フットボール・クレイジー
football crazy
silverboy club
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2016年05月22日 22:34
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【J3第10節】FC東京U-23×鹿児島
■2016年5月22日(日) 15:30キックオフ
■江東区夢の島競技場
今週はトップの試合がないのでU23を見に行くことにした。夢の島は何年も前にサテライトを見に行ったことがあったがそれ以来だと思う。地下鉄を乗り継いで、新木場駅からはあるいて5分ほど、キックオフの1時間ほど前にたどり着き、メイン中央に席を確保したがとにかく暑い。
スタンドは正面から直射日光を浴びて影もない状態。汗をかきながら持参したペットボトルのジャスミン・ティーをちびちび飲んでキックオフを待った。まだ湿気が少ないので気持ちのいい暑さで、汗がしっかり出ていれば熱中症のリスクもそんなに高くないはず。帽子を持って行ってよかった。
東京はトップがACLのために上海に遠征しており、留守番部隊とU18の混成的なメンバーに。鈴木をアンカー、ユ・インスを1トップにした4-3-3にも、バーンズ、幸野、佐々木、ムリキでピッチ幅をカバーする4-1-4-1にも見えた。
ACLはベスト8からしか出られないムリキがこちらに出ているのは分かるが、バーンズが上海に帯同せずこちらに出場するのがよく分からない。U18は昨日試合があったばかりで、生地、蓮川、鈴木らは2日続けての公式戦となったがこれもどうなのか。また、小川が上海に帯同せずこちらに出るのは交通事故のペナルティか。苦しい人繰りとはいえよく分からないメンバーだ。
圍
生地 蓮川 岡崎 小川
幸野 鈴木 佐々木
バーンズ ユ・インス ムリキ
暑かったし左サイドがメイン側だったのでほぼムリキしか見てなかったが、基本的にどちらもしっかりボールが運べず中盤でボールが行ったり来たりする凡庸なゲームに。守備が固いというよりは攻撃に迫力がないということか。前に当てて落とすということができず、蹴り出しては単騎で勝負をかけて取られる繰り返し。単調な攻撃に終始する。
鹿児島の攻撃も同様で、攻撃は単発。ポゼッションは鹿児島だが、東京がバイタル・エリアを固め、シュートまで持って行かれても圍が止める形で守っている。25分、佐々木からのパスを受けたバーンズが右裏に抜け出し鋭いシュートを放つがGKがセーブ。これで得たCKには佐々木がボレーで合わせるがこれもGK正面に。
41分、ユ・インスが敵と競ったボールをムリキが拾い、ゴールライン際からペナルティ・エリアに侵入してラストパスを中央に送るがバーンズに合わずボールはそのままファーに抜けてしまう。さらに43分、敵のパスを絶妙の飛び出しでカットしたムリキがそのままドリブルで持ち出し、右前線のバーンズに大きなパス。これを受けたバーンズは自ら仕掛けるがシュートはブロックされる。ファーに走りこんだムリキが「オレに出せよ〜」的に大きなジェスチャー。
いくつか形は作ったものの決めきれず、スコアレスで前半を終える。
東京は後半から蓮川に代えて山田をCBに投入。連戦を考慮したか。後半からユ・インスとバーンズの2トップによる4-4-2に布陣が変更されたようにも見えたがよく分からない。
後半になっても互いに譲らず、いい形でフィニッシュまで行かせないしょっぱい戦いが続く。63分、小川のFKの流れから幸野のスルー・パスを受けた佐々木が裏に抜け出しシュートを放つがバーをヒット。
一方、鹿児島も機動力のある攻撃から東京ゴールに迫るが、圍がファイン・セーブを連発してチームを救う。79分、ユ・インスに代えて平岡を投入。バーンズとムリキを2トップにした4-4-2に。佐々木が左SHに出たか。
終盤はややオープンな展開となり、ボールが大きく往来。アディショナル・タイムにはバーンズがフリーでシュートを放つが枠に収めきれず。結局スコアレス・ドローとなった。
トップ、U18、特別指定選手の大学などの日程によって起用できる選手が試合ごとに代わり、「いる人でチームを組む」苦しい状況の中でなかなか連係が熟成しないために攻撃が噛み合わない。ムリキ、バーンズの個の力からチャンスを作ったが、単発に終わった感が強い。
本来であれば、トップと戦略・戦術を共有する、ユースまでを含めたシームレスな一団の選手プールの中の、若手を中心としたセカンド・チームで勝つというのがJ3を戦う基本的な考え方のはず。
J3に特化、最適化するのではなく、FC東京というチーム・コンセプトのセカンド・ラインでJ3を戦うということを徹底するためには、ひとつの「幹」のような戦略がトップからユースに至るまで共有され、誰が出ても(細かい個性の調整はあるにしても)ひとつの共通理解の下に統一された戦い方ができるようになっていなければならない。というか、そうでなければ毎試合招集できる選手が違う中でしっかりしたFC東京としての戦いなどできる訳がない。
その意味ではまだまだ道半ばだし、それが根づくまでの「This Game」を考えた時に最低限の結果を出すという点でももの足りなさが残るのも確か。大きなチャレンジなので拙速に結論を出す気はないが、このカテゴリーを戦うことができるというのはクラブにとって大きなアドバンテージであり、それをどう強化・育成に生かすのか、そしてそれをトップの成績にフィード・バックして行くのか、考えなければならないことは多いと感じた。
今日見た中ではムリキがフィットしつつあるのを感じた。暑さとともに調子を上げているのではないか。ただ、彼が好むプレーのスタイルとか得意とする形とかいうのは明確にあり、それをどこまで尊重してチームが彼に合わせるのか、彼にチームに合わせることを要求するのか、どれが彼の価値をいちばん生かしつつチームとして最大の結果を得る選択肢なのかを見極めることが要求される。
僕としては城福監督が求めるスタイルの中でムリキはそこにはまるより「破調」として機能すべきであり、彼に求めることを整理して提示すれば、それを消化できるクレバーさのある選手だと思った。要は「使いよう」であり、高い買い物だけにしっかり使いこなさないともったいない。いつまでも調整している場合ではない。
バーンズも普通によかった。なぜ上海に帯同していないのか理解に苦しむ。ACL上海戦では、ホームでアウェイ・ゴールを許している関係で、0-1では敗退になる。先制され、0-1のまま終盤に突入した場合、何が何でも1点を取りに行く必要が出て来る訳だ。そのような状況が容易に想定される中で、終盤に一発の可能性のあるFWを帯同しないのはどういうことなのだろう。
前の試合でも梶山とハ・デソンなど、どう考えても途中出場で同時に使いそうのない選手を2人もベンチに置く一方でバーンズをベンチ外にしたのには首を傾げた(ついでにいえばDFのバックアップも置かなかった)。トップとJ3の選手の配分は難しいところだと思うが、思うように試合が展開しなかったときのことを考えてベンチ構成を考えているのか、素人目にも疑問が残る。
暑い中での試合だったが、汗をかくことを厭わなければ気持ちのいい観戦だった。
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FC東京
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J3/FC東京U-23
2016年05月03日 19:54
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【J3第7節】FC東京U-23×栃木
■2016年5月1日(日) 14:00キックオフ
■味の素フィールド西が丘
いい天気になった連休の日曜日。例によって12時まで所用があり、そこからコンビニでサンドイッチを買って電車に飛び乗り西が丘を目指した。
東京は開幕出遅れたものの、ここ2試合は1勝1分と流れをつかみつつある。ホームでしっかり勝ち点を積み上げて足場を確かなものにしたいところ。
しかし、トップは金曜日にJ1の公式戦を終え、4日のACLビン・ズオン戦に向けてベトナム遠征がある上、U18は当日に公式戦がかぶってしまい苦しい人繰り。したがって、ベトナム遠征に帯同しないトップの選手でメンバーを構成せざるを得ず、ベンチの交代要員は3人のみという厳しい状態に。
そんな中、ACLでは登録の関係上グループ・ステージに出ることのできないムリキが先発。ムリキは福岡戦で後半途中から30分以上プレーしているが、この試合は自ら申し出ての出場だったらしい。その意気を買いたい。CBにU18の岡崎が入った以外には一種契約の選手ばかりの先発となった。
圍
柳 吉本 岡崎 野澤
平岡 佐々木 幸野 ユ・インス
林 ムリキ
試合は拮抗した展開に。東京は幸野が下がり目でボールを受け、敵のプレスをかわしながら左右に配球、また佐々木に渡して前に運ぶなど、臆することなく落ち着いて試合を作ろうとする意図が窺える。
サイドではユ・インスの積極的な仕掛けや柳・平岡のコンビネーションもあり、チームとしての連係が高まっていることが感じられて悪くない。
しかし、19分、人数が揃っている状況からミドルをたたきこまれ0-1と先制を許す。アプローチが遅れた感はあったが、どちらかといえば敵のシュートを褒めるべき失点か。
東京はその後も積極的にボールを動かし、一歩も引くことなく戦いを進める。ムリキはボールを求めて降りて来ることも多く、パスを受けると反転してドリブルで仕掛けるが、エリア前で囲まれてボールを失ったり、ワンツーを求めて味方にパスを出してもボールが帰ってこなかったり。
苛立ちを見せる局面もあり、特に失点の後はややモラルが落ちたようにも見えたが、辛抱強く連係を探り続ける。28分、ユ・インスがドリブルで敵エリア内に入りこむと、敵DFがこれを倒し東京がPKを得る。
31分、このPKをムリキが敵GKの動きを慎重に見極めて決め1-1の同点に。PKとはいえ、前半のうちにきちんと追いつけたのは大きかった。
その後は主導権を争う厳しい展開となり、互いに大きなチャンスを作れないまま前半を終了する。
後半に入っても流れは変わらず、一進一退の攻防となる。52分、敵CKのこぼれ球を拾った平岡が、そのまま快足を飛ばしてドリブルでカウンターを仕掛ける。敵DFを振りきり、エリアまでたどり着くが、ここで迷いが出たか、並走したムリキに横パスしようとして中途半端になり、敵DFに引っかけてしまう。
自分で決めるべきシーンで、ムリキからも背中をたたかれて労われていた。平岡はこのシーンについて「自分のドリブルに一緒について来る味方がいるということがなかったので迷いが出てしまった」とコメントしてらしいが、おそらくリーグでもトップ・レベルのスピードと、その以外のプレーの質という課題が出てしまったシーン。ここがクリアできればこの速さは素晴らしい武器になると思った。
その後も互いに攻撃を仕掛けるが守備も集中しており決定的な形はなかなか作れない。交代要員のすくない東京だったが、72分、足をつった平岡に代えてユースの生地を投入。最後にはアディショナル・タイムに幸野に代えてユースの鈴木を投入したが逆転はできず、結局1-1の引き分けに終わった。
勝ち点3を得ることができなかったのは残念だが、開幕当初の試合に比べると、このカテゴリー、このチームで何をするかということが随分整理され、そこで戦うひとりひとりにしっかりとした覚悟のようなものが窺えて、格段にいい試合ができていたと思う。
前半に1点を失ったが、PKで追いつき、その後は一歩も譲ることなく勝ち点1を守ったのは評価されるべき。このカテゴリーで結果を出すべき平岡、ユ・インス、幸野、野澤、柳、佐々木らがしっかりハード・ワークして試合を作ったのが印象的だった。ここで頑張った選手がしっかりとトップに絡めるようなチーム・マネジメントを期待したい。
また、オーバー・エイジだが吉本の頑張りも素晴らしかった。前線に放りこまれる敵の長いボールをことごとくはね返し、サイドからもチャレンジやシュートに対しても身体を張り、さすがJ1でレギュラーを張っていた選手は違うという格の違いを見せた。彼もトップで使いたい。
ムリキは反転した後の爆発的な初速があり、一方でシンプルでボールを捌いて味方を使う割りきりやクレバーさも見えて、連係がなじんでくれば大きな戦力になると感じた。トップに張るセンター・フォワードというよりはサイドに置いて生きるタイプに見え、その意味ではカボレやルーカスなどともイメージが重なる。
今はまた、上述の通りワンツーが帰ってこなかったり、味方に出すパスを受けてもらえなかったりと試行錯誤も多かったが、インテンシブに練習、実戦を重ねればフィットできると思う。最初は我慢して使うことが重要で、トップでひとつ流れからのゴールが出れば調子に乗って行ける。
この日は、試合終了後に栃木サポに挨拶に行き、試合後のロッカーでは若手に「90分プレーするのをサポートしてくれて有難う」と礼を言ったという報もあった。真面目な性格のようだし、馴染めばイケるぞ。
一方で、林はプレーに迷いがありいいところが出せなかった。特にポストが不正確でチャンスをつぶすことが多く、前線でも身体を張った割りに報われない残念な日に。特異な形に持ち込めず、結果も出なかった。FWであり、まずは得点が欲しい。ムリキに遠慮した面があったかもしれないが、もっと我を出して要求してもいいのではないかと感じた。
U23はここ2試合見ていなかったが、若手をこのカテゴリーで使うことの意義がようやくはっきりしてきたと思う。戦略、戦術の浸透・深化を図りながら、トップとシームレスなプレイヤーズ・プールを作るための場。そのやり方でJ3を圧倒することが必要だ。道半ばだが正しい方向に足を踏み出したことは確認できたように思った。
このカテゴリーの試合はスカパーで中継がなく、ホーム・ゲームもJ1と日程がかぶるときつい。行ける範囲で行って、見た試合はレポートするが見なかった試合までは拾わないことにする。
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FC東京
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J3/FC東京U-23
2016年04月13日 23:17
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【J3第4節】FC東京U-23×富山
■4月10日(日) 14:00キックオフ
■味の素フィールド西が丘
前節は秋田でのアウェイでテレビ中継もなかったので完全スルーしたが、今節は西が丘でのホーム・ゲームということで、12時過ぎに所用を済ませた後、コンビニでサンドイッチを買って出かけた。
この日は19:00からトップのJ1公式戦があるためメンバーは完全に二手に分かれる形に。この試合にはオーバー・エイジとして榎本、駒野、梶山、林が参加。U-18も前日に試合があったようで、CBの岡崎以外はオーバー・エイジを合わせたトップ所属のメンバーに。
榎本
柳 野澤 岡崎 駒野
平岡 梶山 幸野 ユ・インス
林 中島
試合はいきなり動く。4分、敵FWにスルー・パスが通り裏を取られる。野澤と岡崎が対応するが二人がかぶる形になってしまい敵を止められず、そのままシュートされて開始早々に失点、0-1とリードを許す。
しかし、その後は梶山、幸野から配球ができるようになり、東京がボールを持って攻撃を仕掛ける展開になる。中島も下がっていったんボールを捌いてから上がるなど、収まりどころが複数作れることで安定感のある攻撃を仕掛けることができている。
また、幸野から右サイドの裏に長いパスを通し、これを受けた平岡が仕掛ける形でも何度かチャンスを作る。左サイドでも駒野の手堅いキープやユ・インスとのコンビネーションで裏を狙うなど、攻撃にも多彩さが生まれ、これまで見たU-23の試合の中では最も意図をはっきり感じられる試合になった。
この時間帯に同点に追いついておきたいところだったが、フィニッシュの精度を欠き得点に至らず。0-1のまま前半を終えた。
後半に入っても東京がボールを支配しながら積極的に仕掛けるが得点に至らず。61分、ユ・インスに代えて特別指定の山田を投入。山田がCBに入り野澤がボランチ、幸野がSHにスライドする。
しっかり反撃を仕掛けたいところだったが、77分、30メートルほどのFKを直接決められ0-2に。榎本からは壁で蹴るポイントが見えなかったと思うが一歩も動けず。
東京は82分、平岡に代えて佐々木を、幸野に代えて松岡を投入、挽回を狙うが、直後の83分、左寄りのFKをファーに飛ばされたところにフリーでヘディング・シュートを放たれ失点0-3となってほぼ試合が決まる。
何とか1点を返そうとしたが最後までゴールが遠く、0-3で試合終了。東京は開幕から4連敗となった。
これまでの中では最もしっかりとしたコンビネーションから攻撃を仕掛けてチャンスも作れており、可能性を感じさせた試合だったが、立ち上がりの失点を最後まで取り返せず、押した時間帯にゴールできなかったことから終盤に追加点を奪われて完敗。内容を結果につなげる力強さに欠けた。
この試合がそこそこ見られる内容になったのは、やはり梶山、駒野といった経験のある選手が試合を作ったことが大きい。それによって中島が活性化、平岡、ユ・インスらも生きたし、幸野も自信を持ってプレーできたと思う。このチームにとってオーバー・エイジの選手の存在は大きいと思った。
しかし、このカテゴリーの試合に何を求めるか、何を表現しようとしているかという点ではまだまだ整理ができていないような印象を受けた。
開始早々に裏を取られCB同士の連係が乱れたシーンや、セット・プレーから2失点したシーンを見れば、メンバーが固定できず、チームとして互いの動きを確認する場の少ない急造チームゆえの敗戦のようにも見えるが、それではメンバーを固めてしっかりと連係の構築されたチームとしてのまとまりを優先するべきかといえばそうではない。
我々は別にJ3に最適化してJ3で強いチームを作りたい訳ではない。トップに明確な戦略と戦術があって、それが控えにもユースにもきちんと共有され落としこまれていれば、連係は自然に取れるはず。ユースから誰を上げても、トップから誰を出しても、レベルの差はあるにしても同じことが同じ意識でできなければならない。
トップの戦略・戦術の落としこみによって自然にリザーブも強化され、選手の入れ替えに関わらず同じ狙いのフットボールができるようになるはずだし、そうしなければならない訳だ。
だから、急造だの連係不足だのは言い訳にならないししてはいけないんだと思う。そんなことは当然分かった上で参入している訳であり、トップとシンクロして成長するセカンドでJ3を圧倒できなければ意味がないということだと思う。
逆に言えばU-23の弱点はトップの弱点であり、U-23で結果が出せない選手はトップでも力を出せないということ。我々がJ3を戦うことの意味はそこにしかない。そこをもう一度しっかり確かめる必要があるのではないかと感じた。
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FC東京
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J3/FC東京U-23
2016年03月20日 20:57
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【J3第2節】FC東京U-23×琉球
■2016年3月20日(日) 14:00キックオフ
■味の素フィールド西が丘
埼京線を板橋で降り、そこから歩いて都営三田線の新板橋へ。西が丘に行くのは初めてだが、それらしい人がたくさん歩いていたので後をついて行ったら着いた。うららかな春の日和になり、日当たりのいいところは厚着では厚いくらい。いい具合に客も入りキックオフを待つのも和やかな雰囲気。買って行ったサンドイッチを食べてキックオフを待った。
東京は前節からややメンバーをいじってきた。CBに特別指定の山田をCBに起用、前節CBのU-18岡崎を左SBにスライド。また、ボランチには高橋が先発し野澤とコンビを組んだ。幸野はFW起用となり中島と2トップ。また、ベンチには榎本が入った。
圍
柳 吉本 山田 岡崎
平岡 野澤 高橋 ユ・インス
幸野 中島
前半は劣勢ながらも要所を締め、敵と渡り合う展開に。果敢にボールを前に当てて押し上げてくる相手に対し、こちらもバタバタした対応を余儀なくされる時間が長く、中盤でなかなか時間を作れずに攻め急がされてボールを失う出入りの激しい試合になる。
中央の吉本、山田がしっかり対応して失点は免れていたが、前半終了間際の43分、右寄りのFKに頭で合わされ失点。0-1と先制を許して前半を折り返す。
後半に入ると果敢に仕掛ける琉球に対し後手に回るシーンが増え、52分、スルーパスから裏に抜け出され圍との一対一を決められて0-2。東京は65分、ユ・インスに代えてU-18の松岡を投入したが、直後の67分、左サイドからのクロスに頭で合わされたボールが宙に浮き、これが絶妙のクロスとなってゴール。0-3とリードを広げられる。
69分、その前から足が攣った様子の平岡を下げて特別指定の矢島を投入、さらに76分、野澤に代えてU-18の鈴木を投入すると攻撃が活性化、83分、左からのクロスに矢島が頭で合わせゴール。U-23待望の初ゴールとなり1-3とする。
さらに88分、今度は右サイドの柳からのクロスに松岡が合わせてゴール、2-3と1点差に詰め寄り、その後も押せ押せの勢いに任せて反撃を仕掛けたが、いかんせんエンジンがかかるのが遅すぎて及ばず、2-3で開幕2連敗となった。
開幕戦よりは戦う姿勢も見え、特に中島やユ・インスがゴールへの貪欲さを露わに前へ向かおうとしていたのは印象的だったが、守備の厳しさが徹底できずセット・プレーから失点、後半、やや集中が切れたかサイドから仕掛けられて追加点を許すなど、甘さが出たことは悔やまれる。
終盤の追い上げは次節につながって行くものだと思うが、選手交代で特別指定や二種登録の、この試合で結果を出すことに強い意欲を持つ選手が入って初めて攻守が活性化したのは象徴的で、ゴールを決めたのが特別指定の矢島、二種登録の松岡だったのは決して偶然ではないと思った。
前節のレビューにも書いたかもしれないが、対戦相手はこのカテゴリーの試合に昇格やクラブの存続や選手としての生活や将来、夢や誇り、プライドみたいな切迫したものが懸っている。重要な公式戦である。それに対して我々は、それに見合うだけのどんな切実なものがそこに懸っているのか。それに対して「育成」や「成長」といったような答えしか出せないようなら、いつまでたってもこのステージでの真剣勝負には勝てないのではないかと思わずにいられなかった。
トップに昇格するとか出場機会を得るとか明確な目的意識があり、このカテゴリーでの試合に強い意味を見いだせる立場の特別指定や二種登録、トップで試合出場経験のない平岡や柳、ユ・インス、圍らのモラルが高いのは当然だが、J1やJ2で試合経験のある野澤、中島、幸野らにとっては何を目線に戦えばいいのか。それは彼ら自身が考えるべき問題ではあるが、そこがうまく整理できないままチーム内に温度差を抱えていては結果を出すのは難しい。
また、オーバーエイジで出る選手は、トップとU-23をつなぐリンクの役割を果たさなければならない。若手ばかりのチームに、試合の中で的確な指示を与え、自ら率先して「こうやるんだよ」というお手本を示さなければならない。オーバーエイジはトップの試合に出られなかった選手というよりは、そうした役割を果たせる選手をしっかり選ぶ必要がある。
その意味で、今日の高橋、ベンチ入りした榎本らは適任かもしれない。ベテランが一人いてチームを締めるという意味では羽生もいいかもしれない。若手のレベルアップにはピッチ内の指導者が必要だと思う。
J3に最適化したチームを作るのではなく、トップと戦略・戦術を共有したハイ・レベルのサブスティテューション・プールを作るのが目的だと思うが、その目的のために編成したチームが当然のようにこのカテゴリーで結果を出してこそ真剣勝負の場を求めた意味がある。まだまだここで何をやりたいのかの軸足が見えてこない感がある。選手よりクラブの側にコンセプトの整理が必要なように思えるが…。
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FC東京
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J3/FC東京U-23
2016年03月13日 20:49
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【J3第1節】相模原×FC東京U-23
■2016年3月13日(日) 13:00キックオフ
■相模原ギオンスタジアム
今季からJ3に参入したFC東京U-23の開幕戦。アウェイとはいえ相模原での試合ということで足を運んだ。日曜日は毎週12時まで都内で所用があるため、そこから小田急に飛び乗り、相模大野からタクシーを飛ばした結果キックオフに間に合った。
現在のトップの登録選手の内、U-23の出場資格を満たすのは以下の9人。
DF:柳、小川
MF:佐々木、平岡、ユ・インス、野澤、中島、幸野、橋本
この他、9日に発表された特別指定の矢島、山田と、11日に発表された二種登録の6人(岡崎、波多野、生地、鈴木、松岡、高瀬)がU-23の選手プールになるが、その他に、フィールド・プレーヤー3人とGKのオーバーエイジ枠が使える。
金曜日の神戸戦に出場した小川、橋本は欠場、この日の先発は次のようになった。オーバーエイジ枠は圍と吉本。
圍
柳 吉本 岡崎 生地
平岡 幸野 野澤 中島
矢島 ユ・インス
【控え】波多野、鈴木、松岡
試合は積極的にボールを動かしアグレッシヴに仕掛けてくる相模原に押され、自陣で相模原の攻撃をしのぐ展開。東京はコンパクトな守備で敵の前線の選手を捕まえようとするが、急造のチームで連係もままないせいかバタついてしまい、奪いどころが明確にならないためクリティカルなエリアに侵入されチャンスを作られる。
敵のシュート精度が低いこともあって何とか失点は免れるものの、東京の攻撃は単発のカウンターのみ。奪ったボールの収めどころもなく、ユ・インスが前線で戦ったり平岡がスピードのあるドリブルで仕掛けたりしても連係がないために止められて終わり。打開策が見えないまま、何とかスコアレスで前半を終える。
後半に入っても東京は攻め手が見当たらない。トップでの試合経験がある野澤、長崎、千葉などJ2ではレギュラーで働いていた幸野ら、相応に力を出すべき選手が精彩を欠いてゲームを作ることができない。中島もサポートのない状況では仕掛けてもつぶされるだけ。チームとしての攻撃の形が見えず、個で打開するだけの勢いも見えない。
何とか失点だけは免れていたが、63分、押しこまれて失点。0-1とリードを許す。東京は70分、矢島に代えて鈴木を、84分、生地に代えて松岡を投入し、終盤は中島らが積極的に攻撃を仕掛けたが得点には至らず、結局0-1で相模原に完敗した。
結果は0-1だが、敵のシュート精度が高ければあと2、3点はやられていておかしくなかった。スタッツを見てもシュートは3-13、CK2-8と圧倒的に劣勢で、結果は試合内容に見合ったもの。新しい試みとして挑んだJ3での公式戦だったが、初戦はいいところが見せられないまま厳しい結果に終わった。
トップ・チームの若手に加え、大学生の特別指定選手、ユースから借りた二種登録選手ら急造の混成チームで、連係を求めるのは酷だと思うが、そうであれば個人でゴリゴリやってアピールする姿勢も必要だった。何としてもこの試合に勝ちたいという強い意志に裏づけられたような意図のあるプレーがあまり見られなかったのは残念だった。
その背景には、この試合、いや、U-23のJ3参入そのものの位置づけがいまひとつはっきりしないことがあるのではないだろうか。クラブとしてははっきりしているのかもしれないが、少なくともこの日の試合からは、J3で優勝するべく「チーム」としての連係を構築し、オートマティズムを追求して行くのか、それとも「二軍戦」としてトップで出場機会の得られない若手選手のアピールの場と割りきるのか、それを選手たちが理解し、共有しているようには見えなかった。
以前から、J1の試合の翌日には、試合に出られなかった選手たちのための練習試合が組まれることが多かったが、この日の試合はその練習試合と大差なかったのではないか。わざわざJ3に参入したのは練習試合では足りない何かを得るためだと思うのだが、いったい何を求めて参入したのか分からなくなるような試合で、これなら今まで通り練習試合でいいのではないかと思った。
練習試合に足りなかったもの、J3に求めたものは、J2昇格を目指してしのぎを削る真剣勝負の場としての公式戦で、結果を出しながら自らも成長するプロとして必要なものを身につける厳しさだったのではないのか。そのせっかくの初戦で、しかし、そのような責任感、プライドを背負い、負けられない戦いだという危機感の下で劣勢を何とかしようと身体を投げ出した選手がいったい何人いただろうか。
JFLやさらにその下部のリーグに所属するクラブからは、J3への参入がまずJリーグの入口である。その資格を得るために大変な苦労をしているクラブがたくさんある中で、J1のU-23はなぜいきなりJ3に参加できるのかという議論もあったようだ。
そのような、いわばある種の特権で、大げさに言えば組織の存続をかけてこのリーグを戦っているクラブに混じり、プロとして入場料を取ってフットボールをする以上、我々もそれに相当するだけの覚悟を持って戦わなければ、他のクラブにも、カネを払って見に来るサポーターにも失礼だ。
成長や若手の底上げは自由にすればいいが、これは単なる練習試合ではない。我々はJ3に最適化したセカンド・チームを作りたい訳ではなく、トップの戦術を落としこんだ若手がそれを表現する場をここに求めたのだ。
J3で結果を出せない者、結果を出すためにぎりぎりの努力と工夫とアクションのできない者が、J1での出場機会を得られる訳はない。経験を積むだけではなく、結果に対する責任も含めたプロとしてのプレーを見せるのでなければ、他のクラブの迷惑、足手まといになるだけだし、勝ち点のボーナス・ステージになってFC東京というクラブのJ3参入に対する姿勢が問われることになる。
もちろん、まだリーグ戦は始まったばかりだ。チームとしての連係もこれからだろう。しかし、このチームは何年か後の東京そのものである。何のためにJ3に参入したのか、次節、ホーム開幕戦となる琉球との試合までにしっかり整理し、ここで戦うための価値軸を定める必要がある。
今日はカネを払って見るに値しない試合だった。
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