」のレポート自体が短いのだから仕方がない。おそらく見ていてもつまらない試合だったのだろう。
グラードバッハはこれで4試合勝ちなし。5位との勝ち点差が9と大きいためまだ4位に踏みとどまっているが、チーム状態はよくない。ここでしっかり手を打って、もう一度盛り返し、でき得ることならばCLにダイレクト・スルーできる3位に入りたいところだ。
それにしてもロイスのケガは痛い。ここにきてヘアマン、ロイスとケガが相次ぐと、選手層の薄さがどうしても見えてしまう。来季を展望するなら、ロイス、ノイシュテターの流出も見込まれる訳で、相応の補強は必須になるだろう。
次節は火曜日(日本時間水曜日未明3時)にアウェイでブレーメンと対戦する。ブレーメンにはあまり悪いイメージがなく、ここでしっかり踏ん張って欲しい。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「満足していない訳でも、落胆している訳でもない。我々は何度も仕掛けたし、ボール支配率も悪くなかった。ヘルタの本当のチャンスは1回だけだったが、それでも彼らが足の速い選手を使って仕掛けてくるカウンターは危険だった。どんな試合も難しいということは分かっているし、ヘルタはアウェイで強いところを見せつけた」
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Borussia M'Gladbach
2012年04月08日 22:05
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【Jリーグ第5節】川崎×FC東京
■2012年4月8日(日) 16:00キックオフ
■等々力陸上競技場
昨季はなぜか開催されなかった多摩川クラシコ。今季はまずアウェイでの開催である。空気はやや冷たいものの快晴の日曜日。夕方からのキックオフなのがもったいないくらいだが、結局試合終了まで日は沈まず、いい天気で観戦できた。
アウェイ側のチケットが瞬殺で売り切れたらしく、出遅れた僕はバックスタンド中央の指定席を確保。まあ、アウェイゴール裏はもともとあまり取る気なかったけども。一応ホームエリアということでユニその他の公式グッズは遠慮して行ったが、着いてみると周囲には東京ユニを着たりマフラーを巻いた人が大勢。いいのか、これ。
東京はACL北京戦でケガをした加賀が欠場、変わってチャンがCBで先発することとなった。同様に北京戦を負傷退場した羽生はトップ下で先発したが、梶山は引き続きベンチ外。丸山がリーグ戦初めてベンチ入りした。
試合は互いにオープンで打ち合う拮抗した展開に。東京が高い位置でプレスをかけ押し込むが、川崎も奪ったボールを素早く展開して東京ゴール前まで運んでくる。互いに攻撃的に仕掛ける中で結構バタバタした出入りの激しいゲームになる。
9分、石川が高橋のパスを受けて裏に抜け出し、敵GKと一対一になるがセーブされる。互いに切替の速い攻撃でチャンスを作る。東京はパスをつなぐだけでなく、裏への長いボールも取り混ぜながら得点機を窺うが、前線にボールが収まりきれず決定的なシーンは訪れない。
一方、川崎にボールを持たれる時間もあり、何度か決定的な形を作られるが、権田の好セーブもあって失点は許さず。中盤での緩い横パスをカットされたり、球際で負けてボールを失うシーンが目につく。結局前半をスコアレスで終える。シュートは川崎の8本に対して東京が4本。決して主導権を握れていないことが数字にも表れている。
後半開始早々の48分、長谷川が好守の切替の中で敵MFを引っかけてしまいこの日2回目の警告。これで長谷川は退場となり、51分、羽生を下げて米本をボランチに投入、4-4-1という布陣になる。
数的優位を得た川崎は勢いを駆って東京ゴールを狙いにくる。52分、オフサイド・ポジションにいた敵FWへのボールを見逃したところ、後ろから飛び出した別のFWにこれをさらわれGKと一対一の決定的なピンチになるが権田がセーブ。肝を冷やした。
東京はブロックを作って川崎の攻撃を受け、ボールを奪えば前線に素早くつなごうとするが、いかんせん前に人をかけられないのでパスも読まれて展開ができない。川崎の攻撃をしのぐ苦しい時間帯が続く。
67分、東京のエリア内でサイドからのクロスに中央で合わされるが権田が腕一本でセーブ。シュートは枠に行っており、これも九死に一生を得たシーンだった。まさに権田様々。川崎は中盤で繰り返しボールを拾っては必死に守る東京の守備を崩そうとするが、アタッキング・サードでは有効な手がなく回すうちにオフサイドになったり東京にボールを奪われたりするシーンが続く。川崎がこの時間帯にどっちつかずの中途半端な攻撃を続けてくれたことは助かった。
75分、谷澤を下げて田邉を投入。田邉はそのまま左SHに入る。東京は守備に集中するが、奪ったボールはしっかり前線に送り、勝ち点3を諦めてはいないという意志を明確にする。87分、米本が中盤で奪ったボールを受けたボールを高橋がロング・シュート。意外なタイミングで放たれたシュートは敵DFの間を抜け枠に飛ぶが敵GKがセーブ。
これで得たCKを石川が蹴る。石川はゴール裏に向かって手を振り上げ声援を要求する。盛り上がるゴール裏。「勝つ気だ」と思ったら僕もちょっと胸が熱くなった。石川が放った右CKがゴール前中央に着弾すると、森重が頭を振り抜きミート。ボールは川崎ゴールに吸い込まれ、一人少ない東京が土壇場で1-0と先制点を挙げる。
総立ちでお祭り騒ぎのゴール裏。しかし時間はまだ残っている。集中して守らなければならない。90分、自陣での競り合いで太田が倒れ込む。太田は結局そのまま担架で退場。椋原が交替で左SBに入る。枠残しててよかった〜。ここで示されたアディショナル・タイムは6分。東京サポから「何考えてんだ〜」的な怒号が飛び交う。
東京はコーナー近くでのボールキープも使いながら残り時間を進めようとする。何度か自陣でFKを与えたが守りきり、人数が少ない中で守りきり1-0と勝利を収めた。
前節、ホームで広島に敗れたことを考えれば、連敗だけは避けなければならず、クラシコ云々以前にそういう意味で大事な試合だったが、退場者を出して一人少ない状況に陥りながらもセットプレーで得点を挙げて勝ちきったことは高く評価してよい。こういう試合をこういう形でモノにできたことはクラブにとって大きな財産になる。素晴らしい勝利だったと思う。
内容を見れば必ずしも思い通りにパスが回せた訳ではなく、緩い横パスをカットされたり、持ち上がっても整った敵の守備ブロックの前にパスの入れどころをなくしてズルズルGKまで下げさせられたりと、課題はまだまだ解決していないことを見せつけた試合だった。ボールを持ちながらいったん動きの止まったところからどうやって再起動するかというアポリアにはまだ答えが見つかっていない。
にもかかわらず、この試合で素晴らしかったのは、一人少なくなってもアウェイでの勝ち点1で満足せず、得点を、勝利を狙いに行ったことである。もちろん一人少なくなったことで攻撃のつながりは悪くなり、自陣に押し込められる時間は長くなった。しかし、ひとたびボールを奪えばリスクを取ってラインを押し上げ、中盤で果敢につないでサイドに展開した。
前線のターゲットが少ないためパスコースを読まれ攻撃がつながらないことも多かったが、僕自身は「まあドローでも仕方ないか」と思い始めていただけに、勝つことへの執着が見えた終盤のプレーにはちょっと感動した。
個人の評価としては、まずリーグ戦初出場初先発となったチャンの安定した守備、沈着なパス回しと果敢なフィードは見るべきものがあった。加賀が筋挫傷で2カ月程度の離脱と発表されているだけに、その穴を埋めるべきチャンが高いパフォーマンスを見せたことは大きなグッド・ニュース。森重のとのコンビは期待できそうだ。
逆に二枚のカードを受けて退場した長谷川は今季二度目であり反省すべき。そこまでクリティカルなシーンでもなかったはずで、いくらふだんのパフォーマンスがよくてもこういうリスクが高いとチームとして戦力に計算できなくなってしまう。2試合の出場停止が課されることになるだろうから、しっかり我が身を顧みて欲しい。
あとは、高橋の緩い横パス、谷澤のボール・ロストも目立った。川崎の出足がよかったのもあるが、東京のプレースタイルや弱点をしっかり研究されている感があった。開幕から一カ月、上位にいればいるほど、戦い方は常に進化させる必要がある。
一方、川崎は、前線に決定力のある外国人FWを並べ、そこにクリエイティブなパスの出せる中盤のタレントを擁して、訳の分からない凄みのあった数年前に比べると、随分普通のチームになった印象が強い。数的優位を得た後半、攻撃的な選手を投入して遠めからでもどんどん打ってこられたら苦しかったが、正直にドアをたたいてはフィニッシュまで持って行けないシーンも多く、形を作れていなかったようだ。よその心配をしているヒマはないが、川崎の迷いや躊躇に助けられた部分は大きかった。
東京はここまで5試合を終えて4勝1敗、勝ち点12で3位をキープ。敗戦の後にしっかりと勝ち点3を積み上げることができたのは大きかった。
次節はホームでの鹿島戦。鹿島は開幕から5試合で4敗1分、得点はわずかに1と泥沼のような状態にあるが、昨日の浦和戦では18本のシュートを放って今季初得点を挙げるなど復調の兆しも見せており油断はできない。手負いの獅子ほど怖いとも言え、侮ることなく自分たちのサッカーをきちんと表現することを肝に銘じたい。でも「今の鹿島なら楽勝」みたいなツイートとか出てきてゲッソリするんだろうな…。
採点(
採点の見方
):
権田(1.5) 再三のスーパー・セーブでチームを救う。でも時間稼ぎは感心しない。
徳永(4) 要所での攻撃参加はあったが何度か敵MFの仕掛けを受けた。
チャン(3) リーグ戦デビューだったが高い能力を見せた。レギュラーで問題ない。
森重(2) チャンとのコンビも問題なし。気持ちを見せた得点には全米が泣いた。
太田(3.5) 以外にシュアなプレーで完封に貢献。ケガが心配だが大丈夫そうか。
高橋(4) 決勝のCKを呼び込んだロング・シュートは見事だがうかつな横パス多し。
長谷川(5) オン・ザ・ボールのパフォーマンスはともかく退場は反省すべし。
石川(3.5) 何度か決定機があったが決めきれず。最後まで走り続けた。
羽生(3.5) スペースに流れてボールを捌いたが決定機にはなかなか絡めず。
谷澤(4) いいシュートもあったがボール・ロスト多し。
ルーカス(3.5) よくボールを収めたが自分ではほとんどシュートを打てず。
===
米本(3) 難しい状況での起用ながら中盤でボールを狩りミッションを果たした。
田邉(4) 一人少なかったが随所で特徴は見せた。もっと早い投入でもよかった。
椋原(-) 時間短し。
等々力のバックスタンドは正面から西日を受けてまぶしかった。僕はキャップをかぶって行ったのでよかったが、それでも日没近い試合終了間際は日光を防ぎきれず見にくかった。周囲の人たちは手で日を遮りながら目を細めて観戦していたが、この天気でこの時間帯の試合であれば、やはりキャップは必携。終盤は日も傾いて冷えた。
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FC東京
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J1リーグ戦
2012年04月07日 22:49
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【ブンデスリーガ第28節】ハノーファー×グラードバッハ
■2012年4月1日(日) 15:30キックオフ
■AWD-Arena
ポカールでのPK負けも含めれば2連敗と失速気味のグラードバッハ。このままズルズルと順位を下げて行くのか、何とか上位に踏みとどまるのか、いよいよ真価が問われるシーズン終盤である。現地時間日曜日の3時半、ドイツでは夏時間が始まったので日本時間では夜10時半のキックオフになるが、ちょうどその時間は昼間見た東京×広島のマッチ・レポートを書いていたのでPCで動画を見ることができず、後半から動画サイトを探して見た。
グラードバッハはノードファイトとシュトランツルがブラウアースとマルクスに代わって先発に復帰。
序盤はグラードバッハが優勢。流動的なパス交換から試合を支配し、攻撃を組み立てるが、守備からカウンターを狙うハノーファーの前に得点には至らない。前半の中頃からはハノーファーも次第に調子を上げ、拮抗した戦いになるが、互いにコンパクトな守備で相手にスペースを与えないため、ゴール前でのシーンはほとんどないままスコアレスで前半を終えた。
後半になると試合はヒートアップ、激しいつばぜり合いになる。この辺から動画サイトで見始めたのだが、互いに早い好守の切替から相手ゴールに迫ろうとする好ゲーム。しかし57分、不十分なクリアボールを拾われ、シュートのこぼれをさらにさらわれて流し込まれ失点。このところ下降気味の調子を象徴するように0-1と先制点を奪われてしまう。
追い込まれたグラードバッハは反撃を仕掛けるが、ハノーファーの堅い守備の前になかなかしっかりした攻撃の形を作ることができない。67分にはヘアマンに代えてヴェントを、68分にはデ・カマルゴに代えてハンケを立て続けに投入、何度かチャンスを作るが決めきれず。
76分、サイドから崩されて0-2と追加点を許してしまう。一方、グラードバッハは直後の78分にノードファイトが一人で持ち込み敵DFを振り切ってシュート、これが決まって1-2と一点差に迫り、84分にはヤンチュケに代えてブンデスリーガ・デビューとなるヨーネスを起用するなど最後まで同点を狙うが、敵GKの好守もあって追いつけず、結局1-2のままリーグ戦2連敗を喫した。
順位は4位と変わらないが、ここにきて最後のところの正確さが失われつつあり、テンポのよいダイレクト・プレーが生かされずにボールを失うことが多くなっているような気がする。今季は少なくとも残留の心配はしなくていいが、このままズルズルと中位に転落するようではここまで何をやってきたのか分からなくなってしまう。
次節、ホームでのヘルタ戦では何としても勝ち点3を積み上げて、チャンピオンズ・リーグやヨーロッパ・リーグという現実的な目標への手がかりを見失わないようにしたい。今季初の連敗となったが、ここからどうするか、大きな岐路にいることは間違いない。今季このメンバーでゲームができるのもあと6試合。何とか最後の奮起を期待したい。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「目が覚めるのが遅すぎ、最後の25分になってようやくいいサッカーができるようになった。それまでは両チームにおいてチャンスが少なく、テンポもない試合だった。あまりに多くの技術的なギャップとボール・ロストがあった。0-1とされたのは、ああした局面にはあってはならない集中力の欠如によるものだった。0-2ではヤン・シュラウドラフが素晴らしいクロスを上げたが、我々は後ろでは数的優位になっており、ゴールは阻止できたはずだった。このような失点を重ねれば、もちろん頭に悪い影響が出るものだが、チームはしっかり対応し、ハヴァード・ノードファイトの美しいゴールでもう一度試合に戻った。ただ、残念ながら少し遅すぎた」
ああ、何とか今週の試合が始まるまでにアップできた…。
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ブンデスリーガ
2012年04月05日 00:51
[posted by der_ball_ist_rund]
■
【ACLグループリーグ第3節】北京国安×FC東京
■2012年4月4日(水) 21:00キックオフ
■北京工人体育場
ACLグループリーグ第3節はアウェイで北京と対戦。事前の公式サイトでの観戦案内などからはかなり厳しい環境が見込まれたが、まあ、埼スタで浦和とやるようなもんか? 北京はアウェイ観戦対象外地域なので自宅でBS朝日の録画を追っかけ再生してビデオ観戦。
東京はこの試合でもターン・オーバー。ボランチでは高橋と長谷川がコンビを組み、3シャドーは石川、羽生、谷澤、ワントップに渡邉というスタメンになった。
この試合も東京はある程度ボールを持てるものの、中盤では早い寄せに遭い、前線に効果的なボールを供給できない。疲れもあってか動きに今ひとつ精彩を欠いた感があった。6分、加賀が敵と交錯した際に足を傷めた様子で自らバツのサインを出しピッチを去る。
高橋が一時的にDFラインに落ちて穴を埋めるが、9分、その高橋がエリア内で縦に抜けようとした相手選手に手をかけたとしてファウルを取られPKに。11分、これを決められ東京は早い時間にアウェイで重いビハインドを背負うことになる。
このプレー、高橋は確かに敵FWに手をかけたようにも見え、ファウルはやむなし。もっとも、伸ばした手が敵にどれくらい触れていたのか、本当に相手が転倒するくらい手をかけたのか、何だかうまくしてやられた気がしないでもないが仕方ない。高橋はACL累積2枚目で、次節ホームでの北京戦は出場停止。
東京は加賀に代わってチャンを投入。ポゼッションで北京を上回り、辛抱強く自分たちのサッカーを表現しようとするが、最後のところで工夫が足りず、いい形でフィニッシュまで行けないもどかしい展開。逆に北京は中盤で奪ったボールを素早く前線に運び何度かシュートを打つが、枠に入らなかったり権田がセーブしたりで追加点は許さない。
すると44分、CKからの流れで徳永からパスを受けた石川がこれを落とし、後ろから駆け込んだ長谷川がこれを蹴り込んで同点に。決して思い通りに攻撃できていた訳ではなかったが、ともかく前半のうちに追いつけたのは大きかった。
後半開始早々こそ渡邉がドリブルで持ち出してシュートを放つなどチャンスを作るが、その後はやはりチャンスを作れない。56分、左サイドの太田が鋭いクロスを入れると、ニアに石川が走り込んで合わせようとするが、敵GKがいいタイミングで出てクリアされる。
58分、中盤での接触で羽生が退場、ルーカスを投入する。東京はさすがに連戦の疲れか、中盤が間延びして敵の攻撃を受ける時間が続く。一方、守備は集中しており、ピンチは迎えるものの最後のところでしっかりと対応ができている。特に途中出場のチャンが安定したプレーを見せる。
73分、谷澤を下げ田邉を投入。足が止まり始める中、終盤は大味な展開になる。東京は最後まで逆転を狙いに行くが、北京のゴールをこじ開けることができず。87分には長谷川が敵FKとなるボールを拾って敵選手と小競り合い。警告を受けて2枚目となり、長谷川も次節出場できなくなった。結局試合は1-1のドローに終わった。
プレーが荒っぽく、加賀、羽生が傷んで退場したのは心配だが、アウェイで勝ち点1を得たことは最低限の成果として評価できる。後半には中盤での敵の寄せも甘くなり、中央で前を向いてボールを持てる時間帯もあっただけに、そこから先に工夫や正確さを欠いて逆転につなげられなかったのは残念。まあ、シュート5本ではさすがに1点止まりがいいところか…。
中央でどん詰まりになると途端に攻め手がなくなるのは引き続き課題として残った。今日はせっかく渡邉をトップに先発起用したのだから、渡邉を裏に走らせるようなアイデアがあってもよかった。
とはいえ、J1での広島戦の負けの後に連敗しなかったことは大きい。グループリーグは第3節を終わって東京が1勝2分で勝ち点5の首位。ホームを2戦残しているのはアドバンテージ。次の多摩川クラシコは今季の東京の踏ん張りを試す大事な試合になる。
採点(
採点の見方
):
権田(3) PKも触っていただけに惜しかった。ゴール前で微妙なキープあり。
徳永(3) 強いフィジカルで敵を止めるとともに前のスペースも結構使えた。
加賀(-) いいプレーをしていただけに負傷退場は残念。重傷でなければいいが…。
森重(2.5) 激しく来る相手をいなして最終ラインを統率した。
太田(3) 積極的な仕掛けが光った。持ち味の片鱗を見た感じ。
高橋(3.5) エリア内で手を出してしまったのはいただけなかった。
長谷川(3) 貴重なゴール。ボランチとしての仕事も手堅かった。
石川(3.5) 何度かいい形でボールを受け、最後まで走り続けたが…。
羽生(3) 窮屈な中、流動的に動いてボールをしっかり引き出した。
谷澤(4) 消えている時間帯があった。プレーに緻密さを欠いた。
渡邉(4) もっと自分の持ち味を出してゴリゴリ行っていいと思うが。
===
チャン(3) CBとして十分計算できる働き。監督も見ていたはず。
ルーカス(-) 時間短し。ほぼ働けず。
田邉(-) 時間短し。いいタッチは見せたが…。
思い通りに行かないときの対応力が問われている。
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