2013年08月23日

より高く、より速く、より前で

跳躍力UP集中トレーニング
五十嵐 悠哉
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跳躍力UP集中トレーニング

 バドミントンの世界では、「より高く、より速く、より前で」という言葉があります。これはできるだけ早いタイミングでシャトルを返せ、という非常にシンプルなメッセージです。

 自分のシングルスの考え方(戦術)はこれに、変化と継続性を入れたものが基本になっています。

 つまり、より早く、より変化して(フェイントを入れて)、それを継続するというものです。こちらのほうが、最近の傾向にあっている気がします。

 それはともかく、バドミントンのシングルスは早い打点でとらえることが重要ということは疑いようがありません。

 そういう打点をめぐる様相を自分は打点ゲームと呼んでいます。

 今回は、その打点をめぐる攻防について簡単に書きます。

 ・インターセプト

 バドミントンで最も得点率の高いショットはプッシュと言われています。個人的にはプッシュ連打からのヘアピンの方が嫌ですが、仮にそうしておきます。

 次に来るのはおそらく、飛びつきのスマッシュでしょう。飛びつきというのは、(およそ)ワンジャンプでシャトルに近づく打ち方です。

 シャトルに回り込まずに、比較的コートの前の方でシャトルをとらえるので、インターセプトとも言います。

 この2つのストロークは、どちらもシャトルに飛びついて前で打つのが特徴です。

 つまり、一番バドミントンで得点効率がいいのは、(万全の姿勢で)飛びついて打つことです。

 したがって、打点ゲームの理想はインターセプトできる状況に持ち込んで、そのまま決めることです。


 ・サービスと打点

 サービスの打点は当然下になりますから、サーバーが不利でレシーバーが有利でラリーは始まります。

 ですので、最近の若い選手はサービス権を取りたがらない選手が多いです。

 レシーバーの立場からいえば、フェイント系のサービスが来ない限り、いい打点で打てることが多いですから、極力早く突っ込むイメージでシャトルをとらえます。

 理想は当然、インターセプトしてラリーを切ってしまうことです。次は突っ込むふり(強打のふりを)してフェイントで決めてしまうこと。

 ここら辺は難しいですが、何度か見せないとサーバーは楽ですね。

 さて、問題はこの2つができないときはどうするかということなんですが、まあやや有利状態でラリーに入りたいところです。

 そこで、初めに考えることは逆にインターセプトされないということです。そのためには、特に低い球に気をつけなくてはいけません。

 個人的にはアタックロブとドライブ、ドリブンクリア、ドロップあたりが狙われやすい気がします。

 問題は相手の立ち位置ですね。相手が下がっていれば、ロブ(クリア)は高く、相手が前にいればヘアピン(カット)は浮かないようにコントロールします。

 次に気を付けることはフォームですね。フォームを大きくしてはいると、相手に読まれて即座に高い打点で入られます。

 だから、とにかくコンパクトに、同じフォームで打ち分けるというのが大事です。

 ここまで書いた通り、レシーバー側の使命はとにかく少しでも有利な状態でラリーに入ることです。

 逆にサーバー側は、いかに相手に不利に持って行くかということですが、いくつか方法はあります。

 1)サービスのタイミングを変える。
 2)サービスを打ち分ける。
 3)沈むサービスを打つ。(ショートサービス)
 4)タイミングの取りづらいほど高く打つ。(ロングサービス)
 5)センターに打って、相手に迷わせる。
 6)フェイントを入れる。
 7)ちょっとアウト気味に打つか逆にやや長めに打つ。(ショートサービス)

 細かいことはどこかに書いた気もするので省きますが、こちらは相手のうち気をそらすことと、相手の癖を利用することという2つがポイントですね。

 また、1球で決まることはまずありえないので、次のコースが読みやすいところに打っておき、次の球でインターセプト(少なくとも高い打点)に持ち込むのが理想でしょう。

 例えば、ショートでサイドラインぎりぎりを狙い、ストレートロブ狙いとか、相手のボディにドライブ気味に打ってロブ狙いとか。

 あるいは相手が右側にいるときに、フォア側にロングサービスをバックハンドで入れると、そのままクロスに打ってくることが多いので、それを待つとかあります。

 まあ、ここら辺はリスクが高いので、タイミングと球の強さ(高さ)を変えるのが無難ですかね。相手が突っ込んでこないなら、何でもいいです。

 ・ラリーの中で

 有利な状態でラリーに入れば、まず考えることはいかに高い打点で打ち続けるかです。

 これは別に難しい話ではなく、ふつうに高い打点でとっている時点で相当有利なので、コントロールミスをしなければそうそう逆転には至りません。

 逆に言えば、あまりリスクを取るべきでないと個人的には思います。確実に打てる精度の高いストローク、展開に持ち込んでそのまま点にするというのが理想でしょう。

 精度の高い球さえ打てれば、相手のコースは限定されますから、いち早く打点に入って、またフェイントをいれてまた相手のコースを限定させる。この繰り返しです。

 ここで相手のコースを限定させられないという場合は、完全にストロークの精度が足りません。基本的にシングルスでは高い打点でとったら、7割以上は得点にしたいので、もう少し練習が必要です。

 もう1つの注意は、繰り返しですが、相手に読まれないことですね。どんな球であれ、読まれたらカウンターされます。

 例えばスマッシュであれば、切り返してクロス前に落とすとか、カットであればワンテンポ溜めてロブとか打たれることがあります。

 個人的にはだからこそクリア(ロブ)が有効だと思います。警戒されていない分、体力を削りやすいですし、有利な展開を長くして相手にプレッシャーをかけられます。

 ここまで有利な側について書きましが、打点が低い選手がすることは、その逆です。

 相手の読みを外して早く打点に入らせない、逆に相手のストロークを読んでカウンター狙いの2つです。

 あとはテンポを遅くするということも有効です。相手はインターセプトを狙っているので、焦らずハイクリアや遅い(もしくは長い)カットなどを使って、自分のペースに持ち込みます。

 ここで、相手の打点がいくら早くても別にシャトルが速くなるわけではないので、ペースを守ることが肝要です。

 特にハイクリアは相手を焦らすには効果が高いと思います。

 技術的にはオーバーヘッドでは減速させるカット系のストロークが、アンダーハンドでは低い打点から打ち分ける技術が必要です。

 ・決め球
 
 決定的なチャンスが来たら、インターセプトの速いタイミングで返すわけですが、そこで何を打つかという話です。

 クリアやロブといったつなぎ球を抜いて考えると、フェイントドロップ(ヘアピン)か角度をつけた早い球の2種類があり得ます。

 実際多用するのは後者でしょう。いわゆる強打です。

 ここで考えることは、角度をつけるということですね。相手はほぼ間違いなく下がっているので、ただ強打するのではなく手前に落とすようにして打ちます。

 スマッシュの場合、シャトルを切ってカットスマッシュにしたり、手首で弾いてハーフスマッシュにしたりします。

 角度さえつけていれば、最悪決めきれなくても、コースを限定するのは難しくないので、次の準備も忘れないようにします。

 ・イーブンなラリー

 試合中はどちらも有利でも、不利でもないという機会もかなりあります。

 そういう時にどうするかと言えば、リスクを取らない、に限ります。

 拮抗しているラリーで無理に攻めて、相手が崩れることはほぼありません。よほどいいコースであれば別ですが、攻めるリスクの方が高いです。

 だから、バランスが崩れないという条件の中で、最善を尽くすというのがいいかと思います。

 個人的にはむしろ読みと反応が大事で、いざというときにはすぐに高い打点で打てるように準備を整えています。


 ・インターセプトを避ける

 インターセプトのリスクを下げる単純な方法は下でとらせることと、ネットからできるだけシャトルを離すの2つです。

 前者はフェイント気味のカット、ドライブ気味のレシーブ、クロスに落とす(走らせる)レシーブを打つことでできます。

 うまくいけばフェイントドロップでもできます。

 カットは攻めているだけに使う選手も多いですが、相手に下に取らせるためのショットという風な捉え方もできるので注意します。
 
 後者は、ハイクリアや高いロブもありますし、長いヘアピンや長いカット(カットスマッシュ)でも可能です。

 ドリブンクリアやアタックロブ、短いヘアピンは攻められているときに一発で逆転できるという点では面白いですが、しぶとく耐えたほうがいいと判断した場合、こちらの方がいいです。

 
 ・スマッシュが速いということ。

 今回主に取り上げたのは、打点の速さです。

 打点の速さを武器にしている選手と、ストロークの速さを武器にしている選手は明らかに違います。

 問題は試合でスマッシュが速いという場合、どちらを指しているかを正しく理解する必要があります。

 ストロークが速い選手の場合、むしろ打点を上げさせないほうに主眼を置いて、そもそも攻めさせもしないというのが有効打になったりします。

 逆に飛びつきの速い選手は、リスクを避けてシャトルを高く上げて、ゆっくりプレイしたほうがいいです。コートの奥から打てば、そこまで早い球は来ませんし。

 まあ、最終的にはどちらでも顕色ない球を打てなくちゃいけませんが。

 ・カウンターについて

 打点ゲームの最大の弱点は、相手のカウンターが速いということにつきます。

 タッチが早ければ早いほど、相手に読まれたり、コースが甘くなったときに、逆にエースを取られやすくなります。

 それを利用して、カウンターするということももちろん可能です。特にサーバーを意図的にそれができます。

 だから、もし攻めるのであれば常に全力でいかないほうがいいです。8割程度のスピードで優位性を維持することを考えます。

 ぎりぎり戻れるくらいですね。

 逆にカウンター側はタッチを早くして、早くシャトルを落とすようにします。

 こうした理屈からいうと、フットワークが遅い選手は打点を常に高くして攻めるということはリスクがあるということです。

 それならカウンターを考えたほうが、現実的な気がします。あるいはストロークで上手く誘導していくか、ですね。

 

 と、ここまで長々と書いてきましたが、要点を絞るとシングルスはおおよそ打点ゲームだということです。

 高い打点をできるだけ維持して、低い打点はすぐさま逆転に持ち込む。それだけです。

 それを忠実にできれば、得点は増えるでしょう。そして、そこには駆け引きとコントロール、フットワークが大事です。

 特に女子シングルスはこういう打点ゲームの様相が強い気がします。

 あとはインターセプトが最大の攻撃という考え方は、いろいろ役に立つので覚えておくと便利です。

 今回はここまでです。



dexia2 at 19:31コメント(0)トラックバック(0)シングルス戦術  

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