いつもありがとうございます。M.Sです。今日は、野球女子が教えてくれた空間時間消費というマーケットにチャンスがあることをご紹介します。
つばガール、オリ嬢、ベイスターズ女子・・・そう、彼女たちは野球女子です。昨年、NHKのクローズアップ現代でもピックアップされていましたが、いまや球団経営を支えていく1つの客層が野球女子と呼ばれる女性客層です。下記は各球団のファンクラブ女性割合です。(2014年7月2日(水)に放送されたものが参考となっております)各球団で女性層の割合が増えているとのことです。
・東北楽天ゴールデンイーグルス :45%
・埼玉西武ライオンズ:28%
・千葉ロッテマリーンズ:30%
・福岡ソフトバンクホークス:45%
・オリックス・バファローズ:30%
・北海道日本ハムファイターズ:44%
・読売ジャイアンツ:32%
・阪神タイガース:30%
・広島東洋カープ:42%
・中日ドラゴンズ:30%
・横浜DeNAベイスターズ:29%
・東京ヤクルトスワローズ:非公開
球団側は、少しでもこの野球女子層の来客頻度、購買頻度を高めるために女性専用の商品開発を多数行っています。
例えば、女子シート専用のグッズ(女性限定の特典付きチケット)や、ネイルケアセット、スイーツの食べ放題などがあります。これらの商品開発を見ていると、出版社の宝島や女性層のファンが多いアイドルグループなどを参考にしているように思えます。クローズアップ現代にゲストで出演していた香山リカさんが仰っていましたが、従来の「ただ観戦する」から「ファンとの一体化、絆、一緒に成長していく」などをキーワードに応援自体が1つのイベントであり、球団と選手とサポーター、サポーター同士の繋がり方が変わってきているようです。つまり、楽しみ方が大きく異なってきているのです。
「モノ売りの時代からコト売りへ」とはよく言われますが、つまり、楽しみ方が物品消費から空間時間消費になってきている。あるいは、空間時間消費のマーケットが拡大しているということなのです。番組では、何名かの女性ファンをピックアップして「なぜ、野球女子になったのか?」と軌跡を追いかけていました。
私が、彼女たちを見て思ったのは、選手や球団の成長と自分の成長を“≒”で感じている人がファンとして根付いているということです。つまり、自己を何かと投影同一化しているのです。この投影化を機に球団との一体化に繋がったりします。これが楽しみ方を大きく変えている1つの要因だと思います。
この投影同一化というのは、最近のキーワードであると思います。投影同一化とは、自分の中にあるものを相手に「投影」して、その上でそれに「同一化」するということです。漫画のワンピースが流行った要因は、現代の社会に欠けている“仲間”、“信頼”などの重要性を物語を通じて訴求しておりそれらに共感している層が増えているから、とも言われています。半澤直樹が高視聴率を叩きだした要因は、働く人たちの価値観がドラマに共感できたことにあると思います。(最近の番組のことを知らない自分が恥ずかしい・・・汗)
ヒットしているものの本質は、その時代で人々が求めている何かであります。これからのキーワードになるものです。このキーワードをいち早く掴み取り、業界・業種別にスライドして商品開発、広告宣伝に活用することが重要だとクローズアップ現代の野球女子を見ていて気づきました。
我々クリエイターは、デザインという付加価値を創っている者たちです。アウトプットされたデザインの集合体が空間消費という1つのムーブメントに合わせられるようにしていきたいと思います。それが、ただ格好良いものを創るだけでなく、一人一人の幸せに繋がるのだろうなぁ、と思います。空間時間消費という消費者ニーズを満たすような場面で我々のデザインも活用できるようにしていきたいです。