2018年04月30日

2018年04月21日

世界史上の諸君主の出題頻度グレーディング:古代ローマ皇帝編

本ブログの歴史系記事の目的は,専門家・市井の歴史ファン・高校世界史(受験世界史)の距離の接近にある。もちろん私は専門家の歴史家ではないので専門知識の普及については他の方にお任せしているが,高校世界史は専門家や歴史ファンにとってもそうかけ離れたものではないということについては,ある程度貢献できているのではないかと思う。

そういう活動をしていて,Twitter等でたまに聞かれる・驚かれることナンバー1が,これだ。
「◯◯朝の◯◯って高校世界史だと教えないの!?」
そう,皆,歴史ファンや専門家にとっては高名な人物や事項が高校世界史だと途端にマイナーになるという現象に驚きを隠せないのだ。特に君主。そこで,私の独断ながら,その乖離を整理し,理由を可能な範囲で付していけば面白いのではないか,と前々から思っていた。思いついてからなかなか腰が上がらなかったのだが,試しに一番需要がありそうなローマ皇帝でやってみようと思う。A〜Eの6段階評価。

A:基礎知識。センター試験世界史B以上の入試を受けるなら知ってないとダメ。
B:国立二次・MARCH以上の私大を受けるなら必要。
B-:教科書に載っていて用語集頻度もそれなりに高いが,便宜上掲載されているという色彩が強く,実際には入試にはほとんど出ない。ネルウァが好例。
C:高校世界史範囲内・外のグレーゾーン。旧課程では範囲内だったものや,資料集には載っているもの等。早慶上智対策としてなら覚える。
D:高校世界史範囲外だが,早慶上智でなら見たことがある。満点が欲しいなら覚えてもいい(が当然推奨しない)。
E:完全な高校世界史範囲外で,早慶上智ですら10年に1回未満のレベルでしか見たことがない。

視認性を高めるために,グレーディングのアルファベットに沿って☆を付した。Aなら6個,Eなら1個である。ズレがあったら☆の数の方が間違いなのでアルファベットの方を信じてほしい。意外と思われそうな人は赤で表示した。また,感覚には個人差があるので☆半分くらいは異論があると思われる。特に綿密にデータを収集してデジタルな判断をしたわけではないので,DとEの差については多く異論がありそうだが,そこはご寛恕いただきたい。そして,本ブログ初のHTML投稿になるので,表示が崩れていたら申し訳ないがこちらの不手際である(livedoorBlogは通常のエディタだと表が掲載できない)。以下,本編。


《ユリウス=クラウディウス朝》
君主名グレーディング
ユリウス=カエサル A☆☆☆☆☆☆
オクタウィアヌス A☆☆☆☆☆☆
ティベリウスE
カリグラE
クラウディウスE
ネロA☆☆☆☆☆☆
非常に両極端なユリウス=クラウディウス朝。そして古代ローマファンとのギャップも非常に大きそう。ティベリウスは探せば出てそうではあるのでDでよかったかもしれない。こういう守成の二代目は「世界史」という単位だと評価されにくい。カリグラはキャラこそ濃いが,確かに業績は無い。“歴史家皇帝”クラウディウスは個人的には嫌いじゃないが,まあEで妥当だろう。ネロはキリスト教の迫害で高校世界史には登場する。ただし,最近あまり見かけないのでBでも良かったかもしれない。

《4皇帝の年+フラウィウス朝》
君主名グレーディング
ガルバ以下3人E
ウェスパシアヌス  D☆☆
ティトゥスD☆☆
ドミティアヌスE
はっきり言って全員出ない。ウェスパシアヌスはユダヤ戦争で,ティトゥスはウェスウィウス火山で見たことがあるかなという程度。おそらく異論もあまり出ないだろう。


《ネルウァ=アントニヌス朝》
君主名グレーディング
ネルウァB-☆☆☆☆
トラヤヌスA☆☆☆☆☆☆
ハドリアヌスB-☆☆☆☆
アントニヌス=ピウスB-☆☆☆☆
マルクス=アウレリウスA☆☆☆☆☆☆
コンモドゥスE
B-の宝庫。「五賢帝」が用語集頻度Г覆里原因である。ネルウァとアントニヌス=ピウスは本当にB-の典型。用語集頻度はイ世,入試で実際に問われる頻度はCも超えてDになるくらい。トラヤヌスは「ローマ帝国の最大領土」の1点で出る。ハドリアヌスは多分ローマファンとのギャップが一番激しい人。意外にもB-にするかCにするか悩むくらいで,ネルウァよりはマシというレベル。問うならハドリアヌス城壁くらいしかない。一方,マルクス=アウレリウスは『自省録』に「大秦王安敦」と入試で引っ張りだこ。ところで,「大秦王安敦」はほぼ確実にローマ皇帝の正式な使者ではなく,インド人かクメール人あたりの騙りとされていて,どの教科書を見てもそういう書き方になっているはずだが,なぜか正式な使者として教えている事例をたまに見かけて頭痛がしている。なお,ルキウス=ウェルスは省略したが,当然E。


《5皇帝の年+セウェルス朝》
君主名グレーディング
ペルティナクス以下4人E
セプティミウス=セウェルスC☆☆☆
カラカラA☆☆☆☆☆☆
ゲタE
マクリヌスE
ヘリオガバルスE
アレクサンデル=セウェルス E
ここもカラカラ以外は無名と言っていい。セプティミウス=セウェルスはCかDか微妙なところ。ローマ史上の重要性(軍人皇帝時代の道を開いた)を考えると,今の用語集から1人だけ増やしてもいいと言われたらこの人なのかなとは思う。カラカラは言うまでもなくアントニヌス勅令による。ローマファンは知っての通り,愚策なんですけどねアレ。高校世界史だとあたかも普通選挙でも実施したかのようなすごい高評価で出てくるので,違和感が。


《軍人皇帝時代》
君主名グレーディング
マクシミヌス=トラクス D☆☆
ウァレリアヌスB☆☆☆☆☆
アウレリアヌスE
その他の軍人皇帝E
マクシミヌス(=トラクス)は最初の軍人皇帝として問われることがあり(例:拙著『1巻』2014早慶5番)が,CかDか迷うところ。ウァレリアヌスはAにするかBにするか迷った。センター試験でも満点が欲しかったら覚えておいたほうがいい。にしても,敗戦・捕縛によって入試の頻出になっているというのもかわいそうではある。アウレリアヌスは軍人皇帝の中では有能という評価でローマ史ファンには通じる人物だが,高校世界史で名前が出てくることは皆無。


《ディオクレティアヌス+コンスタンティヌス朝以後+西ローマ皇帝》
君主名グレーディング
ディオクレティアヌスA☆☆☆☆☆☆
その他のテトラルキア期の皇帝 E
コンスタンティヌス(1世)A☆☆☆☆☆☆
ユリアヌスB☆☆☆☆☆
その他のコンスタンティヌス朝の皇帝 E
ウァレンティニアヌス朝の全員E
テオドシウス(1世)A☆☆☆☆☆☆
その他のテオドシウス朝の皇帝E
ロムルス・アウグストゥルスD☆☆
その他の西ローマ皇帝E
ディオクレティアヌスとコンスタンティヌスとテオドシウスについては説明不要だろう。その他のテトラルキア期の皇帝では,リキニウスがミラノ勅令の説明で出てこなくはないが,入試では見たことがない。ユリアヌスは「背教者」でたまに見る。用語集頻度はイ醗娚阿塙發ぁロムルス=アウグストゥルスはマクシミヌス(=トラクス)が問われたのと同じ入試問題で問われていた。その他の皇帝はホノリウスを含めて,出題は私の記憶には無い。


ビザンツ皇帝は折を見て作る予定。その他の王朝については需要と私の時間の空きを見て考えます。リクエストは常時受付中。あと記事タイトルがしっくり来ていないので,良い案があれば。  
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2018年04月18日

非ニコマス系動画紹介 2017.9月上旬




昔の『ロマサガ3』の縛りプレーを発掘して見始めた。まずはこの辺りから。体術,鍛えるのは大変だけども鍛えるとカウンター,相手の体力を下げる逆一本・ナイアガラバスター,こちらのステータスが上昇するタイガーブレイクと使える技が多くて戦略の幅が広い。最終盤,タイガーブレイクをうちまくるモニカ様が可愛く見えてくること請け合い。




こちらはカタリナの小剣縛り一人旅。分身技こそ無いものの,反撃技のマタドールと回復技のナースヒールが強く,盾が持てるのも長所。武器種類固定の一人旅の中では比較的楽だった部類か。これより楽そうだったのは槍くらいだった。槍は武器自体が種類豊富で強いし,反撃技の風車と分身技のラウンドスライサーがあるし,盾を持てないくらいしか欠点がない。少し辛そうだったのは斧で,分身技のヨーヨーがあり盾を持てるが,反撃技がないのが欠点。意外と片手剣縛りの動画が見当たらなかったが,あれは縛るまでもなく楽なので……残りの弓・大剣・棍棒は果たして(というところで次回の動画紹介にて)。



結婚式の余興の練習だそうで。こんなの流れたら素敵すぎる。





2017年下半期に突如としてブームを呼び起こしたジャガーマンシリーズの元凶。作ったやつも見つけたやつも広めたやつも頭おかしいよ(褒め言葉)。



サガフロンティアっぽい戦闘の動画。本当に二次創作で作るには版権的に公式からストップがかかりそうなレベルの完成度。
  
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2018年04月17日

イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢に会いに行く

ルノワール《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢》新美術館のビュールレ・コレクション展に行ってきた。ビュールレ・コレクションはその名の通りドイツの実業家のエミール・ゲオルク・ビュールレが収集したコレクションであるが,実業家として大成した時期がナチス=ドイツの時期,美術品収集を開始したのも同時期。ナチスが没収した退廃芸術を競売で買い漁っていて,戦後はスイスにばっくれて収集品の返還も拒否し,それをめぐって裁判も戦っているので綺麗なコレクションかと言われると微妙である。それが2008年に大規模な美術品窃盗団に襲われ,2012年に窃盗団が逮捕されて作品は戻ってきたものの(リンク先はAFPBB),もはや財団自身では守りきれないと判断してチューリヒ美術館に寄託する流れとなった。今回の巡回展は寄託前最後のお披露目である。

この辺の話はビュールレ財団の恥と言えるのにもかかわらず展覧会でのキャプションや図録では詳細に説明されていて,「よくここまでぶっちゃけたなw」と思うくらいであったのだが(本展覧会のハイライトはこの詳細な時系列を説明した年表だったかもしれない),展覧会HPではほとんど説明がない。インターネットで広まらなければいいと考えたか,それとも広報側と学芸員側で意志の食い違いがあって,それがこういう形で表に出たか。「グレーだよねこのコレクション」というところまで含めて説明するのが展覧会であるという意志の発露だとするなら,これはこれでおもしろい現象であった。

展示作品数は64点とそれほど多くないが,大作が多くて見応えはあった。展示品はほぼ全て19世紀以降のもの。新古典主義のアングルから始まって,ロマン派のドラクロワ,写実主義のクールベとコローがいて,分類の難しいアンリ・ファンタン=ラトゥールがいて,あとは大量の印象派・ポスト印象派。印象派の物量は圧倒的で,「至上の印象派展」をうたうだけのことはある(さすがに誇張ではあったけど)。さすがに個人コレクションだけあって,今まであまり日本に巡回してこなかったのだろう,初見の作品も多かった。

白眉はやはりルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢》で,「絵画史上、最強の美少女。」と散々宣伝されていたように(美少女に“センター”とルビを振るセンスはどうかと思う),まあとんでもなく美少女である。ちょうどルノワールが印象派からの揺り戻しで古典主義に振れていた時期の作品であり,印象派と古典主義の折衷が,かくもふんわりとした柔らかさと明るさに美しさを同居させることに成功したのだろう。かわいらしい服に長い髪にもかかわらず,快活そうにも見える。ところでこのカーン・ダンヴェール家はユダヤ系フランス人で,イレーヌ嬢は当時8歳であった。年齢から推測のつく通り,彼女はその人生で第二次世界大戦を経験しており,彼女の家族も多くがアウシュヴィッツで亡くなっている。イレーヌ自身はカトリックに改宗してイタリアに移住していたことが功を奏して生き延びた。この作品は戦中にナチス=ドイツが没収していたが,終戦直後にイレーヌの手に戻った。そして1949年にエミール・ビュールレがイレーヌ本人と交渉して買い取ったという来歴であるが,よく売ってもらえたものだ。イレーヌがエミール・ビュールレがどういう実業家であったか知らなかったわけでもあるまいし,イレーヌが困窮していたというわけでもない。創作のタネになりそうなレベルの不思議である。

もう1点の目玉がセザンヌの《赤いチョッキの少年》で(ちょうど窃盗団逮捕のニュースの画像の作品),どう見ても右腕が左腕と比べて長すぎるわけだが,これは奥の緑色のソファと右腕を平行に描きたかったから引き伸ばしたという画家本人のコメントが残っている。リアルさ(迫真性)よりも構図の方が重要と考えるセザンヌらしい発想である。ところで《赤いチョッキの少年》は他にもあり,おそらく本作よりもアメリカのバーンズ・コレクションにある作品の方が有名。キャプション等でそちらに触れられていないのは,説明として片手落ち感があった。


ところで本展,印象派中心の展覧会で,しかも盛んに宣伝されていた割にはそこそこ空いていた。期間が長いので客が分散したか。ともあれ印象派がじっくり見られる機会は(西美の常設展を除けば)そうそうないので,その意味でもお勧め。
  
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2018年04月16日

ちなみに私は字幕派です

・ミュシャ、国宝、運慶が60万人超え。 2017年 美術展覧会入場者数 TOP10(美術手帖)
→ 恒例のランキング。トップ10で行ったのがバベルの塔とアルチンボルトだけであった。ミュシャは前の大回顧展に行っている&スラヴ叙事詩を評価しているのが気に食わなくて回避,国宝展も前に見たことあるものばかりで回避,運慶は仏像にそこまで興味がない&見たことがあるものが多くて回避,草間彌生は全く興味がなくて回避という様相。さすがに長年美術館に通っているだけあって,見た事ある(かつ二度目はいいかなという)ものが多くなってきている気はする。その分,今まで守備範囲外だったものや,自分の趣味に特化した展覧会に行けるようになったので,良いことではある。


・難病で寝たきりの小5、分身ロボで「登校」…遠隔操作で生徒会、かくれんぼも : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)
→ やっと21世紀感ある話が読めたと思った。僕らが待ってた21世紀ってこういうのでは。約50万円というのも意外と安いし,日本で,しかも東京ではなく大分でというのもすごい。これは実験的なものだと思うが,問題が見当たらなければすぐに広がってほしい。


・2020年GW『DOUJIN JAPAN 2020(仮)・コミックマーケット98』開催のお知らせ
→ 2020年のC98はお盆ではなくGWに開催されることに。他団体との連名での発表となっていて,同人誌即売会関連の問題はある程度片付いた模様。ただし,再三言われている通り東京五輪による国際展示場が使えなくなる問題の本丸はコミケではなく,そちらは全く解決策が聞こえてこないので気がかりである。本格的にどうなるんですかね。



→ このシリーズをまとめて見てしまった。有名なアニメネタを細かく上手く消化していて,見ていて気持ちが良い。とりあえずナルト走り腹筋崩壊するからやめろw  
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2018年04月15日

歴史が“あった”日本型クリスマス

・「なぜテロに走るのか?〜国連調査から読み解く〜」(NHK時論公論)
→ 前からわかっていたことではあるが,政府や治安機関の腐敗が最大の原因とのこと。この辺が,現地住民ではなく現地国家に対しては同情できない理由ではあり。警察の給料が安すぎて賄賂を要求せざるをえないというような話はあるだろうが,であれば尚更政府の腐敗が最大のガンであろう。政体が純粋な独裁であるにせよ曲りなりの民主主義であるにせよ,「国民国家」の何たるかが理解されていなければ政府は政治家の私物になるのであり,まだその辺の教育からなんだろうなぁと。


・サンタの歴史:聖ニコラウスが今の姿になるまで(ナショナルジオグラフィック日本版)
→ 3世紀末の聖ニコラウスは,中世末には子供にプレゼントを配る聖人となっていたが,どちらかというとなまはげのようなイメージで,祝日も12/6であった。それが12/25になり,今の恰幅のいい赤い服のおじいさんになったのは19世紀前半とのこと。
・「日本型クリスマスの歴史」(視点・論点)(NHK 解説委員室)
→ あわせてクリスマスネタ。キリスト教色が脱色されているが,サンタクロースはいるという謎の日本型クリスマスは輸入された当初,明治末の20世紀初頭にはすでに出現していたらしい。その後も少しずつ変化はあるが,日本型クリスマスが100年の“伝統”があったというのは驚いた。てっきり戦後の産物だと思っていたので。明治期発祥のものを日本の“伝統”と認めてよいものかどうかは判断がどうしても個別の判断になるが,これについては“伝統”と言ってしまってもよいと思う。そもそも欧米も近代的なクリスマス像が固まったのは上述の記事の通り19世紀前半のようであり,とするとタイムラグもあまりなく。「キリスト教徒でもないのに祝うのはおかしいのでは」というのも,歴史を考えるとかえって説得力が薄いのかもしれない。にもかかわらず,記事中にある「だれもそこに伝統を感じてはいません。」というのは鋭い指摘。キリスト教徒でもないのに祝うというあたりに,誰しもがこっそり借り物感を感じているということだろうか。


・ルーマニアのミハイ元国王死去、ひつぎの前に国民の列 16日に国民葬(AFPBB)
→ ホーエンツォレルン家出身。在位期間は1927〜30年と40〜47年。最初の統治期間は醜聞の多かった息子を飛ばして祖父から孫に継承されたために極めて幼少であり,実態は無かった。1930年にその父親(カロル2世)がクーデタを起こして王位を奪い取ったため,中断期間がある。1940年,当時のファシスト政権がカロル2世を追放し,まだ19歳だったミハイ1世を再び即位させて傀儡とし,これが1944年まで続く。枢軸国の敗色が濃厚となると,ミハイはクーデタを起こしてファシスト政権を解体し,連合国側に寝返るも時すでに遅し。ソ連がルーマニアを占領して共産主義政権を立て,ミハイは追放とあいなった。その後は冷戦が終わるまで歴史の表舞台からは姿を消す。
→ 次に姿を表すのはなんと21世紀になってから。ずっと放っておかれたルーマニア本国からの待遇が突如として好転した。EU入りを目指す上で,ミハイの元王族としての人脈が期待されたからである。ミハイの方も最後のご奉公としてこれに尽くし,ルーマニアは無事2007年にEU加盟となった。これにより一躍国民の人気が高まり,「陛下」の敬称も許された。記事中の「彼(ミハイ元国王)のつつましさと高潔さ、そして並外れた愛国心は素晴らしいと思います」というルーマニア国民のコメントはこのあたりのことを指していると思われる。人生,長生きするとどうなるかわからないものである。
→ これで第二次世界大戦中に君主だった人物は全員亡くなった……と思いきや,実はまだ隣国ブルガリアの国王だったシメオン2世が80歳でご存命である。ただし,シメオン2世は1945年時点で3歳であり実態として統治しておらず,名実ともに国家元首だった人物と限れば全員亡くなったと言ってよい。さらに言えばホーエンツォレルン家で最後の君主でもあった。
→ 葬儀の参列者が錚々たる面々で,スウェーデン王,ルクセンブルク大公,イギリスのチャールズ王太子,元スペイン国王フアン・カルロス1世,ホーエンツォレルン家・ハプスブルク家・ロマノフ家・サヴォイア家・ブラガンザ家の各現当主と,ここだけ一次大戦前。
→ 名目上のルーマニア王は残された娘が継ぐとのことだが,現在この方の地位は宙に浮いている。ほとんど個人への敬意だけで成り立っていた「元ルーマニア国王陛下」の地位を法制化すべきかどうかで国論が割れており,どうやら歴史へのロマンだけで語っていい状況では無さそう。
→ 葬儀の様子は以下の映像から。以上の情報も概ねこの方のTweetからたどった。


  
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2018年04月09日

無数の分岐があるTKG

・【ついに判明!】とある一枚の謎の写真「この観音像はどこにあったのか?」写ったものをヒントに推理続々「ガチ勢すごい」「感動した」(Togetter)
→ いろいろと情報が集まったけども,決定打は仏像の制作者,海洋信仰,子安観音というあたりで,これは美術史学マターであった。地形・植生や写っている人から迫っていくのも裏道っぽくておもしろいけども,やっぱり正攻法は強いなというのが個人的な感想である。


・約55%の人が卵かけごはんを混ぜて食べている(デイリーポータルZ)
→ これはちょっとびっくりした。自分は混ぜる派で,混ぜない派の人に会ったことがなかったので……しかし,記事中にある通り,そもそも他人と卵かけご飯を一緒に食べる機会自体が人生でも稀ではあり,気づいていないだけかもしれない。
→ なお,自分の食べ方をもう少し細かく言えば,醤油は割と多めにかける,泡立つまでは混ぜず,ご飯の底まで溶き卵が行き届いていれば十分くらい。かけてから混ぜるか,混ぜてからかけるかはほとんどこだわりがないが,多分かけてから混ぜる方が多いと思う。
→ やや脱線。親子丼は「鶏肉の入った卵かけご飯」だと思っているので,卵は半分固形くらいの状態がよく,ちょっとかき混ぜたい。これは牛丼も同じで,生卵はあるなら必ず乗せるし,乗せたら醤油を垂らしてちょっとかき混ぜる。でもカレーは混ぜない。あれは上からかかっているわけではなく,白米の横に広がっているので,カレー側から掬っていけばかき混ぜなくても味は混ざるからだ。もっとも,最近は辛いものを避けているので,カレーライス自体めったに食べないが。


・庭園隠者(Wikipedia)
→ 隠者なのに観賞される存在とは。矛盾がすごいパワーワードだ。
→ RPGによくいる「どうやって生活しているんだろう」というような,ほこらで一人暮らししてる髭もじゃのご老人,案外に現実的に不自然ではなかったようだ。18世紀のイギリス貴族は中二病(あえてゴシック・リヴァイヴァルとは書かない)な趣味が流行っていたし,それを実現できてしまう資産もあったとはいえ,あまりにも現代の日本人の考える「かっこいい隠者」像と同じなので,その意味ではちょっと驚いた。ブコメにあったが,テーマパークのキャストと考えるとしっくり来る。なお人権と労働環境。助言が雑だったり意に沿わなかったり,風貌が賢者っぽくなくなったりしたらクビになったんだろうか。
→ そう言えば中国や日本でも賢者は隠者や仙人として山奥に住んでいるものであり,イスラームもスーフィーはそんな傾向があり,インドやアメリカ大陸あたりは知らないし調べてもいないが,隠者たるもの賢者であり旅人や訪問者に意味深な助言を与えるものというイメージは洋の東西問わず,前近代から確立しているものということか。とするとおもしろい現象だ。


・バッドデザイン賞を勝手にノミネートしてみた-2017年度版(酔いどれデザイン日誌 - Drunken Design Diary)
→ なんかもう全体的にすごい。どうしてこんなデザインに。No.2はこれで矢印がボタンじゃないのは信じがたい。こういうエレベーターたまにあるけど心底腹が立つ(が,降りた時には忘れているので実際には怒りが残らない)。No.4の乱視案内板が一番ひどい。これはデザインがひどいというか仕事が雑すぎる。No.6の孔明の罠は文字通りの孔明の罠で,確実にドアに頭をぶつけるやつだ。このデザインで,さすがに奥が手動とは微塵も思わないだろう。  
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2018年03月28日

鶴竜,薄氷の優勝劇

相変わらず外野は騒がしかったが,土俵の上はそれほど悪い印象がなく,それなりに熱戦が多かったように思う。横綱欠場が常態化しており,にもかかわらず今ひとつ変革の様子が見えない幕内上位陣よりは,次の時代を見据えた戦国時代になりつつある中盤の方が見応えがあったかもしれない。優勝争いが混沌としているようで,あっけない終わり方をしたというのは今の幕内上位陣を象徴する光景であった。世代交代というのには今ひとつどころか,今二つくらい欠いているものがあるように思う。

半ば私事であるが,実は今場所全部AbemaTVで見て,休日だけ並行してNHKもつけるというスタイルで初めて視聴してみた。AbemaTVは話題になっているように,
・常にBGMが流れている,しかもヒップホップ
・仕切りの間にCMが流れる
・3日に2日ほどはビギナー枠のゲストが登場し,解説と実況が事細かに大相撲の基本を説明する
・押し力士には無駄にかっこいい紹介Vと謎のレーダーチャートや力士特有のエピソード集が表示され,格闘番組というか格ゲーじみた紹介をしている
といった特徴がある。通して見た感想として,まずBGMとCMは慣れると意外と気にならない。ビギナー枠のゲストは当たり外れが大きく,今後の改善点。他種目のアスリートだったり,頭の回転の早いアイドル・タレントだと大当たりで,特に自身の野球経験を元に語る稲村亜美は大当たりだった。解説は淡々としている人は向いていないが,比較的若い親方や元力士が来るとやはりおもしろい。最高なのは把瑠都の解説。素人目線の解説に慣れているし,適度に挟まれるギャグもおもしろく,解説が非常に的確で技術論が良いし,物言い後の判定等もほとんど予言が的中していた。最後に,紹介Vはよくできている。ちゃんとかっこいいし,特徴が出ている。一方,レーダーチャートとエピソード集はかなりまずく,作り直してほしい。レーダーチャートは基準がバラバラで根拠がなく,実態に即していない。エピソード集は面白いものもあるが,こちらも確証の無いあやしい情報がかなり含まれており,力士に失礼であろう。AbemaTV自体の使い勝手として,ログイン不要・録画しなくてもいい手軽さが最大の魅力で,十分な画質で蛇の目の砂等も十分にわかる。総合すると十分に及第点で,ゲストの様子を見ながら来場所以降も積極的に活用していこうと思う。


個別評。優勝した鶴竜は,よく優勝できたなというくらい悪い出来で,11日目の逸ノ城戦のように力を見せたところもあったが,12日目の栃ノ心戦のように真正面から当たって負けた日もあった。結果として,基本的には引きに引いての薄氷の勝利が多く,一歩間違っていたら13勝2敗どころか10勝5敗となっていた。これについては鶴竜自身に自覚があり,右手薬指のケガが治っておらず,まわしをつかむと強い痛みが出る状態であったから離れて取る相撲にならざるをえず,かといって突き放すのは得意ではないから必然的に引く相撲になったとのことである。相撲の神様が8場所も耐えに耐えた鶴竜に報いを与えたということかもしれないが,それにしてもこの状態の鶴竜を前にして優勝をかっさらえない大関二人が情けないという話もある。したがって,鶴竜が地力を強めたとか復調したという感触は全く無く,来場所以降は不安定飛行に戻りそうで,11勝4敗と予測しておく。

大関。高安は本当に惜しかった。立ち合いの当たりの強さ,当たった後の押していくか組むかの判断,押しと踏み切ったときの突進力も組んだ時の投げのキレもどれもよく,相撲が完成されてきた。一方,負けた3つはどれも不用意な負けで地力が発揮できていない。特に12日目の千代丸戦の敗戦は今場所の流れを完全に変えてしまった。あれを落としていなければ13勝2敗で千秋楽優勝決定戦であり,こうなると高安に分があっただろう。千載一遇のチャンスを逃したと言ってよい。ところで,北の富士氏が「2場所連続の12勝で準優勝であるから,来場所全勝優勝なら横綱昇進の審議にかけるべきでは」とコメントしていた。横綱昇進は「直近2場所が連続で優勝に準ずる成績」であり,また過去の慣例から「直近3場所で36勝」にも引っかかる。あとは優勝経験や過去1年ほどの成績の安定感が加味されるが,高安はケガでの休場を除けば関脇時代から十分に安定しており,来場所優勝なら優勝経験も解消される。したがって,来場所全勝どころか14勝で優勝なら十分に昇進水準であり,むしろ審議にかけられない方がおかしい。個人的には北の富士氏の意見に賛成であるが,世間的にはほとんど反応が無いのが残念である。

豪栄道はやっぱり地元で応援が加熱しすぎるとプレッシャーで力出ないよね,という擁護はできるか。そういえば今場所は首投げを見なかった。首投げが出る時は不調であるが,今場所が好調だったようにも見えず。どうしたのかな。

三役。御嶽海はとうとう関脇を陥落した。7−8ではあるが,出直しに近い。突進力が効く日と効かない日の差が激しく,極めて連相撲の傾向が強い。本当にあの連敗癖はなんとかならないものか。地力は間違いなくあるが,このメンタルでは大関とりはおぼつかない。栃ノ心は相撲ぶり自体は先場所とほぼ変わらず。にもかかわらず10勝で終わったのは運もあるが,かなり対策が立てられてきたというのも大きい。10勝に乗せて大関とりの声もあるが,11勝にならなかったのは厳しい。来場所は大の苦手の白鵬が戻ってくるであろうし,どうか。逆に来場所11勝するようなら本物で,むしろ来場所12勝以上を挙げるようなら,先場所の前頭3枚めでの14勝も加味していきなり大関とりを審議してもよいと思う。逸ノ城は復活したようなしてないような。相変わらず相手を見てやる気を出すかどうか判断している癖はあるが,勝てそうと見なす水準がかなり上がっているようで,やる気のある相撲が多かった。千代大龍はまあ,下りエレベーター。

前頭上位。遠藤はやっと来場所小結である。長かった。人気はあるのに,どうも運がない。相撲ぶり自体は特に変わりがなく,論評しようがない。玉鷲は本当に衰えんなぁ。正代はこんなところで負け越しとは。もろ差しにこだわって自滅する傾向が強かった先場所までに対して,今場所はもろ差しにこだわらなかった相撲が多く,それは良いのだが動きがかえってぎくしゃくしていた。フォームチェンジ中の負け越しだとすると仕方ないのかもしれない。

前頭中盤。魁聖は12勝で立派。負けたのが全部上位陣なのは良いのか悪いのか。それよりは阿炎の10勝の方がインパクトが大きく,動きが激しく見ごたえのある突き押し相撲を取る。本人のビッグマウスやキャラの明るさもあって,あっという間に人気力士の仲間入りしそう。阿炎ほどではないが,大栄翔も突き押しの良さが目立ち,9勝という勝ち星以上に印象があった。千代の国は動きは良かったが,動きが良すぎるというか無駄な動きが多く,あれで体力を消耗するから動きの良さの割に勝てないのでは,と今場所観察していて思った。

前頭下位。栃煌山はいよいよここでも大きく負け越しで,進退が極まりつつある。まだもう少し華麗なもろ差しが見たいし,衰え方が急速すぎるので心配である。勢は豪栄道とは逆に声援をパワーに変えて上りエレベーター。大奄美は10勝していたが,いつの間にか大勝していた感覚で,正直印象がほとんどない。


最後に。大砂嵐が引退した。エジプト出身で,アフリカ大陸初・中東初でムスリム初という初づくめの入門であり,しかも関取になった。2012年3月での初土俵から所要8場所で新十両,2013年7月に所要10場所で新入幕と史上最速ペースで出世し,将来を嘱望された。稀に見るとんでもない膂力の持ち主で,立ち合いのかち上げまたは諸手突きからそのまま突き押していくか,組んでから強烈に引き付けて寄っていく取り口であった。反面,器用さは無く引けばはたきは不格好で,寄りの形はまずくないものの投げ等の工夫がなく,攻めが単調だったために幕内では上手く通用しなかった。身体が非常に固く,無理な体勢でこらえるため膝のケガが頻発し,2015年の上半期あたりで早くも限界が見え始めた。2016年は十両と幕内を行ったり来たりしていたが,2017年には十両に定着してしまっていた。その矢先,2018年年初に無免許で交通事故を起こした。しかも協会に即座に報告せず,警察の取り調べに対しても「妻が運転していた」と虚偽の説明をしていたことが発覚した。協会はそもそも力士の運転を禁止しているので,加えて無免許運転・事故・報告の遅れ・虚偽の説明と汚点が積み重なってしまい,一発解雇という厳罰が処された。

比較的早期に日本語を覚える外国人力士に比して大砂嵐は日本語があまり達者でなく,Skypeで母国の友人とよく話して母語アラビア語の感覚を維持し,場所中でもきっちりとラマダーンを行った。facebookやtwitterを使いこなし,角界では極めて珍しい今どきの国際人な若者であった。とはいえ角界になじめなかったというわけではなく,千代丸をはじめとして友人は多く,社交的な性格はここでも通用していた。不祥事が不祥事なので擁護できないが,実に惜しい若者が角界を去ってしまった。
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2018年03月24日

情熱のでどころ

・【東方】茨木華扇会発表会(2ch東方スレ観測所)
→ 華扇流という日本舞踊の流派があるとのこと。その茨木市での発表会ということだろう,確かに大阪を中心とした流派のようである。なんという偶然の一致。
→ ちなみに記事中にもあるが,画像検索してみると華扇流はセーフ,茨木華扇流だとアウトだった。まあそうなるよな。


・バナナみたいな珍魚『クララ(ウォーキングキャットフィッシュ)』を捕って食べる(デイリーポータルZ)
→ 肉の色までカラフルというのも珍しければ,味が良いというのも驚きである。平坂さんのレポート等で読む限り,こういうカラフルな魚はまずいのが相場なので。うなぎに近い味わいで養殖技術が確立されているなら,マジで代用できるのでは。


・非モテ男子のもとに人外美少女がやって来る物語は江戸の頃から「箱入娘面屋人魚」のマンガがかわいい(Togetter)
→ 作者は誰かと思ったら山東京伝である。天下の黄表紙作家はこんなものまで書いていた。高校日本史では『江戸生艶気樺焼』がよく出題されるが,こちらの方が現代的なインパクトは強い。
→ Togetter内にもリンクが張られているが,原作の絵面がこれまた強烈なインパクト。


ウィキペディア「地方病(日本住血吸虫症)」主筆者・小野渉さん /山梨(毎日新聞)
→ あの地方病(日本住血吸虫症)や,八丈小島のマレー糸状虫症等,山梨県を中心とする熱の入った秀逸な郷土史の記事を書いているWikipedianのさかおり氏がインタビューを受けていた。こういうインターネットの人が本名と顔を明かしてインタビューを受けるのは極めて珍しい。ネットとリアルが接近している一事例と言えよう。
→ このご時世,郷土史は担い手もアイデンティティも確保が難しいが,Wikipediaは案外相性が良いのかもしれない。資格不要で格式張らずに書けるし,秀逸であれば多くの人の目にも触れやすい。自分自身も「受験世界史悪問・難問・奇問集」という企画をやっているが,こうしたライフワークはその業界に貢献したい(そしてそれが回り回って社会全体に貢献する)という熱意がなければ,いかに収入があろうと絶対に続かないという感覚は前からあって,その意味で郷土史をやる人の思いはなんとなくわかるようになってきた自分がいる。


・追跡:「古事記ビジネス」に騙り継がれるトインビー「民族の神話」の系譜(ヤシロぶ)
→ チャーチルのアレとか,ゼークトのアレと並んで時々見る。よく調べたものだ。
→ 1959年までさかのぼれるとは案外古い捏造であるな,というのが率直な感想。こういうのは概ね90年代くらいにインターネットの普及とともに出回ったイメージがある。トインビーが亡くなったのは1975年だから,生前だったりする。 よく捏造する度胸があったものだ。
→ もっとも,根本的な話としてトインビーも引用されるような歴史家ではなくなってきていると思う。流行が去ったというか,史学史の検証に耐えられなくなったというか,どちらもあるか。ああいう文明論はもう流行らんだろう。  
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2018年03月23日

クルトン・ミルトン・ブルトン・ダルトン……

・「野外で排泄」5億人 インド、トイレ設置が進まぬ理由(朝日新聞)
→ 「近代なるもの」と現地の伝統社会・文化が衝突したときの判断は難しいものがあるが,これは明確に近代が優先されるべきものであろう。とはいえ,現実的に言えば下水道の普及が伴わないと限界があるというのも一理あり,人口大国のインフラは大変だ。


・太陽光発電で麻薬原料の収穫率向上 アフガン過去最大に(朝日新聞)
→ タイトルのなにか良いことが起きた感からの内容のギャップ。ケシ自体に罪はないし,地球温暖化への抵抗という一点だけ取れば良いことなのかもしれないが。もっとまともで換金性も低くない農作物があればいいのだろうが,アフガニスタンの地理的環境が良くないので難しい。逆にアフガニスタンの気候は太陽光発電との相性は良さそうだし,灌漑施設のエネルギーにしようという発想も良いのだが,ケシ栽培に結びついてしまったことだけが残念である。


・◯ルトンのすべて(増田)
→ 企画の発想の勝利で,けっこうおもしろかった。こういう風にそろうカタカナ4文字は他にもありそう。こうして見ると,地名と韓国語に助けられているところが強い。確かに韓国語は「トン」で終わるイメージがある。
→  けっこうわからないものが多かったが,クルトンとミルトンとブルトンが読む前からわかったので満足した。フルトンは蒸気船の発明者もある……と書いたら拾ってくれていた。ただし「クラーモント(Clermont)号」が正しい。その他複数あるものではミルトンは『失楽園』の作者,メルトンはFFの魔法,ダルトンはクロノトリガーの登場人物,ブルトンはシュールレアリスム宣言のイメージが強い。


・アイマスが好きすぎて、気付けば世界一周 “舞台探訪”にハマったPのリアル課金ストーリー(マネ会)
→ アイマスのためによく行くなぁと思うけど,この人は艦これの聖地巡礼もすごくて,ソロモン諸島・ガダルカナル島・鉄底海峡に行ったり,トラック諸島・パラオに行ったり,樺太に行ったりウラジヴォストークに行ったりしている。アイマスの舞台探訪はまだ有名な観光地や都会が多いが,ソロモン諸島になると追加で根性と勇気が必要になる。でもやっぱり楽しそうなんだよな。


・パーム油燃やすバイオマス発電の異常(Yahoo!ニュース)
→ バイオエタノールが普及したときも「それでサトウキビやとうもろこしのプランテーションが拡大するなら無意味では」と散々批判されていたが,同じことが本邦がかかわる形でバイオマス発電で広がっているらしい。アブラヤシから作られるパーム油は食用・工業用・燃料用のどれにも利用できるスーパー農作物で,存在自体は以前から知られていたにもかかわらず,不思議とその有用性・生産性の高さに着目されて生産が急拡大したのは20世紀末以降という珍しい植物である。特にマレーシアは天然ゴムの生産地を一気にアブラヤシに変えている。ここテストに出ます。
→ ちなみに,世界の天然ゴム生産はタイ・インドネシア・マレーシアと習った方は要注意で,その情報は00年頃までしか通用しない。タイとインドネシアは変わっていないが,残りの生産地は多様化している。一方,パーム油は以前ならそもそも習わなかったはずで,何それおいしいの?(注:おいしいです)という社会人の方も多かろう。1990年代に入ってから生産量が急増していて,その主要国はマレーシアとインドネシアである。マレーシアの方は天然ゴムからの作物転換が多いが,両国とも熱帯雨林の破壊が問題になっている。
→ 話を戻すに,記事中で指摘されている通り,他の用途ならともかく日本のバイオマス発電のためにインドネシアの熱帯雨林を破壊するのは完全な本末転倒で,地球トータルだと完全にマイナスである。このような環境問題を海外に輸出するような政策は即座に止めるべきだろう。  
Posted by dg_law at 12:00Comments(0)diary