2020年02月29日

2020年02月20日

エロゲレビューまとめて(『ラムネ2』他)

前回。約11ヶ月ぶりに。

扱っているのは『美少女万華鏡4』,『すみれ』,『ラムネ2』,『ねこぱら』vol.3。『千桃』は長くなったので別に記載済。

  続きを読む
Posted by dg_law at 23:39Comments(0)Eroge_review

2020年02月18日

レビュー:『千の刃濤、桃花染の皇姫』

略称『千桃』,発売は2016年。やっとレビューを消化できた。さて,本作を例えるなら,三つ星シェフによる超豪華フルコースを注文したら,前菜で白玉あんみつが出てきた。ワインには合わないなと思いながらも適当にあしらって食べ進めたら,メインディッシュの肉と魚はちゃんと一級品だった,という感じ。前半の学園・アイドルパートと政治・バトル・伝奇パートの食い合わせが悪すぎる。特に政治・バトル・伝奇の設定がこれだけ凝りに凝っているだけに,なぜ学園物をくっつけた。

以下,あまりネタバレなし。


  続きを読む
Posted by dg_law at 01:00Comments(0)Eroge_review

2020年02月17日

ニコ動の動画紹介 2019.1月中旬〜2019.2月上旬



このゲームを全然知らなかったのだけど,初期の漫画『ドラゴンボール』の世界観の再現度がすごい。アクションゲームと格ゲーがスムーズに切り替わるのは良い発明。




おやつさん。味方にソウルスティールを覚えさせる。サブフレームリセットはまさかの人力。素直にTASを使え。



チートコードやデバッグルームも使っての検証。使った手段によって結末がけっこう分岐するのが面白い。




shelfallさん。満点と最低点。満点は別の動画でも見た気がするが,最低点は初めてかも。



ぅな〜さん。FF5が終わったので,次はFF6に。FF6のアクティブタイムバトルスピードについての検証動画。ナンバーごとに仕様が大きく違うアクティブタイムバトルだが,FF6の場合,AS1は大きな不利になるということがわかる。



2020年の第16回は6月実施だそうで。忘れずに投票しないと。




最近プラリネを聞くと泣く身体になったのでニコマス作品を発掘していた。



上半期20選選出。エディテッドPV。ただでさえ美しいMelty FantasiaのPVがさらに美しい。



上半期20選選出。久々のeitei枠。いつもながらによくできてる。四条貴音ウルトラマン説はありそうで見てないかも。



上半期20選選出。PARIM@Sの傑作。テンポの良さとGRIDMANへのスムーズな移動がすばらしい。なお,オーイシマサヨシが言及した結果,「餃子、パリッとさせたくて」がシャニマス流行語大賞となった。関連するどちらの元のイベントも,灯織の生真面目で不器用な性格が出ていて大変良い。



上半期20選選出。PARIM@Sからもう1つ。このネタにこの曲の存在を思い出して持ってきた時点で強い。  
Posted by dg_law at 01:00Comments(0)diary

2020年02月16日

SNSが変わると文化が変わるしね

・東方Projectの同人CDをサンプリングした「Omae Wa Mou」がTikTok経由で世界中でバイラルを巻き起こしている謎現象について(柴 那典|note)
→ ブコメにある指摘も含めて経緯をまとめると,東方原曲「今昔幻想郷」(ZUN,『東方花映塚』2005年8月)→東方アレンジ「タイニーリトル・アジアンタム」(Shibayan Records,2013年5月)→訴えられたら負けそうなほどの丸パクリサンプリング「Omae Wa Mou」(deadman,2017年9月)→それを使ったラップ「Already Dead」(Lil Boom,2018年4月)→Lil Boomが「Already Dead」を用いた自作のアニメMADをインスタに投稿(2018年4月)→Twitterでマイクラ動画のBGMに「Already Dead」が採用されて一気に広まる→TikTok内でダンスチャレンジのBGMとして大流行(2019年8月)。一応は最後のダンスチャレンジで5次創作か。東方という型を保ったまま8次創作まで行った傷林果とはえらい違いだ。
→ ぐちゃぐちゃで文脈がぶった切れているからこその伝播・流行とは言えそう。東方アレンジであるという要素が消えれば単なるノリの良いボサノバの曲ではあるので。TikTokの段階に至っては日本語ということすら認識されていなさそうである。それにしてもまあ,東方花映塚はともかくとして,「お前はもう死んでいる」は当然『北斗の拳』だし,deadmanのアイコンと「Already Dead」の背景は『のんのんびより』だし,Lil BoomのアニメMADは『リゼロ』だし,日本コンテンツの酷使がすごい。


・日本語と台湾原住民のタイヤル語が混じった言語、宜蘭クレオールが話されるトビウオの街、東澳へ(今夜はいやほい)
→ 日本語のクレオールなんてあったんだなというところからしてまず新鮮。単語は聞き取れるけど文としては意味を理解できないなどという体験は,母語が日本語の人間にはここでしかできまい。訛りきった方言だと単語すら聞き取れないので。


・「古代のサフラン染めがしたい」→染色職人と追いサフランが続々と集結、ついには花嫁衣装が染まり上がる #古代ギリシャ自由研究(Togetter)
→ また何か藤村シシンさんたちが変なことをやってるぞ,という話。古代から様々なものの値段が相対的に下落した現代日本だが,サフランは古代でも現代でも高い。コメントで本人が補足しているが,絹も現代でも高い。もっとも,当時だと現代日本よりもさらなる高級品だったと思われるが。アレクサンドロス以前だとそもそも「見知らぬ果ての地」から来る物産だったわけで,とんでもない貴重品であった。
→ ガスコンロと寸胴鍋,乾燥機と近代科学で進められる行程と完成品のギャップがすごい。綺麗に染まるものだなぁ。煮汁の余りをパエリアに転用していたのも現代人的ですばらしい。
→ やはり次は貝紫染めをですね……


・多くの人がジェノベーゼを誤解している件〜緑じゃない本当のジェノベーゼパスタを作ってみた(肝臓公司)
→ これは全然知らなかった。個人的な判断基準だと,これは今からでも社会的に直した方がいいやつだと思う。さりとて「ペスト・パスタ」は絶対に定着しないだろうから,方針転換するならバジリコペースト・パスタになりそう。
→ パルメザンチーズが上手いこと粉チーズに軌道修正したのはけっこう良い社会実験の成功例だったと思われ,あれを考えるとこれもやってできないことは無いと思われる。あれはEUと日本のEPA交渉の過程で問題点として浮上して一種の強制力が働いたので(もっとも最終的にパルメザンとパルミジャーノ・レッジャーノは別物という判定が下されてパルメザンも生き残ったのだが),在日イタリア大使館辺りが取り上げて日本の大手食品メーカーに陳情すれば,同じような流れになってがらっと変わっていきそうな気はする。  
Posted by dg_law at 00:43Comments(0)diary

2020年02月06日

牛肉の生産量・輸出量はよく出題される印象がある

・飼料用コーンを食べよう(歯ごたえのある虚無)(Togetter)
・飼料用コーンを食べよう(歯ごたえのある虚無2)(Togetter)
→ こういう「消化できるんだったら食えるよな!」系の調理ネタ,面白いから好き。ざざむしとか平坂寛さんとかのと同じ系統に並べられる。
→ 味の虚無性については,ペット・フードを人間が食べると虚無の味がするという話をよく聞くので,飼料用コーンも虚無と言われると説得力は高い。じゃあ味をつければいいのでは,というのは正論なのだが,それってまんまデンプンを無理やり食べていることになるわけで,それはそれで悲しいオチという気も。
→ その点で,ちゃんと素材の味が活かせるようになる圧力鍋は偉大。次点が水で煮ただけのやつ,それ以上に加工すると虚無になるということは調理の過程で味が消えていくのか。不思議だ。


・寄稿=成長し続けるパ国牛肉輸出=世界第6位の生産国に躍進=亜国は輸入国に転落の危機?
→ 確かに,いまだにアルゼンチンが牛肉の輸出国上位のイメージはある。この記事が2015年のデータなのでもうちょっと最近のものを参照すると,2019年ではブラジル・インド・オーストラリア・USA・ニュージーランド・カナダ・アルゼンチン・ウルグアイ・パラグアイ・EUの順になっていて,アルゼンチンはこの2015年を底に急回復したようだ。記事中にある農業政策が転換されて,大豆から牛肉に回帰したのだろうか。
→ インドが上位にいることに驚くブコメがあったが,これは高校地理の範囲で解答が可能だ。インドはヒンドゥー教徒が多数派だがムスリムや他の諸宗教も少数ながら住んでいる……というイメージがあろうと思うが,そもそもの人口が約13億人であるので,その他の信徒だけでも軽く1億人超が住んでいる。しかも,他国と異なって国内需要が少ないため,生産量の多くを輸出に回せる(これは人口の少ないオーストラリアやニュージーランド,カナダ辺りも同じ)。しかも近隣諸国は別にヒンドゥー教徒が多数派というわけでもないので輸出しやすい。結果的に生産量でもそこそこ上位なのだが,輸出量だと2位にランクアップする。


・「酒を飲まない人」をバカにする人たちは「大きな勘違い」をしている(現代ビジネス,藤野 英人)
→ 私自身は体質的に飲めるしお酒は割と好きだが,飲み会でなければ飲まない(日常的にはほぼ一滴も飲んでいない)くらいの立ち位置なので,こういう下戸の人の感覚はわかるつもり。
→ 紹介されている統計の通り,社会の変化は確実に来ていて,同年代か若い世代は飲み会でも本当に酒を飲まない。飲み屋の一杯目が酒よりノンアルコールの方が多い飲み会も普通にある。ブコメにもあったが,アルハラも含めて飲酒にかかわる文化自体が陋習に見えるので嫌いという人もかなりいる印象はある。


・フランシスコ法王が祈祷に異例の遅刻、エレベーターに閉じ込められ(AFP)
→ このニュースに対し「新手のバビロン捕囚かな?」「ヴァチカンの囚人かな?」という大喜利が日本で局所的に行われていたのだが,英語圏でも盛り上がっていると思いきやぐぐってみるとそんなことも無かった残念。


・富士登山の「頂上ご来光」を見直す時期なのではないか(経営と登山のあいだ)
→ 二度富士山に登頂しているが,確かにご来光目当ての登山に人が集中しすぎているように思うし,富士山にはそれに耐えうるだけの設備がない。明らかなキャパオーバーである。ただ,前にも指摘したが,あの渋滞や危険な事故の原因は吉田ルートの道が狭すぎることなので,拡張すればかなり解決すると思うし,それほど難度の高い工事とは思われず,やらない理由がよくわからない。財源が無いなら入山料を値上げして確保すべきだろう。
→ あとは本記事で指摘されている通り,シャトルバスの吉田口五合目への入構自体を規制してしまえば混雑緩和は可能である。夜間弾丸を全面禁止するところまではしないにせよ,そもそもご来光目当てで吉田口五合目まで来る人の数を減らすべきだろう。シャトルバスもなぜあんなに吉田口に集中させず,富士宮や御殿場は無理にしても須走口五合目にもっと人を集めてもいいはずである。須走ルートの山小屋が少ないからということなのか。富士山は全体的に観光資源としての売り方を再考した方がいい。  
Posted by dg_law at 12:00Comments(0)diary

2020年02月02日

諏訪・霧ヶ峰旅行記(2019年8月)

またの名を第四次諏訪巡礼記。「百名山を1つ踏破したい」「東京の夏が暑すぎるので避暑に行きたい」「なにかの聖地巡礼が良い」という理由が複合してこうなった。諏訪は『東方風神録』・『ヤマノススメ』・『ゆるキャン△』・『咲-Saki-』の4つをまとめて聖地巡礼できる素晴らしい土地である。珍しく頬付を欠き,メンバーはしいかあ,涼風の3人。ちなみにこの時の私は7月末から富士山登山→出張→コミケ東北旅行→この旅行と5週間くらい連続で出かけていた。何がそんなに私を旅行に掻き立てていたのだろうか。


新宿駅から特急あずさに乗って茅野で下車。東京から3時間というのは距離を考えると交通の便が良いと思う。この日はレンタサイクルを借りて諏訪大社上社に向けて出発。レンタサイクルが電動アシスト付に進化していてちょっと驚くと同時に,体力温存につながってありがたかった。自転車で移動して上社本宮→神長官守矢史料館→上社前宮と巡回。私は全部2回目なので案内役。上社本宮で明神湯(お手水が温泉になっている)を紹介できたり,諏訪の神社はどこでも四隅に御柱が立っているという話をしたり,「あれがリアル早苗さんのおうちです」ができたりしたのが良かった。



絵馬の様子は8年前と変わらず。『東方風神録』はさすがに息が長い。なお,ここに映したT20さんは定期的に4つ全てを回っているようで,全社に絵馬が飾ってあった。神長官守矢史料館は近隣の案内看板や展示が豪華になっていて,明らかに金回りがよくなっていた(東方厨が社会に役に立ってたぞ)。史料館の解説のおじさんに「洩矢神社には昔行きました」と言ったら「藤島神社にも行かないと片手落ちだぞ」とたしなめられてしまった。八坂神奈子には興味がなくてすまんな。

前宮参拝の際には過去に行きそびれていた茶処山里へ。『東方風神録』の聖地巡礼の拠点はここである。中は大洗駅の駅内にあるガルパンコーナーのような感じの一角があった。ただし,公式がグッズ展開をしていない東方projectなだけあって,同人誌が圧倒的に多い。また,ゲストブックに描かれた絵がどれも上手い。同行3人は誰も絵が描けないので「ひょっとして日本人は誰でも絵が描けるのでは。我々は日本人として重要な遺伝子が欠落しているのでは」等という話をしていた。昼飯はここで信州そば。



茶処山里を出たら茅野駅に戻ってレンタサイクルを返却し,電車で1駅ずれて上諏訪へ。同行者に例の足湯を紹介できてこれまた満足。駅を出て酒蔵街に歩いていって飲み歩き。諏訪の日本酒飲み歩きは,飲み歩きに屋台などの出店も含めたイベントが例年3月と10月の年に2回開催されていたが,これは一旦中止となり(2020年3月に復活する見込み),代わりに酒蔵五蔵を順に飲んでいく飲み歩き,改め「酒蔵めぐり」そのものは常設となった。今回はその常設になった酒蔵めぐりである。私としいかあさんは実のところ日本酒がそこまで好きというわけではないのだが,涼風さんが日本酒好きで大変満足そうであった……というよりも彼は満足しすぎて最後の真澄が終わった頃には完全にへべれけ&千鳥足になっていて,結局しいかあさんがほとんど肩を貸す形で以後は移動した。

そんな涼風さんを引きずって上諏訪駅に戻り,時間が余っていれば諏訪湖湖畔に行って『咲-Saki-』の聖地巡礼でもしようかと思っていたが,タイムアップでカット。また1駅だけ動いて下諏訪駅下車。徒歩40分かけて坂を登り,住宅街の家々がかなり薄くなってきたところでこの日のお宿の毒沢鉱泉 宮乃湯へ。この温泉旅館は秘湯としては完璧だった。部屋は純和風で,空いているなら離れの部屋の予約をとるのをお勧めする。設備は意外と新しく,wi-fiも完備。バリアフリーにこだわりがあり,敷居に段差が無いのも車椅子の方にはありがたいポイントだろう。夕食の桜肉鍋も美味しかった。とはいえ,やはりph2.4の極端な酸性の鉱泉が最大の魅力で,毒沢鉱泉を名乗るだけはあった。


翌日は坂を下って下社秋宮・万治の石仏・下社春宮と観光して下諏訪駅へ。バスで移動して霧ヶ峰へ。朝が早かったので霧ヶ峰到着時点で11時半頃,標高は1,500mを超えているはずだが,日が照っていて大して涼しくなかった。地表が36度とか37度だと,標高が1,500m程度で9度下がった分ではまだ暑い,と考えると別に不思議でもなんでもないのだが,こういうのは理屈ではなく,霧ヶ峰の名前に反して暑いという状況がちょっと面白かった。うろうろと散策しながら車山高原の方向へ向かい,『ゆるキャン△』でリンちゃんがボルシチを食べていた「ころぼっくるひゅって」に行ってみるも,ボルシチ完売。どころかケーキ以外の食べ物完売という状況であった。これは聖地巡礼とは関係なく,ころぼっくるひゅってが人気の山小屋であり,天気が良く人出があったということであった。悔しいのでケーキだけ食べて写真撮影。



リンちゃんが行ったときには空いてたじゃん,と思うかもしれないが,実はころぼっくるひゅっては12月に入ると冬季休業になってしまい,リンが行ったのはかなり閉店ぎりぎりの時期で店としては来客の少ない時期だったと思われる。繁忙期にボルシチが食べたいなら朝8時の開店直後に行って朝飯として食べるのが正解かもしれない。仕方がないので近くのベンチで適当に昼飯を食べた後は車山に登って無事登頂。



爆笑したのが2枚目の写真,わかります? こんなところの神社でも4本御柱が立っている。しかも案内板の説明によれば,なんとちゃんと御柱祭までやっているらしい。諏訪人のナショナリズムはすごい。これを見ながら同行者と「神社に御柱が立っている範囲によって,”概念上の諏訪”の範囲を測ることができるのでは?」という話をしていた。そういう研究はすでにありそう,とも。知っている方がいたら是非教えてください。あるいはこのブログを見ている民俗学者の人がいたら是非調べてみてください。私も気になっています。

この後は下山してバスに乗って上諏訪駅へ。そこから特急あずさに乗って帰宅。これだけ過密スケジュールだったのに一泊二日でこなせて翌日にも全然疲れが残らなかった。やはり諏訪はアクセスが良い。まだ美ヶ原高原に行っていないし,ころぼっくるひゅってのボルシチを取り逃しているし,宮乃湯は再訪したいので,多分遠からず(最速で今年)諏訪旅行はもう一度企画すると思う。  
Posted by dg_law at 19:00Comments(0)trip,travel

2020年02月01日

『物語 オーストリアの歴史』のまずい点について簡潔に




山之内克子先生は『ハプスブルクの文化革命』が大変な名著で,『物語 オーストリアの歴史』も面白く読んだ。ドイツの美術史をやっていた人間としては,アンゲリカ・カウフマンに触れてくれたのは,本書がオーストリア各州の地方史の集成であることを考えると当然であるとはいえ,大変に嬉しかった。

・SNSの時代に本を書くということ・・・新書「ヒトラーの時代」に思う(yoshiko Yamanouchi|note)
→ その上で言うと,この説明はちょっと受け入れがたい。そのTwitter上で指摘されていたように,「一次史料との兼ね合い等の事情から,本書では「オスマン・トルコ」で統一する」と冒頭に注意書きを入れておけば解決した話であり,そうしなかった以上は著者・編集者側の落ち度であろう。どちらかというと,そうした注意は編集者が払うべきであるので編集者の過失の方が大きい。なので,このnoteで「校閲のレベルが高かった」と言われても,「オスマン・トルコには注釈が必要ないですか?」という指摘を入れられなかったという推測が成り立つために説得力が薄い。あるいは校閲からそういう指摘があっても先生ご自身が無視したかいずれかになるのだから,その場合は余計にまずい。

……というのが実はちゃんと読了する前までの感想で,本書はそれ以外にも用語の使い方等でまずい点が見られ,このnoteの記事の言い分はかなり苦しいと思う。オスマン・トルコ以外にも言い方が古いor勘違いしていると思われる箇所が散見される。用語の不統一もある。むしろオスマン・トルコ以外にあまり指摘されていないのが意外なくらい。自分では確証が無いものと,単なる校正ミスも含めると,自分が気づいたのは以下の通り。

p.19,73他 アウスブルク → アウスブルク
p.36 ヤン・ソビエキ → ヤン・ソビエ
p.72-73 マジャールとマジャールが混在。
p.72 遊牧民”族”という言い方はとがめるほどじゃないがやや気になる
p.79 サポヤイ・ヤノーシュ → サポヤイ・ヤーノシュ
   ※ 私はハンガリー語に詳しくないので,ヤノーシュでも問題ない可能性もある。発音記号やforvoで聞いた限りで,少なくとも現代ハンガリー語ではヤーノシュ。
p.152 オットカール・プシェミスル
   → このままでもいいが,オットカールがドイツ語なのにプシェミスルがチェコ語なのはやや違和感ある。オットカールはオタカルの方がいいのでは。
p.185 皇太子フランツ・フェルディナント → 帝位継承者フランツ・フェルディナント
   ※ ドイツ語で皇太子(Kronprinz)と帝位継承者(Thronfolger)は別の単語であるから,専門家はきっちり訳し分ける傾向が強いように思う。私自身はさしてこだわりが無いが。


アウクスブルク等は先生ご自身が指摘されて直さないということが絶対に無いものであるから,校閲から漏れてしまったのだろう。それだけに,中公新書の校閲は本当に機能していたの? という疑念はどうしてもわいてしまう。そして一点だけ,こうした用語の古さが認識に影響を与えていると思われる点がある。p.408。

>「トルコ軍がふたたびウィーン盆地に宿営を貼るのは,それからおよそ一世紀半後,1683年になってからのことだった。このとき,第19代皇帝メフメト4世の治世下,すでにオスマントルコ帝国は斜陽の時代を迎えようとしていた。国勢回復の最後のチャンスを宿敵ハプスブルク家との戦争に見出そうとした大宰相カラ・ムスタファは,同年3月,15万人の兵を擁してアドリアノープルから西進を開始したのだった」

解説するまでもない気もするが念のため,「斜陽の時代を迎えつつあった」のは当時の帝国の内実やその後の展開を知っている現代人の認識としてまだ誤りとは言い切れないが,当時の人間の認識として第二次ウィーン包囲が国勢回復の最後のチャンスだったというのは誤りと言っていいだろう。なにせ第二次ウィーン包囲の直前がオスマン帝国の最大領域で,まだ押せ押せで各地に侵攻していた時期なのである。詳しくは同じく中公新書から出ている『オスマン帝国』(小笠原弘幸,2018年)を参照のこと。





内容が大変に面白いだけにこうした細々とした指摘をしなければならないのは残念である(そう,これらの指摘のほとんどは細々としている!)。言うまでもないが人間に校正ミスはつきもので,どんなに注意しても大人数をかけてもなくならないものはなくならない。私も単著を出しているのでそれは重々知っているから,よほどのもの以外は気にしないようにしている。だからこそ,そういうのを”多くの人に気にさせてしまう”,着火点としての「オスマン・トルコ」の表記は対処すべきものであった。改めてそう思ったのでこの記事を書いた次第である。  
Posted by dg_law at 19:00Comments(0)history

2020年01月31日

豪栄道引退に寄せて

豪栄道は大阪の寝屋川市出身だが,巨人ファンだそうで,どうしてそうなったのかはちょっと気になる。稀勢の里と同い年だが,稀勢の里が中卒で入門して早々と出世していったのに対し,豪栄道は埼玉栄高校に進学,高校横綱になるなど,アマチュア時代から名を馳せていた。全日本相撲選手権大会が3位であったから,あと少しで史上初の「高卒幕下付出」であったし,現在の制度であれば余裕の三段目付出であった。そのため本名の「澤井」も早くから注目していた人たちの間では通りが良く,四股名を得てからもしばらくは澤井と呼んでいた人も多かった。

2005年初場所で前相撲,2006年九州で新十両,2007年九月に新入幕でその場所11勝の敢闘賞,2008年九州で新小結であるから,出世はかなり早い。だが,そこから先が長かったのは稀勢の里と同じだった。エレベーターの状態を脱したのは2012年頃。その間に野球賭博問題により2010年の名古屋場所は出場停止となった。今思い返すにこの出場停止から相撲が改善されたので,本人としては思うところがあった転機だったのかもしれない。この足踏みもあり,2010年頃までは栃煌山や琴奨菊の方が評価が高かった。栃煌山はもろ差し,琴奨菊はがぶり寄りの技が確立されていたのに対して,豪栄道はこれといった型が無かったというのもあった。もっとも,最後まで型の無いまま引退するとは思っていなかったが。

2012年五月に新関脇に昇進してからは14場所連続で関脇に在位し,史上最高記録を樹立。丸二年以上関脇の片方を独占していた形になる。琴光喜も2005年から2007年にかけて11場所連続で関脇,魁皇も1995年から1997年にかけて13場所連続で関脇であったが,これらの記録がこれほど短い間隔で破られるとは思っていなかった。関脇最後の三場所は合計32勝で目安に達していなかったが,14場所連続在位も評価されて大関昇進となった。稀勢の里同様に「いつかは大関になる」と言われ続けていた人ではあったが,その稀勢の里から2年遅れることになった。稀勢の里も随分かかったという印象であったが,豪栄道も長かった。とはいえ大関昇進前後で相撲ぶりが変わったというわけではなく,関脇時代とさして変わらなかったので,大崩れも少ないが二桁もなかなか勝てないという状況が続いた。ただし,後述するように豪栄道は日ごとの調子の波が激しいがために終わってみるとそのような成績になってしまうのだが,好調で相撲勘が抜群の日が連続で続けば自然と無敵であり,2016年九月のように優勝する場所も出現した。逆に言えば不調の日が続けば普通に負け越すので,カド番は9度に渡った。大関在位時の勝率は.572とお世辞にも高くなく,歴代の大関は.580〜.590になったあたりで引退に追い込まれているので,むしろよく低空飛行を維持したという部類に入る。ケガの存在を全く公言しない力士であるので休場の際の診断書でしか推測できないが,それだけで全身ケガだらけの満身創痍であったことはうかがいい知れる。


取り口について。まず日本人としてはがっちりとした体格でほとんどの力士に当たり負けせず,立ち合いで立ち遅れる悪癖が大関昇進頃まで改善されなかったが,それでも形になるだけの受け止められる力があった。立ってさえしまえばむしろ瞬発力があり,良くも悪くも出たとこ勝負で勝負が決まるのが豪栄道の相撲であった。一つ一つの技の切れ味が鋭く,相手の隙を突いて一撃の投げ技なり押し相撲なりで決めてしまう相撲は見ていて痛快であった。良くもあんな変な差し手で寄れる(投げられる)ものだ。というのも力をかけていいタイミングの見極めが絶妙なのだろう。組んでも離れても取れ,後述するように極端な苦手力士もいなかったので,そのフラットさはかえって際立つ特徴だったと言えるかもしれない。

一方,相撲全体に戦略がなく,こうなったら必ず勝てるというような必殺技も無かったので,理詰めで攻められると逆転の機会無く詰んでしまう。相手が攻め急いで攻め込んでくれた方が豪栄道にとっては良く,あえて豪栄道の特徴と言える技を挙げるなら,絶体絶命の状況から繰り出される首投げとなるのは満場一致の解答になろう。好調な時は首投げを出さざるを得ない状況にならないから,首投げが出る時はどちらかというと不調な時であり,得意技は調子のバロメーターであるという不思議さも豪栄道の魅力であったと言えるかもしれない。優勝した2016年九月では12日目まで一度も出なかった……それだけに13日目で日馬富士に見舞った(最終的にこの場所の首投げはここだけ)のには爆笑してしまったが。

そういう取り口であるので調子がその日の相撲勘に完全に左右され,場所ごとの調子どころかその日の調子に勝敗が大きく左右されたのも,豪栄道の特徴だろう。極端に合口の悪い力士はいなかったが,逆に言えば実力通り・番付通りの勝率になるということで,白鵬・日馬富士・鶴竜・稀勢の里戦の勝率は悪い。あとは遠藤に負け越したが,これは前述の通りで理由がわかる気がする。逆に相手も身体頼みで来る貴景勝や照ノ富士には勝ち越しており,パワープレイヤーキラーであったとは言えよう(その割に逸ノ城には分が悪かったのだが)。実は白鵬については大関昇進直前期に限れば勝率が高く,これは白鵬の「場所前半は可能な限り手抜きして,省エネで勝つ」という戦略を突いて,雑になった部分を攻めて勝つということをしていたためである。これは大関に昇進した結果,白鵬が大関相手だと省エネ相撲をとらないので,再び白鵬の分が良くなっていったのだが。


古風な力士で,極力自分のケガの有無を言わず,よほどのことがなければ休場せず,言い訳もせずに沈黙を貫き,あくまで土俵の上の振る舞いですべてを示すというタイプであった。それだけに9度のカド番は本人が一番こたえたのではないかと思われ,すぱっと引退を決めたのもわかる気がする。個人的な好みで言えば力士にはアスリートであってほしいのでもうちょっと話してほしかったところだが,「古き良き」を尊重すべき部分もあろう。遠藤もそうであるようにこの流儀は今後も引き継がれていくだろう。お疲れ様でした。  
Posted by dg_law at 18:18Comments(4)sports

2020年01月28日

ニコマス20選・後から追加編(2014〜2018)

半期ごとのニコマス20選ではあるが,2014年以降の私の選出は20作品未満しか選出できていない事が多い。しかし,その後自分の見聞が広がって,当時知っていたら選出したであろう作品を拾うことが多くあり,今選び直せば20に到達する期がいくつかあったので,そういう期の再選出をしておく。


2014年上半期。16本は選んでいるので残り4本で,2本追加選出。



完全に入れ忘れ。アイマス男性陣の面目躍如たるトレスアニメ。



まさに楽団ひとり。鍵盤は万能だなぁ。



2014下半期。15本選出しているので残りは5本。追加の選出は4本。



当時はミリオンライブをそんなに知らなかったので。今なら間違いなく選出。



これは当時なんで入れてなかったのかが全く思い出せない……ブロガー出身なだけあって製作あとがき付なのがまた良い。



eitei枠のはず。単純にeiteiPを追い損ねていたのだと思われる。家庭菜園(意味深)(アカン)



選出期間中に知らなくて漏れたと思われる。おしゃれな曲でおしゃれなメンバー・衣装とこの方向で突き詰めたエディテッドPV。



2015年上半期2015年下半期は20の枠を使い切っているのでパス。2016年上半期は17本選んでいるので,残りは3本。追加の選出は無し。2016年下半期は15本選出で残り5本。追加の選出は5本で20が埋まった。



当時未選出の理由は記憶なし。知らなかったとも思えず。当時の記録を見るとノミネートはしていたらしい。



/sec.P。合作の単品で,当時は合作自体を見ていなかったものと思われる。perfum@sでアニマスが主体なのは当時も珍しかった記憶。



これは期間中に知らなくて漏れたやつ。間に合ってたら確実に入れていた。すばらしいダンスと色合い。



eitei枠で選出漏れ。なんだか知らないけどeiteiPは漏れてしまう。大爆笑。途中までは雪歩誕生祭とは気づかない。よく考えるなぁ。



英語だけ発音が流暢なのずるい。



2017年上半期は14本選出で残りは6本。追加は4本。



トカチP。作品の存在に期間外に気づいたやつ。トカチPがまだPVを作っているのを知って嬉しかった記憶。のあさんがアイドルになる物語。



これも期間中に知らなかったから選べなかったやつ。大橋彩香の曲を使っているのが良い。



これも期間中に知らなかったやつ。ナイス完全再現。



多分選出期間に気づいていなかったやつ。これは時代性が重要なので,選出しておきたかった。3人ステージの曲を無理やり5人ステージにするやつ,昔ながらのニコマス感強い。



2017年下半期は15本選出済みで残り5本。追加の選出は5本で埋まった。



これはたらひさんの存在に気づいていなかったやつ。知ってたら当然入れていた。この辺から技術的進化がすごいことになっていったんだなぁ。



多分,当時はどうせならダンスの動画も欲しいとかいうわがままな理由でノミネートでとどめた気がした。今となっては正規に選出で良かったという気分である。



うしわかP。当時は単純に気づかずに未選出。デレステでもしっかりとしたうしわカラーになっているのがすごい。



whoPが戻ってきているなら誰か教えてくれよ……。



トカチPによる田所あずさ曲による最上静香のダンスPV。ミリシタでも生きているトカチPの丁寧なダンスシンクロ。



2018年上半期は選出がわずか8本。「5本を割ったら次回から不参加」と言っているが,幸いにも2019年はそれを割ることがなかったどころか,二桁選出に戻っている。さて,残りの枠は12本。追加選出は7本。この追加選出数を見るに,単純に私が2018年上半期はなんらかの事情でニコマス見ていなかっただけっぽい。節穴すぎでは。



期間中に知らなかったもの。ちょっと珍しい,妖艶なアーニャ。



これも期間中に見ていない。流行していた「一人合作」を一つくらい選出してもいいか,という気持ちで追加選出。雪美ちゃんもボイスついて本当に良かった。



これも期間中に見ていない。仲良し三人組が歌いだしたところで大爆笑してしまった。反則である。



これは当時見ていると思うが,未選出の理由は不明。じゃがm@sをうまく消化……昇華した。



当時未視聴。神風P投稿してるって誰か教えてくれよ。



当時未視聴。待つ氏が久々に投稿していた。次の据え置き機は玲音が出てくるようで嬉しい。



当時未視聴。素晴らしい手描きMAD。



最後,2018年下半期は13本選出。残り枠が7本で,追加選出は4本。



これは当時ミリマスを知らなかったので未選出。なんというもったいない。



4動画にまたがってて長すぎて見そびれていたら,2019年になっていたという記憶。参加メンバーが本当に豪華。



当時未視聴。カニルPは透けm@sterの人と思われがちだけど,本職はこっちで,面白いことをやっている。



当時未視聴。今ミリシタ素材でPerfumeM@sterをやるならEscapeになるのだなぁ。  
Posted by dg_law at 18:30Comments(0)Nicom@s