2016年08月31日

2016年07月26日

好調とは無理にでもなるもの,なのかもしれない

これほど優勝争いが読めなかった場所も珍しい。不調の白鵬に取りこぼす日馬富士,3場所前に戻った稀勢の里,休場した鶴竜と琴奨菊,ケガが完治していない照ノ富士とあっては平幕優勝すらありうるのではないか,と思われたのが10日目頃,ここから抜けだして優勝したのは日馬富士であった。日馬富士は前半取りこぼすも,後半は白星を逃さなかった。白鵬の不調が根本的な原因とはいえ,優勝争いも土俵の内容もよく,非常に楽しめた場所であった。

白鵬が不調だと優勝争いが混沌とするのはここ何年かのトレンドだが,白鵬の不調の頻度は増している。遡ってみると先場所(5月)は好調だったが,3月は好調でもないのをラフプレーでカバーしてしまった場所,1月と去年の11月は不調で9月に至っては途中休場である。ただしそういう場合,大概は代わって日馬富士か鶴竜が好調で優勝したのだけれど,今場所は両者ともにそこまで好調でなく,優勝争いが混沌としたか。

稀勢の里の綱取りは13−13−12勝と来て綱取り継続とのこと。先場所の感想に「白鵬が存在して優勝ラインが13勝まで下がることは多分無いので杞憂だと思うが」とか書いたら,私の思っていた以上に白鵬の不調の頻度が高かった。これは私の不見識であるが,と同時に「ところで来場所13・14勝で優勝出来なかった場合,綱取りはまた九月場所まで延期になるわけで,ここまで来たら連続綱取り場所記録でも作って欲しい気もしてきた。」とも書いていて,12勝ながらこちらは当たってしまった。なお,12勝ながら優勝次点であり,不調とはいえ白鵬戦の白星を含むので,綱取継続自体はそこまで反対でもない(賛同もしない)のだけれど,来場所こそは14勝以上の優勝からハードルを下げてはいけないと思う。この点,理事長も横審も「優勝ならなんでも良い」と言っていて,いよいよなりふり構わなくなってきた感じが……これで来場所また13勝とか12勝で優勝しなかったら面倒なことに。いや14勝優勝ならずが一番揉めるか。


個別評。優勝した日馬富士は9日目までに2敗し,決して好調には見えなかったが尻上がりに調子を上げていった。というよりも,優勝ラインが2敗まで下がって久しぶりに優勝争いに残れたので,終盤は無理して調子を上げて戦っていたように見えた。そこで無理が効いてしまうあたりはやはり神がかった集中力と言えるであろう。白鵬は概ね前述の通りだが,今場所は右かち上げを控えていたようにも見えた。今場所は普段よりもハイペースに調整していたそうで,スタミナ切れが師匠等から心配されていたが,それ以前の問題であった。五日目に宝富士に阻まれたのがよほどショックだったのか。宝富士戦の敗北以降は立ち合いの右かち上げのみならず相撲全体のバランスが崩れて後はずるずると。九日目の勢戦での転倒は一体なんだったのか。鶴竜は休場なのでノーコメント。

大関陣。稀勢の里は先場所・先々場所のアルカイックスマイルが消えていて,あれは自然と笑ってたのではなくて,笑うことで精神の統一を図っていたのだなぁと。今場所は意識して笑えないほどの緊張があったか。正直12勝出来たのはかなり運に助けられたところが大きい。運も実力の内というし,ある意味の運試しとして優勝が課されているところはあるので,「運で勝っても価値が無い」とは言わないが,逆に言って「12勝は精神が安定した成果」という評価もしづらい。今場所は先場所までと違って左四つになるのが遅く,立ち合いでさっと左四つになれるのかどうかは稀勢の里の精神状態を示しているのかもしれない。琴奨菊は絶不調で休場。豪栄道は完走しての負け越しで,どちらが重症か。照ノ富士はケガに付き合いながら勝つ方法を見い出したような序盤,何か歯車が狂って勝てなくなった中盤,自分を少し取り戻した終盤という感じ。8勝ギリギリでカド番脱出は意外であった。まだ当分ダメかな。

三役。魁聖は7−8でギリギリの負け越しに見えるが,不戦勝2つを含み,評価はできない。以前に比べると組むのが早くなった,組めば上位相手でもかなり勝てるようになったのは確かであるが。栃ノ心はこんなもんだろう。琴勇輝は思っていたよりも大敗したが,ホゥ!を止められた影響が一場所遅れて出たのでは説を唱えておく。割りと真面目に。高安は小結で11勝と大勝したが,もともと調子の波が非常に激しい力士であり,来場所続けば本当に大関取りになるのだろう。取り口で言えば,高安は明らかに左の使い方がうまくなっており,この辺は兄弟子と似つつあるのかもしれない。

前頭上位。御嶽海は完全に跳ね返された感じ。まだまだ圧力が足りない。代わって案外と勝ったのが正代で,「しばらくエレベーターしそう」と先場所の感想に書いたが,案外と早く定着するのか。左四つかもろ差しなら強いが,もろ差しはやや窮屈な印象。宝富士は今場所も左四つが強く,白鵬のかち上げを封印させた陰のMVPである。高安・正代とともに来場所にも期待。嘉風は復活し,動きまわって撹乱する,押すところで強く押す相撲が戻ってきた。先場所・先々場所不調だったのはマニフレックスで寝れなかったのかな? 栃煌山はノーコメント。隠岐の海はなんで勝ち越せたんだろうね。大砂嵐の全休は残念の極みである。早く治ることを祈る。

前頭中盤。貴ノ岩は謎の覚醒を遂げて12勝。前から北の富士に「体格も技量もあるのになんで勝てないんだろうね」とは言われていたが,ここに来てやっと身体と技能の歯車があったようにも見える。碧山はもっと勝っていてもおかしくなかったが案外と8勝止まりである。ちょっともっさりした動きだったかも。逸ノ城は9勝で,少し相撲に覇気が戻ってきたか。千代鳳は低い姿勢が崩れないのが本当に立派で,圧力もあった。立ち合いの出足が鈍かったり,組まれると脆かったりするのが何とかなればもう少し上に行けるかと。千代の国は幕内で取っているだけで何か感動があったが,脱臼癖があるのに脱臼しそうな取り口で不安である。何度見てもイケメン。ケガという意味では蒼国来,左下手が生命線だが無理にこじ入れる傾向があり,あれはいつか左肘を痛める気がしてならない。ところで蒼国来といえば,荒汐部屋で飼われている猫がかわいいというのを最近知った。名付け親が蒼国来だそうで。また白鵬はこの猫が苦手だそうで,ということは白鵬<モル(猫)<蒼国来となり蒼国来が角界最強なのでは……? そして佐田の海。7場所連続負け越しだそうで,年6場所制になってから最長記録とのこと。6勝目を挙げるとなぜか勝てなくなる現象が続いている。実際観戦していて呪いがかかっているようにしか見えないので,佐田の海はお祓いでもしてもらったほうがいいのでは。

前頭下位は荒鷲だけ。たぐり・とったりの名手ではあったが,今場所はそれに加えて左上手を取ったらかなり強いことを示した。来場所もまだ躍進しそうであり,期待している。

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2016年07月23日

非ニコマス系動画紹介 2016.5月上旬〜2016.5月下旬



このテンプレも,いたじゃんMADに負けじ劣らず名作製造機だよなと思う。怒られてる側としては珍しくカチューシャ何も悪くないw。



立場の入れ替わる国が出てくる一方,どっちでも強い国もあって,独米英あたりはさすがだなぁとか。知波単学園,駆逐艦ばっかりなのに無駄に頼もしい。



センター現代文小説の問題としてガチでそれっぽいのが意外とすごい動画。註釈の入り方とか,問われる漢字とか(魚麗は難しすぎるのが玉に瑕だ),選択肢全部納得行かない感じとか,最後の表現を問う問題とか。20年後のセンター試験はもうこれでいいんじゃないかな(適当)




どっちもなかなかそれっぽい。誰かアコーディオン持って行って現地でこれ弾いてこよう(提案)



Polaさんマジ飲兵衛かわいい。



こんな極限状態でも装備とアビリティ次第で倒せるもんなんだなぁ。さすがはFF5。



同作者。こっちは4人いるけど極限低レベルでコマンドは2回という。攻撃方法は上の動画と同じだが,コマンドを2回まで減らす工夫が素晴らしい。



これはかわいそうだw。しかし,『サガフロ』ほどやりつくされてるゲームで,「戦闘回数65535以降戦闘回数がカウントされなくなる」なんて不具合が発見されてなかったのは意外だった。  
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2016年07月22日

伊東マンショの肖像画・韓国の半跏思惟像

ドメニコ・ティントレット《伊東マンショ》東博の7月上旬某日に,伊東マンショの肖像画,韓国の半跏思惟像,古代ギリシア展をまとめて見てきたので,ひとまず前2者の記録を残しておく。


伊東マンショの肖像画は以前に発見された時の新聞記事を取り上げたことがあるが,発見されたのはつい2年前のことであり,ある程度の調査が終わったので,東博で特別に展示されることになったようだ(所有者はイタリアの文化財団)。画家は高名なヴェネツィアの画家ティントレットの息子で,正確に言うと晩年のティントレットが請け負ったが老齢であったので,仕事を息子に引き渡したという経緯らしい。いずれにせよよく出来た肖像画であり,さすがは当代随一の画家親子が請け負っただけのことはある作品である。

さて本作と言えば裏面の文面「D. Mansio Nipote del Re di Figenga Ambascitore del Re Francesco Bvgnocingva a sva Santita」の解読で,私は「Figengaの甥,豊後(Bvgno→Bungo)cingva(cingua)の王フランシスコの,教皇への大使」というところでどうしてもFigengaとcinguaの意味がわからず詰まってしまった。そこはやはりプロ,本展のキャプションにて,しっかり解読されていた。それによるとFigengaはFiungaとFigenの混同かつ合体であるらしく,読んだ瞬間思わずそんなもんわかるかい!と心の中で突っ込んでしまった。なるほど,であれば「日向」と「肥前」とわかる。ngは鼻濁音のガ行なのでnは読まない,Fはハ行で読むと大体元の形に復元できる。この失敗合体,当時の一次史料を付きあわせて判明したことがキャプションに書かれていたが,苦労したのでは。また,cinguaはcinguiaのiが欠落したもので,cinguiaは千々石のことらしい。千々石は現在の長崎県島原市にある地名で,天正少年遣欧使節の一人の千々石ミゲルの出身地である。

これでやっと謎は解けた。つまり訳すと「ドン・マンショは日向(または肥前)(の国主)の甥(または孫)で,豊後・千々石の国主フランチェスコ(大友宗麟のこと)から教皇に送られた大使」になる。そうすると,伊東マンショは日向の戦国大名伊東氏の出身であるから,前半の「日向国主の甥(または孫)」は正しいし,大友宗麟の名代としての派遣であるから後半もおおよそ正しく,意外と正確な文だったことがわかる。逆に言って,やはりFigengaはひどい。肥前はおおよそ現在の長崎県・佐賀県だが,日向はおおよそ宮崎県であるから,接してすらいない。また,大友宗麟の領土として豊後は正しいが,千々石は肥前の地名であるし,大友宗麟の領土ではなかったはずである(そんなに戦国時代詳しくないけど,彼の最大勢力圏は筑前・筑後まででは)。一つ考えれるのはやはり千々石ミゲルとの混同である。彼は肥前の戦国大名大村純忠の甥であり,千々石の出身であるから,Figengaが肥前と日向の合体失敗単語であることも踏まえると,この文を書いたイエズス会士の頭の中で伊東マンショから聞いた情報と千々石ミゲルから聞いた情報が混ざってしまい,聞き慣れない日本語の地名もあって,パズルのような文面が完成したのではないか。ともあれ,私にとっては約2年楽しませてくれた難解なパズルであった。


韓国の半跏思惟像は,このたび昨年の日韓国交正常化50周年を記念して企画が立ち上がり,韓国国立中央博物館から貸し出されたもので,日本の中宮寺半跏思惟像と同室で展示されることとなった。悲しいことに警備がめちゃくちゃ厳重で,入り口が空港の手荷物検査のような状態になっていたが,まあ警戒するに越したことはないのは残念ながら同意である。さて,2つの仏像だが,当然韓国の方が制作時期が早く,6世紀後半の百済と見られる。また銅製(鋳造)であり,この時代としては高度な技術をうかがわせる。一方,日本のものは木製で,製作時期もちょうど100年遅れの7世紀後半と見られているが,その分韓国のものよりかなり大きく,同室にあるだけにその大きさが目立つ。また木製で自由が効くためか,衣服の衣紋が立体的な造形となっている。いずれの像も思索にふける姿が美しい。

なお,本展に先んじて中宮寺の半跏思惟像が韓国に渡っており,同趣旨の企画が向こうで開催されていた。韓国の皆さんにお楽しみいただけたなら幸いである。言うまでもなくこの2つの像は東アジアの仏教伝来の歴史を伝えるものであり,造形はよく似ているが差異もあるこれらが並んで展示されることは,両国民にとって喜ばしいことであろう。同時に見られること自体に大きな意義があったように思う。とはいえ,ソウルの国立中央博物館もいつかは行ってみたいものだ(主に朝鮮白磁目的ではあるが)。

ところで本展は7/10ですでに終了しているが,大変な混みようだったことは会期中何度も耳にしており,私が行った時も,伊東マンショ・古代ギリシア展と比較して最も混んでいた。しかも混雑対応から,普段の本館は17時閉館のところ,本企画展の開催期間に限って20時閉館になり,月曜休館のところ会期中無休になったのだから,職員の方々は大変だっただろう。ちなみに伊東マンショの方はめちゃくちゃ空いてて,集客効果はゼロに近かったのでは。まあ,伊東マンショと聞いてピンと来る人口は,確かに「韓国の半跏思惟像」と聞いてときめく人口に比べたら隔絶して少なかろうから,致し方あるまい。

古代ギリシア展については後日,別記事にて。
  
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2016年07月17日

次はフェルメールの新作を

・機械学習したAIがレンブラントの"新作"を出力。絵具の隆起も3D再現した「The Next Rembrandt」公開(Engadget Japanese)
→ 恐ろしく本物のレンブラントっぽい。ただ,人間でも出来る技ではあり,おもしろい試みながら,人間の贋作作家と何が違うのかと言われると何とも言えない。技術的にはすごいのだろうけど,将棋や囲碁でAIが人間を打ち破った時のような斬新さは無いかも。
→ ちなみに野暮なことを言うと,鑑定士に見せた場合は,そもそも絵の具が新しすぎるから贋作という判断を下すように思われます。


・Cephas Bansah is a full time German mechanic and part-time African king(Daily Mail Online)
→ 日曜大工ならぬ日曜国王。アフリカには公的な政治的権力は無いが一族の伝統的な指導者のような人物はまだ残っていて,そういう意味での国王はいるという話は時々見るが,ヨーロッパに移住していて指導はネット,というパターンは珍しそうな気がする。
→ しかもこの人の場合,200万人に権威が及ぶようなので,それなりに“大国”である。これ自体が珍しい話であって,19世紀末の欧州諸国はこうした“国王”をだまくらかして自らの宗主権を押し付ける形で植民地化を進め,既存の権威を通じて支配を固めていったので,大きい王国ほど1960年頃の独立ラッシュ時に王族が殺されていたり権威が失墜してたりする。変に小さいほうが支配体制に組み込まれていなくて,権力は無いけど地元住民への伝統的権威はあるという王が居残ってたりするはずだ。もちろんアフリカは広いので地域差や旧宗主国による差はある。この類で有名なのはボツワナのセレツェ・カーマで,彼の出身の王族はボツワナ独立後,旧宗主国イギリスがボツワナ経営に興味が無かったこともあって関係が薄く,臣民の印象も良く,独立の混乱も無かったので存続している。
→ 記事中に今ひとつ書かれていないけど,現在当人が57歳ということはちょうどガーナやトーゴが独立する頃の生まれで,父と兄が左利きで不適格とされたことから祖父から(FAXで)譲位されたそうなので,そうした独立の荒波を乗り越えたのは祖父の代ということになる。200万人の臣民を抱えてどうそれを乗り越えたのか,そもそもこの王国のイギリス統治下の情勢は,等気になる点は多い。200万人も臣民がいればそれで食っていけそうなものだが,ドイツに移民して労働者をやっているところを見ると,食えないのかもしれない。とすると,やはり独立前か,独立時に実体的な権力は相当に失われいたようにも思われる。
・ドイツで整備工として働くこのおじさん、実はアフリカの部族の王様だった→「ズルいだろこの設定!」「何マーフィーだよ」(Togetter)
→ そう,確かに『星の王子ニューヨークへ行く』はちょっと連想した。まあ,あっちはアフリカの権威だけ残ってる王国というよりも,だいぶアラブの産油国的なイメージが混ざってるけど。今(1988年当時も含めて)あんなにガチで絶対的な権力握っててかつ富裕な王国(主権国家に限る?)って現実には無いような(しいて言えばスワジランドとか……)。



→ 佐賀県,最近広報すごい頑張ってるな。Romancing佐賀とかSplatoonとのコラボとか。これもその一環か。このアニメの早見沙織の声すばらしすぎないですか。
→ 有田焼は大好きですが,一度も行ったことがない。一度くらいは行ってみたくはある。


・歴史のある大学ほど優秀なのか? 世界の伝統校別ランキング(まぐまぐニュース! )
→ 載っている情報が胡散臭かったので「世界ランキング150位以内に入っている設立50年未満の大学リスト」の内実を調べてみると(各大学のHP掲載情報を見た),まず1位のスイス連邦工科大学ローザンヌ校は1853年に私立大学としてスタート,1869年に公立化,変遷あって現在の名称になったのが1968年のことだ。最新の改名だけ見れば50年以内だが,これを設立とは言わない。ここは設立150年以上経過していると見るべきだろう。コンスタンツ大学は確かに1966年設立なので新しいが,2016年調査の大学ランキングが基準なので,ジャスト50年なのでは。カールスルーエ工科大学に至っては,はっきりと創立1825年である。著名な出身者(所属者)にハーバー・ボッシュ法のフリッツ・ハーバーがいるのだから,50年未満なわけがない。カールスルーエ工科大学という名前になったのが2006年というだけである。
→ パリ大学は少々特殊で,パリ市内にある13の大学の総称がパリ大学であるが,これは学部別に別の大学とカウントしているに過ぎない。たとえば第1大学の通称が有名なソルボンヌ大学であり,分野は法学・経済学・哲学・歴史・地理等なので,ソルボンヌ単体では総合大学ではない。パリ大学を13の大学に区分することになったのが1968年,実際に区分してそれぞれが設立されたのが1971年であるから,これをもって設立とみなせば13全て設立50年未満だが,それはさすがにガバガバすぎないか。言うまでもなく,パリ大学自体の創設は中世(13世紀)である。最後にSSSUP,Sant'Anna School of Advanced Studies(伊語でScuola Superiore Sant'Anna di Studi Universitari e di Perfezionamento)は調べるのにかなり苦労したが,前身の設立は18世紀末まで遡ることができるようだ
→ と減らしていくと,マーストリヒト大学だけが例外であり,残りは新しくて当然の韓国・香港・シンガポールの大学になる。つまり結論は「優秀な大学はやはりほぼほぼ古く,例外的傾向は新興国で見られやすい」ということになりはしないか。実に杜撰な記事だが,大雑把に元記事を読んでみると似たようなことが書いてあるので,多分元記事がガバガバなのでは。  
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2016年07月14日

クーケルシュライハー

・ドイツ政府は「ドイツ語をもっとたくさんの人に学んでほしい」とドイツ語学習の促進を課題に掲げています。(facebook)
→ ドイツ大使館のエイプリルフール企画。確かにドイツ語は濁点が多すぎる,発音が何か汚いとは言われがちで,じゃあ濁点を消せばいいのではないかという発想は日本語的センスでおもしろい。しかし,濁点の多さこそが中二病感の源泉ではあってもったいないな,というマジレスも思わずしてしまいそうだ。
→ ちなみにドイツ語発音でよくネタにされるフォルクスワーゲン(Volkswagen)だが,標準的なドイツ語の発音に則るならフォルクスヴァーゲンになるというのはけっこう有名な話である(ただしforvo何かでも確認できる通り話者によってはワに近く聞こえる)。しかし,このエイプリルフール企画に則ればフォルクスワーゲンでおかしくなくなるぞ……!(ゲは見なかったことにしたい) あとこれ,
>これまでトイツ語を勉強する皆さんを悩ませてきた名詞の性、男性・中性・女性名詞(der,die, das)を撤廃し、今後全て女性名詞となります。冠詞はdie のみ!
→ マジで助かるのではw。名詞の性別には苦しめられたからなぁ。


・死ぬほどややこしい中国の人名表記 ― なぜ「サモ・ハン・キンポー」は間違いなのか : 付記
→ 非常に長い記事だけど,とてもおもしろかった。なるほど,中国側の事情あり,日本側の事情あり,めちゃくちゃ複雑だ。これは基準を統一できないし,個別に慣例読みが定着するのを待つしかない。
→ 書かれている通り,歴史上の人物や政治家は日本語の音読みでよいが,芸能人の場合は目立たせなければならず,必ずしも日本語の音読みが適切ではないから余計に大混乱になる,というのは無かった視点で,目から鱗だった。(歴史上の人物も20世紀以降なら北京語に沿ったカタカナで表記すべきではという議論があるが,今回の本筋ではないので置いておく)
→ サモ・ハン・キンポーの話を読んでて思ったのだけれども,ひょっとして日本の麻雀の役の読み方も実は相当いい加減な中国語なのでは。九蓮宝燈は「チュー」だけ中国語,「レンポウトウ」って実は全部日本語の音読みだよな……


・千手院住職のツイから始まる、ご本尊様の縁起と由来がわかるまで(Togetter)
→ インターネット,たまにこういう本職・本物が現れて,最終的にリアルのすごい人までたどり着くことあるから捨てたものではない。最後に出てくる長谷先生のフットワークの軽さがすばらしい。これは千手院の住職は本当に嬉しかろうなぁ。


・中学校の英語教科書のエレン・ベーカー先生がかわいすぎるのでまとめといた(Togetter)
・英語教科書のエレン先生 未公開ラフ画から読み解く人気の秘密(withnews)
→ これ本当にかわいくてびっくりしたのだが,あざとくない・過度に萌えではないけどしっかり萌え絵でもあるという絶妙なラインの絵柄なので,教科書の挿絵として受け入れられたのだろう。某図書館で見かけたので思わず3学年分読んでしまった。挿絵の数はそう多くないし,エレン先生に限れば意外なほど少ないけど,素直に読みやすさに貢献していると思う。実際には従来の絵っぽい挿絵も混在していてギャップが割りと半端ないので,あのギャップは是非とも実際に手をとって感じてみてほしい。
→ 基本的に全員かわいいのだけれど,エレン先生の人気が出たのはやっぱりボストン・レッドソックスファンで,野球の素振りしてるイラストの破壊力だと思う。同じような理屈でギター持ってるディーパ・ミートラちゃんもかわいいと思うのだがどうだろう。あと安藤咲ちゃんは柔道をやっていて,これも良い。
→ あと,あまり知られてないけど作者の電柱棒氏はtwitterをやっていて,たまにイラストあげてくれるので,絵に惚れた人は要チェック。  
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2016年07月13日

2016参院選雑感

ざっくりと。

[全体として]
予想通りすぎて何ともコメントしがたい,というコメントを残しておきたい。


[東京都選挙区について]
個人的には満足した結果。表現規制反対の立場から言えば民進党の蓮舫・小川敏夫ご両名,共産党の山添拓氏が通ってくれれば一番良い展開で,その通りになったからである。蓮舫はほっといても受かりそうな気がして,山添拓氏と小川敏夫氏で相当に迷って,まあどっちに投票したかはあえて伏せておこう。民進党の表現規制に対する態度は,枝野がこう言ってるなら(Togetter中段小川敏夫の項),それを信用しようかなと。


[山田太郎氏について]
何か私が熱烈な支持者だと勘違いしている人もいるようだが,それへの反論を含めて私の投票行動の方針と,山田太郎氏周辺の言論について書いておく。確かに私のアイデンティティはどちらかというと右派だが,単純に立憲君主制支持,国旗・国歌は現状のものでよい,思考基盤は古典的な意味での保守主義に則っているというのが大きな理由で,その他の分野では人権・労働政策中心に左派の考えに近く,近年は後者に沿った左派政党への投票行動が多い。そもそも私は社民党で国政に出ていた時代の保坂展人氏の支持者である。彼が世田谷区長として安定して二期目に入ったのは喜ばしいことである。

山田太郎氏への支持も「右派から出てきた表現規制反対派」だから乗ったわけではなくて,単純に彼が表現規制で大きな功績を上げており,忌避感を覚えるほどの(南京虐殺否定等の)アレな思想は持っていない・少なくとも表には出していないからである(実のところ後者は大きい要素なのだけれど,あまり指摘されない)。ついでに言うと,彼は同性婚・選択的夫婦別姓にも賛成である。一方,氏が時折見せる胡散臭さや政治的センスの無さも了承しているし,だからこそ熱烈には支持していない。

なので,ネット上の左派に見られる「右派が支持しやすい待望の表現規制反対派だから,実態以上に持ち上げられている」という主旨の主張は,「少なくとも私の支持理由は違うのだが……」という困惑した気分にさせられた。おそらく似たような感想の人は私以外にも少なからずいるだろう。もっとも,実際に一部の支持者が非常に後ろ弾撃ちたがる人たちだというのは選挙期間中まざまざと見せつけられて,非常に辟易した。いずれにせよ山田太郎氏界隈における最大の感想は表現規制反対における左右の溝の深さで,左派アレルギーの右派には言わずもがな,左派には何もそこまで山田太郎氏を嫌わなくても,という悲しい感想をもたざるを得なかった。まあ左派はともかくとして,山田太郎氏本人が表現規制反対は連帯してと言っているのだから,左派アレルギーを発している場合ではないだろうと右側には言っておきたい。

その中で氏の得た約29万票をどう評価すべきかは難しいところだが,おおよそ全部代弁してくれているブログ記事があるので,リンクを張ってお茶を濁しておく。
・山田太郎、29万票の衝撃(グレッグ山田の文句百万回)


[改憲について]
改憲派が期待するほど上手くはいかず,護憲派が悲観するほど急速には進まないと思っている。改憲派の中でも溝はあり,内ゲバが始まって,妥協までにかなり時間がかかるのではないか。少なくとも自民党草案のままでは一歩も前進するまい。また,実際に国民投票まで行き着いたとして,改憲の内容がアレなものだった場合,あっさり否決される程度には日本人全体の良識を信頼しているのだけど,甘いだろうか。また実際に否決された場合,改憲の気運は一気に退潮し,次に高まるのはおそらく10年単位で後になると予測される。これは改憲派もそう予測するだろうから,慎重にならざるを得ないだろう。  
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2016年07月11日

最近読んだもの・買ったもの

・『ゼロの使い魔』21巻。
→ ご存じの通り,ヤマグチノボルが亡くなったため,この巻から代打による執筆となったが,違和感は無かった。よく「味」を引き継いでいると思う。前巻(20巻)の発刊から5年ぶり,ヤマグチノボルの逝去から3年経っての発刊となったが,きっちりと売れたようで,皆完結を待ってたんだなぁと。発売自体が話題になったのは嬉しいことである。
→ 物語の本筋はおおよそ予想通りの展開ではあり,最終巻に向けてのつなぎとしか言いようがない。サイトくん,元の地球に帰れるのか。ハルケギニアは助かるのか。最終巻に乞うご期待だが……そんなことよりルイズとサイトがラブラブで良かった,本当に良かった。なんかもう萌えとかそういうものじゃなくて安心感しかないんだけど,これは共感する人が多かろう。
→ 『ゼロの使い魔』は人名や地名でかなり凝っている(妙な小ネタがしこんである)が,エルフは元ネタがアラブ圏から採っていることが多いと思われ,けっこうわからない(ビダーシャルもルクシャナもわからない)。今回初出の人名ではエスマーイルで,ファティマ・アリィー・シャジャルともどもわかりやすい。マッダーフは職業名の模様。おもしろかったのは地名で,小アジアっぽい地方にある都市の名前がエウメネスて。基本的に近世から人名も地名もとっていることが多いのだけれど,まさかの古代。


・『冴えない彼女の育てかた』9巻&GirlsSide2。恵と英梨々の冷戦解決編。
→ 9巻のテーマが恵と英梨々の冷戦解決編なのは読む前から予想が付いてたが,読み終わった時に「解決しなかったんかい!w」としかつっこめなかった。9巻のあとがきで丸戸が『ゴメン9巻で決着つかなかったわ!』ってぶっちゃけててさらに笑ってしまったが,そりゃGS2に延長戦しないと読者は納得すまい。実は私は9巻は発売してから世評も効かずに放置していて,GS2とあわせて読んだので待たされた感じはしなかったが,まじめに発売直後に読んでいた人たちはさぞかし煮え切らない4ヶ月ほどだっただろう。
→ 今回で英梨々との思い出話を1ヒロインルートにしてしまったわけだが,ひょっとしてこのまま残りの面々も作中のヒロインにされていくのでは……? 丸戸がそこまで単純なことはしない気もしつつ。作者に完全に踊らされているが,期待して待とう。
→ GS2の中では,今までありそうでなかった詩羽と美智留の絡みが一番おもしろかった。恵と英梨々の解決編自体は,英梨々の負い目を,恵が負い目を作ることで解決したということになるが,同時に恵に正妻の座の自覚が出てきていて,ますます英梨々の戦線離脱感も。もっとも詩羽もすでに戦線離脱した形だし,美智留と出海は前2人ほど倫也を狙っているわけでもないので,このまま恵が正妻に居座って完結まで行きそうな雰囲気だ。意外とそういう雰囲気は本巻で初めて感じたかも。


・『涙の乙女』。『乙女戦争』の大西巷一の短編集で,実在の女性による復讐譚が3つ,創作話が1つ。
→ このうち創作話は大西巷一のデビュー作で,作画が今よりかなり未熟であり,その意味ではおもしろい。
→ 実在の人物はマネット・ボヌール,ジャンヌ・ド・ベルヴィルキスペ・シサの3人である。3人のうち2人は日本語版Wikipediaにページが無く,マネット・ボヌールに至っては英語版にもフランス語版にもページが無いという徹底的にマイナーな人物を取り上げている。キスペ・シサは多少なりとも知名度があろうが,残りの2人は私自身全く知らず,何というかすごいところからすごいエピソードを持った人を拾ってきたと思う。というかマネット・ボヌールはManette Bonheurでググってさえ10件前後なんですが……
→ もちろんこれらの作品では作者による創作がかなり入っていて,注意が必要である。たとえば,本作におけるジャンヌ・ド・ベルヴィルはイギリスの支援を得るためにエドワード3世の愛人となっており,作中の描写も二人の息子が成人していてもかなり若い。しかし実際には,作者本人がブログで明かしているように,戦っていた期間の年齢は43〜56歳であり,仮に美魔女だったとしてもエドワード3世の愛人になるのはかなり無理がある。しかし,この創作も含めてこれが本巻んで一番おもしろかったかな。
→ キスペ・シサもピサロの暗殺にかかわった何て証拠はどこにもない。これは上手い歴史の空白を埋める創作だったと思う。


  
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2016年07月06日

2016上半期ニコマス20選

2016年上半期ニコマス20選レギュレーション
2016年上半期ニコマス20選ポータル

今回も参加します。

総評
なんとなく選んでみると20を割って15作品になったのだけれど,そんなに不作感はなく,入れるかどうか迷って全部落としたらこうなってしまった。ライン上を入れると20作品を超えているので,こういう感覚になったのだと思われる。だいたい全部デレマスかミリマスで,765プロはプラチナスターズが発売されるまでお預けという情勢だろうか。デレステのPVMADが本格的に出始めた時期とも言えるかも。


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Posted by dg_law at 00:04Comments(2)TrackBack(0)Nicom@s

2016年07月05日

栄光のヤゲウォ朝復活だ

・課長島耕作の不倫セックスと作中での昭和の大企業の間接部門の描写(Togetter)
→ ちゃんと読んだ人の感想なだけあって,珍しく的を得た島耕作の論評である。この人自身,抱いていたイメージが修正されたようで何よりだ。樫村の存在に触れているのは,世の中に適当極まりない島耕作批評があふれているだけあってポイント高い。課長時代前半のクズっぷりと部長時代までのファンタジーっぷりはシリアスなギャグとして十分な威力があるので,その意味ではお勧めである。あ,取締役以降は読まなくていいです。
→ 島耕作の豪遊っぷりが指摘されているが,ある意味面白いのは社長・会長時代になると逆に飯が質素になる。作者自身が老いていて,豪遊できるだけの胃腸じゃなくなったのが反映しているのかもしれない。
→ 最新の展開のインドの天才AI開発者を人情話で口説いた話,確かに取締役以降でも出色のひどさだった。会長時代の島耕作は「日本経済の将来を憂いで,ホットな話題を調査する」という名目で遊び歩いているだけなので会社としては完全に害悪であり,たまには仕事したと思ったらこれであるから尚更である。
→ しかし,このまとめでさえ探偵グレちゃんと千鶴は無視されるんだなぁ。なんでだろ。二人とも大町久美子並の巨大なファンタジー要素の一つだと思うのだが。


・演説中のサンダース議員、目の前に小鳥が(BBCニュース)
→ 思わず「 アッシジの聖フランチェスコかな?」とコメントしてしまったが,英語でググるとやはり同発想の人はいた。これは連想するよね。私は別に彼の支持者ではないが,まあ聖人らしさはどこかある人ではある。


・横綱力士の金星配給に関するノート(Yahoo知恵袋)
→ これは良いデータ集。白鵬が異様に少ないのと,日馬富士がちょっと多いのは知ってたけど,鶴竜がこんなに少ないとは。彼がいかに安定しているかわかると同時に,にもかかわらず優勝回数が少ないのはやはりまともに大関・横綱に負けてるせいだよなぁと。
→ 引退した力士だと,朝青龍が少ないのはイメージ通り。貴乃花が案外多いのは,ケガして無理に出た時が多くて配ってるからか。同様に武蔵丸もイメージより多い。彼も鶴竜と同じタイプの成績だと思っていたので。若乃花についてはノーコメントとしたい。今気づいたが,若貴時代は平均的に高くて,むしろ低い曙が例外的なのかも。


・モルドヴァでルーマニア統合派が集会(ウクライナ時事評論)
→ その発想はなかったwwwwwwww>「まあしかし、ルーマニアと合同できれば、一瞬でEU、NATO加盟が実現できる。ウクライナもポーランド、リトアニアと再合同すればry」
→ まじめな話をすると,モルドヴァ領内のロシア人がどうなるかが焦点ではあるが,ルーマニア人からすれば合邦できるならその方が良いだろう。ロシアの歴史的影響力で無理やり引き剥がされた地域なのだから。
→ ところでそうなるとポーランド・リトアニアですなぁ。ある時期までのある程度長い期間,ウクライナの西半分はポーランド・リトアニアだったのは案外忘れられがちなところではあり。


・【訃報】去る平成28年3月22日あごバリア先生が急逝されました
→ 割りとファンだったので,まっとうにショックである。
→ あごバリア先生というとおそらくあまり名シナリオライターという印象の人は多くなく,これにはメインで執筆された『SHUFFLE!』のシナリオが非常につまらなかった(かつこれが一番売れてしまった)ことの印象が強いせいであると思う。しかし,その続編・スピンオフ作品まで巻き添えで評価が低いのは納得が行かず,『Tick!Tack!』と『Really? Really!』のシナリオはおもしろかった,というのは氏のファンとして今後も良い続けていきたい所存である。特に『Really? Really!』のギャグは本当に切れていた。  
Posted by dg_law at 01:08Comments(0)TrackBack(0)diary