紫陽花の音

AJISAI NOTE

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昔友人と「不味い料理の方が逆に思い出に残る」みたいな話で盛り上がったことがある。つまらない映画にも同じことを思う。何となく観るタイミングを逃してそのままになっていた『ウォールフラワー』をNetflixで観た。2012年公開のアメリカ映画。これがクソつまらない。もともと外観はものすごくポップなのに入り込んでみると実はめちゃくちゃ暗いという表現が好きなので、その真逆とも言えるこの映画はある意味引っかかって色んなことを思った。スクールカースト底辺の子たちの恋愛や友情ということなんだろうけど、それにしてはみんなやけに楽しそうでコンプレックスが全く見えてこない。主人公の少年は幼少期にトラウマを抱えたり親友が自殺したりで鬱屈した性格になったようなんだけど、家族をはじめ周囲との軋轢は別にないし、そしてちゃっかりモテている。何なんだこいつ。そしてその彼を仲間に入れた義兄妹の二人は普通に自信を持って輝かしく生きているように見えるし、おれはまさに大学時代こういう感じの男女を羨望と嫉妬と軽蔑の混じった複雑な眼差しで遠くから見ていたよ。つまり本当にはみ出してしまったスクールカーストの底辺というのは、彼らのことではない。『ブレックファストクラブ』のような、学校という一つの社会構造が凝縮された世界の残酷さに丁寧に向き合いすぎて胸が苦しくなってくるような瞬間が一秒もなかった。そして、そういう繊細な映画だと思い込んで観た自分が悪かった。中学生の頃毎日観ていた『ビバリーヒルズ高校白書』はじめアメリカのバカさ丸出しの青春ドラマもそれはそれで大好きなので(なぜなら全てが現実とかけ離れたファンタジーだから)、そういうノリの映画だとやっと理解してからは脳を停止して最後まで観ることができた。エマ・ワトソンがヒーローズを聴いてなぜかブチ上がり突然車でタイタニックみたいなポーズになり風を感じるシーンや、カモンアイリーンでエズラ・ミラーと踊り狂うシーンは最高。これはサブカルを身に纏ったビバヒルだ。最高!!

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