フットボール・クレイジー
football crazy
silverboy club
presents
2010年07月28日 00:28
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【2010ワールドカップ】ドイツ代表総括
ドイツ代表は体格を生かしたフィジカル重視のガチガチなフットボールから、パスを当てながら素早く前線に展開するモダン・フットボールへの進化を遂げた。大会直前に主将のバラックがケガで欠場を余儀なくされるハプニングがあったが、かえって若手がのびのびと力を発揮できるようになったのかもしれない。バラック怖そうだからな〜。
今回の主役は何と言ってもシュヴァインシュタイガーだろう。中盤の底でバランスを取り、カバーリングからボール奪取、配球、プレース・キック、シュートと八面六臂の活躍を見せた。この人がこのポジションでこんなにハマるとは正直思ってなかった。ドイツとしてはシュヴァインシュタイガーのワールドカップだったと言っても過言ではない。
それに加え、クローゼ、エツィル、ミュラー、ポドルスキといった、アイデアと決定力を兼ね備えた前線の選手たちも躍進の原動力になった。流動しながら小気味よくパスを当て合い、シュート・チャンスを逃さない連動はクラブ・チームかと思うほど。ま、クローゼとミュラーはチーム・メイトだし、ポドルスキもこないだまでバイエルンにいたし。
ただ、実際の試合では意外と受けに回る時間も長かった。やや深めにラインを取り、待ち受けては網にかけてボールを奪い、そこから攻撃を組み立てるというやや守備的な入り方の試合が多かったように思うし、実際、ドイツを「堅守速攻」型だと評している記事もいくつか見た。
だがこれは、ワールドカップの戦い方を現実的に判断したら結果的にそうなったというだけのことなのだと僕は思う。これまで、ワールドカップで優勝する喜びも、あと一歩のところで敗退する屈辱や悔しさも知り尽くしてきた国のチームとして、局面ごとに最も合理的な選択を当然のようにした結果があれだったのだ。
ただ準決勝のスペイン戦だけは、その合理的な選択ができなかった。押し込まれるままにスペインの攻撃を受け止め、ラインはズルズルと下がってしまい、自陣を主戦場にしてしまった。ここでラインを高く保ち、中盤で戦えていれば結果は分からなかったと僕は思う。そこにやはり「締める」役の主将がいなかったのは大きかったのかもしれない。
大会前、ドイツ代表の前評判は決して高くなかった。イタリアとスペインとイングランドしか知らない日本のメディアは論外としても、バラックもフリングスもいない若手とリーグ戦で結果を出せていない選手中心の代表の実力を危ぶむ声が多かったのは事実だろう。エツィルやミュラーがここまでやれるとはドイツ人も正直思っていなかったはずだ。
だが、それでもドイツ代表がチームとして堂々たる戦いを見せたのは、先にも書いたように、サッカーやワールドカップを知り尽くし、その喜怒哀楽の歴史を国として積み上げてきたこの国の人たちの、集合知や共同体験みたいなものの力だと僕は思う。ここ3回のワールドカップで、準優勝、3位、3位と、優勝はないがこれだけ安定した結果を残しているのは強豪国の中でもドイツだけ。そこには個々の選手の能力や戦略、戦術を超えた何かのバックボーンがあるはずだと僕は思うのだ。
レヴ監督は留任するようだ。今回活躍した選手の年齢を考えれば、次の大会はかなりのチャンスになるかもしれない。まずは再来年のユーロを楽しみにしよう。そしてスペインに雪辱しよう。
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2010ワールドカップ
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ドイツ代表
2010年07月21日 23:48
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【2010ワールドカップ】日本代表総括
日本代表は大方の予想に反して一次リーグを突破し、決勝トーナメントに駒を進めた。決勝トーナメントのパラグアイ戦では延長までスコアレスで戦い、最後にPK戦で敗れはしたものの、ベスト8はすぐ目の前にあった。4試合を戦って2勝1敗1分、勝ち点7。大会前に「ベスト4」を目標に掲げた日本代表は嘲笑、冷笑を受けたが、結果から見れば、その目標設定は――最終的に手が届かなかったとはいえ――あながち夢物語ではなかったと言えよう。これだけの結果を残したことは高く評価しなければならない。
もちろん、この結果は、高い位置からのプレス、ポゼッション、速いパス回し、崩しからフィニッシュという岡田監督就任時からの戦略を大胆に捨て去り、自陣にブロックを形成する守備的な戦い方にシフトすることによって成し遂げられたものだ。この辺のことは既にあちこちで言われているので改めて説明するまでもないだろう。そして、結果から見ればこの決断は正しかった。身の丈を知り、その中で自分たちの持ち得るものを最大限生かす戦い方をしたという点では、僕たちの代表はこれ以上ないというくらい優秀だった。
だが、そうであればあるほど、それでは岡田監督就任から大会までの2年半はいったい何だったのかという疑問が残る。
アジア予選ではポゼッション・フットボールもそれなりに機能していたのだからそれでいい、本戦に向け戦略を転換することはあり得ることだ、という考え方ももちろんあるだろう。
しかし、岡田監督はそのような明確な見通しの下に堅守速攻型のチームを編成し強化してきたのではない。初めからこうした戦い方を展望するなら、もっと違ったチーム編成、強化があり得たはずだ。一度も起用することのない選手を何人もベンチに座らせておくこともなかったはずだし、日本に残してきた選手の中にこの戦い方で生きる選手が何人もいたはずだ。今回の一次リーグ突破は、泥縄がたまたまうまく行っただけのことであり、単なる僥倖以上のものではなかった。チーム戦略としては明らかに失敗だったのであり、そのことは明確に指摘しておかなければならない。
もうひとつ僕たちがよく考えなければならないのは、今回の戦いが所詮弱者の戦略であるということだ。僕たちの代表は、これからも自分たちの力が世界の強豪国と比べて明らかに見劣りすることを前提にした戦い方をして行くのか。あるいは、今回は失敗したが、より能動的で機動的なスタイルによって世界の強豪に伍することを目指すのか。僕たちはこれから難しい選択を迫られることになるだろう。
メディアの論調はいつもながら滑稽だった。大会に向けては岡田監督批判がヒステリックなまでにフィーチャーされていたのが、カメルーンに勝った途端にまるで手のひらを返したように翼賛的な岡田バンザイ一色に染まってしまった。大会前にはチームを支え、買ったときにこそ課題を厳しく指摘するようなメディアは残念ながら僕の知る限り見当たらなかった。寂しいことだが、結局、僕たちの社会にはスポーツ・ジャーナリズムの名に値するような言論はないということなのかもしれない。
いずれにせよ、今回のワールドカップは、おそらく前回以上のインパクトを僕たちに残してくれた。バカ騒ぎも含めて、この期間、僕たちの生活は確かにサッカーを中心に回っていたし、僕たちの退屈な日常は間違いなく異化された。ひとつひとつの試合、得点、プレーが僕たちの中に深く刻み込まれた。そのようにしてサッカーは僕たちの共通の記憶になり、共有の言葉になり、そして文化になって行くのではないだろうか。
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2010ワールドカップ
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日本代表
2010年07月13日 00:15
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【2010ワールドカップ】ドイツ戦評点答え合わせ
今回のドイツの試合の評点について、自分の評点と「kicker」紙の評点を比べてみた。意見の食い違うところもあるが、概ね近い評価をしているのではないだろうか。僕の見方のクセとか偏りが出ているようで面白い。カッコ内の最初の数字が僕の評点(これまでに公表したもの)、スラッシュの後がkickerの評点だ(
採点の見方
)。
◆一次リーグ第2節 ドイツ×セルビア 0-1
ノイアー(4/4)、ラーム(4.5/3)、メルテザッカー(5/4.5)、フリードリヒ(4.5/3.5)、バードシュトゥーバー(5/5.5)、ケディラ(4/3)、シュヴァインシュタイガー(4/3)、ミュラー(4.5/4.5)、エツィル(4.5/3.5)、ポドルスキ(5/4.5)、クローゼ(5/5)
1.5以上乖離したのはラームのみ。「kicker」は敗戦の割りにフリードリヒ、ケディラ、シュヴァインシュタイガーらの評価が高かった。
◆一次リーグ第3節 ガーナ×ドイツ 0-1
ノイアー(3.5/2)、ラーム(3.5/2.5)、メルテザッカー(4/5.5)、フリードリヒ(4/3.5)、ボアテン(4/4)、ケディラ(4/4)、シュヴァインシュタイガー(3/2)、ミュラー(3.5/4.5)、エツィル(3/2)、ポドルスキ(4/4.5)、カカウ(4/3.5)
1.5以上の乖離はノイアー、メルテザッカー。「kicker」は総じてメルテザッカーの評価が低く、フリードリヒの評価が高いようだ。
◆決勝トーナメント1回戦 ドイツ×イングランド 4-1
ノイアー(2.5/3.5)、ラーム(3/3)、メルテザッカー(3.5/3.5)、フリードリヒ(3/1.5)、ボアテン(3.5/3)、ケディラ(4/2.5)、シュヴァインシュタイガー(2.5/2)、ミュラー(2/1)、エツィル(2/1.5)、ポドルスキ(3/2.5)、クローゼ(2.5/1.5)
1.5以上の乖離はフリードリヒとケディラ。やはり「kicker」はフリードリヒの評価が高く、僕はケディラの評価が低い。
◆準々決勝 アルゼンチン×ドイツ 0-4
ノイアー(3.5/2)、ラーム(3.5/1.5)、メルテザッカー(3/2)、フリードリヒ(3/1.5)、ボアテン(3/2.5)、ケディラ(3/2)、シュヴァインシュタイガー(2/1)、ミュラー(1.5/1)、エツィル(3/2.5)、ポドルスキ(3/1.5)、クローゼ(1.5/1)
1.5以上の乖離はノイアー、ラーム、フリードリヒ、ポドルスキ。kickerは特に守備陣の評価が高く、全体的にもほぼ最大級の評価。
◆準決勝 ドイツ×スペイン 0-1
ノイアー(3/2)、ラーム(4.5/3)、メルテザッカー(3.5/3.5)、フリードリヒ(3.5/3)、ボアテン(4/5)、ケディラ(4/4.5)、シュヴァインシュタイガー(3/4)、トロコフスキ(5/4.5)、エツィル(4.5/5)、ポドルスキ(5/5)、クローゼ(4.5/4)
1.5以上の乖離はラームのみ。僕のラームへの評価が低い傾向が出ているのかもしれない。ラームのサイドを使われていたように見えたんだけど。
◆三位決定戦 ウルグアイ×ドイツ 2-3
ブット(3/2)、ボアテン(3/3)、メルテザッカー(3.5/3)、フリードリヒ(3/2)、アオゴ(4/4)、ケディラ(3/3)、シュヴァインシュタイガー(2.5/3)、ミュラー(2.5/2.5)、エツィル(3/4)、ヤンセン(3/2.5)、カカウ(4/4)
1.5以上の乖離はなし。やはりkickerはフリードリヒの評価が高い。
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2010ワールドカップ
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ドイツ代表
2010年07月11日 12:32
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【2010ワールドカップ】ウルグアイ×ドイツ
三位決定戦はスカパー独占生中継ということで録画セット、朝8時から再生した。地上波で放送がないことに気づいた人たちがショックを受けている様子がツイッターなどからも窺えたが、ふだんからJリーグや海外リーグを見ている人たちはその多くがスカパーで何らかの契約をしていたと思われ、今回悔しい思いをした人たちも是非スカパーを契約してふだんから代表以外のサッカーを見て欲しいと思った。まあ、次回もスカパー独占かどうか知らないけど。
国歌斉唱も完了(ドイツ国歌は今回の大会で完全に頭に刻み込まれた)、ドイツはインフルエンザの影響もあって選手を何人か入れ替えてきた。GKはノイアーに代わってブットが先発、ラームの代わりにボアテンが右SBに回り、左SBにはHSVのアオゴが初出場となった。またポドルスキに代えて準決勝で気を吐いたヤンセンが左SHで先発、またトップは背中を傷めたクローゼに代わってカカウが先発した。
何が何でも負ける訳には行かないというプレッシャーが薄い試合で、序盤からオープンな戦いとなる。互いにボールを奪っては積極的に仕掛ける展開となるが、ドイツが主にボールを支配。3分、カカウのシュートが敵DFにブロックされたところをミュラーが叩き込むがその前のカカウのポジションがオフサイド。10分にはエツィルのCKにフリードリヒが頭で合わせるがバーを叩く。
試合が動いたのは18分、シュヴァインシュタイガーのミドルをGKが弾いたところに詰めたミュラーがこれを流し込み先制。その後も26分にエツィルのクロスにケディラが頭で合わせ枠を捉えるがオフサイドになるなどドイツが優勢だったが、28分、中盤で失ったボールを裏に通され失点、1-1となる。その後はウルグアイの守備に阻まれドイツの攻撃が停滞する一方、何度かウルグアイのカウンターでピンチになる。結局同点のまま前半を終了。
後半開始早々の51分、ドイツは左サイドから押し込まれ、中央に折り返されたボールを中央で敵FWがダイレクト・ボレー。これがワンバウンドで見事に決まり逆転を許す。ブットも一歩も動けない素晴らしいシュートで、フリーにしたとはいえ敵をほめるべきだろう。
追う展開となったドイツはすぐに答えを出す。56分、右サイドでボールを持ったボアテンがゴール前に美しいクロス。左からゴール前に飛び込んだヤンセンが敵GK、DFに競り勝って頭で合わせゴール、ドイツが試合を再び振り出しに戻した。
その後は両チームとも決勝点を狙って積極的に前に出るオープンでテンポの速い展開に。58分、カウンターから持ち上がったカカウからエツィルがラストパスを受けるがシュート・チャンスに打ち切れず。71分にはヤンセンが左サイド奥から返したマイナスのクロスに走り込んだカカウがシュートしたがバーの上に。カカウはここでお役御免となりキースリングと交替。
入ったキースリングは76分、左サイドからDFを抜いてペナルティ・エリアに侵入、枠にシュートを放つがGKにセーブされる。さらに80分、右サイドのボアテンからのクロスにキースリングが飛び込むが合わず。ドイツは81分、ヤンセンに代えてクロースを投入、逆転を狙いに行く。
その直後、右サイドのミュラーから中央に上がったボールにキースリングが合わせに行くが敵DFがクリア。これで得たCKをエツィルが蹴り、敵がクリアし損なったボールがゴール前に浮いたところをケディラが頭で押し込んで逆転。ドイツはロスタイム、エツィルに代えこの大会出番のなかったVfBのタスツィを投入。最後に敵にFKを与えたがこれがバーを叩いたところで試合終了、ドイツが3-2で二大会連続の3位となった。
ドイツはキーになる選手を何人か交替させての試合であったが、曲者ウルグアイを相手にクオリティの落ちない内容を見せた。エツィル、ミュラーら若手が注目されたが、彼らとて大会前から(ドイツ国内以外では)評価されていた訳ではなく、たまたま出場機会を得て活躍したに過ぎない。その意味ではそれはクロースやマリン、キースリングであってもおかしくなかった。そのことを今日の試合では見せつけたと言える。改めて準決勝が悔やまれるが、それでモラルが落ちてしまわなかったことを高く評価したい。
採点(
採点の見方
):
ブット(3) 1点目は当てたかったがそれ以外は見事なセーブを見せた
ボアテン(3) ミュラーとのコンビネーションよくクロスの精度も高かった
メルテザッカー(3.5) 1点目は敵を追いきれず、それ以外はよく守った
フリードリヒ(3) 守備のみならずセットプレーでも脅威となった
アオゴ(4) 試合勘の戻らない部分もあったが何とかこなした
シュヴァインシュタイガー(2.5) 攻守に超人的な働き、今大会のチーム内MVP確定
ケディラ(3) 縦への意識が最後の試合で生きた、得点はおまけ
ミュラー(2.5) 大会得点王も狙える5点目、その後も前線で働き続けた
エツィル(3) 攻撃の中継点としてクリエイティヴな配球を続けた
ヤンセン(3) 準決勝から好調を維持、ヘディングゴールも見事
カカウ(4) 献身的に動き続けたが決定機に絡めず
===
キースリング(3.5) 決定機に決めきれなかったが存在感は示した
クロース(-) 時間短し
タスツィ(-) 時間短し
これでワールドカップも終わった。リーグ戦中心の生活に戻ろう。
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2010ワールドカップ
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ドイツ代表
2010年07月09日 19:40
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【2010ワールドカップ】ドイツ×スペイン
延長、PK戦の可能性まで考えれば、出勤の時間に間に合わせるためには4時半に起きねばならぬ。前夜は10時半に就寝して睡眠時間を確保。パン屋か豆腐屋並みの早起きだ。でも、起きたら日経の朝刊は既に来ていた。恐るべし。
1時間遅れで録画を追っかけ再生。結果から先に言えば、スペインに押し込まれる展開の中、何とか流れからの失点は止めていたが、73分、CKに頭で合わされて失点、ユーロ2008の決勝に続いて悔しい敗戦となった。
この試合、ある程度スペインにボールを持たれることは見込んでいたが、予想以上に押し込まれ、主戦場はドイツ側ハーフに寄った狭い地域に。CBのスピードに不安があるためか、速いパス回しで仕掛けるスペインを相手に裏を空けるリスクは取りたくなかったということだろうが、必要以上に受けに回り自ら試合を難しくした感は否めない。
しかし一方でドイツの守備も堅く、スペインは圧倒的にボールを支配してパスを回しながらも、最後のところはドイツの高く強いDFに阻まれてなかなかチャンスを作れない。ラインの裏に出られてもノイアーが集中してゴールを守った。まあ、そういう作戦だというよりは、怖がって下がってしまい、押し込まれて守備に追われたという印象だった。
自陣での攻防となったため、ドイツの攻撃は必然的にカウンターに。ボールを奪うと流動しながら長めのパスを的確に当てて展開するというこれまで通りの戦い方だが、ボールが収まるポイントが少なく、またスタート地点が低いためになかなか前まで運べない。やはりミュラーの出場停止は大きかったということだろうか。
代わりに入ったトロコフスキは残念ながら効果的な攻撃のアクセントにはなり得ていなかった。初めからクロースを入れておいた方がよかったと思う。ま、クロースも今イチだったが。
クローゼ、ポドルスキ、エツィルも守備に追われ精彩を欠いた。前線にボールが収まるチャンスの数自体が少なかった上、それを確実に決めきる質の面でもここ2試合に比べれば見劣りした。ボールを運ばなければならない距離が長い分、ラストパスやその一つ前のパスでミスが多く、フィニッシュまで持ち込めたケースは数えるほどだった(シュート5本て…)。
結果的にはCKからの一発に沈んだ試合だったが、それ以外の時間帯もスペインにボールを支配されて押し込まれ、内容的には完敗。スペインの攻撃をほめるべきだろう。ドイツの守備陣は最後までよく集中して守ったが、仮に守り勝つつもりでも、ワンチャンスに決めきれず1点も取れないのでは、セットプレーからの一発でやられるのも必然。そのセットプレーだって後ろから飛び込む敵DFを捕まえられてなかった。
とはいえ、スペインは華麗なパス回しとか圧倒的な攻撃力とか言う割りに、結局最後までドイツのディフェンスを崩せず、セットプレーからの1点に留まったこともまた事実。そういう意味ではドイツの守り方もあながち間違っていなかったのか、スペインの決定力が足りないのか。
ドイツはこれで二大会連続準決勝敗退となり、三位決定戦に回る。せっかく早起きしてテンション上げて臨んだだけに残念だ。悔しい。この週末には腹いせにたこ焼きを食べよう。でもこれで月曜の朝に早起きする必要はなくなった…。
採点(
採点の見方
):
ノイアー(3) 決壊を防いで最小失点にとどめ、最後まで希望の灯を消さなかった
ラーム(4.5) 数少ないチャンスの起点になったが、守備では裏を取られる場面も
メルテザッカー(3.5) 流れからの失点は最後まで食い止めた
フリードリヒ(3.5) クリティカルなシーンでよく足を出しボールを絡め取った
ボアテン(4) 守備に追われ効果的な攻め上がりはできなかった
シュヴァインシュタイガー(3) 中盤の底で奮闘、敵のボールをカットし続けた
ケディラ(4) 守備に追われる時間が長く前線と連係できず
トロコフスキ(5) 中盤の守備に巻き込まれ攻撃の起点となれず
エツィル(4.5) ボールはさばいたが決定的シーンは演出できず
ポドルスキ(5) あまりボールに触れず、リスクを取った攻撃ができなかった
クローゼ(4.5) ゴールが遠くほぼ唯一の得点機にも痛恨の宇宙開発
===
ヤンセン(3.5) 左サイドを活性化、スタメンで見たかった
クロース(4) ワンチャンスを決めきれず、枠には飛んだが…
ゴメス(5) 背水の終盤に投入されたが機能せず
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2010ワールドカップ
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ドイツ代表
2010年07月04日 12:23
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【2010ワールドカップ】アルゼンチン×ドイツ
アルゼンチンとの準々決勝、幸い日本時間夜11時のキックオフだし、翌日は休みだしということで、地上波ではTBSだが当然のようにスカパー観戦。ドイツ国歌もしっかり斉唱した。
ドイツは決勝ラウンド1回戦と同じメンバーが先発。個人技に優れた敵の前線の選手をいかにつぶし、後ろをスカスカにしないで決勝点を奪うかという厳しい試合が予想されたが、意外にも早い時間帯に試合が動いた。3分、シュヴァインシュタイガーの左からのFKにミュラーがニアで飛び込み頭で合わせる。これが決まりドイツがあっさり先制。
このFKはシュヴァインシュタイガーのキックが素晴らしかったのはもちろんだが、アルゼンチンのマークはミュラーにまったく付ききれていなかったようだ。この得点でドイツは終始優位に試合を進めるベースを得た。早い時間帯の先制点は往々にしてその後の戦いを難しくもするが、ドイツの場合は戦い方にブレがなかった。
24分にはクローゼがゴール正面でミュラーからのクロスを受けるがフカしてしまうなど、ドイツも優勢ではあるが枠を捉えることができない。前半の終盤はアルゼンチンがやや押し込み気味だったが、攻撃は前線の数人を中心とした個人技が中心で、ドイツは組織的に敵のキーマンをつぶす集中した守備で得点を許さない。結局1-0で前半を終えた。
ハーフタイムにカツを入れたのか、後半の序盤もアルゼンチンのペース。ドイツが受けに回る時間帯になるがここでもアルゼンチンの攻撃は単発で個人頼み。連係で崩される心配がない分、ドイツは守りやすかったのではないだろうか。最初の15分から20分ほどをしっかりしのぐと、アルゼンチンは次第に焦りが出たか、攻守が雑になり始める。
すると、67分、カウンター気味に攻め上がったミュラーが倒れながらもポドルスキにパス。ポドルスキはゴールライン近くからゴール前にクロスを入れ、これにクローゼが難なく合わせて2点目をゲット。敵の攻勢をしのいだ後の、いい時間の追加点でドイツが試合を再びグリップした瞬間だった。先制点も大きかったが、この日の本当の「決勝点」はこの得点だったと思う。
このシーン、ポドルスキから真横のクローゼに出したボールがややオフサイド臭い感じもしたが、おそらくパスの時点ではクローゼはボールより後ろにいたという判断だったのだろう。
これで試合の趨勢は決まった。後がなくなり前がかりになるしかないアルゼンチンに対し、ドイツは組織的な守備から奪ったボールを素早く前線に展開、過疎状態の敵ディフェンスをかわしてフィニッシュに持ち込む。72分にはボアテンに代えてヤンセンを投入、左サイドを固める。
74分、シュヴァインシュタイガーが左サイドからスルスルとドリブルで敵ペナルティ・エリアに入り込むと、至近距離からゴール前にラストパス。これをセットプレーで上がったまま残っていたフリードリヒが泥臭く押し込んで3-0。アルゼンチンの戦意を喪失させた。
ドイツにとっては集中を切らさず、失点しないでこの試合を終わらせることが重要だったが、その辺のメンタル・マネジメントはさすがだ。ドイツは77分にケディラに代えてクロース、84分にはミュラーに代えてトロコフスキを投入して試合を締める。敵の最後の抵抗も冷静に押さえ込み、88分にはエツィルの左サイドからのクロスにクローゼがゴール正面で的確に合わせ4点目。事実上の決勝戦とまで言われた強豪対決は、4-0と意外な大差でドイツが完勝した。
この試合、序盤に先制し、その後の敵の攻勢に耐え、後半の半ばに追加点、あとは前がかりになる敵の後ろを攻めて追加点を奪いつつ試合をクローズするという理想的な試合運びで、結果的にみれば危なげなくドイツの圧勝に終わった。
試合後にオシム前監督も言っていたように、組織として非常に規律がしっかりし戦術共有のできているドイツと、結局のところ才能豊かな前線の数人頼みで連係がなく意志疎通も怪しいアルゼンチンとの差がはっきり出た試合だったと思う。
事実上、2点目のところで勝負の大勢は決してしまい、あとはドイツにとってイージーな試合だったはずだ。気落ちしたアルゼンチンは相変わらず前線の看板選手にボールを集めるしかなく、いかに人気が高く才能のある選手でも、前線で孤立して屈強な大男3人に寄せられたら得意のドリブルを仕掛けるのもきつかったと言うことだろう。
ドイツは準決勝に駒を進め、スペインと対戦することになった。前評判が高く人気のある国を、特に名の売れたスターもおらず、強豪とは言われつつも取り上げられることの少ないドイツが次々に撃破するのは本当に痛快だ。次も厳しい戦いになるのは間違いないが、ここまで来たら相手がどこであろうと勝つしかない。平日の午前3時半キックオフは厳しいが何とかしよう。
準決勝ではミュラーが警告累積で出場停止。クロースかマリンの先発でどうだろう。
採点(
採点の見方
):
ノイアー(3.5) 何度かの枠へのシュートは手堅くキャッチした
ラーム(3.5) 攻撃参加の見極めが絶妙、いて欲しいときにそこにいた
メルテザッカー(3) 敵の突破を阻止し身体を張った
フリードリヒ(3) 得点はラッキーもあったが守備ではよく踏ん張った
ボアテン(4) しばしば左サイドに起点を作られた
シュヴァインシュタイガー(2) 現場総指揮官として見事に試合を統括した
ケディラ(3) 攻守に奔走し2人分の労働力として機能
ミュラー(1.5) 得点よりも攻撃の核としての働きを評価したい
エツィル(3) 4点目をアシスト、前線のピースとして走り続けた
ポドルスキ(3) 前半のミドルは惜しかった、アシストはセンスを見せた
クローゼ(1.5) 前線からの守備も効いていた、得点はむしろご褒美
===
ヤンセン(4) 攻撃にも存在感、ボアテンよりいいのでは
クロース(-) 時間短し
トロコフスキ(-) 時間短し、アピールしたいのかやや持ちすぎ
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2010ワールドカップ
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ドイツ代表
2010年06月30日 21:01
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【2010ワールドカップ】パラグアイ×日本
決勝トーナメントの1回戦はパラグアイとの対戦。TBSはやかましそうなのでスカパー観戦。
おそらくは日本人の半分以上がテレビを見ていたと思うので試合の詳しい内容は省略するが、サッカーを知り尽くした南米の強豪を相手に、我々の力がどこまで通用するのか、予想外の健闘となった一次リーグの結果を受け、真価が問われる試合であることは間違いない。
パラグアイは一次リーグの相手であったカメルーン、オランダ、デンマークなどの、ある意味正直でストレートなサッカーをするチームとは異なり、試合運びに長けた、巧く、タフで、クセのあるチームという印象。こうしたチームとガチンコで組み合って実力で圧倒できるほど我々は強くないという認識からスタートするしかない。
こうした認識とここまでの戦いを踏まえれば、この試合も失点しないことを第一に、集中を切らさないよう守備でしっかり我慢し、攻撃はワンチャンスに賭けることになるだろう。
したがって、攻撃でリスクを負うことは必要だが、どの局面でどの程度のリスクを負うかは全員で十分に意思統一しなければならず、ボールを失った後の切り替えは最もクリティカルなポイントになる。また、多くの決定機が生まれるとは思えないので、数少ないチャンスできちんとフィニッシュできる精度、フィジカル、技術、そして何よりメンタルが決定的に重要だ。
そう考えれば、現実的には流れからのファインゴールを期待するより、カウンターやFKに活路を見出さざるを得ず、ギリギリまでスコアレスで終盤勝負、そこで得点できなければ延長、最終的にはスコアレスでのPK戦も展望しなければならないという試合。多くの人は、息苦しくカタルシスのない90分、場合によっては120分を初めから覚悟していたはずだ。
その意味では試合はプラン通りに運んだと言っていい。パラグアイにボールを持たれることも想定内だろう。守備ではサイドやスルーパス、ディフェンス・ラインに割り込まれての反転から抜け出される場面も少なくはなかったが、最後の瞬間には身体を張り、それでも間に合わなかったボールは川島が何度もセーブして窮地を救った。守備は終始集中できており決定的な破綻はなかった。
それに対して攻撃は思っていた以上に機能しなかった。チャンスの少なさは予想通りだったが、こうした本当の意味での厳しい試合で、その数少ないチャンスを確実にモノにするという点では、残念ながら我々はまだまだ半人前以下だと思わざるを得なかった。
それは、ゲームプラン通りスコアレスで終盤を迎えた局面で顕著だった。81分、いまや守備の要である阿部を敢えて下げ、投入したのは森本でも矢野でもなく中村憲剛。遠藤と長谷部のダブル・ボランチにして中村をトップ下に置き、前を厚くするという考え方は分かるし、中村は十分機能したと思うが、普通ならここでFWを投入して一気に勝負をかけるのではないだろうか。
局面を変えられるストライカーがいないことが最後まで日本の弱点となったことは否めない。森本は大会直前のケガでコンディションが十分でなかったのかもしれないが、セリエAで屈強なDFを背負ってプレーする経験の豊富な森本をここで使わなかったのは疑問が残る。
ベンチにいたメンバーで「もしかしたら何かやってくれるかも」という期待を抱かせるのはやはり森本だけだろう。だが、延長後半から大久保に代えて投入されたのも森本ではなく玉田。得点の取れないFWしか切り札がないことを露呈したという他ない。ここでFWが機能しないなら何のために終盤までスコアレスで持ちこたえたのか分からない。
もともとFWをさしおいてMFの本田をワントップに起用している訳だし、途中交替の岡崎も本田を押しのけてトップに張るのではなくそのまま右ウィングに入った。そんなに頼り甲斐のないFWばかりならわざわざ南アフリカまで連れてくる必要はなかった。どうしてもFWが頼りにならないなら今野あたりを入れて田中を前線に上げることだってできたはずだ。スコアレスでのPK戦まで見込んでいたとは言え、勝負をかけるタイミングで敢えてバランスを崩す思い切り、割り切りが足りなかったというのは酷だろうか。
PK戦になった以上、運が結果を大きく左右することになるのは避けられなかった。負けたのは120分で勝負をつけられなかったからであり、駒野がPKを外したからではない。もちろん、川島が一本も敵のPKを止められなかったこと、駒野がPKをバーに当てたことの反省は必要だし、PK戦で負けたのがすべて運が悪かったせいだとは言わないが、ここを詰めてみてもあまり建設的な議論はできそうにない。
これで日本代表の2010ワールドカップは終わった。この日の試合も、傍目には凡庸で退屈なものに映ったかもしれないが、今できることの中でほぼベストの戦いはできたと僕は思う。負けたことは残念で、実際勝てる試合であったと思うが、誇りの持てる試合だったと言っていいのではないだろうか。
採点(
採点の見方
):
川島(1.5) 決定的なピンチをことごとく跳ね返した、PK一本は止めたかった
駒野(4) 右サイドからの敵の侵入を再三許した、PK失敗はやむなし
中沢(2.5) 最後まで集中した守備で身体を張り続けた
田中(2.5) ハイボールに絶対的な強さ、プレーで見方を鼓舞した
長友(3) 守備重視だったが効果的な攻撃参加も
阿部(2.5) 組織的な守備の中核として無失点を下支えした
長谷部(3) 好手にツボを押さえた働きで状況判断が光った
遠藤(3.5) よくボールに触ったがFKも含めフィニッシュに絡めず
松井(2.5) 難しい局面でも取り敢えず何とかできる懐の深さを見せた
大久保(4) 運動量はあったがボールを持ってもほぼ何もできず
本田(3) 動きの質は高かったが決定機に決めきれず
===
岡崎(4) 生真面目に動き続けたが決定機には働けず
中村(憲)(3) 前線にアイデアと運動量を再投入、効いていた
玉田(4.5) 切り札としての凄みなし
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2010ワールドカップ
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日本代表
2010年06月29日 00:02
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【2010ワールドカップ】ドイツ×イングランド
イングランドとの決勝トーナメント一回戦は日曜日の夜11時キックオフ。延長、PK戦になったりすると次の日の仕事が気にはなるものの、まあ、夜中の3時半キックオフよりはよっぽどマシ。晩メシも風呂もすませ、11時前にはテレビの前に陣取ってドイツ国家を斉唱、さあ、いよいよ因縁の一戦、絶対に負けられない戦いである。
ドイツはクローゼが出場停止から復帰した他は、一次リーグ最終戦から変更なし。足を痛めて出場が不安視されていたシュヴァインシュタイガーもスタメンに名を連ねた。
実力の拮抗した強豪同士、互いに先に失点するのは絶対に避けたいが先制点は欲しいという都合のいい思惑を胸に、慎重な立ち上がりとなった。序盤はボールを持つイングランドに対し守備の堅いドイツがパスミスを見逃さずカット、素早い切り替えからカウンター気味に前線に展開するシーンが多かったように思う。
最初の得点は20分、ノイアーの長いゴールキックがそのままイングランドのディフェンス・ラインを超えたところにクローゼが走り込み、敵DFの激しいチェックを振り切って倒れ込みながらシュート。これが決まってドイツが先制した。クローゼはオフサイド・ポジションにいたが、ゴールキックからのボールだったのでルール上オフサイドにならなかった。クローゼにとっては代表50得点、ワールドカップではペレに並ぶ12得点となる記念すべきゴールとなった。
早い時間に失点を喫したイングランドは攻勢に出るが単調で、ドイツの集中した守備に穴を開けることができない。逆に31分、右サイドでボールを持ったミュラーが逆サイドに展開、ポドルスキのトラップはゴールライン側に流れ角度がなくなったが構わずGKの股を抜いて向こう側のサイドネットに突き刺す痛烈なゴール。ドイツが2-0とリードを広げた。
後がなくなったイングランドは必死の抵抗を試みる。37分、ショート・コーナーからのクロスへの対応が遅れ、敵DFにヘディングを許してしまう。飛び出したノイアーもこれに触ることができず、2-1に詰め寄られる。
さらにその1分後、今度は流れの中で敵MFが中央からミドル、これがノイアーの頭を越えバーを直撃して下に跳ね、バウンドしてもう一度バーをたたいた後ノイアーがキャッチ。バウンドした際、ボールは確かにゴールラインを超えていたがゴールは認められずそのままプレー・オン。
この時間帯は完全にイングランドに押し込まれたが、ドイツは守備の集中を切らせることなくスタジアムが騒然とする中、前半を2-1とリードして終了。不穏な雰囲気でハーフタイムを迎えた。
後半の立ち上がりは引き続きイングランドの攻勢。ドイツはハーフタイムに「疑惑のゴール」を確認して動揺したか、イングランドに1点を取らせて埋め合わせしようとでも思っているのではないかと勘ぐってしまうほど集中を欠いたプレーに終始。引き気味でイングランドにボールを持たせ何度かチャンスを作られる。52分には敵MFのFKがまたしてもバーをたたいたがあったが今度は外に跳ねた。
だが、自粛期間が過ぎたか、60分すぎからドイツの動きが目に見えてよくなる。時間の経過とともに焦りが見え始め攻め急ぐイングランドは、ボールを持ちながらも引き続き工夫もスピードもない単調な攻撃で、決定機を作りきれない。逆にドイツが集中した守備から中盤でボールを奪い、カウンターを浴びせる展開になる。
67分、イングランドのFKからのこぼれ球を拾ったドイツが素早いカウンター。シュヴァインシュタイガーからパスを受けたミュラーがエリア右からシュートを決め3-1に。これでドイツも「疑惑のゴール」の呪縛から解き放たれた。
さらに3分後、自陣から左タッチライン際を駆け上がったエツィルが中に切れ込み、ミュラーの上がりを待ってラストパス。これをミュラーがフリーで難なく蹴り込み4-1。試合を決定づけた。
ドイツは直後の72分、クローゼとミュラーが「お疲れさま」となりゴメスとトロコフスキを投入、既に半ば戦意を喪失したように見えるイングランドを相手に敵陣でボールを回して時間を使う。83分には更にエツィルが「お疲れさま」でワールドカップ初出場のキースリングを起用するなど次戦に備える余裕も見せ、結局4-1で宿敵イングランドに完勝した。
イングランドにボールを支配させ、後ろを固めつつカウンターで得点を重ねるというのがゲームプラン通りなら、イングランドの攻撃の単調さ、カウンター・ディフェンスのスピードのなさをあらかじめ織り込んでいたドイツの読み勝ちだったという他ない。ドイツの方が戦術、球際、スピード、決定力のいずれも上回っていたことは間違いないだろう。
それだけに「疑惑のゴール」はドイツにとっても残念だった。実際にはボールはゴールラインを超えていた。最終的にはドイツが4-1で勝ったため、仮にこれがゴールになっていても計算上はドイツが勝っていた訳だが、38分の時点で同点になっていれば試合の流れも違ったものになっていたはずだと主張する人は出てくるだろうし、実際そうだと思う。イングランドにしてみれば納得できないのも無理はない。
だが、多くの人が指摘するとおり、審判の判定は最終であり覆ることはない。ワールドカップでの主審の経験もある日本の元審判は、ミドルシュートがバーに当たって下に跳ねたときのゴールの判定ほど難しい判定はないと言っている。それが判定できる位置にいるのが審判の仕事ではあるが、あのようなシーンで主審がミドルを予想してあらかじめゴール脇にいるということは実際上は期待し難い。線審はきっとオフサイドの見極めて忙しかったのだろう。
この元審判は、見えなかったものを見えたかのように判定することはできない、たぶんゴールだろうと思っても憶測だけでゴールと判定することはできない、とも言っている。それを考えれば、この日の審判は「ノーゴールと判定した」のではなく、「ゴールと判定しなかった」のだと言えるだろう。
実際にはゴールであったが、その瞬間を確認できなかった以上、それをゴールを認めなかった審判の判断はその限りで正しいと僕は思う。ポジショニングや線審のサポートで改善できる部分はあるだろうし、今回の審判が技量の向上に努めなければならないのは当然だが、結局は人間による判定の限界を認め、それもサッカーと割り切るか、ビデオ判定やゴール審判、チップ入りボールなどの導入を議論する他ないのではないか。イングランドは気の毒だが、せっかくの快勝にけちを付けられたドイツも不幸だった。
これでドイツは順々決勝に駒を進め、次はアルゼンチンと対戦する。またしても強豪との対決で世界中の注目が集まるだろうが、慢心さえしなければ十分勝機はあるのではないだろうか。キックオフは土曜日の夜11時。また夜更かしになるがやむを得まい。
採点(
採点の見方
):
ノイアー(2.5) 失点時の飛び出しを除いては素晴らしい反応でチームを救った
ラーム(3) 右サイドで安定した守備だけでなく機を見た攻撃参加もあり
メルテザッカー(3.5) ボールを支配されても最後の壁として立ちはだかった
フリードリヒ(3) 落ち着いて敵のボールをカット、クリアし続けた
ボアテン(3.5) 攻撃参加は限定的だったが後ろはしっかり固めた
シュヴァインシュタイガー(2.5) ボールを奪取し攻撃を起動する中心的な役割
ケディラ(4) 最後まで働いたが攻撃面ではあまり機能せず
ミュラー(2) モラルの高い献身的な駆け上がりが2得点につながった
エツィル(2) 得点はなかったが前線の要として攻撃をコントロールした
ポドルスキ(3) 得点は技術と思い切りの賜物、価値のある得点だった
クローゼ(2.5) 先制点はこの試合の最重要ポイント、さすがワールドカップ男
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ゴメス(4.5) 何度か決定機はあったが決めきれず
トロコフスキ(4.5) 途中出場でなかなか試合に入れず
キースリング(-) 時間短し
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2010ワールドカップ
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ドイツ代表
2010年06月25日 22:39
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【2010ワールドカップ】デンマーク×日本
勝った方が一次リーグ突破、引き分けなら日本が突破という条件で迎えた最終節。例によって前日は録画をセットして早寝、当日5時から出勤前の追っかけ再生観戦した。
引き分けでも突破とは言いながらも、スコアレスを狙いに行けるほど日本は老練ではないし、身長差を考えても自陣にこもって敵の攻撃を跳ね返すだけの対応はむしろリスクが高い。できる限り自陣ゴールからボールを遠ざけて保持し、でき得れば得点することによって有利に試合を運びたいが、そのために後ろが空くリスクは取れないという難しいゲームプランになる。要はその分走ってカバーするしかないということだ。
結果から先に言ってしまえば、この日の日本はそのタスクを想像以上にしっかりとこなしたと言っていいだろう。ラインは深めだったと思うし、決してむやみに追い回す訳ではないが、自陣を固めながら前線からも積極的にプレスをかけてボールを奪い、素早いパス交換で敵ゴールに迫るという困難な戦い方が高いレベルでできていた。終盤の息切れリスクも当然考えられたが、ここ一番のビッグ・マッチで集中力もモラルも高い上、現地も夜の試合なので、このスタイルは納得のできる選択だった。
あわよくば早い時間帯に得点を奪い有利に試合を進めるという目論見も、17分の本田のFKで現実になった。キック自体も見事だったが、この大事な試合の大事な局面で自信を持ってゴールを狙える個としての強さが光った。
序盤は日本の陣形が整わない隙を突かれて押し込まれる局面もあっただけに、ここで試合を落ち着かせることができたのは大きかったし、引き分けでもいい日本が早い時間帯に先制したことは試合の流れを大きく決定づけることになった。極論すればこのゴールで試合は半分決まったと言ってもいいかもしれない。極めて重要な先制点であった。
さらに30分には遠藤がFKを直接決めて2-0に。これでデンマークはかなりガックリきたと思う。勝利の必要な試合で前半に2失点、しかもいずれもFK。これはメンタルにはかなり効いたはず。だが、こうした位置で何度もセットプレーを得られたのは、日本の速く細かい展開にデンマークが対応しきれていなかったことを示しているのではないだろうか。日本には理想的な試合運びになった。
後半開始早々、48分には再び遠藤のFK。GKが弾いたボールがバーに嫌われたがあわや3-0というシーンだった。後がないデンマークは次第にロングボールを日本ゴール前に放り込むパワープレー中心になって行くが、日本はボランチやGKも含めて集中した守備ができており、危険を感じたシーンは数えるほど。74分には疲れの見えた松井に代えて岡崎を投入しリフレッシュを図る。
だが、78分に敵に意外なタイミングでのミドルを許し、これがバーをたたいて胸をなで下ろすシーン。その直後の81分には長谷部が敵を後ろから浴びせるように倒したとしてPKを献上。PKそのものは川島が弾いたが、このこぼれ球がPKを蹴ったFWの正面に転がりこれを押し込まれて失点、2-1に。せっかくPKをはじいた惜しいシーンだったがやむを得まい。
ここで流れを持って行かれなかったのが、先制点と並んでこの日の最重要ポイントだったと思う。あるいは最悪引き分けでもいいんだという開き直りが精神的な余裕を生んだのか、日本はバタバタすることなく落ち着いて対応を継続。さすがに終盤は前線の選手を中心に足も止まり始めたが、87分、本田が敵エリア左で受けたボールを中央へ折り返し、これを岡崎が流し込んで3-1と日本が試合を決定づけた。
直後に大久保に代えて今野を、ロスタイムには遠藤に代えて稲本を投入して丁寧に試合をクローズ、日本はデンマークに完勝し決勝トーナメントに駒を進めた。
日本のモラルが非常に高かったことは間違いないが、細かいパスワークから仕掛ける日本に対し、デンマークは体格面でのアドバンテージはあるものの、逆にそれ故か素直かつ大振りなサッカーで、ある意味日本には最も戦いやすい相手だったのかもしれない。両サイドの攻め上がりを自重し、コンパクトな守備からパスをつないで手早くフィニッシュにまで持ち込むという方法論は、予想以上にハマったと言っていいだろう。
ただ、結果的に得点につながりはしたものの、交替は果たして松井→岡崎が適当だったのだろうか。松井を下げるなら森本を入れて本田を一列下げ、前線でのキープ力や反転力に期待するか、中村憲剛を入れて中盤の運動量をリニューアルした方がよかったのではないかと思う。その後の大久保→今野、遠藤→稲本は納得感があるが、もう少し早くてもよかった。
いずれにしても、格上の相手に対しプライドを持って物怖じせずに戦い、特徴を出して勝利を得たという意味では、日本のサッカー史に残る試合と言っても過言ではない。これが岡田監督が2年半追求し、そのために選手を選んで召集したサッカーなのかどうかは大いに疑問のあるところだが、結果は高く評価すべきもの。自信を持ってよい。
大会前のテストマッチでひどい結果しか出ず、メディアからたたかれたせいで、チームに危機感が生まれ内部が結束して、高いレベルでの意思統一、戦術共有がはかれているのが今の好調の原因だと思う。一次リーグ突破の達成感とこれに伴うメディアの翼賛化が逆にそうした危機感、緊張感を弛緩させないかが心配だ。
これで日本は一次リーグを2位通過。決勝トーナメントの1回戦ではパラグアイと対戦することになった。パラグアイは南米予選をトップで通過した競合であり、スタイル的にも一次リーグの対戦相手にはなかったイヤらしさ、怖さがあると思う。引っかき回されないようにしっかりと意思統一して試合に臨みたいところだ。
採点(
採点の見方
):
川島(2.5) 高い反射神経でゴールを守った、失点は悔やまれるがやむなし
駒野(3) 序盤何度か背後を使われピンチになったがその後は安定して守った
田中(2.5) 攻撃参加も我慢し敵のハイボールを跳ね返し続けた
中澤(3) 大柄な相手と何度も渡り合い大事なエリアを守った
長友(2.5) この日も敵のキーマンを封鎖、攻撃は自重したが存在感は十分
阿部(2.5) アンカーとして敵のチャンスの目を摘んだ
長谷部(2.5) 攻守の連結点として機能、世界レベルで戦えることを実証
遠藤(3) FKはよかったが、流れからシュートしたかった局面あり
松井(2.5) 前線で攻守に汗をかき質の高い働きで起点になった
大久保(3.5) ひたむきに動き続けたが肝心のオンザボールが今ひとつ
本田(1.5) 攻守に八面六臂の活躍、評価を更に上げた、得点はむしろおまけ
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岡崎(3) 今日は入れるべきゴールをきっちり入れたことだけで十分
今野(-) 時間短し
稲本(-) 時間短し
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2010ワールドカップ
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日本代表
2010年06月24日 21:54
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【2010ワールドカップ】ガーナ×ドイツ
ウィークデイの夜中3時半キックオフはさすがにサラリーマン的に厳しいので、スカパーの録画をセットして前夜11時には就寝、朝5時に起きて出勤までの時間に見ることにした。しかし、この試合が地上波で中継されないというのもアレだな。まあ、仮に中継あっても民放ならスカパー見るけどね。
ドイツは前節退場となり出場停止のクローゼに代えてカカウをワントップに起用。また、前節動きの悪かったバードシュトゥーバーに代わってボアテンが右SBで先発、ガーナの兄ボアテンとの兄弟対決が実現した。
ドイツはこの試合、勝てば文句なく一次リーグ突破、負けると敗退、引き分けの場合は別会場のオーストラリア×セルビアでセルビアが勝たなければほぼ突破という状況。考えられるゲームプランはおそらく二つくらいか。
前半からある程度分厚く攻撃に出てできるだけ早い時間帯に得点し、あとは余裕を持って試合を支配するというのがひとつ。もうひとつは前半リスクを取らずにスコアレスで乗りきり、他会場の状況によって後半得点を奪いに行くか、引き分けも視野に入れた慎重な戦いをするかを見極めるという考え方。僕がレヴ監督なら前者を取るが。
一方のガーナは勝ちまたは引き分けで一次リーグ突破、負けてもオーストラリア×セルビアの結果次第では突破の可能性があるという状況。したがってリスクを取らず守りを固めるのではないかと思われた。
しかし、試合が始まって最初に攻勢に出たのはガーナ。前線からの早いチェックでボールを奪い、ドイツのゴールに迫る。ドイツは自陣に押し込められるスタートとなった。しかし、シュヴァインシュタイガーを中心に球際への粘り強いアタックで最初の10分ほどをしのぐと、次第にドイツがボールを支配できるようになり、主戦場はガーナ陣内に移動する。
ドイツは速いパス回しから敵ゴールを窺うが、キモとなるワンツーを引っかけられたり、最後の連係が欠けたりしてなかなか決定機を作れない。最大のチャンスは25分、カカウからスルーパスを受けたエツィルが完全に裏に抜け敵GKと一対一になるが、シュートをGKに当ててしまいゴールならず。
ガーナもずっと守っているのは性に合わないのか時間帯によっては前に出てくる。26分にはCKから頭で合わされるがポストに詰めたラームがクリア(でもこれはハンド臭かった)。ドイツはそのラームが右サイドを突破するシーンもあったがシュート・チャンスを逃してゴールライン際まで行ってしまい折り返しは合わず。41分のシュヴァインシュタイガーのFKも枠に飛んだもののGKがセーブ、スコアレスで前半を終える。ドイツとしては得点を狙いに行ったが果たせず、という前半だったように思う。
オーストラリア×セルビアも前半スコアレスだったため、引き分けでは足りない可能性もあるドイツは後半更に攻勢に出る。一方、ガーナは時折散発的にロングボールを放り込むが、これが結構チャンスになったりするので後ろも気を抜けない。攻めあぐねる中、60分、ミュラーがドリブルで右サイドを持ち上がって中央へ折り返し。フリーでこれを受けたエツィルがエリア外から見事なミドルを決めてドイツがようやく先制した。
これでガーナが目の色を変え、攻守が逆転するかと思ったが、ガーナは今ひとつエンジンがかからない。ガーナがこのまま0-1、オーストラリア×セルビアがハーフタイムのままスコアレスならガーナが総得点の差で一次リーグ突破になるという計算も頭をよぎったのか、意思統一がなされていなかったようにも見えた。
これに対してドイツは当然ながら無理をしてリスクを取りに行く必要がなくなった訳だが、重圧から解放されたせいか、むしろ動きはよくなり、ガーナの攻撃が散漫であることも手伝って敵陣でボールをキープしながら時間を使う危なげのない展開になる。67分にはミュラーを下げてトロコフスキを投入、69分にオーストラリアが先制した情報も入ったと思われ、点差以上にリラックスした試合運びに。
ドイツは73分、ボアテンを下げヤンセンを、81分、シュヴァインシュタイガーに代えてクロースを投入、完全にテスト・モードに。終盤、ガーナがやや攻撃に出たがこれをいなし、結局1-0で一次リーグ1位での突破を決めた。
前半、前線での連動が足りず人ばかりがダンゴになって効果的にシュートまで行けないシーンが続きフラストレーションが募ったが、後半、このままでは他会場の結果次第でマズいことになるという焦りが生まれるギリギリの時間帯で得点したのはさすがだった。この辺はやはり底力というか、局面の中で最も必要とされることを迷いなく実行できる「サッカー力」の違いを見た思いだった。
その後のオーストラリア×セルビアの経過もあり、この試合は事実上この得点でおわってしまった。ドイツとしてはクローゼ欠場の中でできること、やるべきことをきちんとやった手堅い試合だったと言えるだろう。おかげで気分よく仕事にでかけることができ、早起きして見た甲斐のある試合だった。ドイツ国歌を一日中ハミングしていた。
これでドイツは決勝トーナメント1回戦で宿敵イングランドと戦うことになった。日本の代表戦中継では「絶対に負けられない戦いがある」みたいなフレーズが乱発されるが、ドイツにとってイングランドとの試合はまさに「絶対に負けられない戦い」。目にモノ見せてくれるぞ。幸い日曜日の夜11時キックオフだ。
採点(
採点の見方
):
ノイアー(3.5) 何度かのピンチも手堅く守って無失点
ラーム(3.5) 右サイドをよく駆け上がったが攻撃への貢献は今ひとつ
メルテザッカー(4) DFラインの間に入られて苦労する局面も
フリードリヒ(4) よく足を出したが何度か決定機も作らせた
ボアテン(4) 得意のドリブル突破はあまり見られなかった
シュヴァインシュタイガー(3) 攻守のバランサーとして機能、FKは惜しかった
ケディラ(4) 攻撃参加はタイミングを考えてメリハリをつけたい
ミュラー(3.5) 切れ込んでのシュートも欲しいが、勝利につながるクロスは◎
エツィル(3) 序盤はボールが足につかなかったが献身的に働き決勝点
ポドルスキ(4) 何度かのチャンスにもなかなかボールは枠に飛ばず
カカウ(4) よく動いたが周囲と行きが合わないシーンも多し
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トロコフスキ(3.5) 短い時間だったが前への推進力は見せた
ヤンセン(-) 時間短し
クロース(-) 時間短し
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2010ワールドカップ
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ドイツ代表
2010年06月20日 00:05
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【2010ワールドカップ】オランダ×日本
前節カメルーンに勝ち、日本国じゅうが異様に盛り上がる中での、しかも土曜日のゴールデンタイムのオランダ戦。テレビ朝日とNHKーBS1で中継があるが、当然BS1を見た。民放はサッカーと関係のない芸能人とかが出てきてやかましいし、アナウンサーも過剰に張り切るから嫌いだ。
さて、日本は、阿部に代わって今野がボランチに入る等の事前情報もあったものの、ふたを開ければ前節と同じ布陣。試合の流れはここで再現するまでもなくみんな知っていると思うので詳しくは割愛するが、この試合、初戦で勝っている日本は是が非でも勝つという試合ではなく、とにかく負けないことが第一。そのためにはまず失点しないように守備をすることが重要だった。
もちろんそれは必ずしも引いて守るということではなく、プレスのかけどころとか奪った後のボールの預けどころとか、守備に関する約束をきちんと共有するということであり、攻撃に色気を出さずにまずはそれを愚直に遂行するということ。そして、チャンスにはもちろん積極的に攻撃するべきだが、そこでも基本的にリスクは取らず、危険なボールの失い方をしないということだ。最悪0-0でいい。
端的に言えば守ってワンチャンス。この意識をどれだけ選手たちが共有できているか、実際のプレーで表現できているかが今日の勝負だった。その意味では前半はまずプラン通りの運びだったと言っていい。敵の中心になるMFをきちんとケアして自由にさせず、球際には複数で圧力をかけて決定的なラストパスを出させなかった。攻撃機会も限られたが、0-0で前半を終えたところまではまさに日本の目論見通りだった。
後半に入るとオランダは改めてギアを入れ直してきた。最初の15分はひたすら耐えるべき時間帯だったが、53分、日本の右サイドから上げられたクロスを中央で田中がクリア、しかしこのボールを敵FWにつながれ、後ろでフリーになっていたMFにミドルを放たれる。川島が手でセーブしたがボールは前に飛ばず軌道が変わっただけでそのままゴールイン。日本は重いビハインドを背負うことになってしまった。
こういったゲームプランで先に失点してしまうと決定的に苦しい。しかしもちろん、だからといってここで試合を投げ出す訳には行かない。ゲームプランは修正を迫られた。だがまず、失点したからといってむやみにリスクを取って前に出るべきではない。引き続きしっかりした守備からこれ以上の失点を許さないこと。これが何より重要でありファースト・プライオリティだ。
ただ、どこかでは得点を狙いに行かなくてはならず、どこかでリスクを負わなければならない。どこでリスクを取るのか、どの程度のリスクを取るのか、その意思統一が必要だ。中盤でボールを支配してラインを押し上げて、とかそういうリスクの取り方ではない。ブロックを作って攻撃を跳ね返し、ボールを奪ったところで一気にスピードアップする、その一瞬に人数をかける。終盤のパワープレーまではこれしかない。
後半の戦いを検証すると、最初のタスクはよくできていた。何度かディフェンス網をかいくぐられ、敵とGKが一対一になるシーンがあったが、川島が抜群の集中力でセーブした。とにかく追加点を許さなかったことは高く評価してよい。
攻撃の方も、無謀な攻め上がりは自重しながらここぞという局面ではゴールに迫ることもできていた。ただ、よく分からなかったのは選手交代だ。64分、松井を下げて中村を投入。なぜここで中村なのか、中村に何を期待しているのか、僕にはよく分からなかった。中村にはFKでの一発を期待していたのか、しかし、愚直に守って奪ったら一気にカウンターという局面で中村がどう生きるのか。
しかも交代が松井。松井は攻守に効いていたし、何度も右サイドで起点を作り、明らかに敵にも嫌がられていた。中村を投入するとしても、交代は松井ではなく大久保であるべきだったと思う。
さらに77分には玉田と岡崎を投入、長谷部と大久保を下げた。長谷部の交代にも疑問が残る。長谷部は高いレベルでオランダと渡り合うために必要な人材。ここで下げるべき人ではない。
それでも日本は終盤にかけ、田中を前線に上げてパワープレーに出る。この判断は間違っていない。だが、何度かのチャンスを作っても得点に結びつかない。90分には田中からのパスを受けた岡崎がゴール左からダイレクトで狙ったが力が入りすぎて大きく枠を外れた。岡崎がこれを決められなかったことはいろんな意味で今の日本のサッカーのレベルを示したことになったのかもしれない。
結局、日本はオランダを最少失点に抑えたものの、ワンチャンスで確実に得点するというセカンド・ミッションが果たせず悔しい敗戦を喫することになった。オランダ相手に0-1は想定される結果の中では決して悪い方ではないし、もっとひどいことにもなり得た訳だから、善戦と評価されるべきである。我々はまだ何もなしとげてはいないが、まだ何も失った訳でもない。悲観しても仕方がないし嘆いている時間がもったいない。
ワンチャンスを決められるかは、組織の問題よりは個人の技術とメンタルの問題だと思う。その点で今日の岡崎のフカしにはガックリきた。Jリーグではごまかせたけどこのレベルではムリだった、とはだれかのセリフだが、ワールドカップ・レベルの試合では、本当に数えるほどのチャンスを生かすことが死活問題。そこにその国のサッカーのレベルが凝縮されて顕著に現れるのではないか。
清水ではあれをフカしても次のチャンスがあるだろうが、ここでは一度のがしたチャンスは二度と巡ってこない。QBKも同じことだ。幸いまだ次がある。切り替えて次に行くしかない。
あと、終盤の交代には大いに疑問が残った、入れる選手も下げる選手もよく分からなかった。流れを変えられる選手は他にいないのか。終盤パワープレーに出るならなぜ矢野を入れないのか。今野、森本辺りもうまく使って欲しかった。パワープレー要員と割り切るなら、いっそ岩政でもよかった。それくらいの思い切りはなかったのだろうか。
採点(
採点の見方
):
川島(3) 失点シーンは残念だったがその後スーパーセーブで追加点を防いだ
駒野(4) しっかり守ったがクロスはかなり大雑把だった
中沢(3.5) 裏を取られるシーンもあったが最後まで集中して守りきった
田中(3) あらゆるボールを跳ね返し続け、終盤は前線にも上がった
長友(3) 攻撃参加の機会は限られたが左右のサイドでキーマンを止め続けた
阿部(4) 前半は敵の司令塔をよくつぶしたが、失点シーンではどこにいた?
長谷部(3.5) ドイツで鍛えられた強さを随所に見せていただけに交代は残念
遠藤(4) よくボールにからんでいたが決定的な働きはできず
松井(3.5) 強さとアイデアを兼ね備え前線の起点になっていた
大久保(4.5) 根性は見えるがそれだけでは戦えない世界、枠に飛ばせ
本田(4) 実際には守備にも汗をかくまじめな働きだが得点にいたらず
===
中村(5) ミッションが不明確で持ち味を出せる状況ではなかった
玉田(5) 何しに出てきたのか本人も分かっていなかったのでは
岡崎(5) 酷なようだがあれが決まらないのでは所詮J規格と言われるぞ
さあ、切り替えて次行こう。
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2010ワールドカップ
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日本代表
2010年06月18日 23:38
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【2010ワールドカップ】ドイツ×セルビア
初戦でオーストラリアに完勝したドイツの2戦目。先発メンバーは前節と変わらないが、この試合でのドイツのミッションは「負けないこと」。そのためにはまず守りをしっかり固め、失点しないこと。得点は最後の最後に1点取れればそれでよく、星勘定的には最悪スコアレスドローでも構わないという試合だし、そうであればドイツはそういう戦い方をしてくるものだと思っていた。
案の定、ドイツは中盤から前線が連動して次々に選手が飛び出してくる前節の流動的なスタイルから、後ろでボールを持ちつつ機を見て前に圧力をかける慎重な戦い方に戦術を変更したように見えた。それでも序盤のセルビアの早いチェックをかわすと、次第にドイツがボールを支配し始める。しかしドイツは必要以上のリスクを取ろうとはせず、ゆっくりしたペースで試合が進んで行く。
しかし、この日は審判のファウルの基準が厳しかった。30分までに既に両チームに2枚ずつのカードが出されたが、中には必ずしもカードが必要と思えないものもあり、特にバックチャージには先にボールに触れていても厳しい判定が出ていたと思う。37分、クローゼがハーフウェイライン付近で敵に後ろからチャージ。これがファウルとなり、クローゼはこの日2枚目のイエローで退場となった。
その直後、セルビアに左サイドからクロスを上げられ、折り返されたボールを中央で押し込まれて失点。ドイツはこれでリスクを負って前に出ざるを得なくなる。45分、CKからGKのパンチングがケディラの正面にこぼれたところを渾身のシュート。しかしこれはバーに嫌われ、この跳ね返りをミュラーがバイシクルで再度狙ったが敵DFがクリア(しかもファウル)。0-1のまま前半を終えた。
ドイツは後半も布陣に変更なし。前半と同様、序盤のセルビアのプレッシャーをしのぐと、一人少ないながらも同点を狙って攻撃を仕掛ける。前線にターゲットマンを欠く形となったドイツはエツィル、ミュラー、ポドルスキーのコンビネーションでゴールを狙う。47分、左サイドでポドルスキーがフリーになるがシュートは大きく枠を外れる。58分にはエツィルからやはり左前方のポドルスキーに大きなパスが通るがまたしても枠に飛ばず。
60分、セルビアのDFがペナルティ・エリア内でハンド。セルビアの人たちは「またかよ」と思ったことだろう。だが、これで得たPKのボールをポドルスキーがセットしたときに悪い予感がしたのは僕だけではあるまい。ポドルスキーのPKはGKにセーブされ失敗。試合の帰趨を大きく分けた瞬間だった。
ドイツは70分、ミュラーとエツィルを下げてマリンとカカウを投入。これはあくまで信用するから何が何でも点を取ってこいというレヴ監督のポドルスキーに対するメッセージだろう。フリードリヒが攻撃に参加するシーンも増え、前線に人が足りないなら後ろから持ってくるしかないだろう的な開き直りを感じる。さらに77分にはバードシュトゥーバーに代えてゴメスを投入、ほぼツーバックの状態になりリスクを取って得点を狙いに行く。
しかしポドルスキーは84分にもミドルが枠外。交替で入ったカカウやマリンも冴えず、終盤はメルテザッカーを前線に上げパワープレーに出たが結局0-1で痛い配線を喫した。
ドイツとしてはやるべきことの明確な試合であったにも関わらず、クローゼの不用意な退場(カードは厳しかったが少なくとも2枚目のイエローは妥当)とその後の失点(メルテザッカーのポジショニング・ミス)で完全にプランを狂わされた。その後は一転して数的不利をものともせず前線に圧力をかけたが、ポドルスキーがブレーキになって絶好機に得点できなかったのが悔やまれる。
これでドイツは予選リーグ最終戦、ガーナに勝つしかなくなった。ドイツは局面に応じて適切な対応を行い、何度か決定的なチャンスを作ったが、結果に結びつかなかった。非常に高い規律で最後までやるべきことはやった。残念だが、次の試合でやるべきことは明確になった訳で、踏ん張りに期待したい。
採点(
採点の見方
):
ノイアー(4) 失点はやむなし、あんまり仕事がなかった
ラーム(4.5) いいところまでボールは運ぶが決定的な働きなし
メルテザッカー(5) 失点はポジションミス、中央をフリーにした
フリードリヒ(4.5) 攻撃参加もしたが結果にはつながらず
バードシュトゥーバー(5) 手堅い守備を見せたが攻撃参加は散発
ケディラ(4) 機を見ての攻撃参加でチャンスを演出した
シュヴァインシュタイガー(4) バランスを取ってピンチの芽をしっかり摘んだ
ミュラー(4.5) もう少し自分で勝負してもいいんじゃないか
エツィル(4.5) チャンス・メイクもしたが時間帯によりムラあり
ポドルスキー(5) 再三のシュートミス、PK失敗、今日は彼の日ではなかった
クローゼ(5) 不用意なファウルで退場、ここからプランが狂った
===
カカウ(5) あんまり姿を見なかった
マリン(5) 正直に仕掛けては取られる繰り返し、キレがなかった
ゴメス(-) 時間短し
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2010ワールドカップ
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ドイツ代表
2010年06月17日 00:57
[posted by der_ball_ist_rund]
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【2010ワールドカップ】日本×カメルーン
日本がカメルーンに勝った。内容はともかく、格上と見られていた相手に対し明確な戦術を持って試合に臨み、プラン通りに勝ちきったことは何よりも大きい。もちろんそこには実力以外の運や巡り合わせみたいなものも大きく作用しているのだろうが、そういったものも含めて結果につなげた日本代表の戦いは高く評価するべきだろう。極めて大きな意味のある一勝だったと思う。
もっとも、これで大きく次への展望が開けたかと言えばそんなことはまったくない。星勘定的には次のオランダ戦に何とかして引き分ければ、デンマーク戦の結果次第で決勝トーナメント進出も十分視野に入るとか、オランダにはともかくデンマークには何とかなるとか、一つ勝ったからと言って安易に強くなった気でいると痛い目に遭う。オランダもデンマークも、日本が二連敗して全然おかしくない相手だ。勝てば金星なのだ。その状況は何も変わっていない。
今回、我々が勝ったのは、岡田監督がこれまで2年半かかって積み上げてきた方法論をご破算にする決断をしたからである。そのこと自体は英断だが、そこで選び取った戦術はあきらかに我々がベースとなる実力で相手より劣ることを前提にした戦い方だったと思う。結局、我々は前回のワールドカップから4年、岡田監督就任から2年半かかっても、世界の強豪に互して行くだけの力を身につけることはできなかったということだ。
僕たちは2年半、何のために代表の出来不出来に一喜一憂したのだろう。直前になって対戦相手より実力が劣ることに気づいてスクランブルするために、2年半文句を言ったり束の間の美酒に酔ったりしたというのだろうか。結局最終的に堅守速攻に落ち着くなら、これまで試してきた「接近、連続、展開」は何だったんだ。
それは我々に、我々の代表がどういう戦い方をするどんなチームであるべきかという共通の認識がなかったからだ。日本代表というのはどんなチームなのか、最終的には何を目指して進んでいるのかということがだれからも語られず、僕たちもまたそれを明らかにしないまま勝った負けたと騒いでいただけだからだ。
もちろんワールドカップではまず結果が必要だから、思想が何であれ認識がどうであれ、とにかく勝たないことには話にならない。しかし、仮に今の戦い方で日本が好結果を収めたとしても、ワールドカップが終わったら僕たちは厳しく反省しなければならない。僕たちは、まだ、「日本のサッカー」がどんなものか知らないのだ。
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2010ワールドカップ
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日本代表
2010年06月15日 01:18
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【2010ワールドカップ】ドイツ×オーストラリア
満を持して5時起き。録画しておいたドイツ×オーストラリアを見ようとスイッチを入れたら流れてきたのは砂嵐だった…。録画設定はしたがチャンネルを間違えていたらしい。スカパーなのでEPGではなくマニュアルで予約設定したのがよくなかった。しばし呆然。よりによって大事なこの試合を。仕方なく残り15分を生中継で見たがそのときには既に4-0、試合は決まっていた。
ああ、この試合、結果を知らないまま見て4回雄叫びを上げたかったぞ。悔しい。悔しすぎる。本当に情けない。月曜日の朝からガックリだ。再放送を録画したがそんなものでは埋め合わせできない。
で、残り15分と試合後のダイジェストだけ見たけど、何というか、ドイツはやはりやるべきことがきちんと分かっているんだなあと思った。それは例えばワールドカップに向けたチームの作り方とか、グループリーグ初戦の戦い方とか、ここぞという局面では躊躇なく枠に強いシュートを飛ばすこととか、そういう、あらゆる次元で今、何をやるべきかということが常に明確に意識されていて、それが高いレベルで実行できるということだ。
それができるのはやはり長い間サッカーというスポーツの最前線に立ち会ってきた集合的な経験のおかげなのだと思う。だから、今回戦っている選手たち自身は若く、ワールドカップが初めての人もたくさんいるのに、そういう意識が脈々と継承されている訳だ。
これは一朝一夕に手に入るものではない。ああ、続きはこの試合のビデオを全部見てからにしよう。
日本×カメルーンは明日。
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2010ワールドカップ
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ドイツ代表
2010年06月13日 16:06
[posted by der_ball_ist_rund]
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【2010ワールドカップ】開幕戦他
いよいよ開幕した。そこまで入れ込んで見る気もなかったけど、いざ始まると結構見られる限り見てしまう。結局ここまで全部見てる。
[南アフリカ 1-1 メキシコ]
まず金曜日。仕事から帰ると既に各局の開幕特番が始まっていた。スカパーでオープニング・セレモニーとかを軽く流しながら、10時からは「FC東京ホットライン」で水曜日の梶山のスーパーゴールを確認、11時からNHKで開幕戦、南アフリカ×メキシコをまず観戦。
この試合は実力的にはたぶんメキシコが上なんだろうけど、南アフリカが先制して流れが変わったように見えた。終盤、メキシコが追いついて面目を施した感じ。メキシコはドス・サントスがよかったなあ、終盤消えてたけど。いずれどこかに買われて行くんじゃないか。いずれにしてもブブゼラやかましすぎ。
[ウルグアイ 0-0 フランス]
次の試合ウルグアイ×フランスは夜中3時からだったが、さすがに徹夜する気もなかったのでテレビ東京の中継を録画。朝一番で見る気があるなら結果を先に知ってしまうリスクも少ないし、何も生観戦にこだわることもないだろうと思う。
この試合は結局土曜日の午後に見た。先の試合が引き分けに終わってしまったからか、どちらもあまり積極的にリスクを取らない重たい展開で見ている方が疲労し、昼間にも関わらず眠気が…。フランスもリベリー一人じゃどうにもならない感じした。てか、知ってる人がリベリーだけだった。
[韓国 2-0 ギリシャ]
これは普通に中継で見た。僕としてはオットー・レーハーゲルが監督をしており、ブンデスリーガでおなじみのハリステアスやゲカスがいるギリシャを応援していたが、韓国のモラルの高さが目立った試合だった。ギリシャはなかなかスイッチが入らず、2点取られて終盤ようやく目が覚めたようだが遅すぎ。韓国はガチで強かったと思う。
[アルゼンチン 1-0 ナイジェリア]
これも中継で見た。テンポの速い試合で見ていて楽しかった。アルゼンチンはもっと点が取れておかしくなかったが、ナイジェリアのGKがスーパーセーブを連発し、結局序盤のセットプレーからの1点にとどまり、かろうじて勝ち点3を得た感じ。ドイツ的にはホフェンハイムのオバシ、ヴォルフスブルクのマーティンス、バイエルンのデミチェリスらが見られたのでよかった。
アルゼンチンでは名前だけは知っているが顔を知らなかった人たちが見られた。メッシは面影がベックに似ていると思った。僕はドイツを除く海外サッカーにはあまり興味がないのでテベスだのイグアインだのと言われても知らない。メッシは名前だけ知ってた。
[イングランド 1-1 アメリカ]
これはグラードバッハのブラッドリーが出る試合。録画して今朝8時前に見た。この時間ならことさらに情報遮断しなくてもうっかり結果を知ってしまうリスクはほぼない。アメリカのモラルが高かったのでいい試合になった。ブラッドリーを初め、ハノーファーのチェルンドロ、かつてレヴァークーゼンにいたドノバンなど、なじみのある選手がいてアメリカには親しみがある。一方イングランドには知った人はだれもいなかった。
アメリカのゴールはイングランドのGKには気の毒だった。後逸と言われればその通りだが。イングランドの攻撃はさすがに迫力があったがアメリカGKのスーパーセーブにことごとく止められた。アメリカが善戦したと言うべき試合だろう。
さて、今夜はアルジェリア×スロヴェニアを見て早めに就寝、ドイツ×オーストラリアを明日朝5時過ぎから観戦する予定。セルビア×ガーナも録画して隙を見て再生しよう。さすがに平日になると全試合観戦はムリだろうな。
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