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2019年01月27日 21:56
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【ブンデスリーガ第19節】グラードバッハ 2-0 アウグスブルク
■2019年1月26日(土) 15:30キックオフ
■Borussia-Park
スカパーでリアルタイム観戦。全部の試合をこの時間にやってもらえないものかと思う。
グラードバッハはウィンター・ブレイク明けとなる前節、アウェイで苦しみながらもレバークーゼンに1-0で辛勝、3位をキープしてのホーム・ゲームとなる。今季前半はホーム8試合を全勝しており、後半もこの流れを確かなものにしたい。
ツァカリアが打撲のためベンチ・スタートとなりノイハウスが先発。またアザールも内出血でメンバー入りを回避、トラオレが右ウィングで先発した。ラファエルは欠場中だが、これら以外はほぼベスメンか。
ゾマー
ラング ギンター エルヴェディ ヴェント
ノイハウス シュトロブル ホフマン
トラオレ シュティンドル プレア
試合は序盤からグラードバッハがほぼ一方的に攻める展開。ボールを支配しアウグスブルク陣内で試合を進める。
19分、エリア内でボールを持ったトラオレが鋭い切り返しで縦に抜け、右足でシュートを放つがGKがセーブ。中継が何度もリプレイする鮮やかさだったが決められず。その後もグラードバッハはブロックを形成するアウグスブルクの守備のギャップを突いてチャンスを作るが決めきれない。
42分、エリア内でパスを受けたノイハウスが反転して切れこもうとしたところ、足をかけられてPKを獲得する。微妙な感じで先に倒れに行ってる感は否めないが、コンタクトはあったのだろう。
ところがこのPKをホフマンがはずしてしまう。結局圧倒的にボールを保持しながら敵GKの好セーブもあってスコアレスのまま前半を終えた。そこまでヤバい感じはしないものの、このパターンが危険なのは経験的に分かっている。
後半に入ってもグラードバッハが主導権を握る流れは変わらないが、アウグスブルクも修正してきたか、次第に拮抗した戦いになる。どちらも大きなチャンスを作れないまま時間が経過する。
63分、ノイハウスに代えてキュイザンスを投入。77分にはトラオレに代えてヘアマンを投入する。
78分、右サイドからのラングのミドル・シュートを敵GKがセーブ、そのこぼれ球がエリア内にいたヴェントの元へ。ヴェントはこれをワン・トラップして右足をシュート。ボールは敵GKの脇を抜けてそのままゴールへ。終盤に入ってようやくグラードバッハが先制する。
84分にはプレアに代えてツァカリアを投入。GKからのフィード一本で裏に抜け出されるヤバいシーンもあったが、シュートはゾマーが止めて事なきを得る。
最後はパワープレー気味に圧力をかけようとするアウグスブルクに対して守勢に立たされる時間帯も増えたが、巧みに時間を使いながら逃げきりを図る。
アディショナル・タイム、右サイドでボールを持ったヘアマンがそのまま持ち上がり、エリア外から見事なシュート。これが決まってグラードバッハが2-0とリードを広げる。試合はそのまま再開されず終了、苦しんだが終わってみれば完勝だった。
チームとして調子がいいからか、なかなかゴールが決まらなくても「まあ焦るな」くらいの心構えができるようになってきた。ブロックを作られてもボールを動かしてチャンスを作ることはできていたし、いずれ守備も綻びが出るだろうと思っていたが、選手も苛立つことなく粛々とトライを続けてくれた。
この試合ではトラオレやヴェントが右足でチャンスを作っていたのが印象的だった。特にトラオレは左足を切られていることを意識して意図的に右足でのシュートに持ちこんだシーンなどなかなか痺れる動きを見せてくれた。一発は決めたかった。
あと、スポット的な使われ方しかしてないヘアマンが目の覚めるようなミドルを突きさしてくれたのは嬉しかった。もっさりした試合だったが、この追加点のおかげで救われたというか見るべきシーンがちゃんと残った。
これでグラードバッハは暫定2位に。開幕からのホーム・ゲームでの連勝は、ウィンター・ブレイクをはさんで9まで伸びた。楽観は許されないが、シーズン後半の立ち上がりとしては悪くない。行けるところまで行きたい。
ディーター・ヘキング監督談話:
「この勝利はまったく妥当なものだ。我々は前半、自陣に深く引いて守る相手に対し5回か6回の素晴らしいチャンスを作った。これらのチャンスを我々は生かさなければならなかったが、それが前半の我々には欠けていた。後半には落ち着きがなくなり、敵と組み合うために必要なだけの我慢ができなくなった。そしていつカウンターを浴びるかもしれないということも分かっていた。我々は試合のスピードをもう一度高めようとした。それによって再び試合に動きが出て、アウグスブルクは走らされることになった。そうなればいつかはスペースができてくる。この試合に勝つことができたのはとても嬉しい。こうした試合で忍耐を切らさず、落ち着きをなくさないことは簡単なことではない。この点で私のチームに分があった。我々はシーズン後半を2連勝と素晴らしい成績でスタートすることができた。これはいいことだが、勝ち点を積み上げるためには、次の数週間でのパフォーマンスはもっといいものにならなければならない」
勝ったらよくしゃべる。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2019年01月12日 22:35
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【FC東京】2019年新体制発表会
2019年の編成が発表され、合わせてユニフォームもお披露目があった。
昨季、主力として戦った選手の大半は契約を更新、加えて期限付移籍していた久保やユ・インスが復帰、さらにブラジルからアルトゥール・シルバ、タイからナッタウット、新潟から宮崎らの移籍加入も発表されている。また、正式発表はまだだが、韓国からの新加入も報道されているところだ。
梶山の引退によって欠番となっていた10番は東が引き継ぐことになった。昨季、長谷川監督の下で、ダイナモとして成長を遂げ高い評価を得た東が新たに東京の顔になることには異論も少ないだろう。僕自身、10番は東しかないと思っていたし、彼自身も覚悟を持って引き受けたものと思う。
一方で、梶山の引退に加え、米本、田邉らの移籍があり、ひとつの時代が終わりつつあるのを感じる。羽生、石川も既におらず、「ともにタイトルを獲りたいと思っていた選手がいなくなった」というツイートを見かけたがその通りだと思う。
梶山陽平は間違いなく東京の10番であった。梶山がボールを持つと、時間が彼を中心に流れ始める。緩急、テンポ、視野、技術。梶山がゲームをデザインし、演出し、指揮をした。唯一無二の能力を持ち、試合を(大げさにいえば時空を)コントロールできる稀有な選手であった。東京はある時期、確かに梶山のチームだった。
しかし、彼自身は長くケガに苦しめられ、おそらくある時期からは完全にフィットしたことはなかったのではないかと思う。加えてパフォーマンスがピークにあった時期にギリシャに移籍したことはキャリア上の大きな回り道になってしまった。海外へのチャレンジを批判することはしたくないが、移籍先として正しかったのかは今も疑問が残る。東京の10番が、代表もリーグ・タイトルも経験しないままキャリアを終えることは本当に残念だ。身体を休めて欲しい。
昨季途中に移籍した丸山も含め、シーズン10試合先発くらいのサブの選手が出場機会を求めて移籍するのは、サポとしては受け入れ難いが、プロとして、職業人としては理解できる。この層がいなくなるのは、心情的にキツいのはもちろん、編成的にも本当に痛い。GMや監督が、チーム作りのビジョンとその中での評価や期待される役割を説得的に説明できなかったということか。
特に、田邉、米本という高卒同期の2人の移籍は本当にショッキング。彼らがチームを背負う存在になって欲しかった。プロとして移籍は常とはいえ、高橋、三田、権田、丸山ら、成長を見てきた生え抜きを見送り、今また田邉、米本が東京を後にするのは本当に辛い。彼らにどんな言葉で何を伝えればいいのか今でも分からない。
サブの選手層が薄い感じがするのは否めないが、相応の補強もあり、我々は新しいチームで目標に向かって戦いを始める。今季、長谷川体制の2年目になり、振り返りで見た通り、昨季できたこと、できなかったことを整理して、そのベースの上に成長を積み上げる局面になるはずだ。
昨季、半期とはいえ2位を取れたのは事実で、2015年を思い起こしても、上位を争うことのできる実力は確実にあると言っていい。そして、それが華麗なコンビネーション・フットボールや圧倒的なゴール・ショーではなく、きちんとした約束ごとに裏づけられた組織的で我慢強い守備を通じて成し遂げられることも改めて確認できたと思う。
その上で、我々にまだ足りないのは、そのパフォーマンスをシーズンを通して安定的に維持すること、思うように行かない時の落ち込みを最低限にとどめて修正すること、プランが崩れても結果にこだわってつじつまを合わせること、そのために戦術の選択肢を増やす一方、ビハインドに動じないメンタルを身につけること。
考えてみれば、優勝した川崎は17節終了時点では我々(勝ち点34の2位)より下(勝ち点33の3位)にいて、首位広島とは勝ち点8の差があった。川崎にこれがひっくり返せて、それより上にいたはずの我々が失速してしまったのはなぜか、もちろんチームの完成度が歴然と違っていたことはあるにせよ、マインド・セットにも大きな違いがあったように思われてならない。
焦ったり気合いを入れ過ぎたりして自滅することを我々は何度も繰り返してきた。最後まで諦めない高いモラルで戦うのはプロとして当然であり、それ以上の気合いは不要。淡々と仕事をし、結果を出すクラブに成長したい。長谷川監督にはそれを期待している。
次回以降は、ポジションごとに今季の戦力を見て行きたい。
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FC東京
2019年01月08日 00:11
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【2018年】FC東京シーズン・レビュー (3)攻撃編
今回は中盤から前について振り返る。
まず、ボランチについては眷襪閥極椶離灰鵐咾鮗瓦法∧橡椶鯤四僂垢觀舛妊掘璽坤鵑鮴錣辰拭眷襪魯繊璽爐罵0譽蝓璽粟鐐柑邱臉菷出場。東京の中心と呼べる選手だが、起用方法はボランチを中心としつつもシーズン後半にはトップ下起用が増えるなど試行錯誤があった。前目で得点に絡む決定的な働きを期待するのも悪くないが、中盤の底からクリティカルな縦を当てたり裏のスペースに一発を通したりする姿に僕はしびれた。永井を猟犬のように走らせる手管では眷襪群を抜いている。
橋本はケガによる離脱もあったが主力としての存在感を見せたシーズンだった。もともと「何でそこに?!」というポジションにいて得点に絡む、いい意味でゴールへの色気のある選手だったが、今季は下がり目での地味な働きも厭わないことで逆に力をアピールした。チームの成績下降が橋本の負傷離脱と同時期だったのは決して偶然ではない。石川から18番を引き継いだ覚悟が結実したと言っていい。
米本は組織だった守備の中で、ボールへの食いつきとポジショニングとの兼ね合いに悩んだ。攻撃時に彼のところで流れが停滞することも少なからずあり、シーズンを通してレギュラーを張った訳ではないが、シーズン後半には判断のバランスもよくなり、学習能力の高さに驚いた。数少ない生え抜きでもありチームには必要な選手。
SHは東、大森を中心に起用、シーズン途中からはバックアップとして田邉がしばしば先発で使われた。東は機動的なトランジション・フットボールに適応、毎試合驚異的な運動量で、オシムが言うところの「水を運ぶ」仕事をやり続けた。もともと能力の高い選手だが、どこかクールに見えるところもあったのが、今季は目の色が変わった印象があった。スペースを埋め、ボールを引き出しては運んでクリティカルなパスを通すなど、チームへの貢献は大きかった。今季のチームMVPをやりたい。
大森は移籍初年だったが長谷川監督の信頼も厚く、抜群のセンスでボールを動かした。得点こそなかったが、彼も豊富な運動量で攻撃の組立の要となった。東と大森がポジションを入れ替えながら敵の守備にギャップを作り、最後はオリヴェイラに通すなど縦に早いフットボールに欠かせない働きだった。あとはシュートが決まれば…。
田邉は開幕当初はJ3スタートと不遇をかこったが、次第に評価を上げて5月頃からはリーグ戦でも先発起用されるようになった。独特のリズムのドリブルでチャンス・メイクした。サバデルから復帰後は何気に高い戦術眼と技術で好パフォーマンスを維持していると感じていた僕としては嬉しい活躍だったが、残念なことに福岡への完全移籍が発表された。ショックだ。言葉を失った。
トップはオリヴェイラと永井を軸に、富樫、前田、矢島、途中加入のリンスらを試した。オリヴェイラは言うまでもなくリーグ戦13ゴールの活躍だったが、シーズン後半に失速した感は否めないし、それがチームの勢いを削ぐ要因にもなった。強靭なフィジカルでボールをキープし、自ら決めに行くだけでなくパスも視野に入れる柔軟さがある。シーズン後半はやや持ち過ぎの局面もあったが、あれだけのパフォーマンスを考えれば許容できる範囲。というか、許容するから決めてくれということか。期限付移籍から完全移籍への切り替えが発表された。
永井は移籍以来なかなか使われ方が定まらず、サイド・アタッカーが主戦場となっていたが、オリヴェイラとの2トップ起用があたりシーズン前半は4得点と存在感を見せた。しかしその後は眷襪鬟肇奪弉爾望紊欧燭蠅靴燭海箸妊戰鵐繊Ε好拭璽箸多くなり、シーズン5得点に終わった。俊足を飛ばしてフィードに追いつき、敵DFを振り切るのは絵になるだけに、フィニッシュの精度というか最後の局面の判断を磨きたい。可能性を見たシーズン。
それ以外のFWの中ではリンスに存在感があった。もともとストライカーというより10番タイプではないかと思う。オリヴェイラとのコンビネーションも悪くなく、必ずしも「仕上げのリンス」にこだわることなく先発起用も十分ありだと思った。途中加入で18試合出場(3得点)は立派。来季も東京に残って欲しい。富樫は期限付移籍が満了し、横浜から町田への完全移籍が発表された。前田も岐阜に移籍する。前田はチームへの貢献が大きく移籍は残念だが新天地で頑張って欲しい。
総じて、攻撃面では素早い切り替えからポジションを流動的に交換しながら一気に押し上げるカウンター戦略を軸に戦い、シーズン前半は相応の結果が出た。対策されるようになりボールを持たされることが増え、オリヴェイラも厳しくマークされて結果が出なくなったが、戦略自体は間違っていないと思う。
ただ、来季はどう考えても最初から手の内をある程度読まれたところからスタートせざるを得ない。ボールを持たされた時の突破力を磨いたり、カウンターの精度を上げたりすることはもちろん必要だが、その上に、戦術の選択肢を増やすことも絶対にやらなければならない。対策を上回るスピードで成長しなければ我々は置いて行かれる。長谷川体制2年目に入りオートマティズムは向上するはずで、そこに落としこむ戦術をどれだけ洗練できるかが課題になる。
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FC東京
2019年01月05日 21:57
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【2018年】FC東京シーズン・レビュー (2)守備編
今回は守備面を中心にシーズンを振り返り、来季への課題を考える。
まずGKについては林がリーグ戦31試合(ルヴァンカップ3試合、天皇杯2試合)に出場、ゴールを守った。的確なポジショニングと準備に加え、リフレクションやキャッチング、キックスローもレベルが高く安心感があった。林に救われたシーン、試合がいくつもあった。既に契約更新が発表されている。
サブとしては大久保がカップ戦(ルヴァンカップ3試合、天皇杯1試合)と、林が離脱した7月のリーグ戦3試合に出場した。サブGKはいつでも難しいポジションだが、出場すれば高いパフォーマンスを見せ、J1の正GKで十分通用することを示した。残念ながら鳥栖への移籍が発表されたが、出場機会を求めるのは当然。貢献に感謝したい。
CBについては森重とチャンを中心に、丸山、丹羽をバックアップとしてシーズンを乗りきった。森重は主将の重責を外れたが、今やクラブを代表する不動のレギュラーとしてリーグ戦30試合に先発し安定した活躍。もともとリーダーのキャラではないようにも思うが、チームが苦しんだシーズン後半に彼からチームを鼓舞し方向を示す声は出ていたのかが気にかかる。そういうことを求められる存在であることは本人も自覚していると思うが。既に契約更新が発表されている。
チャンは韓国代表としてワールドカップに出場したが失点関与を問われてバッシングを受けた他、兵役免除の代替となる奉仕活動で不正があったとして代表を永久追放となるなど彼個人としては起伏のあった年。ただ、東京ではリーグ戦24試合に出場、対人の強さやクレバーな配球で替えの効かない働きを見せてくれた。たまにミスもあり、ワールドカップ後はやや調子を落としたが、シーズン終盤には復調したと思う。去就は未発表だが残留してもらわないと困る。
シーズン前半は丸山がこの二人のバックアップとして控えていたことで大きな安心感があり、リーグ戦の出場も9試合あった(出場は7試合)が、シーズン途中で名古屋に移籍してしまった。出場機会を求めるのは仕方ないが、代表経験のある選手が主力二人と出場を争う層の厚さが剥落したのは痛かった。
丸山に代えてシーズン途中に丹羽を獲得。リーグ戦6試合に出場(うち先発5試合)し役割を果たした。経験のある選手であり、バックアップとして常に準備する難しさにも対応した。フィードに難があるとも言われたが、見た限りでは持ち上がって時間を作るなど戦術的な動きも悪くなく、監督もよく特徴を分かっているはず。既に契約更新が発表されている。
CBでは山田が期限付移籍したため、補強がなければこの森重、チャン、丹羽に続くのは岡崎ということになる(吉本は福岡への期限付移籍を1年延長)。岡崎はシーズン序盤、右SBを中心にリーグ戦5試合に出場(先発4試合)し1得点を挙げるなどブレイクしたが、主戦場はJ3だった。成長を期待したい。
右SBは室屋がほぼ固定でリーグ戦30試合に先発。シーズン初めには岡崎に一時ポジションを譲ったが、その後は改めてポジションを確保、特に第7節鹿島戦でのゴールは鮮烈な印象を残した。代表にも続けて選ばれており今や東京になくてはならない選手。去就は未発表でいずれは海外移籍も視野に入ってくると思うが、もうしばらくはチームに貢献して欲しい。
左SBは太田と小川の併用。太田がリーグ戦23試合に先発したのに対し、小川は13試合(右SBでの起用あり)とポジションを競う形になった。太田はやや好不調の波があり、特にクロスの精度、セット・プレーでの得点、守備面での貢献において期待を上回ることができなかった。
対して小川はボールを持った時のプレー選択の幅が広がりつつあり、型にハマった時は太田以上の働きを見せたと言っていい。こういう形で切磋琢磨しつつ全体のレベルが上がり、世代交代の準備ができて行くのはチームとして大きな財産になる。小川は札幌からのオファーを蹴って残留してくれた。太田も契約更新が発表されている。
今季の東京は、守備時にきれいな4-4-2のラインができ、ボールホルダーに誰が行くのか、その穴をどう埋めるのかが徹底されていて、敵にボールを握られても安心して見ていられた。シーズン後半は研究されてギャップを作られたか、ラインが揃いきれないシーンも散見されるようになったが、考え方、向かうべき方向は間違っていないと思う。
大外は敢えてフリーにし、左右に振られればブロック全体がスライドしてカバーするのも特徴的で、トランジション時のファースト・ディフェンスとリトリートのバランスも悪くなかった。約束ごとを整理し守備を丁寧に構築することで失点を減らす意図は理解できたし、それはまさにここ2年間、フィッカデンティ監督の遺産を食いつぶしながら曖昧にされてきたことだった。
シーズン前半は特にオリヴェイラや永井を中心とするゴールが目についたが、実際には守備の意識の底上げが好成績のベースだったと言っていい。もちろんお粗末な失点もないではなかったが、シーズンを終えて失点34(1試合あたり1.00)はリーグ2位の少なさであり、高く評価すべきだと思う。補強と契約の動向を注視したい。
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FC東京
2019年01月04日 23:06
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【2018年】FC東京シーズン・レビュー (1)総評
2018年は長谷川健太を監督に迎えての1年目、34試合を戦い14勝12敗8分で勝ち点50(1試合あたり1.47)の6位に終わった。開幕当初の目標はACL圏内だったが果たせなかった。ルヴァンカップはグループリーグで敗退、天皇杯は4回戦でJ2の山形に敗れ、カップ戦のタイトル獲得もならなかった。
正直、評価の難しいシーズンだったと思う。2016年、2017年と「失われた2年」を経て、新たにリーグ制覇の経験のある監督を迎え、森重、眷襦東、室屋、太田、林、橋本、永井ら主力選手をホールドしつつ、オリヴェイラ、大森、富樫らを補強しての開幕であったことからすれば、もっとシビアに結果にこだわる必要があったようにも思うが、新任監督の下で連係の再構築から始めたことを考えればある程度の試行錯誤や見込み違いはあってやむなしとも言える。僕としてもそのふたつの見方の間でいろいろなことを考えながら過ごした1年だった。
シーズンの流れをざっと見ておくと、開幕戦で浦和にホームで引き分け、勝ち点1を獲得したもののその後仙台、磐田に2連敗、ルヴァンカップの横浜戦も合わせて開幕から4試合勝てずもたついたが、3月14日のルヴァンカップ第2節で新潟に勝つと、18日のリーグ戦第4節湘南戦で初勝利を挙げ、その後は調子を上げてシーズン前半を10勝3敗4分で勝ち点34(1試合あたり2.00)と、2015年(フィッカデンティ監督2年目)の35に次ぐ成績で2位で折り返した。
オリヴェイラを中心としたカウンター戦略がハマる一方、失点を15(1試合あたり0.88)に抑えるなど好守もあり、「大当たり」の予感のあるシーズン前半だったと思う。結果が出ることで自信を深めながら連係を構築し内容も洗練されて行く。17節横浜戦(5-2で勝利)のレビューで僕はこう書いた。
「東京はシーズン前半を終えて10勝3敗4分で勝ち点34の2位で折り返し、首位広島が引き分けたので勝ち点差は7に縮小。1試合あたりの勝ち点2.00は、フィッカデンティ監督2年目の2015年(勝ち点35、1試合あたり2.06、2位)以来の好成績。しっかりした約束ごとが強度に裏づけられて機能している感がある」
「結果が出ていることで戦術が浸透しやすくなり、いい循環になっていると思うが、シーズン後半、いつかうまく行かない時がくる。その時に折れない強さを今積み上げておかなければならない。真価を問われるのはこれから。我々はまだ何も成し遂げていない」
しかし、シーズン後半はその懸念が当たる形になる。4勝9敗4分とまったく勝てなくなり、獲得した勝ち点はわずかに16(1試合あたり0.94)。特にホームの味スタでは8月5日の第20節神戸戦に1-0で勝ったのを最後にまったく勝てなくなり(ホームでは1勝5敗2分)、シーズンを終わってみれば上記の通り平凡な成績に終わった。シーズン前半の貯金が効いたこととリーグ全体が混戦だったことも幸いして6位でフィニッシュできたが、シーズン後半だけなら降格レベルのひどい成績だった。「いつかうまく行かない時」は思いの外早く来た。
このシーズン後半をどう考えるかが今季の評価を分けるところだと思う。
まず、なぜ急に失速したかを考えれば、シーズン前半に好成績を残し、上位で折り返したことで他のクラブの研究の対象になり、また対戦も2巡めに入って手の内も互いに見えてくる中で相手に対策されるようになったが、我々にそれを上回る戦術の奥行きや成長がなかったということに尽きると思う。
実際、シーズン前半に10ゴールを決め躍進の立役者となったオリヴェイラは、シーズン後半はわずかに3ゴール。シーズン後半もチームへの貢献は大きかったが、厳しいマークに遭い、シュートのタイミングをつぶされて得点源を封じこめられたのは間違いのないところだ。
また、「ファスト・ブレイク」と称したカウンター戦略も、敵が自陣に引いてボールを持たされることで機能しない試合が増えた。ボールを出し入れし人が動いて崩す戦略はそれなりに機能し、チャンスを作るところまでは言っていたと思うが、攻撃の効率は明らかに落ちた。
必死に打開策を講じ、内容的には意図は窺えたが、結果が出ないことで形が崩れたり焦りが出たりして深みにハマった。シーズン前半に急成長したことで、伸びしろをいったん使いきり、パッツンパッツンにストレッチした状態となって、そこからの危機管理能力、変事抵抗力など、「思った通りに行かない時に何とか踏みとどまって修正する力」が追いつかなかったと言う他ない。そういう意味ではまだタイトルに届くだけの体力も準備も覚悟もなかった、時は満ちていなかったということだ。
それでも2017年のようなフラストレーションはなく、サポの間からも監督やクラブに対する疑問の声はほとんど聞かれなかったように思う。それは、ひとつにはシーズン前半の成功体験に対する信頼であり、また長谷川監督から都度的確なコメントが出されたことも大きかった。状況をどう認識しているのか、そしてそれにどう対応するのかが、きちんとした言葉で責任ある立場の人間から説明されることは重要だった。
さらには、シーズン後半の戦い方が、勝てないまでも目指す方向として納得感のあるものだったことはもうひとつの要因だったと思う。シーズン前半の戦いを踏まえ、強度の高い守備からの素早い切り替え、スピードのあるカウンターという戦いをベースにしつつ、そこにポゼッションからの展開などのオプションを増やそうという狙いははっきりしていたし、それ自体は十分に頷けるものだった。
結果として尻すぼみに終わりACLの出場権も得られなかったことは残念だし悔しい。可能性は十分あっただけにもう少し何とかならなかったのかという気持ちはあるが、先に書いた通りまだ機は熟していなかったと考えるしかないだろう。2015年もそうだったが、調子に乗れば好成績を出せる力はあるものの、それを安定して維持したり、問題が起こった時に対処したりする力、あるいはここ一番の局面で冷静にやるべきことをやりきる力がまだ足りないということだ。
長谷川監督は既に留任が決まっており、主力の多くも幸い残留が発表されている。2019年は2018年のチャレンジの結果、できたこととできなかったことを整理し、その上に必要なものを積み上げて結果を出す年にしなければならない。
次回は攻守の両面から2018年の戦いを概観し、2019年の課題を考えたい。
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