第1話 part1



詰まらなそうにソファに座っているムンス
鏡の前では子供モデルの妹ハヨンスが母親からスタイリングをして貰っている
この、リップを塗るシーンは後程、キーポイントになってくる
「可愛い、ね?わぁ〜可愛いっ!さ、出来た」
ヨンスがムンスの横に座る
母親がムンスの方を振り返る
「ちょっと?機嫌直しなさい。口とんがらせて。いつまでそんな顔してるの?!」
얼굴 펴
「なんで私まで行かないといけないの?」
「お母さんが監督さんと食事する間、ヨンスは誰が見るの?あんたのお父さんも自分は知らん、忙しいって言うのに、休みの日くらいあんたでも手伝わないと!お母さんの身体が幾つあるって?」
「もう、私も約束があるって言ってるでしょ。」
「誰と?」
「……友達と!」
「後に延ばして!」
「ヨンスの事ばっか大切で、私の約束は全然大切じゃないの??どうやって急に延ばせって??」
「友達でしょ!今日会わないからって永遠に会えなくなる?」
「もう、本当に!」
「何度も言わせないで!ん?ヨンス?頭を後ろにもたせかけないで!カールが全部潰れるわ。」



母親の目を盗みヨンスに頼むムンス
「ちょっと…あんたの携帯貸して。」
「なんで?」
「もう、早く!」
ヨンスから携帯を奪うムンス
メールを打ち始めると覗き込むヨンス
「もう、あっち行って!」
ヨンスを押し退けるムンス
しばらくして返事が来る
ニヤニヤしながらメールを返すムンス
ヨンスがメールを覗き込み母親に告げ口
「お母さん?オネェちゃん、男に会う…」
慌ててヨンスの口を塞ぐムンス
「言うなって言ってるでしょ!」
「お母さ〜ん!」
「あんた、やるっての?」
ケンカを始める二人に切れる母親
「こらっ!!」




オープン間近のスペースSモールの前
車を停めて三人が降りて来る
「忘れ物はない?」
沢山の荷物を持つムンス
「あんた、辿り着けなかったらココに電話して。これ、ヨンスを面倒見てくれてるマネージャーさんの番号。少しでも目を離しちゃダメよ。」
「本当に携帯、買ってくれるんだよね?」
「好きになさい。ともすればコレだわぁ〜」
그냥 좋게 가~툭하면 흥정이야
「もう!他の子は皆んな持ってるのに、いっつも無いの、私だけ、私だけよ!」
「誰が皆んな持ってるって?確かめようか?」
「…ヨンスも持ってるじゃん!」
「もう、この子は撮影の時だけ、ちょっとちょっとだけ使えってあげてるの!行って!早く!」
二人を置いて車で行ってしまう母親



「オネェちゃん?天気がすんごくイイよ、空を見上げてみて!」
言われて空を眩しそうに見上げるムンス




スペースSモールの中
「わぁ〜可愛い〜お人形さんみたい、お人形さん!」
「この子、可愛い過ぎ〜肌見て〜!白珠みたい、白珠!」
백옥 白珠…日本語なら何と例えるんかな?
少し離れたテーブルで詰まらなそうに待っているムンス
ヨンスが駆け寄る
「オネェちゃん?」
携帯を差し出すヨンス
ムンスのボーイフレンドからメールが来たようだ
ーー到着したけど、何処?ーー
SAMSUNGのこの携帯、持ってましたけどㅋㅋ懐かしいぞ
立ち上がるとキョロキョロするムンス
スタイリストの化粧ボックスからリップを失敬する
「オネェちゃん?私も行く!」
「ダメよ!」
「顔だけちょっと見て来るだけってば。」
「ついて来ないでよーっ!ついて来たら許さないから!」
エスカレーターで上階に上がるムンス
アイスクリームショップのガラスの前に立ち、先程の失敬したリップを塗り始めるムンス
一陣の風が吹き抜ける
「?」
辺りを見回すムンス
建物が揺れている
「オネェちゃん!」
下の階にいるヨンスがムンスの後ろの方を指差して何か訴えている
「なんて言ったの?」
手から落ちたリップが転がって行ったのに、なんと戻って来た
「?!」
不安そうに天井を見上げるムンス
揺れは更に激しくなり、立っていられなくなる




スペースSモールが崩落し始めたのだ
天井のガラスは無残に落下し始める
ヨンスが背後からの土煙りに飲み込まれてしまった





ーー夢だーー
ムンスが目を醒ます
ゆっくり身体を起こす
ーー私がどうやっても、毎回最後は同じ夢ーー
時計は3時59分を示している
4時の目覚ましのベルが鳴る
振り向いてベルを止める
起き出すムンス
机の上に建物の模型

산호장 珊瑚荘の看板に灯りが灯る
ムンスが一人湯を張り床の掃除を始める
タオルを片付け、冷蔵庫の中を整理する
ピンポンピンポン
お客さんがやって来る
受付を済ませ、看板を表に掛ける
목욕합니다 この看板の意味がイマイチ不明だ…「銭湯やってます」かな?
店の前から下に広がる町の様子を見渡す




コレって、模型だよね?
本物だったら怖過ぎる


第1話




「仕事をなさらない?」
「仕事をしないんじゃなくて…遅れてる賃金を半分でもくれと。」
「はははは」
責任者の男が笑いながら男の身体を押す
「全く情けない奴だなぁ〜〜」
「全然情けない奴じゃないから、訴えてるんだろ?」
뱃대기가 불렀네
뱃대기가 안불렀으니까 그러지
뱃대기가 が済州島の方言で「腹」とまでは分かったけど、揶揄してる意味が分からん…
Cちゃんにヘルプしたら「처지가 좋지않은데도 아무렇지도 않아하는 사람에게 쓰는표현이야 한마디로 한심하다는 얘기야 ㅋㅋ 境遇が良くないのに、なんでもないフリをする人に使う表現だ。一言で情けないってこと。」なんだけどさ、なんかピンと来ないんだよなぁ
「何?!」
前列の男を睨みながら話し始める
「よく聞けよ!仕事が出来るだけでも有難いと思え!金が無いから出せないんだ。
お?!
あの山積みのコンテナを見ろ!保管料は貰えない、差し押さえられてるのが殆どだ!この状況で皆んな大変だから、な?この苦痛は分担する事から俺達が…」
「それをなんで俺達が?」
責任者の男がイガンドゥを見る
「おまえ、なんだ?さっきから。」
「え?そうじゃないですか?
俺達が易々と受けたんじゃないのに。そいつの苦痛の分担をなんで毎回下っ端扱いされる俺達がしなきゃならないんだ?」
「おい、ココに出て来なさい。
出ておいでなさいと言ってるんだ。」
責任者の男に呼ばれてユックリ前に出て行くカンドゥ
いきなりカンドゥを殴る責任者の男
「こいつ、イカれたか?」
「……。」
「何処からむやみやたらベラベラと口出してんだ??やれと言われた事でも、キッチリやって下さいよ〜偉そうに言ってないで!分かったか!?」
責任者の男がカンドゥをどつく
「お判りですかってんだ!
お判りになったなら消えろ、クズ野郎!」
「クズ?」
거지 韓国語の中では今も普通に「乞食」って人の事をバカにして老若男女、呼ぶけどね〜日本は差別用語だし、なじる言葉としても余り使わないからね〜
言われてカンドゥがにじり寄る
「俺が今、クズ扱いなら、あんたは?」
「こいつ!」
手を挙げるもカンドゥにネジ上げられてしまう責任者の男
「あっあっ離せっ!離せよ!」
拳を振り回すも、カンドゥが軽く避ける
「この野郎…」
「仕事した分払いやがれ、この野郎!」
カンドゥが責任者の男を殴る







「お母さんを呼びな。お客さんが来たよ。」
入浴料は美容室の方で…



「お母さん?お母さん、起きて、お客さん!」
無理矢理起こすムンス
再び布団に沈む母親を抱える
「パーマだって、早く!起きて、起きて!」
「あ…ヤダヤダ…」
ブツブツ言いながら起き出す母親
母親が去った後、布団の脇に焼酎瓶を見つける
大量の空き瓶をゴミ収集場に置くと出掛けて行く






「アニキ!」
「ㅎㅎ」
「またケンカした?負けた?」
「俺の顔がこのくらいなら、あの野郎はどうなったと思う?」
「ボコボコだね?」
「だろ?」
「コレ、食べて、アニキ?」
「美味いな。」
電話に出る
「はい?」
サンマンのピッチリ締めて苦しげな首元のボタンを外してやる
「うん…分かった。」
立ち上がるカンドゥにサンマンが声を掛ける
「何処行くの?」
「仕事しに。」
「仕事してもお金貰えないじゃん。ボクと遊ぼうよ。」
「ダメだ。」
「なんで?」
「俺には、お前みたいにイイ母さんがいないだろ?」
「なら、ボクも一緒に行くよ!」






朝から女と遊ぶような怪しい通りを歩くカンドゥとサンマン
不安げなサンマン
「お母さんが…ココに来ちゃダメだって…。危ないんだって。」
「金になる事は全て危険だ。だから、もう付いて来るな。」
街頭の女の声
「お兄さ〜ん?遊んでって〜サービスしてあげるわよ〜」
キョロキョロして落ち着かないサンマン
見かねてカンドゥ
「帰れって。」
女がサンマンに絡む
「私がサービス沢山したげる〜」
カンドゥが気付いてサンマンを女から引き剥がす

「返事は?」
「帰る!帰るよ!」
サンマンの身なりを整えてやり送り出す
「帰れ。」
サンマン、手を振ると元来た道を帰って行く
「……。」

「お兄さ〜ん?遊んで行ってよ〜ん。」
容赦なく掛かる引き込みの声に耳を押さえて走り出すサンマン
カンドゥは19歳未満入店禁止の「Mary of Club」へ入って行く






「社長さん?」
話し声がする奥に向かって声を掛ける
「社長さん?」
奥から現れる男
「あ?あれ?来週来ると言ったんじゃ?え?もう出来たのか?」
「図面、確認しました?」
「はぁ…」
溜息をついて座り込む社長
「図面?」
図面を社長の前に押し出すムンス
「ピロッティ構造に柱を13メートル間隔に建てるって?
コレ、これじゃダメよ。」
「君が設計者か?そのまま作れよぉ〜〜」
社長、衝立の向こうをチラっと気にする
「…修正するんだよ、アチラが自分でやる仕事だぞ。」
「ココに雪が降り始めたら、30センチは直ぐに積もるのに、屋根の重量をコレしか支えないの?コレで雪が降れば、このまま沈むでしょ!」
내려앉다
「おいっ!」
怒鳴る社長
「なによ!」
あれ?こんなハッキリもの言うキャラじゃないんだけど…何処で変わった?それか、この社長が親しい間柄だからかな?
「オーダーされた通りにしようよ、な?どうせ、コレはPT(プレゼン)用だそうだ。検収でミスが出て直すんだよ。あの人らの役割で、我々はそのまま…模型だけ作れば良いんだって〜」 
「社長さん?」
社長の顔を覗き込むムンス
「何?なんだ?」
「こんな所に住みたいです?」
目を逸らす社長
「子供達連れて住めます?」
社長は何も言えなくなる
ニヤリと笑うムンス
「図面を修正するように言って下さいね。模型はどうやってでも期間内に作ってあげるつもりだから。」
言い終えるとサッサと去って行くムンス
奥から長身の男が現れる
社長が慌てて立ち上がる
「あ、あの子がホントに…腕前はビックリする程良いんだが…」
長身の男が先程の図面に目を通し始める
「……。」







女がウェブ漫画を描いている
上手く描けなくてムンスに泣きつく
「今度は、またどんな理由を付けて別れさせようかぁ?!」
クスリと笑うムンス
「どうして、あの子達がラブラブやってるのをこんなに頭痛い程悩まなきゃなんないのさ。」
「どうせ、また付き合い始めさせるんじゃないの?」
「だからよ、また付き合うのに、なんで別れるのかって!なんで?他の人は主人公が勝手に動いて大変だって言うのに、あの子らは微動だにしない。」
「理由なんて、なんで必要なの?人が付き合って、別れるのに。ね、しっかりした理由があるの?」
「あんたは、因果の法則を知らないの?蓋然性と当為性、こんなの知らない?」
「そんなモノは結構よ。ネェさんは主人公をちょっと可愛く描けば良いの。ラブストーリー描くくせに下手に現実的過ぎよ。」
「……?」
「凄い超美女を描いてよ。それなら理由が無くても皆んな理解出来る。」
「……。」
聞かなかった事にして、再びPCの画面とにらめっこする女
ムンスに電話が掛かる
「図面は修正するって言ってます?
急になんで他の仕事?
は?どんだけ凄い事だからって?
…バイオタウン?嫌ですよーー大体のスタディの模様を作るのなら……
条件がかなり良いから?」

試行錯誤しながら備忘録
part2へ続く