
こんな経験があります。
私は東京大学の大学院にいた時代、予備校で講師をしていました。
多くの生徒が
「自分が本当に覚えられているのか自信が無いんです」
と不安に思っていることを知っていました。
黒板に書かれて説明を聞くと分かった気にはなりますよね。
あるとき休み時間に、
世界史のある分野の知識を生徒に答えさせてみました。
生徒は一生懸命答えはじめました。
しかし、その解答には大事なところで抜けがあります。
すでに授業で学習した分野です。
もちろん彼も説明を聞けば“ああ、あのことか”と思い出せます。
ただ自分から思い出すことができないのです。
私は、予備校で三千人ほどの生徒に教えてきましたが、
同じような例は多く、受験生には、インプットする(頭に入れる)よりも
思い出すこと(アウトプット)ができない人が多い
ということを実感しました。
もう一つ分かったことがあります。
彼らは、
ある知識と他の知識の間にあるべき「関係性についての理解」が
抜けているということ。
この時の世界史の例で言えば、その生徒は、イランとペルシャという言葉の関係性が頭に入っていなかったために、知識が分断され、全てを思い出せなかったのです。
もう少し広く言うと、体系化された知識が頭に入っていなかったのです。
これは重要な問題で、知識同士の関係性、さらに体系的な知識が頭に入っていなければ、関係性などを問う問題に答えられないだけでなく、
そもそも何かを「思い出す」ことも難しくなるからです。
これまでに書いた「思い出すこと(アウトプット)ができない人が多い」と
「体系化された知識が頭に入っていない」ことは、
実は密接な関係があるのですが、もう一つ、
勉強の記憶に関して、必ず知っておくべきことがあります。
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