フットボール・クレイジー
football crazy
silverboy club
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2015年04月29日 21:57
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【Jリーグ第8節】新潟×FC東京
■2015年4月29日(水) 14:00キックオフ
■デンカビッグスワンスタジアム
昭和の日。考えてみればクルマで日帰り往復のできるスケジュールだなと思いつつ家でスカパー観戦。山形戦から中3日のアウェイ連戦ではあるが、優勝戦線に踏みとどまるためには勝ち点3をしっかり積み上げ、鳥栖戦、山形戦と続いているいい流れをしっかり次の多摩川クラシコにつないで行きたい試合。
梶山が警告累積で出場停止となり高橋がアンカーで先発。インサイド・ハーフには三田に代わって羽生が先発したが、それ以外は前節と同じ布陣。連戦でありもう少しターン・オーバーしてくるかと思ったが、勝ち試合のあとということもあってか、最小限の修正にとどめてきたようだ。カニーニと石川は引き続きベンチ外。
権田
徳永 吉本 森重 太田
羽生 高橋 米本
河野
東 武藤
試合は序盤こそ東京が出足よく前から積極的なプレスを仕掛けたが、その後は失速、中盤での押し合いが続く展開となる。
6分、太田からのパスを受けた武藤が裏に抜け出し、左サイドから狙うが角度がなくゴール右に外れる。これが東京のファースト・シュートとなるがその後が続かない。河野、東らがボールに絡み敵陣で攻撃を組み立てようとするものの新潟の守備も集中しており、徐々に攻撃の起点が下がってきてしまう。
26分、太田の左CKに森重が頭で合わせるがボールはバーの上に。その後は新潟にボールを持たれる時間が長くなり、奪ったボールもつなげず防戦一方となる。
38分、高橋が自陣中央で敵FWにボールを奪われてショート・カウンターを浴びる。チャレンジしに行った吉本もボールをクリアしきれずシュートを許すが、枠に飛ばず事無きを得る。権田がしっかりとコースを切ったことで何とかシュートミスを誘ったが致命的なシーンだった。
結局リズムを作れないままシュート2本、スコアレスで前半を終える。
後半に入っても新潟にボールを支配され、自陣で守備に追われる展開に。奪ったボールは裏に放りこむが精度を欠き、収まってもその後の攻撃にスピードと迫力、アイデアがなくフィニッシュまで持ちこめないシーンが続く。敵にも決定的なチャンスは作らせていないが、我慢の試合運び。
56分、東に代えて林、61分には河野に代えて三田を投入し前線を活性化する。直後の62分には羽生からスルーパスを受けた武藤が前を向こうとするがシュートは打ちきれず。高橋、米本をダブル・ボランチに、左に羽生、右に三田を置き、武藤、林の2トップとなる4-4-2に布陣を変更したようだ。
しかしその後も新潟の攻撃に押しこまれ、立て続けにシュートを打たれる。身体を張った守備で失点は免れるもののほぼ前に出られず。この時間、高橋をDFラインに下げての3バックに変更したように見えたが、81分、羽生に代えて丸山を投入、森重を一列上げ、さらにその後やはり森重が最終ラインに戻って高橋をボランチに上げるなどよく分からない動きに。
得点の気配もなく、スコアレス・ドローもありかと思われた42分、30メートル以上はあるかと思われる右寄りからをFKを太田が蹴ると、このボールに林が飛びこみヘディング・シュート。これはGKに弾かれるが、こぼれ球に森重が詰めてゴール。東京が土壇場で1-0とリードを奪う。
リプレイでは、林がヘディングした時点で森重はオフサイド・ポジションにいたように見え、ノーゴールでもおかしくなかったが、新潟も特に抗議する訳でもなく、そのままゴールは認められた。
その後は東京がボールを支配。敵陣コーナー近くでの武藤のキープに敵MFが粗っぽいチャレンジを試みてもみ合いになるシーンもあり、アディショナル・タイムは6分以上に及んだが、東京が危なげなくしのぎ、1-0と辛勝した。
前節に続きセット・プレーからの1点を守っての最少得点差勝利。リーグ戦今季6試合目の完封で勝ちきった。内容的にはほぼ押しこまれっぱなしのしょっぱい試合だったが、攻撃が形にならない時間をしっかり我慢し、ワンチャンスを決めて勝つことができるようになったのは大きな進歩だ。
得点できなくても守りぬき最悪でもスコアレスで勝ち点1をもぎ取れるというベースがあれば、その上に得点力をどう積み上げるかという考え方ができる。どこにボトムラインを置き、その上に何を構築するかという意味では、今の東京の戦い方がひとつの「解答例」であることは間違いない。
こうやって苦しいながらも結果を積み上げることで、チームにとって「まずやること」がはっきり共有できるし、それによってやるべきことの優先順位が整理され、戦い方のリズムが生まれてくる。そうなれば内容は自然に上向いてくるはずで、内容に関わらずまず結果をしっかり出して行くということは重要だ。
とはいえ攻撃の形が定まらないのは問題だ。せっかく奪ったボールもポンポンと裏に蹴るだけでは得点に至る確率は高くない。バイタル・エリアに迫ってもボールの出し入れのスピードと精度が足りず、崩してゴールを奪う迫力がまったく見られない。
この試合でも、ポゼッションそのものは49-51と悪くないのにシュートが4-14とフィニッシュまで行けていないのは、ボールを持っても攻めあぐねていることを示している。ワンタッチでつなぐスピードと精度の伴ったポゼッションをしっかりチームの力にしなければならないし、カウンター、ショート・カウンターもその延長にあるはずなのだ。
ともかく、この勝利で東京は勝ち点を17(1試合あたり2.13)に伸ばし3位に順位を上げた。1stステージの約半分を終えてこの成績は悪くないが、もちろん勝負はここから。5月は川崎、鹿島、浦和と手ごわい相手との対戦が続く。下位相手なら見逃してもらえたようなミスも容赦なく失点に結びつくだろう。真価が問われる月になるはずだ。
気になるのはやはり前田の状態。前節、今節と途中出場すらなかった。試合の中で我慢して息を合わせて行く時期というのは必要だと思うが、それすらできない現状では前田の本来の力を期待するのは難しいように思う。
監督の判断だと思うが、出場機会を与えてまず1点取れればガラッと流れが変わるはずだし、今後の上位との厳しい戦いの中では彼の力が必要な局面が必ず来る。前田のゴールが見たい。
評点(評点は
ドイツ式
:
権田(3) 後半は立て続けにシュートを浴びたがゴールにはカギをかけた。
徳永(3) 今日もまた堅実な守りで完封に貢献。攻め上がりも効いていた。
吉本(3.5) 出血をものともせず渾身の守備。チャレンジ失敗も勲章か。
森重(3.5) 攻守で存在感を見せた。得点はオフサイド臭かったが…。
太田(3) 精度の高いキックが最後に得点を呼び寄せた。好調を維持。
羽生(3.5) ハードワークを続けたが守備に追われた感は否めず。
高橋(4) あわや失点のボール・ロスト。リスクと隣り合わせの商売だが…。
米本(3.5) しつこい守備でピンチの芽を摘み取った。完封への貢献大。
河野(4) 序盤こそボールに触ったがその後は姿が見えず。
東(4) 守備に追われる試合展開で存在をアピールできず。
武藤(3.5) さすがになかなか自由にやらせてもらえない。どう打開するのか。
===
林(3.5) しっかり前線でボールに関与。シュートは決勝点のアシストに。
三田(4) 交替で入ったのはよかったが守備に追われ特徴出せず。
丸山(-) 時間短し。
田邉がスペインから夏に帰ってくるってよ。次の研修生は中島あたりかな。
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FC東京
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J1リーグ戦
2015年04月29日 11:29
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【ブンデスリーガ第30節】グラードバッハ×ヴォルフスブルク
■2015年4月26日(日) 17:30キックオフ
■Stadion im Borussia-Park
日曜日の夕方の試合。グラードバッハは今季ヨーロッパ・リーグで日曜日の試合が多かったんだから、日程の制約がなくなったシーズン終盤は土曜日の日中にしてくれるかと思ったが、この日は対戦相手のヴォルフスブルクが木曜日にヨーロッパ・リーグのナポリ戦を戦っており、その影響で日曜日開催のようだ。来週のヘルタ戦も日曜日の夕方。勘弁して欲しい。
どちらのクラブにも日本人選手がいないにも関わらずスカパーでは生中継あり。さすがに2位と4位の上位対決ということで重みがあるということか。グラードバッハもエラくなった。2002年春に帰国した当初とはグラードバッハもブンデスリーガも日本のメディアの扱いが雲泥の差。
日本時間では月曜日未明0:30キックオフということだったが、晩ごはん食べたら眠くなっていったん仮眠、0時まわって起き出した。ユニを着こんで観戦準備完了。
3位のレバークーゼンが先に引き分けで今節の試合を終えているので、グラードバッハは勝ち点差1でこれを追っている格好。ヴォルフスブルクとは勝ち点差が7あるが、この試合に勝つことができればヴォルフスブルクとの勝ち点差を4に詰められる上、レバークーゼンを勝ち点差2で抜き返し3位を奪還できる。
チャンピオンズ・リーグを目指す上からは何としても勝ちたいホーム・ゲーム。今季いちばんの勝負どころとなる一戦だ。気合が入る。オレの睡眠も十分。
ポカールが終わって日程が楽になってからはメンバーを固定して戦っているグラードバッハだが、この試合ではヤンチュケがインフルエンザということで右SBにはコープが先発。復帰が噂されたシュトランツルは引き続きベンチ外となった。
ゾマー
コープ ブラウアース ドミンゲス ヴェント
ヘアマン クラマー シャカ ジョンソン
ラファエル クルーゼ
試合は拮抗した戦いながらもグラードバッハが主導権を握る。おそらくヴォルフスブルクとしては週央にヨーロッパ・リーグを戦い、DFBポカールも残っている中で、残り日程を考えればこの試合は引き分け上等。3位との勝ち点差7をキープできればいい訳で、リスクを取る必要のない試合だろう。
そのためかグラードバッハが優勢に見えるが、守備的に入るヴォルフスブルクを相手に決定機はなかなか作れない。
21分、得意のカウンターで34からクルーゼ抜け出しが左サイドからクロスを入れる。ファーを上がったヘアマンがこれを押しこみに行くが、敵GKの出足の方が早くカットされそうに見えたため、ヘアマンはこぼれを狙うためにいったん減速。ところが敵GKが芝で滑りボールに触れず、ボールはそのままファーに。ヘアマンは減速した分ボールに届かなくなり押しこめなかった。もったいないシーンだった。
その後はヴォルフスブルクも機を見て攻撃を仕掛け、イーヴンな展開になる。グラードバッハはシュトランツルを欠くものの、ブラウアース、ドミンゲスの堅守に加え、ゾマーの手堅いセーブもあって思わず顔を覆うようなピンチはない。互いに守備戦の様相でスコアレスのまま前半を終えた。
後半に入るとグラードバッハが積極的に前に出る。50分には19からのクロスにヘアマンがボレーで合わせるがGK正面。52分、ヴェントからのパスを受けたジョンソンがヒールで落とし、ここに走りこんだヴェントがシュートを放つが抑えが効かず枠外に。62分にはクルーゼがドリブルで切れこんでシュートを放つが枠外に。後半は明らかにグラードバッハが優勢に試合を進めたが最後のところで決めきれず。
考えてみれば2位でも3位でもCLの出場権という意味では変わりはなく、むしろ3位と4位では大きく異なる(4位はCL予選あり)訳なので、ヴォルフスブルクを抜くことよりもレバークーゼンに競り負けないことの方が重要。
そうであればこの試合でリスクを取ってカウンターを食らい、勝ち点を落とすよりも勝ち点1を確実に積み上げてレバークーゼンと同じ勝ち点差0の状態をキープする方が賢明ではないかと思い始めた。レバークーゼンとはまだ直接対決も残っており、2位を目指すより3位の確保のことを考える方が現実的だ。
ファヴレ監督も同じことを考えたか、81分、ヘアマンに代えてトラオレを投入。コンビネーションよりはトラオレの一発に期待しつつ、スコアレスも視野に大事に試合をクローズしようというメッセージに僕には見えた。実際、次の交替には攻撃的な選手ではなくノードファイトを用意していたようだ。
だが、引き分けの雰囲気が濃厚に漂い始めたアディショナル・タイム、左サイドに張ったトラオレにボールが渡り、トラオレがクロスを上げる。これが敵DFに当たり軌道が変わって中央のジョンソンの元に。ジョンソンがこれを折り返すとニアに飛びこんだクルーゼが飛び出した敵GKより先にボールに触り、これが絶妙なループとなってゴール。グラードバッハが土壇場で1-0と決定的な得点を奪う。
その後はわずかな追加時間を守りきり、グラードバッハが最後の最後で勝ち点3を手に入れた。
もともと手堅く勝ち点1を持ち帰りたいヴォルフスブルク相手の神経質な試合になり、なかなかチャンスを決めきれないしょっぱい展開だったが、引き分けを覚悟したアディショナル・タイムに決めきっての勝利は大きい。愚直にボールを引き出し、アシスト、シュートと八面六臂の活躍を見せたクルーゼの頑張りが最後に報われた。
交替カードも1枚しか切れない緊迫した試合で、仮にスコアレス・ドローに終わっていたとしても評価すべき内容だった。最後の得点もチャンスを積み上げ、最後までモラル高く戦った結果であり、決して偶然やラッキーではない。シュート数19-9、ポゼッション60-40、一対一の勝率56-44は立派な価値試合の内容。たまたま最後のチャンスが得点につながったということだ。
シーズンもここまで押しつまってくると内容云々ではない部分も出てくるが、ここに来て戦術の徹底度、勝利への執着がしっかりと結果に結びついている。レバークーゼンとの3位争いは予断を許さないが、上述の通り32節に直接対決を残しており地力での3位確保は可能。この試合で勝ち点3を積み上げられたおかげでレバークーゼンには引き分けでよくなった。
これでグラードバッハは勝ち点を57に伸ばし3位に浮上。1試合あたりの勝ち点1.90は順位にふさわしいものであり、引き分けの後の上位との試合に勝ちきったことはモラルの上でも大きなアドバンテージになる。
特にシーズン後半は13試合を消化して9勝1敗3分で勝ち点30と、バイエルンの31に次ぐ「驚異的」な戦績。内容が伴わない試合でも何とか結果を積み上げることの大切さがよく分かる。シーズン前半が17試合で勝ち点27(4位)だったことを考えてもよく戦っている。残り4試合、今季の成果をしっかり形にしたい。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「妥当な勝利であり非常にいいパフォーマンスを見せることができた。内容的にも明らかに上回っていたし、前半のうちから先制の十分なチャンスがあったが、残念ながら生かしきれなかった。後半は我慢強く戦い、明らかなゴールのチャンスをたくさん作り出すことができた。だから私は最後まで我々がゴールを奪えると信じていた。守備はこの試合でもしっかりしており、それが何よりも重要だ。これだけのチャンスからはもっとたくさんのゴールを決めなければならなかったが、それで今の我々に欠けている点だ。ともかく、勝ち点3を積み上げられたことにはもちろんとてもハッピーだし、その点ではチームをほめるしかないね」
なお、我々がヴォルフスブルクに勝ったことで今季の優勝クラブが決まったらしい。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2015年04月25日 22:19
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【Jリーグ第7節】山形×FC東京
■2015年4月25日(土) 18:30キックオフ
■NDソフトスタジアム山形
遠方のアウェイ戦なので自宅スカパー観戦。風呂に入り、晩ごはんを食べながら見始めた。
東京は前節広島に逆転負けを喫したあと、水曜日のナビスコカップで鳥栖に完勝しての山形遠征。ファースト・ステージの優勝を展望するならリーグ戦の連敗は許されず、次節が中3日でアウェイ戦が続くことを考えても、何としても勝ち点3を勝ち取るべき試合。
ナビスコカップで出場を回避した森重、米本、梶山、武藤が先発に復帰、またナビスコカップで2得点の活躍だった三田が続けて先発。前線は東と武藤の2トップとなった。負傷で出場が危ぶまれた権田は先発したが、石川はベンチ外となった。
権田
徳永 吉本 森重 太田
三田 梶山 米本
河野
東 武藤
試合は東京が序盤から主導権を握る。前線からの積極的なプレスでボールを支配、2分、右サイドでこぼれ球を拾った三田がエリア外から右足でミドルを狙うが右に逸れる。9分、太田のCKに吉本が合わせるがGKがキャッチ。12分、再び太田のCKに森重が頭で合わせるがDFに当たる。15分には米本がミドルを狙うがこれも敵DFに当たる。敵陣中心に試合が進んで行く。
22分、右サイドからのFK。距離があり、太田の蹴ったボールはゴール前に上がるが、飛びこんだ吉本の胸をかすめてそのままファーのネットにイン。東京が1-0と先制する。吉本が喜んでいたが記録は太田のゴールに。リプレイを見ても吉本が触っていたかどうかは微妙…。
この得点を境に潮目が変わる。東京はリスクを負わず守備を優先する戦いに。29分には米本のミドルがあったものの、中盤でボールが行き来する時間が続き、互いにフィニッシュまで持ち込めない展開となる。1-0で前半を折り返した。
後半に入ると山形が積極的に攻勢に出る。東京は自陣で守備に終われる時間が長くなる。最後のところの守備が集中しているのと敵の拙攻もあって失点は免れているものの立て続けにシュートを打たれるなど明らかに押しこまれる。
56分、河野に代えて高橋を投入。高橋、梶山のダブル・ボランチに、右SH三田、左SH米本を配した4-4-2へと布陣を変更。サイドのスペースのカバーを重視したか。その後も山形の攻撃を受ける流れは変わらず。東京は散発的にカウンター・チャンスを迎えるが決めきれず。
70分、米本に代えて林を投入。東がSHに回り武藤と林の2トップに。引き続き山形優勢の時間が続くが東京の守備も集中できており、チームとしての優先順位はしっかり整理されている印象。シュートは打たれるものの試合そのものはコントロールできているようにも思える。
82分、三田に代えて羽生を投入。スペースを埋めに行く。85分、武藤が裏へのフィードに抜け出しカウンターとなるが、山形のリトリートが速くシュートに持ちこめず。90分にはFKからの流れで東、武藤がシュートを放つがいずれもDFにブロックされ追加点ならず。
結局、東京が1-0と最少得点差を守りきって山形に辛勝。アウェイで貴重な勝ち点3を得た。
この試合、後半は受けに回り過ぎた感はあるし、先制後のカウンター・チャンスを決めきれなかったために必要以上に苦しい試合になったのは事実だが、前半のうちにセット・プレーから先制、その後はしっかりリスク・マネジメントして、意図を持って勝ちきったという点では素晴らしい勝利。
山形にすれば「後半は悪くなかった」「チャンスもあった」「得点だけがなかった」という感じで、チンチンにやられたという感はないのかもしれないが、我々としては先制してあとは塩試合で勝ちきるというのはプラン通り。思えばこれまで負けて「内容は悪くなかった」なんて思っていたのは、敵側からはこう見えていたということか。
勝ち方についてしっかりチーム内で意思統一ができており、結果を重視した戦いがブレずにできている。リーグ戦で連敗しなかったことは何よりも大きく、また結果的に勝ったことでまたリズムができて行くし内容にもつながって行く。広島戦でのよくない負け方からのイヤな流れを、カップ戦、リーグ戦での連勝でしっかり断ち切ったことは成長を感じさせる。
もっとも、このフットボールは結果が伴ってこそ。これで先制できなかったり、アクシデンタルな失点があったりすると一気にツボにはまるリスクもある。勝てている間に内容をしっかり磨く必要があるし、今日の後半の戦い方には反省の余地は少なくないと思う。シュート数8-9は寂しい数字。
ゴールデン・ウィークということで週央に試合のある英国週間が3週間続き、23日のうちに6試合を消化する過密日程。ケガを抱える選手もいる中で、2ステージ制の短期決戦に勝つためには1試合たりとも足踏みできない。
今日の勝利で東京は戦績を4勝1敗2分とし勝ち点は14(1試合あたり2.00)。順位は暫定で3位と敗戦を引きずらずいい位置にはつけているが、6位までは勝ち点13であり、まったく楽観はできない。この足がかりの上に何をどこまで築けるかが勝負。アウェイ連戦となる次節はひとつの節目になる。
評点(評点は
ドイツ式
):
権田(3.5) 試されるシーン少なし。安定したキャッチングで完封。
徳永(3.5) 手堅い守りでサイドを封印。守備戦での貢献はいつも大きい。
吉本(3.5) 出場が続き試合勘が戻った。得点が幻に終わったのは残念。
森重(3.5) バニシング・スプレーを動かす荒技が今日のハイライト。
太田(3) ゴールは偶々だがあれが決まることが重要。10万円は何に使うのか。
三田(3.5) 前半は球際の強さを発揮して存在感を見せた。後半は消えた。
梶山(4) 中盤でボールを散らしたが後半は押しこまれた。次節は有給休暇。
米本(3.5) SHは果たして適役なのか。積極的なシュートはよかった。
河野(4) 攻撃ではアクセントを作ったが後半はいいところ見せられず。
東(3.5) センスは見せたが決定機は演出できず。シュートが欲しかった。
武藤(3.5) 前線で身体を張った。マークを受け窮屈なプレーが続く。
===
高橋(3.5) 苦しい時間帯に中盤を落ち着かせた。守備面での貢献大。
林(4) 守備に追われ特徴は見せられず。
羽生(-) 時間短し。試合をクローズする役割は果たした。
まあ、負けて「内容は悪くなかった」とか言うより、勝って「内容はよくなかった」と言っている方が全然大人だわ。
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FC東京
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J1リーグ戦
2015年04月23日 00:34
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【ナビスコカップ第4節】FC東京×鳥栖
■2015年4月22日(水) 19:00キックオフ
■味の素スタジアム
仕事を何とか切り上げて味スタに向かったが新宿発18:50ではどう考えてもキックオフには間に合わない。おまけに飛田給の駅を降りると雨。聞いてないよ。傘もなかったが何とか小降りの雨の中を急ぎ足でスタジアムへ。
東京はここまでナビスコカップ2試合で1勝1分。前節は休みだったので試合数が少ないが悪くない位置につけている。週末のリーグ戦で今季公式戦初めての敗戦を喫しており、カップ戦とはいえしっかり勝って流れを修正したいところ。
カニーニ、森重、米本、梶山、武藤が故障でメンバー落ち、代わって丸山、吉本のCB、トップには林と東が先発した。また、松田、橋本、中島らがベンチ入り。フレッシュなメンバーで勝利を狙う。
権田
徳永 吉本 丸山 太田
三田 高橋 羽生
東
石川 林
序盤は鳥栖のペース。出足のいい鳥栖の攻撃に押しこまれ、東京はリズムがつかめない。FKからのこぼれ球をオーバーヘッドで狙われるなど自陣での守備に追われ、東京の攻撃は散発に。
しかし18分、中央でこぼれ球を拾った羽生が左サイドの石川に展開、中央で石川から戻しのパスを受けた三田がエリア外からミドル・シュートを放つと、ボールは右ポストをヒットしてゴール内に。三田の思いきりいいシュートで東京が1-0と先制する。
歩道橋の階段を昇りデッキに上がったあたりでスタジアムから「ワッ!!」とひときわ大きい歓声が。ああ、得点を見逃した…。この辺までは後から録画で確認した部分だ。
スタンドに腰を落ち着けたのは24分頃。得点で流れが変わり、東京がリスクを取らずにボールを保持、決定的な形はなかなか作れないものの、鳥栖の攻撃をかわし時計を進める。
30分、丸山のフィードを受けた林が裏に飛び出すがボールが足につかず、シュートに入る前にGKにボールを突つかれて逸機。最初のタッチでシュートを打てていれば違っていたかもしれないが。結局、東京が試合をコントロールして前半を1-0で折り返す。
前半終了間際には権田がこぼれ球を蹴りに来た敵FWと交錯。敵FWの足がかなり高く上がっており、警告を要求するが認められず、双方の選手が入り乱れてもみ合う騒ぎに。審判が真っ先にもみ合いの輪から抜け出し、もみ合いを止めるでもなかったのが印象的だった。
後半に入っても東京が手堅くボールをコントロール、リスクを最小限に、鳥栖の攻撃を受けとめながらも決定機は作らせない。52分、徳永のクロスに中央で林がダイビング・ヘッドを試みるが、シュートはGK正面。
57分、左サイドで太田が敵DFからボールを奪取、中央にクロスを送ると、ここに走りこんだ三田がきれいに流しこみゴール。東京2-0とリードを広げる。敵からボールを奪いきり、しっかり中に運んでから絶妙なクロスを入れた太田の仕事が光った。
さらに58分、右サイドの石川が中央に送ったクロスに林が合わせるがシュートはバーをヒット。61分には石川のシュートもポストに嫌われる。この時間帯にもう1点でも追加できていればよかったが…。
69分、林に代えて河野を投入。河野がトップ下に入り東、石川の2トップに。さらに71分、石川が敵との接触で傷み退場、代わりに前田が入る。東が左SH、三田が右SH、高橋と羽生がダブル・ボランチとなる4-4-2に布陣を変更したように見えた。
終盤は鳥栖がリスクを取って圧力をかけてくるが、東京は集中した守備で得点を許さない。89分、東に代えて橋本を投入。再び権田が敵FWと交錯して傷むシーンが二度あったが(一度は前田との接触か)何とか起き上がり、鳥栖の反撃をしのいで2-0と完封勝利を挙げた。
内容的には決して鳥栖を圧倒できた訳ではなく、シュート数も7-7とともに低調だったが、押され気味の序盤をしのいで得点で流れを引き寄せ、後半に追加点を挙げてしっかり完封で勝ちきったことは評価できる。
リーグ戦で逆転負けを喫した後の勝利で流れをしっかり修正したのみならず、メンバーを入れ替えての完封勝利は、チームに競争を持ちこんで選手層の底上げを図る意味でも、またより広いベースで戦術を共有する意味でも大きかった。今後につながる価値のある勝利だ。
2得点の三田は、特徴のあるいい選手だが、その特徴をどう生かして行くのか、最近見えにくくなっていただけに、この2得点をきっかけに、自分が何を武器に生き残って行くのかを改めてよく整理して欲しい。結果への「欲」が見えるいいシュートだったと思う。
林はゴールこそなかったものの惜しいシュートが2本、さらには裏への抜け出しなど可能性を感じさせるプレーが多かった。吉本、丸山のCBコンビも手ごわい敵を完封できたことで自信になるだろう。
気になるのは、この試合でも先発のなかった前田の使われ方で、今日も途中出場はしたがうまく試合に入れていない感が強かった。東京は前田のことを全員が常に一番に考えてくれる前田のためのチームではないし、また前田自身も自分のやり方があって、東京のフットボールにそのままパーツとしてはまるという訳でもない。ある程度試合で使ってチームメイトとのオートマティズムを構築するしかないのだが、今の使われ方ではそれも難しい。昨季のエドゥもこんな感じだったか。
あと、権田と石川のケガも心配。大きなケガでなければいいが。
これで東京は3試合消化で勝ち点7。4試合消化のクラブもある中で首位に立っている。かなり有利なポジションであり、あと一つ勝てば予選リーグ突破がかなり現実的になる。また、週末のリーグ戦に向けても貴重な勝利であったことは書いた通り。この勢いで英国週間の続くゴールデン・ウィークを乗りきりたい。
評点(評点は
ドイツ式
):
権田(3) 正確なキャッチングで完封。ケガが大したことなければいいが。
徳永(3.5) 右サイドからチャンス・メイク。守備でも仕事を果たした。
吉本(3.5) 全消しだけではないクレバーな現代的DFに脱皮中。
丸山(3.5) フィードで息が合わないケースも。守備はシュアだった。
太田(3) 2点目は太田のボール奪取から。いいクロスが入っていた。
三田(2.5) ゴールに向かう姿勢が結果を生んだ。手持ちの武器を見直せ。
高橋(3.5) 中央でしっかりボールを触り、起点になった。今日はよかった。
羽生(3) メンバーを入れ替えたチームで動き方のお手本になった。
東(3) 相変わらず戦術眼は抜群。使わないともったいない。
石川(3.5) 前線で献身的に動き回りボールを引き出した。
林(3) 得点には至らなかったがボールを引き出す役割は十分果たした。
===
河野(3.5) ボールをよく収めた。終盤のアクセントになった。
前田(3.5) 献身的にチームを支えたが、シュートなしはもったいない。
橋本(-) 時間短し。味スタデビューらしい。
帰りは電車降りてから雨に降られた。
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FC東京
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ナビスコカップ/ルヴァンカップ
2015年04月19日 14:00
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【ブンデスリーガ第29節】フランクフルト×グラードバッハ
■2015年4月17日(金) 20:30キックオフ
■Commerzbank-Arena (Frankfurt/M)
金曜日のナイト・ゲーム。日本時間では土曜日未明3時半のキックオフだが、幸いスカパーで中継があったので録画、土曜日に早起きして時差視聴した。
バイエルン、BVBにも勝ってリーグ戦4連勝と好調のグラードバッハだが、フランクフルトはホームで完敗した相手。主力のFWをケガで欠くが、アウェイでのゲームでもあり侮ることはできない。3位を守るためには勝ち点3をしっかり積み上げたいが、簡単な試合ではない。
前節、警告累積で欠場したクラマーがノードファイトに代わって先発に復帰、それ以外は変わらない布陣になった。ヨーロッパ・リーグもDFBポカールも終わって日程が楽になったので、主力が固定されてきたか。シュトランツルは膝の問題で相変わらずベンチ外。
ゾマー
ヤンチュケ ブラウアース ドミンゲス ヴェント
ヘアマン クラマー シャカ ジョンソン
ラファエル クルーゼ
序盤は拮抗した戦いに。互いに積極的に前に出るためオープンな打ち合いになる。11分、左サイドに展開されたボールを収めたクルーゼが中央に折り返すとファーのヘアマンがダイレクトに合わせるがシュートはGKに当たる。こぼれ球を再び押しこもうとするがこれはバーの上に。得意のパターンにぴったりはまった大きなチャンスだったが決めきれなかった。
13分にはラファエルのスルーパスを受けて裏に抜け出したジョンソンがゴールを決めるがオフサイドの判定。その後は次第にグラードバッハが主導権を握りポゼッションを高めるが決定機は多くない。
22分、ヴェントからのパスを受けたジョンソンがシュートを放つが枠外に。手数とプレーの質でグラードバッハが上回り徐々に流れを引き寄せたがゴールには至らず、スコアレスのまま前半を終えた。
後半に入るとフランクフルトが前がかりに仕掛けてきてグラードバッハは自陣に押しこまれる展開になる。前線からの積極的なプレスにグラードバッハはパスがつなげず、自陣でのパス交換をカットされてしばしばクリティカルな局面を迎える。ゾマーの好セーブとフランクフルトのシュート精度の低さに救われるが失点していてもおかしくないシーンも少なくない。
グラードバッハはボールを奪ってもつなげず、カウンターも距離が長くなかなか前にボールが運べない。ハーフタイムに修正してきたフランクフルトに対して十分に対応できず、自陣でバタバタする時間が続く。
74分、ラファエルに代えてアザールを投入。このあたりからグラードバッハは自陣深めに4-4-2の3ラインをきちんと形成する守備的な戦術に変更、最悪勝ち点1でもいいという戦い方になる。リスクを考えれば理解できる判断だと思う。
その後もフランクフルトに中盤を支配され、グラードバッハの攻撃は散発にとどまるが、フランクフルトの拙攻に助けられて失点の大きな危機はない。81分、ヘアマンに代えてトラオレを投入。攻撃はワンチャンスの個人技で十分という意思表示か。
アディショナル・タイムにはジョンソンを下げてノードファイトを投入。終了間際にはトラオレが右サイドを深く抉り、ラスト・パスをアザールがシュートするがGK正面。そのまま試合終了となりスコアレス・ドローとなった。
前半、優勢であった時間帯に何度かチャンスを作りながら決めきれなかったことで、後半修正してきたフランクフルトに流れを持って行かれた。何とかスコアレス・ドローに持ち込み勝ち点1を得たことは最低限の結果ではあったが、チャンピオンズ・リーグを目指すクラブとしては、特に後半はしょっぱい試合だったという他ない。
自陣でのパスをカットされて波状攻撃を浴び、押しこまれた時のカウンターに切れ味を欠いた。前線に長いボールを送ることが多くなってからは迫力もなくなってしまった。
勝ち点1を積み上げて54としたが、4位レバークーゼンが勝てば勝ち点で並び得失点差または総得点で3位を明け渡すことになる。残り5試合で熾烈な3位争いを繰り広げることになるが、少なくとも32節の直接対決までは後れを取る訳に行かない。次節、ホームでのヴォルフスブルク戦が決定的に重要になる。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「我々は今日はベストのパフォーマンスを出すことができなかった。そういうこともある。2、3人の選手はベストの状態ではなく、攻撃に移る局面でのボール・ロストが多過ぎた。もっと素早く攻撃し、フランクフルトの守備に圧力をかけなければならなかった。それがうまく行ったのは幾度かだけだった。最後には、トラオレが一対一の勝負を挑み、アザールがうまく動いてくれたおかげで大きなチャンスもあった。こうしたスピードがそれまで欠けていた」
ここからラスト・スパートだ。
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ブンデスリーガ
2015年04月18日 23:06
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【Jリーグ第6節】FC東京×広島
■2015年4月18日(土) 16:00キックオフ
■味の素スタジアム
天気のいい土曜日の午後、青赤のパーカを羽織って味スタに出かけたが、風が強くて思っていたより肌寒かった。日なたは暖かいが、日が陰ると急に涼しくなる感じの天気だ。
東京は前節湘南に勝ち、3連勝で首位に立った。今節、ホームでしっかり勝ち点3を積み上げたいところだが、対戦するのは難敵広島。簡単には勝たせてもらえない。タフなゲームが予想される。
カニーニが負傷とのことで吉本が今季リーグ戦初先発。また中盤では高橋が同様に今季リーグ戦初先発で、梶山と米本がインサイド・ハーフか。前線は湘南戦と変わらず。東がベンチ入りした他、奈良が今季初めてベンチに。
権田
徳永 吉本 森重 太田
梶山 高橋 米本
河野
石川 武藤
試合はいきなり動く。開始早々、梶山からエリア外左の石川にパス。石川がこれを右サイドに振ると敵DFに跳ねたボールが裏の武藤の足許に。武藤が冷静にGKの股を抜いてこれを決め、東京がいきなり1-0と先制する。時計を見たら0分39秒と出ていた。
しかしこの早すぎる先制が逆に守備の意識に不統一をもたらしたか。11分、敵ボールを奪った高橋が梶山に縦パスを当て、梶山がこれを落とすが戻しのパスをさらわれ左サイドに展開される。米本と高橋がボール・サイドに行くがかわされ、クロスを入れられる。中央でフリーで放たれたシュートはバーに当たったがゴール内に跳ねて失点。1-1と追いつかれる。
このシーン、フィッカデンティ監督はファウルであったと主張しているようだが、高橋がかわされたところがそうだったということか。いずれにしても不用意に足許にチャレンジに行ってバランスを崩し、一瞬で置いて行かれた高橋の対応が軽かったのは反省点。
その後は一進一退の攻防に。テンポよくパスをつないで来る広島に対し、前線からのプレスがかからず、また守備の陣形も整わず、何度か危険な形を作られる。一方の東京も梶山を中心に攻撃を組み立てようとするがパスをカットされたり球際で競り負けたりでボールを奪われるシーンも多く、フィニッシュは偶発的なものにとどまる。
16分、右サイドの石川から左に大きなクロスが上がると、武藤がこれをダイレクトでシュートするが枠外に。
逆に19分には敵MFに切れこまれてシュートを放たれ、これがポストに跳ねてゴールに入るがオフサイドの判定。確かにゴール前のオフサイド・ポジションには敵FWが2人いたがボールには触っていなかったように見える。GKのすぐ前に立つことでプレーに関与したと見たということだろう。判定としては妥当と思うし、東京としては九死に一生を得た感じ。
広島の巧みなパスワークにプレスのかけどころが定まらず、するすると前線までボールを運ばれ、最終ラインで面倒を見るしかない状態が続く。前半途中からアンカーの高橋が最終ラインに落ち、3バック的に戦う形になっていたようだが、ポジションが曖昧で連動性に難があるように見えた。
何度か広島ゴール前で人数をかけ押しこみを狙うが得点できず。逆にそこからカウンターになるケースも多く、どちらかといえば広島に主導権を握られたまま1-1で前半を終えた。
後半からは米本に代えて羽生を投入。試合中の接触による軽度の脳震盪ということだが、軽傷であることを祈りたい。布陣は以下のような感じに。
権田
高橋 吉本 森重
徳永 羽生 梶山 太田
河野
石川 武藤
56分、左サイドからの太田のFKにゴール前の森重が頭で合わせる。シュートはバーに嫌われたが、こぼれ球を再度押しこんでボールはゴールに入ったがオフサイドの判定。惜しいシーンだった。
後半も広島のパスワークに振らされ、後ろで防ぐ展開は変わらない。起点が低いので奪ったボールもつなげず、苦しい戦いを強いられる。東京は3バックになったことで森重が積極的に前に出るシーンが増え、59分には持ちあがった森重がミドルを放ったが枠外に。
69分、石川に代えて東を投入。ポジションがよく分からないが、石川とそのまま入れ替わってトップに入ったか、一列下がってシャドー的な位置に入ったか。羽生、東が積極的にボールを動かすことで流れを引き寄せようとする。72分、左から武藤が入れたクロスに東がニアに身体ごと飛びこむが押しこめず。
守備時には5バックで失点のマネジメントを優先していたはずだったが、終盤の82分、高い位置での梶山から東へのパスをカットされ、敵FWがドリブルでカウンターを仕掛ける。東京は吉本、高橋、森重が残っていたが3人とも下がってしまい、最後は切り替えされたところに森重が飛びこんだがボール奪取を失敗、かわされた格好になりそのままシュートを決められる。1-2と逆転を許してしまう。
84分、河野に代えて前田を投入、同点を狙いに行くが広島に時間を使われ、前がかりになったところではカウンターを浴びるリスクもあって攻めきれない。最後は前線に単調なボールを放りこむだけの攻撃に終始。アディショナル・タイムには太田のCKに権田も上がり、こぼれ球からの再度の放りこみにヘディングを試みるがオフサイドに。
結局1-2で試合終了、東京は今季初の敗戦となった。
今の東京のスタイルはハイ・プレスからボールを奪って、素早い攻守の切り替えで一気に攻めこんで先制点を挙げ、後はリスク・マネジメントをしっかりしながら機を見て追加点を狙う、追加点が取れなくても守りきるというフットボール。開始1分で先制できたところまでは理想的な展開だったが、先制後の2次フェイズに移行するには時間が早過ぎたということか。
10分で追いつかれると、その後は広島のボール回しに守備がはまらなくなり、後ろから追いかけて、最終ラインでしのぐパターンに。守りきるはずの守備に綻びが出て2失点はお粗末という他なく、サイドであっさりかわされてエリアへの侵入を許した高橋、カウンターを受けて3人でズルズル下がった高橋、吉本、森重、飛びこんでかわされた森重、そしていずれのシーンでも起点となった梶山の緩いパスなど、決して気を抜いている訳ではないにしても、いただけないプレーでみすみす得点を献上した。
吉本、高橋については久しぶりの先発出場で連係に問題があった面もあるが、ムダにバタバタして自滅した感も強い。布陣の変更に対応しきれなかったのもあるか。いずれにしても堅かったはずの我々の守備にも、まだまだやるべきことが残っていることがはっきりした。また、梶山のワンタッチ・プレーは威力も大きいがリスクも相応にあることを再認識(前から知っていたが…)。
シュート7本と少ないが、開始早々に1点取っているのだから、この試合はやはり拙攻を責めるよりリードを守りきれなかった守備の問題点を考えるべき材料だと思う。
問題を認識するという意味ではむしろ貴重な敗戦であり、短期決戦で優勝を目指すのならこの試合から徹底的に問題点を抽出して修正しなければならない。連敗だけは許されず、次節何としても勝ち点3が必要。課題の追求・修正はしっかりやらねばならないが、メンタルに余計な起伏を持ちこまず、ある意味淡々と次の試合に臨むことも必要。そのあたりのメンタル・マネジメントができるかどうかが強いクラブになれるかどうかの分かれ道。
評点(評点は
ドイツ式
):
権田(4) 失点シーンはGKとしてはノー・チャンスか。結果的に2失点。
徳永(4.5) 何気にパスミス多し。積極的な攻め上がりもあったが…。
吉本(5) 全消しではなくセンシティヴな守備を強いられて苦戦した。
森重(5) 2点目のシーンではDFリーダーとしてもう少し他の対応があった。
太田(4.5) 敵SHとのマッチアップは悪くなかったが守備に追われた感。
梶山(5) 緩いパスをさらわれて2度も失点の起点になった。今日は厄日。
高橋(5) 2度の失点関与。パフォーマンスが安定せず、1点目の対応は残念。
米本(4.5) 前半のみで交替。大したことがなければいいが…。
河野(4.5) 序盤は姿が見えたがその後消えた。悪くはなかったが。
石川(4.5) 精力的に動いたがプレスをかけきれず。シュート欲しかった。
武藤(4) ゴールはラッキーではあるが冷静に決めるのはやはりスター。
===
羽生(4) 攻撃を活性化。MDPのインタビューもよかった。
東(4) しっかりボールに絡み前を向いて戦った。復調と言っていい。
前田(-) 時間短し。長い時間見たいしそろそろゴール欲しい。
ここからはナビスコも含め過密日程。
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FC東京
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J1リーグ戦
2015年04月14日 19:00
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【ブンデスリーガ第28節】グラードバッハ×BVB
■2015年4月11日(土) 15:30キックオフ
■Stadion im Borussia-Park
先方には日本人の有名選手がいるのでスカパーで生中継あり。土曜日の夜10時半からという理想的な時間帯。ユニを着こんでテレビの前に陣取った。
BVBは中位に低迷しているが、シーズン前半のアウェイ戦ではチンチンにやられ、それまでの開幕来の公式戦無敗を止められた相手であり、ショックのあまりそこからリーグ戦3連敗を喫したという印象の悪いクラブ。当然実力は順位以上のものがあり、ホームといえどもまったく油断できない。
このところ好調のグラードバッハではあるが、チャンピオンズ・リーグ出場権を巡る熾烈な争いに勝ち残るためにも、侮ることなく試合に臨む必要がある。週央にDFBポカールを120分戦ったという点ではBVBも同じ条件だ。
DFBポカールからは3人をターン・オーバー。警告累積で出場停止のクラマーに代えてノードファイトがボランチで先発。さらにアザールとハーンに代わってジョンソンが左SH、ラファエルがトップに入った。
ゾマー
ヤンチュケ ブラウアース ドミンゲス ヴェント
ヘアマン ノードファイト シャカ ジョンソン
ラファエル クルーゼ
試合はいきなり動いた。クルーゼ、ラファエルとつないだボールを右サイドのヘアマンに展開すると、ヘアマンがラファエルとのワンツーからエリア内に侵入、ここからマイナスで折り返したボールにジョンソンがシュート。これは敵GKがセーブしたが、正面にこぼれたボールを後ろから走りこんだヴェントが蹴りこみゴール。開始から30秒でグラードバッハが1-0と先制。極端に言えばこの試合はこのゴールで決まったと言ってもいい。
先制してリスクを取る必要のなくなったグラードバッハは自陣に強固なブロックを構築してBVBの攻撃を受ける展開に。BVBはスペースが見つけられず攻撃を加速する工夫も見られない。ポゼッションは明らかにBVBだがフィニッシュにも怖さはなく、集中したグラードバッハの守備の前に単調な攻撃を繰り返すばかり。
一方のグラードバッハも起点が低いため奪ったボールは蹴り返すのみで有効なカウンターはなかなか繰り出せない。だが、32分、自陣で引っかけたボールを受けたヘアマンが敵DFを振りきって50メートルを独走、最後はGKを引きつけて並走したラファエルに横パスを出し、これをラファエルがきっちり決めて追加点。2-0とグラードバッハがリードを広げる。この辺でBVBは相当がっくりきたと思う。
ポゼッションを譲り、シュート数でもおそらくBVBの方が多かったと思うが、印象としては完全にグラードバッハが試合をコントロールした状態で前半を終えた。
後半に入るとBVBが攻勢に出る。何度かゴール前で危ういシーンを作られるが、集中した守備と敵の精度不足もあって得点を許さない。高い集中を強いられる状態が続く厳しい試合だが、2点のリードを保ったグラードバッハが時間を使いながらゲームを進めて行く。
67分、右CKをクルーゼが蹴ると、ファーに流れたボールが敵DFの背中に当たり、詰めたノードファイトの足許に。これをノードファイトがすかさず蹴りこみゴール。3-0とグラードバッハが試合を決める。ラッキー・ゴールではあるが、クルーゼのキックがよく、ファーにきっちり詰めて丁寧に決めたノードファイトも集中していた。
77分にはゴール前でルーズになったボールを押しこまれて失点。3-1となる。やや集中が切れ、所謂ボール・ウォッチャー状態になって寄せが遅れた感あった。
グラードバッハは直後、ジョンソンに代えてアザールを投入。BVBは前がかりに攻撃を仕掛けるが、十分な意思統一がなされているとは思えない散漫さ。グラードバッハは89分にラファエルに代えてハーンを、さらにアディショナル・タイムにはヘアマンに代えてブンデスリーガ・デビューとなるダフーをを投入する余裕を見せて試合をクローズ。3-1でアウェイ戦の雪辱を果たした。
BVBは中心選手をケガで欠き、攻撃に迫力を欠いた。何より開始1分でのゴールでグラードバッハとしては戦い方が明確になり、この時点でBVBが最も苦手とする対応を割りきってやれるようになったのが大きかった。そこからカウンター、セットプレーと加点、完封したかったところだが、手堅い試合運びで終わってみれば完勝だった。
やるべきことをしっかりやりきる規律が成功体験と相まってしっかり徹底できているところが今のグラードバッハの強みだろう。この日も大半の時間を守備に費やしたが、球際でのチャレンジの仕方やゴール前での身体の投げ出し方も含めて、固い守備が次の攻撃のスタートであるということが共有され、実行されていた。
クラマーを欠いたが、守備的な戦いにはノードファイトがむしろ嵌り役だったということもあった。最後に集中を欠いて余計な失点をしたのは残念だが、ブラウアースとドミンゲスのCBコンビも大きなリスクは感じなかった。
何より、ヘアマンが絶好調なのが嬉しい。1点目はラファエルとのワンツーでペナルティ・エリアを深く抉って事実上のアシスト、2点目は自陣からのカウンターで敵DFを抜き去り、独走して最後にラファエルにパスを出すタイミングもよかった。開幕当初はハーン、トラオレ、アザールらとのポジション争いで先発できていなかったが、意地を見せて存在感を見せている。代表にも呼んで欲しい。
この勝利でグラードバッハは勝ち点を53に伸ばし3位をキープ。2位のヴォルフスブルク、4位のレバークーゼンがともに勝ったため、上下とも勝ち点差は変わらないが、5位のシャルケとの勝ち点差は12と広がり、少なくとも4位は確保できる見通しが高くなった。チャンピオンズ・リーグへの直接参加を目指して3位をしっかり固めたい。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「早い時間のゴールはもちろん我々にとっていいことだったし、そのおかげで自信を持つことができた。その後はこのリードを長い時間守り続けなければならないということで非常に厳しくはあったが、我々はしっかり集中して戦い続けることができた。ドルトムントはいくらかポゼッションで我々を上回り、試合をコントロールしたが、我々は非常によく守った。2-0は非常に素晴らしく、目の覚めるようなカウンターだった。後半は早い時間帯に3-0にしようと考えていたが、それもうまくやることができた。ドルトムントはその後の時間帯は常に危険だったし、あと1点かそれ以上の得点が入っていてもおかしくなかったし、そうなっていればもう一度危険になっていた。しかし、全体としては私のチームの妥当な勝利だ」
中継ではスタンドに恋人といるクラマーが何度もアップで抜かれたがアナウンサーはコメントなし。一度は恋人と濃厚なキスを交わしているところをガッツリ映されていたが、おそらくアナウンサーはクラマーだと分からなかったんだろう。
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ブンデスリーガ
2015年04月13日 16:08
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【Jリーグ第5節】湘南×FC東京
■2015年4月12日(土) 16:00キックオフ
■Shonan BMWスタジアム平塚
天気の悪くない日曜日の午後、新宿から湘南新宿ラインに乗って平塚に向かった。ちょっとぜいたくしてグリーンに乗り、新宿から平塚までちょうど1時間の電車の旅。大崎を過ぎたあたりで寝てしまったが…。
リーグ戦で2位につける東京は開幕から4戦負けなし。アグレッシヴに走り続ける湘南とのアウェイ戦ということで簡単な試合ではないはずだが、2ステージ制の短期決戦であることを考えれば勝ち点3をもぎ取りたい。
前節のメンバーでは三田がベンチ・スタートとなり代わって羽生がインサイド・ハーフで先発。また林に代わって中島がベンチ入り。東は引き続きベンチ外となった。
権田
徳永 カニーニ 森重 太田
羽生 梶山 米本
河野
石川 武藤
序盤は湘南の鋭い出足に押しこまれる格好に。中盤での激しいボールの奪い合いから、攻守の切り替え早くピッチを広く使い、サイドを起点に人数をかけて一気にゴール前に迫る湘南の攻撃は迫力があり、東京は自陣で湘南の攻撃をしのぐ時間帯となる。
東京は奪ったボールを素早く前線に展開しようとするが起点が低くうまくつながらない。カウンターから何度かチャンスを作るが単発で、シュートも枠に飛ばず。
15分を過ぎたあたりから湘南の出足がやや鈍り、一方で東京がやや落ち着きを取り戻したか、少しずつボールが収まるようになる。次第に梶山、河野がボールを触る機会が増え、リズムが生まれてくるが、湘南の激しいチャレンジに手を焼き、中盤で一進一退の攻防となる。
前半終了間際には敵MFのチャージに腹を立てた河野が相手選手を手で小突いて一時騒然となるシーンあり。河野はかなり激しく相手に突っかかっており、敵味方総出でなだめる状態となって試合が中断したが、東京のゴール裏から「落ち着け、河野」というコールが出て一気に空気が緩む。河野には警告。
後半になると湘南のプレッシングもやや弱まり、東京がボールを保持する時間が増える。53分、太田の左CKをファーの河野が折り返し、森重がつないだボールに武藤がヘディングで合わせるがシュートはバーをヒット。さらにこぼれ球を拾って上げたクロスに再び武藤が合わせてゴールしたがオフサイドの判定。そのほぼ真横で見ていたが何がオフサイドなのかよく分からなかった。
一方の湘南は引き続き素早い攻撃で何度か東京のゴールに迫る。57分には敵MFが裏に抜け出しそうになったところをカニーニが後ろからタックルして警告を受けるなど危ういシーンもあるが、全体としては集中した守備と権田の手堅いキャッチングでしのいでいる。
すると64分、武藤が中盤で河野に預けたボールを河野が左前線に展開、太田がこれを受けてクロスを入れると、中央に入り直した武藤がヘディングで合わせゴール。東京が待望の先制点を挙げ、1-0とリードを奪う。
これで楽になった東京は、リスクを取らず守備を固めてカウンターから追加点を狙う戦術に。71分、河野に代えて高橋を投入、梶山、高橋のダブル・ボランチに、右に羽生、左に米本を配した4-4-2に布陣を変更する。
前がかりになる湘南に対して、東京は奪ったボールをシンプルに裏に出して何度かチャンスを作るがフィニッシュまで持ちこめず、追加点を奪えない。終盤は敵陣でのボール・キープに武藤のフィジカルの強さを見るおまけもつき、アディショナル・タイムには石川に代えて前田を投入、時間を使って1-0のまま逃げきった。
湘南のアグレッシヴなフットボールに押しこまれる局面も少なくなく、予想通り苦戦、ワン・チャンスをしっかり決めた方が勝つという展開になったが、後半に武藤のヘディングで東京が得点、リーグ戦4試合連続完封という守備の堅さでしっかり勝ちきった。
敵が前がかりに来たところで裏を取ってカウンターから追加点が奪えなかったのは大きな課題だが、苦しい中でも虎の子を守りきっての勝利はチーム全体にリズムを作って行くだろう。開幕から1ヵ月、試合を重ねる中で東京としての戦い方が徐々に見えてきたということなのかもしれない。
この試合では武藤の頑張りが光ったが、羽生、石川というベテランが気の利いた動きでしっかりとボールをつなぎ、スペースを埋めて攻撃を機能させていたことは見逃せない。また、梶山も中央でしっかりボールをためて攻撃をコントロール、河野のキープからスペースにボールを出す動きも効いていた。
ポゼッションは50-50、シュート数は10-6と激しいつばぜり合いが示唆される試合で、楽勝ではなかっただけに、勝ち点3を持ち帰れたことは大きい。
リーグ戦5試合であげた6得点のうち4得点が武藤というのは正直少しアレな感じもするが、そこに至る道筋は全員の連係から生まれたもの。あとは前田のゴールを早く見たい。また、リーグ戦4試合連続完封、2試合連続1-0というのも嬉しい。
これで東京は5節を終えて3勝2分と無敗を維持、勝ち点を11に伸ばして浦和と同成績の首位となった。この時点での順位に一喜一憂するのはナンセンスだが、1試合あたりの勝ち点2.2は評価できる。まだまだここからとはいえ、シーズンのスタートとしては確たるベースを作ったと言える。
この後はナビスコを挟んで日程が立てこんでおり、うまくターン・オーバーしながら控えも含めた底上げが必要になる。
評点(評点は
ドイツ式
):
権田(3) 安定したキャッチングでリーグ戦4試合連続の完封。
徳永(3.5) このところ攻撃参加に迫力あり。対人の強さも遺憾なく発揮。
カニーニ(3.5) 後ろからのタックルはいただけないが人に強いのが頼もしい。
森重(3.5) 読みのいい守備は既に円熟の境地。東京の中軸。
太田(3) クロスで仕事をした。最近FKのワクワク感が薄れてきて寂しい。
羽生(3.5) 相変わらずスペースを消す遍在ぶりは頭脳派の職人芸。
梶山(3.5) さすがのキープと意外性のあるパスが戻ってきた。
米本(3.5) 視野の広さ、前線へのフィードにしっかりした意図を感じる。
河野(3.5) しっかりボールに触り起点になった。熱くなるのも悪くない。
石川(3.5) 幾度となくボールを引き出しチャンスメイク。好調を維持。
武藤(3) ここでしっかり取るところがスター。チェルシーにはもったいない。
===
高橋(3.5) 終盤の苦しい局面をしっかりコントロールした。
前田(-) 時間短し。
武藤はチェルシーからのオファーを断る見通しとの報道も。海外への挑戦はやるべきだと思うし、移籍金も魅力的だが、出場機会ということを考えると二の足を踏むのも理解できる。急いで決める必要はないと思うね。
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J1リーグ戦
2015年04月11日 12:43
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【DFBポカール準々決勝】ビーレフェルド×グラードバッハ
■2015年4月8日(水) 19:00キックオフ
■Schuco-Arena (Bielefeld)
DFBポカールの準々決勝は週央のゲーム。夜中の2時からということで動画を探すのも諦めて寝た。二部のビーレフェルドとアウェイでの対戦。ここまで来たらタイトルを狙いたいが、格下相手のカップ戦が難しいのは間違いのないところで、厳しい戦いが予想される。
週末のリーグ戦からはジョンソンとラファエルに代えてアザールとハーンを起用。ハーンがクルーゼとの2トップを組んだようだ。シュトランツルは引き続きベンチ入りせず。
ゾマー
ヤンチュケ ブラウアース ドミンゲス ヴェント
ヘアマン クラマー シャカ アザール
ハーン クルーゼ
試合はグラードバッハが主導権を握るが、しっかりとブロックを構築し球際でもアグレッシヴなビーレフェルドに対してチャンスは少ない。9分にクルーゼが放ったミドルがファースト・シュート。一方で、15分を過ぎた頃からビーレフェルドもロングボールを主体に攻撃を仕掛け始める。
グラードバッハは集中した守備で対応したが、26分、エリア内でキープされたボールを戻され、外から放たれたシュートが決まって0-1と先制を許す。
だが、31分、左サイドからのクルーゼのクロスが敵DFの手に当たったとしてハンドの判定。これで得たPKをクルーゼが冷静に右隅決めて1-1の同点に追いつく(32分)。失点直後の時間帯に試合を振り出しに戻したグラードバッハは落ち着きを取り戻すが、その後も決定的なチャンスはなかなか作れず。
後半に入っても、グラードバッハが明らかにボールを支配しながら、自陣をしっかり固めるビーレフェルドに対してバイタル・エリアに入りこめない展開が続く。逆にビーレフェルドがカウンターからチャンスを作るが、ゾマーの好セーブもあり得点は許さない。
69分にはヘアマンに代えてトラオレを、80分にはハーンに代えてラファエルを投入し、試合を決めに行くが、決定的なシーンを作ることはできず、試合は延長に。
延長前半はグラードバッハが攻勢。96分にはトラオレからのスルーパスを受けて裏に抜け出したラファエルが角度のないところからシュートを放つが枠に収まらず。99分、アザールに代えてジョンソンを投入。103分にはトラオレが右サイドから切れこんでシュートを放つがこれも枠を捉えきれず。
延長後半になるとビーレフェルドが捨て身の攻撃を試みるがグラードバッハがしのぎ、結局PK戦となる。
後攻のグラードバッハは0-1から1人目のラファエルが左に外す。その後は2人目のジョンソン、3人目のシャカ、4人目のブラウアースが決め、この時点で3-4。ビーレフェルドの5人目が決めれば終了となるところだったがここでゾマーが敵のPKを止め、グラードバッハの5人目クルーゼが決めて4-4となってサドンデスに。
しかし、ビーレフェルドの6人目が決めたあと、トラオレが右隅に蹴ったPKを敵GKがセーブ、4-5でPK戦に負け、グラードバッハは準決勝進出を逃した。
ポゼッションは77-23とグラードバッハが圧倒的にボールを支配したことを示しているが、シュート数は17-15とほぼ互角。120分で17本だから、ボールを持った割りにフィニッシュまで行けていないことが想像され、自陣を固めたビーレフェルドを崩せなかったという試合展開が数字からも示唆されている。
格下だけにそういった割りきった戦いが許されるというのもあるし、終盤になればなるほど負けられないグラードバッハにプレッシャーがかかるのも自明。PK戦での敗退は運に左右される部分もあるが、格下相手に90分で決めきれなかった時点でこの結果は受け入れるべきものだということだろう。
kickerの採点ではヘアマン、アザール、ハーンがともに4.5と低評価。前線が敵の厚い守りを打開できない窮屈な試合だったようだ。今季の実力であればタイトルを狙って準決勝に参入したいところだったが、これで残りはリーグ戦のみ。チャンピオンズ・リーグを巡る戦いに集中する他ない。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「準決勝進出のチャンスを逃したことには当然落胆している。どうしても次のラウンドに進みたかったが、それが簡単でないことは予め分かっていた。試合を組み立てようと試みたが、ビーレフェルドは極端に集中した守備をしていて、我々はほぼまったくはっきりしたチャンスを作ることができなかった。我々には少しばかり本来必要なスピードが欠けていたし、そもそもスペースを見つけることができなかった。全体として、勝つためには力が足りなかったということだ。PK戦で敗退したことはもちろん消化するのが難しいが、今となってはできるだけ早くこれにケリをつけてしまわねばならない」
リーグ戦次節BVBとの試合はスカパーで中継がある。シーズン前半のアウェイでは完敗しており、ホームでしっかり雪辱したい。
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Borussia M'Gladbach
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DFBポカール
2015年04月05日 23:07
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【ブンデスリーガ第27節】ホフェンハイム×グラードバッハ
■2015年4月4日(土) 15:30キックオフ
■Wirsol Rhein-Neckar-Arena (Sinsheim)
ドイツがサマータイムに入ったので日本との時差は7時間、午後3時半キックオフの試合は日本時間夜10時半と見やすくなる。今節はグラードバッハもホフェンハイムも日本人選手が関係ないためスカパーでは中継がないが、ネットで動画中継のあるサイトを探して10時半にはPCの前に座った。
インターナショナル・マッチ・デイがあったために2週間ぶりのリーグ戦。前節、バイエルンに2-0と快勝したところでインターバルが空いてしまったのはもったいなかったが、各国の代表に招集されていた選手が合流、勝ち点を積み上げてチャンピオンズ・リーグへの足がかりをしっかりしたものにしたい。
シュトランツルが膝の問題ということで代わりにブラウアースがCBで先発、またトップにはクルーゼが先発しハーンはベンチとなった。
ゾマー
ヤンチュケ ブラウアース ドミンゲスヴェント
ヘアマン クラマー シャカ ジョンソン
ラファエル クルーゼ
立ち上がりはホフェンハイムの方がアグレッシヴに仕掛け、グラードバッハは自陣に押しこめられる展開に。6分、カウンターからスルーパスを通され裏に抜け出したFWにゴールを決められるがオフサイドの判定。リプレイで見る限り微妙な判断であり助かった。
グラードバッハも徐々にエンジンがかかり、15分には右サイドからのクロスに合わせてドミンゲスがファー・ポストに飛びこむがヒットせず。
逆に直後の17分、中盤から右サイドに斜めに通されたパスをワンタッチで逆サイドに折り返されると走りこんだ敵FWに合わされて失点。絵に描いたようなきれいなカウンターで0-1と先制点を献上した。前に出始めた矢先にカウンターで裏を取られた格好となる。
だが、グラードバッハは焦ることなく主導権を集中に収めて行く。少ないタッチでボールを動かしながらホフェンハイムの守備の綻びを探すが、最も効いたのはやはりカウンターだ。22分、左サイドからクルーゼがボールを流しこむと、中央でジョンソンが敵DFと交錯してつぶれ、ファーに流れたボールをヘアマンが押しこむ。
ゴールかと思われたがその前にジョンソンに対する敵DFのファウルの笛が鳴っておりノーゴールとなり、グラードバッハにはPKが与えられる。クルーゼがこれを冷静に決めて1-1と同点に追いついた。
アドバンテージを見てヘアマンのゴールを認めてもよかったと思うが、その前に笛を吹いてしまったので仕方なかったのだろう。また、ジョンソンに対するファウルを取るなら明らかな得点機会の阻止であり敵DFは退場相当だったようにも思う。クルーゼのPKが決まったからよかったようなものの、疑問の残る対応だった。
これで重しのとれたグラードバッハは一気に攻撃を仕掛ける。28分、右サイドのヘアマンから戻しのパスを受けたシャカがエリア外からミドルを狙うが左ポストをヒットしてボールは外へ。
31分、左サイドを上がったヴェントがクロスを入れると、ニアにヘアマンが飛びこみ軌道を変える。ボールはファーポストに転がりこんでゴール。グラードバッハが2-1と逆転する。シュートという感じではなかったが、ボールに触ったおかげでいいところに飛んでくれた。
勢いに乗るグラードバッハはさらに36分、同様にカウンターで持ち上がったクルーゼが敵DFを引きつけて並走したラファエルにラスト・パス。ラファエルがこれを手堅く沈め3-1に。10分間でグラードバッハが3点を挙げて試合の流れを決定づける。
後半に入ってもグラードバッハ優位の流れは変わらず。51分、またしてもカウンターで持ち上がったクルーゼが並走したヘアマンにパス。ヘアマンがこれを決めて4-1。これで試合はほぼ決まったと言っていい。気持ちいいくらいスパスパとカウンターが決まる。
その後はセーフティ・リードを得てリスクを取る必要のなくなったグラードバッハが自陣でブロックを形成、ホフェンハイムの攻撃を受け止める展開に。
66分、ヘアマンに代えてトラオレを投入。71分にはラファエルにアザール、76分には既に一度警告を受けているシャカに代えてノードファイトを投入するなど余裕の選手起用で試合をクローズしに行く。
自陣では何度かクリティカルなシーンも作られたもののゾマーのファイン・セーブもあって得点は許さず。結局ホフェンハイムを最少得点に抑え、痛快な逆転劇で4-1と完勝した。
序盤は押しこまれ、先制点を許したが、落ち着きを失うことなく得点を重ねて勝利を引き寄せた。いささかうまく行き過ぎの感もあり、ホフェンハイムのカウンター・ディフェンスの甘さに助けられた部分はあったかもしれないが、それを見逃さなかったのは上位のクラブらしい明快な勝利。終盤の敵のパワー・プレーにも失点しなかったのも評価すべき点だ。
グラードバッハは勝ち点を50に伸ばし3位をキープ。1試合あたりの勝ち点は1.85と上位に値するものになってきた。4位のレバークーゼンとは勝ち点差2でまったく予断を許さない状況だが、5位のシャルケとは残り7試合で11の差。悪くともチャンピオンズ・リーグ予選は確保しなければならない。
逆に2位のヴォルフスブルクとは勝ち点差7と変わらず。直接対決を残しており、勝ち点を積み上げて行けば逆転は可能。シーズン後半は10試合で7勝1敗2分、1試合あたりの勝ち点2.30とバイエルンを上回って2位(シーズン後半首位はヴォルフスブルク)。シーズン後半の立ち上がりは決していい内容ではなかったが、結果を積み重ねる中で逆に内容がついてきたと思う。
日程としては水曜日にDFBポカールのビーレフェルド戦(A)をはさんで、BVB(H)、フランクフルト(A)、ヴォルフスブルク(H)とシーズン前半に3連敗を喫したシリーズが待ち構えており、ここが今季の勝負どころとなる。ここまで来たらこの勢いを駆って行けるところまで行くしかない。
ルツィアン・ファヴレ監督談話:
「我々がホフェンハイムで始めて勝つことができたというのは私にとってはあまり重要ではない。まずは勝ち点3を得たということ。ホフェンハイムでの戦績がよくないということは知っていた。ここでは以前も難しかったし、今日も大変な試合だった。しかし我々はいいパフォーマンスを示した。我々は先制されながらも4-1で勝ちきったし、それは妥当なものだった。我々はもちろん正しい動きを練習したし、今日はそれを通じていくつものゴールのチャンスを作った。PKの前の動きについては、ゴールが認められるべきではないかと言ったが、ベンチからはあれがPKの状況かどうかは分からなかった。その前の流れはよかったし、いいコンビネーションだった。我々はハーフタイムの後に素早く4-1にしたかったが、それがうまく行った。最後にはホフェンハイムにもチャンスがあり、我々は少しばかり集中を欠いたが、それはよろしくなかった。順位表を見ればもちろん我々は上の方にとどまっている訳だが、難しい試合日程が残っている」
グラードバッハがこんなに強いクラブになるとは正直思っていなかった。2001年の昇格から見続けてきた者として感無量。残り試合をしっかり見守りたい。
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ブンデスリーガ
2015年04月04日 23:19
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【Jリーグ第4節】FC東京×甲府
■2015年4月4日(土) 16:00キックオフ
■味の素スタジアム
午前中に降った雨はやんだものの肌寒い土曜日。週末の味スタは3月14日のホーム開幕戦以来ということで、何だか久しぶりに荷物を揃えて京王線に乗った。
今季ここまで公式戦無敗とはいうものの、リーグ戦では1勝2分と勝ちきれず。引き分け先行の星勘定からは、ホーム・ゲームでもあり勝ち点3をきっちり積み上げなければならない試合。2ステージ制の短期決戦を展望すれば、シーズン序盤の流れを決める大事な一戦になる。敵は侮れないが何とか勝ちたい。
代表招集でチームを離れていた森重、権田、太田、武藤が復帰、一方で東がメンバーを外れた(一説にはケガと)。トップには石川が先発、インサイド・ハーフは松本戦に続いて三田が起用され、羽生はベンチ・スタートとなった。また、ケガで戦列を離れていた林がベンチに復帰。
権田
徳永 カニーニ 森重 太田
三田 梶山 米本
河野
石川 武藤
試合は序盤から東京がボールを支配して押しこむ展開に。3分、徳永が前線に送ったボールを敵DFが落としたところに石川がボレーで狙うが枠外に。早速のシュートで勢いのあるスタート。石川がボールを持つと何かが起こるのではないかと期待してしまう。
中盤で激しくボール・ホルダーにアプローチし、奪ったボールを素早く前線に展開するといういい時の東京のスタイルがはまる。何度か一気呵成に攻め上がる形を作るが最後のところが合わせきれない。14分、短くつないだボールを最後は河野が受けて左から狙うがこれも枠外。
15分、米本が前線左寄りに大きく蹴り出したボールを斜めに追った石川が右足で絶妙のトラップ、外に逃げながら身体をひねって左足でシュートするとこれが決まり東京が1-0と先制。石川の個人技ではあるが、果敢に前を向いて攻め続けた結果が出たもので偶然ではない。やはり石川が活躍するとスタジアムも盛り上がる。先発起用に応える見事なゴールだった。
東京はその後も甲府に主導権を渡さず、守備をしっかりコントロールしながら、ボールを奪えば早い切り替えから攻め上がるパターンで何度かバイタル・エリアに入りこむ。一方の甲府もボールを持てばしっかりと組み立てながら東京ゴールに迫るが、カニーニがしっかり人に当たり森重がカバーする形で決定機は作らせず。
30分、左寄り25メートルほどのところでFKを得る。森重と太田がセット、森重が蹴ったがGKにキャッチされる。31分、梶山からのフィードを受けて右前線に飛び出した武藤が自ら仕掛けるがシュートはわずかに枠を捉えきれず。武藤としては今日一番の見せ場だったが不発に終わる。
その後も東京がしっかりした守備で甲府にチャンスらしいチャンスを作らせず。39分、右サイドの梶山から大きなパスを受けた太田が一呼吸置いて狙い澄ましたシュートを放ったがボールは枠外に。1-0とリードを保って前半を終える。
後半開始早々の51分、武藤が腰を傷めた様子で交替、前田が入る。武藤は歩いてピッチを出た。後半も東京が試合をコントロール、守備に重点を置きながら、ボール・ホルダーへの厳しいアプローチから何度かチャンスを作る。逆に甲府の攻撃は散発、思わず顔を覆うようなピンチはほぼない。
62分、太田のFKからの敵DFのクリア・ボールが敵エリア内でのハンドを誘いPKを得る。早々に森重がボールを持ってスポットに向かったので、スタンドからは「森重?!」的などよめきが。森重のPKは左ポストの根元を直撃して外へ。これを決めていれば試合運びは随分楽になったと思うが追加点を取りきれず。
直後、河野に代えて羽生を起用。羽生が左、三田が右のSHとなり、梶山と米本のダブル・ボランチ、石川と武藤の2トップという4-4-2の布陣に変更。PKの失敗を引きずることなく、その後も主導権を握って試合を進める。
80分、石川の右CKに中央で森重が合わせるがヘディング・シュートは右ポストを直撃。これも惜しかった。終盤は甲府がパワー・プレー気味に圧力をかけて来たため自陣に押しこまれる時間が長くなり、なかなかプレーを切れない局面もあったが身体を張った守備でこれをしのぐ。
88分、三田に代えて高橋を投入。高橋がボランチに入り米本が左SHに押し出される。甲府の猛攻に耐え、東京が1-0で逃げきり、リーグ戦今季2勝目を挙げた。
早い時間帯の先制点を守りきっての1-0の勝利。追加点が欲しかったしそのチャンスもあったが、決められないのなら我慢して守りきるということができ、結果として勝ち点3を積み上げることができた。こういう勝ち方ができると「強くなった」と思う。
攻撃においてもハイプレスからの素早い攻守の切り替えができており、意図のあるボールの動かし方、得点から逆算したつなぎが意識されていた。無敗という結果を出す中でスタイルが固まりつつある印象を受けた。
石川のゴールはこうしたトライアルの中から生まれたものであり、繰り返しになるが個人技ではあっても偶然ではない。米本のフィードも素晴らしかったし、出し手と受け手の意思が合致した質の高いゴールであり、石川らしい華のある得点だった。
森重のPK失敗はもったいなかったし、他にも追加点のチャンスはあったが、決めきれないならその分しっかり我慢して最少得点差で試合をクローズするというゲーム・マネジメント、リスク・コントロールができていた。
PK失敗は往々にして流れが変わるきっかけになるが、それを引きずらずしっかり守りきれたことが、今日の試合で最も評価できる点ではないかと思う。ポゼッションは51-49とほぼ互角だったが、シュートは11-4。ほとんどチャンスを作らせなかったのは、的確なリスク・コントロールで守備からリズムを作る戦術が先制点で利いたからだろう。
フィッカデンティ監督が、羽生、石川といったベテランをきちんとリスペクトして起用し、彼らもまたそれに応えて結果を出すことが、チームの士気を高め、勢いを作り出している。石川がこんなゴールを決めたら若手は発奮するしかないし、前田もいい意味で触発されるだろう。
結果が内容を引っ張るポジティヴなサイクルでまずは行けるところまで行きたい。
評点(評点は
ドイツ式
):
権田(3.5) ほぼ試されず。リーグ戦3試合連続の完封は立派。
徳永(3.5) 効果的な攻め上がりで見せ場を作った。守備は相変わらず手堅い。
カニーニ(3.5) 対人の強さは素晴らしいがうかつな一発クリアが怖い…。
森重(4) 今日は彼の日ではなかった。敵の切れこみに抜かれるシーンも。
太田(4) セットプレー以外姿見えず。そろそろFKでも決めて欲しい。
三田(4) 積極的にボールに絡み守備でも奮闘した。特徴を出したい。
梶山(3.5) 中央でのボール捌きにはもはや貫録。攻撃に使いたいが…。
米本(3) 攻撃的守備のスイッチを入れた。フィードも素晴らしかった。
河野(4) 序盤はよく起点になったが次第に姿を消した。踏ん張りどころだ。
石川(2.5) ゴールは高い技術と意志が結実したもの。石川はオレたちの夢だ。
武藤(3.5) 前半のチャンスは決めたかった。監督は軽傷だと言っているが…。
===
前田(4) 献身的にボールを収めたが連係に課題を残す。ゴールが欲しい。
羽生(3.5) 終盤の苦しい局面をしのぐキーマンに。価値の高い働き。
高橋(-) 時間短し。
これで東京は勝ち点8で2位に浮上。順位はまだどうでもいいが、1試合あたりの勝ち点2.0は悪くない。次節アウェイの湘南戦でも確実に勝ち点を持ち帰りたい。
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