フットボール・クレイジー
football crazy
silverboy club
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2016年02月28日 00:53
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【Jリーグ第1節】FC東京×大宮
■2016年2月27日(土) 19:00キックオフ
■味の素スタジアム
いよいよ今年もリーグ戦の開幕だ。ナイト・ゲームなのは不満だが、ホームでの開幕ということで気合を入れて防寒、新宿で弁当を買って味スタに出かけた。天気はいいが気温は低く風が冷たい。
東京はハ・デソンと駒野を負傷で欠き(いずれも全治3〜4週間とのこと)、苦しいスライド用兵を余儀なくされた。徳永が左SBに回り右SBには全北戦でも途中からコンバートした橋本を先発起用。またボランチの一画には梶山が先発、米本とコンビを組んだ。また、ACLの全北戦で終盤に負傷した森重は「当日まで分からない」と言われていた割りに普通に出場。
計算できる代役という点では丸山を左SBにスライドし、中央に吉本か高橋を起用するところかと思うが、橋本の右SB起用にこだわるのは何なのか。梶山の起用も微妙。なぜ高橋ではダメなのか。大事な開幕戦で敢えてリスクを取りに行く意図がよく分からない。また、ベンチにはバーンズ、サンダサの名前なし。一方で小川、田邉がベンチ入り。
秋元
橋本 森重 丸山 徳永
水沼 梶山 米本 東
前田 阿部
序盤こそ大宮の攻撃を受け自陣で守備に追われる時間が続いたが、12分、前田の落としに走りこんだ東が鋭いシュートを放つが味方に当たりゴールに飛ばず。ここから東京がセカンド・ボールを支配し、敵陣で波状攻撃を仕掛ける展開になる。
しかし、これを受けて引いた大宮の最終ラインは固く、東京は前の4人が流動的にポジションをチェンジ、縦のボールの出し入れから素早く裏を狙うなど攻撃を仕掛け、阿部が精力的に動いてチャンス・メイクするが、最後のコンビネーションが甘くなって分厚い大宮の守備を崩せず。
ハイ・プレスでボールを奪い、セカンドも拾ってボールは東京がほぼ支配、前半だけで7本のシュートを放ったがゴールに至らず。一方で大宮も何本か危険なカウンターを仕掛けるが守備も集中しており、得点は許さない。東京優位ながら決定打が出ず、スコアレスで前半を折り返す。
東京は後半から水沼に代えて河野を投入、河野はそのまま右SHに入る。水沼と橋本のコンビネーションが機能していないという判断ではないかと思うが、問題は水沼にあるというより不慣れが橋本が守備を優先して攻撃参加できていないことにあるように思われる。徳永を右に戻し、丸山を左に出して中央に高橋を入れるべきではなかったか(吉本はベンチ外)。ダイナモになっていた水沼の早い時間帯での交代には疑問が残った。
後半に入っても東京がボールを支配、敵陣で何とか守備を崩そうと試行錯誤を続けるが得点に結びつかない。68分、東に代えて中島を投入、しかし直後の69分、敵のカウンターを浴びる。左サイドから中央に入れられたボールに敵FWが合わせたシュートは橋本がブロックするが、正面にこぼれたボールを再度蹴りこまれてゴール。前がかりになった背後を突かれて絵にかいたようなワン・チャンスのカウンター・ゴールで失点。いつか見たような光景だ。
東京は77分、梶山に代えて田邉を投入、82分、田邉からのパスを受けて右前線に抜け出した橋本が落としたボールを正面の河野がシュートするがボールはバーをヒット。この日のポイントになるシーンだったがゴールできず。
東京はその後も左サイドの中島にボールを集め、そこを起点に仕掛けるが、敵の守りも厚く、中島の得意の切れこんでのシュートもコースを切られて不発。最後までトライを続けたがゴールが遠く、圧倒的に攻勢ながらワン・チャンスでの失点に泣いて0-1と開幕戦を飾ることができなかった。
これが2008年や2009年だったら、「チャンスは作れたが惜しかった」「内容は悪くなかった」という評価になるのかもしれないが、ポポヴィッチ監督、フィッカデンティ監督のフットボールを経て、結果を出すことの重要性を痛いほど知った今となっては、一部に面白いコンビネーションや意図のある攻撃も見られたものの、結局勝ち点1も得られなかったのでは無価値な試合だったと言う他ない。
象徴的な意味を持つホームでのシーズン開幕戦であり、今季何を目指して戦うかをはっきり示すためにも勝利の必要な試合だったが、そこで結果を出し損ねたことで、どんな言い訳も意味のないゲームになってしまった。試合後、僕のいたバックスタンドから本当に自然発生的にブーイングがわき上がったのも、結果を求める強い意志の表れ。これまでと隔絶した高いところを目指しているのに、この結果であれば内容の如何にかかわらずブーイングを受けるのは当然だ。
ハイ・プレスが機能してボールを支配、波状攻撃を仕掛け、工夫して崩しを狙ったのはよかったが、引いてゴール前を固める相手を崩しきれず、前がかりになって空いた中盤を使われカウンターからの失点。ポゼッション・スタイルでは最もありがちでやってはならない点の失い方であり、昨季までのリスク管理はどうなったのかと言わざるを得ない。昨季までの蓄積の上に積み上げるというのはやはり絵空事なのか。
シュートは14-7、ポゼッションは66-34と圧倒しながら、CKが4-5というのは攻撃の効率性、ボールをもつことと攻撃をやりきることが必ずしも一致しないことを示しているのか。ポゼッション・ゲームの陥穽にハマった典型的な試合になってしまった。1点も取れないなら失点してはいけない。得点できず、無失点にも抑えられず、勝ち点を取れないアクション・フットボールは要らない。敵のオウン・ゴールで勝った方がよっぽどマシだ。
采配にも疑問が残った。特に急造右SBの橋本は敵の機動的なワイドに手を焼き、ボールを持っても前に仕掛けることができず戻す一方。まずは守備をしっかりやるという約束ごとだったのかもしれないが、そうであれば丸山を左で起用した方がまだ全然マシで、橋本の右SBにこだわる意図がまったく分からない。
敢えて我慢して使う、実戦で育てるということも時には必要だが、橋本をSBで育てて欲しいとはたぶん誰も思っていない。計算できる代役が必要なら丸山だし、我慢して育てるならSBが本職の小川であり柳だ。小川をベンチに置いてもピンチで出せる訳でもなく意味はない。中途半端な判断だったと思う。橋本はユーティリティ性があり、将来の見込める貴重なタレントだが、だからこそこういう便利使いみたいな起用は避けて欲しい。
まだ初戦だし、修正は聴く。過剰に悲観する必要はもちろんない。しかし、この敗戦をきちんと受け止めず、たまたまゴールが決まらなかったというだけの認識で「次行こう」的にスルーしていては同じことが繰り返されるし、それではタイトルなんて到底覚束ない。ひとつの敗戦を徹底的に反省し、分析し、批判的に見直して、連敗だけは何としても避けれなければ優勝はできない。口にする資格もない。簡単に「切り替えて次行こう」とは言いたくない。
我々には試行錯誤している時間はないし、既に34試合の内の貴重な1試合で勝ち点3を失った。次はアウェイだが勝利が必須になってしまったし、それでも1試合あたりの勝ち点は1.50にしかならない。その前に中二日のホームでACLのビン・ズオン戦があり、これも勝たねばならない。ここをどう乗りきるかで今季の方向性がある程度見えてしまうこともあり得る。いきなり正念場になる可能性ある。城福浩の指揮官としての成長を見たい。
評点(評点は
ドイツ式
):
秋元(5) キャッチングは安定していた。痛恨の失点はノー・チャンスか…。
橋本(5) 橋本自身は悪くない。このポジションでの起用に拘泥した采配のミス。
森重(5) こういう戦い方だからこそリスク・マネジメントは森重の仕事だ。
丸山(5) 集中していたが結果的に失点してしまったことは反省の余地大きい。
徳永(5) 橋本とのバランスからか積極的に仕掛けていたが決定的な働きできず。
水沼(5) ボールを持てば可能性を感じさせたが後ろの押し上げなく孤立感。
梶山(5) ボール捌きはさすがだが守備での貢献少ない。リスク高い。
米本(4.5) ひとりで中盤を抑えていた感。プレーに覚悟が窺えて頼もしい。
東(5) アイデアのあるプレーでチャンスを作ったが決定打が出なかった。
阿部(4.5) 味方を生かしピンチを救うプレーで存在感。核になる働きだった。
前田(5) 阿部とのコンビも形になりつつある。献身性は評価するが得点欲しい。
===
河野(5) 引いた相手に対し押したり引いたりを試みたがスペースなかった。
中島(4.5) ゴールから逆算したプレーは見られたがやや焦りもあって不発。
田邉(5) 時間短し。センスは感じさせた。
結果が出なかったので評点は高くできない。考えてみれば弁当に箸が入っていなかったのがよくなかったのかもしれない…。
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FC東京
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J1リーグ戦
2016年02月23日 23:47
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【ACL第1節】全北×FC東京
■2016年2月23日(火) 19:00キックオフ(日本時間)
■全州ワールドカップスタジアム
シーズンはACLから始まる。優勝候補の一角と言われる韓国の全北とアウェイで開幕。厳しい相手だが、タイトルを目指して戦う我々のスタート地点としては申し分ない。大勝したプレーオフから2週間、宮崎でのキャンプでもう一度チームとしての連係を確認し、満を持しての試合となった。
まあ、当然ながら平日の夜に韓国まで出かける訳にも行かず、ACLのために新しく契約した日テレプラスでのテレビ観戦。急いで仕事を切り上げ家路を急いだがキックオフには間に合わず、先に晩ごはんを食べてから追っかけ再生で時差視聴した。
東京はなぜか高橋を韓国に帯同せず。ボランチはハ・デソンと米本と見られていたが、発表されたスタメンを見るとハ・デソンの名前がない。サイド・インフォメーションによればふくらはぎの負傷で出場を回避ということだが、帯同したはずの梶山もベンチ入りしておらず、橋本がボランチで米本とコンビを組むことに。
初戦ということでしっかり勝ち点3を積み上げたいのは当然だが、現実的に考えればまず失点しないことを第一に考え、最悪でも勝ち点1を持ち帰りたい試合。CBは丸山より吉本の方がいいのではとも思っていたが、ハ・デソンの欠場以外は概ね事前の報道通りのメンバーだった。高橋を帯同しなかったのが悔やまれる。
秋元
徳永 森重 丸山 駒野
水沼 橋本 米本 東
前田 阿部
序盤は東京が前がかりに試合に入る。高い位置からボールホルダーに対して積極的にプレスを敢行、セカンドをきちんと収めて敵陣中心に試合を進める。3分、右サイドの水沼が入れたクロスに東がシュートを放つが敵DFに阻まれる。これが東京のファースト・シュート。
9分、前田からパスを受けた阿部がドリブルで持ち上がり、いいタイミングでGKの頭を越すループ気味のシュートを放ったがボールはバーの上に。13分、敵のクリアボールを拾った米本がミドル・シュートを放つが枠を外れる。
中盤でしっかりボールを奪えており、チャンスを作れているがゴールに近いところでは敵の守備も厳しく、なかなかいい形ではシュートを打たせてもらえない。20本にも中央でボールを奪った米本が持ち上がってミドル・シュートを放つが枠外に。これはもうちょっと工夫の欲しいシーンだった。
21分、東京にアクシデント。駒野が足のトラブルを訴えた様子で幸野と交代。徳永が左SBに回り橋本が右SBに。幸野はボランチに入る。この交代を機に、東京は慎重になったか全北の攻撃を受ける時間帯になる。
中盤でプレスをかいくぐられるようになり、自陣に押しこまれる苦しい展開に。昨季からの集中した守備で最後のところはしっかりと守れているが、奪ったボールもつなぐことができず、取り返されては波状攻撃を受ける繰り返し。我慢の時間だ。
それでも決定的なチャンスは作らせずにいたが、38分、持ち出そうとしたボールを奪われる。左サイドの密集からファーでフリーの敵FWにボールが渡り、これを確実に決められて失点。0-1とリードを奪われる。橋本がスライディングしたが一歩及ばず、痛い時間帯の失点に。
42分、左サイドから中央の前田にボールが渡るがシュートは枠を外れる。アディショナル・タイムには橋本のクロスに中央で東が飛びこむが敵GKと交錯してシュートは打てず。結局0-1で前半を折り返す。
後半に入り48分、右に展開した阿部がクロスを入れると、中央の米本がつぶれ、ファーの東がエリア内で敵DFを一人かわしシュートを放ったがGK正面。56分には阿部の落としを拾った米本がワントラップで敵DFをかわし正面からシュート、いい軌道だったがボールはバーをたたいて外に。このあたりの逸機が響いた。
その後も60分には阿部が敵を背負った状態で反転してシュートを放つが敵GKがセーブ、さらに61分には橋本がミドルを放つがこれもGKにセーブされ決めきれず。
70分、東に代えて河野を投入。河野はそのまま左SHに入ったか。77分には水沼に代えてバーンズを投入、阿部を左SHに下げ、河野が右に回ったように見えた。
終盤に向け最後の反撃に出たい東京だったが83分、ゴール前でクリアしきれないボールをつながれ、最後は敵FWの絶妙なシュートで失点。0-2とほぼ試合を決定づける追加点を奪われる。
しかし、直後の86分、阿部が前田とのワンツーから抜け出し、GKをよく見て流しこんだシュートが決まり1-2に。その後も最後まで反撃したが及ばず、1-2で初戦を失った。
歯が立たないという相手ではまったくなく、しっかりとした戦術から意図のある攻撃を仕掛けチャンスも作ったが好機に決めきれず、一方で試合前にハ・デソンを失い橋本を緊急先発させた上、試合中にも駒野が傷んで幸野の投入に至るなどアクシデントも重なって苦戦を強いられた。
守備も失点シーン以外はしっかりと身体を張って集中できていたが、一瞬の隙やギャップを見逃してくれない敵と張り合うには最後の厳しさが足りなかった。橋本、幸野らスクランブルで出場した選手自身はよくやっていたし、米本の好守に亘る活躍は特筆すべきだが、中央でタメが作れず必要以上にバタバタしてしまった感は否めない。
結果論になるがやはり高橋を帯同させるべきだったし、丸山に代えて吉本をCBに置いていたら、最後のところでもうひと押しの泥臭い守備ができたのではないかと考えてしまう。最低でも勝ち点1を持ち帰るべき試合で、実際それが可能だったにも関わらず、局面で戦いきれずミスから2失点は厳しく批判されるべき。最低限必要な結果から逆算した戦い方ができていなかった。
もちろん見るべきものがなかった訳ではないし、収穫もあったと思うが、勝負としては終盤の1得点のみで結果を出せなかったのがすべてであり、評価のできない試合。1点しか取れないなら2点取られてはいけない。前に出るのなら得点しなければならない。好機は作ったが「たまたま」点が取れず負けた、と考えるのなら今季のタイトルなどあり得ないということ。やりたいことは見えたが中途半端に終わり、まだまだやらなければならないことが山積であることを示した試合だった。
試合終盤に森重が傷んでおり、ハ・デソン、駒野とともに状態が心配される。日程が詰まっているだけに、ケガ人が増えるとあっという間に失速する。チーム・マネジメントが問われる。
土曜日にはJリーグの開幕戦。どんなターン・オーバーをするのか興味深い。
評点(評点は
ドイツ式
):
秋元(4) ファイン・セーブあり存在感は見せた。失点シーンはやむなしか。
徳永(4) 左右どちらでもしっかり強さを見せた。今季も徳永がサイドを支える。
森重(4) やや荒い守備でヒヤッとするシーンも。ケガの具合が心配だ。
丸山(4) クリアが中途半端で怖い。局面によってははっきりして欲しい。
駒野(4) 序盤はいい感じで攻撃に絡んでいただけに負傷は残念。軽傷ならいいが。
水沼(3.5) 状況判断に長けたボール扱いで緩急をつけた。期待できそうだ。
橋本(3.5) 急なポジション・チェンジに対応、苦労はしたがよく働いた。
米本(2.5) 激しい試合で光る男。攻守に活躍。シュートが惜しかった。
東(3.5) 切り返すところまでは完璧だったがシュートがGK正面なのは…。
前田(3.5) 献身的な働きには毎度頭が下がるが決定的な働きはなかった。
阿部(3) 得点のみならず前線で起点になる働き。連係が深まれば面白い。
===
幸野(3.5) 攻守にしっかり顔を出した。攻守にひたむきさが見られてよかった。
河野(4) 相変わらずムラがある。今日みたいな試合で結果を出したかった。
バーンズ(4) いい仕掛けあり連係も悪くない。もっと使いたい。
しつこいようだが、高橋を日本に置いてくる意味が分からない。城福監督は信頼しているが、どうして高橋をこんなに冷遇するのか。そんなにコンディションを落としているのか。大宮戦で高橋を見たい。
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FC東京
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ACL
2016年02月21日 15:10
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【ブンデスリーガ第22節】グラードバッハ×ケルン
■2016年2月20日(土) 15:30キックオフ
■Borussia-Park
スカパーでの中継あり、時間も日本時間夜11時半キックオフと比較的穏当な日程で、余裕をもってユニを着こみテレビの前でスタンバイ。
グラードバッハはシーズン後半1勝3敗と出遅れており、順位も7位まで落としている。ホームでのダービーは何としても勝たなければ、できていることまでができなくなってしまうリスクの高い状況。しっかりした守備で失点を減らすところから始めたいが、一方で攻撃を委縮させることはしたくない。難しい舵取りを強いられる大事な試合だ。
グラードバッハはヒンターエッガーがインフルエンザで欠場、ノードファイトがCBにスライドし右SBにはエルヴェディが入った。コープは何してるんだろう。ベンチには入ってるんだけど。また、ヘアマンがベンチ入り。
ゾマー
エルヴェディ クリステンセン ノードファイト ヴェント
アザール ダフード シャカ ジョンソン
シュティンドル ラファエル
試合は立ち上がりからグラードバッハがボールを支配、敵陣に押しこむ展開に。9分、右前線でシュティンドルからパスを受けたラファエルがボールをキープ、DFを引きつけて中央にボールを送ると、後ろから走りこんだダフードがこれを受け、敵DFの寄せを受けながらも右足アウトでゴール右隅にたたきこみ1-0と先制。落ち着きと高い技術が光るゴールだった。
その後もグラードバッハが試合をコントロール。前線の4人が頻繁にポジションを交換しながら、両SBのヴェント、エルヴェディ、中央のダフードらも積極的に上下動し、ボールを保持しながら厚みのある攻撃を仕掛ける。
24分にはアザールからのマイナスのクロスを受けたシュティンドルが放ったシュートを放つがGK正面。36分、シュティンドルからパスを受けたアザールのシュートも枠を外れる。グラードバッハがほぼ一方的にチャンスを作るが決めきれず。
42分にはラファエルのFKにノードファイトが頭で合わせるがGKが倒れながら足でセーブ。43分、シャカがラファエルのCKに頭で合わせるがこれも枠を外れ、結局1-0で前半を終える。
後半に入るとケルンが選手交代でポジションを変更するが、立ち上がりはグラードバッハが引き続き攻勢に。53分、アザール右サイドを敵DFとの競り合いに勝って突破、戻しのパスをシュティンドルが受けてシュートするが敵GKがセーブ。54分、ラファエルの落としを受けたシャカの25メートルのミドルはわずかに枠を外れる。
しかしその後は次第に足が止まり始め、またケルンの交代も奏功したか、ケルンにチャンスが生まれ始める。66分、エルヴェディに代えてホフマンを投入、ジョンソンを右SBに下げる。
終盤はケルンがリスクを取って押しこむ展開になり、グラードバッハは防戦一方に。奪ったボールも起点が低いため前線に運べず、チャンスが作れない。ケルンの反撃を身体を張って守り、ゾマーのスーパー・セーブもあって何とかしのぐ時間が続く。
88分にはラファエルに代えてフルゴタを、アディショナル・タイムにはダフードに代えてブラウアースを投入して時間を稼ぎ、最後は苦しいシーンが続いたが、何とか序盤のリードを守ってグラードバッハが1-0で辛勝した。
前半は流動的に仕掛けて主導権を握り、早々に先制した上、その後もチャンスを作り続けたが、追加点を奪えなかったことでその後の試合展開を自ら苦しくした。後半に入ると徐々に足が止まり、敵の選手交代も奏功して逆に押しこまれる展開に。集中して守り、ゾマーの活躍もあって何とか無失点に抑えたが、前半がよかっただけに後半の息切れっぷりが目立った。
シュート数16-12、ポゼッション55-45、CK4-4は後半押しこまれた結果で、前半はもっと圧倒的なゲームだった。ダービーらしくエキサイトするシーンも多く、シュティンドルが敵のスローインになるボールを蹴り出して警告、ラファエルも敵DFのシュティンドルへの守備に抗議して警告を受けるなど、無用のカードももらってしまった一方で、シャカは敵DFとやり合うシーンもあったものの警告は免れた。
1-0という結果以上に見どころは多かったが、最少得点での勝利だけあって最後まで安心できないしびれる試合。とはいえ負けが先行しているシーズン後半戦にあって、ここでしっかりとホーム・ゲームで勝ち点3を積み上げることができたのは大きい。これを足がかりに守備と攻撃のバランスを再構築して行かなければならない。
グラードバッハは勝ち点を35(1試合あたり1.59)に伸ばし、暫定で5位に浮上。3位のヘルタとは勝ち点差1であり、4位のレバークーゼンが日曜日の試合に勝っても勝ち点は38だから勝ち点差は3。3位までは十分狙える位置におり、着実に勝ち点を積み上げなければならない。
一方で2位のBVBとは10以上の勝ち点差があり現実的にはキャッチアップの難しい状況。まずはCLへのストレート・インとなる3位を目指すべきだろう。シーズンも3分の2が終わり、勝ち点の重みが大きくなる時期。この時期の戦績がシーズンの帰趨を実質的に左右する訳で、我々も目標から逆算した戦いをしなければならない。
アンドレ・シュバート監督談話:
「全体として見ればまったく妥当な勝利だったと思う。我々がやろうとしていたことは試合開始からはっきりしていたはずだ。試合への入りはよく、それが得点にもつながった。我々は攻撃においていくつもの言いチャンスを作ったが、そのほとんどを生かすことができず、最終的にはそのひとつしか結果に結びつけることができなかった。できることならもっと早い段階で試合を決めることもできたはずだが、我々が失点をゼロに抑え、ぎりぎりのリードを試合を通じて守りきるということができたのはよかった。我々は試合をほとんど支配し、情熱をもって守備をすることができた。この生気に満ちた試合に勝つことができてハッピーだ」
次節はアウグスブルクとのアウェイ戦。ここで勝ってシーズン後半の星勘定を五分に戻したい。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2016年02月20日 22:03
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【ムービー・レビュー】BAILE TOKYO
FC東京の2015年シーズンを追ったドキュメンタリー。我々FC東京サポーターとしてはほぼ既知の内容であり、もちろん選手らのインタビューなどの付加価値もたくさんあるが、「ストーリー」自体は我々自身が経験し誰よりもよく知っているはずの2015年である。
フィッカデンティ監督の下で戦う2年目のシーズンとして、我々は何よりも結果を重視し、勝利にこだわるフットボールを旗印に長丁場のシーズンを戦った。「塩試合」という言葉が頻繁に聞かれたように、まずしっかりした守備をベースに失点を減らし、ワンチャンスでの得点を守りきって勝つというパターンの試合が増えた。
こうした戦いでは、ひとたび失点すれば、見せ場のない、「惜しい」も「内容はよかった」もない、単なる「負けただけ」の試合になる。それでも我々はボールを支配し敵を圧倒しながらカウンターの一発で負けるより、たとえPKでも敵のオウン・ゴールでも勝ち点3を積み上げた方が順位が上がるというシンプルな事実と、その重さを学んだ。
それは、我々の戦いの新しいステージを拓くという意味で重要なシーズンだった。「やりたいこと」をやるのではなく、明確な目標から逆算した「やるべきこと」をやりながら、ひとつひとつのマイルストーンを順番に踏んで行くということ。これほどチームとしての成長を実感したシーズンはかつてなかった。
我々はそれで過去最高の勝ち点を得たし、4位という好成績も残した。しかし、勝負どころで鹿島、浦和といったクラブに勝つことができなかったし、タイトルを得ることもできなかった。何ができ、どこまでたどり着けたか、その一方で何ができず、何が課題として残ったか、そうしたことがこれほど明確だったシーズンもなかったと言っていい。
そのシーズンをカメラは丁寧に跡づけて行く。試合のシーンではひとつひとつに明確な記憶がある。選手のインタビューでは「こんなことがあったのか」「こんなふうに考えていたのか」という新鮮な驚きもあるが、彼らの言っていることの意味はどれもよく分かる。そして、1点が取れずチャンピオンシップを逃した最終節。そこにあるのは紛れもなく僕自身の2015年だ。
微笑ましいシーン、苦いシーン、歓喜、そして悔しい思い。そのすべてに強烈な感情が喚起される。試合に出る「怖さ」を率直に話し合う橋本と野澤、ケガをしたときに榎本からかけられた一言の大きさを話す石川、サポーターへの思いを語る吉本などには、深くうなずくしかない。湘南戦で負傷した森重が、浦和戦に強行出場した事情の一端も明かされる。羽生と徳永のトークも味わいがあっていい。
新しいシーズンが始まる直前に、我々が昨季できたこと、できなかったことを改めて総括し、見返すことは重要だ。もちろん、以前にも書いたように、昨季4位だったからといって今季をその続きの4位から始めることはできない。しかし、自分たちの立ち位置、昨季の到達点を改めて確認することは、今季をいかに戦うかを考える上で必要なことに違いない。
今季、我々は城福監督を迎え、「アクション」をキーワードにして攻撃面の力強さ、魅力をテーマにしながらタイトルを目指すことを公言している。しかし、徳永との対談で羽生が話していたように、「2015年の勝利に対する強いこだわりがその前提になることは当然」だ。我々の今季の戦いは、単なる「守備から攻撃へのシフト」としての「逆コース」ではなく、昨季経験した「固い守備からスタートする意識」の上に積み上げる攻撃の強化であるはずだ。
だが羽生は「その意識はすぐに失われてしまうもの」とも言っている。常にそこに立ち戻る態度がなければ、せっかく手にしたと思った勝利への強い執着や結果へのこだわりは容易に失われてしまうということだ。だから「自分たちがそれをしっかり伝えて行かなければならない」と徳永は言う。今季のポイントは、その意識をどれだけの選手がきちんと対象化し、自分の中の規律として持ち続けることができるかということに他ならないと僕は思う。
そして、多くの選手がタイトルへの思いをはっきりと口にしている。この映画を見ていると、このメンバーとタイトルを獲りたいと思える。開幕前の、この時期にこそしっかり見るべき作品だと思った。
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FC東京
2016年02月15日 23:37
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【ブンデスリーガ第21節】HSV×グラードバッハ
■2016年2月14日(日) 15:30キックオフ
■Volksparkstadion (Hamburg)
日本時間では日曜日の夜11時半キックオフ。相手クラブには日本人選手がいるにも関わらずスカパー中継がないので頼みの「Goal TV」で動画中継を観戦。ただ、日曜日のこの時間は翌日の仕事を考えるとつらい。早くドイツのサマータイムが始まって時差が7時間になって欲しい。今年の切り替えは3月の最後の週末らしい。
グラードバッハは前節ブレーメンに大勝ち、この流れを確かなものにするためにもきちんと勝ち点を積み上げたい試合である。今節はシャカがようやく出場停止から復帰、ノードファイトが右SBに下がった。コープがベンチにいるのになぜノードファイトがわざわざSBをするのかよく分からない…。
ゾマー
ノードファイト クリステンセン ヒンターエッガー ヴェント
アザール シャカ ダフード ジョンソン
シュティンドル ラファエル
試合は互いに中盤でしっかりボールに行く忙しい展開に。試合が動いたのは14分、ラファエルからのパスを受けて右前線に抜け出したアザールが中央にボールを入れると、ボールは敵DFに当たったもののファーに抜け、走りこんだジョンソンがこれを難しい体勢からゴールに流しこんで先制。グラードバッハが1-0とリードを奪う。
しかし、HSVも積極的に前に出てくる。グラードバッハはセカンドがまったく拾えず、奪ったボールもつなげずすぐに奪い返されて押しこまれる時間になる。何度かゴール前で決定的な形を作られ、ディフェンス・ラインがかなりバタバタするが敵のシュート・ミスもあって何とかリードを保っている状態。
だが、38分、CKに頭で合わされたシュートはバーを直撃、こぼれ球の押しこみもライン上でクリアするがこれが短く、さらにシュートを放たれる。ヒンターエッガーがこれをクリアしようとしたがヒットできず、ボールはそのままゴールへ。オウン・ゴールで1-1の同点となってしまう。
オウン・ゴール自体は不運だが、その前に何度もゴール前で絶体絶命のピンチに陥っており、必要以上にバタバタしていたのは誰の目にも明らかだった。このシーンでも二度までゴールを阻止しながらクリアしきれなかったことが高くついた。
さらに41分、敵GKからのボールを受けた敵FWが左サイドを抜けて独走、最後はファーネットに決められあっという間に2失点。1-2と逆転を許す。前半終了前の時間帯に追いつかれたのみならずリードまで与えたのは試合展開としては痛かった。
後半になってもグラードバッハは攻撃が形にならず。HSVに仕掛けられて守勢一方の展開になる。57分、ダフードに代えてトラオレを投入。ジョンソンが右SBに下がり、ノードファイトがCBにスライド、クリステンセンをボランチに上げてトラオレが右SHに、アザールは左SHに回ったようだ。交代で入ったトラオレが必死でポジションを伝えていたのが可愛かった。
その後もグラードバッハはなかなかチャンスが作れなかったが、70分ごろからHSVも次第に足が止まり始めたか、ボールを持てる時間が長くなり敵陣で反撃を仕掛けられるようになる。74分、ペナルティ・エリア内でボールを受けたアザールが敵に囲まれながらも振り向きざまにシュートを放つがボールはわずかに枠外にそれる。
だが、80分、CKからヘディングを許し1-3に。これで試合はほぼ決まったと言っていいだろう。僕はここで寝た。
82分、アザールに代えてホフマンを投入、88分にはヴェントからパスを受けたラファエルが右足で決めて2-3と1点差に詰め寄ったが時既に遅し。88分、ヒンターエッガーに代えてフルゴタを投入、直後にはそのフルゴタがヘディングでゴールのチャンスを迎えたが枠を捉えられず、結局2-3で苦杯を喫した。
2点取れているのに3点取られて負けたのは明らかに守備の問題。特にカウンターのディフェンスに大きな問題を抱えているのではないかと思う。失点シーン以外にも「おいっ」という局面がいくつもあり、失点は時間の問題だと思われたし、敵の拙攻に救われたがもっと失点していてもおかしくなかった。
守備の基本的な約束ごと、規律があいまいになっているのではないか。ファヴレ監督時代の事細かな決まりごとがルーズになった結果、人は揃っているのにムダにバタバタしているのではないか。クリステンセン、ヒンターエッガーらの資質が足りないとは思えない。経験がモノを言うポジションだが、もう少しやりようがあるのではないだろうか。監督の手腕が問われるところだ。
だが、この試合では攻撃もほめられたものではなかった。せっかく拾ったボールも全然つなげず、ことごとく敵にカットされて逆襲を受けていた。少ないタッチで当てて落とす繰り返しから一気に裏をつくトリガーのタイミングを共有するオートマティズムは、精妙なだけにひとつ狂うとなかなか調整が難しいのかもしれない。ここがグラードバッハの強み、勘所であり、試合をしながら連係を取り戻すしかない。
グラードバッハは勝ち点32(1試合あたり1.52)のままで順位を7位に下げた。シーズン後半4試合で1勝3敗と足場が悪くなっている。次節、ホームでのケルン戦でしっかり勝ちグセを取り戻したい。
アンドレ・シュバート監督談話:
「この試合に負けたことは非常に落胆している。というのも、序盤はこうしようとおもっていたことがきちんと実行できていたからだ。我々は非常にうまく試合に入れたと感じていたし、試合の流れをきっちりつかみ、その結果1-0とリードを奪うことができた。しかし、その後は我々はあまりに慎重になり過ぎ、また軽率なプレーもあって敵に息を吹き返させてしまった。前半のうちに緊張感と集中力は時間とともに消え去ってしまったが、これは試合の中ではあってはならないことだった。後半に入ると我々はもはや試合を支配することができなかった。それでももう一度何とか手がかりを作ったが、追いつくまでには至らなかった。勝ち点を得ることができるまでの徹底さがなかった。それが非常に腹立たしいし、我々はここから学ばなければならない」
オンライン・ショップでチャンピオンズ・リーグのキットが50ユーロに値下げされていた…。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2016年02月14日 20:30
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【オフに考える】我々は何を目指すのか
今季、我々は何を目指すのか。
ACLのプレーオフに勝ち、本戦への出場を決めたことで今季前半の日程も確定し、我々はリーグ戦とACLを並行して戦いながら、ナビスコカップは決勝トーナメントからの出場、加えて天皇杯と、4つのタイトルを目指すことになった。
思えば前に城福監督の下で戦った2009年頃から、我々はタイトルを目標にしながらも結局中位に甘んじ、あろうことか2010年には降格すら経験した。再昇格後は的確な強化もあって資質、経験、年齢構成からバランスの取れたチーム作りを行い、現実的にタイトルを狙える戦力を揃えたが、兆しは見えながらも上位の厚い壁を実感するシーズンが続いた。
そこにひとつのブレイクスルーがあったのが昨季だと思う。フィッカデンティ監督の下で、勝つこと、結果を出すことに徹底してこだわり、失点をなくすことで最低限の勝ち点1を確保しながら、そこにゴールを上積みするという方法論で勝ち点を重ね、チームとして最高となる勝ち点63を積み上げた。
しかし、最終節で鳥栖に勝つことができず、わずかに得失点差で大阪に抜かれてシーズン4位に終わりチャンピオンシップ出場を逃したのみならず、ACL出場も自力では決められなかった。ずっと3位を維持しながらシーズン終盤に失速し、タイトルはおろかチャンピオンシップに進出すらできなかったのはショックだったし悔しかった。
今季の我々のスタートラインはあの日である。あの日があるから今季はタイトルを取りたい、頂きからの景色を見てみたいと本気で言える。本気で言える緊張感がある。それがどれだけギリギリの戦いを必要とするものか昨季その瀬戸際まで行ってこそ我々は実感することができた。どこまではできたのか、一方で何が足りなかったのか、それを我々は痛感した。
その最後のピースを手にするために、我々はここまでナビゲートしてくれたフィッカデンティ監督と袂を分かったのだ。もう一年フィッカデンティ監督で行く選択肢もあっただろうが、ここで敢えてあの苦い降格のシーズンに指揮を執っていた城福浩を再び監督に招聘した背景には、この4年間のトライアルを総括する指導者は彼を措いてないと他にないというクラブの決断があるはずだ。
それは城福監督がもちろん誰よりもよく理解しているだろう。森重、徳永らクラブの骨格を支えるメンバーの年齢的なことを考えれば、戦力的にひとつのピークに近づきつつあることは間違いなく、このタイミングを逃すとタイトルのチャンスは遠のく。今こそここまで積み上げたポポヴィッチ、フィッカデンティの財産を開花させるのは今しかない。時は満ちたのだ。
とはいえ、昨季の4位から今季が始まる訳ではない。すべてをゼロ・リセットしてシーズンは始まる。我々はリーグ戦を戦いながらACLで海外に遠征し、U23でJ3も戦わなければならない。選手層はそれなりに確保しているが、タフな戦いになることは間違いない。ターン・オーバーも必要だ。
その中で、我々が最も重視すべきなのはリーグ戦だろう。長丁場のリーグ戦で我々の本当の力が試されるのは以前から城福監督が「リーグ戦はウソをつかない」と表現している通りだ。我々はまだそこで勝ったことがない。我々の力を表現する最も重要な舞台はそこ以外にない。
タイトルを口にするということは覚悟を固めるということ。妥協のないプレー、言い訳の効かないゲームをひとつひとつ積み上げるのを我々自身も覚悟するということだ。タイトルから逆算した厳しい戦いをひとつひとつクリアする中で、我々自身も成長しなければならない。
明確な目標を共有することから仕事は始まる。このチームでタイトルを獲りたい。頂きからの景色をこのチームとともに見たい。今季はやる年だ。
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FC東京
2016年02月10日 00:08
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【ACLプレーオフ】FC東京×チョンブリFC
■2016年2月9日(火) 19:30キックオフ
■東京スタジアム
今季最初の公式戦はACLプレーオフ。昨季4位になったおかげで転がりこんできたチャンスだ。今季、どこのクラブよりも早く公式戦を迎える訳だが、負ければ終わりの一発勝負。肩ならしや前哨戦ではなく、ACLへの出場権をかけた今季最も重要な試合のひとつだ。この時期にこういう試合でシーズンを始めなければならないのはなかなか難しいが、何としても勝たなければならない試合である。
夜7時半キックオフということで、仕事をうまく切り上げられれば間に合う計算だったが、冷え込みも予想されたので思いきって半休をもらい、しっかりと着ぶくれた上で出かけることにした。新宿の小田急百貨店で弁当を買い、東京スタジアムへ。6時半ごろに電車を降りると結構な数の人が改札に向かっているのでちょっと驚く。寒い平日の夜、ACLとはいえプレーオフという地味な試合の割りにはみんな気合いが入っている。
東京は事前の予想通り、新戦力を組みこんだ4-4-2のフォーメーション。DFのリザーブをベンチに置かず、高橋もベンチ外。層の厚さを感じさせる。
秋元
徳永 森重 丸山 駒野
水沼 ハ・デソン 米本 東
前田 阿部
試合は序盤から東京のペース。ボールを保持しながら少ないタッチで小気味よくパスをつなぎ敵陣で試合を進める。
試合はいきなり動く。6分、水沼の右CKにニアで敵DFが足を出し、これがゴールに。オウン・ゴールで1-0と先制する。あっさりしたゴールだったので一瞬本当に点が入ったのかよく分からなかったが間違いなく得点だった。
さらに9分、今度は水沼からのパスを左サイドで受けた阿部が自らカット・イン。フェイントで敵DFをかわして放ったシュートがネットを揺らし追加点。2-0とリードを広げる。
その後はチョンブリが仕掛ける時間もあったものの、東京は前線からのファースト・ディフェンスとリトリートのバランスがよく、敵に決定的な形は作らせない。
24分、秋元がキャッチしたボールをパントでリリースしたところ、エリアを出ていたとの判定でハンドを取られる。エリア手前すぐからのFKとなるがこれは壁に当たり事なきを得る。最近パントをエリアギリギリで蹴ることが多いが、それでハンドを取られたのは初めて見た。
31分、水沼の右CKに中央で丸山がヘディング。鋭いボールが枠に飛んで思わず腰が浮いたが線上で敵DFにクリアされる。ほぼゴールのシーンだった。
34分、徳永が水沼のパスを受けて右前線に抜け出す。エリア近くまで持ちこんでから中央に狙いすました戻しのパスを送ると、正面に走りこんだ東がダイレクトで低い弾道のシュートを放ちゴール。3-0とする。東は足を振り抜かずミートしてしっかり枠に飛ばした。ふかしがちなシーンだったがナイス・ゴールだったと思う。
その後も東京が危なげなく試合を支配、3-0で前半を終えた。
後半に入っても東京のゲーム。54分、森重からのフィードを受けた東がエリア内左寄りでボールを受け、敵DFと勝負になるが、ムリに打たず中央に流しこむと前田がきれいに角度を変えるシュートでゴール。後半開始早々に追加点を挙げ4-0とする。この辺で試合は決まった感があった。
さらに直後の55分、左サイドから駒野が入れたクロスに米本が頭で合わせ、これがループ気味に敵GKの頭上を越えてゴール。米本のヘディング・シュートという珍しいシーンで5-0となる。ここで東に代え河野を投入(56分)。河野はそのまま左SHに。
61分、ハ・デソンからパスを受けた徳永が右前線からクロスを入れると、ファーの水沼がジャンピング・ボレーで合わせゴール。6-0に。水沼のアクロバティックな技が光った。直後の62分、阿部に代えて橋本を投入。よく分からなかったがハ・デソンをアンカーに置いて米本と橋本がインサイド・ハーフ、前田の1トップに水沼と河野がシャドウになる4-3-3になったようだ。
73分、今度は左サイドの水沼が中央にクロスを入れると、河野がニアに飛びこみGKの手前で左足アウトに当てゴール。これも技術の高いワン・ポイントでのシュートで7-0。もうチョンブリのライフはゼロ状態だ。
76分、水沼に代えて羽生を投入。羽生がインサイド・ハーフに入り橋本を一列上げたように見えた。84分、羽生が前線に送ったボールをクリアしようした敵DFがボールを引っかけ軌道が変わる。GKが触れずボールはそのままゴールに。オウン・ゴールで8-0になる。
さらにアディショナル・タイム、米本のパスを受けて裏に抜け出し、敵GKと一対一になった河野がGKをかわそうとしたところで追いついてきたDFに倒されPKを得る。これを河野が自ら決めて9-0。東京が大量点でチョンブリを下し、ACL出場を決めた。
正直力の差があったが、取るべき点を手を抜かずに積み上げ、敵を無得点に抑えて勝ちきったことは評価すべきだろう。試合としては序盤に気の抜けるようなオウン・ゴールで先制したところで事実上決まっていたのかもしれない。シュート数20-2、CK7-1と数字的にも東京が試合を支配していたことが窺える。
チョンブリは選手全員が半袖のキットでアンダーシャツもなかった。おそらく長袖のキットはないんじゃないかと思うのだが、いずれにしてもリサーチ、準備の不足を感じた。序盤に2点の失点、前半のうちに追加点を与え、後半開始早々にも2失点ではモラルの維持も難しかったと思う。
敵のルーズさに助けられた部分も大きいので何とも言えないが、選手の間の連係、受け手と出し手の意思疎通など、オートマティズムは既に出来上がりつつあり、また、前線からの守備や奪ったボールの運び方などもしっかりとチーム戦術が根づき始めているのを感じだ。新加入選手が5人先発したが、それぞれが特徴を発揮して結果を残したことは心強い。
とはいえ、これで我々はようやくACLのスタート・ラインに立った訳で、本当の戦いはこれから。まずは全北現代とのアウェイ戦がJリーグ開幕前に控えている。2週間のインターバルでどこまで仕上げることができるか。ここまではしっかり手ごたえをつかんでいるが、他のクラブもリーグ戦開幕に合わせてくる中で、先行した部分を落とさないようにするのも容易ではないはずだ。
厳しい日程での長いシーズンになる。
評点(評点は
ドイツ式
):
秋元(3.5) ほぼ試されるシーンなし。パントのリリースは要注意だ。
徳永(3) 2本のアシスト、久しぶりに攻撃面で徳永の活躍を見た。
森重(3.5) 貫禄は見せたが自陣での危なっかしいボール扱いあり。
丸山(3) ゴールを1本決め損ねた。安定感のあるディフェンスは高評価。
駒野(2.5) 攻守のバランスよく、深いところへの進入、危険なクロスを連発。
水沼(3) 積極的に仕掛け1ゴール1アシスト。プレース・キックでも存在感。
ハ・デソン(2.5) ポジショニングとパス・センスが光る。既に中核。
米本(2.5) ゴールは愛嬌だがそこに至る過程は必然。成長を見せた。
東(2.5) いいポジショニングでボールを受け仕掛けた。1ゴール1アシスト。
阿部(3) ゴールでリズムに乗った。強みで勝負して結果を出した。
前田(3) ゴールは貫禄。頭の下がる献身的な働きは今日も健在だった。
===
河野(3.5) ゴールは見事だがムラのあるプレーも依然として見られた。
橋本(3.5) 積極性は買うが緩急のメリハリを羽生から学んで欲しい。
羽生(3) ここぞというところでの顔出しでリズムを作る。さすがと言うべき。
この試合に出られていない選手の奮起も期待したい。
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FC東京
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ACL
2016年02月08日 19:00
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【FC東京】2016年新チーム・プレビュー(7) 開幕に向けて
今季はJリーグのどのクラブよりも早く公式戦がスタートする。いうまでもなく9日(火)のACLプレーオフ、チョンブリFC戦である。何となくプレーオフが決まった時点でACLの出場権を確保したかのように錯覚してしまいがちだが、この試合に勝たないことにはACLは始まらない。ホーム・ゲームとはいえ負ければ終わりのノック・アウト戦である。
この試合への出場権を懸けたチョンブリFCとヤンゴン・ユナイテッドの試合を動画で見たが、チョンブリはしっかりとしたポゼッションから機動的な崩しを仕掛けていた。我々との試合でどんな戦い方をしてくるかは分からないが、他のクラブより半月以上早いこの時期にひとつのピークを持ってくることも含め簡単な試合ではない。
しっかりとした「構え」ができないまま、ふわっと試合に入れば、足許をすくわれてせっかくのACL出場のチャンスをふいにするリスクは十分ある。我々にとっての開幕はこの試合だということ、そしていきなりACL出場のかかった大事なノック・アウト戦だということをもう一度認識する必要があると思う。
そこに向けたチームの仕上がり具合はどうか。このコラムのSBの回で、バック・アップの層の薄さを指摘したが、明治大学の室屋を獲得したことで人繰りはグッと楽になった。CBも、城福監督は高橋の起用を念頭に置いているようで、室屋が加わったことで徳永のCB起用も視野に入るとすれば、選択肢は豊かになる。的確な補強だ。強化部はいい仕事をした。
タイトルを争う一方でACLを戦い、U23もあって、さらにはオリンピックや代表に選手を招集されることも想定されるタフなシーズンになるが、DFの不安に手当てがなされたことから態勢は整ったということができると思う。この盛りだくさんな経験ができることを我々としては最大限楽しみたい。
戦略的には、昨季の固い守備、勝ちきる意識、結果へのこだわりをベースにしながら、コンビネーションを意識したアクション・フットボールが今季の課題だろう。それが単なる二兎を追う型の中途半端なフットボールに終わらず、より高い次元で攻守とその切り替えが機能する能動的な戦いを我々は目指さなければならない。そのために我々はフィッカデンティ監督と袂を分かち、敢えて城福浩に再びチームを委ねたのだ。
城福監督自身も2008年から2010年のムービング・フットボールから成長したはずだ。今回敢えてその言葉を使わず、アクション・フットボールという新しいスローガンを打ち出したことにそれは強く表れている。
降格した2010年の苦い経験、そして、必ずしも恵まれた環境にある訳ではない甲府を、限られたリソースを最大限に生かしながらJ1に昇格させた時の現実的なチーム運営など、城福浩もまた勝つこと、結果を出すことの意味を噛みしめたに違いない。我々は、その指揮官と再びタイトルを目指す機会を得た。やらなければならないことははっきりしている。
ポポヴィッチ監督の2年、フィッカデンティ監督の2年で、我々は内容と結果がどちらもそれぞれ大事であること、その一方だけでシーズンをドライブするには限界があることを学んだのだと思う。そこから先をどのように構築するかは、もちろんすべてのクラブが悩む難題だ。だが、我々はそこでひとつのチャレンジをしようとしている。
アクション・フットボールと城福監督はそれを名づけた。我々の新しい戦いは明日始まる。
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FC東京
2016年02月07日 10:00
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【FC東京】2016年新チーム・プレビュー(6) FW編
FWは今季も前田が第一選択だろう。クロスへの飛びこみも足元で受け反転してのシュートもこなせるFWとしての基本技能の高さ、ゴールへの意識ももちろんだが、ポストとしてボールを受けキープしたり捌く力、前線からの守備を生真面目にこなす意識など、ベテランとしてここまで実績を残してきた理由がよく分かる働きぶりは尊敬に値する。
固め取りの傾向があり、得点できる試合とそうでない試合がはっきりしているところは改善の必要があるようにも思うが、この人を軸に東京のFWが構成されるのは間違いないと思っている。Jリーグの歴代ゴール数トップを狙える位置におり、東京で大記録を達成して欲しい。
今季新たに獲得した阿部も期待される。基本的にはボールを持って仕掛けるタイプかと思うが、海外でのプレー経験もあり、複数クラブで争奪戦となった実力派。ニューイヤーカップでPKを外したのは愛嬌だが、シーズンの早い段階でゴールが出れば乗って行けるタイプだと思う。期待したい。
僕が今季特に注目しているのが、昨季から残留したバーンズとサンダサだ。
まず、バーンズは昨季も比較的フィッカデンティ監督の戦術にフィットしていたと思うが、ポジションを確保しきれず、不完全燃焼に終わった。スピード、技術は高いものがあり、後は球離れのポイント、周囲とのコンビネーションができてくれば重要な戦力になる。
事前の評判に比べれば守備や運動量も悪くはなく、キャンプからチームに帯同している今季はフィットの可能性あり。オーストラリア・リーグのMVPを獲得した男であり、FW底上げのカギになるプレーヤーの一人だ。
同じことはサンダサにも言える。重戦車のような馬力のある突進と、意外に見えている視野の広さは魅力であり、城福監督も昨季、解説者として出演していた東京の試合の中継で絶賛していた。昨季はフィッカデンティ監督の戦術にフィットせず、ベンチに入れない試合も多かったが、バーンズと同じく、特徴を生かせれば得点量産の期待がかかる。
出場機会を得て最初の1点が取れれば化けると踏んでいる。辛抱して使いたい。このオフに、マジョルカやサラゴサなどからのオファーを、日本に来た自分の選択を貫きたいと蹴ったとも報じられている。ブレイクを期待したい。
林はこうしたレベルの高い競争を勝ち抜く必要がある。自分の特徴をどう生かし、何でアピールするかをしっかり整理してチャレンジして欲しい。年齢的にはバーンズとひとつしか変わらないもはや中堅の位置づけ。結果を出すことで生き残らなければならない年代だ。競争に割って入って欲しい。
平山は不幸なケガもあり力を発揮できない状態が続いている。30歳になり、家庭も持って実績を残さなければ後のない状況。城福監督の下で、今季が最後のチャレンジだと思った方がいい。なりふり構わず周囲を納得させるに足るパフォーマンスを残すしかない。
現在のところ、コミュニケーションの問題から、前田+阿部、バーンズ+サンダサをセットで試しているとの城福監督のコメントもあったが、この中からベスト・ミックスを見つけ出して行くことが即ち今季の東京の攻撃のカギ。
まずは前田、阿部のセットが現実的だと思うが、特に昨季鳴り物入りで獲得しながら必ずしも十分な結果を残せなかったバーンズ、サンダサがどこまでフィットし結果を出すかで今季の成り行きは大きく左右される。この二人が上積みになれば東京のFWはグッと層が厚くなるはずだ。
場合によっては、FWは1トップで両サイドに攻撃的MFから中島や、河野、東、水沼らを配する布陣も考えられ、FWの活躍の場は限られることもあり得るが、FWを1人に絞れないくらい好調の選手が揃っている状態で嬉しい悲鳴を上げたい。
===
ところで、U23アジア大会で活躍した明治大学の室屋が加入することが発表された。大学に在学したままサッカー部を退部して東京とプロ契約を結ぶ形で、かつて長友や武藤らが加入した時と同じ。SBのバック・アッパーに不安があっただけにこの補強は大きい。まだまだ成長の必要なところはあると思うが、徳永、駒野を脅かす存在になって欲しい。
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FC東京
2016年02月06日 14:25
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【ブンデスリーガ第20節】グラードバッハ×ブレーメン
■2016年2月5日(金) 20:30キックオフ
■Borussia-Park
シーズン後半開幕から2連敗と立ち上がりの悪さを見せつけたグラードバッハだが、これ以上出遅れる訳には行かず、ホームで何としても勝ち点3を積み上げなければならない試合。土曜日の未明4時半キックオフ、スカパーの中継もなく、おとなしく動画でのハイライトのみ確認となった。
前節をケガで欠場していたダフードがボランチで先発に復帰、右SBにはエルヴェディを起用しコープはベンチとなった。また、前節途中出場で素晴らしい動きを見せたアザールが右SHで先発、トラオレがベンチに。シャカはこの試合まで出場停止。
ゾマー
エルヴェディ クリステンセン ヒンターエッガー ヴェント
アザール ノードファイト ダフード ジョンソン
シュティンドル ラファエル
グラードバッハは序盤から主導権を握り、テンポの速いコンビネーションでブレーメンを押しこむ展開に。早くも12分、ダフードが中央でボールを持ちドリブルで持ち上がって右サイドのアザールへ。アザールが中央にボールを戻すとシュティンドルがこれを流しこみ先制。1-0と早い時間帯にリードを奪った。
その後もグラードバッハがボールを支配、31分には左寄りの深いところでボールを持ったラファエルが敵DFをかわして中央のダフーにパス。ダフーがこれをワンタッチで右サイドに余っていたクリステンセンにつなぐと、フリーのクリステンセンが難なくこれを流しこんで2-0に。どうしてこのシーンでクリステンセンがそこにいたのかナゾだが大きな追加点を得る。
後半に入っても流れは変わらず。50分、ラファエルの蹴った左CKに中央のクリステンセンが頭で合わせてゴール。クリステンセンのドッペルパックで3-0とリードを広げる。CBのドッペルパックというのもアレだな…。
その直後、自陣ペナルティ・エリア内でヒンターエッガーが敵FWに足を引っかけてしまいPKを与える。56分、これを決められて3-1と2点差に。
67分、アザールに代えてトラオレを投入。70分、逆にシュティンドルがファウルを受けてPKを得る。これをラファエルが冷静に決めて4-1。再び3点差とする。
84分、ダフードに代えてシュトランツルを、86分、ラファエルに代えてフルゴタを投入。試合をクローズしに行く。
88分には左サイドのヴェントから、クリステンセン、フルゴタと経由したボールを、ノードファイトが正面右寄り30メートル近くあると思われる位置から見事なミドルで蹴りこみゴール。スウェーデン、デンマーク、ノルウェイのスカンジナヴィアン・ゴールで5-1としてそのまま試合は終了、グラードバッハがシーズン後半待望の勝利を挙げた。
前節は守備が1失点と何とか持ちこたえたものの決定力の欠如に泣き0-1で痛い敗戦を喫したが、この試合ではブレーメンの守備の緩さもあってか攻撃が機能、守備もPKでの1失点のみに抑えてようやく好守が噛み合う形となった。
この試合で2得点を挙げたクリステンセンは、その前にも前線に顔を出してシュートを放っており、セット・プレーの居残りだったのか流れからの攻撃参加なのか分からないが、積極的なプレーで流れを作った。
数字を見ればシュート数17-15、ポゼッション47-53、CK2-7と、必ずしもグラードバッハ優位の内容ではなかったようだが、素早い攻守の切り替えからフィニッシュまで持ちこむ
これで勝ち点は32(1試合あたり1.60)、順位は暫定で4位となった。3位から6位まではダンゴ状態になっており、まずはここから振り落とされないこと、願わくば上に抜け出して2位のBVBをキャッチ・アップするところまで行きたいが、そのためには当然ながら勝ち点を着実に積み上げること、負けることはあっても連敗をしないことがどうしても必要になる。
いい時と悪い時の差が激しい、出入りの多い戦いぶりでは安定した成績は望めない。攻撃のコンビネーションが機能していることは確認できたので、しっかり後ろを固める意識を引き続き持ちたいが、その点では前節、今節と、クリステンセンとヒンターエッガーのコンビで失点を最少に抑えているのが心強い。しっかりと流れを作って行きたいところだ。
アンドレ・シュバート監督談話:
「この勝利は私に言わせればまったく妥当なものだった。我々は2つの敗戦にも混乱してしまうことなく、今日の試合で我々のできることを再び見せることができた。選手たちのパフォーマンスは印象深かった。我々がひとたび本領を発揮すれば容易には止められないということを示せたと思う。我々は序盤から試合を支配し、高い位置から攻撃的に行って何度も敵陣でボールを奪い、それをゴールのチャンスにつなげた。切り替えの速さもとてもうまく機能した。カバーリングもよく後ろをしっかり固められた。非常に満足している」
金曜日の試合だと週末寂しいな…
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2016年02月03日 19:00
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【FC東京】2016年新チーム・プレビュー(5) OMF編
オフェンシブなMFでは、まず鳥栖から獲得した水沼に注目が集まるだろう。右のSHまたはシャドウとして正確なクロスや自ら切れこんでのシュートが期待できるし、ニューイヤーカップで見せたようにプレース・キックもある。また、太田がいなくなった後のムード・メーカーとしてチームを盛り立てる役割も果たせそうだ。
左サイドでは東が昨季から好調を維持している。もともと代表に呼ばれていてもおかしくないフットボール・センスと技術を持った選手。昨季、結婚してから、フットボールに向かうプロとしての覚悟がしっかりできたように見える。
昨季は角度の厳しいところからのシュートも決めるなど成長を見せた。シュートを決めきれないことを揶揄され続けてきたが、それだけゴール前のクリティカルなところまで入っているということ。中堅としてチームの核になる活躍を期待したい。
羽生は中盤のオールラウンダーだが、より自由に動けるポジションで特徴が生きる。フィッカデンティ監督の下で信頼を得て出場機会も少なくなかった。全試合フル出場は難しいかもしれないが、この選手層の中で羽生をどう生かせるかはひとつのポイントになる。絶妙のポジショニングで「ここに一人」というところを埋めてくれる機動性は若手の手本になるもの。ベテランとして伝えて欲しいことは多い。
このポジションで今季特に期待したいのは中島だ。U23代表でアジア大会に優勝、リオ・デジャネイロ・オリンピックへの出場を決めたのみならず、自らも2得点を挙げ、大会MVPになった。今季の飛躍が期待される選手だ。代表招集でチームに帯同できない期間が結構ありそうで気になるが、得難いセンスと技術、常にゴールに向かう強い意志を持っている。東京の核となる選手に成長して欲しい。
河野も忘れてはならない。昨季はおもにトップ下で働いたが、今季はサイドが主戦場か。前線からボールを追い、ひとたびボールを持てばトリッキーなプレーでチャンス・メイクできる天才型だが、いいときと悪いときの差が大きく、ひとつの試合の中ですらパフォーマンスにムラがあるのが難点。守備の意識、周囲を使うプレーはこの1、2年で格段に進歩したが、これでコンスタントに力が発揮できれば言うことはない。ポジションを確保したい。
田邉はサバデルから昨季半ばに復帰したが、出場機会を得ることができなかった。気がつけば田邉ももう中堅。この人も巧さで勝負するファンタジスタ型だろう。競争に割って入るだけの実力は十分あり、昨季出られていないだけにチームにとって上積みになるパフォーマンスを期待したい。
昨季終盤から急速に頭角を現したのが橋本だ。レンタル先の熊本ではCBとしてポジションをつかんでいたが、昨季はフィッカデンティ監督によって中盤の前目で使われ、大事なゴールを挙げるなど存在感を示した。ユーティリティ性の高いプレーヤーだが、いつの間にかするすると前線に上がり、貪欲にゴールを狙って行く姿勢は頼もしい。橋本が昨季終盤のパフォーマンスをコンスタントに発揮できるようになれば選手層もグッと厚くなる。オリンピックも狙える年代だ。
平岡、ユ・インス、佐々木はプレーを見ておらず未知数。まずはU23でアピールということだろう。平岡は3年目でありそろそろ勝負をかけなければならない。スピードという明確なアピール・ポイントを持っているのは大きな強み。まずは出場機会を得たい。
最後に、石川だ。手術後のリハビリ途上であるが、石川の実力についてはもはや言うまでもない。年齢的なことも考えれば、このケガからの復帰がうまく行くかどうか、ひとつの大きなポイントであるのは間違いないだろう。再びフィットするのかどうか確証はないが、このチームを石川抜きに語ることはできないし、僕は石川と一緒にタイトルを取りたい。何度も書いているが、石川直宏は僕たちの、FC東京の夢である。復帰を待つ。
総じて、水沼、東、河野、中島あたりをファースト・チョイスに、局面によって羽生、橋本、田邉らを併用する感じだろうか。橋本、羽生は守備的なポジションでの起用も考えられる。競争の厳しいポジションであり、組み合わせ、ターン・オーバーの妙にも注目したい。
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FC東京
2016年02月02日 19:00
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【FC東京】2016年新チーム・プレビュー(4) DMF編
フォーメーションによっても選手の使い方は変わってくるが、便宜上、MFをディフェンシブとオフェンシブに分けてプレビューする。今回はDMFを取り上げるが、4-4-2で言えば中央の2枚のボランチ、4-3-3で言えばアンカーとインサイド・ハーフをおもに想定している。
ニューイヤーカップを見る限り、このポジションでは今季新たに獲得したハ・デソンの存在が大きそうだ。おもにアンカーとして的確なポジショニングでボールを受け、タメを作ることも的確に配球することもできる。韓国代表の経験もあり、中盤の核としての役割を期待できそうだ。まだまだこれから公式戦の中で見て行かなければならないが、大きな補強であったのは間違いないと思う。
アンカーとしては高橋がいるが、これまでのところハ・デソンの次のセカンド・チョイスとしての位置づけか。一方でこれまで書いたように、DFはバック・アップの層が不足しており、ニューイヤーカップではCBでも起用されている。今季は中盤の底とCBでの併用になる可能性が高そうだ。もともとDFとしてチームに加わった訳だし、CBでもボランチでも不安はないが、能力も経験もある選手でありうまく使いたい。
さらには梶山もいる。梶山は昨季後半ケガで出場できなかったが、今季は再びフィットしているようだ。彼も既に30歳、海外移籍や大分へのレンタル、ケガによる長期離脱を経て、もう一度東京の10番としての存在感を見せる時。もともと余人をもって代え難いフットボール・センスと技術のある選手だが、ここからはそこに経験から来る大局観を加え、別格のプレーを要求される。真価の問われるシーズンになるだろう。
米本は、引き続き類稀なボール奪取の能力と無尽蔵の運動量で、東京の中盤にポジションを占めることが期待される。ボールを奪った後の出しどころを最も自覚的に考えているのは実は米本かもしれない。フィッカデンティ監督の下ではなぜかサイドで使われることも多く、本来の「ボールを刈る」守備の本領が発揮できなかった感もあったが、今季はやはり中央でカギをかける彼の守備を見たい。
攻撃面においても積極的な上がりを見せ、シュート力もあるが、この部分でもう一段の正確性、信頼性があれば代表に常時呼ばれておかしくない選手。今季もチームの中核となるべき存在であることに間違いない。
さらに野澤もこのポジションでの飛躍が期待されるが層は厚く出場機会は限られることが予想される。U23でしっかり結果を残し、トップでのポジション争いに参加したいところだ。昨季も出場した試合での評価は総じて悪くなかった。成長を期待する。
幸野はユーティリティ・プレーヤーであり、今季はSBでも試されているが、勝負するのはこのポジションか。レンタル先では活躍するが東京に戻るとベンチ外でくすぶる繰り返しになっており、この辺で持ち前のセンスを生かしてブレイクを狙うべき年だ。
このように見てくると、アンカーはハ・デソン、ダブル・ボランチならハ・デソンと米本がファースト・チョイスで、そこに梶山と高橋が加わる感じだろうか。梶山にアンカーを任せ、米本とハ・デソンのインサイド・ハーフもあり得るだろう。梶山のフィット具合、高橋の使われ方がポイントになりそうだ。人材はいるが、どのようにターン・オーバーして行くか注目される。
羽生、橋本はオフェンシブの方でプレビューすることにしたい。
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FC東京
2016年02月01日 18:00
[posted by der_ball_ist_rund]
■
【ニューイヤーカップ第2節】札幌×FC東京
■2016年1月27日(水) 14:00キックオフ
■国頭陸上競技場
第3節を先にレビューしてしまったが、記録のために要点のみアップしておく。平日日中の試合であり、録画して夜に時差観戦。結果も知ってしまっていた。
先発は以下の通り。
榎本
徳永 森重 高橋 駒野
米本 ハ・デソン 東
水沼 前田 阿部
今季は高橋はCBで使うのかと思わせる布陣。初戦に比べると、昨季のレギュラーを出してきており、ローテーションで徐々に選手を試して行くということだろう。
内容的には、開始早々の3分に東京陣内の中央でこぼれ球を拾った敵FWに榎本との一対一を決められて失点、0-1と先制される。
しかしその後は東京がボールを支配し、ハ・デソンを中心にボールを動かして主導権を握る。41分、水沼が25メートルほど、やや右寄りのFKを直接決めて1-1に追いつく。
後半からは駒野、米本、東、前田に代えて橋本、羽生、丸山、田邉を投入。こんな感じか。
榎本
橋本 森重 丸山 徳永
羽生 高橋 ハ・デソン
水沼 阿部 田邉
こんな感じだったと思うがよく分からなかった。
さらに58分にはハ・デソンに代えて幸野を、63分には徳永、森重に代えて小川とバーンズを投入。
70分、左サイドからエリアに侵入した幸野が羽生にラスト・パス、羽生のシュートは敵DFにブロックされたが、こぼれたボールをバーンズが押しこみゴール。2-1と逆転する。
71分、阿部に代えてサンダサを投入。試合は2-1と東京が初勝利を挙げた。
この試合ではハ・デソンがよかった。的確なポジショニングでボールを受ける、キープする、散らすというアンカーの役割が高いレベルで消化されており、枠を捉えた強烈なミドルもあった。
駒野はこの段階ではまだ試合勘を取り戻す過程という印象を受けた。磐田でも昨季終盤は試合に出られていなかったようで、90分の試合体力も含めキャッチ・アップが必要かもしれない。
気になるのは高橋の使われ方だ。アンカーやボランチにハ・デソンや米本がファースト・チョイスとなるのであれば、高橋はCBとの両にらみで出場機会を窺うことになるのか。高橋もアンカーとして高い適性を持っており、彼のセンスは生かしたい。今季は高橋の使い方がポイントになるかもしれない。
東は昨季の好調さを持続しているように見えた。田邉、幸野あたりもアピールの意識が窺えて頼もしい。
前節とは異なるメンバーを試し、この時期として必要なトライをしながら、ゴールが生まれ結果も伴ったことは積極的に評価したい。
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