2017年10月31日

2017年10月15日

「島ケルト」問題とか

・けものフレンズ特集(dアニメストア)
>かばんの中には何が入ってるの?
>かばん:ええっ!? えっと、色々入ってますけど、名前が分からないものってどういう風に説明したらいいんでしょう…? うーん、ううーん……
→ かばんちゃん,自分のかばんの中に入っているものが何かわかっていないことが発覚。てっきり,かばんは中身が空っぽと思っていたので衝撃を受けた。たつき監督の頭のなかでは設定が固まっているのだろうか。


・「睡眠負債に気をつけよう」(視点・論点)(NHK 解説委員室)
→ これは衝撃的なデータだった。まず,6時間以上はとってもあまり意味がないと聞いていたので,睡眠6時間と8時間の間に有意な差が見られ,しかも8時間睡眠の方が注意力散漫になりにくいということ。次に「寝だめは意味がない」というのは前から知っていたが,負債も解消はきかないと思っていた。負債が解消できるのであれば,尚更8時間以上寝る意味は出てくる。実のところ,寝すぎると時間を無駄にした感じがして謎の罪悪感があったのだが,これからは眠いものは眠いと割り切って,休日はよく寝るようにしたい。


・台湾の東方文化は“オタクのタイムカプセル”だった!? 国外で発展中の東方最前線に迫ってきた【第二回博麗神社例大祭 in 台湾・レポート】(電ファミニコゲーマー)
→ この記事の要点は「比較的短い期間に浸透せざるをえない“輸入文化”ならではのダイナミズム」という一点に尽きると思う。各時期の流行はそれぞれおもしろかった面がある一方で,流行は流行でしかなく,後追いでは厳しいものがある。この点を気にせず追える分,後追いは海外の方が有利なのかもしれない。
→ なお,東方では同じような現象がニコニコ動画で東方ファンが広がった07〜08年にも起きていて,永新参から07年までの流行がミックスされた状態で再度展開されたものだから,それこそ既存のコミュニティとの衝突がすごかったのを覚えている。古参からすると若気の至りを発掘されているようなものだから,その意味でも気持ちはわからんでもない。


・「島のケルト」は「大陸のケルト」とは別モノだった。というかケルトじゃなかったという話(現在位置を確認します。)
→ これもすごく驚いた話。記事中にもあるが,改めて調べてみると,20世紀末頃にはすでに研究者の間で指摘されていたようだ。近年進んでいるのは遺伝子研究の分野であり,それ以外の分野での研究は特に近年というわけではないようである。いかに専門領域から一般の好事家に下りてくるのに時間がかかるかという話かもしれない。
→ 高校世界史的に言うと,やっぱり「ローマ征服前には,大陸・ブリテン島ともにケルト系の民族が広がっていて」という教え方になっているのをどう修正するか。また,アイルランド・スコットランド・ウェールズは“そこから血統的につながった”ケルト系と教えてしまっているので,この辺をどうするのか。という大問題に直面する。当然,この辺りは入試にも出しづらくなり,旧説に基いて出題すれば悪問の温床になってしまう。もっとも,ラ=テーヌ文化が各教科書から消えて範囲外になったくらいなので,そもそも近年の入試でケルト人に関連する問題を見たことがないから,入試問題としてはそれほど問題にならないかもしれない。
→ ちなみに,そういえばと思って引いてみたら
◯2014年までの旧用語集のケルト人「……その後大部分はローマ人・ゲルマン人に征服され,同化されたが,今日でもイギリス・フランス・スペインの一部にこの文化を引き継ぐ人々が居住している。」
◯2014年以降の新用語集のケルト人「……(同化されたまでほぼ同じ説明)妖精や森を題材とした彼らの神話や文学作品は,ヨーロッパ世界の文化形成に大きな影響を与えている。」(イギリス〜の説明はカット)
→ これ,新課程の説明を書いた人は学説の変化に気づいているのでは? こんなミクロな記述の変化気づかんよ……もっとアピールしてくれよ……用語集は教科書よりフットワークが軽いからできたのかも。そうすると,教科書の側も書き換わっていってほしいところだけども,時間がかかりそう。
(追記)
→ 大陸ケルトの神話には妖精とか出てこないから,やっぱり駄目なのでは? という指摘があった。言われてみるとその通りで,これは気づかなかった。しいて言えば,用語集の表現は旧課程から新課程に変わる際にもほぼ引き継がれているところ,書き換えたということは何かしらの理由があると推察され,具体的な地名を避けたところは一応評価してもよいのかもしれない。
  
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2017年10月14日

ウェスターマーク効果,覚えておきたい

・近親相姦はなぜいけない?意外と説明できないタブーの正体(ダイヤモンド・オンライン)
→ ウェスターマーク効果は大学の教養(長谷川眞理子氏の授業)で習った覚えがある。ウェスターマーク効果だけで考えれば,生き別れの近親よりも幼馴染と結婚するほうが不自然ということになる,という話が印象的であった。


・実例から見る『展覧会の公式サイトが終了後すぐ消えてしまう問題』(日毎に敵と懶惰に戦う)
→ ほんとこれ。アーカイブの保存の重要性を一番知っている人たちがインターネットサイトの保存に興味がないとかいう矛盾。後から「美術館広報の歴史」なんてテーマで研究する人が出てきた時に,何の史料も残ってないなんてことになりかねない。独自ドメインで後から消えるのは不便極まりなく,何らかの形で残してほしい。著作権法上問題があるなら,画像だけ削除してまとめ直すだけでも十分意味があるだろう。
→ 私もzaikabouさん同様,美術館の展覧会評を書く際に,前は独自ドメインの広報ページにリンクを張っていたが,最近はより残りやすい美術館内の広報ページにリンクを張ることにしている(それでも消える時は消えるのだけど……)。その意味で「公立系の博物館・文学館のドメイン/nowexhibitionみたいなのも本当にやめて欲しい」も全くの同意。後から見たらリンクがずれてしまうので。


・弁護士が簡易裁判所を避ける理由(弁護士三浦義隆のブログ)
→ これは初めて知った。「一般の方はたいていこれを知らないから、言うといつも驚かれる。」とあるが,はい驚きました。「簡裁判事ガチャ」……なんて恐ろしい用語なんだ……


・中国史におけるブタトイレの風景(壁魚雑記)
→ おもしろい。今までそれほど注目していなかったけど(呂后と戚夫人のエピソード含めそういう風習があるのは知っていた程度),今度中国美術の企画展が来たら,あるいは中国の美術館に行く機会があれば探してみようと思う。なお,意外にも東博の東洋館には無いっぽい。


・小宇宙高い系なのでギリシャの神殿にアテナ像を立てる(本しゃぶり)
→ いつもながらに良い旅行だ。ミニチュアのアテナ女神像を現地に持っていってそれっぽく写真撮影するの,聖地巡礼の醍醐味だよなぁ。これができるから聖地巡礼はやめられないのだ。


・古代都市を築き上げる都市開発シミュレーション『Ancient Cities』開発中。原始時代で未開の荒野に文明を築き上げる( AUTOMATON)
→ やっている時間があるかどうかを横に置いておけば,興味はあるゲーム。イメージ的にはBanishedに近いが,もう少しタイムスパンが長そう。出ている情報だけだと,戦争は無く(あるいはメインではない),農耕もできない(あるいは農耕が終着点)っぽい感じか。  
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2017年10月12日

ドラゴンクエスト11 シナリオ面の感想

シナリオ面についても,バトル面の評価と同じで,基本的にネタバレは避けている。また,例によって6・7・8とは盛んに比較しており,9・10にはほとんど触れていない。


ドラクエ11は,シナリオ面での世間的な評価も高い。これだけシナリオ面で高評価なのはドラクエ5以来じゃないかと思う。自分の考える理由を2つ挙げる。

ドラクエ6はよく言われるように本筋(メインストーリー)の存在がわかりにくいとされる。ドラクエ7はいかんせん長い割に本筋の割合が小さく,特に中盤までは無きに等しく,ほとんどがドラクエ特有の「お使い」である。みんな大好きレブレサックを含めて個々のお使いはおもしろいものの,それゆえに評価が難しい。この点で,わかりにくいか無きに等しいかの違いはあれど,6・7のシナリオは同型と言える。ドラクエ8はつまらなくはないという程度で,6・7に比べるとシナリオが議論されること自体が少ない。ただし,お使いっぷりがひどさは6・7並で,その一方で,6・7よりも序盤から明確な本筋の目標が設定されているだけに,余計に「お使い」感が強かった。ドルマゲスを追うついでで,使いっ走りさせすぎだろう。9・10もあまりシナリオで議論されているのを見たことがないが,これはプレイ人口の問題もあるかもしれないし,私がプレイしていないので評価は避けたい。(ところで,お使いの決着は大体人情噺になり,しかも解決すると主人公一行が次の町に行ってしまうので,ドラクエのシナリオが「水戸黄門的」と言われる理由にもなっている。なお,「水戸黄門的」なのは堀井雄二が自覚してやっているというのは何かのインタビューで読んだ。そこから逆説的にドラクエがお使いゲーになる理由もわかるところである。)

閑話休題。本作の高評価の理由は,バトル面同様に,この辺の反省が活かされているのだと思う。相変わらずお使いは多いものの,7と8の中間という感じで,本筋の大目標は立てられるもののそれがさして縁遠くなく,挟まれるお使いは2つか3つというのが良い塩梅であった。結果的に7のように「もうお使いを10個も済ましているけど,島が復活するだけで,結局これって何なんだろう……」というような虚無感にふと襲われることは少なく(無いとはいえない),一方で8のように「このイベントって結局ドルマゲスと何が関係あるんだっけ?」となることもなかった。挟まれるお使いの数が3つ程度までなら,プレイヤーは本筋を忘れにくい,というのが(ナンバリング11個めの30周年にもなってやっと)わかってきたということなのだろうか。雑多な「人情噺系お使い」で話が進むという伝統を捨てないまま,可能な限り本筋も大事にしようとしたバランス感がドラクエ11の魅力ではないかと思う。

その上で言えば,本筋は追いやすく,十分にドラマティックであった。最初の「なんで勇者が悪魔の子と呼ばれて逃亡する羽目になるの?」というところから始まり,クリア後のどんでん返しと裏ボス決戦まで飽きさせないつくり。お使いイベントの狭間で埋もれないだけの魅力があったと言えよう。加えて,本当にどうでもいいような「お使い」イベントは,本作は「クエスト」という名前の完全なサブストーリー扱いにしてしまっていて,面倒ならやらなくていい扱いになっているのも大きい。


2点目は,今作は徹底して「勇者」という存在にスポットが当てられている点で,これはここまでのドラクエの反省というよりも,意図的な反転と言えよう。ドラクエは3まで(ロトシリーズ)は勇者が特別な存在であったが,4は最終章になってやっと登場,5はご存じの通り主人公は勇者の父親,6・7は誰でもなれるただの職業となってしまい(ただし7は誰でもなれることに意味があった),どんどん地位が低下した。8では一応主人公が唯一の勇者という状態に戻ったものの,ストーリー上特別強い意味を持ったわけでもなかった(9・10は例によって知らないので省略)。そこへ行くと,本作は最初から裏ボス撃破に至るまで,3以前のドラクエかそれ以上に「勇者」が強い意味を持つ。

ドラクエ11の主人公はストーリー上,明確に終始「勇者」として扱われ,勇者とはいかなる存在なのかが問われ続けることになる。それこそ最初は「悪魔の子」から始まって,中盤以降にいかなる能力を持ち,いかなる運命を背負った者なのかが次第に明らかになっていく。本作の主人公はドラクエにしては珍しく個性が強く,「はい」「いいえ」以外のセリフがないことを考えれば異常なほどにキャラが“濃い”。それもそのはずで,最初は「左手の甲に特徴的なアザがあるから,お前は勇者」と言われて故郷の村を出発し,最初の城に着いて王様に会えば「悪魔の子」と罵られ,極めて流れに乗った人生を歩んでいた。しかし,中盤以降は明確に勇者としてのアイデンティティを徐々に確立していき,極めて自然な成り行きで「世界を救うべく旅をする者」になる決意を固める。本作は主人公の成長譚になっているので,どうしたってキャラは立つのである。こう要約して書いてしまうと陳腐なストーリーだけに,主人公に,そしてプレイヤーに着実に,次第に「世界を救うという決意」をさせる流れがあまりにも自然であるのが,本作のシナリオ面の最大の美点ではないかと思う。表のラスボス撃破付近の主人公は,本当にかっこいいので必見。グラの進化を上手く使ったところではないかと。


最後に,世評が分かれているポイントについて触れておく。本作のサブタイトル「過ぎ去りし時を求めて」は,シナリオ上のテーマである「後悔先に立たず」という意味合いもあるし,もう一つ本作が10までのドラクエの徹底的なセルフオマージュになっているという意味合いもある。世評が割れているのは後者で,あまりにもセルフオマージュが徹底的かつ露骨すぎて過剰演出になっているという批判が少なからずある。

上手い部分もある。たとえば本作に出てくる「ホムラの里」という町はどう見たってドラクエ3のジパングであり,BGMからして同じである。近くには活火山のダンジョンもある。にもかかわらず,最初に訪れた時には竜も出てこなければ生贄の話題もなく,ヒミコっぽい人もストーリーに絡まない。しかし,二度目訪れた時にはこれらの話題が出てくる。じゃあ,ドラクエ3の時と同じ展開になるかと予測していると,ちょっと違ったオチになる。こういう,完全に同じというわけではなくて,オールドファンの予測が裏切られる展開は楽しい。同じような事例としてドラクエ6から持ってこられた人魚のイベントがあり,なかなか泣かせるので未プレイの方はお楽しみに。あるいは,(軽微なネタバレ)ベロニカの最強固有装備がドラクエ7のフォズ神官の衣装になるというのは,フォズが部分的にでも再登場するとは全く思っていなかったところであり,しかも登場時間がそう長くないながらそのかわいさから強いインパクトを残したキャラであるので,おもしろい趣向だったと言える。

一方で,丸々そのまま持ってきた感じのものも多く,特にBGMは3〜8(9・10もあるのだと思う)から満遍なく持ってきた感じで,全体的に聞き覚えがある。ありすぎて「これ,新曲だっけ……?」という疑念すら抱くようになってしまった。しかも終盤になればなるほどストーリーや装備品などでセルフオマージュが増えていくので,満腹感を通り越してしまったのは否めない。さすがにもっとオリジナル要素が見たかった。とはいえそのセルフオマージュを見て「悔しいけど感じちゃう(ビクンビクン」状態だった自分もいて,思い出の暴力に殴り倒された感覚である。ということで,私としても過剰セルフオマージュについては,泣かされといてなんだけども,あそこまでは必要なかったのではないかと思う。


とまあ,これ以外にもボウガン要らないだとかロードが長すぎるだとか細かいところに文句が無いわけではないのだけれど,バトル面・シナリオ面その他総評するに,ドラクエシリーズの中でも屈指の大傑作と言って差し支えない。皆やろう。Nintendo Switch版待ちでもいいから。ちなみに,表のラスボスクリアまでに50〜60時間,裏ボス撃破までに80〜100時間が目安です。
  
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2017年10月02日

ドラゴンクエスト11 バトル面の感想

PS4版。ようやく裏ボスまで倒したので,本作のバトル面での感想と,攻略上の個人的なメモを。なお,過去のドラクエとの比較を頻繁にしているが,ドラクエ11は未プレイだが6・7・8くらいまではプレイしていた人を想定読者にしているためである。一方,私自身も9・10をプレイしていないので,取り上げたものが11での革新要素ではない可能性がある。その点はご了承願いたい(そういう意味では8以前と9以降のドラクエの差異の総集編として読んでもらえるとよいかも)。


すでに散々言われていることではあると思うが,本作のバトル面の快適さは非常に高い。これは既存のドラクエ(特に6・7・8)で出てきた欠点が大幅に改善されているからだと思われる。たとえば,既存のドラクエではダンジョンの長さやボスの強さが未確定であるにもかかわらず,MPを回復させる機会はかなり少なく,アイテムかマホトラに頼るしかなかった。ゆえに基本戦略は基本的にMPを節約して耐えに耐えてダンジョン最深部まで行き,リレミト・ルーラのMPを残してボスは全力ということになる。これはこれでMPの使いどころを考えるという楽しみがあったことは否定しないものの,とするとどうしても使い勝手がいいのはMP消費の少ない前衛職のキャラになる。これで攻撃呪文の威力が前衛職の通常攻撃よりも圧倒的に高ければまだ使いどころがあったのだが,大概のナンバリングにおいて大差がなく,しかもドラクエ6以降は事実上の前衛職のための攻撃呪文である「特技」が誕生してしまったので,ますます攻撃呪文の価値が薄れてしまった。輝く息をMP消費なしで打てるのに,マヒャドを唱える必要がある場面は極めて少ない。極めつけはドラクエ8で,ゼシカさんメラゾーマを唱えるよりもバイキルトかけての双竜打ちの方が強くてコスパも良いってどういうことなのかという。

この点ドラクエ11はこういう手を打ってきた。たとえば,こまめにMPを回復できるポイントが設置されている。まず,魔法職のキャラが持つ杖は,通常攻撃時に高確率でマホトラが発動するようになった。MPが尽きそうになったら,弱そうなエンカウントモンスターと戦ってぺちぺち殴れば,割とすぐに回復する。しかもMP吸収量がダメージと比例するので,魔法職にも強い武器を持たせるインセンティブを発生させることにもなっている。次に,ダンジョンの中盤に「キャンプ」という休憩ポイントが設置され(ラスダンなど一部を除く),これが宿屋と教会の機能を持っている。これにより,ボスで全滅しても町まで戻されてダンジョンの最初からということもなくなったし,エンカウントモンスターでもそれほど気にせずMPを浪費できるようになった。ここだけ聞くとヌルゲーになった感じもするが,実のところ中盤以降のダンジョンはエンカウントモンスターがやや強めに設定されており,キャンプに着くまでそれなりにしんどいというバランスのとり方になっている。

呪文よりも特技のほうが使い勝手がいい問題にも,手は打たれている。今作は呪文の威力が固定ではなく,魔力というステータスに比例するようになった。既存のドラクエにも「賢さ」という死にステータスがあったが,これは消滅している。呪文と特技の差異の一つに,呪文はどれだけ賢さが上がっても呪文の威力はほとんど変わらなかったが,特技は力が上昇すると威力が変わるものがいくつかあった,という点があった。呪文の威力が変動するようになったことで,呪文側のデメリットが一つ減った。しかも,攻撃呪文の威力は同レベルの前衛職の通常攻撃よりも圧倒的に高く,前述の通りエンカウントモンスターが強めに設定されていることもあって,唱えないで道中を進むデメリットも高くなった。そうそう,PS4版の今作はシンボルエンカウントなので,プレイヤーの側でエンカウント数をかなり調整できる。当然全部よければレベルが上がらず長期的にはつらいが,1戦1戦でそれなりに傷つくのでダンジョン道中で当たりまくるのはお勧めできず,かといって安全なフィールド等でレベル上げをするのも面倒……というトリレンマはかなり絶妙に設定されている。

しかし,であれば余計に呪文と特技の差異がなくなってしまったのではないか,と思われるかもしれない。ここにも対策はなされていて,今作は前衛職の最大MPは上昇が緩やかだが,魔法職は成長が早いという特徴がある。感覚的に言えば,レベル50前後なら前衛職はHPが400〜500くらいでMPが150かそこらだが,同レベルの魔法職はHPが300,MPは400というような様相である。しかも,ほとんどの特技はMPが消費されるようになった。結果として,魔法職は前述のMP回復手段も相まってかなりカジュアルに呪文を唱えていけるが,前衛職の特技は本当に必殺技というニュアンスになった。そう,ダンジョン道中のMP消費とボス戦へのマラソンというジレンマは,いまや魔法職ではなく前衛職のものとなったのだ(といってもキャンプがあるので,それほど悩まないが)。実はこのジレンマに一番襲われるのが主人公というのもおもしろいところである。なぜなら,ステータス上はほぼ完全に前衛職なのに,回復魔法を覚えていくからである。

一方で,これにより死んだものもいくつかある。魔法職の前衛用装備が典型的なところで,これまでのドラクエの槍や鞭というと,僧侶や魔法使いが道中のMP節約のために装備した武器だった。道中で攻撃呪文を唱えたくないので,通常攻撃で戦闘に参加してもらうことになるため,こういう装備が用意されていたし,重宝した。特に鞭はグループ攻撃できる貴重な武器という側面もあった。しかし,道中の戦闘でバンバン呪文を唱えることができるようになったことで,魔法職にわざわざ槍や鞭を持たせるメリットが激減した。加えて今作の杖は上述のようなマホトラ使用であり,しかも装備すると魔力を上昇させるので,呪文主体で戦闘するならメリットが大きい。序盤は仲間の加入順の関係や,まだ魔法職の最大MPが低いことから出番がなくもなかったが,レベル20あたりからまったく使うことなくラスボスまで行ってしまったプレイヤーも少なくないだろう。前衛職の武器の中でも,同様の理屈でブーメランは使い勝手が比較的悪い。カミュにブーメラン投げてもらうよりもベロニカにイオ系統を唱えてもらった方が強いので。この辺の改善点は,また5・6年後に出るであろうドラクエ12に期待したい。


以下は各キャラ評を,スキルパネルを中心に。基本的にネタバレは避けているが,部分的に伏字あり。特に断りがない場合,序盤はレベル20まで(仲間が7人になる),中盤はレベル35まで(大きなイベントが起きる),終盤はレベル50まで(ラスボス撃破),最終盤はレベル70まで(裏ボス撃破)の意味で使用。
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2017年09月26日

非ニコマス系動画紹介 2017.3月下旬〜2017.4月中旬

『けもフレ』のMMDで極楽浄土がすごく流行っていた時期。



理由を考えるに,
1.そもそも「極楽浄土」は,『けもフレ』によらずMMDダンスの登竜門みたいなところはある。(当然,極楽浄土のダンスの完成度自体も高いし,MMDの再現度も高い。)
2.あまり性的な匂いのしないフレンズたちがセクシーなダンスを踊るというギャップがすごい。特に後半。
3.「ジャパリパーク自体が“極楽浄土”みたいなもんやし」という理屈が立ってしまった。
あたりではないかと思う。大体どれも出来はよいのだが,とりあえず発端のトキと,



際立って出来の良かったミミちゃん助手(博士の方もすごい)と,
(ところで,元の動物のサイズはワシミミズクの方が圧倒的に大きいというのが,助手は本気で博士を尊敬しているというのとあいまって,博士と助手の関係にとって良い追加要素になっているのは本当に上手い。)



人間代表かばんちゃんと,
(これもMMDには直接関係ないけど,動画のような最終話段階のかばんちゃん,たまにフルアーマーかばんちゃんって呼ばれてて笑う。ZZかな?)




オチ的にサーバルちゃんを貼っておく。動かない方,「今日こそは動きそう」ってコメントが必ずあって,「忙しい人のための粉雪」を彷彿とさせる状態になっている。




公式から「難民キャンプ」を提供された衝撃。「難民ホテル」の称号を与えられたのも納得である。



以後,セルフ難民キャンプ(本来的にはこれが正しい難民キャンプ)が乱立したが,ボイス付きのものは珍しい。




「※音声は「けものフレンズradio!!」と「けものフレンズアワー」から」とのこと。



Tool Assisted Servalちゃん。あるいは強くてニューゲームサーバルちゃん。  
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2017年09月25日

異常事態に異例が重なった低調な場所

横綱・大関陣7人中5人が休場するという異例の場所であった。三役以下の幕内(途中出場も含む)も含めると8人まで増える。3横綱2大関が休場となったのは1918年夏場所以来,99年ぶりとのことだが,そこまでさかのぼらなくても,休場者8人は野球賭博事件に絡む謹慎処分者6人を出した2010年の7月場所以来になると言えば,どれだけの異常事態かわかろう。これだけケガが多いのは本場所6場所だけで予定が詰まっているところに,地方巡業が隙間なく詰め込まれる過密スケジュールに加えて,ケガを保障する制度が一切ない点にある。公傷制度の復活に対する議論は結局のところ協会内では扱われないままここまで来ているが,それが無理ならさすがに巡業を減らすべきではないか。本場所を年5場所にするのは無理であろうから。

優勝争いも実に混沌としたものであった。しかし,あえて言ってしまえば,本来であれば日馬富士の圧勝で終わっていた場所であったと思う。前半の3日目からの3連敗は3日目の不可解な敗戦を引きずってのものであり,不運である。日馬富士自身も悪いのだが,あの場面で悪くない人はいない。
・琴奨菊:手付き不十分であるにもかかわらず立った。現在の基準で言えば明らかに止められる水準であるのは本人もわかっているであろうところ,そのまま相撲を続行した。
・日馬富士:手付きに関しての判断は行司と審判に委ねられているところ,セルフジャッジで立ち合い不成立とみなした。
・行司&審判:手付き不十分で琴奨菊を止めるべきところ,その判断を日馬富士に委ねた挙句,成立とみなして続行させた。
それぞれ過失はあるものの,責任を取るべきは明らかに行司と審判であって,日馬富士の黒星で決着をつけてしまったのは今場所最大の汚点である。昨今の相撲人気はとどまるところを知らず,今場所も15日間満員札止めであった。しかし,上述の過密スケジュールにケガの問題,加えて手付き基準の不統一と実のところ協会には問題が山積しており,少なくとも今場所に限って言えば協会の場所運営は完全に落第点である。

これで相撲内容がおもしろければ「上位陣が軒並み休場でも何とかなるもんだなぁ」と書けたところだったが,何人かの気を吐いた若手を除けば白けムードの漂う土俵であった。無論,周期的にこういう場所が出現してしまうのは仕方がない。しかし,その要因の一部が人災というのはやりきれない。


暗い気分を振り払っての個別評。優勝した日馬富士は前述の通り。序盤の余分な3連敗がなければ気力充実の場所だったと言えよう。大関以下とはさすがに隔絶した地力の差がある。なお,最大で3差ついたところからの逆転は1949年以降で史上初とのこと。ついでに言うと,同一場所に金星を4つ配給しておきながらの優勝も史上初っぽいが,こちらは確証がない。

豪栄道は昨年の9月の精神力があれば優勝できていたかもしれないが,今場所はメンタルが弱かった。3差を覆された史上初の力士という変な記録が残ってしまったが,大丈夫だ。こういうのは大体負けた側の力士は何年か経つと誰も覚えていないものだから。ヴァレンティンに56本目のホームランを打たれた投手の名前を,もう誰も覚えていないのと同じである。ただし,豪栄道の調子が良かったかというと疑問である。単に上位陣のほとんどが不在でかつ日馬富士が序盤に3連敗したから優勝争い先頭に立って目立ってしまっただけで,序盤から引きの相撲が多く,彼自身は並の調子だったのではないかと思う。照ノ富士は最近相撲が変わりつつあり,膝も手術をして治りつつあるところだったと聞いていただけに残念であるが,来場所の10勝を期待したい。高安はちょっとなんとも言えない。

関脇・小結。御嶽海はさほど印象がないが,関脇で8勝しておきながら印象がないあたり,かえって地力が付いた証拠なのかもしれない。しいて言うと,今場所は意外と組んで勝ってたかなと。嘉風は日によって出来が違いすぎた。玉鷲は序盤に右足首を捻ってから攻撃力が如実に落ちて,それでも食いしばっての7勝という様相。この人が元気なら,今場所の評価ももう少し上向いたかもしれない。栃煌山は全然ダメだった。これだけ横綱・大関がいない場所くらい大勝してほしかった気も。

前頭上位陣,今場所はここだけ書くところが多い。琴奨菊は中盤の4連敗が謎。序盤を見ていると「これは大関琴奨菊」と思ったのだが,中盤見るからに不調で「平幕琴奨菊」,終盤は再び戻ってきて「大関」だった。調子の良い時の琴奨菊は馬力もさることながら,左四つで寄っているように見えて右から突き落とし・小手投げが出る。今場所は4・10・15日目にこれで勝っているが,間の期間はすっぽりとこの動きがなくなったので顕著。北勝富士は7勝ながら高安戦の不戦勝を含み,動きは鈍かった。3月以降では最も不調だったのではないか。

阿武咲は新入幕から3場所連続の二桁勝利が史上初とのこと。とんでもない記録が生まれたものだ。先場所の段階での私は「来場所の成績は5勝と予想」なんて書いていたので,阿武咲の方向に土下座しておきたい。ただ,上位陣不在の中だったのも事実で,幸運の10勝ではあるかなと。また,9〜11日目で3連敗したときにはスタミナが切れていて,残りも全部落とすのではないかと思っていたのだが,見事に盛り返した。これが若さか。突き押しの人に思われがちだが,もろ差しで勝つことも多く,突き押しの中でも栃煌山寄りのタイプかもしれない。要経過観察。千代大龍は中盤まで明月院スペシャルことMSPがよく決まっていたが,終盤ははたきのタイミングが読まれて失速した。宇良は初日から休むべきだった,とだけ。貴景勝はまずまずの動き。


前頭中盤。逸ノ城は先場所に引き続き,やる気のある日と無い日の差が極端で,明らかに相手を見て変えている。あれはよくない。輝は惨敗。取り口を完全に研究されている感じ。あとは勢も惨敗していた。生命線の右腕が痛いのではないか。残りは可も不可もなく,特に書くことがない。

前頭下位。千代丸は突き押しから四つ相撲への転換が功を奏している様子。あの腹を使わないのは確かにもったいない。大翔丸は10勝しているが,決まり手の多くが突き落としで,引いて勝ち星を拾っていた。必ずしもそれが悪いわけではないが,うーん。遠藤と魁聖は上りエレベーター。一方,登れなかったのが隠岐の海で,彼もどうも逸ノ城と同じに見える。新入幕の朝乃山は幕内で通用しての10勝。右四つになると滅法強く,そこだけ取ればすでに前頭下位の力士ではない。押し相撲になってもそれなりに取れるのも長所で,差し負けるくらいなら離れて取ったほうが具合が良さそうである。前頭中盤に上がってどうなるかが非常に楽しみ。一方でどうも通用しないのが豊山。立ち合いの瞬発力の差,かなぁ。

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2017年09月21日

最近読んだもの・買ったもの(『東方文果真報』他)

ようやく6月発売のものにたどり着いた。

・『東方文果真報』。
→ 東方のひねくれた書籍その第……何弾だっけ。週刊誌風の体裁でフェイクニュースブーム(?)に乗っかったもの。フェイクニュースの話題はすぐに過ぎ去るだろうと読み,数年後には幻想郷入りしていそうなことを予測しての本誌となった。そういう事情もあって時事ネタが乱発されている。まさかのトランプ大統領ネタまで。「どうせいつか全部幻想入りするんだから」という開き直りが使えるのは強い。
→ フェイクニュースの内容は,東方の雰囲気を知っている読者には大体真相がすぐにわかる仕様で,射命丸さんがどういう風に事実を捻じ曲げて報道しているのか推測しながら読むとおもしろい書籍。
→ 「水素水」ネタと「白砂糖の恐怖」ネタがぶっこんであったのはちょっと驚いた。水素水はともかく砂糖で来るとは,科学の子である神主もニセ科学ネタは気になるところなのだろうか。お子さんもいるし。
→ 週刊誌なので,ちょっとエロスな袋とじグラビア(という名のフルカラーイラスト)もあり。東方公式でここまで露骨なエロスを投げてきたの,さりげなく初めてでは。神主の冒険が見られる。





・『へうげもの』24巻。大坂夏の陣開戦から終戦まで。秀頼は気絶させられて大坂城を脱出,淀君・大野治長らは自害。真田信繁らは戦死。織部は監禁状態,重嗣は秀頼の子を匿って金森宗和とともに逃避行の旅へ。
→ 何が何でも織部を殺したい猜疑心の塊になっている家康と,なんとか織部を助命したい秀忠,豊臣を完全に滅亡させる気はない諸将と,徳川軍が全く団結できていない。しかしながら圧倒的な物量で豊臣軍を押しつぶしてしまう。無粋を尽くして真田信繁を討ち取った家康と,織部の「ひょうげ」を用いて危機を脱出した秀忠・柳生宗矩という差も,今後の展開を考えると趣深い。
→ 本巻最後に出てくる粟田(口)焼について。金森宗和が後押しをしていたのは事実。ここで登場する野々村清右衛門は,後に野々村仁清を名乗り,粟田焼から自立して御室焼を開くことになる。しかし,野々村仁清というと活躍したのは本作から約30年後の1640〜50年代であるから,この頃は相当に若いはずである。作中の容貌はそこから考えると少々老すぎにも見えなくもない。


・『NEW GAME!』6巻。新人の入社と,『PECO』の完成・発売,八神コウのフランスのゲーム会社への出向。
→ 新人二人がそれぞれ別方向に向上心がありすぎて何かずれているという。ラフな格好が許される社風とはいえ,パジャマのまま出社する紅葉さんは確実にヤバイ子。ただ,周りを全く気にしていないとか,コミュニケーションの必要性を感じていないとかいうほど振り切れてはおらず,完全に空気が読めないわけでもなく,気を使われたらそれに気づけるし,単純に「真面目すぎて何かがずれている」子。振り切れていない分,かえって珍しいキャラ造形かもしれない。上手く話せないせいで引っ込み思案になっているけど空気はめちゃくちゃ読めるひふみんとは上手くいってるけど,基本的に天然で空気は読まなくても多くの人と自然にコミュニケーションができてしまうタイプの青葉とは噛み合ってないというのが絶妙にリアル。そんな紅葉が八神やひふみんを介して青葉を理解して,次第に職場に溶け込んでいくのは読んでいてい安心した。でも根本的に治ったわけではないから,この子はほっとくとまたパジャマで出社するんだろうなw
→ そして八神コウはフランスへ。フランスに関係者が集まっているし,明らかにフランス編が本編に挟み込まされて進んでいく雰囲気。遠山さんはもっと引き止めるかと思ってたけど,案外すんなりと。まあ,付き合いが長い分,八神本人にああ言われたら納得するしか。一方で青葉は濃密な1年間だっただけに,あの別れの挨拶の後もしばらくは放心状態だろうなぁ。気持ちは非常によくわかる。  
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2017年09月20日

ましてや人力状況再現なんてなぁ

・星になるひと(内容の浅い資料集(仮))
→ ドラクエ4はプレイ状況に応じて称号が変わっていくのであるが,本来ありえないような状況になると「改造コードの星」という称号になるものと思われる。しかし,実際にはこのセーブデータは改造されておらず,あくまで状況再現だけで短いプレイ時間でありえないレベルになっているにもかかわらず,このような称号に。「改造コードの星」何ていう称号が用意されているのもちょっとした驚きだが,それ以上にPS版のドラクエ4が発売された2001年当時だと,まだプレイヤーが状況再現なんてことをやるのをスクエニ側が把握していなかったということが推測されるのが,非常におもしろい。
→ なお,調べてみると「改造」とついた称号は3つあり,意外と豊富であった。「改造コードの星」は,3時間以内に勇者のレベルが31になるとこの称号になるようだ。


・「それっぽさ尋常じゃない」2分20秒でRPG一本クリアした気分になれる動画を作ってみた(Togetter)
→ これは本当にそれっぽくておもしろかった。完全に1本クリアした気分になった。すごい。イベント戦(Lv.30〜)が好き。
→ でもこれ,ドラクエでもFFでもない感じはする。そして私はドラクエとFF以外のRPGはサガシリーズくらいしかやらないのに,このBGM集は「標準化されたJRPG」感が強くて,郷愁さえ感じる。どこから来ているんだろうか,この感情は。


・「AIR」の舞台・和歌山県美浜町、「アニメ聖地150」選出( ITmedia ビジネスオンライン)
→ なんでまた今更と思ったら,海外のアニメファンの投票によるらしい。それなら妙に古い作品が出てきてもわからなくはない。
→ しかし,150から88箇所に減らす過程で漏れてしまった模様。この過程では「国内ファンの投票分を加えて」選ばれたそうなので,とすると古い作品は不利かもしれない。国内ファンで今更『AIR』を挙げる人も少なかろうし。
→ そういえば,私も一度も行ったことがない。しかし,これはさすがにあまり行く気も……
→ 『AIR』といえば,昔「なんで和歌山なんだろうな」「KEY山地だからじゃねーの」という会話を15年くらい前に友達としたようなこともあったような。


・驚愕の新種!その名は「サザエ」 〜 250年にわたる壮大な伝言ゲーム 〜(国立大学法人 岡山大学)
→ こういうこともあるもんなんだなぁ。
→ “発見者”が「フグ田」ならぬ「福田」准教授だったり,sazaeが絶妙にラテン語の属格に見えたりと,登場する名前同士に奇妙な縁を感じる話である。  
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2017年09月14日

最近読んだもの・買ったもの(『官能先生』他)

・『官能先生』1巻。
→ 舞台は昭和のいつ頃か,少なくとも平成ではない時代。出版社に勤めるかたわらで自分でも小説を書いて副業としている主人公(40歳)が,喫茶店で働く女性,雪乃(22歳)と運命的な出会いを果たして一目惚れし,同時期に官能小説の原稿も依頼されて,いろいろと思い悩む,という展開。イブニング連載分が1巻となった。
→ メインヒロインの雪乃さんがとんでもなくかわいいんだこれが。恋路に奥手で古めかしい恋愛観を持った,ツンよりのクールビューティー。そんな性格なのに制服がかわいい喫茶店で働いている。完全にストライクですわ。雪乃さん,恋路に奥手なのは何やら事情がありそうで,この辺が物語の主軸になりそう。生粋の小説家で文学的発想にあふれているものの,不器用な生き方をしている主人公との年の差カップルの行く末は。そして,そもそも2巻の発刊予定はあるのか,気になるところである。





・『火ノ丸相撲』15巻。引き続き白楼高校VS大太刀高校。副将戦決着から大将戦の完全決着まで。
→ 不良に厳しい漫画,やっと五條くんにデレる。この1勝のために1巻からずっと厳しかった感ある。
→ 天王寺VS火ノ丸はどちらも相撲オタクで互いのことを研究し尽くしている,どちらもチームの面々が大好きでその個性をも吸収して強くなってきたと極めて似た者同士。となると問題になるのはやはり体格差であるところ,火ノ丸が唯一上回ったのはこの一戦に掛ける重みであった。この点,天王寺はかえって百戦錬磨すぎたのかもしれない。
→ 川田先生が特に影響を受けた力士で「朝青龍」を挙げていた。特に意外というわけではないが,私と同世代かやや年上の層だと,相撲を見始めたというと若貴時代,本格的にはまったのはよくも悪くも朝青龍というパターンは多かろうと思う。そして平成20年初場所千秋楽結びの一番。伝説の一番と言って差し支えなく好角家ならそれでさっと通じるあれを朝青龍の思い出で挙げてくるあたり,本当に経験が全く同じである。それから約6年後,2014年にこういう漫画が始まってそれなりに人気を博しているというのは感慨深い。


・『乙女戦争』8巻。ジシュカがオレープ派を結成,ジェリフスキー謀殺,自称ボヘミア王がポーランドから到着,帝冠と王冠をめぐるカルルシュテイン城攻防戦,シャールカ捕縛・死刑宣告からの妊娠して恩赦・出産・ボヘミアへの帰還,内戦終結。
→ 例によって史実は漫画として描きやすいようにかなり整理・シャッフルされている。詳しくは巻末の解説に。ジェリフスキー謀殺はじっくりやるのかと思ったら1話,しかも回想で消化された。巻に入っているのか,それともシャールカの物語としての本作にとっては本筋ではないと判断されたか。この8巻で急激に時間が進んだ点(1422年初から1424年6月まで)やその後の展開を見るに,両方ありそう。なお,ジェリフスキー暗殺の経緯は意外にも史実そのまま。また,徹底抗戦を訴えるオレープ派と穏健派が対立し,教義上の急進派であるターボル派は静観するという三つ巴から,ターボル派が現実を悟ってオレープ派と和解して穏健派を一時的に打倒するという大きな流れは史実通りである。
→ シャールカがフニャディ・ヤーノシュとくっついたことで,本格的に話の終着点が見えてきた。あとの大きいイベントはジシュカの死亡とフス派内戦の再燃かな。  
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