砂漠の近況。〜乾いた心を潤す映画を探せ!〜

心の砂漠化および干ばつと闘っているブログ。目先の役には立ちそうにもない映画や本を偏愛中。

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運動公園周辺

運動公園周辺運動公園周辺
運動公園にて運動公園にて陸上競技場の脇。整備用の砂?

オーギュスト・ロダン―論説 講演 書簡

リルケ27歳、ロダン62歳をたずねてパリへ行く。


当時まだ作家というよりも文学青年と呼ぶほうがふさわしいようなリルケと、既に名を成していた偉大な彫刻家ロダン、二人の接触と交流を振り返ることができる好材料、です。






リルケ青年が巨匠を訪問したのは、『ロダン論』を執筆するためだったのだが、その出会いは論文のみならず、リルケの詩作全般に影響を及ぼすことになった。ロダン出現によって芸術観を刷新されたリルケが、ロダンの秘書を勤めたのは30歳の頃で、これはリルケの代表作『マルテの手記』執筆期とかぶっている。

ロダンに費やす時間や労力のせいで、リルケ自身の創作にあてる分が、相当くしけずられた様子もうかがえるが、それでもロダンのかたわらにいたことが、心酔の度合いを伝えてくる。
ロダンとじかに言葉を交わすこと、ロダンの働きを間近で見ることで、リルケの体内にも活動エネルギーがちゃくちゃくと流れ込んでいったのだろう。


本書の半分以上を占めるのは、リルケからロダンに宛てた書簡だ。二人への関心が強い研究者には意味を成すものの、読み物として面白いかというと…… ロダンとの往復書簡形式であれば読みごたえも出てくるだろうが、リルケ一人がせっせとロダンに手紙を書き送っているばかりで、ずっと一方通行だ。 

ロダンがあまり手紙を書かなかった、という事実は曲げようがない。また、手紙の内容はあまりにも細かな雑事で、芸術論を戦わせているシーンも、残念ながら期待できないのである。
リルケがロダンについて書いたものをまとめる、というのが本の主旨なのだから、致し方ないのですが。。。


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『アライブ』ブチキレた人妻ほど怖いものはない

監督スーザン・モントフォード、製作総指揮にギレルモ・デル・トロが名を連ねる古いスリラー映画『アライブ』を鑑賞。のちに『リアル・スティール』『ヴァンパイア・アカデミー』等の製作に携わるモントフォードさんの、発表されている中では唯一の監督作で、日常の中の狂気をすくいとってホラータッチで拡大した映像作品である。




オープニング映像は、教養を感じさせる、センスのいい暗さを湛えていると思えた(ギレルモ・デル・トロ氏って、さまざまな題材を幼少時のトラウマつながりで料理するのが巧い人なのかな)。

しかし率直に言えば、本編は悪趣味
※ネタバレ。

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『パシフィック・リム』傷ついた者だけが強くなる

私の心を半ばえぐるようにして刻まれたあの『パンズ・ラビリンス』の後、うってかわってギレルモ・デル・トロ監督は、Kaijuとロボットの戦いを描くSF特撮、という、かつて男の子だった人間を興奮させる要素てんこ盛り娯楽ムービーを作り上げていた。

パシフィック・リム』は、デルトロさんの代名詞となった。
何かをずっと好きでいるということは、偉大な才能なのである。




ネタバレ。

太平洋の底の裂け目から現れたKaijuに、人類はパイロット二人制の巨大ロボット「イェーガー」で応戦。イェーガーのパイロットは一躍ヒーローとなったが、それも過去の栄光。パイロットのローリーは、ともに戦っていた兄を亡くし一線を退き、イェーガーによる戦闘自体が古いものになろうとしていたが……。

兄を失った痛みに耐えて立ち上がる男の物語になるのか と思ったが、映画は、新パートナー、菊地凜子扮する森マコとの関係構築が主軸になっている。ガラスのように繊細で華奢なボディに、優秀な頭脳と意外な攻撃力を秘めたヒロイン。マコマコ、他の人物よりはるかに名前で呼ばれる回数が多い。おかげで、ローリーが頑張ってもだんだんマコが主人公に見えてくる……。ローリーってロリコンという意味でいいのかな?(冗談ですよ……)


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『天使のナイフ』カフェの運命も気にかかる

『江戸川乱歩賞全受賞作品、完全制覇なるか!?』を書いたがそれっきりになっていたのを思い出し、第51回江戸川乱歩賞受賞作、薬丸岳『天使のナイフ』(2005)を読んだ。ドラマ化された際、主演は小出恵介氏だったそうで……。

主人公はフランチャイズカフェのオーナーで、一児の父でもある。彼の店のコーヒーがかなりイケるらしく、私は危うく事件よりカフェに興味を持ちかけたが、うまいコーヒーのことは脇に置いて心して読まなければならない。「少年犯罪」という、きわめて重いテーマを扱った問題作である。


---ネタバレ---



主人公の愛する妻を殺した犯人3人組は、13歳という若さのため、刑を免れた。
4年後、少年の一人が殺害されると、主人公は疑惑の目を向けられながらも、彼らのその後を調査する。法に守られ、社会復帰を目指して立ち直るよう支援される少年たちに、どれだけ贖罪の意識があるのだろうか……。

せっかく軌道にのせた店に警察が頻繁に訪れ、ノンフィクションライターもしつこく嗅ぎまわるし?、彼のカフェがこのまま続くのか心配な展開である。


NEC_0741


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砂漠の薔薇。
Desert Rose

最新作が苦手で、古めの映画を見る喜びを語ろうとしているけど、ブレ気味のブログです。

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