フットボール・クレイジー
football crazy
silverboy club
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2014年03月29日 22:41
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【Jリーグ第5節】清水×FC東京
■2014年3月29日(土) 15:00キックオフ
■IAIスタジアム日本平
アウェイ清水戦。首都圏ではないのでおとなしく自宅スカパー観戦にした。
東京はナビスコで鹿島に勝ったが、前節の多摩川クラシコで川崎に0-4で完敗。リーグ戦では2敗2分と4節を終えて勝ち点2の16位。まだシーズン序盤とはいえ降格圏に低迷している。アウェイとはいえそろそろ勝たないといろんなことのベースが危うくなるクリティカルなゲーム。
その試合でフィッカデンティ監督は大きくメンバーを入れ替えてきた。まずは基軸のメンバーでしっかり戦術を共有しできるだけ早くチームの核を作るべき局面だと思っていただけに、カップ戦のターン・オーバーはともかく、リーグ戦での入れ替えは正直どうかと思ったが、監督としては一種のショック療法の目論見か。
具体的には前節終盤に負傷退場した加賀がベンチからも外れ吉本がCBで先発。さらに高橋、東、渡邉をベンチに置き、野澤、河野、武藤が先発した。羽生はベンチから外れた。野澤をアンカーに、河野をトップ下に置き、中盤をダイヤモンドにした4-4-2的布陣か。
権田
徳永 吉本 森重 太田
野澤
米本 三田
河野
エドゥ 武藤
試合は序盤、かなり落ち着かずボールが行き交う展開となる。特に東京は河野、三田、武藤ら若い選手が精力的にボールをチェイスするが、小気味よく少ないタッチ数でボールをつないでくる清水の後追いになり効果的にプレスがかからない。
奪ったボールはエドゥに当てて展開しようとするが、エドゥが敵DFにしっかりつかれてポストに苦労する上、そこからのボールをしっかり受けられず攻め急いではミスが出てボールを失う繰り返し。非常にバタバタした立ち上がりとなった。
はやくも5分、中盤で失ったボールを前線につながれ、裏に落とされたボールに対し森重が対応しきれず、こぼれたところを蹴りこまれて失点。0-1と先制を許す。早い時間の失点にイヤな感じが漂う。
11分、武藤から右サイドでパスを受けたエドゥがシュートを放つが敵DFに当たる。次第に流れも落ち着きボールをキープできるようにはなるものの、攻撃は散発でなかなか決定的なチャンスを作れない。互いに中盤で激しく主導権を争う試合になりボールが激しく往復する。
28分、エドゥからのスルーパスを受けた河野が裏に抜け出しGKと一対一になるがシュートはGKにセーブされる。ビッグ・チャンスだった。
敵にもチャンスを作られるが権田の手堅いセーブでしのぐと、前半終了間際の44分、エリア外から武藤がシュートを放つ。これはGKにセーブされたが、正面にこぼれたボールを河野がダイレクトでシュート。必ずしもハード・ヒットはしなかったがコロコロと転がったボールは敵DFの脇をすり抜け、GKの手も届かずゴール右隅にイン。東京がいい時間帯に1-1と追いつく。
後半開始早々に試合は大きなヤマを迎える。エドゥが失ったボールを追って敵をチェイス、後ろからボールを刈ったかに見えたがファウルとなり警告を受ける。これで与えたFKを前線に送られると、森重がエリア内でこれを処理しようとするが、上から敵FWにのしかかられボールに触れず。後ろに抜けたボールが太田の手に当たったとの判定でPKを与えてしまう。
収まらない森重は、その直前の敵にのしかかられたプレーがファウルではないのかと執拗に抗議するが、これに対して警告が出される。気持ちは分からないでもないがムダなカードだった。これで森重は今季5試合目で早くも4枚目のイエローカード、次節は出場停止となった。
50分、敵FWがこのPKを蹴ったが、ゴール左に飛んだ低いボールを権田がキャッチ。納得のできないPKを権田が決めたことで明らかに流れが変わる。この試合のポイントになったプレーだった。
すると57分、右寄りで得た距離のあるFKを太田が蹴ると、裏に抜けた森重が頭で合わせゴール。2-1と逆転に成功する。警告で悔しい思いをした森重が自ら逆転となる得点を決めたことで東京は流れを大きく呼びこむ。
その後はこのリードを守りたい東京と同点に追いつきたい清水とが激しく主導権を争う展開となるが、互いに中盤でつぶし合い決定的な形にはならない。東京は自陣でしっかりブロックを形成し清水の攻撃をしのぐ。
72分、河野に代えて東を投入。三田が一列上がる。75分にはエドゥに代えて平山を投入。東が精力的に動き回ってボールをさばく。
82分、東からのパスを受けた武藤が右サイドを駆け上がってクロスを上げると、中央の平山に合わなかったが、ファーに流れたボールを、駆け上がった米本が思いきりよく左足でダイレクトに合わせる。これがゴール右隅に決まり3-1。東京が決定的な追加点でリードを2点と広げる。
勝てていないチームの哀しさで、これでも安心できない。このまま試合を終えられるかが勝負になる。85分、武藤に代えて渡邉を投入。アディショナル・タイムは5分もあったが、ボール・キープも織り交ぜてしっかりと時間を使いきり、結局3-1で今季リーグ戦初勝利を挙げた。
序盤はバタつき、落ち着かない間に先制されてビハインドを背負ったが、その後も臆することなく戦い続けたおかげで前半のうちに追いつくことができ、後半最初のPKをしのいだことで流れを大きく呼び込んだ。その後はセットプレーからの逆転、終盤のダメ押しとしっかりした試合運びで優位に試合を進め、最後は危なげなく勝ちきった。
正直、チームがしっかり連動して勝ったというよりは、ラッキーもあって流れを呼びこんだという感じもするが、この局面ではとにかくまず1勝という意味で結果が大事であり、これで重荷がひとつなくなって動きやすくなって行くことで内容も向上することを期待するということだろう。
攻撃はエドゥの敵を背負いながらの強さと、武藤の思いきりのいい飛び出し、ボール扱いの巧みさで形を作ったが、河野、三田も加えた連係のレベルがそこまで高かった訳ではないと思う。最後が個人で仕掛けてドンだけでは得点力にも限界がある。個人技に頼らない決定機の作り方、生かし方はまだまだ未完成だ。
また守備ではアンカーに入った野澤がヘンに攻撃に色気を出さない分しっかり役割を果たしていて結果的に効果的だった一方、森重、米本といった本来主軸となるべき選手が、今のチームの中での自分の動きに適応しきれていないのか、精彩を欠くプレーやミスでピンチを招くシーンがあった。森重は5試合で4枚目のカード。コンディションに問題があるか、または新しいフォーメーションで過負荷の状態なのか。心配だ。
まあ、それだけに彼らに得点が生まれたことは大きい。これをきっかけに自分のやるべきことがしっかり整理できればいい。特に米本は今のポジションで攻撃的役割も期待されることからプレー精度が下がっており、結果として守備面でも本来の強みが出せずにいる印象だ。まず自分の強みを生かすことを考え、そこから攻撃面でのリズムをつかんで欲しい。
今日はこのメンバーで結果を出したが、これがベストの布陣かと言えばそうとも言えない。後半、東が出てからのボールの落ち着き、渡邉がしっかり前線から敵をハメに行き下がってボールに触る動きなどを見ていると、やはり主力としての力が実感する。フレッシュな意欲やがむしゃらなチャレンジ以上のものを出せないと継続して使ってもらえるのは難しい。そういう意味で「それ以上のもの」が窺えたのは武藤だけだったようにも思う。
次は水曜日にナビスコの仙台戦がある。ここでメンバーも含めどんなフットボールを見せるのか、そしてそれを来週の鳥栖戦にどうつなげるのか、まだまだ型ができた訳ではないし、こうやって勝つというテンプレートが見えた訳でもないが、部分ごとの手ごたえをしっかり試合運び全体に還元して早く軌道に乗せないと手遅れになってしまう。
3月開幕は苦しんだが、何とか最後の試合でリーグ戦初勝利をものにすることができ、リーグ戦では1勝2敗2分で勝ち点5の15位。ナビスコカップも合わせれば2勝2敗2分で何とか結果は整ったということか。
4月はナビスコを含め7試合と過密日程。ここでもたもたしていると置いて行かれ、キャッチアップ不能な差を上位との間に作ってしまうことになる。今季最初の正念場として勝ち点14以上は積み上げたいところだ。
評点(評点は
ドイツ式
):
権田(2) すべては権田のPKストップから。それ以外のプレーも安定していた。
徳永(4) 対面の敵に手を焼いたが守備では強さを見せた。
吉本(4) 序盤はバタバタしたがしっかりと仕事はこなした。
森重(4) 毀誉褒貶相半ば。得点で借りは返したが次節は出場停止。
太田(3.5) 精度高いFK、クロスはあったが対面の敵を自由にさせすぎ。
野澤(3) 守備に専心と割りきることで求められる役割を忠実に果たした。
米本(4) 迷いの見えるプレーでミス多し。得点をきっかけに整理できれば。
三田(4) ここ一番でワンタッチのシュートを打てず逸機が多かった。
河野(3.5) パタパタ走り回る割りに効果薄い。攻撃も散発的。
エドゥ(2.5) 得点はなかったが前線で身体を張り試合を作った。
武藤(2.5) スピードと技術を合わせ持ち一気にチャンスを作った。
===
東(3) 中盤にポイントを作りボールを落ち着かせた。さすがの実力。
平山(3.5) ハイボールに触ってくれるだけで有難い。クローズに尽力。
渡邉(-) 時間短し。早く得点欲しいね。
次節が重要だが先にナビスコがあって難しい。まあ、目先の試合にしっかり勝つしかないのだが…。
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FC東京
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J1リーグ戦
2014年03月29日 11:59
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【ブンデスリーガ第27節】フランクフルト×グラードバッハ
■2014年3月26日(水) 20:00キックオフ
■Commerzbank-Arena
英国週間で木曜日の未明4時キックオフとかどうやっても見られないパターンのヤツ。気持ちよく諦めた。スカパー中継もないし。
グラードバッハは2連勝でやっとトンネルを抜けた感。この流れを確かなものにし、ヨーロッパリーグ、欲を出してチャンピオンズリーグを狙いに行くのであれば勝ち点を持ち帰らなければならないアウェイ・ゲームである。
メンバーでは前節警告累積で欠場のノードファイトが先発に復帰、クラマーとダブル・ボランチを組み、ヤンチュケがシャカとともにベンチを温めることになった。それならヤンチュケをCBなり右SBなりに戻してやればとも思うが、この辺のファヴレ采配は独特の論理があるようで面白い。
テア・シュテゲン
コープ シュトランツル ドミンゲス デムス
ヘアマン クラマー ノードファイト アランゴ
ラファエル クルーゼ
試合は序盤からフランクフルトのペース。フランクフルトのプレスに苦しみ自陣に押し込まれる展開に。フランクフルトは前線からのアグレッシヴな守備でグラードバッハのパスコースを切り、一対一での競り合いでも強みを見せて主導権を握る。
グラードバッハは序盤に横パスをつなぎながら攻め上がり最後はヘアマンがシュートを放つ場面があったがあとは攻撃が形にならず。一方のフランクフルトも攻撃には正確さを欠いて決定機を作れなし。
しかし、16分、敵のカウンターから縦にスルーパスを通される。これに対応したシュトランツルがスライディングでボールを奪いきれず敵FWに裏に抜け出されると、テア・シュテゲンとの一対一を冷静に流し込まれ先制点を献上、0-1とリードを奪われる。
先制点を得たフランクフルトは守備的になり自陣でブロックを形成。グラードバッハはボールを支配し流動的にパスを交換しながら敵陣中心に試合を進めるがフランクフルトの割りきった守備をなかなか崩すことができない。チャンスは散発的で28分、ヘアマンからパスを受けたクルーゼがシュートを放つがGKにセーブされる。
フランクフルトは前がかりになるグラードバッハに対して自陣でことごとく一対一の競り合いに勝ち、ボール奪取からカウンターでチャンスを作るが、シュートミスもあって追加点を奪えず。結局0-1のまま前半を終了する。
後半に入るとフランクフルトが再び前を向いて仕掛ける展開になり、グラードバッハは受けに回ってしまう。55分、ヘアマンに代えてエルゴタを投入。56分、カウンターでラファエルからのパスを受けたクルーゼがシュートを放つがわずかに枠をそれる。66分にはアランゴがFKから直接狙うがこれも枠に行かず。
その後もフランクフルトに主導権を握られ、たびたびチャンスを作られるが例によってテア・シュテゲンの好セーブもあり何とか追加点を免れる。78分、アランゴに代えてユネスを、79分にはコープに代えてルップを投入、終盤にかけて攻勢をかけるがフランクフルトのゴールが遠い。
最後のセットプレーにはテア・シュテゲンも上がって執念を見せるが結局最後まで得点を奪うことができず、0-1で痛い敗戦を喫した。
通して見てないので何とも言えないが、残留争いに巻き込まれまいとするフランクフルトのモラルに負けた試合のように思える。せめて勝ち点1は上積みしたかったがシュート数9-14と抑え込まれ、ポゼッションは60-40とフランクフルトを上回ったものの持たされた結果ということか。術中にはまった…。
この時期、下位のクラブとの戦いは敵のモラルが高かったりして厄介。グラードバッハは勝ち点42のまま上積みできず、順位をひとつ下げて6位となった。4位との勝ち点差は5、一方7位のマインツとは勝ち点差1しかなく、次節ホームでのHSV戦で勝ち点3は必須だが、HSVは16位と降格圏にあえいでおり、やはり高いモラルで臨んでくることが予想される。
厳しい試合になりそうだが、テレビ中継もあるしここでしっかり勝ち点の上積みができるかどうかで今季の出来上がりが変わってくる大事なゲームになりそうだ。
その後はニュルンベルク(A)、VfB(H)、フライブルク(A)、シャルケ(A)、マインツ(H)、ヴォルフスブルク(A)と、上位との対戦はシャルケだけだが、残留争い中のクラブや順位の近いクラブとの気を抜けない試合が続く。残り7試合で勝ち点14を上積みして最終的には勝ち点56には到達したい。頼むで、ほんま。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「足許は2連勝できていたが、今週はまたブンデスリーガがどれほど厳しいところかを目の当たりにすることになった。球際に極端に強く、ハイプレスを敢行する非常に強い相手と戦うことになった。引き分けに持ち込むことはできたはずだと思うが、いくつかの場面ではラスト・パスが通らなかった。我々はとにかく速くプレーするべきだったが、ボール・タッチ数が多く動きが足りなかった。日曜日のHSV戦に備えてしっかりリフレッシュしなければならない」
いよいよシーズンも佳境にさしかかってきた。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2014年03月24日 22:19
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【ブンデスリーガ第26節】グラードバッハ×ヘルタ
■2014年3月22日(土) 18:30キックオフ
■Stadion im Borussia-Park
前節BVBに勝ってようやくトンネルを抜け出したグラードバッハ。本格的な修正軌道に乗るかどうかを問われる重要なホーム・ゲームである。日本時間では日曜日未明2時半のキックオフということでリアルタイム観戦はキツいが、幸いCSフジテレビで中継があるのでこれを録画し、日曜日の朝6時過ぎに起きて見ることにした。そう言えばこの週末から夏時間なので日本との時差は7時間になる。
グラードバッハはノードファイトが警告累積で出場停止。ボランチにはケガから復帰のヤンチュケが先発し、シャカがベンチに。この辺の層の厚さというかCBにしてもボランチにしても何とか繰り回しが利くのはいい。それにしてもヤンチュケはファヴレ監督の信頼厚いな。もとは右SBだったのにCBではアルヴァロ・ドミンゲスやブラウアースを押しのけ、ボランチでもシャカをベンチに追いやっての先発。すごいわ。
テア・シュテゲン
コープ シュトランツル ドミンゲス デムス
ヘアマン ヤンチュケ クラマー アランゴ
ラファエル クルーゼ
試合はグラードバッハが主導権を握る。早くも5分、ラファエルからのパスを受けたヘアマンが右サイドを駆け上がりクロス。中央のアランゴには合わず、ファーでクルーゼがヒットするがサイドネットに。
その後はヘルタの守備も整い効果的な攻撃が組み立てられずにらみ合う時間が続く。20分には敵のクロスに中央で合わせられる決定的なピンチを招くがシュートは枠に行かず。これが入っていたらまた流れは変わっていただろう。危なかった。
すると28分、シュトランツルからのフィードを受けたヘアマンが再び右サイドを駆け上がる。敵DFに身体を寄せられ苦しい体勢だったが足を伸ばすようにして中央に折り返したバールがファーに飛び、並走してきたアランゴが芸術的なワンタッチ・ボレーでボールを叩きつけこれがネットに吸い込まれてゴール。グラードバッハが1-0と先制する。
さらに4分後の32分、右寄りのFKをアランゴが蹴るとクルーゼ、ドミンゲス、ヤンチュケがヘディングを競りに行く。ボールは3人に挟まれる形になった敵FWの頭に当たりそのままゴールへ。敵のオウン・ゴールでグラードバッハが1点を追加し2-0とリードを広げる。敵には気の毒だが、敵に当たらなくてもウチのだれかに当たってたと思う。
2点を奪ってやや引き気味になったグラードバッハであったが、40分、またしてもシュトランツルからのフィードをセンターサークル付近で受けたクルーゼがラファエルにつなぐとラファエルはドリブルでカウンターに。斜めに走ったクルーゼにいったんボールを預けるが、すぐにそのリターンを受けるとそのままペナルティ・エリアに突進、飛び出した敵GKの上を越えるループ気味のシュートでゴールを決めて3-0とする。前半はこのまま終了した。
後半は3点のリードを背景に余裕を持って時間を進めようとするグラードバッハに対し、ヘルタは足が止まって動きが乏しくなりグラードバッハのブロックの前でボールを回すばかり。解説の清水秀彦にもボロクソに言われる始末。
一方グラードバッハは52分、ラファエルの左CKにニアでシュトランツルがヘディングするが惜しくもポストをヒット。さらに64分にもアランゴがFKを蹴るが際どいところで敵GKにセーブされる。
67分、既に警告を受けていたクラマーに代えシャカを投入。73分にはヘアマンに代えユネスを、79分にはアランゴに代えルップを投入と、着々と勝ち準備を進めるグラードバッハに対してヘルタは攻め手を見出せず攻撃は散発的。しっかりと3ラインのディフェンスを構築するグラードバッハのクリティカルなエリアに侵入できない。
ヘルタは既に戦意を喪失したか、動きが少なく、まず1点を返すという勢いも感じられない。結局グラードバッハが危なげなく残り時間も使いきり、3-0で大事な試合に完勝を収めた。
結果を出すことで微妙にズレていた連係が再びかっちりはまって動き出した感。前半は苦しむ時間帯もあったが、12分間で一気に3点を奪い試合を決めると、後半は運動量の少ないヘルタの攻撃を難なく封じきった。
クルーゼが前節のゴールで蘇生。この試合ではゴールこそなかったものの前線で生き生きとプレーし1アシスト、ラファエルとの連係もよくなってきた。シュート数は8-8と互角だし決して多くもないが、前半に効率よく加点し、後半は慎重にリスク管理した結果であり気にするものではないだろう。
ポゼッションは58-42、一対一の勝率は54-46とグラードバッハが競り勝っていたことを示している。シーズン終盤に向けて再びヨーロッパを目指して戦う意志をはっきりと示す試合になった。
これでグラードバッハは勝ち点を42に伸ばし5位に浮上。1試合あたりの勝ち点は1.62まで回復した。4位レバークーゼンとの勝ち点差はわずか2、3位のシャルケとは8差あるが直接対決を残している。下には勝ち点1差でヴォルフスブルク、マインツがぴったりくっついている上、残り8試合のうちアウェイが5試合あるのはつらいところだが仕方ない。何とか勝ち点をあと16ほど上乗せしてシーズンを終りたいところだ。
今週はイングリッシュ・ウィークとなっており水曜日にフランクフルトとのアウェイ戦がある。しっかりと勝ち点を確保したい。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「最初から非常に厳しい試合だった。というのもヘルタはボールをしっかりと支配し、全体として存在感があった。もし彼らが1-0にするチャンスを生かしていたらどうなっていたか分からなかった。しかし幸運なことに我々はリードを奪うことができ、続けていいゴールを決めることができて非常に効率的だった。我々は後半に4点目を取ろうとしていたが、同時に何があっても失点はしたくなかった。我々は非常に落ち着いてプレーできたしボールもよく保持することができた。この相手と戦うのは簡単なことではなかったが、今日は何もかもがうまく行った。とても効率的に戦うことができた」
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2014年03月24日 00:26
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【Jリーグ第4節】FC東京×川崎
■2014年3月23日(日) 19:00キックオフ
■味の素スタジアム
多摩川クラシコ。せっかくの天気のいい日曜日だったが、7時キックオフということでその頃には当然ながらすっかり日も暮れ気温も下がって肌寒い、いやマジで寒い状態に。ヒートテック、ダウン、ニット帽、手袋で武装して味スタに出かけた。
控え選手中心のメンバーで戦った水曜日のナビスコカップで鹿島相手に快勝したが、リーグ戦では未勝利の東京。メンバーの入れ替えもあるかと思ったが前節からの変更点は米本を先発させ武藤をベンチに置いたことだけ。ただ、フォーメーションは三田をトップ下にし、エドゥと渡邉を2トップに並べる4-4-2。中盤をダイヤモンド型にした布陣のようだ。また、ナビスコカップ鹿島戦でフル出場した羽生が今季初めてベンチ入りした。
権田
徳永 加賀 森重 太田
高橋
米本 東
三田
エドゥ 渡邉
序盤、東京が高い位置からプレスをかけボールを引っかけて奪うと、素早い攻守の切り替えから前線にボールを展開し敵のゴールを急襲する戦術が奏功し主導権を握ったように見えた。8分、太田がロング・シュートを狙うが大きく枠を外れる。これがファースト・シュート。14分には渡邉がペナルティ・エリア内でこぼれ球を競ってシュートを放つがGKがセーブ。
しかし出足がよかったのはこの辺まで。川崎に戦術を読まれたか、あるいは最初の10分、15分をハイプレスで行くという戦術だったのか、ともかく東京は次第にブロックを形成しての守備にシフトするが、川崎が前線から積極的にボールホルダーにアプローチ、加えてセカンドボールへの意識も高く徐々に流れを持って行かれる。何度か危ない場面もあったが、オフサイドや敵のシュートミスに助けられ事なきを得る。
しかし31分、右に張った米本のパスを敵にカットされそのままショート・カウンターを食らう。これをきっちり決められ0-1と先制を許す。ミスからの失点でショックも大きかった。
東京はエドゥに預けて局面を打開しようとするが敵のマークもあり、また他の選手との距離感も今ひとつで収まらず。川崎にボールを持たれ、なかなか自陣から抜け出せない。前半終了間際、ショート・コーナーから中央の三田にボールを預けたところで敵に奪われ、そのままカウンターを受けてゴールを決められ0-2と追加点を許す。そのまま前半終了。
後半からエドゥと米本を下げて平山と河野を投入。すると後半序盤こそ河野が積極的に動き回ってボールを拾い前を向いて攻撃を仕掛けるが、敵の守備もしっかりしておりなかなか単発ではギャップを作り出すことができない。すると59分、またしても東京のパスをカットされてスルーパス一発で裏に抜け出され失点。0-3とリードを広げられる。
東京は前がかりになり、平山の落としから敵ゴールに向かおうとするが攻撃に連動性が見られず散発的に。失ったボールから一気に裏を狙ってカウンターを仕掛けられ危ない場面を作られるが権田のセーブもあり何とかしのぐ。
75分、東京は高橋を下げて羽生を投入。しかし79分、三田が敵に絡まれてボールを失い、そこから0-4とダメ押しとなる4点目を失う。さらに88分には敵と交錯した加賀がそのまま復帰できず退場するアクシデントもあり、結局そのまま0-4で完敗した。
序盤のハイプレスからの素早い展開はよかったが、それも最初の10分か15分だけ。あれで最後まで行けるとは思わないが、そこであっさり主導権を放棄したのは戦術だったのか、川崎が修正してきて機能しなくなったのか。
その後は川崎がポジションを流動させながら効果的にパスを当ててギャップを狙ってくるのに対し、ボールの後追いに終始して効果的にプレスもかけられず、中盤でいいように縦へのパスを通された。東、米本がサイドにボールを追いに行くと中央には高橋しかおらず、ピッチをワイドに使う川崎に対して真ん中のスペースを開けてしまったように見えた。
何よりも流動しながらワンタッチで小気味よくパスを当ててくる川崎に比べれば、東京の攻撃はいかにも場当たり的に見えた。昨季までは東京もああいうフットボールを目指していたはずだし、それは今季もベースとして持っているはずではないかと思うのだが、戦術がベースの部分でまだまだ共有できておらず、局面での動きがちぐはぐで展開できなかった。
そのようにして主導権を失いつつあるところでミスから失点。その後も何とか持ちこたえたものの、前半アディショナル・タイムのラスト・プレーでCK崩れからカウンターを浴びさらに追加点とダメージの大きな失点の重ね方をして自滅。
後半エドゥを下げたのは、エドゥに当てることをトリガーにして押し上げるエドゥ・システムが機能していないと見たからか。あるいはオフサイドを連発し、他の選手との連係が取れていないという判断か。
しかし、平山がエドゥ以上に機能していたかと言えば疑問で、城福監督以前の東京を見ているような雑な攻撃しかできなかった。川崎のレベルの高い連動性と比べると、我々の行き当たりばったり感は際立っていた。
昨季まで積み上げた連動性、焦れずにしっかりパスをつないで敵を揺さぶる、崩すというベースの上に、今季、勝ちにこだわる厳しさを上積みするということで新監督を招聘したはずが、これまでできていたことさえできなくなっているのではないかと心配せざるを得ない試合だった。
シュート数6-12、ポゼッション38-62では、まあ完敗と言う他あるまい。
とはいえ、川崎も風間監督の下で今の形ができるまで、批判も浴びながら苦しんで時間をかけたのだ。新しいことをやろうとするときに時間がかかるのは当然。だが、前節のレビューにも書いたように、それにかけられる時間はそう多くないし、水曜日の鹿島戦だって序盤に奇襲攻撃のような形で2点取れたからよかったようなものの、それ以降はほとんど見るべきもののないシュート6本のしょっぱい試合だったはずだ。
鹿島戦のメンバーならやれるとか気持ちが見えないとかそういう問題じゃない。ミスがよくなかったという話でもない。ミスはチャレンジの結果だしそれまでにも決定的な形は作られていたのだ。
ある程度コアのメンバーで中核となる戦術をしっかり共有し、オレたちはこうやって勝つという「型」をまず自分たちの動きとして消化することだ。それができてないから敵に主導権を握られると受けに回って総崩れになってしまう。ミスはその表れに過ぎない。
また、そうして型を見失ったときにチームをまとめ、鼓舞する選手が見当たらないのも大きな問題点だ。1点目を失った後、エドゥがしきりに手を叩いて声をかけていたが他の選手はどうだったのか。そのエドゥを下げた後半、チームのモラル面を引っ張って行く役割はだれが果たしたのか。結果論になるが羽生を後半スタートから投入しておけばと考えてしまう。
いずれにしても東京は今、新しいスタイルに挑戦するために通らねばならない険しい道を必死で踏破しようとしているところだ。戦っていない選手はいないしこの負けをだれよりも悔しく思っているのは選手であり監督である。サポーターが真っ先に投げ出す訳には行かない。この1週間でどう修正するか。リーグ戦は続いて行く。
評点(評点は
ドイツ式
):
権田(5) ファイン・セーブもあったが4失点はどうにも正当化できない。
徳永(5) 守備では敵の鋭い攻撃によく立ち向かったがハイプレスに手を焼いた。
加賀(5) 敵のカウンターを止めきれず。終盤のケガが心配だが…。
森重(5) 個々の局面ではいい働きもあったが終始苦しい戦いを強いられた。
太田(5) クロス、プレースキックともに精度が今ひとつだった。
高橋(5) 戦術眼は随所に見せたが中盤を制圧できず縦に通された。
米本(5.5) ボールの後追いになりバタバタの元凶に。致命的なミスも。
東(4.5) 一人で広いエリアをカバーしたが連係足りず生きなかった。
三田(5.5) パタパタ追いかける守備の限界が出た。致命的なミスも。
渡邉(5) ウィングよりは動きに精彩が見えたがシュートは1本のみ。
エドゥ(5) 収めるに足るボールが入らず孤立。前半での交替は残念。
===
河野(5) 積極的に動き回ったが連係が見られずバラバラ感を加速。
平山(5) 落としなど精力的に動いているのは分かるが質は高くなかった。
羽生(-) 時間は短かったが、動きを作り出す意識は健在だった。
石川ベンチ外はショックだった。
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FC東京
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J1リーグ戦
2014年03月20日 01:00
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【ナビスコカップ第1節】FC東京×鹿島
■2014年3月19日(水) 19:00キックオフ
■味の素スタジアム
平日の夜開催となったナビスコカップの今季初戦。まあ、シーズンに何試合かが平日開催になるのは仕方ないとして、これまでは国立競技場での開催で都心のサラリーマンを呼び込んでいたが、今季はすべて味スタ開催。
味スタで7時キックオフということになると、例えば丸の内で働くサラリーマンは6時過ぎに東京駅から中央線快速に乗らないと7時までに飛田給に着かない。新宿勤務でも6時半の京王線特急に飛び乗る必要がある。
多くの会社では5時とか5時半が定時だろうが、実際問題として昼間散らかした仕事を無理やりにでも片づけて「お先に失礼しま〜す」と職場を飛び出すのは頑張って6時というのがだいたいの実態ではないだろうか。
これではあまりにカツカツである。国立競技場は建て替えに入るので平日夜の試合もこれからは味スタで開催することになるだろうが、味スタならキックオフは7時半にして欲しい。この30分は、仕事を終えてから駆けつけようとしている多くの真面目なサラリーマンには大きい。これは本当に真剣に検討して欲しい。
さて、前置きが長くなったが、僕は7時キックオフはどう考えてもちょっと苦しいと初めから諦めていたので休みをもらい、日中は街をぶらぶらして夕方から味スタに出かけた。
晴れの予報に反して曇り空。雨は降らないものの気温はあまり上がらず、肌寒い観戦になった。僕はヒートテックにダウンジャケット、マフラーにニット帽、手袋とそれなりの防寒をして行ったのでしのげたが、昨日が暖かかったからとコートも着ずにスーツだけのサラリーマンとか気の毒だった。
東京は週末のリーグ戦から大胆なターン・オーバーを敢行。先発メンバーを8人入れ替えた。新人の松田が右SBで初先発した他、吉本、野澤、甲府から復帰した羽生、肩のケガで出遅れ三田にポジションを埋められた米本らが先発した。
塩田
松田 吉本 森重 太田
米本 野澤 羽生
渡邉 河野 平山
渡邉、平山を2トップにした4-4-2のように見えたが、中盤は野澤をアンカーに、河野をトップ下にしたダイヤモンド型だったようだ。
試合は東京が果敢にボールにチャレンジする展開。GK以外リーグ戦からメンバーを動かしていない鹿島に対して、前線ではパスコースを切りに行く守備、中盤ではボールホルダーへのトライ、最終ラインでは落ち着いたチャレンジ&カバーと、しっかりした守備からボールを奪っては、素早い切り替えからショートパスをつないで狭いエリアを脱し一気に押し上げるという戦術が徹底している。
8分、米本が裏へ放りこんだボールを追った河野がトラップで敵をかわすと難しい体勢だったが右足でシュート、これが決まり東京が早い時間に1-0と大きな先制点を得る。
さらに10分、渡邉からのパスを受け一発で左サイドの密集を抜け出した河野が敵ペナルティ・エリアに切りこみ、DFを引きつけてから、後ろから上がってきた太田にパス。太田がこれに左足で合わせ、敵GKのニアを抜く鋭いシュート。これが決まって東京が2-0とリードを広げる。東京はシュート2本で2点を上げた。
しかしその後はやや守りの意識が出たか、鹿島の攻撃に対して受けに回る時間となる。守備の意識は崩れず、集中もしているので失点には至らないが、ボールを奪っても前線に収めどころがなく、攻撃は散発になりなかなか得点の予感のするシーンを作れない。というよりシュートが全然打てない。
敵のシュートミスもあり、「やられた!!」と目を覆うような場面はないものの、なかなかボールを支配できずしんどい我慢の時間。43分、渡邉からのクロスをエリア内でゴール正面の平山が足許に収め、敵DFを強引にブロックして一歩抜け出すが、後は流しこむだけのところで大きく枠を外す。
結局得点後の35分間はほぼ守備に費やされ、放ったシュートは得点を含め3本。何とか2点差を保ったまま前半を折り返す。
後半に入ってもボールを保持し効率的にパスをつないでくる鹿島に対し防戦に回る展開が続く。54分、1ゴール1アシストの河野を下げて三田を投入する。河野が守備の局面で利いていないとの判断か。三田はそのままトップ下に入った。
58分、ショート・コーナーから太田が上げたクロスに平山が頭で合わせるがGK正面。59分、渡邉に代えて武藤を投入。武藤はトップに入る。武藤と三田の思いきりのいい攻撃で前線に流動性が生まれ、カウンターに迫力が出てくる。
だが、一方で東京は次第に運動量が落ち、中盤が間延びして縦に的確なパスを通されるようになる。敵陣で失ったボールを素早く最終ラインに入れられるため守備がバタつく局面が目につくが、敵のシュート・ミスにも助けられ、また塩田の好セーブもあって最後のところは何とかカギをかけている。
試合がオープンになる中、71分、武藤が右サイドを上がる松田にパス。持ち上がった松田が中央にクロスを上げると、ニアに飛び込んだ三田が敵DFにかぶせられながらも頭で合わせゴール。東京が3-0とリードを広げ、試合を決めたかと思われた。
ところが直後の72分、敵の中盤からふわっとDFラインを越えて裏に落とすパスを出され、これを拾われてシュートを決められ失点。3-1と再び2点差になる。得点直後の失点であり一瞬集中が落ちたところ。詰めの甘さが出たという他ない。さらに詰め寄られるようだと流れが鹿島に傾く。踏ん張りどころである。
東京は79分、羽生に代えて石川を投入。米本、野澤を横に並べたフラットな4-4-2になる。2点差はあるもののその後も防戦に回る時間が長くなかなか安心できない。とはいえ最後にはしっかりボールをキープし、なるべく自陣から遠いところで時間を使う意識をはっきり示す一方で、鹿島の攻撃も散漫になり、何とか2点差を保ったまま逃げきった。
序盤はいい形から早々に2点を奪ったが、その後はリスクを取らないという判断なのか、あるいは得点を狙って圧力を上げた鹿島に押しこまれたか、防戦一方となり敵に脅威を与えるような攻撃の形が作れなかった。
守備は機能しておりおかげで無失点で前半を折り返すことができたが、後半になって敵が中盤の選手を入れ替えてくると、次第に中盤を使われるようになり、縦のボールを効果的に入れられて後ろでの守備を強いられる時間帯が続いた。
いい時間帯に追加点を奪うことはできたが直後に失点してチャラ。若手が躍動し、ベテランが存在感を見せて、カップ戦とはいえほぼフル・メンバーの鹿島に3-1と勝ちきったこと自体は高く評価すべきだし、守備面では収穫もあったが、内容的に見れば手放しに喜べるような試合でもなく、この試合の中で、だれのどの部分を成果としてリーグ戦にフィードバックするのか、その見極めが監督の大きな仕事になると感じた。
この試合、東京のシュートはわずかに6本。効率がいいと言えば聞こえはいいが、敵GKがレギュラーでなかったことも考え合わせれば、シュートが6本しか打てていないことは直視するべき。
あと、得点の直後に失点したことも大きな反省材料。敵のベテラン二人の連係に軽くひねられて1点を返され、一度は決定づけかけた試合を再びオープンにされた。意表を突いたパスと、それに呼応して裏に抜け出した敵MFにだれも対応できなかった。
ナビスコカップは6試合のグループ・リーグであり1勝の価値は高い。また、今季公式戦初勝利でもあり、粘り強い守備から結果が出たことの意味は小さくない。規律という点で見るべきもののあった試合で、反省材料はしっかり検証しながらチーム戦術の浸透、連係のレベル・アップを急ぎたい。監督も今日の試合でいろいろと腹に落ちたものがあるのではないだろうか。
僕としては河野が結果を出したことが嬉しい。ヴェルディから大きな決断で移籍しながら2年間はなかなか出場機会も得られず、結果も出なかったが、今日の試合でようやく自分が何者か、何のために決断したのかを示すことができた。まだまだ守備面やプレー選択に甘さがあるようには思うが、一方で彼にしかできないプレーもあり、願わくば長所を伸ばす形で成長して欲しい。勝負の年であり頑張って欲しいプレーヤーだけに今日の活躍は嬉しかった。
次の試合は日曜日の多摩川クラシコ。リーグ戦初勝利を勝ち取りたい。
評点(評点は
ドイツ式
):
塩田(3.5) 1失点はあったものの好セーブを見せ勝利に大きく貢献した。
松田(4) アシストはあったものの対面でボールを奪われるなど課題も見えた。
吉本(3.5) 愚直に敵の攻撃を跳ね返し続けた。J2での試合経験が生きた。
森重(3) 敵のFWを封殺。不慣れな選手の分も含め広い範囲をカバーした。
太田(3) シュートは見事。裏を狙われるのはもはや覚悟の上か。
米本(3) 中盤でボールを狩り続けた。奪ったボールのつなぎも向上している。
野澤(4) しっかりアンカーを務めたが、冴えのあるクサビまでは望めないか。
羽生(3.5) 中盤でスペースを消し続けた。地味だったが羽生らしい活躍。
河野(3.5) 序盤は素晴らしい活躍だったが次第に消えることが多くなった。
渡邉(4) 敵の多いエリアでも落ち着いてボールを捌いたがシュート0は…。
平山(4) 力技でボールを運んだが起点になりきれず。意欲は見えたが…。
===
三田(3) 思いきりのいいプレーで試合終盤を引き締めた。得点は見事。
武藤(3) ファースト・タッチで決定的な形を作れる稀有な能力。
石川(-) 時間短し。特徴は見せられたと思う。
リーグ戦のメンバーが楽しみだ。あと、しつこいようだけど平日夜は7時半キックオフでお願いしたい。
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FC東京
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ナビスコカップ/ルヴァンカップ
2014年03月18日 22:36
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【緊急コラム】フットボールとレイシズム(始末編)
浦和に対する無観客試合の処分が出された。
チェアマンの記者会見も見たがしっかりと問題の核心を理解しており好感が持てた。最初は「差別的な意図がなければ厳罰」とか呑気なことを言っていたが、すぐに事態の深刻さを自覚して軌道を修正したのは正しかった。
「浦和のアレはFIFA的に最も厳しく見られる類のヤツだと思う。無観客とかマジあり得るレベルじゃないのか」
これは僕が浦和×鳥栖の試合があった夜(3月8日)に書いたツイートである。無観客試合が当たったのはまぐれだが、この出来事が深刻なヤツ、ヤバいヤツだという認識はその時からはっきりしていた。前回の「
フットボールとレイシズム(事件編)
」にも書いたが、レイシズムがFIFA的に最もセンシティヴなテーマだということは分かりきったことだったからだ。
「これは差別的意図があるとかないとかいう問題なのか。外形的にアウトのヤツじゃないのか。認識甘すぎると思うわ」
「差別的な意図はなかったが結果的に一部の人に不愉快な思いをさせ世間を騒がせたことは遺憾である。とか言い出しかねないなww」
これはどちらも月曜日(3月10日)のツイート。「差別的意図があれば…」とか言ってた時のヤツだ。こんなこと言い出したらJリーグがFIFAの信用を失うだけでなく、我が国が世界から「日本はレイシズムに鈍感な国」と思われるしそれはもはや外交的な意味で大きな損失だと思ったのだ。
「今回の浦和の件では我々も学ぶべきことがあると思う。『軽い考え』や『その場のノリ』がどれだけシリアスな結果を招き得るか。どれだけたくさんの人に無用の迷惑をかけるか。ひとりひとりの行動が問われるということ」
これは処分が発表された3月13日のツイート。これはひとり浦和だけの問題じゃないということを言いたかった。
「社会に考えの足りない者やハネ上がりは一定の割合でいるので、どんな集団にもだいたい同じ割合でそういうヤツがいるのは当たり前。東京のサポも当然そう。だからこそ今回の経緯は胸に刻みたい」
これも同じ日。こういうことをやっちゃう素地はどんな集団にも、もちろん東京のサポにもある。浦和を指さして笑うことなんてできない。我々だってレイシズムの謗りこそ受けていないが柏のピッチに乱入したりヴェルディ戦で灰皿投げてケガをさせたりレーザー・ポインターを選手に当てたり、ほめられない事件は過去に起こっている。
社会に犯罪が尽きないように、サポーターの不規則行動は常に起こり得るし、残念ながらサッカーを見に来るよりは日ごろのなにかの鬱憤を騒いで晴らしたいだけの人、応援そのものが自己目的化してフットボールもクラブもどうでもよくなってしまっている人などが何がしかの割合で混入しているのは避けられない。議論はそれを踏まえるところからしか始まらないということだ。
「ヘンな話になるが、これが単純な暴力沙汰ならここまで大きな問題にはならなかったと思う。『レイシズム』というのが非常にネガティヴかつセンシティヴなNGワードだというのは知っておくべき。あと『テロリズム』も」
これも同じ日のツイート。これはレイシズムがいかに世界のフットボール・ファミリーの中でセンシティヴな問題か、いや、「レイシズム」とか「テロリズム」とかがいかに国際社会で軽々しく取り扱ってはいけない問題かを言いたかった。あと宗教の問題も。
おそらくは幸福なことに、日本は極めて均質性の高い国民で形成された国家である。海に囲まれて他国との人の行き来は限定されているし、自分の国でしか通じない言語を話す、基本的に内側を向いた国である。人種とか民族とかマイノリティとか宗教対立とか言われてもピンとこないし、それらがどんなに面倒くさく、ややこしく、悲惨な問題に発展し得るかという想像力もあまりない。そういうのに慣れてない。
だが、これらはひとたび外国に出れば恐ろしくリアルでセンシティヴな問題である。何より僕たち自身が黄色人種であり、あるときは非差別階級であり、あるときは日和見主義者であり、またあるときは経済力を背景にした抑圧者ですらあり得る。そういう単純な事実に対する経験や想像力の欠如が今回の浦和の対応の立ち遅れの背景には間違いなくあるし、それは僕たち自身だって変わるところはない。
「相手クラブ相手サポその他関係ない人にたくさん迷惑かけるから無観客はいかがかという声もあるが、関係ない人を否応なく巻き込んで『こんな大ごとになっちゃいますよ』ということを共有するのにむしろ意味があるっちゅうことやと思うわ」
これが今のところこの問題に言及した最後のツイート。3月15日(土)のものだ。清水のクラブ、サポにはまったく同情するし、大多数の浦和サポだってとばっちりだろう。だが、そうやってたくさんの人に迷惑をかけることで、より多くの人が「なんでやねん」「なんやねんこれは」と思うだろう。そしてレイシズムが一発アウトだということが少しずつ共有されて行くだろう。経済的な制裁という意味ももちろんある訳だが、「多くの人に憤りとともに考えてもらう」ということの意味は大きいと僕は思う。
今回の出来事が提起した問題は決して浦和サポの一枚の横断幕のことだけではない。それは僕たちがフットボールを楽しむ上で最低限知っていなければならないこと、そしてまた、否応なく、すんごいスピードで進んで行くグローバル化の中で僕たちが学ばなければならないことを「ほら」と見せてくれたのだ。
社会に一定の割合で「考えの足りない人」が存在している限り、残念ながら似たようなことはこれからも起こるだろう。その時にどう行動するのかということをすべてのフットボール・サポーター、すべての日本人が考えるのでなければ清水サポの怒りは報われない。
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Jリーグ
2014年03月17日 22:06
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【ブンデスリーガ第25節】BVB×グラードバッハ
■2014年3月15日(土) 15:30キックオフ
■Signal-Iduna-Park
土曜日午後のキックオフであるが、例によってスカパーで中継がないのでまたしても動画サイトを転々と。3つくらいのサイトを時間帯によって往復しながら最後まで経過を追うことができた。何にしても大した時代ではある。
もう振り返るのもイヤになってきたがグラードバッハはウィンター・ブレイク前から9試合未勝利。その間5分4敗と何とか引き分けで地道に勝ち点を積み上げてはいるものの、上位からはじりじり離されつつあり、また前節は順位の近いアウクスブルクに逆転負けを喫したこともあって行き詰まり感は強い。
もっとも、先週にはファヴレ監督が契約を延長したというニュースもあり、この監督とこのやり方で続けていくというクラブの意思が明確に示されたことで、サポ的にはすっきりした部分があるのは確か。今節、2位のBVBとアウェイで対戦するということで厳しい試合が予想されるものの、もはや開き直りの境地で自分的にはむしろ強気。
グラードバッハはヤンチュケが負傷で欠場となったため、クラマーが先発に復帰。それ以外は前節と同じ布陣となった。
テア・シュテゲン
コープ シュトランツル ドミンゲス デムス
ヘアマン クラマー ノードファイト アランゴ
ラファエル クルーゼ
グラードバッハは序盤から果敢に戦いを挑む。高い位置からプレスをかけ、ボールを奪えば一気に押し上げて、臆することなく速いテンポでワンタッチ、ツータッチのパスを当てながら敵のDFにギャップを作り出そうとする。
リスクも高くちょっとしたパスのズレからボールを失うことも少なくないが、攻撃的な姿勢を貫くことでBVBと遜色なく渡り合えているように見える。しっかりとボールをつなぐことでこのところノッキング気味だった攻撃が機能、19分にはシュトランツル(だと思う)から左寄りでパスを受けたヘアマンがシュートを放つが枠外。
似たようなスタイルで、ボールを奪っての素早い切り替え、押し上げを繰り返すため、息もつかせぬスペクタクル。テンションが高く忙しい展開が続くが、見る限りBVBは一時ほどの精度がなく、結構手前で敵の攻撃が刈り取れる上、最後のところはテア・シュテゲンの好守もあり先制を許さない。
すると31分、カウンターで駆け上がったラファエルから右サイドを並走したヘアマンへパス。ヘアマンが入れた低いクロスはいったん敵DFにブロックされるが、こぼれ球を拾い直して再び中央に送ると、ラファエルが体勢を崩しながらも残した右足で合わせてゴール。グラードバッハが敵地で1-0と貴重な先制点を得る。
さらに40分、右サイドのヘアマンから中央でボールを受けたアランゴがワンタッチで左サイドのクルーゼへ。クルーゼは華麗なステップで敵GKとDFを2回切り返してシュート・コースを開け、ゴールに流し込んで追加点。10分の間にグラードバッハが2-0とリードを奪った。
後半に入りBVBも圧力を増してくるが、グラードバッハも自陣でのコンパクトで堅い守備と、ボールを奪った後の危険なカウンターでこれに対抗。BVBの攻撃が今ひとつ雑なことも相まって敵に得点を許さない。ピンボールのようにボールが行ったり来たりする忙しい展開が続く。53分にはクルーゼがシュートを放つがGK正面。60分にはクルーゼが右から入れたボールにヘアマンがダイレクト・ボレーで合わせるなどおもにカウンターからチャンスを作る。
しかし、69分、ノードファイトが敵FWを押し倒してファウルを取られた上、笛が鳴ってからボール大きく蹴り出してしまいこの試合二度目の警告を受け退場に。BVBの強力な攻撃を10人でしのぐことになってしまう。グラードバッハは75分、クルーゼを下げてマルクスを投入、前線を一枚削ってボランチの穴を埋めに行くが、直後の77分にCKのこぼれ球を後ろから蹴りこまれて失点、2-1と1点差に詰め寄られる。
ここからはとにかくなりふり構わず1点差を守りに行くグラードバッハと、何とかそれをこじ開けようとするBVBという分かりやすい攻防になる。79分、ヘアマンに代えてルップを投入。89分にはラファエルを下げてブラウアースを投入して逃げきりを図る。
アディショナル・タイムにはヒート・アップした敵の監督が判定に対する暴言で退席になるおまけもついたが、グラードバッハは残り時間を守りきって2-1とBVBに勝利を収めた。
昨年12月7日、ホームでの第15節シャルケ戦以来の勝利。最後はかなりバタバタしたものの何とかしのぎきった。シュート数25-7、ポゼッション57-43と数字的にはBVBの試合だったようにも見えるが、BVBの攻撃にはミスも多く、丁寧に対応しながら数少ないチャンスを効率的に生かすことのできた勝利は決してフロックではなかった。
BVBが正面から打ち合ってくれた分、ボールを奪ってからの素早い展開が生きるシーンも多く、リスクを取りながらも互いにワンタッチでのパスを当てて流動的に攻撃を仕掛ける意図がしっかり表現できていた。勝てなかった時期に失われていた微妙な最後のピースがカチッと収まった感じがあった。
アランゴ、ヘアマンがしっかり攻撃に絡んでいるとともに、ラファエル、クルーゼがチャンスを決めきったのが大きい。特にクルーゼはこのところ得点が伸びていなかっただけに、ここでゴールが出たのはひとつ大きなきっかけになるだろう。
グラードバッハは勝ち点を39に伸ばし、順位も一つ上げて7位に。5位までは次の試合で到達可能、4位も射程には入っており、勝てなかった間に引き分けで積んだ勝ち点の大きさを実感。ここから再び上を向いて反攻できるかは次節、ホームでのヘルタ戦次第になるが、この試合でつかんだ手がかりを生かすために何としても勝ち点3が欲しい。
ヤンチュケ、ヴェントらケガの選手の状態は気になるが、ノードファイトの退場分はシャカが戻ってくるだろうしマルクスもいる。今季残り10試合を切り、ヨーロッパ・リーグ圏内の6位は最低でも確保できるように態勢を整えたい。ちょっともたついたが昨季よりここまでの地合いはいい。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「我々はつらい時期を過ごし、今はもちろんみんなホッとしている。我々は何としてもここで何かを手にしたいと思っていた。もちろんそれが難しいということも分かってはいてもなお。我々はあるべき時に得点を重ねることができたが、前半で2-0とした後は非常に難しくなることも分かっていた。ドルトムントは終始危険で、ファンの後押しを受けていいプレスをかけてきた。我々はしばしばかつかつの状態だった。特に退場者を出した後は。大変難しかったが、我々にとってはスーパーな勝利だ」
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2014年03月15日 23:42
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【Jリーグ第3節】神戸×FC東京
■2014年3月15日(土) 19:00キックオフ
■ノエビアスタジアム神戸
関西でのアウェイ・ゲームは一応遠征を検討する対象だが、夜9時に和田岬で試合が終っても結構後が困るということで見送り。もうちょっと早ければそのまま新幹線に乗って帰ってくるなり実家に帰るなりするのだが。という訳でスカパー観戦に。
東京は開幕から2試合続けて先制しながら追いつかれての引き分け。アウェイとはいえここは勝ち点3を持ち帰りたい試合である。特に前節、追いつかれてから攻撃がメロメロになっていたことを考えれば、どう立て直すかしっかり注目したい。
先発は前節と同じメンバーだが塩田がベンチに復帰。先週は何だったんだろう。また河野もベンチ入り。圍と野澤が遠征から外れたようだ。
権田
徳永 加賀 森重 太田
東 高橋 三田
渡邉 エドゥ 武藤
開始早々の1分、FKを裏に放りこまれ飛び出した敵FWにゴールを決められるがオフサイド。「オフサイドだろ」とは思ったもののいきなりでさすがにドキッとした。テレビだと副審が見切れてたりして自分で確認できないので心臓に悪い。
しかしその後は東京が危なげなくボールを支配する流れに。11分エドゥからのパスを受けた渡邉が左寄りをドリブルで上がりシュートを放つが敵GKがセーブ。これが東京のファースト・シュート。
その後も東京は素早い切り替えからの敵陣でのファースト・ディフェンス、敵の遅攻に対しては自陣でしっかりブロックを形成するというメリハリの利いた守備から敵に攻撃の形を作らせず、奪ったボールはエドゥを経由して渡邉、武藤が受ける攻撃を徹底して主導権を握る。
22分、高橋が敵陣で奪ったボールを自ら持ち出してシュートを狙うがヒットせずボテボテに。25分、三田から渡邉を経由して左サイドの太田に展開したボールからクロスが入る。武藤がニアに飛び込むが引っかけたシュートはサイドネットに。
33分、太田のCKからこぼれたボールを走りこんだ三田が狙うが枠に収まらず。38分には徳永から東を経由してボールを受けた渡邉がクロス、これに中央で武藤がヘディングするがこれも枠外に。41分にもエドゥからパスを受けた武藤が中央に切りこんでシュートを放つがGKにセーブされる。
43分には徳永からのパスをエドゥがヒールで落とし渡邉がシュートを放つがDFに当たる。こぼれ球に渡邉が再び詰めるが枠外に。前半はしっかりとした守備から敵のパスを果敢にカットして攻撃につなげ、9本のシュートを放ったが敵GKの好守もあり得点に至らず。スコアレスでハーフ・タイムとなる。
チャンスは作れており、敵にはほとんどやらせていなかったが(神戸の前半のシュートは4本)、こういう展開で得点がないと後半流れが変わったりするので後半の入りには注意をしたいところ。ポゼッションは神戸に譲った感もあるが、クリティカルなゾーンには侵入させずその手前でカットすることができていたと思う。
後半に入って52分、太田がFKを直接狙うが敵GK正面。するとその直後、自陣で敵MFと競った徳永がボールを奪い、敵を背負った格好で東に預けると東が権田にパックパス。ところがこれを敵FWにさらわれ、中央に展開されて失点。0-1とリードを許す。GKに戻そうという東の判断は間違っていないと思うがパスが中途半端になってしまった上、中央でも簡単にシュートを打たせてしまった。自滅と言っていい失点で無用のビハインドを背負ってしまう。
流れをつかんだ神戸は前半と見違えるようにボールが回るようになり、何度かクリティカルな攻撃を仕掛けられる。東京はバタバタして敵の攻撃への対応が後手に回り始める。7162分、DFラインに入ってパスを受けた敵MFの反転を許しエリア外からのシュートを許す。これが決まって0-2。痛い追加点を奪われ東京は前に出るしかなくなってしまった。
66分、武藤を下げ米本を投入。三田をサイドに押し出し、渡邉をエドゥと2トップにする4-4-2にしたように見えた。すると直後の67分、米本のパスを受けた三田がこのボールを右に展開、裏に抜け出したエドゥがこれを冷静に流し込んでゴール。一瞬オフサイドではないかと思ったがゴールは認められて1-2と東京が1点差に詰め寄る。
ここからは次第に疲れも出る中、勢いに乗り同点を狙って攻めようとする東京と突き放そうとする神戸のオープンな打ち合いになって行く。
73分、高橋からボールを受けた東がミドルを狙うが大きく枠を外す。80分、渡邉を下げて河野を投入。再び河野を右、三田を左に置いた4-3-3に戻したか。あるいは河野にトップの動きを期待か。さらに87分、高橋に代えて平山を投入。東と米本のダブル・ボランチ、河野と三田がSHで再び4-4-2か。もうよく分からない。
88分、平山が左サイドの深いところでボールを受け、これを中央にグラウンダーで転がすと米本が合わせたがDFがブロック。91分、三田からのクロスにエドゥが合わせたがGKがセーブ。92分、エドゥの落としに河野が左足を振り抜くがGKがセーブ。こぼれ球に再び河野が詰めようとするが敵DFに守られてGKがボールを確保。押し込むことはできなかった。
終盤リスクを取って得点を狙いに行ったもののあと一歩でゴールを割ることができず1-2で今季初めての敗戦を喫した。
開幕から2分1敗の勝ち点2と出遅れているが、内容的には前節の甲府戦よりよくなっており悲観するような状況ではない。かなり高度な決まりごとのあるフットボールを目指しており、その中で個がどう機能するかという難しい局面なので、もどかしくても耐えるべき時期だろう。
実際、しっかりした守備を基盤にしながらも時間帯によって戦術的にそのやり方を変化させ、ボールを奪えばエドゥを起点に両ウィング、アンカーも含めた中盤3人にSBも加えて一気に押し上げて攻撃に切り替えるスタイルは、連係がしっかりとはまれば強力なものになり得るし、ゲーム・マネージメントとしてもこれまでより一段も二段も上のもの。
型をしっかりはめることでメンタルも含めた局面をコントロールしようとする意図ははっきりしており、滑り出しとしてはそんなに悪い訳ではないし、それをやりきれるだけのタレントは揃っている。結果が出ていないのが苦しいところで、ラッキー・パンチでもいいからまず1勝が欲しいのは確かだが、ここで型を崩す必要はないし、信じて貫くべき時期。
性急に結果を求める声に過剰に反応することはないが、タイトルを狙うのなら許される助走はそんなに長くはない。ナビスコも上手く使って戦術をしっかり熟成させ、オートマティズムのレベルを日々上げることでしか成果は得られない。
水曜日にはナビスコの初戦がある。鹿島とかいきなりイヤな相手だが、思いきったターン・オーバーで戦術の浸透を図るのか、不動のメンバーでまず中核をしっかり形成するのか。監督の思想も垣間見えそうで面白い試合になると思う。7時から味スタは厳しいがたくさんの応援で後押ししたい。
リーグ戦ではホームでの多摩川クラシコが控える。ここ、しっかり行きたい。
評点(評点は
ドイツ式
):
権田(4) 1点目はDFとの連係が甘かった。2点目も何とかならなかったか…。
徳永(4) 敵のウィングにほぼ完勝。アップダウンをこなしながら強さを見せた。
加賀(4.5) 速さを生かした守備で特徴は見せたが失点は対応が甘かった。
森重(4.5) やはり万全でないのか、プレーに切れを欠き、らしからぬ出来。
太田(4.5) 攻撃には絡んだが守備では裏で起点を作ら苦しい対応を強いられた。
東(4) 致命的なミス。だがそれもあらゆる隙間を埋める運動量あればこそ。
高橋(4) 攻撃参加とリトリートでセンスを示す。今季好調を維持。
三田(4) 前半は今ひとつだったが後半から尻上がりに調子を上げた。
渡邉(4.5) やはりポジションがミスマッチ。真ん中で使ってやりたい。
エドゥ(3.5) 厳しくマークされたがしっかりボールを受けてくれた。
武藤(4) 勢いのあるうちに得点が欲しい。後半はやや息切れしたか。
===
米本(4) 試合の終盤を引き締めた。流れを変える意識高かった。
河野(-) 時間短し。
平山(-) 時間短し。
渡邉が窮屈そうで気の毒。渡邉をワントップにしてエドゥがサイドで起点を作るか、エドゥと渡邉の2トップで4-4-2にするという考えはないのか。
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FC東京
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J1リーグ戦
2014年03月11日 20:43
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【緊急コラム】フットボールとレイシズム(事件編)
浦和のゴール裏コンコースに掲出された「Japanese Only」という横断幕が物議を醸している。Jリーグの村井チェアマンは「差別的な意図があれば厳しく対処する」と「差別的な意図」の有無がポイントであるかのようなコメントをしており、また掲出者は「人種差別の意図はなかった」と説明しているとの報道もあった。
だが、この横断幕の文言を虚心に見る限り、そこに「差別的な意図」がなかったと見るのは相当ムリがある。英語を母語とする人10人にこの横断幕が掲出された状況の写真(横断幕の隣には日章旗が掲げられていた)を見せてみればいい。おそらく10人とも「これは日本人以外の選手または応援者を排除する趣旨である」と理解するのではないか。
もっとも、これに対しては、浦和には現在マルシオ・リシャルデスしか外国籍選手がおらず、そのリシャルデスもケガの治療のためブラジルに帰国中であることから「日本人だけでしっかり戦うぞ〜」的な意味だという説、そういう状況なんで「日本人しかいねえじゃねえか、しっかり外国人枠使って補強しろよ」とフロントを批判する意図だとする説、などもあるらしい。
笑止である。
この期に及んで何を言っているのか理解に苦しむ。この横断幕が掲出された背景には、今季浦和に加入した李忠成選手への民族的偏見に起因する差別意識があり、彼を揶揄し排除する意図があることは、この日聞かれたという李に対するブーイングや差別的な野次、ピッチに向けて掲出された「日本人」と上書きされた日章旗などとの関連からも明らかではないか。
しかし、問題の本質はそこではない。掲出者にどんな意図があったのか、差別的な意図があったかどうか。それは掲出者をどう「処分」するかという意味では重要なことだろう。だからクラブが掲出者から事情聴取し、その意図をきちんと把握して然るべく処分することは必要だし粛々とやってもらえればいい。しかし、本当に大きな問題は掲出者の意図を超えたところにあるはずだ。
コンコースからピッチに出る通路にのれんのようにぶら下げられた「Japanese Only」の横断幕。これが浦和を応援に訪れた日本人でないサポーターにどう映るのか。これを知ったリシャルデスやペトロヴィッチ監督は何を思うのか。他のクラブの選手やサポーター、ニュースを見た日本の、そして世界の人たちは何を考えるのか。
例えば長谷部や細貝の出る試合が見たくてはるばる渡独し足を運んだスタジアムのゲートに「German Only」と書かれていたらどう思うのか。この横断幕が掲出者の意図を超えて、外来者、外国人に対する敵意、不寛容、拒絶の強い意思表示として機能していることは疑いようのない事実だ。
それが差別なのだ。
もし仮に掲出者が積極的に誰かを差別しようとしていたのではないとしても、自分の掲出したものがそのように他者、少数者に対する強い圧迫、抑圧として機能し得ることに無自覚、無神経、鈍感であるということ自体が差別的なのだ。それは無知や英語力の欠如で説明のつく問題ではないのである。
そう考えれば、この横断幕を認知しながら直ちに撤去しなかったクラブ、「差別的意図があれば」などと呑気なことを言っているJリーグもまた、この横断幕が掲出されているということ自体の差別的意味に無自覚であるという点で差別に加担していると見られても仕方がない。
それは「意図はなかったが結果として傷つけた」「世間を騒がせた」などという「結果的責任」とは次元の違う話である。これは浦和レッドダイヤモンズというクラブ、Jリーグという組織のブランドを毀損する重大な過失であり主体的な責任なのだ。意図にかかわらず外形的にアウトの事案であり、外形的にアウト、一発レッドの認識のないクラブ、リーグもまた同断というしかない。
FIFAはワールドカップでキックオフ前に主将から反レイシズム宣言をさせるなど人種差別の問題には積極的に取り組んでいる。ヨーロッパ各国のリーグも人種差別的なヤジなどには無観客試合も含めた厳しい措置を取っている。今回の浦和の横断幕も、FIFAスタンダードで言えば勝ち点の剥奪や無観客試合になっておかしくない重大な事件ではないのか。なぜフットボールの世界では人種差別、レイシズムはそこまで過剰とも思えるほどナーバスに取り扱われるのか。
それはもちろんフットボールが世界的な広がりを持つスポーツであり、国籍、人種、宗教、言語、政治信条などを超えた世界共通の文化だからである。世界中のどんな人もボールを追うことにおいては対等であり平等であるという考え方が、フットボールが世界中で受け入れられ根づいて行くための重要で不可欠な原点だからである。
そしてまた、そのような開明性、普遍性が、ボールをゴールに蹴りこむという構造の単純さと相まって、「メディアとしてのフットボール」の存在価値を保障しているからである。だが、レイシズムはそうした開明性、普遍性を致命的に破壊し、フットボールを死に至らしめる力を秘めている。だからフットボールはレイシズムを嫌うのである。
だが、フットボールがレイシズムを嫌うのはそれだけが理由ではない。フットボールがレイシズムを激しく嫌うのは、フットボールがそれ自体グローバルなメディアである一方で、時として極めて偏狭なナショナリズムやリージョナリズム、セクショナリズム、そしてレイシズムとたやすく結びつく素地を秘めているからである。
およそスポーツはそもそも闘争の代替物であり、模擬戦争である。戦いは白熱し、観客は熱狂する。熱狂は常に偏狭なものであり不寛容なものである。そしてそれは不合理なものである。我々は不合理な熱狂を求めてスタジアムに足を運ぶのだ。フットボールには、レイシズムとよく似た何かが予め本質的に内在していて、それらが時として激しく互いに共振し得るのである。
だからこそその熱狂は合理的にコントロールされなければならない。熱狂が偏狭で不寛容な敵意や偏見と容易に共振し得るからこそ、それがフットボールの根幹を成す開明性、普遍性を損なってしまわないように、注意深く取り除かれなければならない。時としてナーバス過ぎると思われるくらい注意深く。
FIFAが、フットボール・ファミリーがレイシズムを神経質なまでに恐れ、嫌うのはそのためである。フットボールのグローバル・メディアとしての価値を守ろうとすれば、フットボールと近しく、それゆえ最も脅威的であるレイシズムは何よりもまず排除されなければならないものなのだ。
そのように考えれば、「Japanese Only」などと書かれた横断幕をスタジアムに掲げるような行為は、その意図にかかわらずそれ自体あまりに幼稚で無思慮なものであり、そしてフットボールにとって極めて危険なものであるがゆえに直ちに排除されるべきものであるということ、「外形的にアウト」「一発レッド」であるということの意味が理解されるのではないだろうか。スタジアムは、フットボールは世界に直結しているのだ。
横断幕を掲出した者の認識、意図が厳しく問われなければならないのは当然だが、試合終了まで横断幕を撤去できなかったクラブ、「差別的な意図が確認されれば」などと呑気で的外れなことを言っているリーグは、この行為それ自体の持つ「反フットボール性」にあまりに鈍感でありあまりに無邪気であると言うほかない。
もう一度言う。この横断幕は、そもそも差別的な意図のもとに掲出されたものだと僕は思うが、仮にその意図がないとしても、日本人以外の入場者への強い圧迫、排除の意思表示として機能するものであり、かつ日本人の入場者に対しても煽情的なものであって、それ自体が差別的なものである。
レイシズムはフットボールにとって致死量の毒薬なのだ。
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Jリーグ
2014年03月10日 21:56
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【ブンデスリーガ第24節】グラードバッハ×アウクスブルク
■2014年3月8日(土) 15:30キックオフ
■Stadion im Borussia-Park
土曜日午後のキックオフ。日本時間では夜11時半だがスカパーでは中継がないので今節もネット動画観戦。比較的つながりのいいのが早くに見つかった。
いい加減勝たないと雰囲気がヤバいことになりかねない。順位はそれなりにまだ見れるところにいるが、気がつけば上位からは随分置いて行かれ、中位争いに巻き込まれている。落ちるときは早い。何とかこの辺で足がかりを作らないとズルズル下がって行ってしまう。マズい。
グラードバッハはシャカ、クラマーが警告累積で出場停止。このため、ボランチには前節に続いてノードファイトが先発した他、ヤンチュケがスライド、CBにはアルヴァロ・ドミンゲスが久しぶりの先発となった。また左SHにはアランゴが先発に復帰、エルゴタはベンチ・スタートとなった。
テア・シュテゲン
コープ シュトランツル ドミンゲス デムス
ヘアマン ヤンチュケ ノードファイト アランゴ
ラファエル クルーゼ
開始早々試合が動く。5分、ヘアマンからのパスを受けたラファエルがペナルティ・エリア手前からシュート。これが決まりグラードバッハが早くも1-0と先制。ホームで今日こそは、と思わせる悪くない滑り出しだ。
リードを奪って余裕の出たグラードバッハはやや深めにラインを保ち、しっかりとボールを支配しながら機を見て素早くトリガーを引いて攻撃に出る。10分にはクルーゼがデムスのクロスに合わせるがGKがセーブ。23分、ラファエルのFKにヤンチュケが頭で合わせるがこれもGKがセーブ。
24分にはクルーゼのパスを受けたラファエルが裏に抜け出すがDFに絡まれてシュートを打てず。30分にもラファエルからボールを受けたクルーゼがシュートを放つがGKがセーブ。立て続けにチャンスを作るが、アウクスブルクの守備も整っており追加点は奪えない。この流れで1点取っておきたかった。
すると35分、敵FWがドミンゲスを背負っているところにクロス。これをアクロバティックなバイシクルで決められ失点。1-1の同点に追いつかれてしまう。これはもう敵をほめるしかないゴール。ドミンゲスもしっかりついていたが力と技術で上回られた。調子が悪いとこういうときに「うわ、ヤバいやん、これ」と思うのがよくない。落ち着いて勝ち越し点を取りに行きたいところだが…。
前半はその後見せ場なく1-1のまま終了。グラードバッハは当然勝ち点1では満足できない。後半勝負の展開になる。
後半も前半と同じくグラードバッハがボールを支配するが、きれいな2ラインを形成するアウクスブルクの守備の前に打開できず、敵の守備網の前でボールを回す時間が続く。50分にヘアマンが遠目から狙うがGK正面。63分にラファエルのFKにシュトランツルが頭で合わせるが大きく枠を超える。
66分に再びヘアマンがミドルを放つがGKがセーブ。一方でアウクスブルクにもチャンスを作られるがしのぐ。70分、ヘアマンに代えてエルゴタを投入。さらに74分、クルーゼに代えてムラパを投入し勝ち越しを狙いに行く。
しかし81分、絵にかいたようなカウンターを浴び、左サイドを破られる。ここから折り返したボールをファーで受けた敵FWがシュート。これが決まり1-2とまさかの逆転を許す。スピーディなカウンターに対応しきれなかった。悔やまれる失点だ。
グラードバッハは84分、ノードファイトに代えてユネスを投入。しかし大きなチャンスを作ることはできず、結局1-2のまま試合終了。ホームで痛い敗戦を喫した。
何がよくないのかと言われても正直よく分からないし、それなりに攻撃の組み立てはスピード感を持ってやれているようにも思うのだが、最後のところでラファエル、クルーゼが警戒されてしっかり対策されているということか。
ラファエルはそれでも何とかフィニッシュできているが、クルーゼがこのところ精彩を欠くのが気になるところだ。アランゴが戻ってきて、タメができるようになればクルーゼが生きるだろうか。シーズン前半は17試合で35得点と1試合あたり2点以上取れてたが、ウィンター・ブレイク後は7試合で6点と1試合あたり1点未満。まずこの得点力の落ち込みを何とかしなければならない。
ヘアマン、ラファエルはしっかり流動的に動いて個の力でも勝負できているので、前線のコンビネーションをしっかり再構築したいところだ。
うまく行かないときというのはこういう展開もありがちなのだが、もちろんここで折れる訳に行かないし、やり方が間違っている訳ではないので、微妙な勘所を取り戻すしかない。おそらくメンタルも含めたオートマティズムのちょっとした狂いみたいなものが結果に大きく作用しているのだと思う。
これで24節を終え勝ち点36で8位。1試合あたりの勝ち点1.5は中位の限界点であり、これ以上ズルズル行く訳に行かない。次節はアウェイでのBVB戦と厳しいが、こういう試合こそ開き直って勝ち点3を得るチャンス。もうやるしかない。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「結果については深く落胆している。我々はとても早い時間帯にリードを奪い、序盤は大変うまくプレーすることができた。2-0にすることができたはずだった。しかしアウクスブルクは非常に力を入れてプレーし、ポゼッションからも、カウンターからも非常に危険だった。1-1にされたゴールは大変後悔している。というのもこの失点は無用のボール・ロストから始まったものだからだ。同点にされた後は我々は急ぎすぎた。我々は勝つことにとらわれすぎて、現実的にプレーすることを忘れてしまった。そのために我々はボールを失い、カウンターを浴びることになった。1-2にされたシーンでは後ろで数的不利の状況になっていたが、まったく必要のないことだった。しかし今日われわれは非常にいいチームと対戦したのであり、そのことは受け入れなければならない」
「Fohlen.TV」で動画見返してたらなんかそろそろ行けそうな気がしてきた。
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ブンデスリーガ
2014年03月08日 22:39
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【Jリーグ第2節】FC東京×甲府
■2014年3月8日(土) 15:00キックオフ
■味の素スタジアム
ホーム開幕となる味スタでの甲府戦。天気はいいが気温は上がらず、日陰は冷え込むパターンのヤツ。復帰した羽生へのリスペクトということで22番のACLユニを着こんで味スタに出かけた。
スタジアムはまずまずの入り。まあ、魅力的なフットボールで勝って行きながら増やして行かねばならないということだろう。甲府サポは隣県なのだからもう少し来て欲しかったが、雪の影響もあるのか。あるいは先週ホーム開幕戦が国立開催に振り替わって東京はもういいということか。
ゲート前で東京中日スポーツの特刷りをもらい、入口で開幕キット、それからエル・ゴラッソの特刷り。テントで選手カードをもらいビッグフレームス特典のオフィシャル・ファンブックをゲット。さらに書籍売場でマッチ・デイ・プログラムと2013年レビューDVDを購入。マッチ・デイ・プログラムが200円から300円に値上がりしていた。
キックオフ前には志村けんを招いてのセレモニー。「ヘンなおじさん」の披露があったがスピーチ的なものはなくあっさりと終った。志村は選手への花束贈呈も務め、主将の森重とともに記念撮影して「アイーン」のポーズを決めた。
東京は前節と同じメンバー。控えGKにはなぜか塩田ではなく圍が入り、右肩の脱臼で出遅れていた米本がベンチ入り。
権田
徳永 加賀 森重 太田
東 高橋 三田
渡邉 エドゥ 武藤
試合は開始早々に動く。5分、高橋からパスを受けたエドゥが遠目からシュート。時間帯も早く距離もあったので「取り敢えず打っとけ」的な景気づけのシュートだったが、これが敵DFに当たって微妙に跳ね、GKがタイミングをズラされたか押さえきれず後逸。そのままボールはゴールに転がりこみ東京が1-0と先制する。ラッキーな得点だったが1点には違いない。エドゥにゴールが生まれたのは大きい。
しかしその後はお互いコンパクトにしてラインも高く保ったため、それぞれがボールを持っても出しどころがなくにらみ合う展開に。東京はトップのエドゥ、渡邉、武藤が敵のDFラインに張りつく形になってしまい、ボールを動かせるスペースがなくなって出し入れできない。敵のボールを奪ったところでは三田、武藤を中心に早い攻撃を仕掛けられているが、甲府の守備も堅く攻撃をつないで行くことができない。
逆に守備では前節よりもラインをやや高めに設定したか、集中した守備で甲府にチャンスを作らせず。両サイドが上がる分、ボランチが最終ラインに降りてくることも多いが、高橋はもちろん、東が結構最終ラインでボールを受けていた。
結局前半は我慢比べの状態で互いにこれといった得点機を作れないまま1-0と東京がリードして終了。前半は東京、甲府ともシュート2本ずつと攻めあぐねた内容がそのまま数字にも表れている。
後半序盤は東京が積極的に攻撃を仕掛ける。47分、左サイドから敵エリア内にドリブルで侵入した武藤は、シュート・コースを探しながらそのまま中央までドリブル、さあ打つぞ、というところで足を滑らせたか転んでしまいシュートは空振り。きれいに打てていれば1点の可能性が高いシーンだったが…。
さらにこの流れからこぼれたボールを高橋がエリア外からミドルで狙うがこれはポストをヒット。素晴らしい弾道であと数センチ内側に入っていればというシュートだった。
その後は再び互いに攻撃の形を作りきれない展開。東京はエドゥにボールを預けて打開しようとするが連係の質が確保できずつながらない。
61分、渡邉に代えて石川を投入。石川はそのまま右ウィングに入る。このあたりから攻守ともにやや間延びしたか、次第にオープンになってくる。63分、左サイドの太田が上げたクロスをファーの東が受け、いったんトラップした後「せーの」という感じでシュートを放つ。強いシュートが枠に飛んだが敵GKに腕一本でセーブされた。シュート自体は質が高かったが…。
その後も東京が甲府陣内に押し込み、立て続けにCKを得るなど攻め立てるが得点に結びつかず。この時間帯に追加点が欲しかった。
すると72分、ロング・スローを受けた敵FWにゴール至近正面から強烈なシュートを放たれる。このシュートがポストをヒットし外にこぼれてほっとしたか、ここで足が止まるとこぼれ球を再び中央に放りこまれ、もう一度バイシクル・シュートを放たれてゴール。1-1と追いつかれてしまう。最初のシュートがポストに嫌われたところで一瞬集中が切れ、その後の流れを完全に見てしまっていた。
東京は直後に武藤を下げて米本を投入。高橋、米本をダブル・ボランチにし、石川、三田、東をオフェンシブ・ハーフに並べる4-2-3-1的な並びになる。
ここからは追いついてモラルの上がった甲府に主導権を握られる。東京はボールを奪っても前線に可能性の感じられないボールを放り込むだけになり効果的な攻撃が仕掛けられない。80分には三田を下げて平山を投入、石川、東を左右のSHに置き、エドゥと平山の2トップ的な布陣になるが、攻撃の散漫さがエスカレートするだけで完全に形を崩してしまった。
前線でボールがキープできず、エドゥと平山も関係も不明。監督としては平山を投入してパワー・プレーに出たつもりだったのかもしれないが、アウェイで引き分け上等の甲府に対して単純な放りこみでは集中した守備に遭って跳ね返されるばかり。逆に石川、米本らがボールを奪われるシーンもあり、ほぼ自壊と言っていい状況。
アディショナル・タイムにはエドゥの落としを受けた石川がワントラップから浮いたボールをボレーで狙ったがGK正面。これが最後のシュートとなり試合は1-1の引き分けに終わった。
前節は、勝てた試合でもあり負けてもおかしくない試合でもあり実力が拮抗したクラブ同士の痛み分けで結果として引き分けは妥当だったが、今日の試合は実力差がありリードを奪いながらも苦しい時間帯に集中が切れて失点、そこから流れを引き戻すことができず自滅しての引き分けであり勝ち点2を失った試合。
エドゥに当てるのはいいが、コンパクトに守られ動ける余地が小さい中では当てるボールの精度も高くなく、何とかエドゥが頑張ってボールを収めてくれてもその次が続かなかった印象だった。後半、特に失点後はその精度もどんどん下がってほぼ放りこみに近い形。平山が受けてエドゥを使うのか、エドゥに当てて平山に落とすのかも明確でなく、終盤は残念な縦ポンになり勝ち越しの可能性もグッと低くなってしまった。
ポゼッションは60-40と圧倒しながらシュートは8-9と低調。攻めあぐねた流れを象徴している。CKが9-2と押していたことは間違いないが得点に結びつけることはできなかった。こういう試合をきちんと勝ちきることは今季の大きなテーマのはずだし、そのための新監督、そのための非公開練習だと思うのだが、それが機能していない。
まだシーズンは始まったばかりで、今日の試合だけを取り上げてことさらに悲観的になる必要はないものの、まだまだ連係に課題を残し、今シーズンの攻撃の形をどう構築するのか、走りながら練度、精度を上げて行かなければならない部分が多くあることを認識した試合になった。
監督は非常に細かい約束事を多く要求していると聞き、それ自体は必要なことだと思うが、それがチームとしての機動性と両立していない感が強い。既にシーズンは始まっており修正のために使える時間は多くはない。
6月にあるワールド・カップのブレイクまでに14試合とほぼシーズンの半分を消化する予定になっており、それまでに上位に食い込み、優勝を狙える位置につけていなければならない。そこから逆算すれば、自分たちの攻撃の形をしっかりつかむこと、規律と自由の最適な組み合わせを見つけることは待ったなし。
次節はアウェイでの神戸戦。難しい相手であり計算できる試合ではないが何とかここで勝ち点3を持ち帰らないとリカバーがどんどん難しくなる。結果が欲しい。
評点(評点は
ドイツ式
):
権田(3.5) ほぼ試されるシーンなし。失点はやむなしか。
徳永(4) サイドで強さを見せたが最後は放りこみにつきあってしまった。
加賀(3.5) スピードを生かして敵の攻撃をしのぎ続けた。よさが生かせた。
森重(4) パス出しではセンスを見せたが肝心の守備でうかつな場面も。
太田(4) FK、CKでは悪くないボールを蹴ったが結果に結びつかず。
高橋(3.5) 広い範囲をカバーする運動量で中盤を支えた。シュート惜しかった。
東(3.5) 最終ラインから最前線まで孤軍奮闘。羽生の後継に指名したい。
三田(3.5) 武藤、太田との連係でチャンスを演出。高いモラルを維持。
渡邉(4) サイドに張ってしまうとその後がない。シュートなしは寂しい。
エドゥ(3) シュートは打っておくものだと実感。連係の成熟を急ぎたい。
武藤(3.5) あきらめずにボールに食らいつく姿勢がチャンスを生んだ。
===
石川(4) ボールが足につかずことごとく引っかかってボール・ロスト。
米本(-) 時間短し。復帰は嬉しいが致命的なボール・ロストあり。
平山(-) 時間短し。投入の意図が今ひとつ不明。要はパワー・プレイか。
前節は結構わくわくしたが今日はかなり失望した。先は長い。
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FC東京
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J1リーグ戦
2014年03月04日 21:31
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【ブンデスリーガ第23節】ブラウンシュヴァイク×グラードバッハ
■2014年3月1日(土) 15:30キックオフ
■Eintracht-Stadion
やりたくはないがここまでの状況を総括しておくとグラードバッハはシーズン前半の12月7日、シャルケに2-1で勝ったのを最後に、ウィンター・ブレイクをはさんでリーグ戦7試合勝利なし。シーズン再開からの3連敗を初め、今年になってからは5試合未勝利で、一時は4位まで上げた順位もじりじり落ちて6位。
とはいえここ2試合は引き分けで勝ち点を積み上げられており、アウェイとはいえ最下位のブラウンシュヴァイクを相手にいくら何でもそろそろ勝たなければならない試合。
試合は日本時間の土曜日夜11時半キックオフ。スカパーでは中継がないので動画中継サイトを探して見ようとしたが、しばらく見てるとカクカクと紙芝居状態になってしまうサイトが多く、スムーズにつながるサイトがなかなか見つからずに苦労した。何とかたどり着いたサイトは実況音声も得点や経過時間を示すCGもないところだった。
グラードバッハはクラマーに代えてノードファイトがボランチで先発。いよいよメンバーをいじってきたか。またアランゴがベンチ入りした。
テア・シュテゲン
コープ ヤンチュケ シュトランツル デムス
ヘアマン ノードファイト シャカ エルゴタ
ラファエル クルーゼ
この試合は昼間見た柏×FC東京のレポートを書きながら小っちゃい画面で見ていたのに加え、アナウンサーの絶叫もないので正直あんまり集中できていなかったのだが、実際序盤はブラウンシュヴァイクがしっかり守りを固めてきてグラードバッハが攻めあぐね、見せ場の少ない展開になったようだ。
試合が動いたのは25分、ラファエルが左CKを蹴ると、これが低い弾道でニア・ポストに飛んだ。手前に立っていた長身のノードファイトとポスト際で守っていたDFでブラインドになったか、このボールがGKの足に当たりゴールへ。幸運なオウン・ゴールでグラードバッハが1-0と先制する。
その後はリードを奪われたホームのブラウンシュヴァイクが攻勢に出るものの、攻撃に精度を欠いてグラードバッハの守備を崩せない。逆に43分、ラファエルからのスルーパスを受けたヘアマンから横パスを預けられたエルゴタがシュートを放つが敵GKに足一本でセーブされリードを広げることはできない。結局1-0と最少得点差で前半を終えた。
後半に入っても形勢は変わらなかったが、52分、信じられないことが起こった。デムスからのバックパスを受けたテア・シュテゲンが、これをトラップし損ね、足元をすり抜けたボールがそのままゴールへ。信じられないオウン・ゴールで1-1の同点になってしまう。僕がこれまで見たゴールの中でも最もひどいもののひとつだろう。
まあ、テア・シュテゲンには随分たくさんの失点を救ってもらっているので、1点くらい彼のミスで失点しても仕方ないし、まあ、こういうこともあるのだと割りきるしかないが、あまりにアレなシーンだった。笑うしかない感じ。夜中にへらへらしてしまった。
その後は勢いづくブラウンシュヴァイクの攻撃をグラードバッハがしのぐ時間帯に。グラードバッハは58分、ヘアマンからのスルーパスを受けたエルゴタがシュートを敵GKにセーブされ、こぼれ球に詰めたクルーゼも枠を外すシーンがあったがその後はチャンスらしいチャンスもなし。
グラードバッハは63分、シャカに代えてクラマーを投入、72分、エルゴタに代えてルップを、さらに77分にはヘアマンに代えてムラパを投入し、勝ち越しを狙いに行く。
ようやく終盤になって、84分、ヤンチュケのヘディング・シュートはブロックされる。87分、クルーゼが持ち込んで放ったシュートは敵GKが指先で弾きポストに嫌われる。89分、ムラパがスルーパスに抜け出してシュートを決めるがオフサイドの判定。動画を見る限り微妙な判定で、これが認められていればというゴールだった。
結局グラードバッハは最下位ブラウンシュヴァイクを相手に勝ちきれず、1-1とアウェイで勝ち点1を得るにとどまった。まあ、オウン・ゴール1本ずつなのでこんなもんかと納得するしかない。テア・シュテゲンのアレは珍しいものを見たということで後日のネタと納得しておこう。
これでグラードバッハは3試合連続の引き分け。勝ち点はひとつ積み上げたものの順位をひとつ落として7位に。まあ、8試合勝利がなくても7位というのが逆にすごいということか。勝てないうちに微妙に攻撃のバランスとかリズムを崩し始めてるようにも思え、とにかくまずひとつ勝たなきゃという状況である。2試合続けて先行しながら追いつかれての引き分けというのもよくない。
次節、ホームでのアウクスブルクでは何が何でも勝ち点3を積み上げなければならない。アランゴが先発に戻ってくれば心強い。まあ、勝てないとはいえ3試合引き分けでこつこつと勝ち点を伸ばしているのが救い。次に勝てば4試合負けなしで勝ち点6になる。引き分けの価値はその次の試合の勝敗で決まると言われる所以だ。
もうそろそろ笑ってられないので、いろんなところに綻びが出てくる前にひとつ勝ちたい。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「厳しい戦いだった。前半は特に。我々はボールを長く保持することができず、自分たちのやり方を見出すことができなかった。それでも我々はリードを奪い、さらにその後もチャンスを作ったが、それを生かすことはできなかった。後半の方が我々にはうまく行った。さらに大きなチャンスを作ることができたからだが、それも結局生かすことはできなかった。問題は、我々がまたしも奇妙なゴールを許してしまったことだ。1-1にされたのは残念なことだった。試合の流れを全体としてみれば、我々はあと勝ち点2を達成することができたはずだと思う」
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2014年03月02日 00:00
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【Jリーグ第1節】柏×FC東京
■2014年3月1日(土) 15:00キックオフ
■日立柏サッカー場
いよいよ2014年シーズンの開幕だ。フィッカデンティ新監督の下、優勝を狙いに行くシーズンになる。開幕戦はアウェイでの柏戦。日立台での試合でチケットの争奪は厳しかったようだ。僕はビジター指定席を狙っていたのだが、売出日の定刻にローソンで端末から購入手続きをしても既に完売で、やむなくメインスタンドの指定席を購入。黄色い人たちに囲まれてのステルス応援になった。このスタジアムでは結構これがデフォになってきた…。
天気は朝から降ったりやんだり。重い曇り空の下を柏駅からてくてくあるいてキックオフ20分前に日立台到着。つうか、僕自身としては自分が取ったチケットはバクスタだとばかり思ってて、ゲートの番号が合わないのでよく見てみたら実はメインだった。確かに高いと思ったんだよな。日立台のメイン・スタンドは始めてだったが、椅子がバクスタのようなベンチではなくてひとつずつ独立していてよかった。
東京は報道通り4-3-3。マテウス、米本がケガで欠場となり、CBでは加賀が森重とコンビを組んだ。インサイド・ハーフには三田を起用、またウィングの左には新人の武藤が先発することとなった。
権田
徳永 加賀 森重 太田
東 高橋 三田
渡邉 エドゥ 武藤
こうして見ると、フォーメーションの変化はあるものの、顔ぶれ的にはルーカスの穴をエドゥで埋め、長谷川の穴を武藤で埋めた格好になる。個々の成長があれば布陣としては十分機能することが期待される。
試合は序盤、東京の流れに。まだまだ連係やタイミングは修正の余地もあるものの、エドゥが積極的にボールを引き出すことで東、三田が動けるようになり、開いた武藤、渡邉にもボールが散らせる。エドゥに当ててスイッチを入れる形で意図ははっきりしている。
昨季よりは個々の役割がしっかり定義されているというか、規律が明確でそこからそれぞれの動きが順番に決まって行くというか、昨季までよりかっちりしたフットボールをやっている印象を受けた。
だが、東京が何度かチャンスを作るものの、攻撃はパスのズレも多く、敵のしっかりした守備にボールを失うと逆襲を受ける。14分には加賀が敵のカウンターをファウルで止めて警告を受けるなど、外国人二人を中心とした敵の攻撃には迫力があり気の抜けない展開になる。
29分には東のCKに森重が頭で合わせるが敵GKがセーブ。このあたりから徐々に柏に押し込まれ、何度か決定的な場面を作られる。39分には高橋が警告を受けるなど苦しみながらしのぐ時間帯になる。何とか持ちこたえてスコアレスのままハーフタイムを迎えた。
双方にチャンスはあったものの、互いに最後のところの精度を欠く一方、守備が集中していて得点にはつながらなかった。流れは東京から柏に移った感が強く、後半から修正が望まれる。いずれにしても実力が伯仲し、殺るか殺られるかの緊迫した展開で、スコアレスでも退屈さはまったく感じない。互いにいい試合をしているという手ごたえは十分だ。
夢中で試合を見ている時は気がつかなかったが、細かい霧のような雨が空中を舞っており、ジャケットの表面もけっこうぐっしょりと濡れていた。合羽を着るまでもない雨だが、次第に気温も下がり肌寒くなってくる。
後半開始早々に試合が動いた。46分、太田からのパスを受けたエドゥが胸で落とすとこれを拾った三田がペナルティ・エリアにそのまま仕掛けて行く。放ったシュートはゴール前に張った敵DFに一度止められるが、こぼれたボールが敵GKに当たって再び三田の前に。三田が必死に足を伸ばしてこれをゴールに押し込み先制。東京が1-0とリードを奪う。
しっかりとゴールに向かい、シュートを放った三田のチャレンジが実ったゴール。今季東京の初ゴールは一桁の背番号を引き継いだ期待株が決めた。
勢いに乗る東京は54分、東の左CKをファーの森重が頭で落としたボールに武藤が詰めるがゴールを割れず、最後は渡邉がシュートを放ったと思うがこれも敵DFの必死の守りに守りきられる。追加点を奪ってたたみかけおきたい局面だったが痛い逸機となる。
すると63分、敵の素早いパス回しから左サイドに飛びだされ敵FWと権田が一対一に。権田が敵FWのシュートに手を伸ばし何とか触れて軌道を変えたボールはファーのポストに当たり、ゴールライン上を真っ直ぐニアポストへ。
ここでボールを確保できればノーゴールだったが、権田の手は届かず、ニアポストに当たったボールは不運にもピッチ外に跳ねてゴールとなってしまう。1-1と試合は振り出しに戻り、東京は敵地で先制を追いつかれる苦しい展開になってしまう。
試合は引き続き双方がチャンスを作り、一方で何とかそれをしのぐ厳しい内容のまま終盤へ。69分、CKから高橋が落としたボールを武藤が押し込もうとするがGKがセーブ。71分、武藤を下げて石川を投入。石川が右SHに入り、三田が左へ、高橋と東のダブル・ボランチに、エドゥ、渡邉が2トップとなる4-4-2の布陣になったように見えた。
互いに運動量が落ち始め、苦しい中で何度か柏にクリティカルなチャンスを作られるが、敵のシュート・ミスにも助けられしのぐ。
東京はアディショナル・タイムに三田を下げ野澤を、さらにその直後に渡邉を下げ河野を投入、最後まで勝ち越しを狙いに行くが、一方で柏の攻撃も厳しく、結局1-1の引き分けに終わった。
新監督の下での第一戦であり、連係や精度という意味ではまだまだこれから上げて行かなければならないところはいくつもあったし、単純なパスミスやボールが足につかず簡単に奪われるシーンなども少なくなかった。課題はいくらもあり、走りながら直して行くべき点は多い。
しかし、コンパクトに保った陣形から丁寧にボールをつなぎ、エドゥに当てて武藤、渡邉、さらには東、三田が受ける形で何度もいい形は作れており、攻撃の基本的な形は既に共有できているように見えた。行くべき道は見えていて、そこにチャレンジして行こうというモラルも高かった。これからいくらも調整はあるのだと思うが、基本的な方向性という意味では非常に意を強くした試合だった。
気になるところではエドゥが思った以上にフィットしていた。前線に張って流し込む「一仕事」タイプではなく、積極的にボールを要求してポストをこなし、キープしてクリティカルなところに配球もできる。味方としっかりコミュニケーションを取ろうとする姿勢も含め、これはもしかしたら当たりかもと思わせる動きを見せてくれた。早くゴールが生まれれば本人も乗って行けるし周囲ともさらにマッチして行くだろう。まずワンゴールが早く欲しい。
新人ながら開幕先発となった武藤もよかった。最初は遠慮もあったか試合に入れてない感もあったが、次第に調子を上げ、後半には三田との絡みもよくゴールに向かう姿勢を見せた。競争の激しいポジションだが、最初のテストには合格したと言っていいと思う。
三田もよかった。昨季と異なって妙な焦りのようなものが取れ、仕掛けるところと簡単にはたくところのメリハリ、見極めがよくなって試合に溶け込んでいた。守備の意識も高まり、敵外国人MFにも臆せず当たりに行った。かわされることも多かったが、ボールを奪うシーンもあり、継続性、安定性という意味で大きな成長が見えた。
一方で、キーマンとなる敵の外国人MFは東京のDFラインの手前でフリーで浮動していることが多く気になった。攻撃になるとアンカーの高橋が上がるために、攻め残った敵MFが空いてしまうのか。ここでボールを受けられFWとパスを出し入れされて何度も厳しいピンチに陥った。失点シーンもそうだった。特に攻撃から守備への切り替えの局面で誰がここを見るのか、対応が遅れたように思う。
あと、渡邉が自分の居場所にうまく馴染めてない感があって気の毒だった。右に置かれると切れこんでも持ち変えないとシュートできない。左からも打てるが窮屈なプレーを強いられた。ワントップなので仕方ないのだが、もっと渡邉が中に入ってきて東が外に張るなど流動的にポジションを入れ替えていいのではないかと思ったが、監督がたぶん許さないんだろうな。
せっかく昨季、ポゼッション・フットボールに自分の居場所を見出して結果も出したのに、また振り出しに戻ったみたいで可哀そうだ。しばらく我慢が続くかもしれないが、腐らずにここで結果を出して欲しい。昨季積み上げたものが生かせるはずだ。
今日は全体として実力の拮抗した厳しい試合であり、勝つチャンスはもちろんあったが、負けてもおかしくなかった。チャンスを決めきれず、逆に何とかピンチもしのいだという点ではどちらも同じで、結局引き分けは妥当な結果だったと思う。アウェイで勝ち点1を持ち帰れたことを評価すべき試合だろう。
最後の交替にも少なくとも負けはあり得ないぞという監督の明確な意思を感じた。これを後ろ向きと取るか、最後に果実を手にするための現実的な采配と見るかは考え方次第だが、僕はまったく悪くないと思った。
次節、ホーム開幕戦を甲府と戦う。昨季見ることのできなかったホームでの城福監督との対戦である。今日の勝ち点1の価値は次の試合で勝つかどうかにかかっている。ホーム開幕戦であり是非勝ちたい。この1週間でチームがどう成長するかも楽しみだ。
■評点(採点は
ドイツ式
):
権田(3.5) あと少し手が伸びていれば…。最少失点でしのいだのは評価できる。
徳永(4) 攻撃参加は少なかったが守備では強さを見せた。
加賀(4) 読みのいいパスカットやスピードは生きた。
森重(3.5) 敵FWの鋭い攻撃には手を焼いたが何とか1失点に抑えた。
太田(4) 対面の相手に手を焼き左サイドを使われた。
高橋(3.5) 局面での動きはよかったが、敵トップ下は見なくていいのか。
東(3.5) 最初は遠慮気味だったが、次第に前にも顔を出した。CKもよかった。
三田(3) ゴールに向かう姿勢が生きた。昨季から大きく成長した。
渡邉(4) このポジションで求められるものとまだフィットしていない。
武藤(3.5) 意外な強さを見せ尻上がりによくなった。交替は残念。
エドゥ(3) 今後の期待を抱かせる出来。ルーカスの穴を十分埋めた。
===
石川(3.5) 速さを生かしてチャンスを作った。
野澤(-) 時間短し。
河野(-) 時間短し。
フットボールのある日常が戻ってきた。
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