フットボール・クレイジー
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2012年07月29日 00:19
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■
【Jリーグ第19節】FC東京×新潟
■2012年7月28日(土) 18:30キックオフ
■味の素スタジアム
日中は暑かったが日が傾くと風もあって耐えられないほどではない。3週間ぶりの味スタは花火もあるということで浴衣の女性も多い。
この試合はスタジアムのホーム側とアウェイ側を入れ替え、メインスタンドから見て右手を東京が使用。東京ゴール裏から花火が見えるようにということだろうが、この方がホーム側のスタジアム外にイベントスペースを確保しやすいということで恒久的な入れ替えも検討しているとか。
正面入って右に流れるのは何か違和感あるが、慣れの問題だろう。クラサポテントが正面左にあるので立ち寄りにくいのは難点。今後の運営を注視したい。まあ、僕の場合、ふだんはバクスタ上層のほぼ中央で見ているので、ゴール裏がどっちになろうとあまり関係ないといえば関係なかったりもするのだが。
東京はナビスコ杯仙台戦と同じ布陣。梶山がケガから復帰しベンチ入りを果たした。東京は中二日だがナビスコ杯で既にグループリーグ敗退している新潟は2週間の休養明け。蒸し暑い夏場の試合だけにコンディションが懸念されるが、前節鳥栖戦を落としている東京はホームでの連敗だけは避けたいところ。
しかし東京は立ち上がりから身体の重さを隠しきれず。互いにコンパクトな中盤から、東京はパスで敵を崩そうとする一方、新潟は東京の高いDFラインの裏に決定的なボールを出そうとするが、東京は球際や攻守の切り換えで新潟より常にワンテンポ出遅れる感じで主導権を握れない。
東京がボールを支配する時間帯もあるものの、高いラインでコンパクトにブロックを固める新潟に対し有効なくさびが入らず、サイドからの攻撃を試みてもシュートに行き着くまでにボールを失うこと多し。仙台戦では裏にいい飛び出しを見せていた石川にもこの試合ではいいボールが通らず、パスもズレ気味に感じられた。
攻めあぐねてはボールを失い危険なショート・カウンターを浴びる繰り返しで時間が過ぎた32分、DFラインのパスをカットされ前線に展開される。ボールホルダーにしっかりプレスがかからず、つながれたボールをエリア内から決められ0-1と先制点を許す。その後も東京は大事なパスがつながらず、試合の流れをつかめないまま0-1のまま前半を終えた。
東京は後半からエジミウソンを投入。当然渡邉と交代だろうと思って円陣を見ると渡邉は残っており、よく見れば谷澤がいない。どうもこの段階ではエジミウソンと渡邉がツートップを組み、ルーカスが左、石川が右の4-4-2的な布陣にシフトしたようだ。
この布陣が奏功したか、東京は後半開始から運動量を高め、前線からボールを追うとともに、ボールを奪うと早い切り換えからペナルティ・エリアにまで侵入できるようになる。さらに55分、加賀に代えて梶山を投入。高橋がCBに落ち、梶山と長谷川のダブルボランチになると、ボールの流れもスムーズになり、エジミウソンがパスカットからソロで持ち上がるなど何度かチャンスを作る。得点するとすればこの後半最初の20分だったと思う。
だが、流れを引き寄せかけた矢先の67分、パスをカットされて敵MFが東京の左サイドをドリブルで持ち上がる。中村の守備をかわされ流し込まれて0-2と追加点を許す。今日の試合展開だとこの2点目は重い。ようやく形ができかけた時間帯に失点し、仙台戦同様、東京は自ら流れを手放してしまう。
72分、渡邉を下げて米本を投入、梶山を一列上げてトップ下に配し、エジミウソンがワントップで、再び4-2-3-1に戻ったように見えた。米本は中盤で積極的にボールを受け、縦にクリティカルなくさびを入れる意識が高く前線にボールを配球しようとするが、東京は足が止まり始め、パスも正確さを欠いてシュートの2つ前くらいのパスをことごとくカットされている感じ。
中盤でのセカンドボールもまったく拾えなくなり、何度か決定的な形を作られるが敵のシュート・ミスに救われる。エリア内に侵入できない東京はルーカス、米本らがミドルを放つがさすがにそう簡単には行かず、結局新潟に守りきられ0-2と完敗を喫した。
懸念したとおりコンディションの差が出てしまい、東京は最後の一歩、二歩が走りきれずに、球際でもルーズボールへの対応でも攻守の切り換えでも新潟の後を追いかける展開になってしまって苦しかった。肝心のパスも正確性を欠く場面が多く、ブロックを固めた敵を崩すアイデアも動きも乏しかった。意図が合わずボールをムダに失ったシーンも一度や二度ではなかった。
しかし、コンディションやケガ人を言い訳にしていても仕方ない。この試合で勝ち点を上積みできなかったことは事実であり、リーグ戦2連敗で10位まで順位も下げてしまった。ポゼッションは55%と新潟を上回ったが、シュート数は7-15と新潟の半分以下。ボールを持ちながらもシュートまで行けず、パスカット、ボールロストから失点を重ねた試合内容が数字にもはっきり表れている。
前半はいかにも出足が悪く、しっかりブロックを固める新潟相手に攻め手を見つけられないまま失点、後半、エジミウソン、梶山の投入で流れを引き寄せかけたところで得点できず、逆に追加点を与えてしまったのが決定的だった。米本の投入は采配としては正しかったと思うが、既に電池切れ間近の東京には2点差をひっくり返す力は残っていなかったということだろう。
以前にも書いたと思うが、パスをつなぐところから敵ゴールに向かって攻撃のスイッチが入る瞬間が十分共有されていない。また、スイッチを入れるために流れに変化をつけることのできる選手がいない。今日のメンバーならそれを担うのは本来、石川と谷澤のはずで、その動きを見ながら長谷川あたりがトリガーを引くのだろうが、そうした連動も意志疎通と正確さを今ひとつ欠き、大雑把な攻撃に終始したというべきだろう。
だが、僕は、悲観する必要も下を向く必要もないと思う。我々はまだまだひとつのスタイルの完成と成熟を目指して発展している途上であり、うまく行くこともあればダメなときもある。大事なのはダメな試合が少し続いてもそこで簡単に投げ出してしまわないことである。見つけた課題を地道につぶしこんで少しずつスタイルを洗練して行くしか方法はないし、その途中にあって「うまく行かないこと」を過剰に嘆く必要はない。
城福元監督の頃から目指しているポゼッションをコンセプトとするパス・サッカーは間違いなく現代サッカーのひとつの手本となるセオリーである。もちろんそれが機能するためには高い技術と戦術理解力を備えた選手と、彼らに戦術を理解、実行させる指導者が必要で、それはもちろん簡単な仕事ではないが、我々は首都のクラブとしてそういう魅力あるサッカーを目指すという明確な目標を掲げている。
個々のサポがそれをどう感じているかは知らないが、僕はクラブのそうした路線を支持しているし、そのためにうまく行かない時期があっても、目指す方向と軸がブレない限り目先の結果に一喜一憂しない覚悟は決めている。敗戦は悔しいし反省すべき点はしっかり検証すべきだが、そしてまた守備も攻撃もまだまだ向上の余地はいくらもある訳だが、ポンポン前線に蹴ったり、可能性の低いミドルをエリア外から放ったりするだけのサッカーを見たいとは思わない。
今日の試合では、米本のパフォーマンスが引き続きよかった。オリンピック代表に残れなかったのは残念だが、鋭いくさびをしっかり意識できていたのは米本だけだったように思えた。梶山も復帰戦としては及第点。しっかりしたキープから最も効果的なポイントにボールを出す視野の広さと技術は東京に絶対に必要。
エジミウソンはまだまだ身体が重そうだが、連係は悪くない。もう少し絞れば大きな戦力になると思うし、ルーカスとのコンビにも期待できる。サッカーが得点を競うスポーツである以上、どんなにパスをつないでも最後はだれかが敵ゴールにボールを蹴り込む必要があり、力のある外国人ストライカーを補強したのは正しい選択。城福時代もカボレというストライカーがいて結果が出ていたのは明らか。フィットを待ちたい。
このままズルズルと順位を下げる訳には行かない。次節、埼スタでの浦和戦は今季の東京を見る上で重要な試合になる。
採点(
採点の見方
):
塩田(4) 失点はやむなし。飛び出したのに触れなかった危険なシーンあり。
椋原(5) 序盤にイージーミスをしてから消極的なプレーに終始。顔を上げろ。
加賀(4.5) 敵FWのケアに奔走、後ろから敵を追うシーンも多かった。
森重(4.5) さすがにお疲れの様子。コンディションも万全でないように思われる。
中村(5) 帰陣遅く再三裏のスペースを使われる。攻撃も思いきりが足りず。
高橋(4.5) ボールにはよく絡んだが攻撃のトリガー引けずパスミスも多し。
長谷川(4) 前線との連係が今ひとつで、チャンスを演出できなかった。
石川(4) 裏への意識はあったが仙台戦ほどの切れが見られず。
ルーカス(3.5) 厳しいマークに遭いながらもキープに奮闘したが。
谷澤(4) 何かを感じさせる動きは窺えたが感じさせただけ。
渡邉(4.5) 下がってきてボールを受けたがその分前線での仕事ができず。
===
エジミウソン(4) 可能性は少しずつ見えてきた。浦和戦に期待。
梶山(4) 先発復帰のメドはついた。
米本(3.5) 好調を維持。パス出しに成長を感じた。
土屋礼央のユルネバはよかった。オレたちのユルネバもリフレインは2回でいい。
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FC東京
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J1リーグ戦
2012年07月26日 00:55
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■
【ナビスコカップ準々決勝1】仙台×FC東京
■2012年7月25日(水) 19:00キックオフ
■ユアテックスタジアム仙台
まあ、さすがに平日の夜の仙台はちょっとムリ。で、テレビの録画追っかけ観戦ということになるのだが、スカパーのフジテレビ・チャンネルでは生中継がなく、どういう訳かスカパーe2で放送されるということで、仕方なくe2の16日間無料体験キャンペーンに加入し録画をセット。それにしても、HDやe2では放送するのに、通常画質のスカパーで放送がないというのはマジむかつく。
ツイッターなどの情報を遮断したまま9時頃帰宅、おもむろに録画を再生。権田、徳永をオリンピック代表で欠く東京は各紙の予想通り以下のような布陣。
塩田
椋原 加賀 森重 中村
高橋 長谷川
石川 ルーカス 谷澤
渡邉
この他、新加入のエジミウソン、来季加入が決まった特別指定の三田、オリンピック代表のバックアップだったが結局招集がなく帰国した米本がベンチ入り。
見るからに暑そうな試合。東京はいつものように積極的にパスをつないで前に出ようとする。仙台はラインを高く保ちながらコンパクトな守備で中盤のスペースを消しに来るので東京もロングボールを交えつつ何とか敵を前後に広げたいところ。暑さのせいか仙台のハイプレスは懸念していたほど機能しないが、東京もつなぎきれずパスミスからボールを失うことが多い。
だが、東京が敵陣で波状的に攻撃を仕掛け、長谷川のポスト直撃などもあってペースを作り始めた16分、石川の右CKが敵に当たってこぼれたところを渡邉が頭で押し込み東京が1-0と先制する。アウェイでの先制は大きい。
この日の石川はよかった。石川のスピードのある裏への動きに敵DFが手を焼いているのが分かる。得点によって流れはグッと東京に傾いたように見えた。すると、30分、中村のパスを受けオフサイドラインをかいくぐって裏に飛び出した石川がGKとの一対一を冷静に決めて2-0と加点。何か行けるんじゃないかと思ったサポは多かっただろう。
だが、32分、敵のCKがヘディングでファーに伸ばされると、そこに詰められて失点。2-1と1点差に詰め寄られる。得点の直後の失点でありせっかくの追加点でたぐり寄せた流れにここで乗り切れなかったのが痛かった。ファーの守備がルーズになったのは悔やまれる。その後は拮抗した展開となり2-1のまま前半を終えた。
後半に入ると仙台がアグレッシブに前に出てきて東京は受けに回ってしまう。50分、ゴール前から敵FWに決められ2-2の同点に。後半開始早々に追いつかれたことで流れを持って行かれる。完全に崩された訳ではなかったが、強引に決められたのがもったいない。
直後の52分、ルーカスが前線で敵から奪ったボールをゴール前に流し込み、渡邉が合わせるがバーの上。ここで決めておけばと思わせる惜しいシーン。ダイレクトで打って欲しかった。
63分、渡邉に代えてエジミウソンを投入。エジミウソンはまだまだ身体が重い印象だったが、予想以上のフィットだったと思う。65分、石川からパスを受けたエジミウソンがゴール右から狙うが枠の外。
パワープレー気味に前がかりになる仙台に対し、東京は防戦一方となりシュートも打てなくなってしまう。79分、谷澤に代えて三田を投入。右SHに入る。84分にはルーカスが背後から敵MFのチャージを受けて担架で退場、代わりに米本を入れ長谷川をトップ下に一列上げた。
89分には加賀が続けざまに傷むが何とか復帰。アディショナル・タイムが6分と長かったが最後はしのぎきって2-2で試合終了。勝ち点1とアウェイゴール2得点を持ち帰るという最低限の結果は出せた。
しかしながら先に2点を奪いながら得点の直後に失点し、自ら流れを手放して2点のリードを守りきれなかったのはいただけない。今日は特徴のあるつなぎもできていたと思うし、実際シュート数も仙台より多かったが、後半追いつかれた後は、次第に足も止まり始め、仙台に押し込まれた。
内容的には悪くなかったが勝つチャンスは十分あった試合で勝ちきれずもったいない。石川が復帰していいパフォーマンスを見せてくれたことは希望の持てるニュースだが、ルーカスのケガの具合が気になる。
東京はセカンド・レグにスコアレスドローでも準決勝進出だが、それを狙ってできるほど器用なチームではなく、アウェイ・ゴールのことはちょっと忘れて、勝つ気でやるしかないだろう。
採点(
採点の見方
):
塩田(3) 敵との一対一を始めピンチを何度も救い存在感をアピール。
椋原(3.5) 守備で仕事を果たした。効果的な攻撃参加もあり。
加賀(3.5) 最後は傷んだが手堅い守備で最終ラインを支えた。
森重(3.5) 局面での強さは文句なし。DFリーダーとしての活躍を期待。
中村(4) 攻め上がった後のプレー選択が今ひとつ。守備の間合いも怖かった。
長谷川(3) 惜しいシュートあり。持ち前の創造性を発揮した。
高橋(4) イージーミスあり。もっと泥臭くやっていい。
石川(2) 石川直宏は東京サポの夢である。
ルーカス(3.5) 身体を張り続け前線で攻撃の起点となった。
谷澤(3) 前半はよくボールを触ったが、後半存在感がなくなった。
渡邉(4) 得点はよかった。前線で捨て駒になる覚悟も窺えた。
===
エジミウソン(4) 身体は重そうだが意外にフィット。楽しみだ。
三田(-) 時間短し。
米本(-) 時間短し。
週末はリーグ戦再開で、東京は味スタでの新潟戦となる。今日の引き分けをムダにしないために勝って調子にのりたいところ。
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FC東京
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ナビスコカップ/ルヴァンカップ
2012年07月14日 22:22
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【Jリーグ第18節】鳥栖×FC東京
■2012年7月14日(土) 19:00キックオフ
■ベストアメニティスタジアム
鳥栖でのアウェイ戦なので素直に自宅スカパー観戦。7時までに晩ごはんも食べ終わり、満を持してテレビの前にスタンバイ。九州は記録的な大雨で、東京から遠征した人はたどり着くのに一苦労したようだが、試合そのものは問題なく行われた。
東京は前節と同じ布陣だが、石川が久しぶりにベンチ入り。権田、徳永はオリンピックに招集されており、この試合が遠征前最後の出場となる。
権田
徳永 加賀 森重 中村
米本 高橋
谷澤 田邉 長谷川
ルーカス
試合開始早々から鳥栖に押し込まれる。鳥栖はコンパクトな中盤の守備から奪ったボールを機動的に展開しフィニッシュまで持ち込む。東京は集中した守備で鳥栖の攻撃を跳ね返しているが、セカンドボールを再び拾われて波状攻撃を浴びる時間が続く。
15分を過ぎた頃からようやく東京も少しずつボールを持てるようになるが、鳥栖はしっかりと守備ブロックを形成しており、後ろではパスも回るもののなかなかパスの出しどころが見つからない。何本かシュートも放ったものの崩したと言えるシーンはほとんどなく、もどかしさが募るままスコアレスで前半を終えた。
後半に入ると東京がギアを一段アップ。52分には森重がFKを直接狙いバーをヒット、59分には徳永が右サイドから中にカットイン、左足で強烈なシュートを放つが枠に飛ばず。61分にも中村が前節の先制点を思わせるドリブルで敵ゴール前に侵入、高橋とのワンツーからシュートを放ったが敵GKが正面でキャッチするなど、徐々に引き気味になる鳥栖に対し東京が主導権を握って攻めるが、最後のところで決めきれない。この時間帯にしっかり得点しておきたかった。
69分、谷澤に代えて石川を投入。そのまま右SHに入る。東京はその後もボールを支配して攻撃を仕掛けるが、鳥栖の守備も堅く再び膠着状態に。77分、中村に代えて椋原を起用。中村は故障を訴えたか。78分、ルーカスがこぼれ球に詰めてミドルを放つが前節のシュートほど力は乗らずGK正面に。
終盤には東京も消耗が見え、鳥栖の攻撃に対してファウルで止めるシーンが増えてセットプレーを立て続けに与える。すると87分、敵のFKにゴール前で頭で合わされ失点。苦しい時間帯にリードを許してしまう。
直後の88分にはホームでの鳥栖戦でハットトリックを達成した渡邉を投入してゴールを狙いに行く。89分、石川が右サイドからカットインして左足で放った強烈なシュートは枠に向かうが敵GKがセーブ。実質的にはこれが最後の得点機。終盤に与えたセットプレーからの1点が重く、0-1とシーズン後半最初の試合で勝ち点を得ることができなかった。
この試合では、鳥栖のしっかりした守備の前に、組織としてどう敵のゴールに迫るかという有効な方法論が見当たらないように思えた。敵の守備網をどうやって撹乱し、ギャップを作ってそこから一気呵成に攻撃を仕掛けるかというアイデアがないため、チャンスも偶発的、散発的なものにとどまった。
後半開始からしばらくはしっかりとボールを保持しながら押し込む時間帯もあったが、ここで決めきれず、終盤、足が止まり集中も切れ始めたかの時間帯にセットプレーから失点。せめて勝ち点1は持ち帰れた試合でありもったいなかった。
今日はボランチからルーカスや田邉にパスが入らず、サイドに散らしても結局中央で競り勝てない状況が続いた。ひとりひとりがよく頑張っているのは分かるが、連動性やスピードという点では課題が克服されていないことを改めて示した。前節、それなりに景気のいい試合ができたのは、要はガンバ大阪の状態が悪すぎたというだけのことだったのか。
やはり梶山が前線でタメを作ったり羽生が無駄走りで敵のDFを引っ張ったりしてくれていたことの価値がよく分かる。石川が戻ってきたことで攻撃の選択肢は確実に増えたので、ここからの巻き返しには希望も持てるが、ベースとしては決して好調でないことをしっかり認識しておく必要があるだろう。
その中で石川の復帰と並んで明るい材料は、加賀がCBとして予想以上のフィットを見せスピードを生かした手堅い守備が見られるようになってきたことと、田邉がトップ下で持ち前のセンスを見せ始めていること。田邉は今日も梶山を思わせるような変態キープが何度かあった。まだムラもあるが、もう少しこのポジションで使ってみたい。
上位争いは接戦のつぶし合いで混沌としており、まだまだ上に行ける可能性もあれば中位に居着いてしまうリスクもある状態で、1試合ごとの結果に過剰に一喜一憂する必要はないが、連敗するとあっという間に順位を下げてしまい、気がついたときには上位と大きな差ができていたりしかねない。
来週は週末のリーグ戦がなく、ナビスコカップの準々決勝をはさんで28日にホームでの新潟戦となる。連敗だけは許されない。新戦力の報道もあり、期待は募るが、いずれにしてもしっかり課題に取り組む必要がある。
採点(
採点の見方
):
権田(3) サイドからのボールにも手堅く対応していただけに失点が残念。
徳永(3.5) 俄然注目を浴びている旬の選手。特徴は十分見せた。
加賀(3.5) スピードを生かしてピンチに即応。つなぎも随分向上した。
森重(3.5) FKは惜しかった。不要なファウルもあったが強さは見せた。
中村(4) 魅力とリスクのバランスが難しいが、アクセントになっているのは確か。
米本(3.5) 献身的にボールを追いかけ続けたが、窮屈なプレーを強いられた。
高橋(4) 攻撃のスイッチを入れる縦パスが繰り出せず。うかつなミスもあり。
谷澤(4) スペースを見つけられず勝負のしどころなし。あんまり面白くなかった。
田邉(3.5) 梶山の不在を預かる技量はある。ムラはあるが使い続けたい。
長谷川(4) 要所でボールをつないだものの効果的な攻撃参加はできず。
ルーカス(4) 前節ほどボールが収まらず。ていうかパスが来なかった。
===
石川(4) シュートは惜しかったがそれ以外のプレーでは存在感を見せられず。
椋原(-) 時間短し。
渡邉(-) 時間短し。迷い、悩みが見える。
重松が甲府にレンタル、元新潟、浦和のエジミウソンを獲得、との報道があるが実際どうなのか。
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FC東京
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J1リーグ戦
2012年07月08日 00:33
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【Jリーグ第17節】FC東京×G大阪
■2012年7月7日(土) 18:30キックオフ
■味の素スタジアム
七夕だがあいにくの雨模様。午後から断続的に強く降る悪天候になった。
東京は前節磐田に完敗、中断明け以降ケガ人も続出してチーム状態は悪い。この日は16位のガンバ大阪との対戦だが、もともと実力のあるチームだけに侮る訳には行かない。シーズン前半の最終戦にあたる試合であり、ここはしっかり勝ち点3を積み上げてシーズン後半への展望が開けるような試合にしたいところだ。
スタジアムに着いたのは5時半頃。東京は左SBに中村が今季初先発。また、長谷川を左SHに回し田邉がトップ下に入る配置転換を行った。吉本がケガから復帰し久しぶりにベンチ入りしたのも嬉しいニュース。試合前にはオリンピック代表に選ばれた権田と徳永に長友が花束を贈呈するセレモニーがあった。
試合は前節に続いていきなり動く。3分、中村が左サイドを駆け上がり、ゴールライン際から中にカットイン。一度は敵DFに止められボールを奪われるが、エリア内でこぼれたボールを拾うとそのまま中に進んで角度のないところからシュート。これが敵GKの足許を抜いてゴールとなり東京が早くも1-0と先制点を奪う。
勢いに乗る東京は素早いパス回しから敵ゴールに迫ろうと前に出るが、大阪も選手個人の能力は高く、中盤からのクリティカルなパスをつながれてチャンスを作られる。
しかし、押され気味だった17分、左サイドでパスを受けたルーカスが中に切れ込んで20メートル以上あると思われるところからミドル・シュート。あとで画像を見て分かったのだが、これが無回転となりゴール前で沈み込むように変化してゴールに。東京が2-0として流れを再び引き込む。
ところが30分、スルーパスから敵FWに裏に抜け出される。権田がボールを確保しようと飛び込んだがボールに触れず、結果的に敵FWの足を引っかける形になり警告を受ける。これで与えたPKを決められ2-1に。
東京はパス交換からいい形を作るものの、大阪もボールを奪うとフィニッシュまで持ち込む力はあり、油断できない試合展開になったが、44分、田邉からの浮き球のパスを受けたルーカスが絶妙なトラップでボールをコントロールすると、飛び出した敵GKの頭上を越すループ・シュートを決め3-1に。前半終了間際のいい時間帯に追加点を奪ってハーフタイムとなった。
後半に入っても東京は自分たちの形で試合を運ぼうとするが、大阪も粘り強くボールをつなぎ一進一退の展開に。62分、ペナルティ・エリア内に押し込まれ、クリアしきれずこぼれたボールを敵にさらわれる形で合わされ失点。3-2に。守備の連係と集中を欠いたプレーに見えた。
66分、田邉に代えて渡邉を投入。ルーカスがトップ下に下がったように見える。終盤にかけては大阪が押し上げてくるのに対して受けに回り、苦しい展開に。自陣に押し込まれクリアに追われる厳しい時間帯となり、足も止まり始めてゴール前にボールがこぼれる危ないシーンも多かったが最後のところでは身体を張り、また敵の拙攻、シュートミスにも助けられて何とかしのぐ。
アディショナル・タイムには谷澤に代えて椋原、中村に代えて幸野を入れるなどして時間を使い、大阪の反撃に耐えて3-2で逃げきった。
この試合ではルーカスがしっかりボールを収めることができたおかげで中盤に余裕ができ、敵にとって危険なプレーが多く見られた。何度か絶妙なパス交換からチャンスを作れたのが印象的で、中村の突っかけや田邉のキープから変化を作ることもできていたと思う。早い時間帯に2点を先制、裏を取られてPKから1点を返されたものの前半のうちに3点目を挙げて2点のリードを奪い、そのままハーフタイムに入れたところまでは、決して一方的な試合とまでは言えないものの、試合運びとしてはうまくできていた。
しかし、後半に入ると次第に足が止まり始める中、集中を欠いたプレーから1点をプレゼントし、自ら試合を難しくしてしまったと思う。大阪ももともと力のあるチームなので隙を見せるとつけこまれる。終盤はバタバタしたし交替カードも正直本当にベストな選択だったかどうか疑問(権田が警告を受けたせいで交替枠の使い方が難しくなったのは事実だが)。それでも何とか勝つことができたのは昨年J2で学んだメンタリティのおかげなのか、あるいは大阪のチーム状態が悪すぎるせいなのか。
だが、ともかくこういう難しい試合を勝ちきったことの意味は大きい。これで東京はシーズン前半17試合を終えて9勝7敗1分で勝ち点28の5位。1試合あたりの勝ち点1.65は決して十分ではないが、混戦の中でケガ人も抱えながらの成績としてはまったく悪くない。まだまだ課題はたくさんあるが、こうやって結果が出ていれば自然と改善できる部分もある。今のガンバのような手負いのクラブには得てして足許をすくわれたりしがちだがしっかり踏ん張った。
ケガ人の復帰にはまだしばらく時間がかかりそうだが、それに加え権田、徳永、チャンがオリンピック代表に招集されしばらく試合に出られないのが痛い。だが、優勝争い、ACL出場権争いに参加するつもりがあるなら、このホームでの勝利の後を勝つか負けるかは重要である。次節対戦する鳥栖は手強い相手だが、シーズン後半、上位争いに参加するか中位グループに巻き込まれるかの分水嶺となる大事な試合になる。
採点(
採点の見方
):
権田(4) 痛恨のPK、2失点めもボールを待ってさらわれてしまった。
徳永(4) 敵の左サイドを封じたが中村とのバランスか攻撃参加には特徴出せず。
加賀(4) スピードを生かしいいカバーリングを見せたが裏取られることも。
森重(4) 後半はラインを統率しきれずオフサイドが取れなかった。
中村(4) 攻撃の意識高く価値ある先制点。もっとも守備は危なっかしかった。
高橋(4) 時折信じられないような軽いミスがあるのを何とかしたい。
米本(3.5) 中盤でしっかりボールを受けて試合を組み立てた。好調を維持。
谷澤(3.5) いやらしいプレーで敵をいやがらせた。
田邉(3.5) トップ下適性あり。もう少しタメが作れれば言うことなし。
長谷川(4.5) この位置からならもうちょっと積極的に仕掛けてよかった。
ルーカス(2) ここにボールが収まったのは大きかった。得点はどちらも見事。
===
渡邉(5) 機能せず。途中出場のフレッシュさも生かせなかった。時間を与えたい。
椋原(-) 時間短し。
幸野(-) 時間短し。
それにしてもガンバは状態悪すぎ。「選手個人の能力は高いのに」とか「試合の内容は悪くないのに」とかまだ思ってるんなら今すぐ考えを改めた方がいい。今季の目標はもはや優勝やACLではなく、上位や順位表の上半分ですらなく、「向こう岸」である15位であるということを早く自覚しないと本当に降格する。内容なんかどうでもいいから、得失点差でもいいから、とにかく15位でシーズンを終わることだけを早く割り切って考えるべきだ。まあ、よその話だけどね。
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