フットボール・クレイジー
football crazy
  silverboy club presents


2014年02月27日 21:13      [posted by der_ball_ist_rund]

【オフに考える(4)】味スタを満員に(囲い込み編)

前回は呼び込み策について考えたので、今回は囲い込み策を考えてみたい。「是非一度遊びにきてくださいよ」と引っ張ってきたお客さんに、「意外と面白いな、また来てみようかな」と思わせるための施策である。

そのためには、まず魅力的なフットボールで勝つのが第一である。勝って首位争い、優勝争いにからんでいればそもそも呼び込みにも苦労はしない訳だが、リピーターをつかむためには、オレたちはこうやってゴールを決めるんだ、こうやって試合に勝つんだという意図がきちんと試合で表現できているかどうかが大きいと思う。

勝つに越したことはもちろんないが、縦ポンで偶発的に勝った散漫な試合や、ミスやうかつなプレーでゴールが積み重なりハイスコアになった試合より、たとえ負け試合でもロースコア・ゲームでも、緊迫感が伝わり、息の合ったコンビネーションや技術の高いプレーの応酬が見られるような試合の方が、潜在的なサポーターに訴えかけるものはあるはずだ。

プレーの内容についてここで論じるつもりはないが、見る者に訴えかけるフットボールがリピーターを獲得する何よりのコンテンツなのは間違いない。

だが、それだけではせっかくスタジアムに足を運んでくれた人たちをリピーターにするには十分でない。どんなに素晴らしい試合を見てもらったとしても、スタジアム全体が居心地のいい空間でなければまた見に来てみようとは思わないだろう。

そのためには初めてスタジアムに来る人、フットボールをよく知らない人が快適に時間を過ごせるようなホスピタリティが不可欠だ。スタジアム自体は築13年とまだ新しく、設備も整っているが、手洗い、売店、誘導など、ソフト面も含めた顧客満足への取組は必要。動員が増えてきたときに動線確保やロジが破綻しないようにしたい。

特に食べ物の供給には不安が残る。もともと味スタ常置の売店が今いちアレなのを、ケータリングカーの場内導入や横丁(屋台村)などの企画で補っていることは高く評価するべきだと思うが、蝗をもって任じる既存サポが長蛇の列を作ってこれらを食い尽くしてしまうので、初めて来た家族連れらが気軽かつ的確に食べ物にありつけるかは疑わしい。

いわゆるスタジアム・グルメは観戦体験の質、印象を決定づける大きな要因になるので、せっかくスタジアムに足を運んでくれた人たちが食いっぱぐれたり、長蛇の列にげんなりしたり、並んでる間に試合が始まったりしないように配慮が欲しい。

また、フットボール初心者のために、味スタに無料のWi-Fiを整備し、無料のスマホアプリで試合中継、解説をストリーミング配信するアイデアはどうだろうか。ファウルやオフサイドの時に「なになに? 今なにあったの?」的な人は初心者でなくても結構いる。東京から移籍した相手クラブの選手に拍手が出たときなんかも解説があると一体感が増す。

このプラットフォームがあれば、トイレや売店の場所を案内したり、イベントを告知したり、帰り道の誘導をしたり、ハイライトの動画配信なども考えられる。場内放送よりもきめ細かく、機動的に対応できるはずだし、技術的に難しい話ではないと思う。

だが、最も大事なことは、既存のサポーターが、初めてスタジアムに来た家族連れ、アベック、高校生のグループをオープンに歓迎することだ。勝手の分からない人、戸惑う人たちを疎んじたり、冷笑したり、揶揄したりしないことだ。常連だけで席が埋まるスナックみたいに排他的、閉鎖的なスタジアムなら一度は来てくれた人も次からは来ない。席はまだまだ余っているのだ。

席と言えば、動員が増えれば席詰めも問題になる。運営の問題でもあるが、既存のサポのマナーが悪ければ、一見客にそれ以上のものを求めることはできない。試合10分前に到着してしまった親子連れのために荷物をどけて席を作ろうよ。ムダに早い時間からの席取りを防ぐためにも、バックスタンドの一部などの指定席化も考えられる。

荷物での席取り、ゴミの散らかし、放置など、僕たち既存サポ自身がお客さまを迎えるつもりでマナーを守らなければならない。既存サポ、コアサポは客というよりホスト、お迎えする側の一員のつもりでいるべきだ。

ギャルサポ、うるさい子供、試合そっちのけでいちゃつくカップル、食ってばかりのデブなどにも、限度の問題はあるがある程度寛容になるしかない。その中から次の世代のコアサポが出てくるかもしれないのだ。そうやって裾野を広げることでしか頂上は高くならないのは既に説明した通り。

応援のスタイルも変化を迫られるかもしれない。キックオフ前のユルネバは素晴らしいし楽しいチャントもいい。シャーもいいしユーモアの利いたコールもいい。だが過度に相手クラブをバカにしたり揶揄したりするようなコールや、「クソレフリー」コールは少なくとも「味スタを満員に」というコンセプトにはそぐわないのではないか。面白がる子供もいるだろうが、それがポテンシャルなリピーターを排除している可能性も考えた方がいいと思う。

シュートやガッツの見えるプレーにはきちんと拍手を。逆に敵のミスに拍手するのはどうよ。昨季、最終戦でルーカスが交替するときにバックスタンドでも多くの人が立ち上がって拍手していた。ああいう自然な応援が誰に強いられる訳でもなく広がるのを目の当たりにすれば、また来てみようという大きな動機になり得るはずだ。

ふだんの試合でも、終盤に1点を争う試合で東京のセットプレーになったりすると、バックスタンドで自然発生的に手拍子が沸き起こることがある。ああいう盛り上がり、一体感を僕たちが作り出して行ければ、そしてそれがゴール裏とうまく連動すれば、試合の勝敗には関係のない「いいもの見た」感、「来てよかった」感を持って帰ってもらうことができるのではないだろうか。

そう、僕たちがスタンダードを示さねばならないのだ。

味スタが満員になるということは荷物を席に置く訳に行かなくなるということ。トイレが混み、売店の列は今にもまして長くなるということ。早くスタジアムに行かないといい席が取れないということ。帰りのペデストリアン・デッキが毎回ぎゅうぎゅうになるということ。飛田給駅が入場制限になり、準特急がいっぱいになるということ。チケットが手に入りにくくなるということ。

僕たちにとっておそらくそういう意味での単純な環境は悪くなる。それでも僕たちは満員の味スタで東京を後押ししたい。満員の観客で、相手クラブが恐れ、うらやむくらい迫力のある応援をして東京を支えたい。

味スタを満員にできるかどうかということは、僕たち自身の覚悟の問題でもあるのだと思う。

いよいよ開幕も明後日に迫った。開幕はアウェイだが、ホーム開幕の甲府戦でいったいどれくらいの人が来てくれるのか。来てくれた人を逃がさないようにしっかり囲い込みたい。




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2014年02月26日 20:58      [posted by der_ball_ist_rund]

【オフに考える(3)】味スタを満員に(呼び込み編)

今季こそ味スタを満員にしたい。それも1試合限りではなく、毎試合満員に近い人が詰めかけて簡単にチケットが取れないくらいにしたいのだ。

味スタの収容は約5万人。昨季の東京のリーグ戦ホームゲーム平均観客動員数は25,073人(リーグ4位)。収容率は約半分である。最も動員があったのは11月10日のセレッソ大阪戦。この日は無料チケットをばらまいて動員をかけた上に、セレッソ大阪の柿谷人気も相まって40,371人を動員、2009年の浦和戦以来となる4万人越えを果たした。「味スタを満員に」というからには、平均4万人の動員は欲しい。

そのためにはどうすればいいか。対策は大きく二つに分けられると思う。まず、ふだんフットボールをスタジアムに見に行くことのない人をスタジアムに呼ぶための対策(呼び込み策)。もう一つは、そうやってスタジアムに足を運んでくれた人を二度、三度と来てくれるリピーターにするための対策(囲い込み策)である。

昨期のセレッソ戦は呼び込み策の観点から大変示唆的な試合であったということができる。

まず無料チケットのばらまきである。この試合では、年間チケットホルダーに無料入場券の引換券を付与するという形で、年チケホルダーが知人を招待することが期待された。

無料チケットのばらまきは興行の価値を落とし、正当な入場料を支払おうとする意欲を削ぐリスクのある施策ではある。しかし、とにかく一度スタジアムに足を運んでもらうために非常に直接的で有効な手段であることは間違いない。新潟のように最初は無料チケットを大量にばらまいてスタジアムを埋めることから始めた結果、現在でも東京を上回る動員を誇っている成功例もある。

学校を通じた小中高校生への集中配布などやり方はいくらでも工夫できる。タダ券があるなら一度行ってみようかという人は必ずいる。即効性という意味でもやり方次第で効果は大きい。

セレッソ戦でもうひとつ大きかったのは柿谷効果である。この年の7月に代表デビューした柿谷は、Jリーグでの活躍もあってちょうど注目を集めていた。11月の時点で柿谷を首都圏で見られるセレッソ大阪の試合はこの日の東京戦とリーグ最終戦の浦和戦しか残っていなかった。柿谷に加え山口、扇原、南野、杉本らタレントを擁しセレ女と呼ばれる女性ファンがブーム的に増加していたセレッソ大阪の人気に助けられた面は大きかった。

別に東京にももっと若い女性ファンが欲しいとか言ってるのではない。いや、欲しい。欲しいが今はその話をしているのではない。「目玉があれば人は呼べる」ということを言いたいのだ。

リーグ戦より代表戦の人気が高い現状を見れば、「目玉づくり」という意味から、代表選手を前面に押し出した集客プロモーションは有効だ。幸い東京には権田、森重、高橋と見た目もいい代表選手がいる。これは大きなリソースである。ことさらに特定の選手をフィーチャーして売り出すことにはチーム戦略上のリスクもあり得るが、集客の重要性がクラブ内できちんと認識され、理解されていれば、敢えて代表選手などチームの顔になり得る選手をプロモーションの中心に据えることは大きな武器になるはずだ。

目玉という意味では、今回セレッソ大阪がウルグアイ代表のフォルランを獲得したことも注目したい。僕自身はワンチョペの苦い思い出もあり、盛りの過ぎた有名選手に高い給料を払って客寄せ的に連れてくることには懐疑的で、東京にネドベドやデル・ピエロらの獲得の噂が出るたびゲッと思っていたが、戦力としての評価が伴うのであれば億単位のギャラを出して有名選手を獲得しても宣伝効果を加味してペイする可能性はある。

そう考えれば、クラブの経済基盤を安定させるための集客増を図る先行投資として、話題になり得る有名外国人選手を呼んでくるのは一つの選択肢になるだろう。フォルランの獲得がビジネスも含めセレッソというクラブ、あるいはJリーグ全体にとってどうワークするのか興味深いチャレンジになる。既に露出という意味では一般のニュースで取り上げられるなど効果が出ており、看板としての価値は大きいはずだ。

余談になるが、今回セレッソが思いきったのは、親会社のヤンマーが海外で商談する際、「マンチェスター・ユナイテッドの香川を出したクラブの親会社」と説明すると大きなアドバンテージが得られることが社内で評価され、フットボールの宣伝価値、利用価値が認識されたからだという。この観点はクラブ経営、スポンサー獲得のために重要だ。

セレッソ大阪戦が示唆する「呼び込み策」は「タダ券」「目玉」であるが、「とにかくまず一回来てもらう」と割りきれば、呼び方はいろいろ考えられる。極端な話、フットボールが目的でなくてもいいのだ。メインはアイドルでも、グルメでも、ゲームでもデートでも構わない。イベント集客でいいのだ。

とにかく一回来てもらって、ついでにフットボールを見て帰ってくださいと。いや、フットボールも見なくていいわ。スタジアムの感じを味わって帰ってくださいと。まず来いと。そこまで下りてみるつもりがあれば集客のやり方はいろいろ出てくるんじゃないか。

その時に考えたいのはどの層を呼ぶかである。僕が呼びたいのはまず子供である。子供を呼べば親も来る。おじいちゃんおばあちゃんも来る。いとこも来れば友達も来る。老い先長いのでこれからずっとクラブを支えてくれることも期待できる。Jリーグの悩みのひとつであるサポの固定化、高齢化に対して大きなカウンターになり得る。

ついでにここで希望を言っておきたいが、高校生・大学生に割引料金を設けるべきだ。小中学生は自由席ならどこでも600円なのに高校生になった途端にホーム自由で2,300円と約4倍、バックスタンドなら3,100円と5倍以上だ。

この層に来てもらわないといけないんじゃないのか。こいつらが将来のコアサポになるんじゃないのか。高校生・大学生も600円にして、高校、大学に営業かければ来るんじゃないのか。八王子辺りの大学生協にポスターでも貼って生協料金500円で売ってもいい。600円では採算取れないなら1,200円でもいい。転売を心配するなら入場時学生証提示でもいい。ここ呼ぼうよ。高体連にも営業かけて部活帰りに来てもらおうよ。

それからあと女性も呼びたい。女性を呼べば男性を連れてくる。グループで来る。OLがくれば社員はついてくる。子供産めば子供も連れてくる。ママ友と子連れで来る。ベビーカー席も作ればいい。次の世代に繋がる。子供をスクールに入れてくれるかもしれない。

東京都の人口は1,300万人、都区部だけでも900万人が住んでいる。当たり前だがFC東京の後背商圏は国内でも群を抜いて大きく、他のクラブの追随を許さない。例えばさいたま市の人口は122万人、新潟市の人口は80万人。我々の市場には巨大な潜在力がある。味スタを満員にするのは全然不可能じゃないのだ。

スタジアムは調布にあるが、クラブの本社は江戸川区ではなかったか。東京都心、都内東部からもっと人を連れてこなければいけない。まず一回足を運んでもらおう。

今回は呼び込み策に力が入ったので、囲い込み策は次回。




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2014年02月25日 22:55      [posted by der_ball_ist_rund]

【FC東京】2014開幕直前プレビュー

土曜日に2014年シーズンが開幕する。東京はキャンプ以降新しい補強もないままシーズンに臨むことになりそうだ。最終点検をしておくことにしよう。

まず、戦力面では、ルーカスが引退、長谷川がセレッソ大阪へ、チャンが広州へ移籍した。一方で、エドゥー、マテウスを新たに獲得、梶山、羽生、椋原らがレンタルから復帰した。若手も含めれば思いきって選手層をスリムにした感はあるものの、レギュラー・クラスで言えばバランスの取れた補強だと思う。

権田、徳永、森重、太田、米本、高橋、東、渡邉ら、チームの骨格となるべき選手らは残留しており、塩田、石川らベテランも健在。米本が肩の脱臼、マテウスが前十字靭帯の損傷で開幕に間に合わないとされているが、カバーは可能だろう。むしろ森重と加賀が別メニューという噂が気になる。開幕には間に合わせて欲しいが…。

今季の目標はリーグ優勝だ。ポポヴィッチ前監督の下で大きな補強をしチームを作りながらポゼッション・フットボールに挑んだ2012年(勝ち点48、10位)、チームの骨格ができ敢えて「優勝」を口にしてタイトルを狙いに行った2013年(勝ち点54、8位)を踏まえれば、今季はチームが成熟し完成するシーズン。目標は当然優勝でなければならない。

本来であればこのトライアルはポポヴィッチ前監督に委ねたかった。ここまでのチームづくりの連続性を考えれば、今季はポポヴィッチ態勢の総仕上げにあたるシーズンであり「収穫」の一年でなければならなかったはずだ。

しかしクラブは違う判断をした。それはつまり、今年結果を出すためにはポポヴィッチでは不足であるということ。このような経緯を踏まえれば、フィッカデンティ新監督はポポヴィッチ前監督がここまで作り上げたチームを引き継いで結果を出すためにやってきたと言うべきだろう。

もちろん監督によって個性はあるから、やろうとするフットボールがまったく同じな訳ではない。むしろ、フォーメーションも起用法も戦略・戦術も違って当然だ。しかし、2年間、核になるメンバーを固定して熟成させたチームとしてのコンビネーション、オートマティズムは貴重なものであり簡単にゼロ・リセットすることのできない財産だ。フィッカデンティ新監督に引き継いで欲しいのはこの部分だ。

早い段階で行われた香港での試合以外、公式のプレ・シーズン・マッチはなく、練習試合も非公開だったりしたので、フィッカデンティ監督が実際にどんなフットボールをやろうとしているのかはよく分からず、説明も明確になされていない。昨季の成績(61得点、47失点)からすれば守備の強化はひとつのテーマだが、だからといってガチガチに引いて守ってカウンターに懸ける訳でもあるまい。

布陣は4-3-3と言われている。4バックの前にアンカーを置き、2人のインサイド・ハーフ、2人のウィング・アタッカーに1人のセンター・フォワードという布陣である。ここから窺えるのは、中心となる「司令塔」を置かず、全体が攻守にハードワークをする中で、流動的にポジションを交換しテンポよくワンタッチ、ツータッチのボールを当てながら敵ゴールに迫るようなイメージではないか。

ラインは高く設定するのだろうが、4-4-2のようなきれいな2ラインの守備ブロックを形成して敵の攻撃をハメに行くというよりは、ボールを失った瞬間から激しくプレスに行く攻撃的な守備を期待したい。

昨季までのポゼッション・フットボールで最も食い足りなかったのはボールを奪った後のスピードの欠如であり、勢いに乗って攻撃をやりきる切り替えの早さだった。デフォルトは遅攻であり、たまに仕掛ける速攻の精度は低かった。

ポゼッションを大事にしながら何度も作り直し我慢強く敵の守備のギャップを作りに行く、敵を崩してできる限りゴールに近いところまでボールを持ち込み、最後に確率の高いシュートを流し込むというコンセプトは理解できたし、僕は決して嫌いではなかったが(むしろ好きだった)、ブロックを構築する敵を前に攻めあぐねるケースも多かったのは事実。

今季は「一気に押し上げる」ような攻守の切り替え、とくに「守」から「攻」への素早い切り替えをベースにした攻撃を見たい。ひとつひとつのプレーに速さと意図と精度を厳しく求めたい。求められるものの水準は当然上がるが、それをやれるタレントは揃っているはずだし、そのための連係、連動性はこの2年で十分積み上げてきた。

「選手の質は高い」「戦力的には優勝を狙える」と言われながら、「勝負どころに弱い」「メンタルがプア」と笑われ結局中位に終わるのはもう飽きた(中位どころじゃないシーズンもあったな)。最終的に優勝できるかどうかは運もあるし流れもあるが、今季は本気で獲りに行くべきシーズン。そのためにわざわざポポヴィッチ前監督を切り、フィッカデンティ新監督を招聘したのである。

FC東京というクラブが試される1年になるだろう。




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2014年02月24日 21:14      [posted by der_ball_ist_rund]

【ブンデスリーガ第22節】グラードバッハ×ホフェンハイム

■2014年2月22日(土) 15:30キックオフ
■Stadion im Borussia-Park

今年に入ってまだ勝ってない。順位もズルズル下がって6位である。これいじょうの足踏みは許されない。何としても勝たなければならないホームゲーム、ホフェンハイム戦だ。
日本時間では土曜日の夜11時半キックオフ。スカパーで中継がないのでまたしても動画サイトでのネット観戦になったが、どのサイトもつながりが今イチで、いいところで紙芝居状態になったりだった。ハーフタイムのCMになると急にサクサク動くのも腹立たしい。まあ、日本で曲がりなりにも中継を見られるだけでよしとすべきなのだろう。

グラードバッハは前節ケガで途中交代したヴェントが欠場、代わって久しぶりにデムスが左SBで先発。アランゴは引き続きベンチ外。代役はいるとはいえ、シーズン前半の好調を支えた選手が相次いで欠けるのは痛い。

テア・シュテゲン
コープ ヤンチュケ シュトランツル デムス
ヘアマン クラマー シャカ エルゴタ
ラファエル クルーゼ

試合はいきなり動いた。4分、クルーゼがクラマーに通そうとしたパスを、敵GKがペナルティ・エリアギリギリまで出てをクリア。ところがこれがヘアマンの足元に入り、GKが出ているのを見たヘアマンはワンタッチで大きくループシュート。敵GKは戻りきれずその頭を越してボールはゴールに入りグラードバッハが開始早々に1-0とリードを奪った。ヘアマンのとっさの判断と正確なシュートが功を奏した。

主導権を握ったグラードバッハはしっかりと守備を固めるとともに、ボールを奪えば素早い切替から敵ゴールを狙う。18分、エルゴタのシュートはGKにセーブされるがCKを得る。これをラファエルが蹴ると、ボールはファーに抜け、ここで待ち構えていたヤンチュケが頭で押し込んでゴール。2-0とグラードバッハが理想的な展開でリードを広げる。

グラードバッハはその後も優位に試合を進め、29分にはカウンターから左サイドを上がったヘアマンがGKをかわし無人のゴールに流し込もうとしたがギリギリのところで敵DFにクリアされる。その後はややホフェンハイムが持ち直し、何度かチャンスを作られるものの、集中した守備で失点には至らず。2-0とリードを保って前半を折り返した。

後半もグラードバッハが優勢で始まる。51分、右サイドを上がったクルーゼからのクロスに対してファーでデムスが合わせるが枠を外す。54分にはコープが切れこんでシュートを放つがこれもセーブされる。

57分、左サイドから上げられたクロスに対してニアで敵FWに合わされ失点。2-1と1点差に詰め寄られる。

グラードバッハは59分、右サイドに切れこんだクルーゼからのクロスにエルゴタが頭で合わせるがGK正面。その後もシャカからのパスを受けたラファエルがシュートを放つが枠を外すなど突き放すチャンスを生かしきれず。1点を返して意気上がるホフェンハイムに次第に流れが傾く。

82分、敵FWがボールを持ってゴールライン近くまで入り込んだところにシュトランツルとテア・シュテゲンが対応に行く。動画ではテア・シュテゲンが敵の足を払ったかにも見えたが、シュトランツルのファウルとなりPKに。これを冷静に決められて2-2の同点に追いつかれる。

グラードバッハは直後の82分、ラファエルに代えてノードファイトを投入。さらに86分にはエルゴタに代えてユネスを、89分にはシャカに代えてムラパを投入して勝ち越しを狙いに行ったが結局流れを取り戻すことはできず、2-2の引き分けとなった。

冒頭に書いた通り何が何でも勝たなければならない試合だっただけに、この引き分けは痛い。結局16節からこっち勝てておらず7試合して勝ち点が4とは泣けてくる。早く今年初勝利を上げなければならない。

こうなってくると怖いのは監督更迭の議論が出てくること。一度そうやって不協和音が生まれると、せっかくここまで積み上げてきたチームとしてのベース、オートマティズムが脆くも崩壊することになりかねない。我々はしっかりした約束事と規律の上に、かなり成熟した連動性を作り上げており、今、勝ててないからといってこのやり方を放棄するのは愚の骨頂である。

やるべきことは自分たちのやり方を信じてオートマティズムのレベルを上げること、約束事を再確認し、判断のスピード、攻守の切り替えのスピードを上げてチャレンジを続けることだ。迷いが出るのが最もよくない。そのためにはまず一つの勝利が必要だが、前節、今節のような、先制したのに追いつかれたという引き分けはそのための自信を最も喪失させる。

次節、アウェイのブラウンシュヴァイク戦では是が非でも勝ち点3を取らなくてはならない。ここが踏ん張りどころだ。

ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「いい試合だったが、残念ながら最後は2-2になってしまった。試合の入りはよかったし、2-0にしたあとにも3点目を決めるチャンスはあった。ホフェンハイムが危険なことは分かっていた。2-1にされたのはまったく不要な失点だった。我々にとってこれが心理的に非常に難しく作用した。その後はポゼッションもできなくなったが、それでも3-1にするチャンスは巡ってきた。それを生かすことはできなかったが。それからPKを与え同点にされた。とても落胆した。我々は今、非常に困難な時期であるが、非常にいいクラブと戦ったことは忘れてはならない」

監督の手腕も問われるところだ。




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2014年02月16日 16:47      [posted by der_ball_ist_rund]

【ブンデスリーガ第21節】ブレーメン×グラードバッハ

■2014年2月15日(土) 15:30キックオフ
■Weser-Stadion

ヴェーザーは命名権売らないんだな。ヴェストファレンやヴァルドシュタディオンやミュンガースドーフやゴッドリープ・ダイムラーが無残な企業名になってるの萎えるもんな。いいけど。

今週は土曜日の3時半、日本時間では夜11時半の試合となったが、スカパーでは中継がないので動画サイトで観戦することにした。ところが、いつも頼りにしている動画サイト・ポータルが消えている。焦っていろいろと検索、何とか似たようなポータルを探し出し、そこからまともそうな動画サイトに行き着いたのはキックオフから15分を過ぎた頃だった…。

グラードバッハはシーズン後半3連敗、シーズン前半の終わりからは5試合で勝ち点2しか取れておらず、アウェイではあるもののもう勝つしかない試合。既に上位争いからは置いて行かれかけている。まさに崖っぷち。

グラードバッハは前節出場停止だったコープが先発に復帰。一方でアランゴが内転筋を伸ばして欠場。変わってエルゴタが左SHで先発した。

テア・シュテゲン
コープ ヤンチュケ シュトランツル ヴェント
ヘアマン クラマー シャカ エルゴタ
ラファエル クルーゼ

試合はグラードバッハが主導権を握る。6分、敵DFの緩い横パスを前線にいたラファエルがカット、そのままループ気味にゴールに流し込み早くもグラードバッハが先制する。この部分が僕が動画サイトを探している間に終わってしまった。やっと動画が調子よく見られるようになったら既に1-0で嬉しくも決定的シーンは見られずがっかり。

グラードバッハはその後も遅攻では細かくパスを交換しながらアタッキング・サードに侵入、守備に回っても敵の雑なラストパスをカットして速攻を仕掛けるなど優位に試合を進める。しかしそうやって作ったいくつかの決定的チャンスにも追加点は奪えず。37分、右サイドのヘアマンからのカウンターから中央でエルゴタがセンタリングを受けるがシュートは打ちきれず。

42分、逆に自陣でヴェントがテア・シュテゲンに戻そうとしたボールを敵に奪われてシュートを放たれるシーンもあったがテア・シュテゲンがセーブ。何とか事なきを得る。1-0とリードを保ったまま前半を終了した。アランゴの不在もあってか攻撃が右サイドに偏りがちの感はあるが、エルゴタも存在感を見せ、全体としては悪くない流れだが、試合そのもののレベルはあまり高くない。

グラードバッハは後半からヤンチュケに代えてドミンゲスをCBに。ケガがあったのだろうか。

後半は状況が一変し、ブレーメンがリスクを取って前がかりに試合を進める。グラードバッハはほぼ自陣に押し込められ、苦し紛れのクリア・ボールも拾われて波状攻撃をかけられるなど防戦一方に。60分ごろまで苦しい時間が続き、立て続けにシュートを打たれ、バーをヒットされるなどかなりヤバいシーンもあったが何とかしのぐ。

この時間帯を無失点で切り抜けたことで試合はやや落ち着く。ヴェントがドリブルでカウンター、右を並走したヘアマンにラストパスを出し、ヘアマンがシュートを放つが敵GKがセーブ。ラファエルがカウンターから独走したシーンもシュートは敵GKにキャッチされる。64分、左サイドからのFKをラファエルが蹴ったがボールは惜しくもファーサイドのポストの根元に当たる。

その後もグラードバッハはカウンターから何度もチャンスを作るが主にラファエルが決めきれず。75分、ヴェントがピッチに座り込み交替を要求。デムスが起用されるがヴェントのケガは大丈夫なのか。デムスもいるとはいえ、ヴェントは今季大きな存在感を見せているだけに大きなケガでないか心配だ。

逸機のつけは高くつく。88分、自陣エリア手前で敵にFKを与えると、敵の蹴ったボールが壁を越えてゴール右下隅に決まる。テア・シュテゲンも手の届かないところ。土壇場で1-1と追いつかれ試合は振り出しに戻る。

グラードバッハは直後にエルゴタに代えてルップを投入、残り時間で勝ち越しのための攻撃を仕掛け、クルーゼが左の深いところからシュートを放つが敵GKがセーブ。試合はここでタイムアップとなり、グラードバッハが最後の最後で勝ち点2を失った試合になった。

アウェイで引き分けと最低限の結果は出したものの、再起をかけた3連敗後の試合という意味でも、またギリギリまで勝っていたのに勝ちを逃したという意味でも、本来なら勝ち点3を持ち帰らなければならなかった。せっかく苦しい時間帯をしのいだのに、終盤にFKから失点ししょっぱい試合になってしまった。

アランゴを欠いた分、エルゴタが頑張ったのは収穫だし、チャンスを何度も作れたのはよかったが、それをしっかり決めておかないとこういうことになるという見本のような試合。シュート17-15、ポゼッション56-44と内容的には敵を上回りながら、押し込まれる時間帯もあり、盛り上がらない内容の試合につきあってしまったという印象だった。

とはいえ、ようやくシーズン後半最初の勝ち点を得たという意味では明るい兆しも見える。引き分けの価値は次の試合に勝つか負けるかで決まる訳で、次節、ホームでのホフェンハイム戦では何が何でも勝ち点3を積み上げなければならない。ホフェンハイム(H)、ブラウンシュヴァイク(A)、アウクスブルク(H)の3連戦で6以上の勝ち点をもぎとってアウェイBVB戦に臨みたい。

途中交代となったヤンチュケ、ヴェントも心配。アランゴの戻りも不透明だ。CBはドミンゲス、ブラウアースもいるし、左SBにはデムスがいるとはいうものの、ここまで実績を作ってきた選手の離脱は不安要因。大きなケガでないことを祈るとともに、交替でチャンスを得る選手の踏ん張りに期待したい。

ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「観客には面白い試合だっただろう。前半はどちらも力が入っておりプレスも効いていた。しかし我々はもちろんカウンターをもっと生かすべきであった。同点になる前のファウルは犯すべきではなかった。その前のスローンに対して注意が欠けていた。しかしネガティブなことばかり言いたくはない。ポジティブに物事を考えねばならない。全体として我々にとってひどい試合ではなかった」

コメント短い。勝ち点1を取れたのだからネガティブなことばかり言っていても仕方ないということか。ま、踏ん張りどころは続くということだな。



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2014年02月09日 16:04      [posted by der_ball_ist_rund]

【ブンデスリーガ第20節】グラードバッハ×レバークーゼン

■2014年2月7日(金) 20:30キックオフ
■Stadion im Borussia-Park

シーズン後半開幕から2連敗、ここ4試合勝ちがなく勝ち点2しか稼げていないグラードバッハとしては、上位争いに踏みとどまるためにどうしても勝たなければならないホームゲーム。相手は2位のレバークーゼンということもあってシーズン後半の成り行きを大きく左右する大事なゲームだ。

試合は金曜日の夜開催。日本時間では例によって土曜日未明4時半とかで、スカパーの中継もなく諦めるしかないレベル。どうしてこうイレギュラーな時間帯の試合が多いのか。まあ、ここからはしばらく3時半の試合が続くが…。

グラードバッハはこのところ右SBに定着しているコープが警告累積で出場停止。普通ならヤンチュケを右SBに出して中央にドミンゲスだろ考えてもと思うところで皆さんも異論はないと思うが、ドミンゲスをベンチに置き、ヤンチュケはCBで右SBにノードファイトを起用。ドミンゲスそんなに信用ないのか。ブラウアースに至ってはベンチにすら入ってない。それ以外はこのところ不動のメンバーだ。

テア・シュテゲン
ノードファイト ヤンチュケ シュトランツル ヴェント
ヘアマン クラマー シャカ アランゴ
ラファエル クルーゼ

グラードバッハは序盤からボールを支配するものの、決定的なボールが縦に入らないために前線が孤立し、GKへのバックパスが頻発する状況。レバークーゼンはサイドを使って素早く攻撃を組み立てようとするが、グラードバッハはコンパクトな布陣を保ち決定的なチャンスを作らせない。

9分にはグラードバッハが素早くスローインからリスタートしようとしたところ、レバークーゼンのベンチにいた選手が別のボールをピッチに投げ入れて試合の進行を妨げたとして警告を受ける珍しいシーンが。映像で見る限り、こぼれてきたボールをスローアーに投げ返そうとしたら既に別のボールでスローインが始まっていたというアクシデントのようにも思われ、意図的に妨害した訳でもなさそうだったが…。

19分、左サイドの深いところからクルーゼが大きく折り返したボールを右寄りエリア外のヘアマンがボレーで合わせたが敵GKにキャッチされる。その後は再び一進一退の攻防となり、どちらにも大きなチャンスのないまま試合が進む。前半残り5分には何度かシュートを放たれたがテア・シュテゲンの手堅い守りもあり、スコアレスのまま前半を終える。

後半に入るとレバークーゼンが攻勢となり、守備的なグラードバッハに対して攻撃を仕掛けるがその後は再びチャンスらしいチャンスが見られず。

62分、エリア外でパスを受けた敵FWに対するプレスが遅れ、18メートルのミドルを打たれるとこれがゴールに。敵のワンチャンスに集中を欠いたか、0-1と厳しい試合で痛い先制点を献上してしまった。

グラードバッハは前がかりになり、ラインを押し上げて高い位置でのプレスからチャンスを作ろうとするが、レバークーゼンの守備もしっかり固められており、それを崩すアイデアが見られない。67分、ヘアマンに代えてフルゴタを投入するが局面は変わらず。レバークーゼンは運動量が落ちず、サイドから攻撃を組み立ててくる。

残り15分ごろからグラードバッハはリスクを取った攻撃を仕掛け、クルーゼ、アランゴ、ラファエルらがシュートを放つが敵GKにセーブされたり枠に収まらなかったりで得点には至らない。

83分、シャカとアランゴを下げてムラパとユーネスを投入するが最後はレバークーゼンに上手く時間を使われ、ボールを奪いきれないまま0-1で試合終了。グラードバッハは痛い3連敗を喫した。

シュート数は14-12、ポゼッションは50-50と、数字の上ではほぼ互角の戦いだったようにも見えるが、kickerの解説を読む限り試合の進め方に力の差が出たという感じではないか。内容的にそんなに悪かった訳ではないと思うが、フィニッシュにつながるひとつ前かふたつ前あたりで引っかかるというか、その辺の出しどころ、受けどころを押さえられてるというか。

ここで型を崩すのがいちばん怖い。結果が出ていないので迷いの出るところだが、ここまで積み上げたベースはしっかり守った上で、中盤から前線への連携の調整や、引かれたときのチャレンジの仕方の確認などを地味にやるしかない。風邪もひき始めに対応を誤るとこじらせて長引く。ここでしっかり立て直さなければならない。

順位は5位と変わらないが、2位レバークーゼンとの勝ち点差は10、3位BVBとも6にヒライしまった。ここが踏ん張りどころ。次節アウェイのブレーメン戦では何が何でも勝ち点3を持ち帰らなければならない。奮起に期待したい。

ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「前半は華々しいという訳ではなかったがひどかった訳でもなかった。我々はしっかり我慢しながら戦ったし、ポゼッションでき、ボールを支配できていた。後半に入ると忍耐がやや失われた。我々はもっとシンプルにプレーし、流動的であるべきだった。ボールロストが多すぎ、カウンターの上手いレバークーゼンには非常に危険だった。これはレバークーゼンに対しては致命的なことだ。これが最終的に違いとなって表れた細部だった」

朝起きて結果確認してこれだとほんとガックリくるわ…。




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2014年02月07日 23:54      [posted by der_ball_ist_rund]

【FC東京】2014年編成について(5)

チャンの広州富力への移籍がようやく正式にリリースされた。契約の細部で作業が残っていたものがクリアされたのだと思うがそうであればよかった。カネでもめたりすると面倒くさい。チャンは2年の在籍だったけどよく働いてくれたし彼自身もしっかり成長できたと思う。去り際のコメントもいい。中国でしっかり頑張って欲しい。

さて、中盤から前は面白くなりそうだ。これまではダブル・ボランチを核にした4-4-2または4-2-3-1が基本的なフォーメーションだったが、今季は4-3-3を試行しているようだ。4バックの前にアンカーを1人置き、その前に2人のインサイド・ハーフ、前線には1人のセンター・フォワードと両翼に2人のウィング・ストライカー。より攻撃的、機動的な布陣だと思うが、それぞれに求められる役割も当然異なってくるだろう。レギュラーの顔ぶれが変わってくることも考えられる。

【MF】
アンカー:[レギュラー]高橋 [バックアップ]三田、野澤
インサイド・ハーフ:[レギュラー]東、米本 [バックアップ]幸野、羽生、梶山

中盤では、これまでの練習試合での布陣を見る限り、アンカーに高橋、インサイド・ハーフに米本、東を起用しているようだ。

そして、練習試合などの起用を見ると、アンカーのサブには三田や野澤、インサイド・ハーフのサブには幸野、羽生らを考えているようだ。このメンバーの中では例えば米本のアンカー、高橋、三田のインサイド・ハーフなど、流動的な起用も考えられるし、東や羽生はウィングに回っても戦えると思う。

高橋が代表招集で抜けることを考えれば、羽生がどれだけコンスタントに働けるか、三田、幸野がどれだけ計算できるかが勝負になる。

また、夏以降に梶山が復帰すればおそらくはインサイド・ハーフでの起用になるのではないかと思われるが、できるだけ早くトップ・フォームを取り戻して競争に参加できれば層がグッと厚くなる。

僕自身としては羽生の活躍を見たい。縦横無尽にピッチを走り回り、アタッキング・サードを斜めに横切って敵の思いもよらないところに出現する姿が見たいのだ。若手ではJ2で実績を積んだ幸野に期待してる。

【FW】
ウィング:[レギュラー]渡邉、河野 [バックアップ]石川、武藤、平岡
CF:[レギュラー]エドゥー [バックアップ]平山

一方、前線ではワントップにエドゥー、サブに平山を想定。ウィングには渡邉、河野、サブに石川、武藤、平岡らを考えているのではないか。

メンバー表だけを見るとFWが足りないように見えるが、ワントップにウィングという考え方ならそれなりに人はいるようにも思える。先にも書いたが、インサイド・ハーフに想定している中にも東や羽生のようにウィングで使える選手はいる。幸野も行けるかもしれない。

ワントップではまずエドゥーのフィットを祈りたい。今季はここに懸かっていると言ってもいい。実績のある選手で、中国、韓国でのプレー経験もあることから手堅く活躍が見込めるとは思うが、本当に頼むって感じ。

昨季までポポヴィッチ監督のパス・フットボールの中でなかなか実力を発揮しきれなかった河野が、今季ここまで主力組で使われているのは興味深い。河野はどうしてもボールを持ちたがる特性があって、それはそれでいいのだが、そのためにパスが「ドリブルで仕掛けられないときの第二選択」「ドリブルで仕掛けたが囲まれてしまったときの窮余の策」になってしまっていて、それがプレー選択やパスの質を下げていたと思う。

その部分の改善が図られたかどうかは分からないが、河野の仕掛けに見るべきものがあるのは間違いのないところで、ウィングという新しいポジションでプレー選択に柔軟性が出れば仕掛けも生きるはず。今年が勝負の年だ。

渡邉がウィングで起用されているのも面白い。ポポヴィッチ態勢のもとで、押し込み屋としてだけではなく、前線でボールを扱う力も飛躍的に伸びており、またワントップも張れるという意味でこのユーティリティ起用は面白い。

また、ワールドカップ以降の復帰が見込まれる田邉もウィングでの起用が見込まれる。田邉と河野の両翼とかも見てみたい。




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2014年02月04日 00:08      [posted by der_ball_ist_rund]

【FC東京】2014年編成について(4)

沖縄での一次キャンプが終わり、香港での何とかカップも終った。開幕まで1ヵ月、宮崎での二次キャンプを経て戦術を形にして行く時期に入るということだ。

ここからまだ補強がある可能性も十分考えられるが、現状を踏まえて取り敢えずポジションごとの戦力を概観しておきたい。

【GK】[レギュラー]権田 [バックアップ]塩田、廣永、圍

GKは、権田、塩田、廣永、圍の4人態勢になった。まあ、盤石の態勢と言っていいだろう。

今季は権田に一段の成長を促したい。塩田がアップに出てきたときになぜあれだけの歓声を浴びるのか。我々が塩田の何を信頼し、塩田のどこを愛しているのか。その謎を解き明かすことが今季の権田の課題。

あと、廣永にはカップ戦でいいから出場機会を与えたい。そろそろ真価を問われる年だし、キャリア的にもここで次、次の次を狙うのか、別天地を求めるのか見極めが必要だ。圍が入ったことで序列は流動化する。チャンスをつかみたい。

いずれにしても、今季も権田を第一選択として使いながら、代表招集で不在のカップ戦や権田が調子を落とした時に塩田という考え方は変わらないだろう。塩田ファンとしては塩田をもっと積極的に起用して権田にも危機感を持ってもらいたいが。

【DF】
SB:[レギュラー]徳永、太田 [バックアップ]椋原、松田
CB:[レギュラー]森重、マテウス [バックアップ]加賀、吉本

チャンの動向について正式のリリースはまだないが、サイトの選手リストからも消えているようだし、それを前提に話を進めよう。

まず、SBは右に徳永、左に太田が昨季に引き続きレギュラーで、バックアップに松田、椋原ということだろう。年代的にもバランスのいい陣容になったと思う。正直、レギュラーとバックアッパーの間にややギャップがあるようにも思えるが、椋原、松田にはチャンスを生かして成長して欲しい。

CBは森重、マテウスが第一選択、バックアップに加賀、吉本という考え方か。マテウスがフィットするかは様子を見てみないと分からないが、加賀もいるしリスクヘッジはできている。森重の代表招集が予想されるが、マテウスと加賀でも十分形は整う。

ケガから復帰した吉本がどの程度やれるか分からないが、この一角を争うようになれば面白い。代表招集やケガを考えればやや層が薄い感は否めないが、いざとなれば高橋も徳永も、あるいは野澤あたりもCBはできそうで、何とかなると思う。

まあ、GK、DFは議論の少ないところだろう。次回はフォーメーション的に変化がありそうなMFとFWを展望しよう。





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2014年02月02日 16:10      [posted by der_ball_ist_rund]

【ブンデスリーガ第19節】ハノーファー×グラードバッハ

■2014年2月1日(土) 18:30キックオフ
■HDI Arena

アウェイとはいえ敗戦のあとの大事な試合。連敗は許されず、何とかして勝ち点を持ち帰らなければならない。日本時間の日曜日未明2時半キックオフでスカパーも中継がなく、何ともしようがないので日曜日の朝に結果だけ確認することにした。

グラードバッハはヤンチュケがCBとして先発復帰。ドミンゲスがベンチということはいまやCBヤンチュケはドミンゲスより序列が上ということなのか。ドミンゲスがCBでヤンチュケが右SBじゃないのか。この辺は何かドライというかはっきりしてるというか…。

テア・シュテゲン
コープ ヤンチュケ シュトランツル ヴェント
ヘアマン シャカ クラマー アランゴ
ラファエル クルーゼ

序盤はハノーファーが自陣に低めのラインを張り、グラードバッハがボールを支配する展開。しかしきれいな2ラインでコンパクトに守るハノーファーを相手に、グラードバッハはなかなかしっかり前を向いてアタッキング・サードに攻め込むことができない。

20分、ようやくアランゴがFKで直接ゴールを狙ったのがファースト・シュートとなるがこれは敵GKにキャッチされる。その後はハノーファーにカウンターからチャンスを作られる流れになる。

グラードバッハは23分にヘアマンが中央をドリブルで上がりそのままシュートを放つが敵GKにセーブされるシーンがあったものの攻撃は散発。テア・シュテゲンの好守もありしのぐものの流れをつかめないままスコアレスで前半を終えた。

後半に入ってもグラードバッハは打開の糸口をつかめず。すると57分、右サイドからのクロスにファーでヘディングを許し失点。0-1と先制される。

ハノーファーは先制してさらに守備をコンパクトにし、カウンターを狙いに来る。グラードバッハは64分、アランゴに代えフルゴタを、74分にはヘアマンに代えてユーネスを投入するが攻撃がつながらない。81分、シャカに代えてムラパを投入。リスクを取って前がかりに行こうとする。

だが、82分、カウンターから左に振られたボールからクロスを許し、中央で頭で合わされ失点。0-2と点差を広げられる。直後の84分、今度はグラードバッハが右サイドのユーネスからクロスを入れると、中央のムラパが頭で合わせゴール。1-2と1点差に詰め寄り、試合を再びオープンにする。

しかし、終了間際の90分、縦のボールに抜け出され追加点を決められて万事休す。結局1-3と完敗を喫した。

この試合、ポゼッションが65-35なのにシュートが12-16とか、ハノーファーの術中にはまったのがはっきりしている。やはり好調にシーズン前半を終えたことで警戒され、研究されていることは間違いない。同じようにやっていてはじり貧になるということだ。ハイライトの動画を見る限り、チャンスになったシーンの動き自体が悪い訳ではないが、このチームでどこまでできるかが問われている局面ではないかと思う。

いずれにしても今季初めての連敗で勝ち点を33から伸ばせずシャルケに抜かれて5位に順位を下げた。順位そのものはまだ気にする必要はないと思うが、シーズン後半が開幕しての2連敗は重く受け止める必要がある。今節はレバークーゼン、BVB、シャルケが勝ち、2位争い、3位争いという意味で崖っぷち。

上位グループにしっかりくっついて行くためには次節、ホームでのレバークーゼン戦に何としても勝たなければならない。簡単な相手ではもちろんないが、上位対決でもありここで勝ち点3を取りレバークーゼンの足を止めれば2位争いに食い込める。正念場だ。

ルツィアン・ファヴレ監督:
「ハノーファーが3-1で勝ったことを妥当でないとは言えないだろう。試合を作りたかったが、そのためにはもっと運動量やスピード、深みがひつようだったのに、それらはどれも我々に欠けていた。その上、我々には、とりわけ前半に無用のボールロストが多すぎて、そのせいで繰り返しカウンターを浴びることになった。ハノーファーは極めて危険でありそれを忘れる訳には行かない。非常にいい試合をししっかりカウンターをしかけるこのチームと戦うのは難しいことだ。そして我々は前線でボールタッチも3回、4回と時間をかけすぎた。そのせいでハノーファーはスペースを非常に狭くすることができた。終盤には少しよくなった。我々の展開にもテンポが出ていくつかのチャンスを作ることができた。残念ながら勝ち点には届かなかったが」

ファヴレ監督のコメント訳してると「無用の失点」とか「無用のボールロスト」とか頻繁に出てくるんだけど、そういうのって基本「無用」なんじゃないのか。まあ、「やらなくていい点をやってしまった」とか「チャレンジした結果のやむを得ないボールロストではなくミスや軽いプレーで取られた」ってことなんだと思うけどね。ドイツ語では「unnötig」っていつも使ってる。




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