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2023年10月29日 17:29      [posted by der_ball_ist_rund]

【ブンデスリーガ第9節】グラードバッハ 2-1 ハイデンハイム

■ 2023年10月28日(土) 15:30キックオフ
■ Borussia-Park

リアタイでスカパー観戦。スタートダッシュに失敗、前節中断明けのマインツ戦にも苦杯を喫し、さすがに「なんかこれヤバくね?」感が出てきた。昇格クラブのハイデンハイムとは火曜日のDFBポカールと2連戦となるが、ホームで確実に勝ちたい。

板倉は足首の手術ということで引き続きメンバー外(最悪年内ムリかも)、チュヴァンチャラは風邪で調整不足となりベンチ・スタート。またコネが前節の退場で2試合出場停止となっており中盤にはライツが先発。4バックでのスタートとなった。

ニコラス
スカリー エルヴェディ ヴェバー ネッツ
ヴァイグル ライツ
オノラ プレア エングム
ヨーダン

立ち上がりからパスをつないで押し上げたいグラードバッハに対し前プレからショート・カウンターを狙うハイデンハイムという展開に。ハイデンハイムは奪ってもその後の受け渡しの精度が甘く、グラードバッハが主導権を握って試合を動かして行く。

開始間もない4分、左CKをネッツがけると、敵DFに当たってファーに流れたボールをプレアが拾う。DFをかわしてシュートを放ったが、ボールは線上でクリアされたように見え、プレー・オンに。グラードバッハ側も「はいっとるやんけ」的な抗議はなかった。

しかしゴールライン・テクノロジーによってボールはゴールラインを完全に越えていたとの判定となり得点が認められてグラードバッハが1-0と先制する。見た限りではふつうにDFがけり出したようだったが、映像ではボールが1、2センチラインを越えた様子がはっきりわかった。以前ならみんな揃って見逃していたゴールだと思う。

その後もグラードバッハがボールを支配するが追加点が奪えない。16分にはエングムがカウンターで持ちあがりシュートを放ったがバーの上に。30分過ぎからはヨーダン、ライツ、エングムらが好機を迎えるがいずれも決めきれず。

すると38分、グラードバッハのCKからカウンターを受ける。独走した敵FWはなんとかエリアで捕まえるが、エリア外にこぼれたボールを後ろから来た敵FWにけりこまれ失点、1-1の同点になってしまう。前半はそのまま終了した。

後半も早い時間帯に試合が動く。52分、左CKをオノラがけると、中央でプレアがヘディング、これがゴールに突き刺さり2-1とグラードバッハが再び勝ち越す。ただしプレアのシュートはミートせず、ボールが敵DFに当たってゴール・インしており、オウンゴールとなった。

再びリードを得たグラードバッハはボールを支配しながら試合を進める。59分にヴェバーがエリア内で敵FWを倒してヒヤッとしたがVARは介入せず。リプレーを見てもこれはちょっとダメなんじゃないかと思ったが見逃がしてもらえたようだ。

75分、エングムとオノラに代えてハックとヘアマンを投入、それぞれ左右のウィングに入る。一方のハイデンハイムは前線に長身の選手を入れ、リスクを取ってパワープレーに持ちこむ構えか。76分にはプレアに代えてクラマーを投入、そのままトップ下に入った。

終盤は捨て身で圧をかけてくるハイデンハイムに対して、奪ったボールは前線に飛ばし、カウンターからあわよくば追加点を決めたいグラードバッハという展開に。79分にはハックのFKにエルヴェディが頭で合わせるがジャスト・ミートせずGKにセーブされる。

86分、ライツとヨーダンに代えてキアロディアとチュヴァンチャラを投入、キアロディアが最終ライン左に入り、クラマーをボランチに下げて5-4-1に近い形の3バックに。何度かカウンターのチャンスがあるが、ハック、ヘアマン共に決めきれない。

波状攻撃を受けて厳しい局面もあったが、バタつきながらもなんとか6分のアディショナル・タイムをしのぎきり、2-1で今季ホーム初勝利となった。

実力差を感じる試合で、早い時間帯に技術の福音で先制したが、その後受けにまわる時間帯ができてしまい追いつかれた。しかし後半開始早々に敵オウンゴールで勝ち越しに成功、そのあとはバタつきながらもなんとか逃げきった。

数字を見れば、シュート数13-4、CK6-4、ポゼッション54-46と、試合の主導権を手ばなさなかったことが窺われる。まだまだ盤石とはいえないものの、特に右サイドの仕掛けが生きたように感じたし、少しは形になったような気もする。

あと、ライツが無謀にもドリブルでガンガン敵に突っこんで行き、フィニッシュまで持ちこむのが面白かった。監督が好んで起用するのもちょっとわかる気がした。

とはいえシーズン目標が勝ち点34の昇格クラブに対して、勝ったとはいえ一度は追いつかれるバタバタ感満載で、勝ち越し点もオウンゴールだし、辛くも逃げきったという印象。これで今季大丈夫なのかとむしろ心配になる試合。

もちろんうまく行った部分もあるので勝ち点を自信にして積み上げて行くしかないのだが、火曜日のDFBポカールで同じ相手と同じ場所でもう一度戦うことになるので、そこであらためてこの勝利がまぐれでなかったことを問われる。

セオアネ監督の去就についてはなにも出てこないが、このハイデンハイム2連戦の連勝が条件ではないかと勝手に思っており、ポカールの試合が楽しみ。板倉の欠場は痛いが選手は揃っており、ここでほころびが出るようだとどのみちリーグ戦この先も危うい。

これでリーグ戦9試合を終了、2勝4敗3分で勝ち点9(1試合あたり1.00)となり11位に順位を上げた。なんだかんだでリーグ戦も4分の1が終わっており、出遅れを取り戻すのはもうギリギリのタイミング。ここ4試合で勝ち点7を稼いでおり、まずはこの流れを確かなものにしたい。

ゲラルド・セオアネ監督談話:
「最初の60分間はボールを持っているときもそうでないときも非常に規律のある戦いができていた。守備面ではほとんど相手に好きにさせなかったし、攻撃では多くのいい動きがあった。もう少し精度が高く、決定力があれば我々はこの局面ですでに試合を決めてしまうことができていたはずだ。しかしそれがうまく行かず、最後の15分は非常に残念な戦いになってしまった。ボールを落ち着かせることができなくなり、ハイデンハイムに押しこまれた。それでも終盤を戦い抜き、ギリギリのリードを守った選手たちを素直にほめたい」

板倉出ないのにポカール放送してくれるDAZNありがたき。



Comments(0)Borussia M'Gladbach | ブンデスリーガ


2023年10月29日 01:04      [posted by der_ball_ist_rund]

【Jリーグ第31節】FC東京 1-2 広島

■ 2023年10月28日(土) 15:00キックオフ
■ 味の素スタジアム

秋晴れの土曜日。飛田給の駅からスタジアムまでの通りを歩行者天国にする青赤ストリートが開催され、試合後には新エンブレムの発表もあるということで3万人を超える入場者となった。ヴェスパで味スタに乗りつけた。

前節はアウェイで横浜FCに苦杯を喫したが、クラブ創立25周年記念ユニでプレーする3試合の最終戦でありホームでしっかり勝って勝ち点50、9位以上でのシーズンフィニッシュに希望をつなぎたいところだ。

前節出場停止だった仲川が先発に復帰、また前節ベンチ・スタートだった松木も先発となり、俵積田がベンチに。コンディション不良で前節ベンチ外だったスウォビィクはメンバー入りしたもののベンチ。長友は引き続きメンバー外となった。

野澤
小泉 森重 トレヴィザン バングーナガンデ
松木 原川
仲川 渡邊 アダイウトン
オリヴェイラ

互いに高い強度でボールを奪って早い切り替えから一気に敵ゴールを目指す似た戦い方になるが、当てて落とすを繰り返して前進したい東京に対し、裏に一発で通すか前線に当てて収める広島という形。東京がボールを持つがチャンスは広島に多い印象の立ちあがり。
16分、アダイウトンからのクロスがエリア手前でルーズになったところを拾ったオリヴェイラがシュートを放つが勢いを欠き敵GKがキャッチ。これが東京のファースト・シュートに。その後もゴール前のシーンは作れるものの広島の3バックも堅くなかなかバイタルで前を向けない。

広島は長めのボールで早めに前線に当ててくる。森重、トレヴィザンが対応するがボールを失う位置によってはピンチになりフィニッシュまで持ちこまれるシーンも少なくない。野澤のファイン・セーブで何度か救われるが油断できない。

33分、渡邊がエリア手前中央からシュートを放つがオリヴェイラに当たって枠を外れる。互いに「ごめん」みたいな感じで謝ってたのがツボ。

37分には渡邊の落としを受けて右サイドの深いところに入ったオリヴェイラがゴール前にマイナスの折り返しを入れると、ファーから走りこんだバングーナガンデが合わせるがシュートはバーに嫌われる。前半最大のチャンスだったが決めきれなかった。悔やまれるシーン。

その後も野澤の好セーブに救われるシーンあり、互いにバチバチやり合ったがスコアレスで前半を折り返す。前を向いて戦えているもののゴールには届かず。松木、仲川がいることで前へのベクトルは生まれているが、広島も堅い。先制点がほしい。

しかし後半に入ってすぐの48分、右サイドでターンを許して裏を取られエリアへの侵入を許す。近いところからシュートを打たれこれが決まって0-1とビハインドを背負う。人はいたが巧みに崩された。イヤな流れになる。

その後は一進一退の攻防となる。互いに選手が傷んでの中断が多い。62分、原川のスルーパスを受けてアダイウトンが左サイドの裏に抜け出しクロスを入れると、ニアでこれをクリアしようとした敵DFに当たったボールがそのままゴールに。オウンゴールで1-1と同点に追いついた。仮に敵DFがスルーしていたらファーには仲川が入ってきていたので敵としては触るしかないボールだった。スタジアムがグッと盛り上がった。

直後の64分にはオリヴェイラがエリア左からシュートを放つが遠目からで敵GKにキャッチされる。前半よりはオープンな展開が多くなり、逆転をねらいに行くがボックス内は敵の守備も厚い。

72分、アダイウトンに代えて俵積田を投入、そのまま左のウィングに入る。75分、左サイドでのボール・ロストからワンツーでエリアに侵入され、そのままシュートを放たれる。これが決まって1-2と再び勝ち越しを許す。これも人がいながら崩された。

78分、オリヴェイラが敵DFにマークされながらも強引にターンしてシュートするがこれも距離があり敵GKがセーブ。79分、原川、オリヴェイラに代えて東、熊田を投入。ゴールを狙って敵陣で試合を進めるが連係のアイデアを欠きシュートまで持ちこめない。

87分、バングーナガンデに代えて徳元を投入。90+1分には松木がけった左CKにトレヴィザンが頭で合わせるが、たたきつけたボールはバウンドしてバーを越えてしまう。

45+4分、中盤での競り合いで、ルーズになったボールにアプローチした仲川が遅れて行く形になり、足裏が敵MFの足に入ったとの判定で退場に。イーブンのアプローチだったがボールに触れることができなかった。

結局試合は1-2で終了、二連敗となった。

前を向いて戦い、前半はピンチもありつつスコアレスで乗りきった。後半立ち上がりに先制されたが下を向くことなく攻撃をしかけてオウンゴールを誘発、一度は追いついたものの突きはなされてそれ以上の追いこみができなかった。

広島にうまく守られた感も強く、やりたいことはわかるがそれを徹底できなかったり、精度が足りなかったり、アイデアが共有できなかったりと綻びが出てしまった試合になった。

前節よりは意図がはっきりしてトライアルの質は上がったと思うが、一方で前がかりになった裏を一発で狙われDFラインだけで対応せざるを得ないシーンも散見され、野澤のたびたびのスーパー・セーブがなければもっと悲惨なスコアになっていた可能性もあった。

数字を見ればシュート数6-13、CK5-8、ポゼッション54-46と、ボールはある程度握りながらもフィニッシュまで行けず、むしろ広島にチャンスが多かったことが窺える。

常に矢印を前に向ける仲川、松木がいて、ムリめでも前にボールをつなぐ意志があってこそオリヴェイラもアダイウトンも生きるということがわかった試合。仲川がまた次節欠けるのは痛いが、悪質なファウルではなく、1試合の出場停止ですむことを祈る。

監督の言うとおり、やろうとしていることの質を高めるしかないが、受け手と出し手の連動などピッチのうえでの意識の共有がまだまだ足りていないように感じられる。うまく行くときとそうでないときの差があるのはまだ偶然や巡り合わせに依存する部分が大きいからだ。

これで31試合を終えて11勝14敗6分で勝ち点は39のまま、1試合あたりの勝ち点は1.26に低下、順位もひとつ下げて11位に。残り3試合全勝しても勝ち点は50に届かず、ようやく勝敗が五分になるという状況。

ここから試合間隔が2週間になってしまうので、この期間で今季トライしてきたことの総括と来季につながる手がかりを示してほしい。

評点(評点はドイツ式):
野澤(3) 好セーブを連発。勝っていればMOMだったが。
小泉(5) らしくないボールロストが多かった。
森重(4) 魂の守備で敵のFWを止め続けた。
トレヴィザン(4.5) 最後のヘディングは惜しかった。
バングーナガンデ(5) バー直撃のシュート惜しかった。
原川(5) 失点関与のボールロストがもったいなかった。
松木(4.5) チームが進む方向を指し示した。
仲川(4) チームを引っ張った。貴重な存在。
渡邊(5) いい場所にいたが決定的なシーンを作れず。
アダイウトン(4.5) 裏抜けでオウンゴールを誘発。
オリヴェイラ(4.5) マークされながらシュートしたが。
===
俵積田(5) 見せ場ほぼなかった。
東(-) 時間短し。顔はよく出した。
熊田(-) 時間短し。
徳元(-) 時間短し。

試合後に新エンブレムの発表あったらしいが見ずに帰った。新しいエンブレムは悪くないと思う。今年もテディベアは当たらなかった。



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2023年10月23日 22:05      [posted by der_ball_ist_rund]

【ブンデスリーガ第8節】ケルン 3-1 グラードバッハ

■ 2023年10月22日(日) 15:30キックオフ
■ Rhein-Energie-Stadion (Koln)

日曜日の夜にスカパーでリアタイ観戦した。日本時間で22時半キックオフなら翌日仕事でもまあなんとかできるが、もうすぐサマータイムが終わって23時半になってしまうと苦しい。

グラードバッハは中断前2試合を1勝1分と上向きの兆しを見せていたところ。アウェイとはいえ最下位のケルンに勝って流れに乗りたい。板倉が代表戦で負傷しベンチ外となり、フリードリヒが、中盤ではライツに代えてノイハウスが先発した。

ニコラス
エルヴェディ フリードリヒ ヴェバー
ヴァイグル
オノラ ノイハウス コネ ネッツ
チュヴァンチャラ プレア

ケルンのゴール裏で盛大に発煙筒が焚かれ、ロケット花火も打ち上げられて煙が充満、キックオフが5分以上遅れた。試合は序盤からケルンが前がかりにボールにチャレンジ、グラードバッハは勢いに押され自陣からなかなかボールを持ちだせない流れになる。

7分、自陣エリア近くから敵が放ったシュートがコネの腕に当たる。主審はエリア外と見てFKを与えたがVARが介入、わずかにエリア内であったとしてPKに。ビデオも見たが正直なんとも言えない感じで、判定を変える必要があったのかと疑問だが仕方ない。

9分、このPKを決められて0-1と先制を許す。流れに乗れていないなかで押しこまれてPKから先制されたのはなかなかキツい。しっかり押し返したいところだが、その後もケルンがボールを支配、グラードバッハは攻撃の糸口がつかめず押しこまれる。

21分、ノイハウスからパスを受けたオノラが縦に運び角度のないところからシュートを放ったがバーの上。これがファースト・シュートとなるが、それ以外にはほとんど見せ場のないまま守備に追われる時間が続く。

結局前半はオノラのシュート1本に終わり、逆にケルンには15本ものシュートを浴びながら0-1で折り返せたのがむしろラッキーくらいの一方的な展開。積極的に前に出るケルンに対して強度も精度も欠いて、セカンドボールもほぼ拾うことができなかった。

後半からネッツとノイハウスに代えてスカリーとライツを投入、スカリーは右SBに入り、ヴェバーを左SBに押し出して4バックに。ヴァイグルをアンカーにした4-1-4-1または4-3-3のような布陣になった。

これでやや中盤が落ち着き、前にボールを運べるようになる。やや拮抗した展開になったところで63分、オノラがけった左CKにニアのエルヴェディが頭で合わせボールはそのままゴールへ。1-1と試合を振りだしに戻した。

これで勢いが出るかと思われたが、69分、コネが自陣で敵MFにプレスをかけた際、アフターで足首にスパイクしてしまう。当初は警告となったがVARが介入、OFRの結果足裏がガッツリ入っているのが確認され退場に変更となった。リプレーを見た瞬間「これは赤かも」と思ったレベルで判定は妥当というしかない。

それでもグラードバッハは逆転を狙って積極的に前に出たが、74分、ゴール前に放りこまれたクロスの対応でニコラスが敵FWにパンチングを浴びせてしまいPKに。これも完全に遅れて行ってしまっていてしかたがない。

敵FWのPKは正面に飛びニコラスがこれをセーブしてお祭りになったが、キック前にニコラスがゴールラインを離れ前に出ていたとの判定になりPKはやり直しに。このPKを決められてしまい1-2と再びリードを許した。リプレーで見ても確かに足はわずかに離れていたが…。

79分、プレア、チュヴァンチャラ、オノラに代えてエングム、ヨーダン、ハックを投入、ヨーダンを1トップ、ハックが左、エングムを右に置いたにした4-4-1になったように見えた。その後もなんとかゴールを狙いに果敢に前に出るがなかなかゴールが遠い。

90分、右サイドの深いところに運ばれ、ここから戻しのパスを入れられると、エリア手前からシュートを打たれる。これが決まり1-3となって試合はほぼ決まり。6分のアディショナル・タイムも見せ場なく、そのまま敗戦となった。

立ち上がりからケルンに押しこまれPKで先制点を献上、それでも前半をなんとか1失点でしのぎ、後半修正してCKから追いついたところまではまだよかったが、その直後に退場者を出して一人少なくなった。今日2本めのPKで勝ち越しを許し、最後にダメ押しを決められた。PK2本と退場とで自滅した試合となった。

数字を見ればシュート数5-23、CK3-8、ポゼッション40-60と特に前半の劣勢が響いているが、それにしてもシュート5本では勝つのはむずかしい。守備でバタつくことが多く、ボールを持ってもパスがつながらず前線にボールを運ぶことができなかった。

いいとき(あんまりないが)に垣間見える、少ないタッチ数でボールを速く動かし、スピード感を失わずにフィニッシュまで持ちこむ攻撃は影をひそめ、パスの雑さだけが印象に残る残念な展開になってしまった。全体に自信というか確信のなさが試合運びに表れているように見える。

中断前に出かけた芽を摘んでしまうようないいところのない試合で、流れをつかむことができなかった。試合日程のあやもあってむずかしい試合が続いているが、さすがに言いわけも通りにくくなっており、このままでは監督の進退になりそうな雲行き。

アウェイとはいえ最下位のケルン相手にダービーで押し負けたのは痛い。個々の選手の頑張りがチームとして組織化されていない印象が強く、戦術に対する信頼性や監督の求心力が低下しているのではないかと危惧される。

成功体験を積み上げるのが対策としてはいちばん手っ取り早いが、この先2、3試合で期待するような結果が出ないといよいよ危機になる。残念だがクラブとしての対応が問われる局面になりつつある。

ここまで8試合を終えて1勝4敗3分、勝ち点6(1試合あたり0.75)で13位。笑顔で見守ることのできる範囲はとっくに終わっている。

ゲラルド・セオアネ監督談話:
「前半は我々はまったく試合に入ることができなかった。手がかりがなく力を見せることができなかった。まったく弱々しいパフォーマンスだった。ケルンの中盤がポジションを交換するのに対応することができておらず、コンパクトにできず、ラインの間も間延びしてしまった。後半はマシになった。ゴールから力を得て、あの局面では少し流れをつかみかけたが、レッドカードでそれも途切れてしまった。ひどい気分で家に帰ることになるが、この当然の敗戦をしっかり乗り越えなければならない。こんなパフォーマンスで勝つことは覚束ないし、ハイデンハイムとの二連戦に向けてどうやってチームに新しい刺激を与えることができるか、コーチ陣とよく考えなければならない」

ホームのケルンが白ユニだったのでグラードバッハはスイカユニだった。



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2023年10月21日 21:31      [posted by der_ball_ist_rund]

【Jリーグ第30節】横浜FC 1-0 FC東京

■ 2023年10月21日(土) 14:00キックオフ
■ ニッパツ三ツ沢球技場

秋晴れの土曜日、ヴェスパで行こうかとも思ったが、交通状況が読めないので電車で行くことにした。横浜まで出て相鉄ジョイナスの勝烈庵でお昼食べて、シャトルバスで行こうと思ったのだが、勝烈庵はお待ちであきらめ、シャトルバスも乗り場が長蛇の列で結局地下鉄に乗って三ッ沢上町の駅から歩いた。ヴェスパにしておけばよかった。

3週間ぶりの試合ということで、中断前の2連勝の勢いを引き継ぎたいところだが、相手は残留争いの渦中にあるということでむずかしい試合になりそう。すでに降格もACLもない我々としてはなにを目線に戦うのかチームとしての意志を問われる。

仲川が警告累積で有給休暇。U22代表から戻ったばかりの野澤、バングーナガンデが先発、松木がベンチ入り。一方でスウォビィクと長友はメンバー外となった。

野澤
白井 森重 トレヴィザン バングーナガンデ
小泉 原川
俵積田 渡邊 アダイウトン
オリヴェイラ

ボールを握ってビルドアップを図ろうとする東京に対して、ボールへの早いアプローチでパスコースを限定し、自陣では強固なブロックを構築してスペースを消してくる横浜という流れになる。

巧みにパスコースを切ってくる横浜に対して東京はオリヴェイラに当てられず、両翼もスペースがないため得意の突破が見せられない。ムリをして出したパスを頻繁にカットされ、一発で裏に通されることも多く、森重、トレヴィザンが個での対応を余儀なくされるなど主導権を握れない。

24分、バングーナガンデが入れたクロスを俵積田が収めるがエリア内はスペースがなく、後ろにこぼれたボールを小泉がエリア外からミドルで狙うが大きくバーの上に外れる。これが東京のファースト・シュートになる。

32分、縦にすばやく運ばれ、左サイドから中央に運ばれてシュートを打たれる。これがトレヴィザンに当たってコースが変わりゴールに。人はいたが対応しきれず0-1と先制を許した。スタンドからはオフサイドかとも思ったがゴールチェックも特に問題なく終わった様子だった。

さらに39分、敵のFKをクリアしたボールを再びエリアのなかに放りこまれ、頭で折り返されたところに頭で合わされてゴールに入るがオフサイドの判定で救われる。しばらく主審がインカムで交信していたのでドキドキしたがVARが介入することはなかった。

41分にはバングーナガンデからのパスを受けた渡邊がシュートを放ったがDFにブロックされる。結局ほぼ見せ場がないまま、横浜ペースで0-1とビハインドを背負って前半を終えた。

意図のはっきりした横浜のゲームプランに対して、スロースタートでペースも強度も上がらないまま先制を許した。主導権を握れないまま球際でも勝てず、リスクを取った攻撃もできていない。後半流れを変える必要があるが打ち手はあるのか。むずかしい展開。

後半に入るとポジショニングにやや修正が見られ、前半よりはマイボールを確実につないで押し上げることができるようになる。57分、白井が右サイドから入れたフィードにアダイウトンが走りこみシュートするが敵GKにセーブされる。

63分、白井と俵積田に代えて東と松木を投入、小泉が右SBに落ち、東はボランチに。松木は渡邊を右ウィングに押し出してトップ下に入った。

横浜が引いて自陣でブロックを形成することが多くなり、東のところでボールが落ち着くようになるが、その分前線ではスペースがなく崩しに苦労する展開に。ボールは握るがなかなかバイタルに入りこむことができない。

79分、アダイウトンに代えて塚川を投入、そのまま左ウィングに入る。敵陣で試合を進めるが、固いブロックに対しアイデアがなくフィニッシュまで持ちこめない。

87分、渡邊とバングーナガンデに代えて熊田と徳元を投入、熊田とオリヴェイラの2トップになる。終盤は東京が攻撃をしかけたが、横浜の固い守備を崩すことができず、結局0-1のまま試合終了となった。

なにを手がかりにどこを崩すのか、意図がはっきりしないまま横浜のゲームプランにつきあってしまい、敵の手のひらの上で踊る試合になった。固いブロックを構築されてパスコースとスペースを消され、それをかいくぐるだけの技術も、強度も、アイデアもなかったというほかない。

数字を見ればシュート数6-6、CK6-1、ポゼッション56-44と、ボールは握ったがフィニッシュまでもちこめなかったことがわかる。

負けるときはこういう負け方だよねという負け方であり、守備をしっかり構築してくる相手に対してこちらのゲームプランがハマらないときの対応力の弱さはこれまでも見たとおり。ハーフタイムでの修正も効果は限定的で、打ち手のプアさを改めて認識した。

目線の置きどころのむずかしい試合だったがそんなことは初めからわかっていたことで、個々の選手はそれぞれに力を尽くしたと思うが、その頑張りを勝利に向けて組織化することができなかったのは監督はじめマネジメントの責任だろう。

とはいえやろうとしていること、やっていることが間違っているわけではなく、クラモフスキー・ドクトリンをやりきってその限界が見えたというよりは、まだそれをやりきれていないために問題にぶち当たっていると見るべきのように思う。

まだまだ高めなければならないところはいくらもあり、それをやりきっていないうちからこのスタイルの是非を判断できないと感じる。今日の試合も失点にフォーカスするよりは、1点も取れなかった攻撃に課題を見出すべきで、ここ2試合で機能したものがこの試合で出せなかったのはなぜなのか見極めなければならない。

用兵においても、タイプの似た俵積田とアダイウトンを左右のウィングに配した結果、スペースのないなかで突破もできずボールの収まりどころもないという手づまりに陥った。特に右に置いた俵積田はほぼ見せ場がなく、ここは他のやり方があったのではないかと思う。

これで30試合を終え、11勝13敗6分で勝ち点は39のまま、1試合あたりの勝ち点は1.30となった。残り4試合を全勝して到達できる勝ち点は51で1試合あたりの勝ち点は1.50となる。目の前の試合をひとつずつ戦うしかないが、最終的には勝ち点を50台に乗せ、賞金のもらえる9位以内を確保したい。

評点(評点はドイツ式):
野澤(4) 失点はコースが変わってセーブはむずかしかった。
白井(5) 守備やポジショニングで課題が残った。
森重(5) 敵の速い寄せに苦労、ボール・ロストもあった。
トレヴィザン(4.5) ハイリスクの突貫守備でなんとか繰り回した。
バングーナガンデ(5) もっとビルドアップの出口になりたい。
小泉(4.5) リスク感覚が高くスペースを消した。
原川(4.5) 後半は落ち気味でバランスを取った。
俵積田(5) 右サイドは苦しい。スペースもなく手づまり。
渡邊(5) 狭いところでのプレーを強いられ不発。
アダイウトン(4.5) 可能性は感じたが窮屈すぎた。
オリヴェイラ(4.5) 前線で身体を張ったがボールが来ず。
===
松木(4.5) 走りまわってボールを引き出したがその先が。
東(5) リンクマンの役割は果たしたが余裕はなかった。
塚川(-) 時間短し。動き直しなど手本は見せた。
徳元(-) 時間短し。ロングスローはよかった。
熊田(-) 時間短し。

勝烈庵の勝烈定食を食べられなかったのが心残りだ。



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2023年10月08日 21:33      [posted by der_ball_ist_rund]

【ブンデスリーガ第7節】グラードバッハ 2-2 マインツ

■ 2023年10月6日(金) 20:30キックオフ
■ Borussia-Park

前節今季初勝利を挙げて迎えるホーム・ゲーム。日本時間で土曜日明け方の試合であり早く起きて数時間遅れの追っかけで見た。相手は開幕から勝ち点1と我々以上の地獄を見ているマインツ。悪いがしっかり勝ち点を積み上げさせていただきたい。

試合前にはヴェバー、板倉らが別メニュー調整でDFが足りず4バックもあり得る的な情報もあったもののなんとか人は揃ったようで前節と同じ先発。勝っているときはメンバーをいじるなという格言どおりとなった。

ニコラス
エルヴェディ 板倉 ヴェバー
ヴァイグル
オノラ ライツ ノイハウス ネッツ
ヨーダン プレア

序盤はグラードバッハが主導権を握る。出足よく奪ったボールを流動しながらワンタッチで動かし、前線に当てて敵のフォーメーションが整う前に攻めきる目論見で、前節の成功体験を生かそうとしているのがわかる。

9分、ヴェバーからの縦パスを受けたヨーダンがプレアに落とすと、GKとの一対一になったがシュートはわずかにファーにはずれた。20分にはCKからファーのプレアが角度のないところから頭で押しこもうとするがバーの上に。

22分、板倉が右サイドのオノラにパスを受けたオノラが中央にクロスを入れる。ここに飛びこんだノイハウスが頭で突き刺してゴールを決め、1-0とグラードバッハが先制する。ここまではいい流れだった。

しかし直後の24分、CKからサインプレーでボールを受けた敵FWにエリア外からミドル・シュートを決められ1-1と同点に。先制の直後に追いつかれたことで試合がふりだしに戻ったのみならず、スタジアムの空気も「おいおい、どうした」的な感じに。そういうゴールだった。

それでも34分、オノラからのクロスをプレアがスルー、ヨーダンが中央で合わせるが敵DFに触られバーを越える。タイミングは完全に合っていた。その後もなんとか流れをとり戻そうとするが決めきれず、1-1のまま前半を終えた。

ボールを握りながら先制したが直後に追いつかれナーバスな展開に。後半早い時間に突きはなしたい。

後半は拮抗したゲームに。前半ほどボールを奪えなくなり、マインツの攻撃を受ける時間が長くなる。54分、オノラがエリア内で放ったシュートが敵DFに当たり、グラードバッハの選手がハンドをアピールするが認められず、VARも介入しなかった。リプレイでも不自然に身体を大きく見せているわけではなく判定は妥当だったと思う。

64分、プレア、ヨーダン、ノイハウスに代えてエングム、チュヴァンチャラ、コネを投入、エングムとチュヴァンチャラの2トップとなる。

75分、敵陣でボールを奪われ、ドリブルで持ちあがられる。後追いの守備となり、ライツが並走したがそのままエリアに入られ、放たれたシュートが決まり1-2と逆転を許す。最初にエルヴェディが置いて行かれ、そのあとはだれもチャレンジできなかった。

グラードバッハは77分にチュヴァンチャラがオノラからの速いクロスにゴール前至近で頭で合わせるが敵GKにセーブされる。直後の78分にもエングムもオノラのクロスからヘディング・シュートを放ったがこれも敵GKに阻まれた。

79分、ライツとネッツに代えてハックとスカリーを投入。スカリーが右SBに入り、ヴェバーを左SBに押し出しての4バックになったように見えた。前に重心をかけてゴールを狙いに行く。

88分、エングムからの横パスを受けたスカリーが右サイドエリア手前から右足を振りぬくと、これが決まり2-2の同点に。土壇場でチームを救う見事なミドル・シュートだった。

90+6分、エリア際でスカリーが敵DFに倒されたがエリアの外と判定されFKに。チュヴァンチャラがこれをけったが壁に阻まれ、こぼれ球にもう一度詰めたがボールは「夜空に消え」(とkickerは書いている)、試合は2-2で終了。ビハインドを追いついたことで満足するしかない試合となった。

試合の入りはよく、いい時間帯に先制したものの、あまりにその直後に、あまりに素晴らしいミドル・シュートを決められて雰囲気がおかしくなり、後半は敵も修正してきたことから主導権を手ばなして逆転を許した。終盤にスカリーのゴールで追いついたものの、最初に思っていたのとは違う試合になってしまった。

この試合ではシュート数21-14、CK10-3、ポゼッション60-40と数字的に上回りながら、試合運びのつたなさや甘さで一度はリードを許す苦しい展開になった。1失点めは敵のシュートがよすぎたが、逆転された2失点めは守備がズルズル下がりながら目の前でシュートを打たれてしまい、なにやってんだ感がハンパなかった。

内容的にそこまで悪かったわけではないし、最低限の勝ち点は確保したが、やはり試合運びや守備面で自信のなさというか不安定さが払拭できていない感を受ける。帳尻は合わせたもののスカリーの個人技であり、いつも決まるものではない。勢いに乗るチャンスを逃したもののギリ流れをつないだかたちで、この勝ち点1を生かすためには次節アウェイでのケルン戦でしっかり勝ち点3を積み上げなければならない。

インターナショナルで次の試合まで2週間あり、この間各国の代表に選手が呼ばれるものの、特に守備の約束ごとをあらためて落としこんでほしいところ(何週間か前にも同じようなことを書いたが)。今のスタイルは追求する価値はあると思うが、開幕から7試合で1勝3敗3分の勝ち点6では監督更迭の議論も出かねない。この2週間は最後のチャンスになるかもしれない。

ゲラルド・セオアネ監督談話:
「我々はうまく試合を始められたし、全体に相手をしっかりつかんでいた。いいかたちでチャンスを多く作ったが、明らかに決めきるという点では足りないところがあった。マインツを相手にこれだけのことをやれば攻撃の面では多くを正しくやったということだが、それでも試合の流れをこちらに引き込むことをしっかりやらねばならない。後半、我々は主導権を手ばなし、競り合いでも譲りがちになって、その結果相手にチャンスを作らせた。最後の20分は我々はもう一度すべてを投入して再びいくつかの局面を作った。最終的には引き分けという結果はまったく妥当なものだと思う」

勝たなければならない試合だった。



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2023年10月02日 20:00      [posted by der_ball_ist_rund]

【ブンデスリーガ第6節】ボッフム 1-3 グラードバッハ

■ 2023年9月30日(土) 15:30キックオフ
■ Vonovia-Ruhrstadion (Bochum)

開幕から5試合消化した時点で3敗2分と勝ち点2しか取れず15位に低迷するなかでの試合。相手は同じく開幕から未勝利で勝ち点3(3分)のボッフムであり、アウェイだがなんとかここで初勝利を挙げたい。

コネがベンチ・スタートとなりノイハウスが先発。また前節スタメン落ちしたプレアがスタメンに復帰、スカリーが控えとなった。試合はグラードバッハのサポーターが非常口をふさぐ形でフェンスに横断幕を張ったためキックオフが遅れ、これを撤去して10分遅れでの試合開始となった。

ニコラス
エルヴェディ 板倉 ヴェバー
ヴァイグル
オノラ ライツ ノイハウス ネッツ
プレア ヨーダン

試合は立ちあがりから互いに前に出て打ちあう展開に。早くも2分、ヨーダンの落としたボールに右サイドから走りこんだオノラがシュートを放つがポストに嫌われる。4分にはネッツがヨーダンとのワンツーでエリアに入りこみシュートを放つがGKがセーブ。

グラードバッハは自陣でブロックを形成しボッフムのミスを再三インターセプト、そこからワンタッチでボールを動かしてオープン・スペースにパスを出す形で何度もカウンターをしかける。たて続けにシュートを放つが決めきれない。

すると27分、敵のミス・パスを受けたネッツがプレアに展開、プレアが深いところまで持ちあがりマイナスのパスをゴール前に入れると、ノイハウスがダイレクトでこれをゴール右下隅に決める。グラードバッハがようやく1-0と先制した。いい連係だった。

この直後、グラードバッハのサポーター席から発煙筒が焚かれ激しく煙があがった。発煙筒の一本がピッチに落ちて炎が出たため試合が中断、消火作業が行われる騒ぎに。先制してリズムに乗ろうとするタイミングで水を差された。

37分にはオノラの右CKを中央でヴェバーが頭で伸ばし、ファーのプレアがこれを頭で押しこんでゴール。2-0とリードを広げる。今季アシストばかりでゴールのなかったプレアにようやく得点が生まれる(昨年11月以来のゴール)。

さらに45+3分、敵のミス・パスをカットし前線のヨーダンへ。ヨーダンが敵の寄せを受けながらも踏ん張りプレアにボールを出す。プレアが左サイドからカット・イン、敵DFをかわしてファー・サイドにけりこんでゴール。3-0と点差を広げる。今季未勝利のうっぷんを晴らす攻撃で3点のアドバンテージを得て前半を終えた。

ボッフムのパスワークが緩いとはいえ、再三これをカットしてマイボールをしっかり持ちあがったところに光を見た。後半も引くことなく追加点を取って早々に試合を決めたいところだ。

後半に入るとボッフムがフォーメーションを変更、調整してきたことでやや拮抗した展開になる。グラードバッハは引き続きカウンターからチャンスを作るがダメ押しの追加点が取れない。

51分にはゴール前の密集でプレアが強烈なシュートを放つが敵GKがセーブ、さらにこぼれ球をノイハウスがかかとで流しこもうとするがこれもGKに阻まれ、最後にノイハウスがシュートを放つがバーを越える。決めておきたかった。57分にもネッツがシュートを放つが敵GKがセーブ。

64分、負傷したエルヴェディとヨーダンに代えてフリードリヒとチュヴァンチャラを投入。しかし前線を入れかえてきたボッフムがリスクを取って前に出たため、次第に自陣で防戦に追われる展開となる。

68分、ゴール前で混戦となり、裏に抜けられたところを板倉がクリアしきれず流しこまれて失点、3-1となる。これでボッフムは勢いを取り戻し、押しこまれる時間が長くなる。

71分、ノイハウスとプレアに代えてクラマーとスカリーを投入、スカリーは右ウィング・バックに入り、オノラがチュヴァンチャラと2トップに。終盤にかけてボッフムは長いボールをゴール前に放りこむパワー・プレーを試み、これをはね返す流れに。

89分、ライツに代えてヤンチュケを投入。板倉が一列前に上がる。90分、右サイドのオノラからのクロスに中央のチュヴァンチャラが頭で合わせるがボールはGKがセーブ。高速クロスで頭で合わせるのも怖そうだった。

90+2分、左サイドから放りこまれたクロスをヤンチュケがクリアするが、これが手に当たったのではないかということでVARが検証したがOFRなしでノー・ファウルが維持された。たしかに手に当たっているように見えたがどういう理屈でハンドを取らなかったのかは不明。

さらに90+5分、左CKがゴール前での混戦となり、ボールはゴールに入ったが、その前の競り合いでニコラスが敵FWに倒されており、ゴール・チェックでこのファウルを取ってノー・ゴールに。二度続けてVARに救われた。

試合はそのまま3-1で終了、後半押しこまれ、最後はかなりバタついたが敵の反撃を1点に抑えて3-1で今季初勝利を挙げた。

前半はボッフムの甘いパスをカットしてカウンターからフィニッシュに持ちこむシーンが多く、先制までに時間はかかったが3点をリードして折り返し。後半もチャンスはあったが決めきれずにいるうちに反撃に遭ったが、なんとか逃げきったかたちになった。

いい判断からインターセプトしたボールをワンタッチでつないで一気に裏を取る攻撃は、おそらくこういうことがやりたいんやなと思わせる破壊力があるが、まだうまく行くときとそうでないときの差が大きいし、守備も相手によってハマるときとそうでないときがあるように思う。

この試合はボッフムが我々以上に不調でやりたいようにやらせてもらったが、それでも終盤ズルズル下がって防戦一方になり、1点を失ったのはまだまだ課題。ここをベースにするにしてもやらなければならないことは多いと感じた。

シュート数27-24、CK10-5、ポゼッション42-58とポゼッションを譲りながらカウンター主体にフィニッシュまで持ちこんだことが窺えるが、後半の立ちあがりにいくつかあったチャンスのうちひとつは決めておかなければならなかった。前半のリードが十分あって助かった。

この試合で印象に残ったのはヨーダンで、預けられたボールをしっかりポストし、キープからプレアやオノラに渡したり、自ら前を向くなどゴールこそなかったものの中央で大きな働きをした。

また、テュラム、シュティンドル、ホフマンらが去るなかで、腹をくくってグラードバッハに残ってくれたプレアのゴールは嬉しかった。今季はアシストでの貢献は大きかったがゴールはなかっただけに、これで感覚が戻れば大きな存在になる。

次節、ホームでのマインツ戦となるが、ここでしっかり連勝して勝ち点を積み上げ、スタートの遅れを取り戻さなければならない。この試合の勝利を次につなぐ大事な一戦になる。

これで6試合を終了し1勝3敗2分、勝ち点5(1試合あたり0.83)の13位(暫定)とまだまだだが、最初の足がかりを得たのは大きい。8位フランクフルトとの勝ち点差は2で挽回は十分可能な段階なので、目の前の試合にひとつずつ取り組んで行くしかない。

ゲラルド・セオアネ監督談話:
「試合開始から、我々はボッフムのエネルギーと一対一の強さを受けて立つ準備ができていた。我々は多くの一対一やセカンド・ボールに勝った。前半の結果はまったく問題のないもので、我々はスペースがよく見えていたし、前線での切り替えも素早かった。その結果多くのチャンスを作った。後半少し受け身になりすぎた面はあったのものの、全体としては勝利は妥当なものだった。1失点はまったく大丈夫だが、その後にもあまりに多くのボッフムのチャンスとペナルティ・エリアでのシーンがあった。我々は今後は集中をもっと長く保たなければならない」

確かに終盤はドン引きでクリア一辺倒になってしまった。そういえばコネもエングムもハックも使わなかったな。



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2023年10月01日 21:00      [posted by der_ball_ist_rund]

【Jリーグ第29節】FC東京 3-0 G大阪

■ 2023年10月1日(日) 15:00キックオフ
■ 味の素スタジアム

雨の予報もあったが実際には晴れていて降りそうにもなかったのでヴェスパで味スタに向かった。まだ蒸し暑さは残るものの気温は高くなく真夏に比べればずいぶんラクに観戦できるようになった。

東京は前節鳥栖に0-2からの逆転勝ちで勢いに乗る。雰囲気に酔ってふわっと試合に入ってしまわないように、立ちあがりから高い強度で当たりたい。ホーム2連勝で勝ち点をしっかり積みあげたい試合だ。

先発は前節と同じ。前節警告累積で出場停止だった小泉は復帰したもののベンチ・スタートとなった。東は引き続き出場停止。

スウォビィク
長友 森重 トレヴィザン バングーナガンデ
松木 原川
仲川 渡邊 アダイウトン
オリヴェイラ

立ち上がりは双方ボールをつないで前に出ようとする拮抗した展開に。中盤で主導権を奪い合い、マイボールは前線に素早くつないでゴールを窺う。東京はオリヴェイラに当てたボールを仲川、アダイウトンが拾って攻撃をしかける。

15分、オリヴェイラからのスルー・パスに仲川がゴール前に抜け出してシュートを放つが敵GKがセーブ、さらにこぼれ球に渡邊、アダイウトンが詰めるがともにGKにセーブされる。このシーンは結局最初の仲川がオフサイドだったとの判定に。

時間の経過とともに前線からの守備が奏功して敵のボールを奪うシーンが増え、東京が徐々に主導権を握る。奪ったボールは狭いエリアでもしっかりキープして裏抜けするなど攻撃が形になり始める。

33分、原川の左CKに渡邊が頭で合わせるが敵GKがセーブ。すると37分、長友からのパスを仲川がエリア中央で受け、後ろから出てきた原川にボールを預ける。原川は巧みに裏に抜け、そこからけりこんでゴール。原川の移籍後初ゴールで東京が1-0と先制する。技術の高いシュートだったし仲川の落としもよかった。

勢いを得た東京はその後もボールを保持して攻勢を強める。43分、アダイウトンからのパスを追ってオリヴェイラが敵ゴール前に走り、ギリで敵GKより先にボールをさわって置き去りにする。そのまま無人のゴールに流しこんで2-0に。東京がリードを広げる。

45+2分には仲川の落としを受けた渡邊がエリア手前からシュートを放つが枠外に。2-0で前半を終了した。拮抗した立ち上がりだったがアグレッシブにボールにアプローチするところから主導権を握り、2点のリードを奪った。後半、敵が修正してくるのに合わせすぎず、前を向いて追加点を取りに行きたい。

後半になっても東京のペース。46分、松木のクロスに仲川が合わせるが敵GKがセーブ。さらにファンブルしたボールに仲川とバングーナガンデが詰めるがボールを確保される。51分にはアダイウトンの切れこみからのクロスに渡邊が合わせるが惜しくもポストに嫌われる。

さらに54分、カウンターで持ちあがった渡邊がオリヴェイラにパスを送ると、オリヴェイラはボールを持ちかえてシュートを放つがこれも敵GKがセーブ。チャンスは作るが追加点が奪えない。

敵が前線を入れかえシンプルに前に預ける攻撃を織り交ぜるようになるが、東京は森重、トレヴィザンを中心に、原川、松木も加わって中央を締めて対応する。67分、アダイウトンに代えて俵積田を投入、そのまま左ウィングに入る。

さらに77分、仲川、松木、バングーナガンデに代えてシルバ、小泉、白井を投入し、ゴールを狙いながらも試合をクローズしに行く。白井は右SBに入り長友が左にスライド。

すると78分、俵積田がハーフウェイから左サイドをドリブルが駆けあがり、深い位置から敵DFを抜いてエリア内に切れこむと、角度の厳しいところからこれをものともせずファー・ネットを揺らすシュート。俵積田の2試合連続のゴールで東京が3-0とダメ押し。

83分、右サイドの白井からのクロスをファーで受けた渡邊がシュートを放つが枠外に。88分、スルー・パスから抜け出されシュートを決められるがオフサイドの判定。VARが検証したが判定は変わらずクリーンシートを継続。

89分、森重に代えて木本を投入。その後はうまく時間を使って5分のアディショナル・タイムも乗りきり、結局3-0でG大阪に完勝した。

五分の立ち上がりから徐々に流れを引き寄せ、いい時間帯にゴールを奪って主導権を握ると、前半のうちに追加点を挙げるとともに後半にもダメ押しのゴールを決めてG大阪を圧倒、危なげなく完封勝利を手にした。

試合を通して強度高く矢印を前に向けて戦う意志がはっきりと窺え、それがサボることも落ちることもなく前線からしっかりとプレスをかけ続けたし、布陣はコンパクトに保ち続けた。シュート数13-9、CK2-2、ポゼッション52-48と数字のうえではそこまで差があるわけではないものの、終始東京が試合を動かしたといっていい。

前半、アダイウトンの守備がいつになく積極的で効果的だった。前節の勝利に浮かれることなくしっかり締めて行こうというのはおそらく仲川あたりから声が出ていたと思われ、彼自身もアグレッシブなプレーで幾度となく手本を見せた。

攻撃面ではオリヴェイラに当ててからの選択肢や、最終ラインからビルドアップするときの出口のバリエーションにチームとして取り組んでいるものの片鱗が見える気がした。まだまだオリヴェイラの踏ん張り次第という面はあるものの、再現性のある攻撃ができ始めている気はする。

少なくとも今季残り5試合、この戦術を突きつめて、どこまでやれるか、そのうえに来季の構想を描くことができるかを見極めなければならない。決して戦略のない出たとこ勝負ではなく、クリアするべき点が比較的見えている感もあり、まだまだやりきれていない部分をモノにできたときにどんなチームになるのか見てみたい。

小泉、仲川、原川ら戦うことの厳しさを知る選手も集まってきており、今季限りでのリセットはもったいない。まずは残り試合でできる限りの勝ち点を積み上げたい。

これで29試合を終えて11勝12敗6分で勝ち点を39(1試合あたり1.34)に伸ばした。順位は10位と変らないが9位の川崎とは勝ち点で並んでおり競り合いになっている。8位の福岡とは勝ち点差が6あり、残り試合での逆転は現実的には厳しいが、とにかくまずは目の前の試合をひとつひとつ丁寧に戦って行きたい。

評点(評点はドイツ式):
スウォビィク(3) クリーンシートは嬉しい。ナイスセーブあり。
長友(3.5) 無尽蔵のスタミナでアップダウン。左右をこなした。
森重(3) 敵FWとのマッチ・アップに完勝。守備を締めた。
トレヴィザン(3.5) 森重のカバーがあるから突進できる。
バングーナガンデ(3.5) 縦への突破やクロスに特徴を見せた。
松木(3.5) しっかり顔を出してボールを触った。
原川(3) ゴールは嬉しい。技術の高さが出た。
仲川(3) この人の姿勢がチームを導いている。
渡邊(3.5) 走り続け、シュートを打ち続けたがノーゴール。
アダイウトン(3) ゴールはなかったが攻守の貢献は大きかった。
オリヴェイラ(2.5) 効いていた。ゴールは価値が高かった。
===
俵積田(3) 2試合連続ゴールで存在感を示した。
白井(-) 時間短し。いいクロスあり。
シルバ(-) 時間短し。もうちょっと見てみたい気はするが。
小泉(-) 時間短し。試合を締めた。
木本(-) 時間短し。

クラブ創立25周年記念日ということで前節に続きスペシャル・ユニでの試合となった。



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