フットボール・クレイジー
football crazy
silverboy club
presents
2016年08月29日 12:00
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【ブンデスリーガ第1節】グラードバッハ×レバークーゼン
■2016年8月27日(土) 18:30キックオフ
■Borussia-Park
いよいよブンデスリーガが開幕。ドイツのU23代表がオリンピックに参加していたからか微妙に開幕が遅く、年内には16節までしか消化できない日程。既にCLプレーオフやDFBポカールが始まっているが、やはりリーグ戦の開幕は気合いが入る。
今季からスカパーでの放送は毎週生中継1試合、録画中継2試合とトーンダウン、一方でネット動画配信サービスのDAZNで全試合の中継が見られるということで、まずはDAZNの無料お試しサービスで見てみることにした。FC東京のアウェイ戦を見に訪れた名古屋のビジネス・ホテルで、持参のタブレットをホテルのサービスのWi-Fiに接続。
今季は開幕も最終節もホームになる。開幕戦の相手はレバークーゼン。強敵ではあるが、ここまで公式戦3連勝といい滑り出しをしているだけに、この流れでホームでの開幕戦にしっかり勝ち、リーグ戦にもいい入り方をしたいところ。
大勝したCLプレーオフのベルン戦からは両翼のヘアマン、ジョンソンをトラオレ、ヴェントに入れ替え、またトップのアザールもハーンとターン・オーバー。不満を持たせずにローテーションするのは難しそうだ。
ゾマー
エルヴェディ クリステンセン ヤンチュケ
トラオレ シュトロブル クラマー ヴェント
シュティンドル
ハーン ラファエル
試合は立ち上がりからCL出場クラブ同士に相応しいガチのぶつかり合いに。速いテンポでボールを動かす一方で敵ボールにはアグレッシヴにアプローチ、息をつく暇もないハイ・テンションな導入になる。
グラードバッハの最初の大きなチャンスは21分、カウンターで右サイドのトラオレから中央のシュティンドルを経由して左サイドのラファエルに展開するが、ラファエルのシュートは敵GKにブロックされる。このこぼれ球にさらに左サイドから入ってきたヴェントが詰めるがシュートは再び敵GKがセーブ。というより敵GKの顔面を直撃して外れる。
29分にはラファエルからのパスを受けたハーンがシュートを放つが枠外。44分にもシュティンドル、ラファエル、トラオレとつないだボールを最後はハーンがシュートするがこれも敵GKが顔面でセーブ。ちょっと可哀想になった。
このまま前半終了かと思われたアディショナル・タイム、自陣で得たFKをクラマーがクイック・リスタート、前線に大きくフィードを出すと、敵DFが頭で触ったボールが裏にこぼれ、これを拾ったハーンが冷静にゴールを決めて先制、1-0とリードを奪って前半を終えた。
グラードバッハは後半からヤンチュケに代えてフェスタガードを投入、そのまま3バックの左に入る。後半は先制されたレバークーゼンが積極的に前に出てくる展開に。グラードバッハは押しこまれる時間が長くなる。54分にはラファエルのFKが直接枠に飛ぶが敵GKがセーブ。これ以外には大きなチャンスも作れず。
61分にはトラオレに代えてジョンソンを投入。その後もレバークーゼンが押し気味に試合を進め、グラードバッハはカウンターからのワンチャン狙いになるがなかなか形にならない。
79分、右サイドから入れられたクロスを中央でクリステンセンがクリアしようとするが当てきれずボールはゴール方向へ。ゾマーが何とかこれをパンチングでセーブするが、ファーに飛んだボールを折り返され、最後は正面から頭で押しこまれて失点。終盤に来て1-1の同点に追いつかれる。
84分、ハーンに代えてアザールを投入、するとこれがすぐに奏功する。85分、アザールのスルーパスに反応したシュティンドルが斜めに入りこんでこれを受け、冷静に流しこんでゴール。グラードバッハが2-1と再び勝ち越す。
結局これが決勝点となって試合は終了、グラードバッハが開幕戦を勝利で飾るとともに、今季公式戦4連勝となった。
レベルの高い戦いで、気を抜いたら殺られるというハイ・テンションで試合が進んだが、お互いに実力が拮抗していたためか最後までダレることがなかった。内容的には引き分けが妥当な結果だったかもしれないが、コンビネーションに優れるグラードバッハが出し手と受け手の連動で2点をもぎ取った印象だった。シュート数14-12、ポゼッション50-50と数字的にもほぼ互角。
ボランチがクラマー、シュトロブルという新加入コンビだが、クラマーは出戻りで今のメンバーとはもともとコンビネーションができているし、シュトロブルも何だか分からないがごく自然に馴染んでいて危うさを感じさせない。シャカとノードファイトを失って不安のあったボランチだが、ダフードもいてまずはメドが立ったと言っていい。
前線では誰が出ても流動的にポジションを交換しながら、裏に通すタイミング、落としと受けの関係などがしっかりと共有できており、ワンタッチに狂いが出たり敵DFに絡まれたりは当然あるものの、意図を持った攻撃ができて敵DFを混乱させることができていると思う。ラファエルが好調なのに加え、トラオレ、アザール、ハーンがよく動き、ヘアマン、ジョンソン、ホフマンもいる。
まだ1試合だが、CLの出場も決まっておりこれから厳しい日程が待っている中で、開幕戦をホームでしっかり勝てたことの意味は小さくない。インターナショナルで1週間おいて、次節は再来週の週末にフライブルクとの試合になる。アウェイだがしっかり勝ち点を積み上げて早いうちに流れをつかみたい。
CLはバルセロナ、マンチェスター・シティ、セルティック・グラスゴーという組に入った。現実的にはマンチェスターに競り勝てるかどうかということだろうが、バルセロナとの試合も楽しみだ。
アンドレ・シュバート監督談話:
「今日は本当のトップレベルのクラブとすべてにおいて生成と戦い、明らかにゴールのチャンスを多く作っていた。レバークーゼンは非常に速く前がかりに展開、長いボールもたくさん使って前線に供給していた。こういうのはいつも守りやすいとはいえない。反対側では我々は3回か4回、非常にいいゴールのチャンスを流れの中から作っていた。なので私は勝利はまったく妥当なものだと思っている。非常にハッピーだし極めて満足している。選手たちは12日間に4試合を行ったが、そのことはもう忘れていいだろう」
今季も本格的に開幕した。
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ブンデスリーガ
2016年08月28日 17:43
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【Jリーグ第27節】名古屋×FC東京
■2016年8月27日(土) 18:00キックオフ
■豊田スタジアム
アウェイ遠征は原則として首都圏のみと決めているが、夏季休暇の週末ということで名古屋まで足を伸ばすことにした。昼過ぎの新幹線に乗って午後に名古屋着。市内のホテルに荷物を置いて、地下鉄鶴舞線で豊田市に向かった。
豊田スタジアムは
以前にも一度きたことがあるが
、駅からそこそこ遠い上、見えているのになかなか近づいてこないという特徴がある。埼玉スタジアム2002に似ている。5時頃スタジアムにたどり着いた。
東京は篠田監督就任以来4試合を3勝1敗と何とか結果を出しているがまだまだ定常モードには入っていない。前節は敗戦の後のセンシティヴな試合に何とか勝ち、悪い流れを断ち切ったが、これを自分たちのベースにして行けるか、今節も大事な試合。
加えて名古屋は降格圏に低迷、今週監督を更迭して最初の試合になる。モラルを上げてくる、アウェイということもあって難しい試合になるだろう。名古屋のテンションにムリにつきあわず、平熱の試合で最悪でも勝ち点1を持ち帰りたい。布陣は前節と同じ。
秋元
室屋 森重 丸山 徳永
高橋 田邉
河野 東 ムリキ
前田
序盤は東京が優勢。ボールを支配しながら東、ムリキが起点になって左サイドから攻撃を組み立てる。右サイドには室屋が残り、サイド・チェンジからの切れこみもあるが、バイタル・エリアでは名古屋の守備も厚く、ワンタッチでの仕掛けは精度も欠いてフィニッシュまで行き着けない。
名古屋は監督交代の影響もあってかモラルは高く、自陣ではしっかりしたブロックを構築しながら、奪ったボールはサイドに当てて裏を狙う動きか。東京の守備が集中しており、決定的なチャンスは作らせないが油断はできない。
双方に大きな決定機がないまま前半終了間際の45分、東京の右サイドで仕掛けられ、室屋と河野が対応したが1列後ろの選手をフリーにし、ここに戻されたボールから鋭いミドルを打たれる。これは秋元がよくセーブしたが、右にこぼれたボールを角度のないところから敵FWに詰められ失点、前半終了間際に0-1と先制を許す。
サイドでボールを持つ選手に対応する結果、1列後ろをフリーにして戻しのボールからミドルを打たれるシーンはその前にもあり、リスクをつぶしこめなかったことが失点につながった。フリーで打たれたシュートをセーブした秋元は責められないだろう。
後半は先制で勢いに乗った名古屋が押し気味に。中盤で激しい主導権争いが続く。53分、河野に代えて中島を投入、東が右に、中島が左に入り、ムリキと前田の2トップの4-4-2にシフトしたように見えた。
58分、東からのスルーパスを受けたムリキがゴール前に走りこむがシュートは敵GK正面。ボールを持てば反転してゴールに向かう中島のおかげで攻撃が活性化、動きが出始める。
64分、前田に代えてユ・インスを投入、ユ・インスは右サイドに入って東を1列上げたか、あるいはユ・インスをトップに置いたか、前線が流動的で確認できない。67分、ほぼ正面で得たFKを東が蹴るが壁に当たる。
74分、高橋に代えて梶山を投入。名古屋がコンパクトな守備ブロックを形成していたこともあって縦にくさびを入れられなかった高橋に代えて、縦横にボールを出し入れしてトリガーを引けという意図か。これで交代枠を使い切り後は勝負するのみとなる。この辺の采配は、当たりはずれはもちろんあるもののはっきりしていて気持ちいい。
残り時間は互いに足が止まり始める中、オープンな展開となる。東京は梶山からの縦が読まれ、パスも緩くカットされるシーンが多いが、一方で中島が左サイドから切れこんでのシュートを連発。77分、81分と鋭いシュートを枠内に放つが敵GKの好セーブに遭う。
さらに85分、梶山が裏に送ったフィードにムリキが抜け出し、並走したフリーのユ・インスにラスト・パス。しかしユ・インスはこれを足許に収めてしまい後ろから追いついた敵DFにカバーされてしまう。ダイレクトで打てば決定的なチャンスだったが、目の前の敵GKを見て一瞬躊躇したか。このシーンで正直負けを覚悟した。
しかし、試合はこれで終わらなかった。アディショナル・タイム、敵陣でボールを持った室屋が、一度はコントロール・ミスから失いそうになるがスライディングでボールを確保、これを拾った東がペナルティ・エリアの線上にいた中島にパスすると、中島は躊躇なくシュート。これが敵DFの足先をかすめてややコースが変わりゴール。土壇場で東京が1-1と同点に追いつく。
残り時間は互いに前がかりとなるが結局そのまま1-1で試合終了。東京は大事な勝ち点1を最後の確保した。
先制を許して自ら難しい試合にしてしまった感はあったが、中島のシュートに助けられて土壇場で追いつき、何とか最低限の結果を出した試合となった。ここで負けるか、勝ち点1を持ち帰るかは大きな違いであり、敵のモラルの高いアウェイでの試合で、追いついての引き分けは評価すべき。
もっとも、失点はそれ以前にも分かっていた穴を流れの中で修正できず許したもので、局面での守備の仕方は見直さなければならない。ポジション的には河野がケアすべきところだが、河野は室屋と一緒にボール・ホルダーを囲みに行っていた。河野の動きがおかしいのか、田邉か高橋がスライドしてサイドから切れこんでくる敵を捕まえるのか、約束ごとをしっかり確認する必要があるのではないか。
攻撃面では敵の守備ブロックを前にして高橋が攻撃のスイッチを入れられず、ボールを前に進められなかった。ムリキ、東は機能していて意図のあるコンビネーションも見られたが、敢えて難しいことをしようとしているように見えるプレーも多く、もう少しシンプルに前田を使うなどのメリハリがあってもいいように思ったし、その意味ではややムリ目でもシュートを打って流れを持ってこようとする田邉のチャレンジはよかった。
また中島も「打たねば入らない」的な積極性からシュートを放って行く姿勢で勝ち点を引き寄せた。結果として3本のシュートを枠に飛ばし、2本は敵GKのファイン・セーブに遭ったものの、全部入っていてもおかしくないクオリティだった。もっとも、シュートのスタイルがかなりはっきりしており、今後敵が対策を打ってくるのは明らか。中島自身も引き出しを増やす必要がある。
これで東京は勝ち点を36(1試合あたり1.33)に伸ばし11位に浮上、篠田監督就任以来の5試合を3勝1敗1分で勝ち点10(1試合あたり2.00)とした。この試合に負けて3勝2敗になるのに比べれば、次節勝つことで3戦負けなしとなるこの引き分けの意味は大きい。次節はルヴァンカップをはさんで2週間後の湘南戦となるが、ホーム・ゲームにつながるアウェイでの引き分けは価値があった。
これまで東京は負けが込んでいるクラブ、監督更迭直後のクラブなどになぜか弱く、「いい人東京」などと揶揄されてきた。要は気合いを入れてモラル高く来るクラブに競り負けるということなのだと思うが、この試合で見せた土壇場の粘りはチームが一段階上に行こうとしている表れ。見ている我々の方が「いい人東京」などというラベリングに囚われるていると無用の消極性を呼びこむことになる。
鹿島や浦和に対する苦手意識などとも共通するが、例えば「いい人東京」といったようなネガティブなラベリングを意識すると、それが分かりやすく実感を伴っているだけにそれに囚われて出せる力も出せなくなる。まず我々自身がマインドセットを変え、ネガティヴなラベリングを頭の中から排除し、普通の試合に普通に勝つことから始めなければならない。
次節の対戦相手である湘南も負けが込んで降格の瀬戸際にあり、必死で試合に臨んでくることが予想されるが、我々としては相手がどこであれ「平熱のフットボール」で普通に勝つことを目指し当たり前の準備をする以外にやるべきことはない。
次の週末はインターナショナル・マッチデイとなり、代表戦が行われるためリーグ戦は休みになり、ルヴァンカップの準々決勝が2試合行われる。東京は福岡とホーム&アウェイで戦うことになるが、森重と丸山が代表招集をうけているために、CBは吉本と高橋、または2種登録で来季の正式加入が決まっている岡崎らで構成することになるだろう。
カップ戦に力を入れている余裕はないが、篠田監督としてどんな戦い方を目指すのかを形にするための重要なテストになる。
評点(評点は
ドイツ式
):
秋元(3.5) 失点シーンのボールの弾き方には批判もあるがあれは仕方ない。
室屋(3.5) 得点シーンでは執念でボールを確保、結果につながる動きができた。
森重(3.5) ビハインドでも大崩れせず最後まで主将としてチームを支えた。
丸山(4) 自陣でのハイ・リスクの局面で判断が甘いことが時々ある。はっきり。
徳永(4) 左サイドも見慣れた。ムリキ、東とのコンビネーションも悪くない。
高橋(4) 敵のコンパクトな守備に対して有効な縦パスを入れられなかった。
田邉(3.5) ボランチ板についてきた。顔の出し方、ボールの散らし方いい。
河野(4) 失点シーンでは敵のサイドからの切れこみをカバーすべきでは。
東(3) ムリキとのコンビで試合をコントロール。今のスタイルがはまっている。
ムリキ(3) 何だかんだでムリキに試合を動かしてもらってる感。頼りにしてる。
前田(3.5) 東、ムリキの動きの裏でバランスを取り守備をしてくれている。
===
中島(2.5) 鋭いシュートを連発、積極的な姿勢が最後に報われた。
ユ・インス(4) 85分の絶好機はダイレクトで打ちたかった。糧にしたい。
梶山(3.5) ハイリスク・ハイリターン。機能はしたがリスクも高い。
指定席だったが2階の前から2列目で目の前の手すりがスカスカだったので怖かった。後ろの方がガラ空きだったので3列下がってみてた。今季は日立台でも怖い席だったし、チケットぴあは何を考えてこんな席ばかりオレに押しつけてくるのか。マジ勘弁しろ。
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FC東京
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J1リーグ戦
2016年08月25日 14:06
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【UCLプレーオフ第2試合】グラードバッハ×ベルン
■2016年8月24日(水) 20:45キックオフ
■Borussia-Park
アウェイでのファースト・レグに3-1で完勝、3点取られなければ勝ち抜けという条件で臨むセカンド・レグである。ベルンに日本人選手がいるおかげでスカパーで生中継があり、早起きして録画を見た。もちろん結果情報は遮断。
グラードバッハはファースト・レグの両翼をヘアマンとジョンソンのコンビに入れ替え。DFBポカールのドロヒターゼン戦でベンチを外れたゾマーとエルヴェディが先発に復帰した。
ゾマー
エルヴェディ クリステンセン ヤンチュケ
ヘアマン シュトロブル クラマー ジョンソン
シュティンドル
アザール ラファエル
3点取るしかないベルンはファースト・レグ同様ハイ・プレスを敢行してくるが、グラードバッハはワンタッチでのパス回しでこれをかいくぐり、中盤を省略しておもにサイドから攻撃を組み立てる。4分にはラファエルが左寄りから鋭いシュートを放つがファーポストに嫌われる。
9分、右サイドのヘアマンからのクロスを中央でラファエルが受けて短く落とし、これを受けたアザールがターンしてシュート。これは決まってグラードバッハが1-0と先制する。ラファエルからアザールへの落としがオフサイドにも見えたが、リプレイを見るとベルンのラインが不揃いでオフサイドは免れていた。
グラードバッハはムリに前に出る必要もなくなり、前線から食いつきに来るベルンをいなしながら、パス交換からの最後のボールを裏に落として攻撃を仕掛ける。21分、ジョンソンのシュートは敵GK正面に。
33分、敵陣で圧力をかけ、敵のクリア・ミスを誘う。ボールはラファエルの足許に収まり、これを持ち出したラファエルが冷静にGKの股を抜いてゴール。2-0とリードを広げる。2試合合計では5-1となり、ベルンは最低でも4点が必要に。この時点で勝ち抜けはほぼ確定したと言っていい。
さらに40分、カウンターから中央をドリブルで上がったアザールが右を並走したシュティンドルにパスすると、シュティンドルはこれをワンタッチでファーのラファエルへ。ラファエルもこれをワンタッチで合わせゴール。3-0となる。前半は3点リードで終了。
ベルンは得点が必要なはずなのに攻撃の戦術が曖昧、DFラインもデコボコでスピードのある攻撃に対応できないなどちぐはぐ感があり、ハイ・プレスに手を焼きながらもその隙を突いた攻撃でグラードバッハが前半のうちに試合をほぼ決めた。
後半に入るとベルンはFWを2枚投入して攻撃的な布陣に変更。なんでこれを最初からやらないんだろう。これによってベルンは前線から追いまわす戦術を改めて仕掛けて来るが、大きな流れは変わらず。グラードバッハがボールを支配し、ベルンが食いついたところでこれをいなして空いた裏にパスを通し追加点を狙う。
51分、シュティンドルのシュートはGKにセーブされる。53分、シュトロブルに代えてフェスタガードを投入。フェスタガードがCBに入り4バックにしたかと思ったが、クリステンセンを1列上げたようだ。さらに59分、クラマーに代えてダフードを投入、ダフードはそのままボランチに入る。
64分、中央のシュティンドルが落としたボールを拾ったジョンソンが左前線にスルー・パス。ダフードがこれにやや触れたかスルーしたかで前線に抜けたボールを追ってラファエルが裏でボールを受け、折り返したところにアザールが合わせてゴール。4-0と追加点を挙げる。
72分、ヤンチュケに代えてコープを投入。コープは3バックの左に入った。77分、ダフードのスルー・パスを受けて左裏に抜け出したアザールがファーに浮き球のクロス。一瞬シュートの打ち損じかと思ったが落下点に走りこんだラファエルが難しいバウンドのボールにかぶせるように叩きつけ、これがゴールに突き刺さって5-0に。狙ってコンビネーションでやったプレーだとしたら驚嘆に値するレベル。
79分、自陣ゴール正面30メートルほどのFKを与え、最初のキックは壁に当たったが、このこぼれ球をエリア外からミドルで突き刺され失点。5-1となる。
このあたりからクリステンセンを再びDFラインに下げ、4-4-2または4-3-3になったように思った。84分、左サイドを上がったコープからのクロスを中央でシュティンドルがスルー、ファーのアザールが決めて6-1。試合はそのまま終わり、グラードバッハが大勝、2試合合計9-2としてCL出場権を獲得した。
敵のはっきりしない戦術のおかげで早い時間帯に先制、その後も着実に加点し、もともとファースト・レグの結果が有利な状況だったことも手伝って、CL出場権がかかった大事な試合で、ラファエル、アザールのハットトリックによる想定外の完勝となった。
他にもジョンソン、ヘアマン、交代出場のダフードらが、流動的でスピードのある攻撃で敵を翻弄した。守備も集中できており、リーグ戦開幕、そしてCLも含めた戦いに期待の持てる出来。ハイ・プレスをかけられてもサイドを使ったり中盤を省略したりして前で勝負ができるし、後半には次第にモラルの落ちたベルンを相手にボールをしっかり持てるようになってダフードが生きた。
シュート数20-9、ポゼッション59-41と優位に試合を進め、敵につけいる隙を与えず。ワンタッチでつないだときの精度はまだ向上の余地もあるが、やろうとしている方向性は間違いない。
また、この試合ではベンチにヴェント、トラオレ、ハーンを温存、ベンチ外にもホフマン、シュルツ、ドルミッチらが残っている。これからの過密日程を考えると、どう選手を繰り回すか、いかにケガ人を出さず戦うかがポイントになるだろう。
アンドレ・シュバート監督談話:
「この試合に勝てたことはとても嬉しい。今日はいろんなことがうまく行った。フォーメーションもよかったしボールをしっかり動かして、切り替えも速かった。失点もスーパー・ゴールで守るのは難しいものだったし、腹立たしいというものではなかった。ラファエルは高いプレーの質、素晴らしいテクニック、そしてフィジカルの状態も最高だ。彼がしばしば敵より一歩速いことも見逃せない。それは今日も見られた」
木曜日にCLの組み合わせ抽選があり、この週末にはいよいよブンデスリーガが開幕する。公式戦3連勝で開幕を迎えるのは悪くない。
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Borussia M'Gladbach
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UCL
2016年08月21日 21:35
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【DFBポカール1回戦】ドロヒターゼン×グラードバッハ
■2016年8月20日(土) 15:30キックオフ
■Kehdinger Stadion (Drochtersen)
DFBポカールの1回戦はレギオナルリーガのドロヒターゼンとのアウェイ・ゲーム。ドロヒターゼンはどうもハンブルグとかの方にある人口1万人今日の村らしい。
グラードバッハはCLプレーオフのベルン戦から大きくメンバーを変更、ケガで欠場のゾマーの他、エルヴェディ、クリステンセン、シュトロブル、シュティンドル、アザール、ラファエルらがスタメン落ち。それでもこの布陣になるのだから層は厚い。
ジペル
コープ ヤンチュケ フェスタガード ヴェント
クラマー ダフード
トラオレ ホフマン ヘアマン
ハーン
試合はグラードバッハがボールを支配、敵陣で攻撃を仕掛けるが、割り切って守備に徹するドロヒターゼンを崩せずなかなかフィニッシュに持ちこめない。格の違いのあるポカールの試合にはありがちな展開となりグラードバッハが攻めあぐねる。
右サイドのトラオレを起点に攻撃を仕掛けるものの、敵陣ゴール前はとにかく固く、最後のひとつかふたつ前で跳ね返される感じ。前半はシュート6本を放ったがゴールの予感はないままスコアレスでハーフタイムに。
後半開始早々に試合が動く。55分、左サイドでボールを持ったクラマーがドリブルからクロスを入れると、ファーから駆けこんできたコープがダイレクトで合わせゴール。後ろから入ってきたコープを捕まえきれていなかったように思う。
焦りが出る前に先制できたことでグラードバッハには余裕が生まれる。64分、ダフードとヘアマンに代えてラファエルとアザールを投入。ドロヒターゼンは反撃にも迫力を欠き1-0のまま終盤へ。
最後は89分にトラオレに代えてシュトロブルを投入して試合をクローズ。グラードバッハが貫録を見せて格下のクラブに対し1-0できっちり勝ちきった試合になった。
格下のクラブが自陣でブロックを形成し、敵のミス待ち、ワンチャン待ちの戦術を取った典型的な試合になり、その意図はある程度まで達成されていたが、後半開始早々にコープの活きのいい動きから敵の守備にギャップを作り何とかゴールをこじ開けた。
日程的にはCLプレーオフの谷間、格下のクラブ相手のアウェイ・ゲームということで戦いにくい状況だったと思うが、しっかりとターン・オーバーでメンバーも試せた。
シュート数14-4、ポゼッションは実に81-19と圧倒的な優勢だったが、ゴールは1点のみと攻めあぐねたのは事実。リーグ戦やCLではここまでの試合はないと思うが、こうした試合にきちんと結果を出せたのはよかった。
トラオレが元気だった一方、ヘアマンはあまり印象に残らず心配。この試合に出たメンバーの出来が今季のパフォーマンスを下支えすることになる訳で、ヘアマン、ホフマン、ダフード、コープあたりの出来には注目して行きたい。
アンドレ・シュバート監督談話:
「我々は試合開始から試合を支配し、集中して仕事に当たった。ドロヒターゼンはしかし全員で守備をし、文字通り献身的に戦っていた。前への動きは少なかったが、薄氷の勝利となってしまったのは理由のないことではなかった。彼らの守備のパフォーマンスは高買う評価されるべきだと思う。しかし我々は我慢強く戦い続け難しい状況をしっかり受け入れた。失点しなかったことは重要だ。難しくやり過ぎた面はあるが、結果的にはきちんと勝って次に進むことができた。ポカールというのはまさにこういうものだと思う」
オリンピックも終わってブンデスリーガも来週から始まるし、その前にCLプレーオフのセカンド・レグもある。赤kickerも届いたしいよいよ本格的に開幕だ。
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Borussia M'Gladbach
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DFBポカール
2016年08月21日 01:11
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【Jリーグ第26節】FC東京×横浜
■2016年8月20日(土) 19:00キックオフ
■味の素スタジアム
不安定な天気の土曜日。日中は都内に洪水注意報が出るくらいの集中豪雨もあった。5時過ぎに飛田給駅に着いたが激しい雨が降っていたため、駅でしばらく様子を見ていたら何とか小降りになりスタジアムまでたどり着けた。傘は持っていたがムダに濡れたくはない。試合中は雨は降らなかったがまとわりつくような高い湿度が体力を奪う感じ。
東京は前節、アウェイで神戸に逆転負けを喫し、篠田監督就任以来の連勝が2でストップ。4点を失ってのショッキングな敗戦だっただけに、その流れをきちんと修正できるか、ズルズルと後退して悪い流れに飲みこまれるか、「踏ん張る力」が問われる重要な試合だ。ホームであり是が非でも勝利が必要、引き分けでは足りない。
オリンピックが終わって帰国した室屋と中島がチームに合流、室屋は右SBで先発、中島はベンチ・スタートとなった。徳永が左SBに入り、小川はベンチ外。また前節出場停止だった高橋がボランチで先発復帰、野澤がベンチ外となった。
秋元
室屋 森重 丸山 徳永
田邉 高橋
河野 東 ムリキ
前田
序盤はまず東京が優勢に試合に入る。河野、東を起点に少ないタッチでボールを出し入れしながらバイタル・エリアに入りこもうとするが、横浜の守備も集中しており、最後のところはしっかり止められて決定機までは至らず。
次第に横浜もボールが足につき始め、両翼を起点にした攻撃で流れを引きこむ。10分ごろから裏を取られてシュートまで持ちこまれるシーンが続くが、秋元の好セーブもあってしのぐ。東京は自陣に押しこまれる時間が長くなる。
東京のファースト・シュートはようやく35分、東が左寄りからミドルを放つがボールに勢いが乗らず難なくGKがキャッチ。38分にはムリキがドリブルからシュートを放つがこれもGKがセーブ。さらに41分には田邉が敵守備ブロックの手前からミドルを狙うがゴール上に。枠外に放ったが勢いのあるいいシュートだった。
遠目からのシュートとはいえ攻撃の意思を見せたところで、42分、室屋からのパスを受けた東がムリキに預け中央に走るとムリキからワンツーのリターンが。これを受けた東が敵DFの間に切りこむように突進、シュートを放つ。やや敵DFに当たったようにも見えたボールはそのままゴールに入り東京が1-0と先制する。
いい時間帯の先制点でリードを奪ったまま前半を終える。東京はムリキが攻撃で中央に入るとそのまま前に居残ってしまい、左サイドに穴が開いてしまうシーンがしばしば。仕方なく高橋が左に流れてスペースをケアするが、当然その分中央にスペースができ、高橋と田邉が苦しいスライドを繰り返すことになった。
前半の途中から東が左SHに入り、前田とムリキの2トップになって4-4-2の布陣に修正したところで守備が安定、攻撃のスイッチも入れやすくなったと思う。
後半も横浜がボールを支配、東京は横浜の攻撃を受け止めながら奪ったボールは前線に攻め残るムリキに素早く展開してカウンターを狙う流れに。58分、東からのパスを受けて裏に抜けたムリキがエリアにドリブルで仕掛け、前田にラスト・パス。流しこむだけに見えたが前田のシュートはバーを越える。決めておきたかったシーン。
60分、ペナルティ・エリアの左角でFKを得て東がこれを蹴るが枠外に。61分、河野に代えて羽生を投入。消耗の激しい気候でハードワークから疲れの見える中盤に、スペースをケアできる羽生を投入する意図は明快。
その後もボールを保持して攻撃を仕掛ける横浜に対し、東京は固い守備からカウンターで追加点を狙う。76分、田邉に代えて水沼を投入、水沼は右SHに入り羽生がボランチにスライド。
終盤はリスクを取って得点を狙いに来る横浜に対して東京がこれをしのぐ展開。何度か危ないシーンもあるが最後のところでは身体を張ることができており失点はない。アディショナル・タイムにはムリキに代えて吉本を投入、守備ラインを5枚にして試合をクローズしに行く。
敵陣でボールを保持しながら時計を進め、結局前半終了間際の得点を守りきって1-0で東京が辛勝した。
横浜がボールを持ちながらもアイデアがなく精彩を欠いたのも大きかったが、シュート数8-11、CK4-7、ポゼッション42-58と劣勢ながら要所は秋元の好セーブと身体を張った守備でしのぎ、一方で意図のあるパス回しから裏を狙う攻撃をトライ、絵にかいたようなワンツーから得点するなどやるべきフットボールの原型のようなものは見えた気もした。
どちらに転んでもおかしくない試合だったと思うが、勝つことをしっかり対象化し、勝利から逆算した90分の戦い方を最後までやりきれたことが横浜を上回れた要因だと思う。その意味では勝つべくして勝ったと言っていいかもしれない。苦しく、不格好で非効率であったかもしれないが、それ故に勝ったことに大きな価値があり、逆説的だがある意味美しい勝利だった。
交代も、苦しい時間帯に羽生を投入して間延びを回避し、終盤には運動量を買って水沼を投入、平山がいればセット・プレーのDF要員も兼ねて起用したいところだったが、平山をベンチに入れていなかったので、成功体験のある吉本投入からの5バックで逃げきる采配も意図が明確だった。
ムリキは前半自由に動き過ぎてポジションに穴を開けることも多かったが、東とポジションを交換してからムリキの動きをチーム全体で吸収できるようになった。ムリキの動きには花があり、ボールを欲しがって下がってパスを受けた時の出しどころなど、やはり見えているところがひとつ違う感ある。
守備面など使いこなすのが難しい部分はあるが、基本は真面目な選手であり、フィニッシャーとしてよりもむしろジェネレイター、オーガナイザーとしてチーム全体の動因になっている。今や東京には欠かせないピースになりつつあり、彼をどうチームとして受け止め、また彼にもチームを受け止めてもらうか、シーズン残りのキーになる。
アディショナル・タイム、自分の交代を示す第四審のボードを見ると、素知らぬ顔でバック・スタンド側を向いて決して振り向かず、横浜のブラジル人選手と談笑するなどいして、主審に促されるまで交代に気づかないように装っていたのがナイスだった。少しでも時間を稼ぎたい場面で、チャーミングな時間の使い方をしてくれた。プロだと思った。
復帰した室屋は序盤は無難なプレーに終始し、ドリブルで仕掛けてくる敵MFとのマッチ・アップに神経を使ったが、後半には効果的な攻め上がり、切れこみもあって、Jリーグでも働けることを示した。まだまだ粗いところ、連係の必要なところはあるが、使い続けたい。
内容的にはしょっぱい試合だったが、何が何でも勝たなければならない試合にきちんと勝ったことの意味は大きい。前節のイヤな敗戦からきちんと立て直してきたことは高く評価すべきだ。これで篠田監督就任後の4試合を3勝1敗。これが2連勝後の2連敗で2勝2敗となっていたら見え方は全然違っていた訳で、この勝利の重要さが分かる。間延びし始めたところで攻撃的なカードを切り試合を壊した前節の反省がきちんと生かされていたと思った。
こうして結果を積み上げることで次への足がかりができて行くし、その中でスタイルも洗練されて行くはずだ。これで勝ち点は35(1試合あたり1.35)となり、あと勝ち点5あれば残留は見えるだろうし、そこから上積みの勝負ができる。まずはそこを目指して行きたい。
評点(評点は
ドイツ式
):
秋元(2.5) 何気にナイス・セーブ多かった。キックの質も高かった。
室屋(3.5) 慣れてくれば大きな戦力になるのは間違いない。使い続けたい。
森重(3) 最後まで集中を切らさずチームを率いた。安定感あった。
丸山(3.5) ムリせずプレーを切る、クリアするのメリハリがよかった。
徳永(3.5) やっぱり徳永は左サイドの方がいいんじゃないかと今日も思った。
高橋(3) 状況判断、プレー選択などクレバーさでチームの核になっている。
田邉(3.5) 最後はバテたが献身的に役割をこなした。いい選手に成長した。
河野(4) 序盤はしっかりボールを触ったが守備戦になって消えてしまった。
東(3) 単なる好調というよりひとつ覚悟が定まった感じ。サイドでも躍動。
ムリキ(3) 使い方次第の面もあるが、自由に動くことでリズムを作っている。
前田(3.5) 前田の泥臭さがムリキのラテン・フットボールを支えている。
===
羽生(3.5) 抑えの効いたプレーでしんどい時間帯の中締め役を果たした。
水沼(-) 時間短し。苦しい終盤を雰囲気的にも支えた。
吉本(-) 時間短し。
晩ごはんはキックオフ前に食べたコンビニのサンドイッチで済ませようかと思ったが、勝ったので吉野家に寄って牛丼食べてしまった。
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FC東京
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J1リーグ戦
2016年08月17日 23:47
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【UCLプレーオフ第1試合】ベルン×グラードバッハ
■2016年8月16日(木) 20:45キックオフ
■Stade de Suisse Wankdorf (Bern)
ベルンは特徴的なファサードのある目抜き通りが印象的な美しい街。今季最初の公式戦はこの街でチャンピオンズ・リーグのプレー・オフを戦うことになった。そういえば「ベルンの奇蹟」っていう映画もあったな。ドイツ・フットボールのファンは必見の映画だ。
グラードバッハはホフェンハイムから新加入のシュトロブルがボランチで先発、レバークーゼンから復帰したクラマーとコンビを組んだ。シャカを放出した後、このポジションをだれが担うか、昨季ブレイクしたダフードを含めて注目だ。ダフードはベンチ・スタート。
最終ラインはエルヴェディ、クリステンセン、ヤンチュケの3バック。両翼にトラオレ、ヴェントを置き、トップ下にシュティンドル、2トップにラファエル、アザールという3-4-3とも3-5-2とも言える布陣となった。
ゾマー
エルヴェディ クリステンセン ヤンチュケ
トラオレ クラマー シュトロブル ヴェント
シュティンドル
ラファエル アザール
試合は立ち上がりからボールを支配するグラードバッハに対し積極的に前線からプレスをかけてくるベルンという形になる。
最前線からかなり前がかりに追いまわして来るベルンに対し、グラードバッハはワンタッチでボールを動かして対応しようとするが、十分でない体勢からのパスを強いられるため、バイタル・エリアに行き着く前にパスをカットされるシーンが多くなかなかフィニッシュまで持ちこめない。
それでも11分、右サイドを駆け上がったアザールが逆サイドにクロスを送ると、ファーでこれを受けたラファエルが、胸トラップから中央でドリブルで切りこみ、寄せてきた敵DF3人の間を抜くシュート。これがゴール左下隅に決まり1-0と先制。今季最初のゴールはエースのラファエルが決めた。
その後もグラードバッハがボールを持つ時間が長くなるが、ベルンもグラードバッハの守備の隙をついて前線にボールを展開、何度かチャンスを作る。28分にはCKの流れからアザールがミドルを放ち、枠内に美しい軌道のいいシュートが飛ぶが敵GKがセーブ。一進一退の攻防を繰り返しながら1-0で前半を終えた。
後半に入るとベルンが積極的に仕掛ける流れになる。56分、グラードバッハの左サイドをえぐられ、クロスに中央で合わされて失点、1-1の同点に。中央に人はいたが後ろから飛び出してきた敵FWを捕まえられずボール・ウォッチャーになってしまった。守備に不安を感じさせるシーンで試合は振り出しに戻ってしまう。
得点で勢いづいたベルンはその後もボールを動かして逆転を狙いに来る。グラードバッハは66分、アザールに代えてハーンを投入、ハーンはそのままトップに入ったと思う。
すると67分、前線でシュティンドルが敵と競ったボールが裏にこぼれ、これを拾ったハーンがループ・シュートでGKをかわしゴール。2-1とグラードバッハが再びリードを奪う。
このシーン、ハーンは完全にオフサイド・ポジションにいたが、敵DFがシュティンドルのパスにチャレンジしており、敵がプレーして裏にこぼれたボールをハーンが拾ったと見たか。僕自身も完全にオフサイドだと思って「せっかくゴールには入ったけどな…」と思ってたらゴールが認められてむしろ驚いた。
さらに69分、今度は左サイドのヴェントがファーに送ったボールをラファエルがダイレクト・ボレー、これが敵DFに当たって軽くコースが変わりゴール。3-1とリードを広げた。記録はオウン・ゴールとなったが躊躇なく足を振り切って強いボールを飛ばしたラファエルのゴールと考えていいだろう。
これで試合は事実上決まり。79分、トラオレに代えてフェスターガードを、82分、シュティンドルに代えてジョンソンを投入、フェスターガードとクリステンセンをCBにし、ジョンソンを右SHに置いた4-4-2にシフト。残り時間を守りきって3-1でグラードバッハが快勝した。
アウェイで3点を奪っての勝利となり、セカンド・レグはホームで0-2で負けてもいい有利な状況に。もちろん油断は禁物だが、理想的な結果となった。
新しく入ったシュトロブルも問題なくフィット、少ないタッチで果敢にパスをつなぎ、流動的にポジションを交換しながらボールを前に運ぶスタイルは今季も健在だ。この試合ではシュート数6-12と必ずしもフィニッシュまで持ちこめてないことが示されているが、ポゼッションは54-46と優勢、CKも3-1とグラードバッハが試合を支配したことが窺える。
小まめに動き直してパス・コースを作る、パスを出したら前に走るという基本的な規律が徹底されており、それが昨季結果に結びついたことによる自信もある。スタート・ダッシュに失敗した昨季と異なり、最初からシュバート監督の下で戦う今季、シャカはいなくなったものの相応の補強は行われており、ターン・オーバーを実施しながらリーグ戦とCLを戦って行くことになるだろう。
この試合ではトラオレが存在感を発揮、ラファエルも貫禄を示した。週末にはDFBポカールの1回戦、ドロヒターゼン戦がある。どんなターン・オーバーを見せるか楽しみだ。
アンドレ・シュバート監督談話:
「3-1ということで我々はセカンド・レグに向けてとてもいいポジションを固めることができた。もちろん監督しては完封したかったし、守備面でも敵にやや自由にさせてしまった感はあるが、これがシーズン最初の公式戦だということも考えなければならない。それに、人工芝に対する慣れも必要だということは前半が終わって初めて気づいた。全体として我々は非常に集中できていたし、まず前半のうちにひとつかふたついい動きができていた。後半はそれほど前を向いて戦えた訳ではないが、非常に効果的に戦えたし前線で冷静に決めることができた」
新しいシーズンが始まった。
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Borussia M'Gladbach
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UCL
2016年08月13日 23:28
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【Jリーグ第25節】神戸×FC東京
■2016年8月13日(土) 19:00キックオフ
■ノエビアスタジアム神戸
遠征圏外のアウェイ戦のためおとなしく自宅スカパー観戦。東京も暑いが神戸はもっと蒸し暑そうだ。
監督交代後2連勝と好調に見える東京だが、必ずしも内容が伴っている訳ではなく、特に守備においては前節もお粗末な失点を重ね、何とか勢いで逆転まで持ちこんだという試合。その勢いを何とかコントロールして安定した軌道に乗せ、戦略に落としこむために大事な一戦になる。
上位より降格圏の方が近い状況で残留を意識した戦いをしている中では勝ち点1が決定的に重要であり、勝ちたいのは当然だとしても、まずは失点しないこと、負けないことから始めて行きたい試合である。攻撃に色気を出すより、しっかり締まった試合を見たい。
高橋が警告累積で出場停止のため、ボランチには野澤が今季初先発。事前にはU18の鈴木がベンチ入りするとの予想もあり、また小川、丸山が体調不良で柳の起用もあり得るとの報もあったが、野澤以外は前節と同じ布陣に。鈴木、柳もベンチ入りしなかった。ボランチがいないのなら今こそ梶山かとも思ったがベンチ外。
秋元
徳永 森重 丸山 小川
野澤 田邉
河野 東 ムリキ
前田
前半は東京のペース。東、ムリキがボールを引き出し、前田、河野が絡んで前線で起点を作る。6分、左サイドを縦に抜けたムリキが中央に送ったクロスに田邉が合わせるがミートしきれずシュートはGKがセーブ。
東京はコンパクトな陣形でワンタッチ・パスを多用、セカンド・ボールも拾って主導権を握れている。19分、正面25メートル弱の位置で得たFKを丸山が蹴り、ボールは枠に飛んだが敵GKがセーブ。
25分、左サイドでムリキからボールを受けた東が前田とのワンツーで裏に抜け至近距離からシュートを放つが敵GKがセーブ。
形は作るものの決めきれないシーンが続いたが、40分、左サイドでムリキからパスを受けた野澤が前線でタメを作り、内側に入ったムリキにワンツーを返すと、ムリキはエリア内の深いところからクロス。中央の東は頭で合わせられなかったが、ファーに飛んだボールに前田がフリーで詰めてゴール。東京が1-0と待望の先制点を得る。前田はJリーグ通算150ゴールのメモリアル・ゴールとなった。
前半終了間際には敵FWにゴール正面でヘディング・シュートを放たれるシーンもあったがバーをかすめて外へ。東京が流れをコントロールしたまま1-0で前半を終えた。
しかし、後半に入ると神戸は交代で入ったMFを起点に攻撃の形を作り始める。東京はテンポよく入りこんでくる神戸の攻撃に対して受けに回り、中盤を使われてズルズル下がる格好になってしまう。セカンドも拾えず、前半とは一転して自陣に押しこまれる展開になる。
56分、左サイドから入れられたクロスを中央で敵FWにキープされる。最終ラインが踏ん張ってシュートは打たせなかったが、マイナス方向に落としたボールを後ろから駆けこんだ敵FWにシュートされ失点。1-1の同点にされてしまう。
最終ラインが敵FW2枚を抑えるのでいっぱいになり、バイタル・エリアを使われてその次の動きに対応できなかった。篠田監督はここで反応、61分、東に代えてユ・インスを投入。ユ・インスはそのままトップ下に入ったか、あるいは前田と2トップになったか。
前節好調のユ・インスを起用するのは理解できるが、押しこまれて中盤が間延び、スペース・マネジメントができず流れを持って行かれた状態では、羽生を投入して中盤を締めに行くかと思ったので意外な采配。
何とかここで踏ん張って1-1をキープしなければならなかったが、64分、右サイドから簡単にクロスを上げられ、ファーでフリーの敵MFに頭で合わされて失点。1-2と逆転を許す。中央のFWに2人が競りに行き、ファーがノー・ケアになったところで楽に合わされた。
さらに65分、再び右サイドからのクロスに中央で敵FWに合わされて失点、1-3となる。中央に絞った丸山は背後の敵FWを一度見ているが、そのまま寄せもせず、大外の小川も絞らず、FWをフリーにして易々とシュートされた。何かがおかしい。
67分、河野に代えて平山を投入。前線にポイントを作って反撃に出る意図か。おそらくユ・インスが右SHにスライドし4-4-2になったか。さらに72分、前田に代えて羽生を投入。ユ・インスを中央に戻して羽生を右SHに入れたと思う。
しかし74分、自陣で野澤がトラップできずルーズになったボールがそのまま敵FWの足許に渡り一気にショート・カウンターを受ける。森重、秋元が敵FWの切り返しに振られて最後は無人のゴールに流しこまれ失点、1-4とリードを広げられ、ほぼ試合を決められる。
東京はその後も精彩を欠く動きで再三シュートを放たれる。東京もリスクを取って前線にボールを送るがフィニッシュまで持ちこめず、結局1-4で大敗を喫した。
前半はいい流れで試合を支配、終了間際のいい時間帯に先制し理想的な試合運びに見えたが、選手交代も含めハーフタイムにしっかり修正してきた相手に対応できず、圧力を受け、また疲れもあってか徐々に間延びした中盤を使われて防戦一方になった。
残留争いも視野に入れての戦いなので勝ち点1は死守する必要があり、同点になった時点でリスクの所在を確認し失点を防ぐことを最優先にする必要があったと思うが、ベンチ・ワークとしての対応がユ・インスの投入だったのには大きな疑問が残った。
また、ピッチ内においても追いつかれた時点での態勢の立て直し、メンタルのケアなど、主将の森重はじめベテランの徳永らから状況を意識した声かけ、コーチングが積極的にできていたか極めて疑わしい。みんなが揃って下を向いてしまう悪癖が出たのではないか。その意味でもこのタイミングでは羽生の投入ではなかったかと思う。
ここで修正できずに失点を重ね、そのたびに目に見えてガックリと肩が落ちた。ピッチ内でのメンタル・マネジメントはどうなっているのか。フィジカル・トレーナーがいるのならメンタル・トレーナーも導入して、局面ごとのメンタル・コントロールを組織的にやるべきではないか。情けないほどのメンタルの弱さ、脆さ。暑さもあっておそらく頭が真っ白になってたんじゃないかと思う。
攻撃面ではムリキ、東、河野に田邉も絡んだ面白いシーンがいくつも見られ、形は作りつつあるし、今日の得点はそれに野澤も絡んだ大きな成果だと思うが、せっかく1点取っても4点取られたのでは勝ち点は覚束ない。高橋がいなかったこともあるが、リスク管理からスタートする意識を再確認しないと攻撃の前に守備で自壊するパターンに逆戻りだ。
勝ち点は32で足踏み(1試合あたり1.28)、降格圏との勝ち点差は13と変わらず。シーズンはあと9試合だ。
状況判断、今どこにリスクがあり、その顕在化を防ぐためには今何をしなければならないか、それを起点にした戦術を共有できない限り失点は続くし、失点が続く限りいくら攻撃を洗練して得点しても追いつかず勝ち点は積み上がらない。監督解任による勢いが賞味期限切れになる前に落としこみができなければ降格は現実的な危機になる。
評点(評点は
ドイツ式
):
秋元(5) 失点は仕方ないにしても守備のコーチングはできているのか。
徳永(5) 形勢が悪い時にベテランとしてチームを鼓舞できているのか。
森重(5) 巧さよりもチームを奮い立たせられるキャプテンシーが欲しい。
丸山(5.5) 後ろにいる敵FWを見ながら寄せに行かなかった意味が分からん。
小川(5) ひとつひとつの試合から学んで成長してもらうために我慢してる。
野澤(4.5) 得点の起点になったプレーは素晴らしかった。腐る必要はない。
田邉(5) 攻撃面ではラテン系のセンスが生きている。ここで踏ん張れ。
河野(4.5) 今の攻撃にはハマっている。特徴を出して行く方向でいい。
東(4.5) 好調を維持。シュートは決めたかった。ようやく本領を発揮。
ムリキ(4.5) チームにフィットしてきた。笑顔が可愛いし長くいて欲しい。
前田(4) 150ゴールをこんな試合にして申し訳ない。東京には必要な選手。
===
ユ・インス(5) 積極的にボールを追いかけたが。まだまだこれからの選手。
平山(-) 時間短し。
羽生(-) 時間短し。
あとさ、ボールを奪われて失点するくらいなら、自陣での頼りないボール・キープ、横パスはやめて、いっそ全部蹴ったらどうだ。はっきりしない守備が敵に狙われ、つけこまれて失点の源になっているのは明らかだと思うが。もうテレビの前で「はっきり〜!!」「大きく〜!!」などと叫ぶのはオレとしてもヤメたいんだよ…。
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FC東京
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J1リーグ戦
2016年08月07日 00:54
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■
【Jリーグ第24節】FC東京×磐田
■2016年8月6日(土) 19:00キックオフ
■味の素スタジアム
このところホーム・ゲームは2試合続けて所用で行けてなかったので味スタに来たのは6月の新潟戦以来1カ月半ぶり。だいたい6月下旬から7月の8試合のうちホームが2試合しかなくアウェイが6試合とか日程おかしいやろ。新宿の小田急百貨店で鯖寿司を買って京王線の特急に乗りこんだ。
東京は前節篠田監督の就任初戦で勝利を収めたが、これが1試合限りのマジックでなかったことを確認しベースを固める第一歩として重要なホーム・ゲーム。内容は万全でなくても勝ち点3を取ることで流れを作って行きたい。
前節橋本が負傷、全治4週間と診断されて戦列を離れたため、ボランチには田邉が先発、野澤が今季初めてベンチ入りした。それ以外は前節と同じ布陣。
秋元
徳永 森重 丸山 小川
高橋 田邉
河野 東 ムリキ
前田
序盤は磐田のペース。しっかりした連係でパスをつなぎ、前線に当ててくる磐田に対し東京は自陣で防戦一方に。枠外ながらシュートを放たれ、セカンド・ボールを拾えないため前に出て行けない。
8分、左サイドから攻撃を仕掛けられる。対応が曖昧になりしっかり寄せられないままクロスを入れられ、ファーでヘディング・シュートを許す。これが決まり0-1と早い時間帯にビハインドを背負うことに。サイドで身体を張るのか、絞って中で勝負するのかはっきりしないまま中途半端な対応でクロスを入れさせてしまった。
その後も磐田がボールを支配、東京はなかなか攻撃の形を作れない。18分、東が右サイドから上げたクロスにムリキが頭で合わせるが枠外に。これが東京のファースト・シュートとなる。
27分、東からのパスを受けたムリキが敵エリア内に突っかけたところで足を掛けられて倒れPKを得る。最初のキックは決まったものの東京の選手がエリアに入ったとの判定でやり直し。2度めも右隅にグラウンダーを蹴る1度めと同じようなキックでこれを決め1-1に。
その後はようやくエンジンのかかった東京が積極的に仕掛ける時間帯になる。35分、高橋からのパスを受けて裏に抜けた河野がループでGK越しにゴールを狙うがわずかに左に外れる。39分、ムリキが左サイドからドリブルで切りこみ、DFを引きつけて中でフリーの河野にラスト・パス。しかし河野のシュートはまたしても枠外に。
追いついた後は東京が主導権を握ったが決めきれず、1-1のまま前半を終えた。守備では自陣でのボール回しやキープを狙われて危なっかしいシーンが散見される。流れの中での守備が曖昧になる瞬間がありリスクが高い。
後半開始早々に再び試合が動く。53分、小川が自陣深いところでボールを失い、パスをつながれてエリア外からのミドルを許す。これがファー・ポストに当たってゴールに入り1-2とリードを許す。シュート自体は素晴らしく敵をほめるべきだが、その前のボールの失い方がひどい。
59分、ムリキがカウンターで持ち上がり、ラスト・パスを前田に出す。前田はエリア外からコントロールしたシュートを放ちボールは枠に向かったが敵GKが腕一本で枠外に弾き出す。
67分、高橋に代えて野澤を投入。高橋は前半に敵FWとの交錯で背中を傷めており、警告累積で次節出場停止となることも考えての交代だろう。
70分、右サイドを上がった徳永のクロスに、中央で東がヘディング。シュートは枠外に飛んだがファーに駆けこんだムリキが右足のアウトでゴールに押しこみ2-2の同点に。
さらに73分、ムリキが中央に仕掛け最後にフリーの前田にパスしたが前田のシュートは枠外に。
76分、河野に代えてユ・インスを投入。ユ・インスが中央に入り東は右SHに。ユ・インスはJ1デビューとなる。
終盤は互いに攻撃を仕掛けるオープンな展開になるが決定的なチャンスは作らせず。東京は81分、ムリキが自ら左からドリブルで切れこんでシュートを放つが敵DFにブロックされる。磐田は次第に時間を意識、勝ち点1を守りに入ったようにも見えた。
86分、小川に代えて水沼を投入。水沼は右SBに入り徳永が左SBにスライド。
90分、スルーパスを追って裏に抜け出したムリキが飛びだした敵GKに倒されFKを得る。倒された場所がエリア内に見え、PKではないかと思ったが後でリプレイを見たら敵GKの手はムリキに触れておらずダイヴだったようだ。
エリア左すぐ外からのFKは東が直接狙ったがGKがセーブ、ファーに飛んだボールを前田が中に折り返す。ゴール前で敵に当たったこぼれ球がゴール前に詰めたユ・インスの胸に当たりゴールへ。密集の中で押しこんだ形になり3-2と土壇場で東京が逆転に成功する。
5分のアディショナル・タイムもしっかり時間を使いきり、東京が2度のビハインドを跳ね返して逆転で勝ち点3をもぎ取った。
内容的にはミス絡みで失点が先行、厳しい戦いとなった。せっかく追いついても安い失点を重ねて涙が出る展開に。特に小川、丸山の左サイドのケアが軽過ぎて何度も起点を作られた。追いついてからの小川の交代はリスク管理としてはやむを得ない。勝ちに行きたい局面でDFにカードを切らざるを得なかったことを小川はよく噛みしめるべきだ。
それ以外にも自陣での緩いパス回しや不用意なキープで敵FWと一対一になりボールを奪われるなど、守備の部分で危機感の欠けるプレーが散見された。3点取れたからいいようなものの、負けていてもおかしくない試合だった。
しかし、それだけに試合をひっくり返して勝ちきれたことは大きい。内容はともかく、結果をしっかり出すことで最後のところの踏ん張りが利くようになるし、いい流れの中で内容も見直して行くことができる。この2連勝を単なる監督解任によるプレミアムに終わらせず、我々の戦いのベースとして落としこんで行くことが、今は何より重要だ。
この試合ではムリキの高い集中力が印象的だった。最後のダイヴはほめられないが、この試合に勝つことの重要性がよく分かっていたからこその仕掛けだったと思う。得点以外にもボールを持って積極的に仕掛け、DFを引きつけてラスト・パスを出すシーンも多く、確固たるアイデアを持った選手。要求もはっきりしておりボールに触ることでリズムを作って行く。
FWに置くと勝手に動き過ぎるリスクがあるが、左SHで「定位置」を与えることで、そこからどう組み立てるかという発想ができていた。PKではあったがゴールを決めたことで調子に乗れた感あり。PKも落ち着いていて素晴らしかった。ムリキの使い方、使われ方が見えてきたと言っていいのではないか。
野澤、ユ・インスはU23での踏ん張りがようやく実ったと言うべき。野澤は落ち着いてボールを受けて散らした。機を見ての攻め上がりもあり、むしろレベルの高い舞台でこそ力が出せるのかもしれない。次節は高橋が出場停止となるためボランチで田邉とコンビを組む可能性が高いが今日の動きを見れば大きな懸念はなさそうだ。
ユ・インスのゴールそのものは押しこみだが、あの瞬間にあの場所にいたのはゴールへの貪欲な意識があったからこそ。身体全体で押しこんだゴールも彼らしい。ガツガツと結果を出しに行く意識は必要なもので、J1デビューでの得点は決して偶然ではない。
二人に共通して言えるのは、大事なのはこの次、そしてまたその次と、パフォーマンスを継続して行くこと。慣れてくると安定感は出るが、尖ったところが丸くなってしまいがちだ。彼らの場合、尖ったところが丸くなってしまえばまだ経験が少ない分見劣りがする。自分の特徴を意識して、思い切ったプレーを続けることが重要だ。
繰り返しになるが、今の東京は監督交代という「非日常」の中で、無我夢中でバタバタしながら「何だかよく分からないけどとにかく結果だけは出せている」という状態。このポジティヴな状況を何とか定常状態に着地させる必要があり、そのマネジメントが決定的に重要な局面だ。
篠田体制でまずは残留に向けて足許をしっかり固めなければならないが、チームにはもともと戦術の引き出しはあるし、主要な選手はここ何年かの経験を共有しておりベースもある。核になる選手もいるし若手も育っている。この2連勝という結果をドライバーにしてチームを前に進めて行きたい。
東京はこの2連勝で勝ち点を32(1試合あたり1.33)に伸ばし10位に浮上。降格圏との勝ち点差は13と、ひと息はついたもののシーズン終盤に上位との対戦を残していることを考えると、できる限りの勝ち点を積み上げて行く必要がある。次節はアウェイでの神戸戦、高橋のいない中でチャレンジングな試合になることが予想される。最低でも勝ち点1を持ち帰りたい。
評点(評点は
ドイツ式
):
秋元(4) 失点シーンはやむなしか。ハイボールの処理は安定していた。
徳永(4.5) サイドを上がっても最後に仕掛けきれずボール・ロスト多かった。
森重(4.5) 2失点の要因はよく考えて欲しい。自らも不用意なロストあり。
丸山(5) 小川をカバーしきれず。サイド守備の連係に曖昧さが残り心配だ。
小川(5.5) サイドを簡単に使われて失点関与。使い続けるべきだが要反省。
高橋(4) やや気合いが先走り。痛めた背中も心配で次節はしっかり休養を。
田邉(4) 攻守のバランスは彼なりに考えていた。ラテン系の面白み見せた。
河野(4) チャンスを決めきれていればもっと楽に戦えた。やり続けたい。
東(4) 最後まで走り続けたが空回りの時間帯も。最後のFKはいい軌道だった。
ムリキ(2.5) 今日はムリキのゲーム。ダイヴはダメだがPKで流れに乗った。
前田(4) 前線で身体を張った。ムリキとの連係は改善の余地あり。
===
野澤(3.5) トップで出るとナゾの落ち着き。使い続けたい。
ユ・インス(3) 押しこめる位置にいたことが彼の特徴。使い続けたい。
水沼(-) 時間短し。想定外の右SBにも落ち着いて対応した。
篠田監督の采配はしっかり流れを読んでいて、チャレンジにも見えるがツボは押さえているように思える。次節が楽しみだ。
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