2011年02月25日

コーチングとティーチング

今すぐ使える!コーチング (PHPビジネス新書)
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 今回は久しぶりにコーチングの話に触れます。今回は技術的な面より先に、コーチングの概念を改めて紹介して、コーチングというものに対する理解度を上げてもらおうと考えています。

 コーチングについて説明するときには、良く使われる質問があります。それは、「もし目の前に飢えで苦しんでいる人がいたら、あなたは魚をあげますか、それとも魚の釣り方を教えてあげますか」というものです。

 別にその人の考え方の問題なので特に正解はないのですが、コーチングの概念は後者に近いです。ここで魚を与えることで、その人はとりあえずその場をしのぐことができますが、次に同じ状況に置かれたらまた誰かに助けを求めるでしょう。それでは根本解決にはならないので、その人にやり方を教えてあげる。そうすれば次はその人は自分で物事を解決できます。
 コーチングの基本的な発想はこうしたものです。つまり、コーチングでは相手のことを自分がやるのでなく、相手にやらせて能力を伸ばしやろうと考えます。

 この例では、魚をそのまま渡してしまうという選択肢がありましたが、あれはよくティーチングの例として持ち出されます。ティーチングというのは、文字通り教えることですが、コミュニケーションというよりは一方的に知識、技能、方法を与えるやり方です。
 学校の授業、セミナーなどではこの方法を使われます。あとはこのブログもティーチング型と言えます。

 上の魚の例では暗に知識や、技能をそのまま教えるコーチや指導者を否定しています。指導者(ティーチャーと言ったりします)が選手にフォームはこうしろとか、こういう配球が正しいという断定的な言い方をすると選手は確かに言われたことは理解し、結果的には正しいものを身につけるかもしれません。

 ただ、これはとりあえず飢えが満たされた状態です。これでは、選手が考えるという作業が抜けているので、自分の頭を使う癖がつきにくく困ったらまた誰かに答えを聞きにいくようになってしまいます。そして、誰かに言われてこうしたから、間違ったといって責任も他人に押し付けやすくなります。当然、上達を他人のせいにしていれば、いつか壁に当たります。

 こういう理屈でティーチングには限界があり、コーチングのほうが優れている面が多いと言いたいところですが、ティーチングが全く悪いわけではありません。
 例えば、初心者にどういうふうにスイングすれば、試合に勝てると思いますか? と質問してもまともな答えは期待できません。知識がないからです。

 知識や経験がなく、バドミントンに習熟していない人にはまずは教えることです。その際にはこれが常識だとか、それくらいわかるといった言葉はできるだけ避け、理屈を付けて説明するといいでしょう。
 しかし、バドミントン十年目の選手にスイングの基本を教えることはないでしょうから、ティーチングは相手が知らないことをわずかに伝える程度でいいです。

 このように初心者であればあるほど、ティーチングを多めにしておき、相手が上達すればするほどコーチングの割合のほうを増やしていくのが一般的です。
 また、教えられる側に失敗が続いており、完全に自信を失っている状態でも、指導者主導でいいと思います。こうした時に、選手に任せるのは危ういです。
 ちなみにティーチングでは、ティーチャー(指導者)の知識、経験が教える選手より豊富なのが大事です。スイングの理論を知らない人が、スイングの仕方を教えても伝わりません。

 前置きが長くなりましたが、ここからはコーチングの基本的な発想を紹介します。
 端的に言うと、コーチングは相手のことを深く理解し、相手に答えを出させ、行動に移させる技術のことを言います。もう少しシンプルに表現するなら、相手の能力を相手に引き出させる技術です。

 ここまで聞くと分かるかと思いますが、コーチングの主体は完全に選手です。指導者は相手の考え、能力を引き出させる手助けこそしますが、ティーチングと違い自身が介入することはありません。

 コーチングとティーチング というサイトでは相手から答えを引き出す技術について以下のように書いています。
 ・徹底的に聞く(途中で自分の意見を言わない)
 ・共感しながら聞く(相手の立場に立って聞く)
 ・評価せずに聞く(良い・悪いの判断をしない)
 ・アドバイスしない(事実上の命令をしない)
 ・誘導しない(その時々の思いつきで質問をしない)

 これは当たり前のようにきこえて、誰でも思いつくような感じがありますが、やってみると非常に難しいです。途中で選手が間違っているんじゃないかと感じても、じっくり話を聞くのは苦労がいります。やってみると分かりますが、ティーチングが好きな人は説教になりやすいので試しに練習してみるといいでしょう。
 ちなみに、上のサイトではタイガーウッズのコーチングについて触れられていて、面白いので参照を勧めます。

 ともかく、コーチングというのは相手を理解し、質問を投げかけることで相手に答えに気づかせる技術です。気づかせるといっても、別に指導者が知っている答えにたどりつかせるという意味ではありません。それはどちらかというとティーチングです。

 コーチングでは、むしろ選手に合わせた発想をゆるします。例えば選手が今日はこういう理由でこうした練習をしたいといえばどんなものであれ、一旦はやらせてみます。それで効果が出なければ、次はどうすればいいかを尋ね、また繰り返させます。
 配球に関してもまずは自分の考えを言ってもらい、そこから自分で発展させてもらうというのがコーチングです。答えを教えるということは基本的にしません。そして、自分が想像できない答えを相手が出すことすらあり得ます。

 選手に甘えさせているとか、楽をしているだけにも見えますが、教える側と教えられる側に信頼関係がないとできません。また、責任を負うのも指導者なので、むしろ成功する自信と技術がないとやりにくい指導法といます。
 
 基本的な概念はこれで伝えることができたかなと思います。ただコーチングの細かい話や技術は話せませんでしたので、またいつか書きたいです。

 今回は指導法としてティーチングとコーチングを説明しましたが、実際はどちらも混ぜながら指導していく必要があります。相手によって、状況によって上手く変えながら指導することを意識してみてください。

 今日はここまでです。

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dexia2 at 00:15コメント(0)トラックバック(1)コーチング  

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1. コーチングとティーチング  [ ことバド。コーチ日記 ]   2011年02月25日 12:16
コーチングとかティーチングとかそのあたりについて、少し書きたかったことがあるので書こうかとと思っていたんですが、 ちょうどたまたま、 バドミントン・メモさんの、「コーチングとティーチング」のエン...

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