訪問日2017年2月10日

「スープに浸ったソース焼きそば」で有名なのは、青森県黒石市のつゆ焼きそばや、栃木県は那須高原の スープ焼きそば。
それらと似て非なるものとして2010年頃から脚光を浴びたのが、千葉県の船橋ソースラーメン。

そして今、ラーメンブロガーのらんちばさんが発掘しているのが同じ千葉県の香取市小見川にかつて存在した「一心堂」さんを祖とするカレーソース焼きそば。

本日、その小見川エリアでらんちばさんにご教授いただいた二軒を周ってきたので、一度これらの作り方の違いを整理して見てみよう。


すごう食堂_つゆ焼きそば
 
まずは青森県黒石市「すごう食堂」さんの”つゆ焼きそば”

こちらでは、中華鍋で野菜などと共に中華麺をソースで炒めてそれをどんぶりに盛り付けて、上から出汁をかけるという作り方なので、ソース焼きそば+スープという構成である。
黒石市の場合、最初は間違っていわゆる普通のソース焼きそばにスープをぶっかけてしまったのだが、これが意外に旨かったということで定着したとのこと。

因みに同じ青森県でも黒石市のある津軽地方と、南部では全く文化が違うため、南部にある八戸の居酒屋のご主人は『あんなもの食いもんじゃねぇ!』くらいのコトを言ってたのが印象的でしたねぇwww

那須高原のスープ焼きそばもこれに類する作り方で、やはり ソース焼きそば+スープ。


浜町一番_ソースラーメン

こちらは千葉県船橋市にある「浜町一番」さんの”ソースラーメン”

かつてこの系統の元祖である「花蝶」さんに行ったことがあるが、そこはクローズドキッチンだったのでオペレーションを確認することは出来なかった。
「浜町一番」さんの女将さんは、「花蝶」さんで作り方を習ったとのことなので、ここが本流の作り方だと思われる。

ここでは、中華鍋で野菜などの具材を炒めたところでスープとソースが投入される。
そこに茹でた中華麺を入れて鍋で馴染ませてからどんぶりに盛り付けていた。

麺をソースで炒めていないことから、これは先の2系統とは明らかに別物であり、食べてみた感覚もラーメンそのものである。

しかしかつて「花蝶」さんで食べた”ダイヤキ”の感想は、『茹で湯を捨てるのを忘れてソースを入れてしまったペヤングソース焼きそば』だったのだ(爆)

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小見川にある「さかえ食堂」さんでは、厨房にご老体の男性が一人。
とてもあたりの柔らかい接客をなさっている。


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”焼きそば”と”カレー焼きそば”の違いについて尋ねたのだが、ご主人いわく、『カレー焼きそば”にはスープが入るんだよ。』だそうで。
『じゃぁ普通の焼きそばは??』と思ったのだけど、あんまり滑舌もよろしくなく喋るのもしんどそうなのでそれ以上は何も聞かなかったw


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こちらが”カレー焼きそば”680円である。
取り合えずこの美しいビジュアルを堪能していただきたい。
彩りがいいよね。
そしてスープがしっかり存在してますね。

で、こちらのオペレーションはというと、まず麺を茹でる。
茹で上がった麺は平ザルで上げて蛇口から出した流水で軽く〆る。←これには少々度肝を抜かれたが、少し考えればこれは理には適っている工程だ。

次に中華鍋で豚バラ、キャベツ、もやし、細切り人参を軽く炒めたところに先ほどの麺を投入。
化学調味料を少量と、カレー粉小さじ一杯、ウースターソースを入れて少し炒める。

ここがポイントなのだが、ソース焼きそばと同じくソースで中華麺を炒めるという工程が入るものの、それは時間的に非常に短い時間で、ソース焼きそばとして成立しない段階で出汁スープを中華鍋に注ぐのだ。

スープを注いでからは少し念入りに中華鍋の中身を撹拌する。
これをどんぶりに入れ、紅生姜、青のり、更にカレー粉を結構大量に振りかける。

このオペレーションを見るにつけ、黒石と船橋の中間に位置するもので、そのどちらでもなく独自路線の料理と言える。

つまり一般に言うソース焼きそばでもなければスープ入り焼きそばでもないし、ソースラーメンでもないのだ。
これはカレー味であるかないかに関わらず大きなポイント。

食べてみるとその感覚は限りなく船橋式に近い。
ソースの効いたスープにラーメンを思わせるしなやかな麺。

そしてかなり鮮烈にカレー味が効いていて、一つの食べ物としての完成度が高い。


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こちらはカレー焼きそばに付いてくるスープ。
鶏、豚と野菜が主体のようだ。優しい味だがしっかりと出汁感がある。

小見川にはこれに似たスタイルの焼きそばが数多く散見されるという。
さあ、次の一軒に行ってみるとしよう。


第二回目:訪問日2017年4月8日

”ラーメン”550円

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良いお顔なラーメンです♪

スープは鶏が主体で豚モモチャーシューを寸胴で煮ていると思われる肉汁と、野菜、魚介が感じられるもので、旨味が厚く、しかもバランスよくまとまっていてハイレベル。
鶏油がやや多めに浮いているのもポイント。

麺は低加水でぽくっとしているのだけど、これがとてもフレッシュで美しい香り。
こんなにフレッシュに感じるということは??と直感が働いて食事の後にトイレを借りながら何かの痕跡を探すと、あったよ!小麦粉の袋!(製麺機は発見出来ず。恐らく二階にあると思われる)
わざとらしくご主人に『粉があるってことは麺もご自身で打ってるんですか??』と尋ねると、『はいー』と仰る。
なんと、自家製麺だったとは。。。
カレー焼きそばだけだったら気付かなかったっすわ。あ、焼きそばの麺も同じもの使ってました。

基本、年中無休で中休みも無しで午前中から客がいれば深夜まで営業して、麺打ちまでこなすなんて、スゴすぎ!!

とにかく、このラーメンもかなり美味しい。
チャーシューもムチっとしていて火入れの状態もよく、全体的に非常に完成度が高い。

とても腰が低くてご高齢で足を引きずっていて不自由そうだけど、ホントにタダモノではないですよ、ここのご主人。

これから行かれる方は複数人でお邪魔して、スープ焼きそばとラーメンを是非、シェアしながら召し上がっていただきたい。


<データ>
さかえ食堂
住所/千葉県香取市野田153
電話番号/0487-82-1952
営業時間/暖簾が出てなくても大体10時頃に入店可能~深夜0時頃
定休日/年中無休(不定で臨時休業あり)