フットボール・クレイジー
football crazy
silverboy club
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2017年12月25日 19:00
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【DFBポカール3回戦】グラードバッハ 0-1 レバークーゼン
■2017年12月20日(水) 18:30キックオフ
■Borussia-Park
水曜日の朝に早起きしたら試合は翌日だったのでもう一度寝た。木曜日の朝改めて早起き、出勤前にDAZNで時差視聴した。結果情報はもちろんシャット・アウト。
既にリーグ戦の年内の日程は終わっており、この試合が今年最後の公式戦。気持ちよく勝って準々決勝にコマを進め、上がり調子の流れで一年を締めくくりたいところだが、もちろん簡単な試合ではない。
ラファエルが負傷で戦列を離れたため、キュイザンスをFW起用し、ボランチはツァカリアとオクスフォードのコンビに。厳しい人繰りの中での窮余の策ではあるが見る方としてはなかなか面白い。
ゾマー
エルヴェディ ギンター フェスタガード ヴェント
ヘアマン オクスフォード ツァカリア アザール
キュイザンス シュティンドル
試合は互いに前に出るテンポの速い展開に。中盤で争ったボールを素早く前線に運び、スピードに乗ってフィニッシュまで持ちこむ流れで双方がチャンスを作る。グラードバッハがやや優勢にボールを持っていた感じもしたが、交互に打ち合うオフェンシヴなゲームになる。
7分、ヴェントからのパスを受けたシュティンドルが強烈なミドルを放つがGKにセーブされる。18分にはアザールがドリブルで持ち上がりシュートしたがこれはゴール右に外れる。
さらに21分には右サイドに開いたシュティンドルからのクロスに中央でヘアマンが合わせるがGK正面。40分にはヘアマンからのクロスにエルヴェディが頭で合わせるがバーの上に。結局スコアレスのままで前半を終えた。
後半に入ってもグラードバッハが優位に試合を進めるが、チャンスを決めきれずレバークーゼンの逆襲を食らうシーンも散見されてオープンな展開に。51分、アザールがソロで持ち上がってシュートを放つがGKがセーブ。
70分、敵のゴールキックを中央で受けたオクスフォードが止めきれず後逸すると、これをさらわれてそのままショート・カウンターを浴びる。ゾマーとの一対一を落ち着いて決められ失点。ワンチャンをモノにされた格好で0-1と先制を許す。
グラードバッハは76分にオクスフォードに代えてグリフォを、80分にはヘアマンに代えてボバディジャを投入し反撃に出るが、レバークーゼンの守りが固く、フィニッシュにもアイデアを欠いてゴールが遠い。
87分にはエルヴェディに代えてドルミッチを投入、アディショナル・タイムまで反撃を試みたがチャンスを作っても決められず、結局0-1のまま試合は終了、今季のDFBポカールは3回戦で敗退ということになった。
レベルとしては拮抗した試合だったが、敵のGKが当たっていたこともあって決めきれず、逆にワンチャンでやられて持って行かれた試合。シュート数23-12、CK10-5、ポゼッション49-51という数字らしいゲームだった。
キュイザンスの前線とか、オクスフォードのボランチとかも悪くなかったし、こうやってチーム力の底上げを試みたことはシーズン後半に生きてくると思いたい。ツァカリアを含め、この辺の若手の活躍を見ると、BVBに売ったダフードとかチェルシーに返したクリステンセンらも含め、いい補強をしていると思う。エバールの手腕だろうか。
これで年内の公式戦はすべて終了、最後は敗戦となったが、全体としては悪くない1年だったのはないか。今季はヨーロッパもなく、カップ戦も敗退したことで、年明け以降はリーグ戦に集中することになる。
必ずしも絶好調という訳ではないが、混戦であることにも助けられて悪くない位置につけている。とにかくケガ人が一人でも多く復帰してくれることを祈るしかない。本当にこのケガ人の多さだけは何とかして欲しい。
ディーター・ヘキング監督談話:
「私の目から見れば、今日は明らかに優れていたチームが敗退してしまった。我々は序盤のレバークーゼンのそこそこのチャンス以外は彼らに何もやらせなかったし、試合を支配しいいテンポで勧めていた。我々はその果実を得るべきだったが、その点において残念ながら欠けるものがあった。違いは、我々はたくさんのいいチャンスからゴールを生みだすことができなかったのに対し、レバークーゼンにはベイリーがカウンターから冷静に決めたということだ。我々は似たようなシーンでトーガン・アザールが決めることができなかった。しかし、今日の試合では私のチームはすべてを投げ出していたし、それだけにこの敗戦にはがっかりした」
敵の監督のヘアリッヒがタッチを割ったボールを拾いに来たツァカリアと接触して大げさに転倒、もめるシーンがあった。それまで敵の監督がヘアリッヒだと気づかなかった。
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Borussia M'Gladbach
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DFBポカール
2017年12月23日 17:42
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【2017年】FC東京シーズン・レビュー (3)マネジメントの失敗
今回は「マネジメントの失敗」について。
今季、ここまで「どうなってんだ?!」感が募ってしまったことに関しては、マネジメントやパブリシティの稚拙さがあったと思う。
シーズンオフの強化自体はそんなにおかしくなかった。所謂DAZNマネーで上位チームには巨額の賞金が入り、成績によってビッグ・クラブとそれ以外が明確に分かれると言われた中、先行投資として大久保、永井、太田、林、眷襦▲Ε織らを立て続けに獲得し、豪華な顔触れで一気に戦力の底上げを図ったのは、戦略として明快であり正しかったと思う。
そして、それを踏まえてACLという高い目標を掲げ、実際にはタイトルを視野に、ビッグ・クラブの一角に名乗りを上げたのも納得できる方針だった。獲得した選手はいずれも実績のある代表級の即戦力だが、年齢的には既に30代で、主将の森重も同様。数年かけてチームを作るという補強ではなく、今季の結果を求めに行くのは当然だった。
微妙に不安が残ったのは監督人事だった。こうした実績のある選手を集めたときに、それを的確に使いこなすには、監督にもそれだけの実績と手腕が求められる。若手の育成やチーム作りが得意な監督、残留や昇格など短期的な結果を出すのに強い監督、そしてアクの強い外国人や有名選手を使いこなして強豪チームを運営できる監督など、監督にもいろんなタイプがあり、得意分野がある。
篠田監督は昨季城福監督のチーム運営が失敗し降格もちらついたときにヘッドコーチから昇格してチームを引き受け、望外の好成績で残留を果たした実績はあったし、福岡でJ1を率いた経験もあった。そのまま今季も監督を任せた判断もそこまでおかしいとは思わなかったが、結果論も加味して考えれば、実力選手を集め目先の結果を狙いに行くチームを率いるに足る手腕があるのか、そういう仕事に合った指導者なのか、もう少しシビアに考えるべきだった。
この点については開幕前に指摘する声もないではなかったが、やはり昨季の実績からまずは篠田監督でというのはコンセンサスだったと思う。この点でマネジメントをあげつらうのはやや酷かもしれない。
最もマネジメントの失敗がはっきり出たのは、開幕直後こそそれなりの成績を残したものの、そこから徐々にジリ貧になり、順位を切り下げ始めた15節以降だったと思う。東京は14節清水にアウェイで勝ったものの、15節横浜(H)、16節磐田(A)、17節セレッソ大阪(A)と3連敗を喫する。
その前の11節から13節も3試合を1敗2分であり、この間の7試合を見れば1勝4敗2分で勝ち点は6(1試合あたり0.86)しか取れていない。14節に4位だった順位は15節以降、7位、8位と切り下がり、シーズ前半を終えた時点では勝ち点24(1試合あたり1.41)の9位、首位との勝ち点差は12、3位との勝ち点差は10であった。
ここ10年で、リーグ戦勝ち点1位のクラブの平均勝ち点は68.3(今季は72)、3位のクラブは61.4(同63)。この61.4を最低の目線にしても、シーズン残り半分で勝ち点37(1試合あたり2.18)以上を稼ぐ必要があり、この時点で挽回はカツカツだった。ACLを狙うなら、この段階でそういう計算がなされ、手が打たれている必要があったと思う。
普通の企業であれば、期初に策定した業績目標の達成が期中の段階で危ぶまれる状況になった時、当然ながらその原因の分析が行われ、ギャップを埋めるべく何らかの対策を講じるか、あるいは目標の修正を行う。目標通りに事業が伸びないこと自体はいくらでもあるが、そうなると、目標が高過ぎたのか、何か想定外の事態が起こったのか、それを検証しなければならない。
我々もACLという目標を掲げてスタートしたのだから、その達成が厳しい状況になったら、いったいその目論見違いがどこから来たのかを真摯に検証し、その結果に応じた手を打たなければならない。そしてそれは株主はもちろん、この目標を信じて試合に足を運び、応援しているサポーターに対して明確に説明されるべきだった。
シーズン前半が終了した時点で僕は上記のような皮算用を行い、篠田監督にその厳しい目標を達成する力があるのか疑問を呈して監督の交代を求めている(「
【緊急コラム】シーズン後半戦の皮算用
」)。シーズン後半17試合のうち「3敗でタイトルが消え、5敗すればACLも消える」状態であった。最低でもACLを狙うクラブであれば、この時点で思いきるべきだったと思う。
当然、クラブの中ではそうした検証、検討はなされているのだろうが(そうであって欲しい)、それがきちんと説明されることなく、篠田体制は続き、相変わらず攻撃の連係はできないまま、塩試合で結果を出すこともできず、25節セレッソ大阪に負けたことでリーグ戦3連敗、公式戦5連敗となってようやく篠田監督を更迭するに至った。
この時点で勝ち点は33(1試合あたり1.32)の10位、もはや監督を換えてもタイトルはおろかACLも難しい状況だった。既に監督を換える意味も失われてからの更迭はあまりに遅きに失した。明らかな判断ミスであったが、そのような判断に至った検討のプロセスは決して説明されることはなかった。
篠田監督を引き継いだ安間監督は初めから今季いっぱいとされ、手は尽くしたものの9試合で1勝4敗4分で勝ち点7を上積みしたのみ、1試合あたり0.78というひどい戦績だったが、いったい彼に何を求めてシーズンの残りを託したのかさえはっきりしない中では評価すらも難しかった。
どう考えてもタイトルやACLがもうムリという状況になっても、クラブはそれに代わる目標を示さなかった。「ひとつでも多く勝つ」というのは姿勢であって目標ではない。目標というのは「9位以内」とか「勝ち点55」とか、少しばかりストレッチングだがやり方次第では実現可能でかつ数値として検証可能なもののことだ。そのような暫定目標が示されなかったため、我々はシーズンの残りを漫然と戦うしかなかったし、結果として時間をムダにしたというべきだ。
総合すると、今季のマネジメントの失敗は3つに集約される。
ひとつは監督交代時期の見極めの失敗。上記の通りだ。
二つめはサポーターとのコミュニケーションの失敗。目論見通りに戦績が上がらないことについて、現状認識、原因分析、対策のいずれもが示されないまま、どの程度の危機感を持っているのかも我々には分からなかった。
もちろん開示できることとできないことがあるのは分かるが、タイトル、ACLという目標を信じてカネを払いスタジアムに足を運んでいるサポーターという大きなステークホルダーに対して、クラブはこの状況をどう見ていてどうするつもりなのかをきちんと論理的、合理的に説明する責任がある。それが今に至るもまったく果たされていない。
このことはクラブに対するサポーターの信頼を大きく損なった。僕も今季はクラブに対して大きな不信感を持った。ホーム最終戦の監督挨拶が大きなブーイングでかき消されたのは、戦績が納得できないということももちろんだが、そのことに対する総括、説明がクラブから示されなかったことへの不満だと僕は思った。大金社長は謝罪を口にしたが、欲しいのは謝罪ではなく説明だった。
三つめは目標管理の失敗である。シーズン当初のACLという目標はおかしくないにしても、それが危うくなった時にどう対応するのか、いよいよ達成がムリだということになった時に目標をどう変更し、チームが目的地を見失わないようにするのか、そういう丁寧な作業を怠ったことの責任は大きい。
今季は本当に悔しく、情けなく、腹立たしいシーズンだった。石川と一緒にタイトルを喜びたいという僕の願いは果たされず、降格した2010年以上の最悪と思われたシーズンに石川の引退を見送らなければならない羽目になった。勝ち点40(1試合あたり1.18)の13位というひどい戦績も当然だが、そこに至るクラブの対応に心底がっかりしたというのが偽らざる感想だ。
棒に振ったこの1年は痛いし、無為に過ごした篠田監督更迭後の9試合ももったいなかった。選手は毎年ひとつずつ歳をとるし、同じメンバーで戦えるのは1シーズンだけ。かけがえのない1年を我々はムダにし、何ひとつ得るもののないままシーズンは終わってしまった。フロントはこの事態をどう認識し、来季に向けて何を改善し、そしてこの目論見違いの責任をどう取るのか。来季の話をする前にその明快な説明を求める。
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FC東京
2017年12月16日 23:35
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【ブンデスリーガ第17節】グラードバッハ 3-1 HSV
■2017年12月15日(金) 20:30キックオフ
■Borussia-Park
金曜日開催だというのを完全にノー・マークで、土曜日の朝に何気なくツイッターを見たら結果を知ってしまった。本当なら土曜日早く起きて結果情報を遮断してDAZNで時差観戦するべきところだった。チェックが甘かった。
ここ3試合勝ちなし、前節はアウェイでフライブルクに負けており、連敗は許されない。順位も8位に落ちており、ホームでしっかり勝ち点3を積み上げないと熾烈な上位争いから脱落してしまう大事な試合になった。
この試合はツァカリアが警告累積で出場停止、クラマーもケガのため欠場となり、ボランチはキュイザンスとオクスフォードがコンビを組んだ。右SBにはエルヴェディが復帰。この他右SHにはヘアマンが、トップにはラファエルが先発し、グリフォ、ドルミッチはベンチ・スタートとなった。
ゾマー
エルヴェディ ギンター フェスタガード ヴェント
ヘアマン オクスフォード キュイザンス アザール
シュティンドル ラファエル
序盤はグラードバッハのゲームに。前線からの積極的なプレッシングでボールを奪うと少ないタッチ数でパスを回しながら一気に敵ゴール前まで攻め上がる。6分にはオクスフォードがエリア外から放った鋭いシュートが惜しくもバーに嫌われる。
9分、ラファエルからのスルー・パスを受けて裏に抜け出したアザールが角度のないところからGKの脇を抜くシュートでゴール、早くも1-0と先制する。右サイドの密集から中央にボールを回し、そこから縦に転がすラファエルの緩急と、アザールの技術が光った。
その後はやや圧力を緩めたグラードバッハに対してHSVが反撃を仕掛ける展開に。何度かチャンスを作られるが守備も集中しておりゴールは許さない。グラードバッハはカウンターから追加点を狙う態勢に。
23分、キュイザンスからのフィードを受けたラファエルがシュートを放つが枠外に。38分にはキュイザンスがエリア外から左足で直接狙ったがボールはポストを直撃。グラードバッハが優位に試合を進め、1-0で前半を終えた。
後半に入るとHSVが反撃のギアを一段上げてくる。一方のグラードバッハは引き続きカウンター狙い。52分、ラファエルからスルー・パスを受けたアザールが裏に抜け出しGKと一対一になるが、シュートはGKにセーブされる。
すると直後の53分、逆にHSVのカウンターからダイアゴナルに走りこんだFWにパスを通され、シュートを決められて失点。1-1と同点になってしまう。
54分、エルヴェディに代えてヤンチュケを投入、オクスフォードを最終ラインに落とした3バックにしたようにも見えたが攻撃時はダブル・ボランチに戻っており微妙な感じ。エルヴェディは交代に不満の様子。
試合は徐々にオープンに。64分、右サイドを上がったヘアマンのクロスに、ラファエルがニアで飛びこんで頭で合わせるが枠に飛んだボールは敵GKにセーブされる。70分、ヘアマンンに代えてグリフォを投入。グリフォはそのまま右に入ったか。
74分、グリフォからのパスを受けて左に流れたラファエルが難しい態勢からDFとGKのニアを抜くシュートを決めてゴール。2-1と再びリードを奪う。さらに79分にはシュティンドルからパスを受けたアザールがGKをかわして右に流れ、中央にマイナスで折り返すとラファエルがこれを流しこんでゴール。3-1と事実上試合を決めた。
89分にはオクスフォードに代えてブンデスリーガ・デビューとなるベンガーを投入、そのまま試合をクローズし、3-1でHSVに快勝した。
先制した後、追加点のチャンスを何度か逸したため追いつかれたが、そこから踏ん張って勝ち点をもぎ取った。シュート数13-8、CK9-4、ポゼッション55-45と、グラードバッハが優勢に試合を進めたことが分かる。
ケガ人が多く人繰りが苦しい中だが、キュイザンス、オクスフォードという若手が出場機会を得てそれぞれ活躍したのは明るい材料。荒さもあるが彼らが伸びてくれば競争も激しくなってチームに刺激が生まれる。
前節先発落ちしたラファエルが貫録を見せたのも嬉しい。アザールもハマるとこれくらいの動きは見せてくれるということだろう。曲がりなりにも結果が出せているのはシュティンドルも加えた3人がケガなくコンスタントに試合に出られていることが大きい。
グラードバッハは3試合ぶりの勝利でで勝ち点を28(1試合あたり1.65)に伸ばし暫定4位に浮上。まだ他の試合が終わっていないので何とも言えないが、2位から8位までが勝ち点差4の中にひしめく混戦には何とか踏みとどまった。
これでシーズン前半の日程を終了、あとはDFBポカールの3回戦が水曜日に戦ってウィンター・ブレイクに入る。決して絶好調という訳ではないものの、上位が混戦になったことにも助けられてそれなりの位置につけることはできている。
シーズン後半に向け、ウィンター・ブレイクの間にどれだけケガ人が戻ってこられるかが勝負になりそうだ。ケガ人の復帰が見込めれば大きな補強は要らないと思う。シーズン後半は年明け1月14日のケルン戦から始まる。
ディーター・ヘキング監督談話:
「今日のメンバー、特に非常に若い中盤を見れば、チームを大いに称賛すべきだと思う。これを考えれば何もかもがうまく行った訳ではないのも当たり前だ。フライブルク戦はよくなかった。しかし、私はチームがどれだけのパフォーマンスを出すことができるか知っている。もちろん我々はフライブルクでの敗戦を早く忘れてしまいたかった。前半はHSVにゴールのチャンスがあった。我々の方について言えば2本のバー直撃があり、PKをもらうべきだったプレーもひとつあった。それを見れば我々が前半にやったことは非常によかったと思う。腹立たしいのは後半我々が深く引き過ぎてしまい、そのためにHSVを試合の中に招き入れてしまったことだ。このせいで同点にされてしまった。今日は最後にはもう一度うまくいった。こうなるようにやり続けなければならない」
勝つと口数多い。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2017年12月15日 22:19
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【2017年】FC東京シーズン・レビュー (2)大久保という劇薬
前回の「定まらなかった戦略」で「勝ち点を最重視し、失点を最少にすることを出発点に、攻撃はワンチャンで1点取れればいいという考え方と、勝ち方、点の取り方の質を重視して、得点力を高めたいという考え方を、止揚して戦略や戦術に落とし込むことができなかった」と書いた。
本来対立するものではないはずのこの二つの考えの間で戦略が定まらなかったのは、ピッチの中にもこの二つの考えが存在し、その優先順位に混乱が生じたからだ。そして、攻撃的なフットボールを志向し、一貫して攻撃の組み立てやコンビネーションにこだわり続けたのはもちろん大久保嘉人であった。
シーズン序盤、勝利が先行していた頃ですら、「勝ったのはよかったが攻撃の連係はできていない」「ボールが出てこない」とチーム外に公言し、ピッチ内でも自分の欲しいタイミングでパスが出ないときにははっきりと苛立ちを見せる。完成度の高い連係を要求する大久保の姿勢に、チームは明らかに引きずられているように見えた。
効率的にパスをつないで確実にゴールを目指すことは当然だが、前線にタレントを多数擁し、コンビネーションが今イチでも個人技なりセット・プレーなりで1点は取れている状況では、チームがまず力を注がなければならないのはそこではないと思ったし、実際、森重や眷襪聾紊蹐鯆めて失点を減らす戦いを志向していたと思う。
しかし、大久保が川崎での経験を踏まえた高いレベルのコンビネーションを要求することでチームはバランスを失い始める。一度狂った歯車は元に戻らず、結局失点は止まらない一方で得点力も上向かない最悪の状態に陥ってしまった。太田がブログで「チームがバラバラだった」と振り返っていたがまさにそんな感じだった。
僕は前回も書いたようにまず失点を減らし、攻撃はワンチャンがモノにできればそれでいいという考え方なので、大久保が性急に攻撃面の改善を求める度に「違う、そこじゃない」と思っていた訳だし、チームがそっちに引っ張られて行くのを見るにつけ、「バカ正直に大久保の言うこと聞かなくてもええ」と思っていた。
しかし、だからといって大久保が間違っていたかと言えば、一概にそうも思わない。なぜなら大久保にとってはそれがまさに期待されたことであり、得点という明快な結果を求められて高額の給料をもらっているFWの選手としては、自分の得点機会を増やすことはむしろ必然だからである。それを要求することは全然おかしくない。
問題は、クラブにも、チームにも、その大久保の要求を受け止め、それをチーム戦略、戦術の中に昇華することのできる力がなかったことのように見える。大久保の主張に拮抗し、それを相対化して大久保をチームの中に取り込むだけの強さが監督にも選手にも足りなかったのではないか。大久保とまともに議論のできる選手はいたのか。
大久保自身はもちろん有能な選手である。ムリめな状況を半ば強引にでもゴールにつなげる力は当然だが、それ以外にも、落ちて捌いて上がる動きや、パス出しのアイデアや精度など、純粋に「巧い」と思わされたことは何度でもある。それだけに、彼をうまくチームに取りこむことができていれば、と思わずにはいられないのだ。
よく効く薬は身体に対する負担も大きい。患者にそれを受け入れる体力がないと、強い薬は時として毒に変わってしまう。それを劇薬と呼ぶのだが、大久保は東京にとってまさに劇薬であり、クラブにも、チームにもそれを薬に転じるだけの体力がなかったために結果として毒になってしまったのはないのか。
端的に言って大久保の獲得は今季に限れば失敗だった。まだ1年契約は残っているらしいが、引き合いがあり高い移籍金が取れるのなら放出も視野に入れるべきだと僕は思う。
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FC東京
2017年12月14日 22:49
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【ブンデスリーガ第15節】フライブルク 1-0 グラードバッハ
■2017年12月12日(火) 20:30キックオフ
■Schwalzwald-Stadion (Freiburg)
水曜日の朝早く起きて見ようと思っていたが、火曜日に飲んで帰りそのまま寝て翌朝すっかり試合のことなど忘れて目が覚めた。ツイッターで図らずも結果を知ってしまい、追っかけでDAZNを見る気も失せた。
グラードバッハはここ2試合勝ちがなく、引き分けの後ということもあってアウェイながら勝ち点3を取らなければならない試合。
エルヴェディが警告累積で出場停止となり、オクスフォードが右SBで初めて先発した。またトップはラファエルを休ませて(ベンチ・スタート)ドルミッチが先発した。
ゾマー
オクスフォード ギンター フェスタガード ヴェント
アザール ツァカリア クラマー グリフォ
シュティンドル ドルミッチ
試合は立ち上がりからフライブルクのペース。グラードバッハは自陣に押しこまれ、攻め上がってもフィニッシュまで持ちこめない。
18分、フェスタガードがエリア内で敵FWを倒してしまう。最初はノー・ファウルで流されたがビデオ副審の指摘でファウルとなりPKに。20分、これを決められて0-1と先制を許す。
リードを得て余裕の出たフライブルクがゲームをコントロール、グラードバッハはほとんどチャンスもないまま0-1で前半を終える。
後半も立ち上がりにバーを叩くシュートを放たれるなど押されたまま。60分にはドルミッチとアザールに代えてラファエルとキュイザンスを投入、システムを3バックに変更して挽回を図るがゴールは遠い。
何度かチャンスは作ったものの生かせず、76分にはクラマーに代えてボバディジャを投入するが終盤は再びフライブルクのペースに。試合終了間際にボバディジャが右サイドから入れたボールにヴェントが飛びこんだが届かず、そのまま試合終了となった。
ハイライトすら見てないので何とも言えないが、シュート数5-23、CK3-5という数字を見れば全然ダメな試合だっただろうということくらいは分かる。逆にポゼッションは56-44ということは持たされた時間が長かったということか。
その割りにPKの1失点のみに抑えたのはむしろ評価すべきなのかもしれないが、そこまで頑張ったんならせめて勝ち点1は持ち帰りたかった。今季はきちんと勝ちきる試合がある一方で、波に乗りきれなかったり、集中が切れたように大量失点したりする試合が散見され、あまり好調だという実感がないし実際好調じゃないと思う。
人繰りが厳しいのは仕方ないが、このままジリ貧にならないよう、何とか残り2試合をしっかり勝ってウィンター・ブレイクを迎えなければならない。
ディーター・ヘキング監督談話:
「フライブルクの勝利はまさしく妥当なものだ。ビデオ判定のせいで負けた訳ではなく、ひとつには我々のパフォーマンスのせいであり、もうひとつにはフライブルクのパフォーマンスのせいだ。最初に考えていたのと異なり、我々は常に一歩遅かった。我々はのびのびとプレーし、プレッシャーを与えることができなかった。決定的だったのはゴールに向かうきっかけがほとんどなかったことだ。それではアウェイで何かを持ち帰るには少なすぎる」
見なくてよかった試合だったかもしれん。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2017年12月10日 17:23
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【ブンデスリーガ第15節】グラードバッハ 1-1 シャルケ
■2017年12月9日(土) 18:30キックオフ
■Borussia-Park
日曜日早起きしてDAZNで時差観戦。このパターンは比較的ラクに見られるので嬉しい。少なくとも月曜日の早起きから出勤の流れよりは百倍マシ。
勝ち点2差でう追う3位シャルケとの直接対決。厳しい試合になることが予想されるが、前節アウェイでヴォルフスブルクに完敗しており、勝ち点3が必要な試合。
前節負傷交代したヤンチュケが欠場、一方でクラマーが復帰し先発した。ヘアマンに加えジョンソンも負傷離脱、ホフマン、トラオレとSHのできる選手が軒並み負傷離脱というのはひどい。ヤンチュケ、シュトロブルも離脱していて、よくこれで戦えてるな。
ゾマー
エルヴェディ ギンター フェスタガード ヴェント
アザール クラマー ツァカリア グリフォ
ラファエル シュティンドル
試合はハイテンポな立ち上がり。互いに前線からプレスを敢行、これをかいくぐるためにワンタッチで速いパスをつなごうとしてめまぐるしくボールが動き、攻守の入れ替わりも激しい。
ボールはどちらかと言えばシャルケが持っているが、決定的なピンチになる前につぶせており、グラードバッハの方がカウンター気味にシャルケのゴールを脅かす。23分、右CKにギンターが頭で合わせると、ボールはファーに飛んだが、ここに飛びこんだクラマーが角度のないところからきれいに枠に収めゴール。グラードバッハが1-0と先制する。
その後も、ボールを保持して反撃を図るシャルケに対して、グラードバッハがカウンターから追加点を狙う展開は変わらず。
37分、ラファエルからパスを受けたグリフォがシュートを放ち、バーに当たって跳ね返ったところをシュティンドルが押しこんだが、オフサイドの判定。ビデオ判定になり、画面でリプレイを見る限り普通にゴールのようにも見えたがオフサイドの判定は変わらず、ゴールは認められなかった。
前半終了間際にもビデオ判定による混乱が。シュティンドルが敵エリア内で倒され一度はPKの判定を受けたが、ビデオ判定になり、その前の左サイドでヴェントが敵DFとボールを奪い合った際のチャージがファウルとなってPKは取り消しに。これもリプレイをよく見れば先に敵DFがヴェントに身体を当てにきており、イーブンなコンタクトでファウルと見るのは厳しいように思えた。結局1-0で前半を終了。
後半に入ってもグラードバッハの流れ。ボールを保持する時間も徐々に増え、何度かチャンスを作るが決めきれず。すると62分、左サイドから入れられたクロスをニアでクリアしようとしたフェスタガードが誤ってボールをゴールに蹴りこんでしまいオウン・ゴールに。中央に敵FWは入りこんでおらず、ムリにクリアする必要もないボールだったがやむを得ないだろう。1-1と同点になってしまう。
改めて特典の必要になったグラードバッハは、徐々に足の止まり始めたシャルケに対して攻撃を仕掛けるがゴールが遠い。75分、グリフォに代えてボバディジャを、79分にはクラマーに代えてキュイザンスを投入し、勝ち越しを狙いに行く。
終盤はオープンな展開になり、それぞれにチャンスを作ったが互いに決め手を欠き、結局1-1の引き分けに終わった。ベンチにはドルミッチもいたが、グラードバッハは交代枠をひとつ残したまま試合を終えた。
失点はオウン・ゴールであり、また得点機はいくつかあって、十分勝つことのできた試合だった。しかし、一方でシャルケにもチャンスを作られ、ゾマーのセーブやギンターの線上でのクリアにに救われたシーンもあり、内容的にも引き分けは妥当な結果だったかもしれない。
シュート数13-13、CK8-10、ポゼッション52-48と数字的にもほぼ互角。上位同士の対戦にふさわしいテンションの高い好ゲームだったが、それだけに1点を守って勝ちきりたかった。
前半の2つのビデオ判定には疑問が残った。特にオフサイドの判定はかなり微妙だと思うがどうだろう。あとでDAZNでもう一回確認して悔しさを増幅しておきたい。
先発のメンバーは何とか確保できているが、バックアップの層が極端に薄くなっており、今日も本来ならボバディジャではなくヘアマン、ジョンソン、トラオレ、ホフマンあたりを交代で出したかったところ。おそらくはこの状況でシーズン前半残り2試合を戦うしかないのだろう。これ以上のケガ人が出ないことと、シーズン後半にメンバーが戻ってくることを期待するしかない。
攻撃に関しては、ラファエル、アザールが冴えずアイデアを欠いた前節に比べ、前線の流動性が戻り、ポジションを自在に入れ替えながら裏を狙って行く仕掛けが機能していた。この戦い方は継続して行かなければならない。守備は実質無失点であり、オウン・ゴールによる失点の後も大崩れすることなく持ちこたえた。フェスタガードは責められない。
グラードバッハは勝ち点を25(1試合あたり1.67)に伸ばし、順位は暫定ながら4位で変わらず。首位バイエルンとの勝ち点差は10に開いたが、2位のライプツィヒとは2差で変わらず。何とかCL圏内でシーズン前半を終えたい。
ディーター・ヘキング監督談話:
「試合への入り方はとてもよかった。シャルケは我々に対して足がかりを作ることができず、我々はいくつかの非常にいい攻撃をすることができたが、数的優位になりながらも最後のシュートまで持ちこめなかった。その後、先制することができ、2-0にならなければならない局面も二つほどあった。後半になるとシャルケが勝ち点1を持ち帰るために前半以上のことをやってくるのははっきりしていた。オウン・ゴールはもちろん避けられたものだ。その後はしかしオープンな試合になった。最終的には今日は正しく1-1のいい試合を見せられたと思う」
今年もあと2戦(フライブルク(A)、HSV(H))プラスDFBポカール(レバークーゼン(H))だ。
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ブンデスリーガ
2017年12月09日 00:34
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【2017年】FC東京シーズン・レビュー (1)定まらなかった戦略
2017年は、大久保、永井、太田、林、眷襦△修靴謄Ε織と立て続けに代表級の選手を補強し、ACLを公式の目標に、実際にはリーグ・タイトルを目指す前提でスタートした期待のシーズンだった。
ところがいざ開幕すると、序盤こそ4節まで3勝1敗と好スタートを切ったかに見えたが、徐々に失速し、シーズン前半を終えたところで7勝7敗4分の勝ち点24(1試合あたり1.41)で9位。
挽回を期したシーズン後半はさらに泥沼にはまり、嵐の中の23節浦和戦からルヴァンカップを含めて公式戦5連敗、篠田監督が解任されたが、その頃にはタイトルはおろか、ACLも現実的に難しくなってしまっていた。
後任の安間監督は最初から今季限りの時限付き。着任初戦の26節仙台戦には辛勝したが、その後は最終節ガンバ戦まで勝利なし。最終的には10勝14敗10分で勝ち点40(1試合あたり1.18)、降格した2010年に次ぐ悪い成績で13位に終わった。降格圏との勝ち点差は8しかなかった。
成績に加え、負けが込んでズルズルと順位が下がり、ACLという目標が遠のいて行く中での無策ぶり、悪化の一途をたどるチーム状態に何の手も打てないクラブの姿勢に対してもストレスが募る、ひどいシーズンだった。僕自身としては2010年より絶望感、喪失感が大きかった。
いったい何が起こったのか。いったいなぜこんなことになってしまったのか。
例年ならシーズン・レビューとしてポジションごとのレビューをやるのだが、今季はまずこの失敗について振り返るところから始めずにいられない。切り口はこんな感じだ。
1. 定まらなかった戦略
2. 大久保という劇薬
3. マネジメントの失敗
今回はまず「定まらなかった戦略」について。
これはおそらく昨年から持ちこされた課題だと思うのだが、ここ2年の混迷の原因のひとつは、勝ち点を最重視し、失点を最少にすることを出発点に、攻撃はワンチャンで1点取れればいいという考え方と、勝ち方、点の取り方の質を重視して、得点力を高めたいという考え方を、止揚して戦略や戦術に落とし込むことができなかったことだと思う。
この二つの考え方は本来対立するものではないはずだが、限られたリソースを何に優先的に振り分けるかという判断は必要で、それが整理されないためにチームがバラバラになったように見えた。
開幕当初の高萩の「前半は0-0でいいと思っていた」みたいなコメントからは守備をベースにする意識が窺えたし、どの試合でも1点は取れていたことを考えればその方向は正しいと思えた。しかしその後、攻撃の連係がないことを問題視する声がチームの中から繰り返し出るようになってバランスは崩れて行った。やることの優先順位が整理されないまま二兎を追って一兎をも得られなくなった。
キックオフのときはどのチームも勝ち点1を手にしている。失点をしなければその勝ち点1は確定である。そこで1点が取れれば勝ち点はさらに3に増える。攻撃の連係とかポゼッションとかは、その1点をいかに確実に、効率的に取ることができるか、あるいは2点、3点に上積みできるかという方法論の問題に過ぎず、それが自己目的化した時にチームは空中分解するのだ。
1点は1点であり、縦ポンの一発ゴールや敵失からの得点、セットプレー、PK、何なら敵のオウン・ゴールでもいい。勝ち点3を確実に取るためには、確実に1点を取る方法、得点パターンがあった方がいいのはもちろん自明だが、優先するのは結果であり、結果を出し続ける中で方法論を洗練して行くのが順番だ。逆ではない。
実際、今シーズン、リーグ戦で無得点に終わった試合は7試合のみ、27試合では少なくとも1点は取れていた。連係が未成熟とはいえ大久保、ウタカ、永井、前田、中島、阿部、バーンズらがいて、個人技もあり、ワンチャンで1点を取ることはできていた訳だから、今季の我々の問題点が得点力の欠如でなかったことは明らかだ。
それにも関わらず、守備の規律がチームにしっかりと根づかないうちに攻撃の連係に色気を出したことで、我々のシーズン戦略はもろくも崩壊し、立て直すことはできなかった。戦略がはっきりせず、目移りした挙句虻蜂取らずの中途半端な戦いになったということ。定まらなかった戦略が今季の迷走の第一の原因だと思う。
シーズン終盤、篠田監督の後を受けて就任した安間監督は「ボールを大事にすることで失点の機会を減らす」という方針を掲げたが、失点は続いた。攻撃の失敗は「得点できないこと」だが守備の失敗は「失点すること」である。キックオフ時の勝ち点1をベースにすれば、「得点できないこと」は何回あっても勝ち点を減らさないが、「失点すること」はたった1回で敗戦に直結する。守備のミスを減らすことがすべてに優先することははっきりしている。
もうひとつ書いておきたいのは、戦略の奥行きのなさだ。今季、失点を喫した22試合の戦績は1勝14敗7分。つまりひとたび失点したらほぼ勝てないということだ。先に失点しそのまま負けた試合もあり、先制しながら逆転されて負けた試合もあるが、要はゲームプランが狂いビハインドを背負った時に、その状況に対応できなかったということに他ならない。
この変時対応力の弱さは、ひとつにはメンタルの問題だと思うが、どのような局面からでも最終的な目的である勝ち点3に向かってその場その場でベストな判断をする訓練がなされていないことが大きな原因であるように僕には思われる。このことも、チームとして何を究極の目的として戦うのかという認識の統一と共有ができていなかった結果のように思う。
仮にもタイトルを目指すトップ・リーグのプロが明快な戦略を持たないままシーズンに突入したとは考え難いが、強化を結果に結びつけるソフトの部分があまりに脆弱で、チームとしての戦い方を確立することができず、方向性が拡散してシーズン途中でチームが空中分解したという他ない惨状だったと思う。スタート地点でのわずかなズレも、修正しなければ先へ行けば行くほど大きな開きになってくるのはモノの道理。ズレを修正する力がチームに備わっていなかった。
結局のところ、こうした課題認識の誤り、優先順位の混乱、目的と方法の混同が今季の失敗の大きな原因だったことは間違いないと思う。
これは一義的には篠田監督の責任だと思うが、篠田監督が本当に今季の戦力を統合し、率いる監督として適任なのか、それだけの指導力や戦術の引き出しを持っているのか、それを判断したのはGMであるはず。監督更迭の判断については「マネジメントの失敗」で改めて書きたいが、例えて言えばフレンチのシェフに和食の食材を与えて「しっかり料理しろ」と命じたようなミスマッチがあったのではないかと思う。
もちろん賛否はあるだろうし好みの問題もあるとは思うが、僕としてはフィッカデンティ監督のときにウノゼロの美学に出会い、試合後に敵の監督に「内容ではこちらが勝っていた」と言わせる快感を知ってしまったし、勝ち点という結果に徹底的にこだわり、それがすべてに優先する究極の合理主義こそ要は勝者のメンタリティと呼ばれるものの正体なのではないかと思っているので、昨季、今季の迷走は本当に腹立たしかった。
守備の規律、約束ごとをはっきりさせ、スコアレス・ドロー上等からスタートするフットボールを見たかった。
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FC東京
2017年12月07日 00:01
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【ブンデスリーガ第14節】ヴォルフスブルク 3-0 グラードバッハ
■2017年12月3日(日) 18:00キックオフ
■Volkswagen-Arena (Wolfsburg)
月曜日の朝、早起きして出勤前にDAZN時差観戦。この時間の試合は何とかして欲しい。
前節はバイエルンに勝ちきったが燃え尽きが心配。バイエルンに勝った後調子を崩したシーズンもあった。アウェイであり確実に勝ち点を持ち帰りたい。
前節負傷交代となったクラマーが欠場。ヘアマンもケガということでベンチ外となった。ギンターがボランチに上がりエルヴェディがCB、ヤンチュケが右SBに。またSHにはグリフォが先発した。
ゾマー
ヤンチュケ エルヴェディ フェスタガード ヴェント
アザール ギンター ツァカリア グリフォ
シュティンドル ラファエル
試合は開始早々に動いた。4分、左サイドから入れられたクロスにニアで対応しようとしたがここがつぶれてボールはファーに。ここがガラ空きになりフリーで決められて失点、早くも0-1と先制を許してしまう。守備がお粗末だったという他ない。
その後は切り替えてグラードバッハがボールを支配するようになるが、リードを得て割りきったトランジションに徹するヴォルフスブルクに対し、攻撃にアイデアを欠き停滞感が否めない。
25分、エリア際でスルー・パスを通され、裏に飛び出した敵にチップキックでゾマーの頭を越されて失点、0-2とリードを広げられる。これも人が揃っている中で狭いところを抜けられた。
31分、ヤンチュケが負傷退場、キュイザンスがボランチに入りギンターがCBに、エルヴェディが右SBに。ヤンチュケは前節も負傷交代しており心配だ。
ビハインドを背負ったグラードバッハは積極的に仕掛け、37分、39分にはネットを揺らしたもののオフサイドの判定でノー・ゴール。戦い方は間違いないと思わせたが得点のないまま0-2で前半を終えた。
後半に入ってもグラードバッハが反撃を試みるがヴォルフスブルクの守備を崩せない時間が続く。敵がしっかりブロックを固めており、少々ボールを出し入れしても、個で仕掛けてもなかなか糸口がつかめず、シュートも正直。
71分、ゴール前の密集から後ろにこぼれたボールをエリア外からシュートされる。低い軌道のボールはそのままゴールに突き刺さり、0-3とほぼ試合の決まる失点。これは敵のシュートがよかったと言うべきか。
83分、精彩を欠いたアザールとラファエルに代えてドルミッチとボバディジャを投入、ヴォルフスブルクのゴールをこじ開けようとしたがゴールは遠く、結局0-3でヴォルフスブルクに完敗した。
この試合ではアザールが自ら仕掛けるが結局シュートまで持ちこめないシーンが散見されるなど、敵のブロックを崩すための工夫がなく、頼みのラファエルも元気がなかった。
この試合でもひとたびビハインドになると失点を重ねてしまう悪癖が払拭できず、またしても得失点差が悪化する複数失点負け。この辺が修正できないと、得点できないときに持ちこたえることができない。人はいるのにぽっかりスペースが空いたり、一方に釣りだされ過ぎて逆サイドやサイドが留守になるのは何とかしたい。
こういう試合を見せられると、今の順位もあまり実感がない。負け方が悪いというか、勝つにしても負けるにしても試合が大味な感じがしてしまう。もう少し手堅く勝ち点を拾うようなゲームを見たい。
ここまで14試合を戦い、7勝4敗3分で勝ち点は24(1試合あたり1.71)、順位は4位で変わらずだが、首位バイエルンとの差は8に広がった。2位のライプツィヒとはまだ2差であり、悪くないところにつけてはいるが、下も9位のレバークーゼンと勝ち点差3と接戦になっており、負けが込むとたちまち順位は落ちてしまうだろう。
次節、3位のシャルケをホームに迎えて勝ち点3を挙げることができれば3位に浮上する。連敗は許されず、ホームで踏ん張りが必要だ。
ディーター・ヘキング監督談話:
「負けた原因ははっきりしている。最初の25分間、我々はあまりに受け身で、ヴォルフスブルクがそれを正しく生かしたということだ。その後、我々は多大な労力を投じたがほとんど手遅れだった。たくさんのチャンスは作ったが生かすことができなかった。1点でも返せていればもう少しの可能性もあったのだろうが。だが3-0になっても試合は終わった訳ではなかった。チームは今日どうしても勝ちたかったし、それは見てもらえたと思う。彼らは逆転するためにすべてを試みた。しかし最終的には敗戦に導くようなことが重なって怒ってしまった」
クラマーは全体練習に復帰したらしい。ヤンチュケは大丈夫なんだろうか。ケガ人多いな…。
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ブンデスリーガ
2017年12月02日 22:49
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【Jリーグ第34節】FC東京 0-0 G大阪
■2017年12月2日(土) 14:00キックオフ
■味の素スタジアム
よく晴れた土曜日。気温は高くないが陽射しが暖かい。味スタでの試合は10月29日の清水戦以来1カ月以上のブランク。バック・スタンドでは西日がまぶしい時間帯のゲームだ。当然キャップを持参している。
今季最終戦となるとともに、今季限りでの引退を表明している石川と、来季長崎への移籍を公表した徳永のラスト・マッチにもなる。
この試合では石川がもういつ以来か分からないくらいの先発。前節出場を回避した徳永、チャン、契約上の理由で出場できなかったウタカらが先発に復帰した。嘉人は前節に続きベンチ・スタート。またGKは久しぶりに林が先発した。メンバー入りの報もあった森重は結局ベンチ入りせず。
林
徳永 チャン 丸山
室屋 橋本 東 太田
石川 ウタカ 眷
キックオフ直後、敵DFからGKへのバックパスに石川が猛然とダッシュ、ボールを引っかけようとするがかわされる。このプレーに大きな拍手。実力の拮抗したチーム同士の戦いになるが、どちらかと言えば東京がボールを動かしている感じ。互いに大きなチャンスはなく押し合いの時間帯。
13分、徳永がエリア内に突っかけファーにクロス。これに太田が頭で合わせるがGK正面に。東京のファースト・シュート。その後も東京が何度かチャンスを作るが決めきれない。一方、大阪の攻撃は散漫で、個にハマった時さえしっかりケアできれば怖さはあまり感じない。
25分、橋本のスルー・パスを受けて石川が裏に飛び出し敵GKと一対一になる。「これは」と思ったがシュートはGKに当ててしまった上、オフサイドの判定。一進一退の攻防ではあるものの、徐々に東京の優位が明らかになって行く。橋本が攻撃に加わることでバリエーションが広がる。
結局前半はスコアレスで終了。大阪はシュートなし。全体に公式戦とは思えないのんびりした雰囲気の試合。
後半に入っても流れは変わらず。東京は試合を支配しているもののチャンスを決めきれず、ボールは持っているがもどかしい展開に。57分、石川に代えて永井を投入。石川は淡々とピッチを去って行った。立ち上がって拍手したが総立ちという訳には行かなかった。あっさりした最後のピッチ・アウトだった。
60分過ぎから東京のチャンスが続くが、シュートに迫力がなくゴールは遠い。75分、太田が左サイドから切れこんでエリアに入りこみ、近いところからシュート。これは敵GKがセーブ、こぼれ球に東、永井が反応するが押しこめず、敵GKに守りきられる。
80分、東、ウタカに代えて久保、大久保を投入。アディショナル・タイムには久保がエリア外から左足のミドルを枠に飛ばしたが敵GKがセーブ、結局スコアレス・ドローとなった。
いかにも不調のチーム同士という感じのテンションの上がらない試合。個々のパフォーマンスを結果に向けて統合すべき強いモメントが欠けた、散漫なザ・消化試合だった。シュート数14-2で、14本打っても入らないウチもウチなら、2本しかシュートを打てていない大阪もかなりアレだった。
これでシーズンは終了、東京は10勝14敗10分で勝ち点40の13位。ACLを目標に、タイトルをも意識してスタートしたシーズンとしては目を覆うばかりの惨憺たる結果に終わった。シーズン総括は改めてやりたいが、まともな会社なら第三者委員会でも設置して原因究明するレベルの目標と結果の乖離と言う他ない。
勝ち点40は降格した2010年に次ぐ悪い成績。終わってみれば残留できたのがラッキーなくらいの状況になってしまった。なぜこんなことになってしまったのか、最初に目論んでいたことの何がうまく行かなかったのか、徹底的な検証と来季に向けた立て直しが必要だ。篠田監督解任後のシーズンの残りも、結局漫然と時間を過ごしただけに終わった感が強い。チーム・マネジメントの不在を強く感じたシーズンだった。
評点(評点は
ドイツ式
):
林(3.5) ハイ・ボールに対しても危なげない対応。シュートも少なかった。
徳永(3.5) 最終戦とあってか意識して前に出たように見えた。移籍は寂しい。
チャン(3.5) 敵の個を生かした突破には厳しく対応、実力を見せつけた。
丸山(4) ボールを前に付ける意識が高かったし、自身も前を向いていた。
室屋(3.5) サイド・チェンジを受けて仕掛けるプレーで存在感を見せた。
橋本(3.5) 機を見た攻撃参加のセンスは健在。シュートは枠に行きたかった。
東(4) 中央でボールを動かし、攻撃のスイッチを入れた。技術、センスは高い。
太田(4) なかなか好クロスを供給できず。自ら切れこんだのは面白かった。
石川(3.5) 普通にやれていたがやはりもうムリなのか。目に焼き付けた。
ウタカ(4) よくボールを収めたが、球離れのタイミングが周囲と合ってない。
眷(3.5) 天才肌のパスやスルーが周囲と合わないこと多いが必要な人材。
===
永井(4) もっと打って行ってええぞ。ため息出るシーン散見された。
久保(3.5) ボール扱いに独特のリズムあって非凡。シュート惜しかった。
大久保(-) 正直よく分からなかった。
試合後、最終戦のセレモニーとして大金社長、森重のスピーチ、さらに徳永、石川の挨拶があった。大金社長のスピーチは激しいブーイングに遭い、最初は聞きとれないほど。話し終えても拍手はまばらでブーイングの方が大きかったように思う。謝罪はいいからこんな結果に終わった原因をクラブとしてどう考えているのかという説明が聞きたかったが、明快な総括はなかった。
森重のスピーチではこの2年を失敗だったと総括。この2年があったからこそと言えるよう、来季はタイトルを獲ると明確に言いきった。移籍の噂もあるがクラブに残る意思表示とも取れる内容だった。
徳永は数少ない生え抜きでこれまでチームに多大な貢献のあった選手なので、移籍するのは当然寂しいし喪失感は大きい。しかし移籍や新人獲得、引退などでメンバーが入れ替わって行くのはあらゆる組織にとって避けられないこと。本人の判断なら前向きに送り出したい。
石川については万感胸に迫る思い。別稿としたいが、こんなシーズンに引退させることになって本当に情けなく、悔しい。こんな悲しいシーズンは今までになかった。ちょっと「来季は頑張ろう」とか言える状況じゃない。
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