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2018年06月30日 22:27      [posted by der_ball_ist_rund]

【ワールドカップ第3節】韓国 2-0 ドイツ

■2018年6月27日(水) 16:00キックオフ
■Kasan-Arena (Kasan)

相手の韓国にもわずかながら勝ち抜けの可能性があり侮れない相手。ドイツはこの試合の結果だけではグループリーグ勝ち抜けは決まらず、メキシコ×スウェーデンの結果次第で勝っても敗退の可能性がある一方、負けても勝ち抜けはあり得る。

CBには前節負傷欠場したフメルスが復帰した他、出場停止のボアテングに代わってジューレが先発。また鼻骨骨折のルディに代わってケディラがボランチで先発復帰、さらに前線にはエツィルとゴレツカが先発し、ミュラーがベンチ・スタートに。

ノイアー
キミヒ ジューレ フメルス ヘクター
ケディラ クロース
ゴレツカ エツィル ロイス
ヴェアナー

試合は例によってボールを支配するドイツに対して韓国が積極的なプレスを敢行、取れなければブロックを形成してコンパクトに守るという「ドイツ対策」を忠実に実行して、カウンターからチャンスを窺う。暑さからかドイツの動きが今ひとつ鈍い感じがする。

ドイツは圧倒的なポゼッションで敵陣中心に試合を進めながらフィニッシュまで持ちこめず、逆にカウンターから何度かピンチを招く。前半終了間際の39分にヴェアナーがシュートを放ち敵DFに当たって軌道が変わるが敵GKがセーブ。これで得たCKにフメルスが頭で合わせたがこれもGKに阻まれた。

結局0-0のまま前半を終了。韓国のドイツ対策が効いているが、ドイツも一応学習効果があったかカウンター・ディフェンスには気を使っており最終ラインでしっかり止めることができている。後半スペースができてくれば1点は取れる。前半をしっかり無失点に抑えたのが生きるはずだ。

後半開始早々の48分、キミヒのクロスに中央でゴレツカがヘディング・シュートを放つが敵GKのファイン・セーブに遭う。このタイミングでスウェーデンがメキシコに先制、ドイツは勝たなければならなくなる。

58分、ケディラに代えてゴメスを、63分にはゴレツカに代えてミュラーを投入、おそらくエツィルを一列下げたと思うが、攻撃時には明らかに前に重心がかかるようになる。ドイツはフメルスとノイアーを残して前がかりにゴールを狙いに行く。

韓国は奪ったボールでカウンターを仕掛けるが精度を欠き、フメルスとノイアーの対応もあって決めきれず。一方、このまま引き分ければリーグ敗退となるドイツは何としても1点が必要だが、必死の攻撃も実らず時間が過ぎる。78分、ヘクターに代えてブラントを投入。もうポジションとかよく分からない状態。

試合は6分のアディショナル・タイムに入り、焦りが出る中、韓国のCKからのこぼれ球を押しこまれて失点。0-1となる。一度はオフサイドの判定となったが、VARとなりボールが韓国の選手ではなくクロースが戻したものであることが確認されたためゴールが認められた。

後のないドイツはノイアーがゴールを空にして上がったが、逆に奪われたゴールを無人のゴールに流しこまれて0-2に。試合はそのまま終了し、ドイツはグループリーグ敗退となった。

韓国のドイツ対策に対し、カウンター・ディフェンスは最後まで破綻しなかったが、攻撃では韓国の守備ブロックに手を焼き、得点できなかった。引き分けでは勝ち抜けない状況で、リスクを取って前に出たこと自体は正しい対応で、その意味ではアディショナル・タイムの失点は仕方ない。この時間まで無得点だったことが問題。

この結果ドイツはGグループ最下位。「韓国に負けたこと」「グループ最下位となったこと」はリスクを取った結果が裏目に出たというだけのことなのでことさらに悲観することはない。

しかし、本来ハイプレスから少ないタッチ数でスピード持って押し上げるはずが、なぜか持たされて中央を固められるという「対策」をされてそれを打開できず、まんまとカウンターでやられるパターンを繰り返したのが不甲斐ない。

前節のレビューでも書いたと思うが、初戦でメキシコがドイツ対策を実行、的確なポジショナル・プレーと高い強度、最後まで崩れない規律と走力・体力でドイツの「個の集積」と成熟したコンビネーションに対抗できることを示したのが大きかったと思う。

センター・フォワードがゴメスしかいないドイツは、マメにボールを動かしてブロックを崩そうとし、チャンスは作ったが3試合で2得点、そのうち1点はクロースのFKだったことを考えると、結局流れからはほぼ攻めきれなかったということ。

情けない敗戦だが受け入れるしかない。ここから何を学ぶか、高過ぎる授業料の元は取らねばならない。



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2018年06月24日 21:35      [posted by der_ball_ist_rund]

【ワールドカップ第2節】ドイツ 2-1 スウェーデン

■2018年6月23日(土) 20:00キックオフ
■Olympiastadion (Sotschi)

日本時間では日曜日未明3時のキックオフ。録画して日曜日の朝6時に起き、録画を時差視聴した。

ドイツは初戦でメキシコに敗れており、この試合に負けるとグループリーグ突破がなくなる崖っぷち。最低でも引き分け、現実的には勝利が必須であり、強いメンタルを発揮しなければならない。スウェーデンは初戦で韓国に勝っており、厳しい戦いになることが容易に予想される。

ドイツはフメルスが負傷欠場となった他、プラッテンハート、ケディラ、エツィルらをベンチに下げ、リュディガー、ヘクター、ルディ、ロイスをそれぞれ起用した。

ノイアー
キミヒ ボアテング リュディガー ヘクター
ルディ クロース
ミュラー ロイス ドラクスラー
ヴェアナー

試合は序盤からドイツが圧倒的にボールを支配して押しこむ展開に。ほぼスウェーデン陣内でのハーフ・コート・マッチになる。前節と異なり早めにボールを前に当てて手数をかけずにフィニッシュまで持ちこむ意識はあって、何度か決定機も作るものの敵GKの好守もあり決めきれない。

一方でボール・ロストからはスウェーデンのカウンターが厳しく、何度か決定的なシーンを作られる。12分には裏に抜け出されそうになるがボアテングが対応して何とか事なきを得る。スウェーデンはボアテングのチャージがファウルだとしてPKを要求したが容れられず。リプレイを見たが微妙な感じ。

25分、ルディが敵との接触で鼻から激しく出血、治療を試みたが結局31分、ギュンドアンと交代する。おそらく鼻骨骨折ではないかと思う。ルディが治療のためにピッチから退いたことで一時的に一人少ない状態となり、ドイツの攻撃はいったん停滞する。このアクシデントは痛かった。

シンプルに縦を使っていたルディから、ボールを持って散らすタイプのギュンドアンにボランチが交代したことでドイツの推進力は弱まる。守備の約束ごともルーズになったか、32分、奪われたボールを裏に放りこまれ、対応したリュディガー、飛び出したノイアーのどちらもボールに触れずループ・シュートを決められてしまう。

圧倒的にボールを保持して攻めこんでいたにも関わらず、カウンターから0-1と先制を許し前節の再現を見るようなイヤな感じに。ドイツの攻撃は明らかに不安定になり、逆に再度のカウンターを許しあわや追加点を入れられそうになるシーンも。序盤の勢いから激しく失速して、何とか0-1で前半を終えた。

後半からドラクスラーに代えてゴメスを投入、ヴェアナーが左シャドウにスライドする。するとヴェアナーの左サイドのでの仕掛けがアクセントとなり、攻撃に流動性が生まれる。48分、左サイドからヴェアナーが放りこんだクロスに、中央でロイスが合わせてゴール、ドイツがこの大会初ゴールで1-1と同点に追いつく。

当たったのは膝だったが、何であれようやくゴールが生まれたことでほぐれたか、ここからはドイツが再び攻勢に。中央にゴメスというターゲットが入ったこともあり、ヴェアナーとヘクターのコンビネーションが機能するがやはり決めきれず。

82分、ボアテングが2度目の警告を受け退場に。引き分けでは足りず、逆転を狙うドイツとしては厳しい展開になる。クロースを最終ラインに下げるかCBを投入するかと思ったがキミヒを下げて対応。87分には最後のカードでヘクターに代えてブラントを投入、リスクを取ってあくまでゴールを狙いに行く。

88分にはゴメスのヘディング・シュートが枠に飛ぶがGKの好セーブに防がれる。アディショナル・タイムにはこぼれ球にヴェアナーがダイレクトで鋭いミドル・シュートを放つがポストに嫌われる。

5分と表示されたアディショナル・タイムもほぼ経過したところで、ラスト・プレーになると思われるFKをエリア左で得る。クロースがロイスに小さく出し、ロイスが止めたボールをもう一度クロースが蹴ると、ボールは壁を越えてファーのサイドネットに突き刺さりゴール、ドイツが土壇場で2-1と逆転に成功する。その後の時間をしのぎドイツが劇的な逆転勝ちを挙げた。

序盤から圧倒的に攻めながら決めきれず、逆にカウンターから失点するなど既視感のある展開になったが、後半開始早々に得点できたことが大きかった。クロースのFKはでき過ぎの感もあるが、なかなかゴールを割ることができない中でも焦れずに戦い続けたことが最後に報われた形。

この試合もシュート数18-7、CK8-3、ポゼッション76-24と数字上は一方的だが、実際にはこのような形での接戦、辛勝となるところがメキシコ、スウェーデンの狙いであり逆にドイツとしては戦い方を見直すべきところ。スウェーデンは身長も高く、中央を固められると単純なクロスではなかなか打開できなかった。

苦しみながらも最後に結果を出すところはドイツらしいが、ボアテングは次節出場停止で、ルディもおそらく出場は難しいと思う。韓国戦はまた違った戦いになるだろうが、持たされたときの対応は考えておかなければならない。

グループFはドイツとスウェーデンが勝ち点3で並んでおり、仮に最終節でスウェーデンがメキシコに勝てば、ドイツは韓国に勝った上で、得失点差でスウェーデンを上回らなければならない(現状はどちらも得失点差0、総得点2)。

スウェーデンの相手であるメキシコは既に勝ち抜けを決めており、メンバーを落としてくることも考えられるので、ドイツは韓国に複数得点差をつけて勝つことが必須と思っておいた方がいいだろう。最終的に成績が並べば直接対決で勝ったドイツの勝ち抜けになるが、まずは勝つことを第一に考えなければならない。



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2018年06月24日 00:23      [posted by der_ball_ist_rund]

【ワールドカップ第1節】ドイツ 0-1 メキシコ

■2018年6月17日(日) 17:00キックオフ
■Luschniki (Moscow)

いよいよワールドカップが始まったのだが僕的にあまり盛り上がらないのはなぜなのか。まあ、日本代表には長友と武藤がいるもののFC東京からは誰も出てないし、ドイツ代表にもギンターは選ばれたもののベンチ、シュティンドルは直前のケガで出られないなど、どうも今ひとつ入れこめない。

とはいえ、実際に始まってみると日本やドイツとは別に面白い試合も多く、スイス代表にはグラードバッハからゾマー、エルヴェディ、ツァカリア、ドルミッチと4人が選出されている上、シャカが主力で10番を背負っているなど見どころもそれなりに出てきた。

この試合は日本時間の日曜日未明0時のキックオフだったのでリアルタイムで見た。布陣はこんな感じ。

ノイアー
キミヒ ボアテング フメルス プラッテンハート
ケディラ クロース
ミュラー エツィル ドラクスラー
ヴェアナー

試合の流れをザッと概観すると、なかなかペースを作れないドイツに対し、メキシコが中央を固める堅守で対抗、奪ったボールを素早く前線に展開して果敢にチャレンジする流れになる。

ドイツが試合に入りきれないまま35分、ボール・ロストからカウンターを浴び失点、0-1とされてしまう。前に出るしかなくなったドイツは積極的に攻撃を仕掛けるものの、リードを得て守備を固めるメキシコを相手に攻めきれない。

後半に入り、ケディラに代えてロイス、プラッテンハートに代えてゴメス、ヴェアナーに代えてブラントと攻撃的な選手を投入し、最後はセット・プレーにノイアーも上がってそう攻撃を試みたが奏功せず。0-1で初戦を落とした。

シュート数26-13、CK8-1、ポゼッション66-34と圧倒的にドイツが攻め、終盤にはブラントのシュートがポストに嫌われるなど得点機もあったが結果的にゴールが遠かった。

この試合を見ていて感じたのは、審判の基準が独特というかブンデスリーガとはかなり異なっており、特にイーブンでボールに行ったケースでは、結果的にファウル相当のボディ・コンタクトがあったとしても、特に不用意、無謀、過剰な力とまでは言えないケースには相当寛容だったということ。

これは今回の大会を通じて感じられることで、最初この基準に慣れないドイツの選手がセルフ・ジャッジとのギャップに戸惑い、フラストレーションを募らせたのは見ていて分かった。典型的だったのはクロースがチャージを受け当然ファウルだろうとプレーを止めてボールを抱えたところでハンドリングを取られたケース。

こうして試合に入れないまま先制を許したことがほぼすべてであり、メキシコが一筋縄では行かない相手なのは最初から分かっていたことで、その相手にこうしてつけいる隙を与えてしまっては修正は難しかった。数字上はボールを支配しているが、試合の主導権は最後まで握れなかったと言うべきだろう。

ポゼッションが高くなったのは、メキシコが敢えてドイツにボールを持たせ、自陣中央を固めて最後のところで防衛する戦略を取っていたためであり、ドイツがことさらにポゼッションを意識していたということではないと思う。むしろポゼッション・ゲームとして引いた相手を崩す工夫という点では多彩な攻撃を見せたしチームとしての意志も感じられた。

短期決戦の初戦に負けたのは星勘定的には極めて痛いが、リカバーは可能であり悲観することはない。次節、スウェーデンも強敵ではあるが、この試合に勝たなければならないのは自明であり、これまでの準備を信じて闘う以外にすることはない。



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2018年06月07日 23:10      [posted by der_ball_ist_rund]

【天皇杯2回戦】FC東京 4-2 流経大ドラゴンズ

■2018年6月6日(水) 19:00キックオフ
■味の素スタジアム

あいにくの雨となった水曜日の夜、今季の天皇杯初戦だ。僕は飲み会があるため現地観戦は諦め、NHK-BSの中継を録画して、帰宅後に見た。結果情報は何とか遮断したまま家にたどり着いた。

リーグ戦はワールドカップを控えた中断期間に入っており、天皇杯は代表招集選手を欠いた状態での戦いとなるが、東京からは日本代表に招集はなかった。相手は流通経済大学ドラゴンズ龍ヶ崎。流経大のセカンド・チームと紹介されていたが、大学リーグとは別にJFLに参加するチームであり茨城県の代表。カテゴリー的には格下だが侮れない相手だ。

東京はチャンが韓国代表に招集されたため不在だがそれ以外はベスト・メンバーと呼べる布陣。CBには丸山が先発した。


室屋 森重 丸山 太田
大森 眷襦ゞ極棔‥
オリヴェイラ 永井

試合は序盤こそ流経大が積極的に高い位置からプレスを敢行して押しこむが、この局面をしのぐと次第に東京が主導権を握る。

10分、太田の左CKに中央の森重が合わせきれずファーにこぼれたところをオリヴェイラがシュート。これはGKにセーブされたが、こぼれ球のクリアが中途半端でゴール正面の橋本の足許に。これを橋本が押しこんで東京が1-0と先制する。

その後も東京が優勢に試合を進め、守備の局面でもしっかりとブロックを形成してチャンスを作らせない。30分、太田の左CKに丸山がニアで合わせるがボールは惜しくもバーを直撃。

36分、波状攻撃から大森の落としを受けた太田が左サイドからクロスを入れる。ニアの永井がスルーすると中央でフリーの眷襪難なくこれを流しこみ2-0とリードを広げる。その後も危なげない試合運びで、2-0で前半を終えた。

後半になると流経大が改めて前に出てくる。2点のリードがある東京はムリをせず自陣での守備戦となったが、56分、敵CKからのクリア・ボールを拾われ、エリア外からミドル・シュートを放たれる。これが敵FWに当たって軌道が変わり、林が逆を衝かれて動けず失点、2-1と1点差になる。シュートが敵FWに当たったのは不運だったが、やや受けに回り過ぎた感はあった。

59分、左サイドからの太田のFKに、エリア内で丸山が合わせに行くが、これと競った敵DFの腕にボールが当たったとの判定で東京がPKを得る。60分、これをオリヴェイラが蹴るが、敵GKにセーブされてしまう。流れを引き戻すチャンスだったがここから流れがおかしくなる。

66分、敵陣でボールを失いカウンターを浴びる。裏にスルー・パスを出され、オフサイド・トラップをかけられず後ろから追う格好になってしまう。敵FWは林との一対一を冷静に決めて2-2と同点。試合は振り出しに。PKの失敗が悔まれる。

ようやくエンジンのかかった東京は、69分、敵ゴール前で細かくパスをつなぎ、最後はフリーになった大森が至近距離からシュートを放つが枠に収まらず。

83分、大森と永井に代えて田邉と富樫を投入。延長戦が近づく85分、室屋の右サイドからのクロスに、中央のオリヴェイラがヘディングで合わせる。ボールはGKの前にいた敵DFの股を抜けGKの手を弾いてゴールに。東京が土壇場で3-2と勝ち越す。

さらに88分、東のキープから右サイドを猛然と駆け上がった室屋にボールが渡り、室屋の低い弾道のクロスに再びオリヴェイラがジャンピング・ヘッドで合わせゴール。4-2とほぼ試合を決めた。

東京は試合をクローズ、一時は追いつかれたものの最後は貫録を見せて突き放し、3回戦にコマを進めた。

序盤、敵の出方を見ながら調整し、主導権を握ってセット・プレーから先制、流れから加点したところまではよかったが、後半、モラルを上げてきた敵に対し受けに回って失点、PKで突き放すチャンスがあったのに決められず、逆に追いつかれたのはあまりに拙い試合展開だった。

一方で、以前の東京ならここで浮足立ち、無駄なミスが出て逆転を許すような試合も少なくなかったが、ここを冷静に戦い、終盤、ワンチャンを決めきる強さを見せることができたのは、格下相手であることを割り引いても大きな自信になった。結果が出たことで「やり続けること」の重要さが体感できたはずだ。

試合運びの拙さに加え、後ろを取られた時のカウンター・ディフェンスの脆さも課題の一つだ。長谷川監督が「75分までは寝ていた」と言うように、ピリッとしない時間帯があったことは事実。トーナメントなのでまずは勝ったことが重要だが、勝って次に進めたからこそ、もう一度よく見直すべき問題を抽出しなければならない。

やはり、この試合のように終盤どうしても1点が欲しい状況で、切り札となるスーパー・サブが我々にはいない。ここの補強はあっていいと思った。ブレイク中の課題の克服と補強に期待したい。

評点(評点はドイツ式):
林(4) 失点はいずれも責められない。雨の中難しい判断を迫られる試合だった。
室屋(3) 終盤の2アシストは見事。特に4点目の駆け上がりで存在価値を示した。
森重(4) 裏をヤられた2失点目は最終ラインとしてどうだったのか。
丸山(4) バーをヒットしたヘディングは惜しかった。計算できる戦力。
太田(4) クロス、プレース・キックで存在感。復調しつつある。
大森(3.5) シュート・チャンスは枠に飛ばしたかった。今日もよく走った。
橋本(4) 後半は彼の両脇を縦に使われた。先制点はよく足が出た。
眷(3.5) 密集の中での落ち着き、技術が際立っていた。配球もよかった。
東(3.5) 地味に走り続けた。躍進の立役者の一人。ボールを動かせる人。
永井(4) 特長を生かしてボールを追い、敵の守備に嫌がられた。
オリヴェイラ(2.5) PK失敗を帳消しにする2ゴール。まだまだポテンシャルある。
===
田邉(-) 時間短し。
富樫(-) 時間短し。

次の試合は7月11日の天皇杯3回戦、相手は新潟に決まった。



Comments(0)FC東京 | 天皇杯


2018年06月03日 00:33      [posted by der_ball_ist_rund]

【FC東京】シーズン前半レビュー(2)

前回はここまでの戦いをザッとレビューしたが、今回はその中で残されている課題について見ておきたい。

攻撃面では、積極的な守備と素早いポジティブ・トランジションからスピードを持って縦に出す意識が徹底され、眷襪離僖構个靴らオリヴェイラのキープ、永井のスピードと特長を生かしながら攻撃ができている。また、ここにきて太田のプレース・キックやクロスもようやく精度が上がってきた。

しかし、こうした攻撃の型が機能しないとき、あるいは先制を許し何としても得点が欲しい時の次の手がなかなか見えづらいのも事実。FWのセカンド・チョイスは現在のところ前田と富樫だが、前田は前線でのハード・ワークでチームへの貢献は大きいものの、必殺ストライカーという意味では衰えなのか目に見える結果が出ていない。

富樫も彼さえ出てくれば大丈夫という強みを印象づけるところまでは至っておらず、まだまだこれから使われる中で積み上げて行くという段階。オリヴェイラ、永井のオルタナティブとして、また前田、富樫との競争という意味でも、あと一人実績のあるストライカーが欲しい。スーパー・サブと呼べる選手がいない。

ここまでリーグ戦21得点のうち、オリヴェイラが9得点、永井が4得点、東が3得点と、この3人で16得点を挙げており、FWが得点するのはいいことだが、得点パターンが少ないのは決してポジティブではないしケガも怖い。ブレイク明けの柏戦は期限付移籍の付帯条項でオリヴェイラが出場できない。得点パターンの多様化は絶対に必要だ。

守備面では前回も書いた通り、森重とチャンという鉄壁のCBに丸山というぜいたくなバックアップまでいる割りに失点が多いのが気になる。基本的にはコンパクトな4-4-2でしっかりブロックを形成するコレクティブな守備ができているし、ネガティブ・トランジションもスムーズだと思うのだが、背走しながらの守備、カウンター・ディフェンスに問題を抱えているように見える。

5月に入ってクリーン・シートが3試合続いているのはいい兆候だが、チャンが意外とやらかしたり、森重の動きが重かったりする試合が散見された。GKとのコミュニケーションを含めて再点検することは必要だと思う。

今までなら終盤に失点して勝ち点を落としたり、ずっと攻めているのにうかつなトランジションの遅れなどからワンプレーで失点したり、詰めの甘いところがあったのが、今季はそういうメンタル・コントロールのようなものがずっとしっかりした印象がある。これは長谷川監督の力だと思うが、最後まで集中を切らせず、勝てないまでもスコアレス・ドローで勝ち点1を積み上げるような戦いができるようになってきている。

しかし、それでも得点の直後に失点したり、5月の公式戦は1勝2敗3分(リーグ戦1勝3分)と失速気味だったりと、まだまだチームとしての幅や奥行きの足りなさを実感することがあるし、これは簡単に解決することではないにしても、上を狙うなら筋トレみたいに少しずつしかし着実に積み上げて行くべきこと。

そういう意味では我々はまだまだ発展途上のかなり手前の段階にいるのに過ぎないし、何も成し遂げた訳ではない。今後、他のクラブから対策され、準備された時に、それを上回る伸びがなければ我々のシーズン後半は厳しいものになるだろう。ていうか対策されるから厳しい戦いになるのは目に見えている。

そして、そのために必死で上積みをして行ったとしても、必ず壁にぶち当たり、思うように行かなくなる時期がくる。我々に問われるのは、そういう逆境の時期に簡単に投げ出さず乗り越えるだけの強さをそれまでに身につけているかということであり、それができなければ、いい時はいいがダメなときに踏ん張りの効かないクラブのままになってしまう。

真価を問われる局面は必ず来る。そこをくぐり抜けなければ上には行けない。今、最大のリスクは、ここまでの結果に満足することだ。



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