フットボール・クレイジー
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2017年02月27日 22:15
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【ブンデスリーガ第22節】インゴルシュタット×グラードバッハ
■2017年2月26日(日) 15:30キックオフ
■Audi-Sportpark (Ingolstadt)
日曜日の夜11時半キックオフ。ギリギリライブ視聴時間だが見終わって1時半近くになるので月曜日の仕事を考えるとキツい。ELが木曜日にあるので仕方のない日程とはいえ限界近い。スカパー中継がないのでDAZNで見た。
DAZNについては進歩があって、PCとテレビをHDMIケーブルで直結すれば簡単にミラーリングできることが分かった。今までファイアナントカとかクロームナントカとかがないとダメだと思っていたのにこの「なんやこれでよかったんや」感は脱力。なぜか音声がテレビから出ないのは要解決だがとにかく大画面で見られた。
グラードバッハは前節ライプツィヒにホームで負けており連敗はできない。ELでフィレンツェに劇的な逆転を食らわせた余勢を駆って、敵地ではあるが勝ち点3を持ち帰りたいところ。シーズン残りを考えてもこの辺でどれくらい勝ち点を積み上げられるかが後々効いてくるのは経験的に明らかだ。
過密日程を考慮してか若干のターン・オーバーを実施。ダフードに代えてシュトロブルが、ヘアマンに代えてジョンソンが先発。またフィレンツェ戦で負傷退場したアザールはメンバー外となりドルミッチが先発することになった。
ゾマー
ヤンチュケ クリステンセン フェスタガード ヴェント
ホフマン クラマー シュトロブル ジョンソン
シュティンドル ドルミッチ
固い立ち上がりだったがアグレッシブに仕掛けるインゴルシュタットが優勢に。グラードバッハは自陣で守備に追われ、奪ったボールもパスミスが出てなかなか前線につなげない。インゴルシュタットはグラードバッハ陣内でいい形を作るところまでは持ちこむものの、フィニッシュの精度を欠いて現実的な脅威は大きくない。
グラードバッハは疲れもあってかパスをつなげず、また前線のドルミッチがまったくといっていいほど絡めないために組み立てが停滞、フィニッシュに持ちこむことすらできない。互いにパッとしない試合になり、大きな見せ場もないままスコアレスで前半を終えた。まあ、失点しなかったのがむしろラッキーくらいの内容だった。
後半に入ってもあまりレベルの高くない押し合いに。60分、試合が動く。ヴェントのCKを胸で受けたシュティンドルがこれを押しこんでゴール。グラードバッハが1-0といい時間帯に先制する。
しかしこのゴールはリプレイで見ると、シュティンドルが胸でトラップした後、明らかに右腕でボールに触れており、ハンドの判定を受けても仕方のない場面。シュティンドルは前節のライプツィヒ戦でも手でボールをゴールに押しこんで警告を受けており、これも同様のプレーだったが笛は鳴らず。ラッキーな得点でアドバンテージを得る。
61分、シュトロブルにダフードを投入。先制した上、ボールの収まりどころがはっきりした分、グラードバッハが試合の流れを握る。ボールはインゴルシュタットに持たれるものの、自陣でしっかりブロックを作って待ち構え、フィニッシュに持ちこまれる前にボールを奪取する手がたい守備ができている。
80分、ドルミッチに代えてハーンを、87分にはシュティンドルに代えてラファエルを投入。ラファエルは時間限定のテスト起用だろう。いくつか危ない場面もあったもののゾマーの反応に救われて得点は許さない。
するとアディショナル・タイム、カウンターで中央を上がったラファエルが右サイドのダフードへパス。ダフードがこれを深いところからゴロで戻すとファーに走りこんだハーンがこれを冷静に決めてゴール。2-0とリードを広げる。結局試合はこのまま終了、グラードバッハはラッキーな勝ちを拾った。
内容的にはスコアレス・ドローが妥当だったと思うし、シュティンドルのゴールは明らかにハンドだったと思うが、結果として勝ち点3を取れたことがすべて。最後にハーンのゴールがあったことでちょっと救われたが、全体に動きが重く連係もズレまくっていた。何よりトップに収まらなかったのがしんどかった。
結構押しこまれたが、敵の攻撃も決定力を欠いており、ゾマーの好セーブもあって何とかしのいでいたことでご褒美がもらえたという他ない。守備の勝利。アザール、ラファエルの2人を欠くとこれくらいしか点の取りようもないということか。引き続き連戦となるだけに厳しい状況だが、曲がりなりにも勝ててよかった。
数字を見てもシュート数10-14、ポゼッション48-52、CK4-6と劣勢。ハンドで強引に引き寄せた勝利だった。
収穫はラファエルが短い時間とはいえしっかり起点になり追加点に絡んだこと。順調に復帰できれば大きな助けになる。今季はケガでの離脱が多く、騙し騙し戦っている感があって心配だ。質の違いを作り出せる選手だけに大事に使いたいところだ。
これで勝ち点を29に伸ばし(1試合あたり1.32)、10位に浮上。8位のレバークーゼンとは勝ち点差1、7位のケルンとは4差であり、まずは順位表の上半分に足場を築いた上で、EL圏内になる6位を目指したい。
次の試合は水曜日のDFBポカール準々決勝のHSV戦。ターン・オーバーしつつ勝ち抜けなければならないのはキツいが踏ん張りどころだ。
ディーター・ハキング監督談話:
「今日はフレッシュで必要な集中がいくらか欠けていることの分かる試合だった。我々はたくさんの攻撃を最後まできれいにやりきることができなかった。我々はあまりひたむきに戦えなかった。しかしそれでもチームの後半の戦い方やチャンスをしっかり決めたことにはワクワクさせられた。2点目を決めることができたのは嬉しい。我々は審判が1-0を認めなかったとしても文句は言わなかっただろう。しかし、ラース・シュティンドルは意図的にやったのではないし、それはルールでも認められている。それははっきりしていることだ。だから彼はルールに則ってゴールを決めたのだ。運動量は今日も素晴らしかった。今はハンブルグでのDFBポカールが目の前にあり、間違いなく非常に面白い試合になるだろう」
苦しい言い訳だな…。
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ブンデスリーガ
2017年02月26日 16:33
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【ELラウンド32】フィレンツェ×グラードバッハ
■2017年2月23日(木) 21:05キックオフ
■Artemio Franchi (Firenze)
ホームで0-1とビハインドを抱えてのセカンド・レグ。日本時間金曜日未明5時過ぎのキックオフだが前日飲み会だったこともあって早起きは諦め、前半は後で録画で見返すことにして、普通に起きて出勤前の身支度をしながら後半だけリアル・タイムで見た。それにしてもスカパーはいい。
グラードバッハは最低でも1点が必要。逆に先制点を得れば敵のアドバンテージは消え、五分以上の戦いはできるだろう。ファースト・レグでも内容的には押しこんでおりセット・プレーの一発に泣いた形。勇気を持って戦えばチャンスは十分ある。少なくとも歯の立たない相手ではないはずだ。
ファースト・レグ、リーグ戦のライプツィヒ戦とやや連戦の疲れの見える内容で2連敗中。決定力の欠如が気になるところだが、ラファエルも戻っておりここで踏ん張りたい。悪い流れを止められるか、チームの状態を考えても重要な一戦だ。
ラファエルは帯同したもののベンチ・スタート、両SHをターン・オーバーしてヘアマン、ホフマンが先発。
ゾマー
ヤンチュケ クリステンセン フェスタガード ヴェント
ヘアマン クラマー ダフード ホフマン
アザール シュティンドル
とにかく1点が必要なグラードバッハがまずは前に出る。積極的にプレスをかけて奪ったボールを素早い切り替えから前線に展開、8分にはCKにフェスタガードが頭で合わせるがボールは惜しくもポストをヒットしてGKにキャッチされる。9分にもFKからアザールが狙うが壁に当たる。
しかし押しこんで腰が高くなったところを狙われ、15分、カウンターから決められて0-1とビハインドを背負う。前がかりに仕掛けたのが裏目に出ての失点。2点が必要になり決定的に苦しくなる。余裕の出たフィレンツェに主導権を奪われ、グラードバッハは気が焦って守備も攻撃も中途半端に。
27分にはその前のプレーで負傷し足を引きずっていたアザールを諦め、ドルミッチとの交代を余儀なくされる。この時点でラファエルを投入しないということは、ラファエルはまだまだ時間限定ということか。29分、フェスタガードがパスを受け損ねてルーズになったボールを奪われそのまま失点。0-2とリードを広げられほぼ終戦ムードに。
それでも諦めずボールをつないだグラードバッハは42分、ドルミッチが裏抜けしてGKと一対一になるがシュートはGKにキャッチされる。ドルミッチ早くゴール欲しいな。だが、直後の43分、エリア内でヘアマンが敵DFに倒されたとしてPKを獲得。44分、これをシュティンドルが決めて1-2と前半のうちに何とか1点を返す。
リプレイで見てもどれが問題のプレーかよく分からず。まあ、何でもいいや。とにかくこの1点はすごく大きかった。特にファースト・レグではアザールが同様に前半終了間際のPKを止められ、追いつくチャンスをフイにしたことで流れを持って行かれたことを思えば、これをきっちり決めたシュティンドルはエラかった。
前半終了間際に1点を返したことで、後半に入るとグラードバッハが改めて前に出る。開始早々の47分、CKにドルミッチが合わせたシュートは敵GKにセーブされるが、ファーにこぼれたボールをシュティンドルが押しこんでゴール。2-2と同点に追いつく。意気上がるもののこの段階では2試合で2-3、まだ足りない。
しかしこのゴールで流れをつかんだグラードバッハは、フィレンツェの反撃を受けながらも次の得点を狙いに行く。55分、右寄りで得たFKをホフマンがセット。神経質に壁をチェックしながらボールは中央下がり目にいたシュティンドルに。シュティンドルがダイレクトでこれをゴール右下隅に蹴りこんでゴール。3-2と逆転に成功する。
壁に入ったヴェントが敵と小競り合いをして注意を引くなど完全に作戦勝ちのサイン・プレー。流れで取れないならセット・プレーという割り切りか。シュティンドルはこれでハットトリック。すごい。この時点で2試合では3-3、アウェイ・ゴールでグラードバッハが勝ち抜けになる。
さらに60分、右CKをホフマンがショート・リリース、戻しを受けてエリア内に切れこみ、短く上げたクロスを飛び込んだクリステンセンが頭で押しこみゴール、4-2とリードを広げる。後半開始から15分で流れを完全に持ってきた。
その後は焦りの見えるフィレンツェの反撃をいなしながら時間を使い、リスクをマネージする展開。一気に形勢が逆転して痛快この上ない。73分、ホフマンに代えてジョンソンを投入、80分にはダフードに代えてシュトロブルを投入するなど試合をクローズ、危なげなく4-2で勝ちきった。
この結果、グラードバッハは2試合合計で4-3とフィレンツェを上回り2回戦に進出を決めた。
ファースト・レグでのアウェイ・ゴールに加え、前半2点を失ってもうあかんという感じもあったが、前半のうちに1点を返して足がかりを作ると、後半一気にひっくり返した。敵が軽く見てくれたのも大きかったが、セット・プレーから4点を奪って結果を出したのは頼もしい。
起きた時には1-2だったが、歯を磨いてひげをそってたら3-2になっており、それから布団を上げてたら4-2になってた。リアル・タイムでじっくり見るべき試合だったな。
少ないタッチ数でボールを動かしながら、空いたスペースに斜めに走りこみ、最後にフリーになったところにボールを出すという意図のはっきりした攻撃は引き続き機能しているが、最後のところが入らない時というのはどうしてもある。セット・プレーでカバーするというソリューションが機能したのは大きな収穫だ。
アザールのケガが心配だが、kickerによれば日曜日のリーグ戦の予想メンバーには入っており、軽傷であることを祈る。ケガ人もかなり戻ってきていて、主力の離脱はマーヴィン・シュルツとトラオレくらいになった。トラオレはトレーニングを始めているようで、早く帰ってきて欲しい。
一方で、ELを勝ち進んだことで過密日程は続いて行く。2月4日から始まった「毎週英国週間」状態は3月中旬まで続くことになった。ターン・オーバーがポイントになってくる。
EL2回戦の相手はシャルケに。3月にはリーグ戦でもシャルケとのホーム・ゲームがあり、シャルケと3試合。他にHSVともリーグ戦とDFBポカールで2試合。ヘンな日程だな…。
まずは日曜日のインゴルシュタット戦で、リーグでも連敗しないようにしっかり勝ち点を取りたい。
ディーター・ヘキング監督談話:
「非常に力強い試合だったと思う。ACフィレンツェが勝つための流れをつかんでいたが、我々がそれをひっくり返した。敵は我々のミスを冷静に突いてきた。こうした強い相手と戦うのがとても難しいことはよく分かっていた。我々は1-2とした後、再び試合にしっかり入り戦うことができた。チームはACフィレンツェを揺さぶることに成功し、それを冷静に利用した。なので私の意見では、我々がこの試合に勝ち、ヨーロッパリーグの2回戦に進んだのは妥当な結果だ。我々は最初の10分で既にいいチャンスを作っていた。1-2にしたところで、チームが再び自信を取り戻せると感じた。そこから早く2-2にできたことで流れをつかむことができた。チームが今、非常にしっかりしたモラルと規律を持っていることが分かる。我々は今日、最初から最後まで、我々が勝ち抜けると信じていた。これはラース・シュティンドルにとって初めてのハットトリックだと思う。彼は素晴らしいキャプテンであり、今日は間違いなく試合を決定づけた選手だった」
インゴルシュタット戦重要だ。
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Borussia M'Gladbach
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UEL
2017年02月25日 18:09
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【Jリーグ第1節】鹿島×FC東京
■2017年2月25日(土) 14:00キックオフ
■県立カシマサッカースタジアム
いよいよシーズンの開幕戦。近県ではあるが首都圏外のため自分内レギュレーションにより現地観戦は見送り家でテレビ観戦。今年からスカパーの中継がなくなりDAZNに移行したが、今日は幸いNHKの地上波で中継があり安心してテレビで見られた。
昨季の優勝クラブである鹿島とのアウェイ・ゲームであり厳しい試合になることは当然予想されるが、過剰に気合いを入れて熱くなることなく、平熱で強く、激しく、厳しく戦って勝ちきりたい。今シーズンの基点、水準点となる大事な初戦だ。
メンバーは概ね事前の予想通り。右SBには徳永を差し置いて室屋が先発、またボランチで眷襪肇灰鵐咾鯀箸爐里篭極椶砲覆辰拭3畛海亙魅瓮縫紂篠汗阿箸い情報もありベンチを外れた。SHは右に河野、左に永井。ベンチには大久保(択)、吉本、徳永、田邉、中島、阿部、前田。まず納得感のある布陣だ。
林
室屋 森重 丸山 太田
橋本 眷
河野 東 永井
大久保
試合は拮抗した立ち上がり。既に公式戦を2試合こなしている鹿島に対し、文字通り開幕になる東京はやや連係に固さを残すが、個々の判断と技術をテコにボールを運ぶ。4分、永井からパスを受けた室屋が遠目からシュートを放つが敵GKにキャッチされる。この試合のファースト・シュートとなる。
7分、東からのスルー・パスを受けて右前線裏に抜けた大久保が角度のないところからシュートするがGKにセーブされる。その後は戦線が膠着、互いにコンパクトにした中盤で激しいつばぜり合いとなり、フィニッシュまでは持ちこめない時間が続く。鹿島の攻撃も迫力はあるが林の手堅い対応もあってかっちり守る。
29分、右寄り30メートルあたりでFKを獲得、絶好の距離、位置だったが太田のFKは壁に当たってしまう。相当狙っていたようだが…。37分、東、大久保とつないだボールを受けた眷襪ミドルを狙うがこれも敵GK正面となりゴールに至らず。
39分には室屋のクロスにニアの大久保、ファーの永井が飛びこむが合わず。特に永井は思いきってジャンプしていれば届いていたのでは…。
前半終了間際には鹿島に立て続けにCKを与えて押しこまれたが決定的なシュートは打たさずしのぎ、スコアレスで前半を終える。
シュート数は4-0と互いに少なかったが、引き締まったナイス・ゲームで気を抜いた方が殺られる怖さがある。ミスやワンチャン、セット・プレーなどで決まる試合で、集中を切らせた方が負け。厳しく戦いきることができるか、基礎力の強度が試される展開だ。
後半に入っても殺るか殺られるかの真剣勝負、ハイ・テンションの時間が続く。54分、敵のDFにプレスをかけた永井がボールを奪い、そのまま裏に抜けるが中央に送ったラスト・パスは走りこんだ大久保に合わず。
57分、CKからのこぼれ球を拾った森重が右サイド角度のないところから直接狙うがGKがセーブ。59分、太田のCKをニアの東が背中で伸ばし、永井が触ってファーの大久保に。大久保はフリーでシュートを放つがバーの上に。決めて欲しかった。
鹿島のカウンターも危険で押しこまれる時間もあるが林の攻守でしのぐ。63分、河野に代えて中島を投入。永井が右サイドに回る。
68分、左サイドのゴール・ライン際、ペナルティ・エリアすぐ外でFKを得る。これを中島が蹴り、ゴール前に鋭いボールを入れるが合わせられずボールはファーに抜ける。78分、東に代えて前田を投入。前田がトップ、大久保がトップ下だが実質2トップか。リスクをマネージしながら勝ち越しを狙いに行く。もう果たし合い状態。
82分、左サイドでボールを受けた中島が一歩切れこんで得意の角度からシュート。ワン・バウンドしたボールを敵GKがセーブしたが、ゴール前にこぼれたボールに永井が詰めに行くと、これをマークした敵DFがボールをゴールに蹴りこんでしまう。オウン・ゴールで東京が1-0と先制する。
遠目からだったが果敢にシュートを放った中島と、こぼれ球にきちんと詰めた永井が奪ったゴールと言っていい。こういう試合はこういう形で動くという典型のような展開になる。
残り時間は鹿島が前に出て来るが焦りもあってか攻撃はちぐはぐでそこまでの怖さはない。東京は交代に田邉を用意しながらも慎重に流れを見る。コーナー・キープも含め時間を使い、結局オウン・ゴールで奪った終盤の1点を守りきって今季開幕戦に勝利を収めた。
厳しい試合だったが、終わってみれば鹿島にシュート3本しか許さず、オウン・ゴールとはいえ1-0での勝利は内容から見ても妥当なもの。こういう拮抗したしんどい試合でしっかり集中を切らさず勝ちきったことの意味はとても大きい。鹿島の守備がかなりふわふわで、もっと早い時間帯に1点か2点取れた気はしたがそこはこれからの課題。
シュート数は7-3と互いに低調、CK8-12、ポゼッション47-53と決して試合を支配できた訳ではなかったし、攻撃の連係はまだまだこれから深めて行かなければならないが、ガンガン得点が取れる訳ではない試合でも、しっかりした守備でピンチをしのぎ、ワンチャンでのゴールを大事にして勝ち点3を取れた。
華麗な攻撃のコンビネーションより、唖然とするようなミスもなく、最後の最後でスコンと集中が切れたりすることもなく、我慢強く、粘り強く、勝利を最優先に、状況に応じて泥臭く戦いきったことにこのチームの可能性を見た思い。この勝ち方ができていれば、このチームはまだまだ強くなれる。
大久保の存在感は大きいし、眷襪攻撃よりもむしろ守備で効いていたのは心強かった。永井、林も違和感なくプレーできていた。また、途中出場の中島が特徴を出して勝利を呼びこんだのも嬉しい。今季のスタートとして、今後の試合を見る基準になるベンチマークとして、申し分のない試合だった。
鹿島にはこれで昨季終盤のホーム・ゲームから2連勝。シーズンはこれからで浮かれる訳には行かないが、シーズンの中でも最も神経を使う上位とのアウェイ戦を早くもひとつ消化して勝ち点3を奪えたのは星勘定としても重要だし、苦手意識のあった鹿島を開幕戦で叩くことができたのはメンタル面でも大きなアドバンテージになる。
次節はホーム開幕戦、大宮を迎えてのゲームになる。連勝でシーズンに入りたい。
評点(評点は
ドイツ式
):
林(3) 守備機会は少なかったが、ナイス・セーブあり、ハイ・ボール処理も安定。
室屋(4) チャンスは作ったが守備面で危なっかしいプレーが散見された。
森重(3.5) 開幕戦で完封勝利は守備の踏ん張りが大きい。主将に期待している。
丸山(3.5) クレバーな守備で難敵を完封。今季は代表でも成長したい。
太田(4) セット・プレーで存在感。攻撃のコンビネーションはこれから。
橋本(4) 守備を中心にバランスを取り黒子に徹した。次節も橋本で行くか。
眷(3) 引き締まったゲームになったのは彼の気の効いたプレー故か。
河野(4) イケイケじゃない試合でも集中を切らさずに動き続けたのは成長。
東(3) 前と後ろ、古い人と新しい人、いろいろなものをつなぎ続けた。
永井(3.5) 守備に追われる時間も長かったが走り続けてゴールを呼んだ。
大久保(3.5) 逸機もあったがチームの原動力になり続けた。貴重な存在。
===
中島(3.5) シュートは打たなきゃ始まらない。今日のは中島のゴールでいい。
前田(-) 時間短し。頼もしかった。
スタートは上々だが、これをやり続けるのが重要でそれは簡単なことではない。明日からはしっかり切り替えて次行こう。
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FC東京
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J1リーグ戦
2017年02月22日 22:48
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【ブンデスリーガ第21節】グラードバッハ×ライプツィヒ
■2017年2月19日(日) 15:30キックオフ
■Borussia-Park
日本時間では日曜日夜11時半からの試合。月曜日の仕事がキツくなるのはしんどいが、まあギリギリ許容範囲ということでDAZNのライブを見た。もうクロームキャストからテレビに映すのは諦めて、おとなしくPCのIEで見た。どうもOSがWindows7なのがよくないらしい。Jリーグ中継どうするかな。
リーグ戦は3連勝中だが、週央のELフィレンツェ戦でヘキング体制になって初めての敗戦を喫した。内容的にはそこまで悪い試合ではなかったが、さすがに連戦の疲れも見え始めた感があり、ここをどう乗りきるかがポイントになる。ケガ人も戻り始めており、うまくターン・オーバーしたいところ。
とはいえラファエルはこの試合もベンチ外。フィレンツェ戦ではベンチ・スタートだったハーンが右SHで先発、ヘアマンがベンチに回った。コロジチャクがベンチ入り。
ゾマー
ヤンチュケ クリステンセン フェスタガード ヴェント
ハーン クラマー ダフード ジョンソン
アザール シュティンドル
序盤はグラードバッハが先に主導権を握る。コンパクトな陣形からライプツィヒにチャンスを作らせず、奪ったボールは素早く動かしながら一気に攻め上がるスタイルで攻撃を仕掛ける。しかし最後のところでフィニッシュのアイデアを欠きシュートを放つことができない。
11分、左サイドから入りこんだアザールが角度のないところからシュートを放つがサイドネットに。15分を過ぎたあたりからライプツィヒが修正したか、拮抗した展開になる。ライプツィヒも能力の高い選手が多く、しばしばチャンスを作られる。
31分、いったん外に展開されたボールを中央に戻されてエリア外からシュートを放たれる。スライドが間に合わずフリーでのシュートを許し、これがゴール右下隅に決まり0-1と先制を許す。そこまでしっかり守備もできていただけに、左右の揺さぶりにやられたのが悔しい。
43分、ボールを追ってペナルティ・エリアに入ろうとしたシュティンドルが敵DFと交錯、エリアの中だったかどうか微妙な感じもあったがエリア内のファウルと判定され、グラードバッハがPKを得る。しかし左下を狙ったアザールのキックは敵GKにセーブされる。このPKの失敗で自ら流れを手放した。
後半に入るとELのフィレンツェ戦同様ビハインドを背負って次第に焦りが出る展開に。55分、左サイドをえぐられ、戻したボールを蹴りこまれて再び失点。0-2とリードを広げられる。
グラードバッハは61分、ゴール前に飛びこんだシュティンドルがボールを押しこんだように見えたがハンドと判定され警告を受ける。62分、ハーンとヴェントに代えてヘアマンとホフマンを投入する2枚替え。ジョンソンが左SBに落ち、ホフマンが左、ヘアマンが右のSHに入る。
64分にもシュティンドルがフリーで敵GKと至近距離の一対一になるが完全にコースを切られシュートはモロにGKに当たる。80分、ジョンソンに代えてドルミッチを投入。3バックにして重心を前に移す。
81分、アザールの右からのCKにフェスタガードが頭で合わせゴール。1-2と1点差に迫る。その後もグラードバッハはパワー・プレーを試みたが時既に遅く、そのまま1点差で公式戦2連敗になった。
この試合もフィレンツェ戦に続いてコンビネーション自体は悪くなかったがフィニッシュのアイデアと精度を欠き、もたもたしている間にワンチャンを決められて追いかける展開になる悪いパターン。PKの失敗で同点のチャンスをむざむざフイにしたのも痛かった。
この試合もシュート数12-9、CK8-3、ポゼッション58-42とホームらしくゲームは支配したように見えるが、先制された時点で実質的な主導権はライプツィヒに持たれていたと言うべきだろう。
厳しい日程は続き、今週の木曜日にはフィレンツェ戦のセカンド・レグがある。精度を欠いたり終盤オープンになるので過密日程を固定メンバーで戦っている疲労蓄積もあると思う。人繰りが苦しいとはいえ、コープもいるしシュトロブルも戻ってきている。ニコ・シュルツやエルヴェディも復帰しており、ターン・オーバーは可能だ。
これまでは勝っていたのでメンバーはいじりづらかったが、そろそろターン・オーバーしてみる価値はあるのではないか。公式戦2連敗となり、ヘキング監督の最初の踏ん張りどころとなる。ここでしっかり修正できればまた波に乗って行ける。
リーグ戦では21節を終えて勝ち点26(1試合あたり2.36)で11位。降格圏である16位のブレーメンとは勝ち点差9でありまだまだ油断はできない。一方、上を見れば8位レバークーゼンとの勝ち点差は4であり、まずはこの辺りまでが現実的な射程。順位表の上半分を目指したい。
ディーター・ヘキング監督談話:
「今日はより効率のよかったチームが勝った。ライプツィヒはいい時間帯にゴールのチャンスを作り、それをきちんと決めてきた。私のチームは今日も非常にハードワークをしていて、そのことは非常にポジティブだ。木曜日のフィレンツェ戦も今日も我々はいくつかのチャンスを決めきれなかった。こうした試合では我々はもっと敵のペナルティ・エリアに入りこみ、敵を問題に直面させなければならない。我々はもっと首尾一貫した戦いをしなければならない。前半終了間際にはPKで同点に追いついてもっと楽になるはずだった。我々は後半も切り替えの速いライプツィヒ相手に危険な戦いを強いられ、2点目を決められた。それが今日起こったことだ」
オンライン・ショップで今年のユニが早くも半額になっている…。
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ブンデスリーガ
2017年02月19日 20:54
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【ELラウンド32】グラードバッハ×フィレンツェ
■2017年2月16日(木) 19:00キックオフ
■Borussia-Park
CLのグループリーグで3位になったためELの決勝ラウンドに回ることになった。金曜日未明3時キックオフだが、幸いスカパーで中継があるので録画、朝5時に起きて出勤前に見ることにした。
グラードバッハはリーグ戦を警告累積による出場停止だったシュティンドルが先発に復帰、ハーンがベンチ・スタートとなった他はブレーメン戦と変わらないメンバー。ラファエルはこの試合もメンバーに入らず。
ゾマー
ヤンチュケ クリステンセン フェスタガード ヴェント
ヘアマン クラマー ダフード ジョンソン
シュティンドル アザール
序盤は互いにハイプレスから積極的に仕掛ける展開。フィレンツェに押しこまれ自陣でしのぐ形になったが10分過ぎからは試合が落ち着き、次第にグラードバッハがボールを持って主導権を握るようになる。
14分、クラマーからのパスをジョンソン、ヘアマンとつなぎ、アザールとのワンツーで裏抜けしたヘアマンがシュートを放つが敵GKがセーブ。
16分、左サイドからヴェントが上げたクロスにヘアマンが飛びこむが、敵DFに足許をすくわれてシュートできず。敵はボールにプレーできておらず明らかなファウルだったがPKは与えられず。
その後もグラードバッハがボールを支配し、機動的なコンビネーションからチャンスを作るがシュートは決めきれない。40分、アザール、ヘアマンのコンビネーションからボールを受けたシュティンドルの至近距離からのシュートは枠に収まらず。
42分、右に展開したアザールからのクロスに中央でジョンソンが飛びこむがシュートはポストに嫌われ、そのこぼれ球にシュティンドルが詰めたがシュートは枠に行かず。
一方、フィレンツェにはほとんどチャンスを作らせていなかったが、前半終了間際の44分、ほぼ正面で与えたFKを直接決められ0-1と先制を許してしまう。ほぼグラードバッハのゲームだったが、決めるべき時に決められないとこうなる、という見本のような展開に。
後半に入ると、リードを得たフィレンツェが自陣深くでコンパクトに守り、グラードバッハはスペースを見つけられなくなる。ボールは支配できるものの、前線に起点を作れず、時間の経過とともに焦りが出て攻撃が雑になって行く。
60分、敵のクリアミスを拾ったジョンソンが左サイドから巻いたボールでゴールを狙うが枠外に。63分、ヤンチュケに代えてドルミッチを投入。ジョンソンが右SBに回り、アザールが左SHにスライド、ドルミッチはトップに入る。
69分、アザールのスルーパスを受けて左サイドに抜け出したヴェントが狙うがこれも枠に行かず。77分、ヘアマンとジョンソンに代えてハーンとコープを投入、得点を狙いに行く。82分には右サイドのアザールのシュートがわずかに外れる。83分にはヴェントのクロスにドルミッチが頭で合わせるがこれも枠に行かず。
アディショナル・タイムにもCKから流れたボールをヴェントが逆サイドからクロス、フェスタガードが頭で合わせたがGK正面に。結局最後までゴールは遠く、0-1でファースト・レグを落とした。
前半、ボールを支配し主導権を握ってチャンスを作ったが決めきれずFKから失点。後半はリードを得て試合を殺しに来たフィレンツェの術中にハマり、最後のところを詰められないまま悔しい敗戦となった。
シュート数16-8、CK5-3、ポゼッション58-42とホーム・チームらしく試合を支配したが、枠内3本とシュート精度を欠いた上、FKからの先制点を献上したことで実質的にはフィレンツェのゲームになってしまった。
とはいえ、0-1でも1-1でもセカンド・レグで1点取らなければならないのは同じ。ラファエルがいない中で、機動的にポジションを交換しながらボールを運び、ギャップからフリーでゴールを狙うというコンビネーションがしっかりできていたのはよかった。
すぐにリーグ戦があり、週央にはセカンド・レグがある。監督交代以降、公式戦で初の黒星となったが、下を向いているヒマはないし、歯が立たない相手ではないことは分かった。もちろん相手もやるべきことは分かっているはずで、セカンド・レグではとにかく先制点を取らせないように固めてくるキツい試合が予想されるが、それをこじ開けるチャレンジを見たい。
ケガ人も徐々に戻り、マーヴィン・シュルツ、トラオレくらいになった。ターン・オーバーもうまく回しながらリーグ戦もELもDFBポカールもしっかり戦いたい。リーグ戦では2位のライプツィヒをホームに迎える。まずはこの山を越えなければならない。
ディーター・ハキング監督談話:
「0-1と言われても、セカンド・レグもある訳だし、負けたようには思わない。今日のパフォーマンスを見れば、セカンド・レグでひっくり返すことができるのではないかという希望は持てる。フィレンツェのようなチームを相手に7つか8つの大きなチャンスを作ることができたということは、いろんなことが正しくやれたということ。今日はただ効率が足りなかった。それ以外はチームを称賛したい。ナイス・ゲームだった」
負けるとコメント短いのは人情か。
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UEL
2017年02月18日 22:59
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【FC東京】2017年新チーム・プレビュー(7) 開幕に向けて
今日は渋谷でトーク・イベントがあった。渋谷109前のスペースで夕方から篠田監督、森重、太田、大久保が出演して開幕に向けての意気込みをアピール、3月4日のホーム開幕戦を売りこんだ。
この手のイベントに監督を初め主力を投入したところにクラブが本気であることを感じるし、何よりこの場所でのイベントをブッ込んで来たのは、Jリーグに対する関心の薄い若い世代にアピールしなければならないという危機感の表れ。「なになに?」「FC東京?」「大久保じゃん?」と足を止め、振り向く人が何人かいれば成功だろう。
東京は興行の商圏としては巨大な市場だが、一方でその市場を狙う競争相手も多く、広く薄く浸透し動員を確保するのはそれほど簡単なことではない。クラブが今後この事業を継続して行くためにはファンのベースを広げ、特に若い世代に支持を広げる必要があって、こうした露出を地道に続けることが重要だ。
日々野真理の司会によるトークはフェイスブックで動画中継もされたので現場にいなくても見られたと思うが、タイトルを狙うことを監督、主将はじめ全員がしっかりコミットしたのが印象的だった。
狭いスペースで窮屈だったし、事前に告知してもっと広いところでファンに今季の後押しを求めるイベントにする選択肢もあったと思うが、「いつものファン」を動員するよりも「新規顧客」へのアピールを優先したやり方は戦略としては正しかった。どれだけの効果があったかは検証が必要だが、オープンなコミュニケーションを今後も続けるべきだ。
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さて、シーズンもいよいよ来週開幕する。東京はアウェイで鹿島と戦うことになる。強敵であり、端的に言って苦手な相手だが、篠田監督がテレビ番組でコメントしていた通り、この相手を倒さなければそこから先へは行けない道理であり勝利のために全力で当たる他ない。
大規模な補強を敢行し、今季はメディアの注目度もいつになく高い。スタートでつまずくとネガティブな見方が出て一気に悪循環に陥りかねないリスクがあり、開幕戦でしっかり勝ち点を得てシーズンへの足がかりを得ることが何よりも重要だ。
今までの、過剰な意気込みが空回りし、先制点を奪われてゲーム・プランが崩れた途端にガクッと視線が下がるお子さまフットボールはもう要らない。粘り強く、しつこく戦い、思い通りに行かないときこそしっかりと踏ん張ってチャンスを確実にモノにするたくましさを見せて欲しい。
ムダに調子に乗ることなく、目の前の試合に勝つことを最優先する平熱のフットボールを90分間やりきりたい。どのクラブともシーズンのうちホームとアウェイで1試合ずつ戦うのだからどのみち戦わねばならない試合なのだ。
ここまで新チームをプレビューしてきたが、それを総括して開幕戦の先発メンバーを予測しておこう。
林
室屋 森重 丸山 太田
眷襦‥廷
河野 東 中島
大久保
ベンチには、大久保(択)、吉本、徳永、梶山、橋本、永井、前田。ポイントは右サイドとボランチだろう。
右サイドは室屋/徳永と河野/永井の組合せ。縦に入る永井には徳永、中に入る河野には室屋という組合せが妥当ではないかと思うがここは考えどころ。フィットの状況からの判断になるか。僕としては昨季終盤に実績のある河野・室屋のコンビで敵DFを撹乱したい。
ボランチは眷襪料蠎蠅鮹にするか。練習試合では眷襪罰畛海料塙腓擦鮖遒靴討い襪茲Δ世、ド変態コンビは夢がある分リスクも高い。鹿島の厳しくクレバーな前線を相手にこの二人でスペースをケアできるか。眷襪氾廷気料塙腓擦鮨笋靴燭ぁ
ベンチも厳しい。橋本はユーティリティとして貴重だが、ケガ上がりでどこまで期待できるか。梶山はベンチに置く選手ではなく、先発させないのならメンバー外にして、阿部やバーンズのために席を空けてもいいかもしれない。
これだと小川やユ・インスなど実戦でチャンスを与えたい選手らを入れる隙間さえない。層が厚いのは有難いことだが、U23の使い方も含め、サブやメンバー外の選手のモラルを落とさないように編成して行くのは並大抵の苦労ではないはずだ。
メンバーはある程度固まってきているように思うが、シーズンを戦う中ではケガによる離脱もあるし、警告累積や退場による出場停止もある。調子を落とす選手もいるだろう。その時に代わりの選手が間違いなく試合に入れるようにするためには、サブのモラルをいかに保つかが重要。難しいマネジメントだ。
繰り返しになるが、ドカンと派手に打ち上げながら、ケガ人や連係の乱れなどから目論見が狂い、修正が効かず空中分解するのがワースト・シナリオ。これを避けるためには、ムダに熱くなる振幅の大きな組織ではなく、平熱でコンスタントに強く戦えるチームを作る必要がある。今季の東京にはそれができるはずだと思う。
開幕が待ち遠しい。
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FC東京
2017年02月12日 17:49
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【ブンデスリーガ第20節】ブレーメン×グラードバッハ
■2017年2月11日(土) 15:30キックオフ
■Weser-Stadion (Bremen)
日本時間土曜日夜11時半からの試合。何とかDAZNをテレビで見ようと四苦八苦。Fireナントカがなくクローム・キャスト対応なのでクロームでDAZNの動画を映したいのだが、PCはなぜかライブ中継が映らず(見逃し配信なら映る…。OSがWin7なのでサポート対象外だとDAZNのヘルプデスクに言われた)。
仕方なくOSがWin10のタブレットでDAZNにつなぐとライブ動画も映るようにはなったが、通信がプアで画像がカクカク。ちょっとストレスフルだったので開始5分ほどで諦めてiPhoneを何かナゾのアダプタでテレビのHDMIに突っこんでみたが解像度がひどい。結局これも前半で諦めてPCに戻り、後半はIEで見た。もうほんま何とかして欲しい…。
さて、グラードバッハは厳しい連戦の真っ最中。年が明けてヘキング体制になってから公式戦4試合無敗、リーグ戦は3試合を2勝1分のハイペースで飛ばしている。ラファエル、シュティンドルを欠くアウェイ戦でしっかり勝ち点を積み上げることができればこの勢いも本物ということになるだろう。
DFBポカールを欠場したラファエルはこの試合もベンチ外。ケガが重いのか、ELシフトなのかは分からない。kickerのプレビューではケガ人リストには入っていなかったが…。シュティンドルは警告累積での欠場。トップにはアザールとハーンが入り、ドルミッチがベンチ・スタート、ヘアマンが右SHで久しぶりの先発となった。
ゾマー
ヤンチュケ クリステンセン フェスタガード ヴェント
ヘアマン クラマー ダフード ジョンソン
アザール ハーン
グラードバッハは立ち上がりから攻勢に出る。前から積極的にプレスを敢行、奪ったボールを少ないタッチでつなぎながら敵陣に攻めこむスタイルでブレーメンを押しこむ。序盤はDAZNの接続で苦労しており正直あまり見てなかったが、グラードバッハが優勢だったにも関わらずDAZNの実況と解説がブレーメン贔屓なのがムカついた。
12分、自陣で奪ったボールをクラマーが前線に送ると、右寄りでこれを受けたアザールが縦に抜け、敵GKと一対一になったところでシュート。これがGKの脇を抜けて決まり、グラードバッハは早い時間帯に1-0と先制。これも「ブレーメンが押してたのに一発でやられた」的な説明をしていたが的外れだったと思う。
その後はリスクを嫌って引き気味になるグラードバッハに対してブレーメンがボールを保持して攻める局面に。グラードバッハは中央を固めカウンター狙いになる。23分、クラマーから前線に送られたボールがバックスピンでハネたところをヘアマンがダイレクトでループを狙ったがボールはバーの上に。
やや受けに回り過ぎたか、何度かブレーメンにチャンスを作られるが、ゾマーの好セーブなどもあってゴールは割らせない。クリステンセン、フェスタガードの中央が固く1点差を保ったまま前半を終了する。
後半に入るとブレーメンが攻勢を強め、立て続けにチャンスを作られる。52分、カウンターからジョンソンが落としたボールをハーンがシュートするがGK正面。最初の10分をしのぐと試合は落ち着くが、ブレーメンがボールを持ち、グラードバッハが守備からカウンターを狙う展開は変わらず。
71分、ヘアマンに代えてドルミッチを投入、ドルミッチはトップに入りアザールが右SHに落ちたか。80分、ハーンに代えてケガで試合から遠ざかっていたシュトロブルを投入。ダフードを一列上げたか。この辺はよく分からない。
終盤、ブレーメンがパワー・プレー気味に放りこんで来るが、グラードバッハの守備は固く、シュートは軒並みDFがブロック。85分、ダフードに代えてニコ・シュルツを投入。シュルツは左SHに入り、ジョンソンが右サイドにスライドして、アザールが中央か。
グラードバッハは終盤のブレーメンの反撃にも耐え、何とか勝利を手にすることができた。後半、前がかりになるブレーメンからボールを奪って、何度かカウンターのチャンスがあり、ここでしっかり追加点を取っておきたかったが、それができなかったために苦しい守備戦になってしまった。
ラファエル、シュティンドルがいないために攻撃がやや手探りだった感は否めないものの、何とか守りきれたことは自信になるだろう。シュート数12-16、CK3-9、ポゼッション40-60と、先制してからは割りきった戦いをしたことが数字にも出ている。追加点が取れない中でもアウェイで耐えて勝ち点3を確保したことは評価していい。
これでグラードバッハは今年に入ってから公式戦5試合無敗、リーグ戦では3勝1分と勝ち点10を積み上げている。4-4-2というシンプルな布陣で選手個々のアイデア、ファヴレ監督時代から育てたオートマティズムを生かした有機農法のような戦略が功を奏していると思う。
ラファエルがここにきて離脱しているのは気になるところだが、この試合ではシュトロブルが復帰、エルヴェディも練習に合流しているとの報であり、あとはトラオレ、マーヴィン・シュルツあたりが戻ってきてくれれば層も厚くなる。一方でヘアマン、ハーンらのパフォーマンスも上向きつつあり、特にハーンにはそろそろゴールが欲しい。
中二日、中三日で試合のある厳しい日程が3月初まで続く。コンディションはキツいが、むしろ試合が続く中でいいリズムを作って行きたい。週央にはELのフィオレンティーナ戦がある。
ディーター・ハキング監督談話:
「私のチームがこの課題にしっかり取り組んだことを高く評価したい。前半は素晴らしい戦いで、多くのことが正しくはまっていた。チームはしっかりと守りを固め、選手たちは献身的に、ハードワークしていた。戦いぶりは際立っていたが、少しでも欠けていればダメになるところだった。後半は我々は少し深く引き過ぎ、あまりフットボールができず、長いボールに頼り過ぎた。いくつかのカウンターはもっとうまく結果につなげるべきだった。しかしこの勝利は非常に嬉しい。おかげで下位との間に大きな余裕ができた」
公式戦5試合無敗のうち、アウェイが4試合というのもすごい。
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ブンデスリーガ
2017年02月11日 09:00
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【DFBポカール3回戦】フュルト×グラードバッハ
■2017年2月7日(火) 20:45キックオフ
■Sportpark Ronhof Thomas Sommer (Furth)
2部のグロイター・フュルトとの一戦となったDFBポカールの3回戦。日本時間で水曜日の未明4時45分からというムリな設定だし中継もないので、後からゆっくり動画で内容を確認した。
ラファエルが足に問題あるということで欠場、このためドルミッチが前線で先発。またフライブルク戦で先発したハーンがベンチ・スタート、代わってジョンソンが先発した。
ゾマー
ヤンチュケ クリステンセン フェスタガード ヴェント
アザール クラマー ダフード ジョンソン
シュティンドル ドルミッチ
試合はグラードバッハがボールを支配、主導権を握って敵陣中心に攻撃を仕掛ける。8分、ヴェントが左から放ったシュートは惜しくもニア・ポストを叩いて外に。12分、ジョンソンからのパスを受けた左裏に抜け出したヴェントが再びシュートを放つと、これがGKの脇をかすめてゴール。グラードバッハが早くも1-0と先制する。
実力差があるので先制すると試合は一気に楽になる。18分、敵MFがクラマーに対する悪質なファウルで一発退場。スパイクの裏でモロにすねに行っており危険なプレー。幸いクラマーは大きなケガに至らず、そのままフル出場できたものの、一つ間違えれば骨折でもおかしくなかった。クラマーはその後も後ろからどつかれるなど気の毒だった。
数的優位を得たグラードバッハは大きなリスクもなく試合を支配。35分、ドリブルでエリア内に突っかけたアザールがDFに足を引っかけられて倒れPKを得る。これをアザール自身が落ち着いて決め2-0とリードを広げる。おそらくここでもう試合は決まった。前半はこのまま終了。
後半に入ってもグラードバッハが圧倒的にボールを支配する流れは変わらず。大きなリスクを取る必要のないグラードバッハはムリに攻撃を仕掛けず、敵陣中心にボールを回して時間を使う。フュルトはボールを奪っても自陣深くからの攻撃となり前までボールを運べない。見どころの少ない展開になる。
68分、ジョンソンに代えてヘアマンを投入。ヘアマンは右SHに入りアザールが左に回ったようだ。さらに72分にはドルミッチに代えてハーンを投入。ハーンはそのままトップに入ったと思う。何度かチャンスを作ったものの決めきれず、本来ならこの時間帯にしっかりダメ押しして試合を決めておきたかった。
さらに79分、ダフードに代わってベネシュがイン。ベネシュは公式戦初出場となる19歳のルーキー。終盤にはFKにヘアマンがフリーで頭で合わせるシーンもあったが枠外に。ヘアマンのヘディング・シュートは初めて見たかも。フュルトは終盤、捨て身の総攻撃をかけたが奏功せず、結局2-0でグラードバッハが危なげなく準々決勝にコマを進めた。
力の差が歴然とした試合で、前半に2点差となり、敵が一人退場したこともあって、後半は見せ場に乏しい展開になった。グラードバッハはウィンター・ブレイク以降の好調を維持、少ないタッチでボールを動かしながらスピードを殺さず敵陣に入りこむ攻撃ができていた。敵が引いてしまっていたのもあったが、後半に追加点が欲しかった。
シュート数12-6、CK5-1、ポゼッション61-39とはっきりしたグラードバッハのゲーム。ラファエルを欠いたがアザールが生き生きと動きまわっていたのが印象的だった。こうやって勝ちグセをつけ、勢いをつけてリーグ戦、ELに臨めるのは大きい。
ポカールは3月1日にHSVとアウェイで準々決勝を戦うことになったようだ。週末にはリーグ戦でブレーメン遠征、木曜日にはELでホームにフィオレンティーナを迎える。その後もELのセカンド・レグ、DFBポカールの準々決勝があり、4週連続の英国週間となる厳しいスケジュール。
一方でシュトロブルとエルヴェディが練習に合流したとのニュースもあり、行けるところまで行くしかない。
ディーター・ヘキング監督談話:
「退場はもちろん我々にとって有利だが、劣勢の方が観客を味方につけると10人を相手に戦うことも時として難しくなることがある。しかし我々はリードを背景に最後まで集中して戦うことができた。私のチームはしっかりした試合を見せてくれた。選手たちはよく連動し合い、よく話を聴いてたくさんのことを実行に移してくれた。今日も見たように、改善すべき細かなポイントがあるのはいつものことだ。リーグ戦3試合で勝ち点7を挙げたことに加えて、ポカールでも次のラウンドに進むことができたのはとても嬉しい。しかし、ここで一息つく訳に行かないことも分かっている。土曜日にブレーメンで次の難しい課題が我々を待っていることを考えると、早く疲れを回復することが重要だ」
次の試合ももうすぐだ。
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DFBポカール
2017年02月09日 22:41
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【FC東京】2017年新チーム・プレビュー(6) FW編
練習試合でも好調が伝えられる東京だが浮かれている訳にも行かない。開幕まであと2週間強。永井が横浜との練習試合で傷んで交代したらしいが、自分で歩けていたとのこと。軽傷であることを祈る。
さて、今日は、昨日積み残したトップ下とFWについて見て行こう。
まずトップ下だが、ここは東の一択。これまでサイドで使われることが多かったが、篠田監督になってトップ下に定着、高い技術と戦術眼で攻撃の中心になっている。今季も東はまずこのポジションでしっかり周囲を使って欲しい。緩急も含め試合の流れをコントロールできる重要な選手。ポテンシャルは代表級だと思う。
課題としては自分で決めに行くときの決定力。最後の最後でGKに当てるのはもはやデフォルト。東ならGKを外して流しこむこともできそうなのに、そこの駆け引きだけが拙い。最も可能性の高いところにパスを出すのが仕事だが、自分で行く選択肢とその精度は今季の東京がどこまで行けるかのカギになる。
東のサブという意味では河野をスライドしたり眷襪1列前で使うなどのオプションも考えられるし、大久保を1列下げることもあり得る。人材には事欠かないと思う。
若手では内田はこのポジションか。ボランチでもできそうだが、前目で持ち味を出せそうか。U23からのスタートだと思うが、練習試合では得点も決めており意外にチャンスが巡ってくるかもしれない。昨季はU23で12試合に出場、ゴールも1つある。U23で結果を出してトップに食い込んで欲しい。
1トップには今季獲得した大久保が第一選択か。ゴール前で張るだけでなく、きちんとボールを捌いてから動き直し、スペースに入って行くなど質の高い動きのできる現代的なストライカー。ゴールへの執着、はっきり要求するFWとしての自己主張と、周囲を使い流れを見極めるクレバーさを併せ持つ。
獲得した時には、年齢もあって高額の年俸に見合う働きができるか正直疑問があったが、どこかおとなしさ、淡白さの抜けない東京に、相互に要求し合うメンタリティを持ちこんだという意味でも大きな存在だと思うようになった。どこまでやってくれるか、期待が先走り過ぎても仕方ないが、むしろそれを力に転化できる選手だろう。
得点という目に見える結果を出して欲しいのはもちろんだが、東京の「お行儀のよさ」に敢えて厳しさを持ちこみ、戦う集団へと進化させるオーガナイザーとして大久保に求めるものは大きい。眷襦梶山、東と、大久保にパスを出せる選手も揃っているし、室屋、太田からのクロスも期待できる。東京の大久保を早く見たい。
もちろん前田も忘れてはならない。前線での献身的なポスト・プレーは東京の宝。ここで収めてくれるところから攻撃が始まる。前田にはもっと自分で行くことを求めたい。今季は太田が復帰、好クロスが期待でき、前田の動き出しが生きるケースは増えるはずだ。大久保とともに日本を代表する現役のストライカーだ。
大久保との競争はハイレベル。戦術によっては大久保、前田の豪華な2トップも見られるかもしれず、また大久保をトップ下に置いて前田を1トップにすることも考えられる。前田にいかに気持ちよくプレーしてもらうか、前田が持ち味を遺憾なく発揮してくれれば前線も層は厚い。
この他、MFで見た阿部、永井、バーンズもFW登録。1トップを張る感じではないが、2トップの一角なら可能性はあるだろう。気になるのはこのポジションに自前の若手がいないことで、U23はユ・インスあたりを偽の9番に置いたゼロ・トップでも対応できるだろうが、先々を考えればストライカーを養成したいところ。
U18からの昇格も例年中盤より後ろが中心で、FWで昇格できたのは重松が最後ではないか。来季以降だが自前のエースの登場を待ちたい。
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FC東京
2017年02月08日 22:34
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【FC東京】2017年新チーム・プレビュー(5) OMF編
権田の鳥栖加入が発表された。ヨーロッパに挑戦したいということで東京との契約を合意解除して移籍先を探していたようだが、ウィンドーが閉まるまでに満足なオファーがなく、かといって東京にも戻れないでいたところに鳥栖からオファーを受けたということだろう。
欧州移籍を前提に契約を解除した東京から見ればわだかまりの残る成り行きだが、かといって鳥栖からのオファーを蹴って浪人することを権田に強いる意味もなく、いろいろあった末のやむを得ない事態と割り切るしかない。鳥栖はうまく漁夫の利を得たということ。
少なくとも権田個人に対しても権田をリリースしたフロントに対しても悪感情はなく、というか既に新しいGK4人を補強した我々としてはそんなことに構っている余裕はなく、このチームでどうやって結果を出して行くかしか考えるべきことはない。権田には新しい環境でしっかり頑張って欲しい。
さて、今回は攻撃的なMFについて。前回同様4-2-3-1を前提にすると、前の「3」、両翼とトップ下の布陣。
まず両翼で、これは4-4-2のときのSHでもあるが、右から見て行こう。
このポジションは新しく加入した永井、河野の激しい争いと見ていい。永井はFW登録だが中央で張るタイプではなく、スピードを生かして切れこむサイド・アタッカー。本人はサイドよりFWとして勝負したいとの意向らしいが、この布陣ならシャドウ・ストライカーとしてサイドに置くしかない。
海外経験もあってもともとポテンシャルは高いが、決めきる精度はどうか。スピードという絶対的な武器があるだけに、それ以外のクオリティが逆にポイントになるだろう。鳴り物入りでの移籍だが、当然ながらポジションが約束されている訳ではなく、競争を勝ち抜いて定位置を確保して欲しい。
僕としては永井よりも河野を買いたい。河野は篠田監督の下でこのポジションに定着、切れこんでの左足でのシュートに魅力がある。もともと足許の技術には定評がある上に、ゴールに向かう意志、仕掛ける意識にはっきりした特徴のある選手。
守備も含めいい時と悪い時の差がはっきりしているムラの多さや、ミスの後でプレーを止めてしまうメンタルの幼さ、拙さが欠点だったが、最近は愚直な取り組みもできるようになったと思う。戦術にアクセントを加え、敵の嫌がるプレーができる選手であり、永井よりは河野を右SHの第一選択に推したい。
左サイドは中島、阿部、バーンズの競争か。
昨季の使われ方から見れば中島が第一選択だと思うが、それぞれに特徴があり差は大きくない。中島は旬の選手で、ボールを持ったらとにかくゴールに向かう姿勢が彼自身にとってもチームにとっても大きな武器になっているのは確か。結果もそれなりに出しているが、一方でプレー・スタイルが型にはまりつつあるのは気になる。
今季はおそらく研究され、厳しくマークされるのは覚悟した方がいい。球離れの悪さも課題で、今のスタイルのままではいずれ限界が来る。アグレッシヴさを残しつつ、プレー・スタイルに一段の深化がないと壁に突き当たる時が来る。今は行けるところまで行けばいいと思うが、チームとしては是々非々で注意深く見る必要がある。
中島と競う存在は阿部だろう。昨季はケガもありシーズン途中から離脱してしまったが、本来は足許の技術のあるFWだ。ゴールへの色気とコンビネーションへの目配りをバランスよく兼ね備えておりポテンシャルは高い。今季コンディションがフィットすれば定位置獲得は現実的だ。
中島とのレベルの高い競争になるが、僕としては実績のある阿部の方にむしろ期待している。ジョーカーよりは先発で持続的にプレーをして結果を出す選手。昨季の鬱憤を晴らす活躍を見せて欲しい。
バーンズもFWだが、上背はなく、中央でポストするよりはサイドで受けて切れこむタイプ。左だけでなく右でもプレーできる。オーストラリア代表であり本来はもっと使いでのある選手のはず。今オフ、東京で結果を出すために敢えて残留したとの報道もあったが、チームとしてももっと使いようはないのかともどかしい。
守備に難点がある上、動き回るプレー・スタイルから試合の中でのスタミナ管理も課題だと思うが、ボールを持って仕掛けてくるスタイルは敵からは間違いなく嫌がられている。使い方次第で生きる選手であり、レギュラーとしての定位置は難しい面もあるが戦略的に起用したい。
この他、右サイドでは石川がいる。度重なるケガからのリハビリ中であり、戦力としてどこまで見込めるかは未知数だが、石川が味スタの右サイドを駆ける姿を僕はもう一度見たいし、何より現役の石川とリーグ優勝したい。石川が「オレのためにタイトル獲ってくれ」と言ってくれれば優勝できると思う。
平岡は今年もU23からのスタートだと思うが、そろそろ何かを見せて欲しい。U23では間違いなくトップ・レベルのスピードを見せてもらったが、それだけでは90分勝負できない。永井と同じで、明確な武器があるだけに、それ以外の部分でのクオリティを求められる。ラスト・イヤーのつもりでアピールして欲しい。J1で見たい。
左ではユ・インスがいる。ユもU23からのスタートになるだろうが、昨季はJ1で出場・得点の実績もある。結果にこだわって前を目指そうとするアスリートとしての健全な「欲」がはっきりしているところがいい。突破力もあるし愚直なまでの運動量もある。チャンスをつかんで欲しい。
結構書いたのでトップ下は次回にしよう。
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FC東京
2017年02月06日 21:56
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【FC東京】2017年新チーム・プレビュー(4) DMF編
今回は守備的MFについてプレビューする。昨年の実績から、4-2-3-1が今季のスタンダードな布陣になるという一応の前提で、所謂ダブル・ボランチの2人を誰にするかということを考えたい。
このポジションの目玉は何といっても眷襪粒容世澄眷襪和緝塾鬚發△訶刑揚のMFであり、ユーティリティ・プレイヤーでもあるが、ボランチでの起用が現在のところ最も現実的だろう。味方すらも読みきれないタイミングでパスを通してくるプレー・スタイルは変態とも噂される。
前線に東、中島ら特徴のある選手に加え、大久保、永井ら決めきることのできる選手を補強した今季、パスの出し手としての眷襪硫弾は大きく、高橋の抜けた穴を埋める最後のピースとして的確な補強だったと思う。もちろん競争が前提ではあるが、ボランチの第一選択は眷襪任いぁ
問題は眷襪離僉璽肇福爾鮹にするかである。僕としてはここには田邉を推したい。昨季最大の「補強」として米本の負傷離脱後のボランチを務め、スペイン仕込みの華麗なボールさばきと広い視野、高い技術で中盤の核となるとともに、意外にしっかりとスペースを埋め、カバーもできるレベルの高いMFに育った。
本来は前への推進力に特徴のある選手ではあるが、局面を見てスペースのケアや泥臭い守備もできるようになったのは大きな成長で、それも「見えている」からこそだと思う。高橋のいない今、この役割を担えるボランチは田邉の他になく、眷襪療刑揚のプレーの後ろを任せる相手として適任。
梶山もこのポジションでは重要な選手だが、眷襪畔造戮襪里魯螢好が高過ぎる。変態を二人並べるとド変態。見てみたい気もするが何が起こるか誰も予想できない。もともと梶山も天才肌で、梶山を起用するなら梶山起点で戦略を構築すべき「水準点」となる選手。梶山は眷襪離ルタナティブとして考えるべきだ。
加えてコンディション的に常時フル出場が見込めるかも疑問。眷襪肇櫂献轡腑鵑鯀茲Δ里妥当な使い方で、フィットの具合やゲーム・プランに応じてここぞというところでの起用が中心になるのではないかと思う。眷襪らポジションを奪い取るならそれはそれで歓迎だ。レベルの高い競争になる。
このポジションで忘れてはならないのは米本だが、昨季大きなケガをして、練習試合にも名前はなく、おそらく今はリハビリ中。どのタイミングでフィットできるか分からず少なくとも開幕には計算できない。このところケガなくプレーできていただけに悔しいが、外から見ることで成長の機会にして欲しい。
しかし米本が戻った時に眷襪離僉璽肇福爾傍用できるかは微妙だと思う。米本はボール・ホルダーに食いついてボールを奪いきるスタイルの選手。時としてポジションを捨てて飛び出すこともあり、眷襪そのカバーをやれるか。守備的な選手だがスペースを見るタイプではなく、やるならむしろ田邉と組ませたい。
田邉のバックアップとして考えられるのは橋本だ。橋本も昨季終盤に負傷離脱、ようやく全体練習に復帰したところとの報があったばかり。橋本はクレバーな選手でスペースをケアできる選手だと思うが、開幕は計算できないのではないか。ポテンシャルは大きく実戦で成長させたいが層が厚く競争は厳しい。
攻撃時にはするすると上がり絶好のポジションに入りこむなどナゾのセンスがあり、ゴールへの色気もあって面白い選手。眷襦田邉、梶山、米本との競争に勝ってポジション争いに割って入ることができるか、便利使いされるだけに終わらず存在感を発揮したい重要なシーズンになるだろう。
このメンバーに続くのは3年目の佐々木、U18からの昇格となった鈴木らか。
佐々木は1列前でもプレーできると思うが、昨季のU23ではおもにボランチでプレーしていたように思う。今季も主戦場はU23になるだろうが、チャンスはいつ巡ってくるか分からない。手を抜かないプレーでしっかりアピールして欲しい。同期の小川が昨季J1で出場機会を得たこともあるし、そろそろ名前を覚えてもらわなければならない頃合いだ。
鈴木は昨季2種登録としてU23で25試合に出場。既に実績のある選手であり、まずはU23からのスタートになると思うが、佐々木同様いつでもチャンスをつかめるよう怠りない準備が必要。上の層は厚いが、J3で真面目にやっていればたくさんの人が見ていてくれるはずだ。米本、橋本がケガのシーズン序盤がむしろ狙い目か。
高橋、羽生が移籍し、スペース・マネジメントの部分では厳しくなったが、眷襪硫弾で戦力として埋め合わせできた。あとは選手の組合せ、相性の世界だろう。眷襦田邉がレギュラー、梶山、米本、橋本がそれに次ぐ選択肢で、U23は佐々木、鈴木というのが穏当な見立てだが、ポテンシャルの高い選手ばかりであり、このポジションもいい競争が期待できそうだ。
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FC東京
2017年02月05日 17:05
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【ブンデスリーガ第19節】グラードバッハ×フライブルク
■2017年2月4日(土) 15:30キックオフ
■Borussia-Park
日本時間土曜日夜11時半キックオフということでPCでのDAZN観戦。ライブはなぜかChromeで見られずIEで見るのだが、これだとクロームキャストでテレビにミラーリングできずPCのモニタを凝視することになる。本当に何とかして欲しいわ。OSがWindows7だと推奨環境外ということらしい。
中継は前半15分くらいまで頻繁にハングアップ。1分見たら1分止まって続きから始まる感じで、この分だと90分の試合を見終わるのに180分はかかるとげっそりしていたが、途中から急に動きがよくなった。もうよく分からない。ハーフタイムで現実のタイムラインに追いついた。
グラードバッハはウィンター・ブレイク明けのアウェイ2連戦を1勝1分で乗りきり、今年になってのホーム初戦。ここでしっかり勝ち点3を積み上げこの流れを確かなものにしたいところ。ヘキング監督のボルッシア・パークでのレビュー戦になる。中位は勝ち点差も少なく、リズムよく勝ち点を稼げば順位を上げることができる。
ヘキング監督になってから出場機会を得ていい動きを続けていたホフマンがケガで欠場し、代わってハーンが先発した他は前節と同じ布陣。ホフマンはこのタイミングでのケガはもったいないが焦らず治療して欲しい。一方、負傷でずっと戦線を離脱していたヘアマンがベンチ入り。これは嬉しい。
ゾマー
ヤンチュケ クリステンセン フェスタガード ヴェント
ハーン クラマー ダフード アザール
シュティンドル ラファエル
立ち上がりはどちらもパスをつないで前線にボールを運びチャンスを窺うアグレッシヴな組み合いに。まずはグラードバッハが主導権を握りフライブルク陣内を中心に試合を進めるが、大きなチャンスは作れず。
この時間帯に攻めきれず、次第にフライブルクが失地を回復、15分以降くらいからは中盤で激しい主導権争いとなり拮抗した展開に。グラードバッハは主にサイドから攻撃を組み立てようとするが、中央はフライブルクの守備も厚くクロスははね返される。
40分、左サイドを裏に抜けたヴェントからの折り返しにニアのラファエルが足を出したがボールはゴールに向かわずファーのクリステンセンへ。クリステンセンがこれに合わせたが枠に収まらず。フライブルクの攻撃に対しては危なっかしいシーンもあったものの、互いにチャンスは散発、結局うまくフライブルクにフタをされた形で決定的な形をなかなか作れないままスコアレスで前半を終える。
後半になるとホームで焦りの出るグラードバッハに対してフライブルクの方が動きがよくなる。開始から10分で立て続けにチャンスを作られるが、ゾマーの好セーブもあって何とかしのぐ。この時間帯をしっかり守りきれたのは大きかった。
前線ではシュティンドルが敵DFとやりあって警告を受け、その後も不穏な雰囲気。58分、シュティンドルがそのDFにエリア内でスライディングされ倒れるがファウルにならず。敵DFはボールに行けていなかったが、シュティンドルはその前からバランスを崩しており、ノー・ファウルの判定か。PKでもおかしくなかったと思った。
65分、ハーンに代えてジョンソンを投入。ジョンソンはそのままSHの位置に。67分、敵ゴール前でDFがクリアしようとしたボールがゴール前に詰めたラファエルの目の前に上がり、ラファエルがこれを頭で押しこもうとしたがボールはバーの上に。偶然からのチャンスだったが、きちんと枠に行ってさえいればゴールだった。
73分、ジョンソンがヘディングで前線に送ったボールを受けたシュティンドルが、敵DFを交わしてフリーになり放ったシュートがGKの手をかすめてポストに当たりそのままイン。グラードバッハが1-0と貴重な先制点を得る。ギリギリのコースを通した技術の高いシュートだった。
その後は、ビハインドを背負いリスクを取って前に出てくるフライブルクに対し、グラードバッハが守備からカウンターを狙う展開に。78分、シュティンドルが左前線にダフードを走らせると、ダフードは敵DFに絡まれながらも右足アウトで中央のラファエルに短いパス。これをラファエルが身体を倒しながら枠に蹴りこんでゴール。2-0とリードを広げる。
88分にはシュティンドルに代えてドルミッチを、そして90分にはラファエルに代えてヘアマンを投入、試合をクローズしに行く。
フライブルクのパワープレイをしのいでいたアディショナル・タイム、ドルミッチから右前線へのパスを受けたアザールが、逆サイドのヘアマンにパス。これを受けたヘアマンが左サイドから放ったシュートは敵DFに当たってコースが変わり、敵GKの逆を突く格好になってゴール。3-0とダメ押し。試合はそのまま終了し、グラードバッハが2連勝となる今年ホーム初勝利を挙げた。
前半は拮抗したゲームで攻撃の糸口がなかなかつかめなかったが、後半、試合が次第にオープンになる中でもコンパクトな陣形を崩さず、ボールをつないだことで少しずつ流れが傾いた。追加点はフライブルクが前がかりになる中で狙い通りカウンターから決めたものだが、敵DFとのマッチ・アップに勝ってゴールを決めたシュティンドルの先制ゴールの価値が高かった。
シュート数11-14、ポゼッション48-52、CK3-8と必ずしも試合を支配できた訳ではなかったが、耐えどころを耐え、終盤効果的に加点して勝ち点3を得た試合。
ヘキング監督の戦略は特に難しいこともなく、やり慣れた4-4-2に戻し、両SBやダフードとクラマーのボランチ、ラファエルとシュティンドルの2トップなど、それぞれの選手の本来のポジションで本来の力を気持ちよく出させることを優先しているのが効いているのではないか。
もともと長く一緒に戦ってきた選手が多く、既にオートマティズムはそこにある。シュバート監督がヘンにイジってグダグダになっていた戦略を再びシンプルなものに戻すことで封印を解いただけのように見える。シュバート監督は独自色を出そうとするあまり、もともとあったケミストリーを自ら殺していたのではないか。
この試合ではフェスタガードの守備、特に対人のカバーリングが危なっかしく、何度かピンチを招いた。一方でクラマーが時に最終ラインに落ちながら愚直にボールを受け続け、攻撃の起点になっていたのは大きなポイントだった。ダフードが前半途中から厳しいマークを受け、思うようにボールを収められない中でクラマーの存在は光った。
ここからボールが出てくると、アザール、ラファエル、シュティンドルらアイデアと技術のある選手が生きるし、そこにダフード、ヴェントが加わることで攻撃のバリエーションが広がる。歯車が噛み合いつつあるようで心強い。
ヘアマンの復帰も嬉しい。彼がゴールを決めた後、ゴール裏でアップしていた選手を含めチーム・メイトから手荒な祝福を受けていたのもよく分かる。もともと代表級の実力のある選手であり、今季後半の巻き返しには必要な戦力だ。活躍を期待したい。
一方でホフマンを初めトラオレ、シュトロブルらケガ人も多く、DFBポカールやELで日程の立てこんだ2月を乗りきるのはハードだ。これ以上ケガ人を出さないこと、離脱者の早い戦線復帰を祈る。
これでグラードバッハは勝ち点を23(1試合あたり1.21)に伸ばし、暫定ながら順位を10位に上げた。まずは中位を固めながら順位表の上半分を目指したい。火曜日にはDFBポカールのグロイター・フュルト戦、週末にはリーグのブレーメン戦と再びアウェイ・ゲームが続く。今年に入って3戦無敗、3試合で勝ち点7を稼いだ流れは大切にしながら、厳しい日程に立ち向かいたいところだ。
ディーター・ヘキング監督談話:
「今日の試合を3-0で勝つことができたのは大変嬉しいが、結果はおそらくちょっと良過ぎたかもしれない。強固な武器を持つ相手に勝たねばならない試合になるということは今週ずっと言っていた。我々は運動量を豊富に、規律を持って戦おうと考えていた。非常に集中した試合になったと思う。我々の方が上回っていた局面もあったし、フライブルクの追うがよかった局面もあった。ラース・シュティンドルが彼の力を証明した1-0が、いわば栓抜きになった。フライブルクはそこからスペースを空けざるを得なくなった。そこから2点の追加点を得たのは素晴らしかった。我々はここから素早く切り換える必要がある。今日の試合で、これまで欠けていた選手がカムバックできたことは本当に嬉しい」
勝つとコメント長い…。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2017年02月04日 18:26
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【FC東京】2017年新チーム・プレビュー(3) CB編
沖縄でのキャンプが終わり、チームはいったん東京に戻って明治神宮で必勝祈願した後、二次キャンプ地である宮崎へ旅立った。開幕は近づいている。
この間、セビージャの清武がJリーグへの移籍を考えているという報道があり、東京もオファーを出していると報じられた。もしかして清武まで獲るか、と腰が浮いたが清武はセレッソ大阪に復帰することが正式に発表された。まあ、さすがにそこまではなかったか、という感じ。
さて、今回はCBのプレビューである。CBはまず森重と丸山の代表コンビがレギュラーで問題ないだろう。
森重は主将であり今や東京の「顔」といってもいい中心選手。トップ・フォームを維持しており、代表でもレギュラーに定着している。読みのいい守備と確かな技術で攻守の核になる現代的なCBだ。
今季、森重に望むのは、ビハインドを背負った時のチームのメンタル・マネジメントである。先制された時、追いつかれた時、これまでの東京は下を向いてガックリ肩を落とすことが多かった。立て続けに失点して逆転された試合も昨季はひとつやふたつではなかった。
そんなとき、森重は必ず思いつめたような固い顔をしている。両手をたたいて味方を鼓舞していることも多いが、そこには何か悲壮感が漂う。賛否はあるかもしれないが、そんなとき、僕は森重にもっと笑顔があればいいといいと思う。
「大丈夫だ、オレらはやれる、前向いて行こう、ここから行こう」とチームメイトを安心させ、焦る必要も過剰に熱くなる必要もないことを再確認するような、森重のチャーミングな笑顔があればチームは落ち着くことができるだろう。
森重には経験に裏づけられた説得力があるはずだ。新しく加わった、実力のある選手を束ね、試合の中でひとつの方向にチームを束ねて行くのは森重の仕事。なぜなら東京は森重のチームだからだ。今季、トップ・フォームの森重とともにタイトルを獲りたい。
森重のパートナーは丸山が第一選択だろう。正確なフィードやクレバーな守備は既に高いレベルにあるし、左利きでピッチの左半分から広い範囲にパスが出せる強みもある。一方でガチのフィジカル勝負には向上の余地があるとともに、割りきったクリアに逡巡が見られ中途半端になるケースが散見される。
森重とタイプの似たCBになるが、既にここ2シーズンに亘ってコンビを組んでおり、チャレンジ&カバーなどのコミュニケーションは問題ないだろう。年齢的にも最も充実した年代に入りつつあり、プレーの成長、成熟が期待できる。しっかりと足許を固めつつチームを最終ラインから支えて欲しい。
森重、丸山の次を狙うのは吉本だ。今季から背番号を「4」に変更、森重らとはタイプの違うCBとしての存在は貴重だ。森重らのケガによる欠場はあって欲しくないが、警告累積の出場停止は現実にあり得るし、森重、丸山が代表招集された際のカップ戦などでの出場機会は見込める。
それだけでなく、ゲーム・プランによっては丸山に代えて最初から吉本で行く試合もあっていいと思う。愚直に身体を張れる吉本のプレー・スタイルがはまる相手はあるはずで、穴埋めのためのサブではなく、彼の個性が必要とされての起用はあり得べきだ。ポジションを奪い取る競争を期待する。
問題はこの3人に次ぐCBが心細い点だ。特に森重と丸山が同時に代表招集を受けるといきなり穴が開く。ここには法政大学から加入した山田(昨季は特別指定でU23に7試合出場)、U18から昇格した岡崎(2種登録でU23に29試合出場2得点)を見込むのだと思うが、U23もあり人繰りは厳しい。
山田、岡崎はまずはU23で出場機会を得ながらこうしたチャンスを窺うことになるだろう。岡崎は上記の通り昨季U23で安定したパフォーマンスを見せており、J1でも見てみたいが、現在ケガをしており新チームの発表会でも松葉杖をついてのお披露目となった。まずは焦らずに調整してもらうしかない。
山田も僕が見た試合ではしっかり活躍できていたように見えた。チャンスが得られた時にしっかりアピールできるよう、ふだんから十分な準備をして欲しい。彼らの他には徳永がCBもこなせる他、橋本、小川らもCB起用は可能だと思うが、やや台所が苦しい感はある。
総括すると、森重、丸山をレギュラーに、吉本がバックアップ、山田、岡崎がU23という顔ぶれ。レギュラーが盤石なだけに、その次が難しいポジションだがサブもポテンシャルは高く、いい競争を期待したい。
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