フットボール・クレイジー
football crazy
silverboy club
presents
2023年05月28日 21:15
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【ブンデスリーガ第34節】グラードバッハ 2-0 アウグスブルク
■ 2023年5月27日(土) 15:30キックオフ
■ Borussia-Park
最終節は全試合が土曜日の15:30キックオフ。もう毎節こうしてくれればいいのに。スカパーでリアタイ観戦した。グラードバッハはもう10位か11位なのが確定しているが、アウグスブルクは残留のかかった重要な試合のようだ。
今季限りでクラブを去ることが決まっているシュティンドル、テュラム、ベンゼバイニが先発。特にシュティンドルは長いあいだキャプテンとしてクラブに貢献してきた功績が大きく、スタジアムは彼との別れを惜しむモード。試合結果はだれも気にしていない。
GKにはオムランがケガから復帰。一方でコネ、クラマーが負傷でメンバーを外れた。3バックでのスタートとなった。
オムラン
板倉 エルヴェディ ベンゼバイニ
ライナー ヴァイグル ノイハウス ネッツ
ホフマン テュラム シュティンドル
試合は序盤からグラードバッハのペース。ボールを握り少ないタッチでパスをつないで縦に速く押し上げて行く。
早くも3分、中央で縦パスを受けたテュラムがこれを右サイドのホフマンにワンタッチで落とすと、ホフマンもこれをワンタッチで中央へ。ファーから入りこんだネッツがこれをゴールに流しこみゴール。1-0と先制する。
その後もほぼ一方的にグラードバッハがボールを支配、前線の3人のコンビネーションで何度もチャンスを作るがフィニッシュに甘さが出て決めきれず。テュラムは最後に1本決めておきたいし、ホフマンはシュティンドルに取らせたいのがわかる。
40分、テュラムからパスを受けたホフマンが持ち上がり、シュティンドルからワンツーの戻しを受けてファーにシュートを決める。2-0とリードを広げる。内容からすればもっと早く決まっていておかしくないはずの2点め。
前半アディショナル・タイム、シュティンドルからのパスを受けて正面からエリアに入ろうとしたテュラムが敵DFと交錯して倒される。主審はPKスポットを指さし敵DFにイエローカードを示した。
しかしここでVARが介入、確認の結果ファウルの場所がエリアのわずかに手前だったとの判断になりPKは取り消しになりエリア手前からのFKになるとともに、敵DFにはイエローカードではなくレッドカードが示された。
決定的な得点機会の阻止ということで本来なら退場となるべきところ、、エリア内ならPKが与えられるとともに三重罰回避のため処分が一等減じられてイエローカードとなるが、エリア外なら原則に戻りFK+退場となるということだろう。
結局そのまま2-0で前半を終了。関心はシュティンドルにゴールを決めさせることができるかどうかに移っている。アウグスブルクはこの試合に負け、ボッフムとVfBが勝つと入替戦にまわることになる。この時点でボッフムは勝っており、VfBはスコアレスだったのでアウグスブルクはギリ残留圏だが、VfBがゴールを決めるとわからなくなる。
後半になると両チームともガツガツ勝ちに行く気はあまりなく、のんびりした展開になる。グラードバッハはすでに2点をリードしており、チャンスはシュティンドルに決めさせようとするがなかなかうまく行かない。
アウグスブルクは状況次第では降格の可能性があり、勝利が必須であるにも関わらず、一人少なくなったことも影響してか同じようにのんびりしたペースにつきあってくれているのが不思議といえば不思議。なにを考えているんだろう。
70分、テュラムに代えてプレアを投入、テュラムはスタンディング・オベーションで送り出された。またこの日ゴールを決めたネッツに代えてヴォルフを投入。その後もチャンスは作るもののプレーに雑さが出て決めきれない。
85分、シュティンドルに代えてヘアマンを投入。シュティンドルは満場のスタンディング・オベーションで送り出される。こうやってクラブを去る選手は試合終了前に交代で退かせ、栄誉を受ける機会を作るのが慣例であり、それができる試合になったのはラッキーだし、ファルケ監督も心得ている。最後の試合でゴールがほしかった。
動意の乏しいまま試合は進み、90分にはライナーとノイハウスに代えてフリードリヒとヤンチュケを投入、もうだれがどこを守っているのかよくわからなかったが特にそれで困ることもなく2-0で試合は終了した。
アウグスブルクはVfBが引き分けたため結果として残留が決まった。よかったね。
それにしてもアウグスブルクはVfBがアディショナル・タイムにゴール決めて勝ってれば16位に落ちる可能性があるというのに、なんであんなに後半のんびりしてたのかまったくのナゾだった。入替戦上等の覚悟ができてたってことか。まあよそのクラブの話だからいいんだけど。
これでグラードバッハは11勝13敗10分でシーズンを終了、勝ち点は最終的に43となったが、1試合あたりの勝ち点は1.26にとどまった。順位はひとつ上げて10位でのフィニッシュだが、順位表の下半分でもちろんヨーロッパにはかすりもしなかった。
ファルケ監督のやろうとしていることはわからなくもなく嫌いじゃないが、ハマらないことの方が多く苦しいシーズンだった。板倉、ヴァイグルというキー・プレイヤーが離脱したことでシーズン中盤につまずき、それをリカバーできないまま勝ったり負けたりを繰り返す不安定なシーズンになった。
エバールSDがクラブを去り、テュラム、ベンゼバイニという主力が契約を更新せず、将来像に不安を抱えたままの戦いで集中もしにくかった。シーズン終盤にはシュティンドルのKSCへの移籍も発表され、ひとつの時代が終ったことを強く印象づけた。終りと始まりが混在し、集中しにくい環境で、自信や確信をもって戦うことがむずかしかった。
今季の成績はまったく満足できるものではなく、来季についてはファルケ監督の去就もまだはっきりしていないし、シュティンドル、テュラム、ベンゼバイニ以外の主力が残留してくれるかどうかも未知数。
ファルケ監督でもう一年見てみたい気はするし、オムラン、板倉、エルヴェディ、ヴァイグル、コネ、ホフマン、ノイハウス、プレアあたりを主軸にしたチーム構成は十分骨格として機能すると思うが、しばらくは報道に一喜一憂する日々になるだろう。
ダニエル・ファルケ監督談話:
「シーズンの最後の試合の絵を自由に描くことができるとすればまさに今日のような試合になるだろう。シーズンの終りとして完璧だった。我々は勝ち点3を上積みし、ケルンを抜き、ホームでの戦績をよくして、クラブを去る選手たちに完璧なお別れをすることができた。チームには大きな賞賛を贈りたい。しっかりとボールを握り、ポゼッションでは相手に非常にしんどい試合をさせ、ほとんど完璧だった。ふたつのゴールはとても素晴らしかった。後半はこうしたパンチがなくなりやや試合を終わらせることに偏った。ただ全体としては完封できたことが喜ばしい」
この試合では来季のユニを着用。襟のついたクラシックなデザインだ。板倉が残ってくれるなら3番を買いたい。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2023年05月27日 21:17
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【Jリーグ第15節】神戸 3-2 FC東京
■ 2023年5月27日(土) 14:00キックオフ
■ ノエビアスタジアム神戸
天気のいい土曜日、神戸も暑いくらいの好天のようだ。おとなしく自宅DAZN観戦。前節鹿島と追いつく形で引き分けており、週央のルヴァンカップでもほぼ主力のメンバーでスコアレス・ドロー。日程的には厳しいが現在地を確認するために重要な試合。
木本に代えてエンリケをCBで先発させた以外は前節と同じ先発。多くの選手がルヴァンカップのC大阪戦から中二日での試合となる。日曜日開催にしてくれればいいのに。ルヴァンカップで負傷退場したバングーナガンデはベンチ外。
スウォビィク
長友 森重 トレヴィザン 徳元
小泉 東慶 安部
仲川 オリヴェイラ 渡邊
立ち上がりは互いに主導権を取ろうと前に出てぶつかりあいとなるが、10分を過ぎたあたりから神戸がセカンド・ボールを回収する動きが顕著になり、これを素早くトップに当てられてゴール前で苦しい守備を強いられるシーンが増える。
20分、右サイドで縦にしかけられ、深いところからクロス・ボールを入れられると、中央でクリアしきれずファーに入りこんだ敵FWに流しこまれて失点、0-1と先制を許す。クロスに対しゴール前で敵FWをフリーにしてしまう悪癖が出た感じのお粗末な失点。
その後も勢いを得た神戸に押しこまれる時間帯となるが、スウォビィクの好セーブもあってなんとかしのぐ。東京は神戸の前プレを受けてパスがズレるケースが多く、せっかくのマイ・ボールも前線に運べない。
36分、スウォビィクのフィードを仲川が収めて敵ゴール前のシーンになる。安部がエリア内のこぼれ球に詰めて振りぬくがボールはニア・ポストを直撃、ゴールは決まらない。これが入っていればというシュートだったが…。
すると41分、敵のプレスを受けたスウォビィクが足をすべらせてフィードをミス、これを敵に拾われ、左サイドからゴール前にクロスを流しこまれる。これをニアで引っかけられ失点、0-2とリードを広げられる。奪われ方が悪く後手にまわった。
さらに44分、敵陣からのスルー・パスから裏に抜け出され、スウォビィクとの一対一を作られる。これを冷静に決められて0-3に。セカンド・ボールをことごとく拾われてワンサイドにされたまま前半を終えた。
神戸はさすが首位だけあってインテンシティが高く、戦術がよく整理され共有されているうえ、プレー精度も高い。東京の不甲斐なさもあるが今の神戸の強さをのびのびと表現させてしまった。後半まずは1点から。
後半から渡邊、東慶に代えて塚川、青木を投入、中盤で時間を作り前向きにボールを運ぶ目論見だろう。暑さもあってか3点のリードを得た神戸が前半ほどのプレスをかけなくなり、東京がボールを持つ時間が次第に長くなる。
49分、徳元のロング・スローからオリヴェイラが落とし、最後は青木がシュートしたが枠外に。オリヴェイラがオフサイドと判定されたようだ。53分にはやはり徳元のスロー・インから塚川にボールが渡りシュートを放つが敵DFにブロックされる。枠に飛んだいいシュートだった。
57分、ほぼ正面30メートル弱あたりでFKを得る。これを徳元がけるとボールは壁に当たって高く上がり、その落ちぎわを取りに行った敵DFの腕に当たりPKの判定し。確かに身体から離れた手にボールが当たってはいるが、身体を不自然に大きく見せたわけでもなくやや厳しい判定か。VARでも判定は維持された。
59分、オリヴェイラがいつものアレでゴール左隅にPKを決め1-3と2点差に。もう頼むからふつうにけってくれといつも思うんだが。
その後は互いにプレスがかからないなかオープンな展開となり、東京が追い上げる流れに。65分、トレヴィザンが自陣でカットしたボールをそのままドリブルで持ちあがり、エリア手前から強烈なミドル・シュートを放つが枠の外に。
さらに67分には、エリア内に入ったボールをオリヴェイラが落とすと安部がシュートするが敵DFにブロックされる。71分には徳元の左CKにトレヴィザンが頭で合わせるがゴール右へ。チャンスは作るが最後のところが決めきれない。
76分、仲川に代えて俵積田を投入。引き続き東京が押しこむ時間帯となっており、79分、塚川がオリヴェイラとのワンツーでエリアに入りシュートを放つがバーの上に。81分、安部に代えてペロッチを投入、おそらくオリヴェイラとの2トップにして4-4-2的な感じにしたかもしれない。
82分、敵陣中央で得たFKを森重が右サイドに開いた塚川にサイン・プレーで渡すと、ここから塚川がシュートしたボールが対応に出た敵DFの腕に当たりPKとなる。こちらはまさに上げた手がシュート軌道に入って当たっており文句のないPK。
84分、このPKをペロッチが決め2-3と1点差に。残り時間も同点を目指して前がかりに攻めたが取りきれず、結局そのまま試合は終了し、2-3での敗戦となった。
前半、神戸に押しこまれセカンド・ボールをほとんど拾えないなかで3点を奪われたが、後半立て直し、PKとはいえ2点を返した。終盤は完全に東京のペースになったが、いかんせん前半のビハインドが重すぎ追いつけず。試合展開の拙さで大事な試合を落とした。
数字的にはシュート数10-9、CK4-10、ポゼッション52-48と五分以上の戦いにも見えるし、時間帯によっては確かにそうなのだが、前半押しこまれたて続けに失点してゲームプランもなにもなくなってからの反撃をフェアに評価するのはむずかしい。
PKは押しこんだ結果奪ったものではあるが、ゴール結局その2本のみで、前節同様流れからは取れておらず、ポジショニングで優位を作りボールを動かしながら敵をはがして押し上げて行くという本来の道筋を進んでいる感がしてこないのがキツい。
特に前半、相手のプレスも厳しいなかで、リスクを意識してか思いきって前につけることができず、後ろでのミスで自滅し自ら試合を難しくしているのは鹿島戦と同じ。リードされ、また疲れも出て敵のプレスが緩んでからしか前に出て行けないのならこういう苦しい試合を繰り返すことになるだろう。
ある程度現実的な戦い方をして勝ち点を積み上げながら内容をレベルアップして行くというのがあるべきだが、時間帯や局面によって戦い方を調整するゲーム・マネジメントや、思い通りに行かないときの変事対応力など、基本的な戦術だけでなく、勝利に向けて不断に状況を読み、それに対応して行く力が問われているのではないか。
アルベル監督は基本戦術の落としこみに対しては高い意識があると思うが、戦いの現場で策を駆使して勝利を引き寄せる勝負師としてのしたたかさは正直よく見えず、そのために壁にぶち当たっているのが現状ではないかと思う。
この試合でもうまくボールを動かせる局面はあったし、ひとりひとりの選手は必死に戦っているのに、それが勝利に向けて有効に組織されていない感が強かった。ベースとなる戦術の共有、徹底は図らなければならないが、戦いにおいてスクランブルの選択肢はなければならないし、そのうえでなぜそれを発動しなければならなくなったかを検証しながらレベルを上げて行くものだと思っている。
シーズンも半分が過ぎようとしていて、この段階でできてることとできてないことの棚卸は必要。選手が合ってないのか、落としこみができてないのか、監督やコーチング・スタッフの能力が足りないのか、それとももともとどうやってもこれくらいは時間がかかるもので地道に根気強くやるしかないのか、それを検証してクラブからステートメントを出してもいい時期に来ている感がある。
今リーグで上位にいるクラブも戦術を積み上げる段階で結果の出ない時期はあったし、そこを耐えきったか投げ出したかで収穫の季節が訪れるかどうかが決まると僕はまだ思っているが、クラブはそこをどう見ているのか、考えを聞きたい。
これで15試合を終え5勝6敗4分で勝ち点19(1試合あたり1.27)、順位は暫定で10位だ。上位との差は確実に開きつつあり、今季の残り半分をどう戦うか、なんとなく戦うのはリスクが高い。
評点(評点は
ドイツ式
):
スウォビィク(4) ファイン・セーブもあったが足元が怖い。
長友(5) 押しこまれ対面との勝負に苦労した。
森重(5) DFラインをコントロールできず背走に追われた。
トレヴィザン(4.5) 高さ勝負には負けなかった。
徳元(5) 前半はマッチアップで後れをとった。
小泉(4) 後半は巻き返す起点になった。
東慶(5) 後ろを向いての守備が多かった。
安部(4.5) 後半は積極的に前に出た。
仲川(4.5) 受けたボールの落としどころが見当たらず。
オリヴェイラ(4) 必死で収めたがその先がなかった。
渡邊(4.5) 苦しいところで持たされ打開むずかしかった。
===
青木(4) ルヴァンカップから好調。先発で見たい。
塚川(4.5) 後半の推進役になった。
ペロッチ(4.5) ポストとして生きる。PKはよく決めた。
俵積田(-) 時間短し。特徴は出せた。
さすがに前半0-3は重たかった。実際神戸が強かった。
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FC東京
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J1リーグ戦
2023年05月25日 00:36
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【ルヴァンカップ第5節】FC東京 0-0 C大阪
■ 2023年5月24日(水) 19:00キックオフ
■ 味の素スタジアム
仕事終わりからの味スタ駆けつけ。こないだの国立での川崎戦みたいに19時30分のキックオフにしてくれると、都心の職場からのアクセスが全然ラクになるんだけど。国立でやれて味スタでやらないのはなぜなんだろう。見にくる側の事情を考えてほしい。
ルヴァンカップがどうなっているかもう忘れていたが、2勝2敗のグループ2位で迎えた第5節、勝てば勝ち抜けに大きく近づく。ホームでしっかり勝ち点3を積み上げてタイトルを狙いたい。
週央の試合ではあるが勝ち抜けのために落とせない試合とあってか木本、森重、東、渡邊、安部、小泉、オリヴェイラらの主力を起用。右SBには特別指定の安斎を先発させた。トップにはペロッチが先発。
野澤大
安斎 木本 森重 バングーナガンデ
小泉 東 安部
オリヴェイラ ペロッチ 渡邊
序盤は互いに主導権を争う五分の戦いとなるが、大阪の方が早めに前線にボールを送ってチャンスを作る。東京は中を固めて対処するが、やや押され気味に。チャンスは散発でなかなかフィニッシュまで行けない。
23分、バングーナガンデが敵との接触で倒れる。その場でのファウルはなかったが試合を止めての治療となり、最終的に24分に徳元と交代する。足をケガした模様で心配だ。想定外の交代で枠をひとつ使ってしまう。
東京は球際で踏ん張り、囲んでのボール奪取やインターセプトからマイ・ボールにするものの、大阪の切り替えも速く、奪い返されたり密集になってファウルを取られたりするなどなかなか次につなげないシーンも多い。
38分、オリヴェイラがエリア内で安部からパスを受け、反転してシュートを放つが枠外に。互いにプレーに精度を欠いて決めきれない時間が続く。東京はペロッチに当てたボールを渡邊、オリヴェイラが拾う形を想定しているもののマークも厳しくおもうようにはやらせてもらえない。
一方で大阪の攻撃も最後のところが雑で助かるシーンも多い。チャンスは作られながらもスコアレスのままで前半を終えた。なかなか足がかりを作れないまま45分が過ぎてしまった感じで、後半ワンチャン勝負になる予感。ペロッチに期待したい。
後半からオリヴェイラと東慶を下げて俵積田と青木を投入。俵積田は左ウィングに入り、渡邊が右に。これによって中盤が安定、また前にパスを付けるシーンが増え、攻撃のギアが一段上がった感があった。
47分、53分、55分とたて続けに徳元のCKにペロッチ、渡邊が合わせるがゴールにならず。この時間帯は押しこめていたが大阪の守備も堅い。敵陣で試合を進める時間が長くなる。この流れで決めたい。
65分には左サイドから切れこんだ徳元のラスト・パスに渡邊が合わせるが敵GKがブロック。67分、渡邊からのスルー・パスを追った俵積田がGKと競り合うがボールは惜しくも枠外に。東京が積極的なプレスから主導権を握り攻撃をしかけている。
74分、ペロッチに代えて塚川を投入。週末の鹿島戦でも塚川のトップ起用はあったが、この局面で敢えてトップに投入する意味がわからなかった。ペロッチはよくボールを収めており、本人としても手ごたえがあったように見えただけに交代は残念。
その後も俵積田の突破、徳元のクロスや持ち上がりからチャンスを作るがゴールは生まれない。大阪のチャンスもあるが、散発的なものにとどまり、この時間帯の組織戦では球際でうわまわった東京が優位に。
89分、渡邊に代えて寺山を投入。これも意味がわからなかった。おそらくはベンチに残っていた前目の選手が寺山だけだったとかそんな理由ではないのかと思う。最後までゴールを狙って攻め続けたが、結局ゴールは遠くスコアレスドローとなった。
前半は大阪のペースにつきあい、あまり得点の匂いのしない展開だったが、後半、青木のところでボールが落ち着くようになり、ペロッチの落としもハマり始めて、ワンタッチで小気味よくパスがつながって一気に押し上げるシーンが生まれるようになった。
可能性を感じさせる展開だったが、最後の一歩のところで敵に寄せられ打ちきれないケースが多いのがもったいなかった。このへんは技術の問題なのかメンタルの問題なのかわからないが、ゴール前までは行けていた。
数字を見ればシュート数10-12、CK5-7、ポゼッション44-56と大阪に分があるようにも見えるが、前半と後半では流れが変わった試合で、特に後半は我々のペースだっただけに決めきれなかったのが悔しい。
主力を投入したからには勝ち点3を取らなければならなかったが、敵をノー・ゴールに抑えて最低限の勝ち点1を得たのは結果としては悪くない。グループ突破の可能性は十分あり、最終節、アウェイでの京都戦に命運を賭することになる。
週末には中二日で首位・神戸との対決があり、選手起用がむずかしかったのは理解するが、オリヴェイラはともかく、ペロッチを下げたことで可能性は低くなってしまったような気がした。それでも俵積田が積極的にしかけたのが目を引いたし、それだけになんとか1点は取っておきたかったが奏功しなかった。
後半の流動的な攻撃に、今我々がやろうとしていることの意図が表れているような気がしたし、これを継続しながら、だれが出ても同じ目線でボールが動くフットボールを見たいと思う。スコアレスながらリーグ戦にもつながる試合だったと思うが、勝てたし勝ちたかった。
評点(評点は
ドイツ式
):
野澤(3) 終盤スーパー・セーブでチームを救った。
安斎(3.5) 思い切りのいい縦の突破で存在感を見せた。
木本(4) ややお疲れか。今日は休ませたかった。
森重(3.5) 読みのよさで守備を牽引。調子上げてきてる。
バングーナガンデ(4) 負傷退場。重傷でなければいいが。
小泉(3.5) 「ここにだれか」というときに絶対いる。
東慶(4) 前半はリズム作れなかった。
安部(3.5) こんな走って週末大丈夫かな。
オリヴェイラ(3.5) やはりサイド起用が向いてるように思う。
ペロッチ(3.5) 後半見せたシンプルな落としはよかった。
渡邊(3.5) ほぼフル出場で週末が心配に。
===
徳元(3.5) すべてのプレーに意図がこめられている。
青木(3.5) よさを再認識。リーグ戦で見たい。
俵積田(3) 積極的なしかけが効いた。ゴールほしかった。
塚川(3.5) 渡邊とのコンビが合うように思う。
寺山(-) 時間短し。
途中から寒かった。
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FC東京
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ナビスコカップ/ルヴァンカップ
2023年05月23日 23:52
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【ブンデスリーガ第33節】レバークーゼン 2-2 グラードバッハ
■ 2023年5月21日(日) 19:30キックオフ
■ BayArena (Leverkusen)
この日本時間の月曜日未明というのがほんといちばんやめてほしい時間帯。タイトルでも争っていれば別かもしれないが、月曜日に朝早く起きるのももうイヤになって録画をあとから見た。結果情報は遮断していたが、はからずも順位表を見てしまい、勝ち点が1だけ増えているのがわかった。
中位確定でとくに目指すものもない試合。来季をにらんでできる限りのことはやっておきたいし、今季限りでいなくなる選手らの活躍も見たいが、モラルを維持するのは難しそうだ。
ベンゼバイニが警告累積で出場停止。前節後半に試した3バックをスタートから採用し、板倉が先発に復帰した。オムランは引き続き負傷で欠場。シュティンドル、プレア、ノイハウスはベンチ・スタート。
オルショフスキ
板倉 フリードリヒ エルヴェディ
ライナー ヴァイグル ネッツ
クラマー コネ
ホフマン テュラム クラマー
立ち上がりはどちらも慎重に様子を見ながら試合に入った。どちらかといえばグラードバッハがボールを持ってしかけるものの、レバークーゼンの守備は固く、引っかけられたボールから切りかえで持ち上がられるパターンが目立つ。
15分、中盤から前線へスルー・パスを通され裏に走られる。フリードリヒが並走したが角度のないところから股を抜くシュートを決められ失点、0-1と先制を許す。実力のあるクラブに先行されるとあとが厳しくなる。
さらに20分、左サイドからのクロスにゴール前でヘディング・シュートを決められ続けざまに失点、0-2とリードを広げられる。オルショフスキがクロスをキャッチしようとしたがその前に入られた。対応が拙かった感は拭えない。
その後はリスクを負う必要がなくなったレバークーゼンに対してグラードバッハがボールを支配しながら攻撃をしかける展開だが、フィニッシュのアイデアを欠きブロックを崩すことができない。チャンスは散発で0-2のまま前半を終えた。
後半に入っても流れは大きくは変わらなかったが、58分、敵DFのバックパスがラフにバウンドし敵GKがこれを足元に収めきれずルーズに。ここに猛然とラッシュしたホフマンがボールを奪いそのままゴールに流しこんで1-2と1点を返す。いただきものだがホフマンがチャンスを見逃さずよく決めきった。
64分、クラマーに代えてシュティンドルを投入。板倉を右SB的な位置に押し出し、4-2-3-1に近い陣形にシフトしたように見えた。知ってしまった結果からすればどこかで追いつくはずだと思いながら見ていたがなかなか次のゴールは決まらない。
敵失に乗じて1点差に迫ったグラードバッハに勢いがあり、敵陣を中心に試合を進めるが、うかつなボール・ロストからはレバークーゼンもやりきる力はあり拮抗した展開になる。
76分、コネに代えてプレアを投入、再びヴァイグルのアンカー・システムに戻したか。チャンスを作るが決めきれず、時計が進む。86分、ライナーとネッツに代えてヘアマンとエングムを投入。左SBがどうなったのかもうわからない。というかいつ追いつくのか。
90分、敵DFがGKにボールを戻そうとしたバックパスをテュラムがカット、目の前のシュティンドルに渡すとシュティンドルが至近距離からこれをけりこみゴール。2-2の同点となる。
テュラムはその前のプレーでゴール内に倒れこんでおり、起き上がってプレーに戻ろうとしたところで敵からのバックパスをGKに代わって受けるかっこうになった。完全にオフサイド・ポジションだったが、守備側からのボールでありそれをシュティンドルにマイナスで落としたのでオフサイドにもならずゴールとなった。
アディショナル・タイムにはヴァイグルが敵DFと衝突し敵DFが一発退場となるシーンもあったが試合はそのまま終了、敵のミスで2点を稼ぎ、前半の失点を帳消しにした。
立ち上がりに立て続けに失点し流れは最悪で、本当に引き分けになるのか、順位表を見間違えたかと思ったが、その後はなんとか立て直し、後半敵失からとはいえ粘り強く追いついた。それ以外にもチャンスは作れており、内容的にも、妥当とまでは言わないがラッキーだけではない勝ち点1だったと思う。
まあ、kickerには「内容以上に見ばえのいい2-2」みたいな書かれ方をしたが、ホフマンとシュティンドルというチームのエンジンが決めて追いついたことには意味があった。しっかり敵を囲んで奪ったボールをつないで攻め上がる局面もあり、なにもできなかったわけではないが、序盤、例によって簡単に失点したことで試合を難しくした。
このゲーム・マネジメントの拙さ、守備面での淡白さからサクッと先制され、必要以上にしんどい展開を強いられる悪癖は今季ずっと続いているもので、だからといって慎重に入ると攻撃の手数がでなくなる悪循環になっている。できていることとできていないことの整理が最後までつかなかったシーズンのような気がする。
残すは最終節のみ。33試合で10勝13敗10分、勝ち点をようやく40に乗せたが、1試合あたり1.21は少なすぎで、順位も11位のまま。今季10位以下は確定しており(10位か11位)、チャレンジはしたがうまく行かなかったシーズンというほかない。
最終節、ホームでのアウグスブルク戦でしっかり締めくくりたい。
ダニエル・ファルケ監督談話:
「前半はプレイスピードがなかった。ボールを持っていてもしまりがなく、何度か無用のボール・ロストをしてしまった。あの時間帯はもっと集中し、はっきりやらなければならなかった。特にクロスに対する対応がうまくできておらず、そのため前半で0-2にされてしまった。しかしそこからのチームの反応には誇りが持てる。ヨーロッパでも最もカウンターの強いクラブを相手に、0-2のビハインドという難しい状況からこれだけの後半を戦ったのは本当に素晴らしい。我々はずっと戦い続け、ゴールを奪うことができた。同点にできたのは妥当という以上のものだ。最後には勝てなかったことが不満に思えるほどだった」
今季ってなんだったんだろうな。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2023年05月21日 00:54
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【Jリーグ第14節】鹿島 1-1 FC東京
■ 2023年5月20日(土) 15:00キックオフ
■ 県立カシマサッカースタジアム
クルマで日帰りするつもりでチケットも買っていたが、先週の週末は関西に帰省していたので今週は家でゆっくりすることにして、チケットは鹿島サポの友人に譲り自宅DAZN観戦することにした。
鹿島はこのところ5連勝と好調で難しい試合になることは当然予想されるが、東京も前節国立で川崎に勝ち調子を上げており、アウェイとはいえ勝ち点を持ち帰りたい。先発は前節と同じメンバー、ペロッチがメンバー外となった。
スウォビィク
長友 木本 森重 徳元
小泉 東 安部
仲川 オリヴェイラ 渡邊
立ち上がりから鹿島がシンプルに前線にボールを放りこみ、セカンドボールを拾って攻撃をしかける。6分、右サイドの深いところに縦パスを入れられ、ここからのクロスにニアで合わされて失点。0-1と早い時間帯にビハインドを背負う。木本がマークを外して敵FWをフリーにしてしまった。
その後は守備に比重を移す鹿島に対し東京がボールを持つ時間が長くなるが、鹿島のブロックが堅く、またCBの空中戦の強さが際だち、チャンスは作るもののフィニッシュまではもちこめない。
16分、徳元の左CKに森重が頭で合わせるが敵GKにセーブされる。GKがファンブルしたボールを安部が押しこもうとするがこれはオフサイドに。東京のファースト・シュートとなる。
22分、右サイドの長友からのクロスに中央のオリヴェイラが頭で合わせるがこれはバーの上。25分、エリア内でパスを受けたオリヴェイラが敵DFに倒されファウルの判定。PKを得る。それほど激しい接触ではなかったが手を使って突き倒されたように見え、VARによるチェックの結果判定が支持される。
28分、オリヴェイラが自らこのPKを決め1-1と同点に追いつく。こないだ外してるのでちょっとドキドキしたが(オリヴェイラのPKはいつもドキドキするが)きれいに右下隅に転がした。
その後は激しく主導権を争いながら互いに攻撃をしかける展開になるが決定力を欠き神経質な試合になる。37分、徳元のロング・スローから中央で混戦となり、最後は仲川がバイシクル・シュートを放つがゴール左に外れる。鹿島の選手が審判に執拗に抗議していたがなにが問題だったのかわからなかった。
結局前半はそのまま1-1で終了。立ち上がりの失点はヤバかったが、いただきもののPKで前半のうちに追いつけたのが大きい。引き続きセンシティブな戦いになりそうだが我慢強くプレーしたい。隙を見せた方がヤられる感じのテンション高い試合になっている。
後半から仲川に代えて塚川を投入。渡邊が右ウィングにスライドし塚川は左ウィングに。52分、左サイドで得たFKを徳元がけるとゴール前で混戦となり、最後は右に開いたオリヴェイラがシュートを放つがGKにセーブされる。
前半に引き続き交互に攻撃をしかけるが堅い守備に遭って攻撃権が移る展開に。ボールは往復するもののどちらも決定機は作れない。守備のバランスが拮抗しており選手の交代も難しい神経戦が続く。
74分、長友とオリヴェイラに代えてバングーナガンデと俵積田を投入。渡邊の交代が準備されていたが、直前にオリヴェイラがおそらく腿裏の違和感を訴えたため交代が差し替えになる。徳元が右SBにスライドしバングーナガンデが左SBに。また俵積田は右ウィングに入り塚川が偽トップになる。
83分、左CKをバングーナガンデがけったボールはいったん中央でひっかかり、こぼれ球に安部が詰めたが敵DFにブロックされる。
さらに84分、同様に左CKをバングーナガンデがけると、ニアの渡邊が頭で伸ばし、ファーの塚川がダイレクト・ボレーでたたきつける。ワンバウンドしたシュートはGKの頭を越えたが惜しくもファー・ポストに嫌われる。この試合で最も勝利に近づいた瞬間だった。
89分、渡邊に代えてアダイウトンを投入、守備面のリスクを取ってでも勝ち点3を取りに行くというメッセージだと理解。その後はボールをアダイウトンに集めようとするが思うように行かず、結局1-1の引き分けに終わった。
序盤のうかつな失点からPKで前半のうちに追いついたところまではよかったが、その後は互いにリスク管理を意識しながらのナーバスな戦いになり決め手を欠いた。内容的には妥当な引き分けというべきだろう。
好調の鹿島に勝ち越しを許さず、集中を保って最後までガチで渡り合った結果、最低限の勝ち点1を持ち帰ることになったのはポジティブに評価していいと思う。気が抜けたらそこで試合終了の感がある試合でここまで戦えたのは収穫だ。
数字的にはシュート数7-8、CK7-3、ポゼッション55-45と東京がボールを持ちながらも全体としては拮抗した殴り合いの感が強い。前節に続いて強度でやり負けなかったことで見るに値する試合をできた。
オリヴェイラのPKは敵DFのプッシングによるもので接触は確かにありダイブではない。そこまで強い接触ではなく、流されても受け入れるしかなかったが、手を使って押し倒したように見えるのがいかにも悪印象だし、接触がある以上、VARも主審の判定をサポートするしかなかったと思う。
フットボールで手を使うということはボールにはまったく関係のないファウルだということであり、強弱は本来関係ない。10回あったら5回くらいは流されそうなシーンで、PKはラッキーな感はもちろんあるが、少なくとも誤審とか不当な判定というのとは違う、サポートできる判断だった。
松木、熊田がU20代表招集で不在のなか、微妙に人が足りないのはしかたないが、交代は正直首をかしげざるを得なかった。ハーフタイムでの仲川の交代がそもそもナゾだったし(ケガでなければいいが)、オリヴェイラを下げたのはスクランブルとはいえ塚川のトップ起用はどうだったのか。
たとえばダブル・ボランチにして渡邊をトップ下に、安部をトップにして、俵積田を左に置くなど選択肢はあったし、青木を入れて中央を安定させ、東を上げる手もあったかもしれない。アダイウトンを使いにくい展開だったが、なんかこんなに人いなかったっけと思ってしまった。あとなんで長友下げて徳元右にまわしてまでバングーナガンデを入れる必要があったのかはナゾ。
試合展開としては前半のうちに追いつけたのが大きかったが、得点はPKだけで、流れからゴールが奪えていないこと、開始5分ほどでサクッと失点してしまったことは受け止めなければならない。課題はまだまだあるが、今日の強度を保ちながら戦術の落としこみと見直しのサイクルをまわして行けば底上げはできてくるはずなので、焦れずにやり続けたい。
これで14試合を終えて5勝5敗4分、勝ち点は19(1試合あたり1.36)となり10位に。4位から12位の9クラブが勝ち点差5のなかにひしめいており、今は順位より勝ち点を積み上げてこのグループから上に抜け出すことを考えなければならない。この引き分けの価値は次の試合の結果で決まる。
評点(評点は
ドイツ式
):
スウォビィク(3) 安定したセービングで勝ち点を守った。
長友(4) ベテランらしく気の利いた動きで試合を締めた。
木本(4.5) しぶとくプレーしたが失点シーンだけが残念だった。
森重(3.5) 読みのよさでピンチの芽を摘んだ。
徳元(4) 動きが整理されていてバランスがいい。
安部(4) 基準の難しい判定に悩まされ続けた。
東(4) ここ一番でボールを落ち着かせた。
小泉(3.5) ポジションを捨てる判断ができる。
仲川(4) なぜ前半で交代だったのか。悪くなかったが。
オリヴェイラ(3.5) 前線で敵の守備を引っ張った。
渡邊(4) いるべき場所の見極めができている。
===
塚川(4) あれが入ってれば…。
俵積田(4.5) 特徴出せず。
バングーナガンデ(4.5) 最後のCKはちょっとがっくり。
アダイウトン(-) 時間短し。一発を期待したが。
水曜日にルヴァンカップがあるので、うまくターンオーバーしながらチームの状態を整えたい。
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FC東京
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J1リーグ戦
2023年05月15日 00:28
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【ブンデスリーガ第32節】BVB 5-2 グラードバッハ
■ 2023年5月13日(土) 18:30キックオフ
■ Signal-Iduna-Park (Dortmund)
実家に帰省中だったのでスカパーを録画して日曜日の夜に見た。結果情報の遮断はそれほどむずかしくなかった。
前節ホームでボッフムに快勝してのアウェイ・ゲーム。優勝争いの渦中にあるBVBが相手とあって厳しい戦いになることは予想されるが、なんとか勝ち点を持ち帰りたい。
板倉が警告累積の出場停止から復帰したもののベンチ・スタート。プレアが出場停止のためエングムがトップで先発となった。オムランはケガで欠場となりオルショフスキがゴールを守る。
オルショフスキ
ライナー フリードリヒ エルヴェディ ベンゼバイニ
コネ ヴァイグル
ホフマン ノイハウス ヴォルフ
エングム
ホームの圧のあと押しを受けて高いモラルで試合に入るBVBに対し、特に目指すものもないグラードバッハは立ち上がりから押しこまれる。5分、中央から攻めこまれシュートを打たれる。ベンゼバイニがブロックに入りゴール前に上がったボールを頭で押しこまれ失点、早くも0-1とビハインドを背負う。
12分、中央のノイハウスからパスを受けた左サイドのベンゼバイニがワントラップから右足でシュートを放つが敵GKがセーブ。
17分、敵FWが中央でパスを受けたところに後ろからノイハウスがあびせ倒すかたちになりPKとなる。18分、PKに対しオルショフスキが飛んだ方向は当たっていたが身体の下をボールが抜けゴールに。0-2となる。
さらに直後の20分、ポケットに入られここからの戻しのパスをヒールで引っかけられてたて続けに失点、0-3とされる。この時点で試合としては決まった感があった。人は揃っていても連携して守る意識が足りなかったように見えた。
グラードバッハはそれでも攻撃をしかけ、27分にはヴォルフからのパスを受けたエングムが左サイドから切れこんで巻いたシュートをファーに狙うが枠の外に。攻撃も連係よりは散発、個人の踏ん張りの集成という感じで意図が見えてこない。
逆に32分、ワンタッチで左サイドの裏を取られ、ここから折り返されたボールを中央でダイレクトで合わされ失点、0-4とリードを広げられる。すべてワンタッチでボールがつながっており下がりながらの対応で後手にまわった。頭のなかでチーンと音がした感じ。
36分、左サイドで得たFKをホフマンがけるとファーのフリードリヒが頭で合わせるが敵GKに押さえられる。着々と加点され気がつくと4点差で前半を終えた。
後半からヴォルフに代えて板倉を投入、フリードリヒを中央に置いた3バックに移行し、3-5-2のフォーメーションに。これで後ろが安定し、攻撃にも連続性が出てくる。48分、ホフマンの右CKから後ろにこぼれたボールをノイハウスがダイレクトで狙うがバーの上。
その後はリスクを取る必要のないBVBに対し、グラードバッハが積極的に攻める展開に。68分、ノイハウスに代えてクラマーを投入。ノイハウスはそれほど悪くなかったと思うが、まあクラマー投入自体は悪くない。
73分、パスを受けて左サイドからエリアに入りこもうとしたベンゼバイニが競り合いで倒される。これがPKとなり、75分、ベンゼバイニが自らこれを決めて1-4に。ここでエングムとコネに代えてシュティンドルとネッツを投入。クラマーがボランチに落ちたと思う。
76分、シュティンドルのスルー・パスを受けて裏抜けしたネッツがループ・シュートをねらうがボールの勢いが足らずゴール直前で敵DFにクリアされる。決めておきたかった。82分、エルヴェディに代えてヤンチュケを投入。ケガか。
86分、ベンゼバイニの長いボールを追ったネッツが敵陣深いところでこれを収めると、ここからの戻しのパスをエリア外で受けたシュティンドルがワン・トラップからけりこんでゴール。2-4と2点差にする。
さらに88分、敵陣で引っかけたボールを右サイドに展開、ライナーが深いところから折り返したボールを再びシュティンドルがダイレクトでねらうがシュートは敵GKにセーブされる。これも決まっていておかしくないシュートだった。
アディショナル・タイムには敵FKが枠に来たのをオルショフスキがセーブするがボールを確保しきれず、これを押しこまれて失点、最終的には2-5で試合を終えた。
そこまで個々の動きが悪かったわけではないと思うが、チームとして試合に入るなかでの焦点が絞りきれず、意思結集ができないままズルズルと失点を重ね自ら試合を難しくした。後半フォーメーションを変えて立て直し、2点差まで詰め寄ったが4点差は重く、最後にダメ押しを受けて試合終了。モラルを保ちにくいチーム状況が出た。
シュート数13-34、CK4-10、ポセッション45-55とBVB優位は動かせず、特に前半やられすぎた。もっと悪い結果になる可能性もあったが、なんとか一矢は報いたと考えるべきか。後半の逸機が悔やまれる。
この試合のどこを見るかで評価は変わってくると思うが、チーム全体の目標を設定しにくいなかで、なんのために戦うのかの「意味」を設定するのは監督の仕事であり、組織的な動機づけができていない感じがする。
終盤、ネッツがいい動きをしたのと、シュティンドルがモラル高くチームを引っ張ってくれているのが救いだったが、今季残り2試合、今のメンバーのいいところをあらためて見てみたい。
これで32試合を終え、10勝13敗9分で勝ち点は39(1試合あたり1.22)で11位。このままでは終われないだろう。
ダニエル・ファルケ監督談話:
「我々はこの結果に落胆しているし、非常に満足できないまま家路につくことになる。我々の前半のパフォーマンスを見る限り妥当なものだ。そこでは事前に考えていたことがなにひとつできなかった。我々はボールを持っているときも持っていないときも非常に規律に欠け、攻撃面でもしっかりやりきることができていなかった。そのためにBVBはトランジットから多くのチャンスを作っていた。我々の一対一の競り合いは今日はのっそりしたものだった。後半はまったく問題がなかった。しかしこんなふうに前半をプレーすれば、ここで勝ち点を得ることからはほど遠い状態になるということだ」
オルショフスキはいい経験になったと思う。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2023年05月13日 02:13
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【Jリーグ第13節】FC東京 2-1 川崎
■ 2023年5月12日(金) 19:30キックオフ
■ 国立競技場
金曜日夜の試合。相手が川崎ということでニュータンタンメンを食べて景気をつけたかったが、会社から国立までの道中に店がなく、ならばということで水道橋のゴーゴーカレーでロースカツカレーを食べ、長友にカツを入れてもらった気になって国立へ。花火やらドローンやら催しも盛りだくさん。
リーグ戦は福岡、札幌とキツい日程で二連敗を喫しているが、正面からガチで打ち合うかっこうになる川崎はむしろ戦いやすいのではないか。そこまでの苦手感はなく、もちろん厳しい相手ではあるが強みを出してホーム・ゲームらしく勝ちたい。
松木がU20ワールドカップに招集されてしまったので不在。ここ数試合ダブル・ボランチで戦ってきたが、この試合では東をアンカーにした4-1-2-3にフォーメーションを戻してきた。塚川が久しぶりにベンチ入り。
スウォビィク
長友 木本 森重 徳元
小泉 東 安部
仲川 オリヴェイラ 渡邊
どちらもパスをつないで押し上げるのが本来の狙いではあるものの、互いに裏をねらう前線へのボールもおりまぜ、激しく主導権を争う立ち上がりとなった。特に東京は高い位置からのプレスも辞さず、川崎の自由を奪おうとボールにアプローチする。
12分、右サイドの長友が入れたクロスがファーに流れ徳元がこれを収める。これをエリア内にもちこみ、角度を作って右足でゴール前に入れたと思ったが、これがそのままファー・ネットに突き刺さりゴール。東京が1-0と先制する。
その後も東京が出足よくボールを奪い、セカンド・ボールもしっかり押さえて敵陣で攻撃をしかける時間が長くなる。15分、仲川がパスを受けて裏に抜け出しもちあがる。エリア内でシュートを放つが敵GKがセーブ、オフサイドの判定となる。
19分には徳元のロング・スローに渡邊が頭で合わせるが敵GKがセーブ。さらに22分には徳元のFKのこぼれ球に安部が詰めるが枠外に。東京が押しこむ時間が続いている。
すると25分、オリヴェイラが高い位置でボールを奪うとそのまま持ちこみ、左サイドの徳元にパス。徳元がこれを中央に折り返すと、ファーに走りこんだ安部がスライディングで押しこみゴール。東京が2-0とリードを広げた。
その後は次第に拮抗した展開となり、川崎の完成度の高い攻撃からチャンスを作られるが、スウォビィクの好セーブもありなんとかゴールは死守する。しかし39分、中央のFWにパスをつながれ、ここからのシュートを決められて失点、2-1と1点差につめよられる。
その後も川崎に勢いが出るが守りきり、2-1で前半を終える。ボールへのアプローチが効いてバタつく川崎の守備につけこみ2点を先制したが、その後は川崎に主導権を握られ1点を返された。このまま終わるとも思えないがリードを生かし、時間を味方にしながらうまく試合をコントロールしたい。
後半も開始早々の49分、敵陣でボールを持った仲川が敵DFのチャージを受け倒れる。当初は単なるファウルとの判定だったがVARが介入、OFRの結果、敵DFが足裏で仲川にチャージしているのが確認され退場に。東京が一人多くなる。
勢いの出た東京は54分、敵ゴール前の攻防から後ろにこぼれたボールを渡邊がエリア外から狙うが惜しくもバーをヒット、このこぼれ球に仲川がバイシクル・シュートを試みるがバーの上に。これが決まっていれば楽に試合を運べたが。
58分には左サイドで得たFKを徳元がけり、ファーで森重が足で合わせたが枠外に。その後は川崎が引くことなく、むしろGKが最終ラインに入るかっこうで全体を押し上げビルド・アップを図ろうとする。東京は守勢にまわる時間が長くなる。
60分、オリヴェイラに代えてアダイウトンを投入、そのままトップへ。突破力をちらつかせることで敵を牽制したい意図か。しかし一人少なくなった川崎のフォーメーションをつかまえきれず、持ち上がられてフィニッシュまでもちこまれるシーンが増える。
73分、渡邊に代えて塚川を投入。塚川はそのまま前線へ。しかし一人少ないとは思えない川崎が攻勢に出て引き続き東京は守備に追われる時間が続く。オープンな展開になりつつありチャンスもあるが散発でフィニッシュまではもちこめず。
88分、仲川に代えてバングーナガンデを投入、左ウィングに入る。それなら俵積田ではないかと思ったが、中途半端な起用だったと思う。
アディショナル・タイムには自陣ゴール前でボールをクリアしようとした森重が飛びこんできた敵FWと激突、倒れこんだが事なきを得る。敵FWは脳震盪で交代。危険なシーンだった。試合はそのまま2-1で終了、国立でのスペシャル・マッチで大きな勝ち点3を得た。
実力的には川崎の完成度に分があったと思うが、早い時間帯に徳元のゴラッソで先制、さらに追加点と効果的に加点し、前半のうちに1点は返されたものの、後半開始早々に敵が退場、苦労しながらもリードを守りきって試合をコントロールすることができた。
数字を見ればシュート数7-8、CK4-6、ポゼッション36-64と内容的には川崎に上回られたが、序盤のリードが効いて、危ないシーンもあったものの、スウォビィクの再三のファイン・セーブもあり、試合そのものを手ばなすことはなかったと思う。
今日の試合は敵陣でのボールへのアプローチが的確で、特に前半はそこから何度もチャンスを作った。左右に揺さぶり最後をしとめるコンビネーションも見られ、うまく行けばこれくらいはできるということはわかった。
一方で後半一人少ない敵に押しこまれたのは反省しなければならず、むしろ10人になって敵がバラけた分捕まえにくかったということか。このへんの川崎のゲーム・マネジメントはさすがによく準備されていたと思う。
交替には疑問があり、オリヴェイラに代えるならアダイウトンではなくやはり前線で収まるペロッチだろうし、渡邊、仲川と代えるのなら常識的にはその時点でアダイウトン、俵積田というのが順当ではないかと思った。塚川はともかく、俵積田をさしおいてバングーバガンでをわざわざ本職とは違う位置で厳しい時間帯に起用する意味がわからなかった。
この試合では長いボールも使い、自陣でのクリティカルなシーンではボールをタッチに捨てることもあって、アルベル監督のリアリストとしての一面も窺える指揮だった。しかし「ボールを愛する」というチーム・コンセプト自体は不変であり、状況判断をより柔軟にできるようメッセージを発しているのではないかと思った。
このあと、鹿島(A)、神戸(A)、横浜(H)と厳しい試合が続くが、我々がどこまで積み上げができているかの試金石となる。ここを越えられないと上位はないと考えるべきで、今日の勝利を足がかりに一気に加速して行きたい。
これで13試合を終了、5勝5敗3分で勝ち点を18(1試合あたり1.38)まで伸ばした。先行実施なので他の試合の結果を待たなければならないが、暫定では順位は8位。最低でもこのへんにはくっついていないとアジアは覚束ない。
アウェイ連敗はショッキングだったし、そこで見られた課題がすべて1週間足らずのうちに片づくわけでは当然ないが、結果が出ていれば修正に取り組む余裕もできてくる。そうやって走りながら直して行くしかないのでここはしっかり戦いながら底上げを図りたい。
評点(評点は
ドイツ式
):
スウォビィク(2.5) 5点くらい止めてくれたと思う。勝利の立役者。
長友(3.5) 地味に対面の選手を止め続けてくれたのが大きかった。
木本(4) 失点関与はもったいなかったがそれ以外は完封。
森重(4) さすがに往年のキレは落ちてきているがまだ代えがたい経験。
徳元(2.5) 嬉しいJ1初ゴール。確実にバングーナガンデよりいい。
安部(3) 脳震盪の選手を揺すっちゃいけないよ。
東(3.5) 鬼の形相で中盤を刈り取り焼け野原にした。
小泉(3.5) 判断が的確。いかついだけではなくクレバー。
仲川(3) しかけは確実にイヤがられていた。バリュー高い。
オリヴェイラ(3.5) よく収めてくれた。交代は予定か。
渡邊(3.5) 神出鬼没でチーム全体を流動化した。
===
アダイウトン(4) クローザーとして使われるのは不本意では。
塚川(4) 守備に追われたのが気の毒だった。
バングーナガンデ(4) 役割期待がはっきりしなかった。
56千人の観客が来場、その試合を決めきれたことはなにより嬉しい。帰りの電車の駅は阿鼻叫喚の地獄図絵だったらしいが、そういうときは副都心線をうまく使えば新宿にも渋谷にも池袋にも近い。今日はそれを知られたか副都心線を使う人が増えていてビビった。
ニュータンタンメンはアウェイ・ゲームの時にとっておくことにした。
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FC東京
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J1リーグ戦
2023年05月11日 21:27
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FC東京エンブレム変更問題についての意見
僕は2002年シーズンに初めてFC東京の試合を味スタ(当時はまだ東スタ)に見に行き、そのままサポーターになって2003年シーズンから現在までシーズンチケットホルダー(SOCIO)であり続けている者です。今回、クラブ(東京フットボール株式会社)からエンブレム変更の提案があり、それについてサポーターのあいだでも議論が活発になっていることから、自分としても意見を表明しておきたいと考えました。
エンブレムのデザインについて
まず結論からいえば、エンブレムを変更することには僕は賛成です。なぜなら今のエンブレムのデザインがはっきりいって気に入っていないからです(実際のエンブレムはFC東京の公式サイトで)。
上記のとおり20年以上にわたってFC東京を応援しつづけている者として、現在のエンブレムをずっと見慣れてきたのは事実です。しかし「うちのエンブレムってデザイン的に今イチじゃね?」というのはずっと思っていたことであり、もちろんどんなデザインに変更になるかという留保はあるにせよ、「もうちょっとカッコいいデザインにならないの?」というのが率直な気持ちです。
形はJリーグのクラブのエンブレムにありがちな盾形でそれ自体はしかたないとも思うものの、てっぺんのトンガリ方はダサいし、その中を四分割して縦じまと横じまに塗り分けている意味がわかりません。「ESTD」という文字の意味が不明だし(「Established」だと推測はしますがわざわざ書くことかと思います)、「1999」という数字の配置はムリっぽい。
なにより中央に配された「燃えるT」のマーク(これが単独で使われることも多い)がまるで素人が定規をあてて描いたようなやっつけ感の強い代物で、アクセントが右上に寄ってしまい上下、左右のバランスが悪い。「T」の縦棒にムリヤリ押しこまれた「F.C.TOKYO」の文字も唐突感があります。
僕はデザインの専門家ではないですが、素人としてこのエンブレムをみて「カッコええ」とは思えないし、仮に美大のグラフィックデザインの授業でFC東京のクラブ・プロファイルを示されてエンブレムをデザインしろという課題が出たときに、これを提出したら先生に「おまえさぁ…」と言われるレベルのつたないデザインではないかと思います。
僕は20年以上このエンブレムを見慣れてきたうえでも格別の「愛着」まではわかないし、むしろ「さすがにそろそろ変えましょうよ」というのが本音です。それは親会社がどうとかクラブビジョンがこうとかいう以前に、そもそもエンブレムとして、FC東京のステークホルダー統合の象徴として、戦う旗印として、その重みを受け止めるだけのデザイン上の力が今のエンブレムにはないと思うからです。
合意形成の進め方について
それでももちろん、エンブレムの変更はクラブに対するサポーターの「思い」に関わる大きなテーマです。デザインがどうであれ25年間慣れ親しんできたこのエンブレムに愛着を持ち、簡単に(あるいは絶対に)変えてほしくないという人がいることは理解はできます。したがって、その変更については「できる限り」広くサポーターなどのステークホルダーの声を聞き、そのなかでも取り入れるべきものは取り入れながら丁寧に進めて行く必要があります。
その意味で、クラブが、一方で株主からエンブレム変更への同意をとりつけながらも、他方でサポーターから意見を聞く機会を作り、そこで寄せられた声を公開しさらに議論を深めようとしているのは手順として妥当だと感じます。結論ありきで意見を聞くふりをしているだけという批判もあり得るところでしょうが僕はそうは思いません。もし意見を聞いた結果圧倒的多数がエンブレム変更に「No」であったなら、変更はおそらくいったん棚上げになっていたのではないでしょうか。
エンブレムの変更などのブランディングは経営上の問題であり、それに責任をもつべきなのはクラブですから、さまざまな声に耳を傾けながらも最後になんらかの判断を下さなければならないのは当然のことです。ステークホルダーの声を聞くとしても、まったくのスクラッチからオープンな議論だけで合意を積み重ねて行くことはできません。
クラブとして、業務を執行する立場からの戦略や方針があり、それを形にしたたたき台があって、それに対するステークホルダーの意見を取り入れて修正も行いながら同意をとりつけて行くというのはビジネスとしてごくあたりまえのプロセスであり、今回のエンブレム変更はまさにその手順にのっとって進められていると僕は感じています。それを「結論ありき」と感じてしまう人はビジネスの現場で合意形成をやったことのない人なのではないかと思います。
サポーターとクラブの信頼関係について
サポーターにはこれまでFC東京を応援し、J1昇格、ナビスコカップ優勝、J2降格、震災による日程変更、天皇杯優勝、再昇格、最終節で優勝を逃したシーズン、コロナによる規制観戦など、さまざまな苦楽をクラブとともにしながら積み上げてきたそれぞれの歴史、思い、誇りがあり、このクラブに何物にも代えがたい価値を見出しているサポーターも少なくありません。
そこにおけるクラブへの熱量は、たんなる「商品のヘヴィユーザー」のそれではないし、クラブ経営はたんなるビジネスの枠におさまらないある種の独自の社会性があります。少なからぬサポーターが今回のエンブレム変更についてモヤっているように見えるのは、クラブが、あるいはその支配株主(親会社=株式会社MIXI)がそれをわかってくれているのか、サポーターをクラブの不可欠なステークホルダーとして位置づけ、尊重してくれているのかということについて、疑心暗鬼も含めそこまでの信頼関係がクラブやその親会社とのあいだにまだ構築されていないと感じているからではないでしょうか。
僕自身としてはその気持ちもわかるし、このシーズンの終わりまで待っても遅くなかった、少しばかり変革を急ぎ過ぎた面はあるとも思う一方で、ビジネスとしてそこまで悠長に時間をかけている余裕はなく、目に見えるかたちでFC東京というブランドの価値を上げる取り組みを進めて行く必要があるというクラブの事情も理解でき、このタイミングでのエンブレム変更の提案は実際センシティブな判断の結果だったのだろうと思います。
しかし、2021年のMIXIによる経営権獲得以降にクラブが積み重ねてきた(チームの強化も含む)ブランド価値向上の取り組みが概ね納得できるものであったこと、つまりフットボールクラブ経営に付随する独自の社会性を理解し尊重したものであったこと、さらにはサポーターとの対話をないがしろにはしないという基本的な姿勢であることは十分窺えるし、そのことはサポーターにも好意的に受け止められてきたのではないでしょうか。
なんであれ変化を嫌う人はいて、だれが何を言ってもこれまでのような日々がこれまでのようにこれからも続いて行くこと以外望まない声は必ずある程度出てきます。それは別とすれば、変化自体は悪いことではなくむしろ必要なこと。我々サポーターが、どうやってFC東京を強くするかということについて聞くに値する意見をクラブに届け、議論に参加して行くことは必要なことだし、エンブレムの変更もそのなかでテーマの一つとして「Yes」であれ「No」であれ伝えて行くべきだと思っています。
最後に
今回のエンブレムに関し困ったのは、議論が動画を介して行われ、文書として事後的に確認できるものがほぼないこと。探し方が甘いのかもしれませんが、クラブの姿勢や考えを確認し、引用できるドキュメントがないのはとても不自由だし、議論を深める障害になっていると感じました。
コミュニケーションの手段として動画を活用するのはありだと思いますが、クラブがサポーターを重要なステークホルダーとして尊重し、サポーターからオープンな意見を聞きたいのであれば、そのプロセスをいつでも利用可能な形で文書による記録としてパブリックに残して行くことを要望します。
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FC東京
2023年05月07日 12:14
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【ブンデスリーガ第31節】グラードバッハ 2-0 ボッフム
■ 2023年5月6日(土) 15:30キックオフ
■ Borussia-Park
やはりこの時間がいちばんいい。ブンデスリーガはすべての試合を土曜日の午後3時半キックオフにすべきだ。スカパーでリアタイ観戦。
シーズンも残り4試合、ヨーロッパも降格もなく、移籍や契約切れの情報も出始めて集中するのがむずかしい局面だが、ホームでみっともない試合はできない。来季につながるプレーを見せてほしい。
テュラムが負傷で引き続きメンバー外、板倉は警告累積で出場停止となった。CBにはフリードリヒが先発。フリードリヒは今季はちょっと割り食った感があって気の毒だったな。出て行くかもな。
オムラン
ライナー フリードリヒ エルヴェディ ベンゼバイニ
ヴァイグル コネ
ホフマン ノイハウス エングム
プレア
ボールを握るグラードバッハに対し長いボールを使って裏をねらいにくるボッフムという展開に。序盤はボッフムの守備も整理されており、グラードバッハのしかけもなかなかフィニッシュまではたどり着けず。一方ボッフムの攻撃も散発で現実的な脅威は小さい。
それでも前線でボッフムの守備網に圧をかけ続けた結果、なんどか敵陣深くでミスパスをカット、決定的なチャンスを作れるようになるが最後のところをやりきれず。決めきれないグラードバッハもアレだが何度もボールを奪われるボッフムも相当だ。
35分、敵陣深くでボールを奪いショート・カウンターに。左サイドのベンゼバイニがファーに入れたクロスにホフマンがダイレクト・ボレーで合わせこれがゴールに吸いこまれてグラードバッハが先制。1-0とようやくリードを奪う。
その後もエングムのシュートがバーを直撃するなど追加点のチャンスはあったがゴールにならず、最小得点差で前半を折り返す。リードは妥当だがもっとたくさん取れていておかしくない前半だった。
後半に入ると選手交代で前に推進力を得たボッフムの反撃を受ける。しかし最初の15分をなんとかしのぐと試合は次第にオープンになり、ボールと人が激しく往来する展開に。このなかでも何度か決定機はあったが決められない。
チャンスをつぶし続け、こういう流れはどこかで追いつかれるヤツだと恐怖しかなかったが、ボッフムもチャンスをはずし続けてくれて助かる。彼らが今の順位にいる理由がわかる試合の流れで同情を禁じ得ない。
80分、プレア、ノイハウス、エングムに代えてシュティンドル、ヴォルフ、ネッツを投入。シュティンドルがおそらくゼロ・トップになり、ヴォルフが右、ネッツが左のウィングに入ったように見えた。ホフマンは中央でトップ下に。
その後もオープンな打ち合いが続くがどちらも決定力を欠くまま時間が流れる。するとアディショナル・タイム、エリア内でシュティンドルの放ったシュートが敵DFにブロックされて真上に高く上がったところを、ボールの落ち際をシュティンドルが改めて頭で押しこみゴール。ようやく2-0と追加点を決めて試合をほぼ手中に。
残り時間でホフマンに代えてクラマーを、ライナーに代えてスカリーを投入して時間を使いきり、ほぼ1か月ぶりに勝ち点3を手にした。
チャンスは多く作るもののなかなか決めきれずパッとしない試合だったが、それでも前半に先制、終了間際にダメ押しと結果的にはがっちり勝ちきった。相手が強ければ見逃してもらえないシーンもあった。
数字的にはシュート数25-14、CK11-3、ポゼッション54-44ともっと大差で勝っていてもおかしくなかった試合。勝ったからいいようなものの、内容的にはこちらがよかったというよりボッフムが不甲斐なかったという方が正確。
そのなかでもグラードバッハのチャンスはほぼホフマンの独演会で、終盤シュティンドルが加わってさらに動きやすくなったようにも見えた。このふたりの組み合わせでいままで多くのゴールを決めているが、シュティンドルは今季限りでクラブを去り、キャリアのスタートとなったKSCに移籍することが決まっている。この試合でホフマンとのアベック・ゴールを記録できたのは感慨深かった。
来季を展望してかこのところ起用されているエングムは惜しいシュートもあったが結果がほしい。来季はエングム、ネッツ、ヴォルフあたりを中心にした編成になるのだろうと思うが、彼らの存在感が今ひとつきわだってこないのがもどかしい。ヴァイグルは契約を延長したとのニュースがあってひと安心。
この試合でグラードバッハは31試合を終えて10勝12敗9分、勝ち点を39(1試合あたり1.26)に伸ばしたが順位は10位のまま。9位のフランクフルトとは勝ち点差が4あり、なんとか順位表の上半分でシーズンを終えたいが、そのためには残り3試合全勝の勢いでないと厳しいだろう。
すでに勝ち点が51(1試合あたり1.50)のラインに届かないことは確定しており、ファルケ監督初年はなにかとむずかしいシーズンとなった。エバール体制の終焉ということもあり、来季に向けてどんな動きになるか期待よりは不安が大きい。板倉に期待したい。来季のユニは3番に決めている。
ダニエル・ファルケ監督談話:
「この勝利はうれしい。順位のことだけではなく、われわれの自信と雰囲気にとって大きな価値があった。ウニオンとVfBの試合のあと、特に攻撃面での対応を求められていた。我々はスプリントと走り続けることに多くを投入した。攻撃面では非常にいい試合ができた。前半は20分ほどかかったがそこからうまく試合に入れたし素晴らしいゴールを決めることができた。その後は多くのチャンスを決めることができなかった。ボッフムはあらためてすべてを天秤に乗せてきた。そういうときにはしっかりそれと均衡することが重要だ。本当ならあとひとつかふたつゴールを決めなければならなかったとは思うが、それでも結果には間違いなく満足している。なにより私にとってうれしいのは今日はゼロに抑えられたことだ」
あとひとつかふたつどころじゃないとは思うが。
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Borussia M'Gladbach
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ブンデスリーガ
2023年05月07日 01:43
[posted by der_ball_ist_rund]
■
【Jリーグ第12節】札幌 5-1 FC東京
■ 2023年5月6日(土) 14:00キックオフ
■ 札幌ドーム
ゴールデンウィークの連戦も最後の試合。福岡から中二日で札幌に転戦してのアウェイ2連戦は厳しい日程。自宅DAZN観戦。
ターン・オーバーということで最終ラインを全部入れ替えた他、前線もオリヴェイラと仲川をベンチに置いてペロッチとアダイウトンが先発。東慶は警告累積で出場停止となっている。特別指定の安斎がリーグ戦初出場となった。
スウォビィク
安斎 森重 トレヴィザン バングーナガンデ
小泉 松木
渡邊 安部 アダイウトン
ペロッチ
例によってボールを握りながら押し上げたい東京と、高い強度でボールを狩りにくる札幌という展開に。東京は札幌のプレスをかいくぐって前線にボールを運びたいが、イージーなパスミスからのボール・ロストが多くリズムを作れない。
8分、中盤でボールを奪われると左サイドにボールを出される。対応した松木が逆を取られてエリアへの侵入を許すと、そのままシュートを決められ先制を許す。早い時間帯の失点で0-1と重いビハインドを背負ってしまう。
その後も東京は組み立てのパターンを札幌に読まれ、パスをカットされて逆襲を受けるシーンが続く。16分、松木の左CKに森重が頭で合わせるがボールは惜しくもバーを越える。これが東京のファースト・シュートとなる。
23分、アダイウトンがこぼれ球を拾って中央に持ち出しエリア外から狙うがGKにキャッチされる。26分、アダイウトンがドリブルで持ちあがりシュートを放つが枠外。27分にも松木からパスを受けたアダイウトンが左寄りからシュートを放ったがGKにセーブされる。
すると28分、中盤からのスルー・パスで縦を取られ、ここから逆サイドに出されたマイナスのパスをダイレクトにけりこまれて失点、0-2と追加点を許す。オフサイドにも見えたがセルフ・ジャッジで対応が遅れた感あり。
33分、アダイウトンの浮き球パスを受けて裏に抜けた渡邊がシュートを放つがミートしきれずGKがセーブ。いくつか一発モノのチャンスを作るものの決めきれない。
35分、エリア内で敵FWがバングーナガンデと交錯し倒れる。そのままプレー・オンとなったがVARが介入し、OFRの結果、バングーナガンデがアフターで敵FWをトリップしたことが確認されPKに。38分、このPKを決められて0-3とビハインドが広がる。
42分には左サイドでの競り合いのこぼれ球がファーに流れたところに松木が詰めてシュートを放つが惜しくもバーを直撃、さらにこのこぼれ球にアダイウトンが詰めるがバーを越える。0-3で前半を終了。
札幌の守備に苦しみながらも前にボールを運ぶ意志は見えたが、不用意なボール・ロストからの失点を重ね、前半を終えてみれば3点のビハインドを背負った。前を向いて戦うことはできており、スコア関係なく攻めきるところからやってまず1点を返したい。
後半開始から安部、ペロッチ、渡邊に代えて青木、オリヴェイラ、仲川を投入。松木を一列上げてトップ下に配置、仲川が右ウィングに入った。
しかし後半も立ち上がりから札幌にチャンスを作られる。スウォビィクの好セーブもありゴールを死守していたが、50分、左サイドで密集になり、絞ったところでファーにボールを振られ、これをけりこまれて失点。0-4と出鼻をくじかれる。
55分、安斎に代えて徳元を投入、徳元はそのまま右SBに入る。57分、松木の右CKに森重が頭で合わせるが左に外れる。これも惜しかった。
その後はもはやリスクを取る必要のない札幌に対し東京が前に出る時間帯になったがフィニッシュまではたどり着けない。73分、アダイウトンが右サイドで敵をかわしてドリブル突破、中に運んで折り返すと、中央の仲川が流しこみようやく1-4と1点を返す。
このゴールで、交代を準備させていた俵積田をいったん下げたが、77分、アダイウトンに代えて俵積田を投入、左ウィングに入る。その後は試合がオープンになるなか、東京がリスクを取って前がかりに攻める時間帯となる。
81分、バングーナガンデからのアーリー・クロスに松木が頭で合わせるが惜しくもバーを直撃、86分にはゴール前の混戦からトレヴィザンが強烈なシュートを放つがこれも敵DFにブロックされる。ここでVARが介入、このブロックがハンドではないかとの検証に。
リプレイで見たところ、確かにわずかに敵DFのヒジに当たっているようにも見え、PKかとも思われたが、OFRは行われないままノー・ハンドで検証は終了。
これはファウルを取ってほしかったが腕には当たっていないとの判断なのか、あるいは不自然に身体を大きく見せたわけではないとの判断か。ボールのコースに張り出したヒジが当たったのではないかと思ったが厳しい判定となった。
アディショナル・タイムにも俵積田が左サイドからカット・インしてシュートを放ったがバーの上。さらに徳元のロング・スローを受けた仲川がゴール前にもちこんでシュートを放つが敵GKがセーブ、さらにこぼれ球をもう一度押しこもうとしたがバーの上に。
すると最後に、裏へけり出されたボールから札幌のカウンターとなり、手薄な背後を突かれて持ち上がられ、そのままけりこまれて失点、1-5に。敢えてリスクを取り前がかりになっていたところを裏返されたのでやむを得ない失点だった。
試合はそのまま終了、1-5の大敗でゴールデンウィークのアウェイ連戦は2連敗となった。
早い時間に失点したことから後手にまわる展開で、決定機に決めきれず、逆にキツい時間帯に着々と加点されて流れをひっくり返すことができなかった。終盤リスクを取って押しこんだ時間帯もあり1点は返したが、最後に後ろをやられて4点差での完敗。
つないで前に行こうとするのはいいが、プレスをはがそうと前に出したボールをことごとくカットされ、そこからひっくり返されて自陣に押しこまれた。弱点がはっきりしていて、そこを的確に突かれるとこういう結果になるということだろう。
点差ほど内容が悪かったとは思わないが、ターン・オーバーを実施したこともあって意図が通じ合わず、ムダにバタバタした部分もあり、このスタイルで完成度を高めることや、前にしかけながらも後ろのリスクを管理することのむずかしさを痛感させられた。
数字からはシュート数15-14、CK3-2、ポゼッション52-48と拮抗した内容だったように見えるし、実際チャンスも作りシュートの意識も高かったが、いかんせん失点を重ねすぎて最後まで流れをつかめず札幌のペースで進んだ試合だった。
ビルド・アップやリスク管理、強度などいくつかの課題をバランスさせる必要があるが、あちらを立てればこちらが立たない状態で、また相手にも当然スカウトされているので、一度通じた手がその後も有効であり続けるわけでもない。
先制されて流れを持って行かれたときの修正力も乏しく、ゲーム・マネジメントがハマっていない。全体の底上げを図りながらバランスよく成長するのはむずかしく、ベスト・ミックスを探る旅はまだまだ続くと思っていた方がいい。
その過程でうまく行く回数が増え、次第に再現性が見られるようになってくるというのが想定するプロセスで、いきなり完成形が出現したりはしない。結果を出しながら内容を磨いて行くしかなく、もどかしい時期があっても投げ出すわけには行かない。
この2連敗は星勘定としては痛すぎるし今日の負け方は悔しいが、すべてを否定するような試合ではないしそういう局面でもない。まだまだやらなければならないことは多く、それをやりきってなお何の希望も見えないなら方向を考えなければならないが、我々はまだそこまでなにかを達成したわけでもないだろう。
下を向いている時間はないので、課題を拾って丁寧につぶして行く以外に方法はない。やり続けよう。
12試合を終えて4勝5敗3分と負けが先行、勝ち点は15のままで1試合あたりの勝ち点は1.25に下がり順位は暫定で11位に。次節国立での川崎戦までに戦い方を整理する必要がある。
評点(評点は
ドイツ式
):
スウォビィク(4.5) 5点取られたが同じくらいは止めた。
安斎(5) 特徴も見せたが悔しいデビュー戦になった。
森重(5.5) 守備を統率できず敵に振らされた。
トレヴィザン(5.5) オフサイドのセルフ・ジャッジはいただけない。
バングーナガンデ(5.5) 守備で対面の相手にことごとくやられた。
小泉(5) ひとりですべてをカバーするのはさすがにムリ。
松木(4.5) バーやポストとの相性が悪かった。
渡邊(5) リスクを取ったプレーが味方と通じ合えず。
安部(5) よく走ったがさすがにお疲れか。
アダイウトン(4.5) ゴールへの意識は高かった。
ペロッチ(5.5) ほぼなにもできず。これでは厳しい。
===
青木(5) 後半は小泉とともに中央を締めた。
仲川(4) あと1点取れてた。いてくれてよかった。
オリヴェイラ(5) 身体は張ってくれたが流れは変えられず。
徳元(4.5) 右もできることを実証。
俵積田(-) 時間短し。戦う姿勢は示した。
今日は先発で渡邊(11)、ペロッチ(22)、トレヴィザン(44)が揃っており、俵積田(33)がベンチにいたのでゾロ目ビンゴかと思われたが、ペロッチが前半で退いたので完成せず。次のチャンスを待ちたい。
それにしても、他のクラブが軒並み中三日で日曜日に試合をするのに、この試合ともう1試合(名古屋×G大阪)だけが中二日の土曜日開催で、しかも4クラブのうち東京だけが中二日のアウェイ連戦、それも福岡から札幌という無茶振りなのは、別にそのせいで負けたとは言わないものの納得しがたい。
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FC東京
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J1リーグ戦
2023年05月03日 22:05
[posted by der_ball_ist_rund]
■
【Jリーグ第11節】福岡 1-0 FC東京
■ 2023年5月3日(水) 15:00キックオフ
■ ベスト電器スタジアム
ゴールデンウィーク初日、アウェイでの福岡戦。福岡も東京も天気のいい祝日となった。どこへ行くにも高いし混んでるし、おとなしく自宅DAZN観戦。
リーグ戦2連勝中だが中3日、中2日で福岡、札幌とアウェイ連戦になる。なんでこんな日程なのかと思うが、いい流れをしっかりチームの底上げにつなげたい。この2試合で最低でも勝ち点4は取りたいところ。
前節終了間際に負傷退場した中村がアキレス腱断裂とのことで離脱、代わって右SBには長友が先発。その他、バングーナガンデ、森重、小泉をベンチに置き、代わって徳元、木村、東慶が先発した。
スウォビィク
長友 木本 木村 徳元
東 松木
仲川 安部 松木
オリヴェイラ
事前の予想どおり、東京がボールを支配するものの福岡が積極的なプレスをしかけ、それをかいくぐっても帰陣速くブロックを形成する堅守で東京はビルド・アップに苦労する。それでも東京は中盤を省略した長いボールをとりまぜてチャンスを作ろうとする。
福岡は引っかけたボールを前線に当ててくるがそれも散発で、どちらかといえば東京が好機をうかがうかっこうになるが福岡の守備は固い。互いにフィニッシュまで行き着けないまま序盤が過ぎた。
19分、右サイドで仲川からパスを受けた渡邊が中央へ切れこみシュートを放つがボールはファー・ポストにあたりゴールを外れる。東京のファースト・シュート。これが入らなかったことが今日のすべてかもしれない。
その後も福岡の堅守とそれを崩そうとする東京のポゼッションからの組み立て、長いボールも辞さずといった展開になるが、それ自体が福岡のゲーム・プランでもあり、東京は福岡のペースにつきあわされながら攻撃を試みる時間が続く。フィニッシュが遠い。
39分、エリア手前でボールを持った長友が直接ミドルで狙うが敵GKがセーブ。意外に鋭いシュートが枠に飛んだが惜しかった。ここで打って行くところに長友の価値を感じた。ポゼッションをゴールにつなげることができないままスコアレスで前半を終了。
前半スコアレスは悪くないし意図の見えるトライは続けられているが、この展開で嬉しいのは福岡の方。我慢しつつここ一番の勝負どきを見逃さずたたみかけたい。持ち駒、カードはあり、勝ち筋を手ばなさないように神経を研ぎすませたい。
しかし後半に入ると福岡が攻撃のギアを上げて前がかりにゴールを狙いにくる。この局面でバタつき後手にまわったのが後半ずっと響くことになる。ゲーム・マネジメントで福岡にしてやられ、主導権を失ってしまう。
63分、仲川に代えて小泉を投入。安部を右ウィングにスライドし、松木をトップ下に上げる。土曜日をにらんでの交替という面もあると思うが、仲川は悪くなかったし替えるなら俵積田かアダイウトンでもよかったように思う。
さらに70分、安部、松木、徳元に代えて森重、アダイウトン、バングーナガンデを投入。森重を中央に置いた3バックに移行し、アダイウトンは右ウィングに入った。守備対策だと思うが、ここで3バックは意外感あった。
ところが直後の72分、ゴール前でキープされ、人はいたがボールをつつき出せずにいたところ、落とされたボールをけりこまれて失点、0-1と先制を許す。シンプルにクリアでよかったが見合ってしまい責任があいまいになった感じがあった。
77分、木村に代えて俵積田を投入、4バックに戻す。なんなん。俵積田が右ウィングに入り、渡邊がトップ下にスライドしたと思う。その後は攻め急ぐ東京に対し福岡が守備から時間を使って試合を殺す展開になる。
俵積田、アダイウトンらのしかけなど最後までゴールを狙ってトライを続けたが福岡の守備も堅く、フィニッシュまでもちこめないままタイム・アップとなり0-1での敗戦、連勝は2で止まった。
前半はチャンスも作り攻撃のかたちは見えていた感があったが、後半試合に入りそこね、後手にまわるなかで試した3バックがハマらず失点、福岡にうまく守られてシュートも打てないままに妙手もなく淡白な攻撃に終始した。
連戦の中で主力を使い倒すわけにも行かず、交代制みたいな感じでうまくまわせるかと思ったが、スコアレスの状態から守備優先の3バックで後ろを固めようとしたのが裏目に出てバランスを崩した。
松木、安部、仲川と動ける選手を軒並み下げてしまい、アダイウトン、俵積田も個々の働きという意味では決して悪くなかったが、連動性は目に見えて失われ、散発の単騎突破に近い状態になってしまった。
数字的にはシュート数2-10、CK2-3、ポゼッション56-44。ボールを持ちながらも福岡のブロックを崩せなかったことが如実にわかる数字だし、ていうかそもそもシュート2本て意味わからんわ。
まあ、主力が負傷で離脱していた時期よりはまだチームとしてやりたいこともわかるし動けているが、それがフィニッシュにつながらないのはここ数試合、結果が出ている試合も含めての課題であり、それが極端な形で出た試合になった。
広島戦のようにシュート3本でも2点取った試合もあったが、それを常に期待できるわけもなく、さすがに10本前後のシュートを打てるところまで攻撃の組み立ての質を上げなければならない。そこを抑えられるとこうなるという悪い例が今日の試合。
ここ2試合のように結果が出ていれば、内容の悪さも素直に課題として次へのテーマにできるが、こうガッチリ抑えこまれると悲観的な声も出る。旅は長いし覚悟は必要だ。やり続けるしかない。
ゴールデンウィークで日程がきつくなるのはわかるが、次節を中2日でブッ込まれ(土曜日2試合、日曜日6試合)、それも福岡から札幌と南の端と北の端の転戦という恨み言も出るハードさ。せめて真ん中の今日の試合をホームにするとかあればよかった。
見たくはないが順位表をいちおう確認しておくと、11試合終了して4勝4敗3分で勝ち点15(1試合あたり1.36)で順位は9位に。首位神戸が引き分けたので勝ち点差はひとつ広がっただけで8だが、上とこれ以上離されるとどんどんしんどくなる。
すぐにまた次の試合がある。
評点(評点は
ドイツ式
):
スウォビィク(3.5) 試されるシーンは少なかった。失点はやむない。
長友(4.5) 対面の敵FWに後れをとるシーンが多かった。
木本(4) いい守備もあったがパフォーマンスが安定せず。
木村(4.5) 失点シーンではギリギリのところでやりきれず。
徳元(3.5) どんどんよくなってる。途中交代は不可解。
松木(3.5) 前への推進力として不可欠。下げて戦力ダウン。
東(4) スペースを埋め、縦にいいボールも入れた。
仲川(4) 預ければなにかやってくれる感はあったが不発。
安部(4) 動きまわったが敵を崩しきれず。
渡邊(4) 最初のアレが入っていればすべては変わっていた。
オリヴェイラ(4.5) マーク厳しく収めきれなかった。
===
小泉(4) パフォーマンスは安定。流れは変えれらず。
アダイウトン(4.5) このところの使われ方むずかしいな。
森重(4.5) 混乱のなかで守備を統率できず。
バングーナガンデ(4.5) よさが出せず。
俵積田(-) 時間短し。トライはしたし悪くなかった。
今日は小泉の投入により7-17-27-37-47のビンゴが完成したのが感慨深かった。5人ビンゴはおそらく東京史上初ではないか(過去に7米本、17河野、27田邉、37橋本の4人ビンゴはあったと思う)。
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FC東京
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