2019年03月31日

2019年03月17日

2019受験世界史悪問・難問・奇問集 その3(国公立大)+おまけ

その2から。国公立大とおまけ。おまけは『新世界史』の用語特集。

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2019年03月16日

2019受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(慶應大の残り・早稲田大)

その1から。2019年の早慶上智でワーストの慶大法学部と,早稲田大。

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2019年03月15日

2019受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(上智大・慶應大の途中まで)

今年も無事に公開に至ることができた。協力してくれる方々に感謝を申し上げたい。まあ,事情が複雑すぎて解説を書くのが追いつかなかったものが今回は2問ほどあるのだが……

・収録の基準と分類
基準は例年とほぼ同じである。

出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。
悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。
→ 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。
奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。
難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。本記事で言及する「受験世界史の範囲」は,「山川の『用語集』に頻度,任發いいらとりあえず記載があるもの」とした。


総評
早慶上智の総数は2018年の36個とほぼ同数の37個となった。ただし,昨年との大きな違いが2つ挙げられる。まず,この37個のうち8つを慶應大法学部が占めているという点で,慶應大は特定の学部だけ火を噴くという現象があって,たとえば2017年の法学部・2016年の商学部がそれに当たる。しかも慶大が多い年は早稲田大が比較的少なくて総数の帳尻があってしまうという。実は示し合わせてるんですかね。実際に大学別に比較すると上智が10→9,早稲田が19→16,慶應が7→12となっている。

もう1つは教科書からのコピペが目立ったことである。確かに教科書からコピペしておけば「教科書にもこう書いてあるし」と言い訳が立つ。しかし,これは大きな問題が3つある。まずは当然,本当にそれで著作権的にOKなのかということ。次に,教科書だってミスはあるし,正誤判定問題に使う文は,ある意味で教科書より厳しい水準である必要が出てくるが,おそらくコピペする人にはその自覚が無いということ。これは今回いくつかの実例を載せているので,参照されたい。3つ目に,特定の教科書からコピペした場合,その教科書を読んでいる受験生にしか解けない可能性が出てくるということ。しかも,それを自覚的にやっている可能性が高いから悪質である。本企画では散々言っているが,現実的に受験生が複数の教科書を読みこなすことには限界があるし,金銭的負担を押し付けることになる可能性もある。発行部数の少ない教科書になると地方では入手不可能性すら出てくるから,地域格差の問題まである。そのハードルの上げ方は教育者として本当に適切か,ご再考願いたい。

今年の大きな受験業界の動きとして,大学による公式解答発表が大きく進んだというのがある。早慶上智がそろって公式解答発表に踏み切ったので,私は非常に驚いている。早稲田は学部にもよるがけっこうすんなり出題ミスを認めるし,こういうところで先進的な面があるからあまり驚かなかったが,慶應と上智がやるとは思っていなかった。こちらとしては検証が非常に楽になるので,歓迎したい。


以下,上智大と慶應大の途中まで。なお,上智1番が解説を書くのにかかった時間から言えば今回で最大なので,最初からクライマックスだったりする。
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2019年03月14日

「東方正教会と断絶」はしていないと思う

今年の受験世界史悪問・難問・奇問集は金曜日からの更新の予定です。


・肥前磁、タンザニアに痕跡 長崎大・野上教授が調査 17世紀後半の墓で発見例 [長崎県](西日本新聞)
>肥前磁器は長崎で交易を許された中国船により、台湾経由でフィリピン・マニラへ運ばれ、スペイン船で太平洋を横断した。
→ この頃に台湾にいたのは鄭氏台湾で,これは遷界令によって中国本土から陶磁器が供給されなくなったから。遷界令自体が鄭氏台湾の財源であった中国産品を持ち出す海上交易に打撃を与える目的で発布されたものであったところ,その代用品として日本の有田焼が注目された。日本の側も銀以外の輸出品が必要になっていたからまさに「渡りに船」であった。台湾からの中国船で長崎から持ち出されて台湾へ。そこからマニラへ運ばれて,マニラでアメリカ大陸産の銀と交換されていた。陶磁器はマニラから太平洋を横断,メキシコのアカプルコに運ばれ,さらにそこからアメリカ大陸中に広がった。いわゆるアカプルコ貿易というやつである。ここ試験に出ます(マジ)。だから「南米コロンビアの古い教会の装飾などに」肥前磁器が残っているのはこの名残で,高校世界史で知っていれば不思議ではないが,知らないと非常にインパクトの大きい話だろう。
→ 同様に長崎からはオランダ船によって陶磁器がインド洋・ヨーロッパに運ばれていて,ローカルでは記事中にある通り,ポルトガル人やムスリム商人が売買していた。だからインド洋沿岸部ならどこで見つかっていてもおかしくない……のだけれど,「東アフリカは、タンザニアとケニアで各1点の発見例しかない」というのはかえっておもしろい。東アフリカではそれほど人気が出なかったか,単に購買力が低下していたか,消耗品ではあるので割れて捨てられて偶然残っていないか。興味深い。


・ロシア正教会が東方正教会と断絶 ウクライナめぐり反発(朝日新聞)
→ 世界史があまり得意でない高校生にありがちな勘違いに「ロシア正教とギリシア正教は別物」というものがあるが,まさかのそれに信憑性が生まれる可能性が……?(ありません)
→ そもそも今記事を読み返してみると,ロシア正教会はコンスタンディヌーポリ総主教庁と関係を断絶しただけで,他の独立正教会との関係は維持されているから,記事名の「東方正教会と断絶」は誤った要約では? あるいは朝日新聞のこれを書いた記者か整理部の人が,コンスタンディヌーポリ総主教庁をローマ教皇庁と同じような立ち位置と勘違いしている可能性もある。
→ 日本ハリストス正教会は一応ロシア正教会系列の自治正教会であるから,何かしら影響があるのかもと調べてみたが,何も影響は無いらしい。というより正教会のHPを見てもニュースにすらなっていなかった。まあ系列なだけで実質的には独立しているし,ロシア正教会以外の多くの独立教会からは自治を認めてもらってないしな。
→ ついでに,全然知らなかったのだがクリメント北原さんが司祭職を解任されていた。何があったんや……


ランチタイムのライス多すぎない?(増田)
→  念。自分で無意識に増田に書いたかと思ったほど同意。社会人になって,ランチタイムをそこら辺の定食屋やチェーン店で済ませるようになってから,「サラリーマンになったら太る」ってよく言われるけどこんな食生活になったらそりゃそうだよなと。肉体労働がある人ならわかるが,事務作業しかないのにあんな量を食べても脂肪にしかならん。自分の胃が小さい自覚はあるが,それにしても皆昼からどこにあんな米が入るんだ。午後眠くならないのか。不思議でしょうがなかったのだが,自分以外に同じことを考えている人が少なくとも1人(匿名だけど)はいるのが確認されて安心した。
→ 糖質制限してるとかじゃないんだ。単純に入らんのだ。入ったとしても消費するあてがないから嫌なんだ。大盛り無料なんてサービスは要らんので,ご飯半分にしたら30円値引きしてくれ(たまにそういう店はある)。あと大盛り無料を断ったら怪訝な顔するのやめてくれ。  
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2019年03月01日

キズナアイバッシング事件関連

ノーベル賞のNHK解説に「キズナアイ」は適役なのか? ネットで炎上中【追記あり】(Yahoo個人ニュース)
・「表現の自由」はどのように守られるべきなのか? 再びキズナアイ騒動に寄せて(Yahoo個人ニュース)
→ 発端。「あーいつものねはいはい」という感じですぐに鎮火すると思っていた通称「キズナアイバッシング事件」は意外にも延々と延焼して2018年10月いっぱいまで続いた。そこはやはりキズナアイの知名度と,後述する「スタートラインがここなのか」という驚きによるものだと思う。また,(千田先生以外の)珍客が多くて延焼した感が強い。池内恵まで加わるとは思わなかった。


・近代美術史家の松下哲也氏「萌え絵批判では暴論的解釈がまかり通ってる」(Togetter)
→ 批判対象はちゃんと分析して,問題は切り分けて個別に批判すべきであるところ,なぜか萌え絵批判は雑で許されるということを,美術史家が明言した意義は非常に大きいと思う。こればっかりは私が言っても説得力が無く,権威が必要なのだ。おそらく批判者には自らの批判が隣接する学術分野を雑に“侵犯”していたという意識すら無かったのではないか。
→ 萌え絵を擁護する人たちの中でも,古典的な性別による役割の割り当てであるという批判には同意する人も多い(そも根本的にジェンダーロールの批判をしたいのであればオタクに殴りかかるのは間違いという指摘も見かけて首肯した)。キズナアイのキュロットの短さ等に疑問があるオタクもいないわけでもない(私も無意味に短いと思う)。が,それを萌え絵批判と十把一絡げに展開されると全面的に反論するしか無いのである。
→ Togetter内の松下氏の発言でもう一つ重要なのは,ポルノ作品として作られたものがあることと,ポルノ作品として見ることも可能なものがあることと,鑑賞者が勝手にポルノ性を見出すことは全部別物であるということだ。後者二つを「私にはポルノにしか見えないから」という理由で弾圧を扇動する言論にはやはり問題がある。




→ 騒動初期の自分のつぶやき。この「萌え」という概念も(一定数いつの世にも反発はあるとしても)定着したと思っていたのだが,ただのエロでもかわいいでもないということが理解されるまで,まだ10年くらいはかかるか。
→ それも含めて「世間的にはどの程度のエロの“濃度”からが“萌え”ではないか」というラインは今後世論で詰めていくことになると思うので,実はその意味で千田先生の主張にそこまで異論はないのだけれど,ハーバマスの市民的公共圏という言葉を出したのはうかつだった。あとまあ単純に,過去の他の事例はそりゃダメだろうと思えたり,あるいは世に出して詰めていく対象になるだろうと思えるラインだったが,キズナアイの造形で,しかもインターネット上の1サイトに載せていいか否かが世論のスタートにされてしまうとちょっとしんどいものはある。これが擁護側にとって衝撃が大きかったポイントではないか。




→ 議論の本題の総まとめとしては,この丹治記者のツイート群でよいと思う。千田先生をはじめとした批判者は,上述のような萌え絵分析まで踏み込まないにしても,せめて昨年以前の同企画や近年の科学漫画を調べたり,キズナアイの女性人気を調べた上で発言するべきであった。


・社会学者、査読論文出してなくても教授になれるし、招待論文(依頼論文のこと?)があれば査読論文無しでも良いらしい問題(いろいろ追記有り)(Togetter)
・人文系の文献の取り扱いとか業績についてちょっとだけ(dlitの殴り書き)
・リンク:何を業績とカウントするかは分野によって大きく異なる(発声練習)
・(日本)社会学における査読論文の価値と研究者評価の大勢(増田)
→ 延焼としては最も盛大に燃えたやつ。学問分野によって質を担保する方法・慣行が違いすぎるので,安易に「英語の論文がor査読論文が重視されていない」というだけで批判されても困る,ということでさすがに諸分野の学者から反論があり,その情報交換が見られて,本騒動の延焼では数少ない有益な場面であった。それにしても,ここまでの議論の推移を読んでから改めて最初のTogetterに戻るにやはり千田先生の発言がうかつ過ぎる。この人,ネット上で議論をさせてはいけない人では。


・千田さんが「炎上している」と書いた時、キズナアイは「炎上」していたか?(データをいろいろ見てみる)
→ 今回の騒動のオチの一つとして。そもそも反論する側がヒステリックに反論しすぎではというのは前から思っていたことで,反論自体はあった方がよいと思うが,誰かが可燃性の高いことを言っていても,変に反論しないでほっといた方が良いという教訓は浮かび上がってきそう。議論が盛り上がったことにされてしまい,都合よく便乗したい人に便乗されてしまうのである。  
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2019年02月28日

ニコ動の動画紹介 2018.3月上旬〜中旬



よくMMDでここまでやったというミリシタ再現度。そして実はミリシタサービス開始前の動画という。



2018年正月投稿の動画。この時点ですでに頭がおかしいが,伯方氏の動画はここからさらなる独自進化を遂げていく。





サガフロ2をやりこんだプレイヤーでも驚くほどの,斧の不遇っぷりがどんどん明らかになっていく縛りプレー。サガフロ2が(ラスボス以外)比較的ぬるいゲームとはいえ,この縛りは厳しかった。ロマサガ3の大剣とはまた違った厳しさが。



サブフレームリセットを活用しての全1勝クリア。TAS・RTA界に革命を起こしたサブフレームリセットの流行はおやつさんにも。




幕末志士はPUBGをやらせても面白い。なんでこうおもしろバグに遭遇するのかw




よくぞ粘土で作った。



原点回帰。  
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2019年02月26日

世界史上の諸君主の出題頻度グレーディング:番外編・アメリカ大統領

米帝の君主なので番外編ではないと言えなくもない(ぐるぐる目)

基準はこれまでと同様に以下の通り。

A:基礎知識。センター試験世界史B以上の入試を受けるなら知ってないとダメ。
B:国立二次・MARCH以上の私大を受けるなら必要。
B-:教科書に載っていて用語集頻度もそれなりに高いが,便宜上掲載されているという色彩が強く,実際には入試にはほとんど出ない。ネルウァが好例。
C:高校世界史範囲内・外のグレーゾーン。用語集頻度が低いか掲載されていないもの,または旧課程では範囲内だったもの等,早慶上智対策としてなら見るもの。
D:高校世界史範囲外だが,早慶上智でなら見たことがある。満点が欲しいなら覚えてもいい(が当然推奨しない)。
E:完全な高校世界史範囲外で,早慶上智ですら10年に1回未満のレベルでしか見たことがない。

視認性を高めるために,グレーディングのアルファベットに沿って☆を付した。Aなら6個,Eなら1個である。ズレがあったら☆の数の方が間違いなのでアルファベットの方を信じてほしい。意外と思われそうな人は赤で表示した。また,感覚には個人差があるので☆半分くらいは異論があると思われる。特に綿密にデータを収集してデジタルな判断をしたわけではないので,DとEの差については多く異論がありそうだが,そこはご寛恕いただきたい。以下,本編。


《建国〜19世紀前半》
大統領名グレーディング
ワシントン     A☆☆☆☆☆☆
ジョン=アダムズ  D☆☆
ジェファソン    A☆☆☆☆☆☆
マディソン     D☆☆
モンロー      A☆☆☆☆☆☆
J.Q.アダムズ    E
ジャクソン     A☆☆☆☆☆☆
ビューレン     E
W.ハリソン     E
タイラー      E
ポーク       E

本当は次のテイラーまでが19世紀前半なのだが,切れ目が悪いのでこうさせてもらった。ワシントンとジェファソンは当然のA。ワシントンは当たり前すぎて聞かれないかと思いきや,独立戦争時の植民地軍総司令官という角度で出ることがある。ジェファソンは全大統領で最も出題頻度が高いと思われる。アダムズは両方とも出てるのをほとんど見たことがない。一応第2代の方だけDにしておいた。マディソンはどこかの私大で米英戦争時の大統領で見た記憶があったような。モンローは当然モンロー宣言。フロリダ買収とミズーリ協定も彼の時代だが,こちらで聞くことはめったに無い。ジャクソンは男性白人普通選挙の普及と先住民強制移住法でよく出題される。そこから後ろはマイナー。ポークはテキサス併合・オレゴン併合・米墨戦争の大統領だが,全く見たことがない。


《19世紀後半》
大統領名グレーディング
テイラー     E
フィルモア    C☆☆☆
ピアース     E
ブキャナン    E
リンカン     A☆☆☆☆☆☆
A.ジョンソン   E
グラント     C☆☆☆
ヘイズ      E
ガーフィールド  E
アーサー     E
クリーヴランド  E
B.ハリソン    E

比較的マイナーな大統領が続く。B以上だとリンカンの次はマッキンリーまで出てこないし,リンカンは常識として知っているので,ほとんどの受験生からするとアメリカ大統領を全く覚えなくていい時期というイメージだろう。フィルモアは誰だよと思う人と,有名人じゃんと思う人で綺麗に分かれそう。ペリーが持ってきた親書の署名がこの人で,むしろ日本史では頻出(B以上にはなる)。A.ジョンソンはアラスカ買収,南北戦争の戦後処理の大統領だが入試には出ない。この人が南部に融和的すぎて黒人解放が中途半端になったのはアメリカ史としてはそれなりに重要だろうが,高校世界史で扱うものではないと思うのでEで妥当だろう。リー将軍で用語集頻度 グラントは南北戦争の説明文に出てくるのみ。一応CにしておいたがDでもよく,無理に覚えるものではないと思う。


《20世紀前半》
大統領名グレーディング
マッキンリー         A☆☆☆☆☆☆
セオドア=ローズヴェルト   A☆☆☆☆☆☆
タフト            B☆☆☆☆☆
ウッドロー=ウィルソン    A☆☆☆☆☆☆
ハーディング         B☆☆☆☆☆
クーリッジ          C☆☆☆
フーヴァー          A☆☆☆☆☆☆
フランクリン=ローズヴェルト A☆☆☆☆☆☆
トルーマン          A☆☆☆☆☆☆

激動の20世紀前半。最低でもCと全体的に頻出で,またさる方が四選したせいで人数自体が少ない。最初の二人は頻出。マッキンリーは米西戦争で出すか,セオドアの業績に混ぜ込んで誤文にする。セオドアは棍棒外交かパナマ運河かポーツマス条約か。タフトは1グレード下がるが,下がり方がちょうどよく,Bの代表例と言えるだろう。ドル外交で聞くのが普通。桂・タフト協定で聞く大学はさすがに稀。ウィルソンは言うまでもなし。黄金の20年代の二人は意外にも評価が難しい。ハーディングは一定以上の大学だとワシントン会議の主催で頻出だが,実は用語集頻度が△靴ない。クーリッジの方がで高いが,実際の入試でクーリッジが問われるのは難関私大にほぼ限られる。用語集頻度と出題頻度が比例しない良い例であると同時に,どうせハーディングとフーヴァーを覚えないといけないから間が空いていると気持ち悪いという理由で実質的な扱いはBランクという不思議な人でもある。最後3人は言うまでもなかろう。


《20世紀後半〜》
大統領名グレーディング
アイゼンハワー B-☆☆☆☆
ケネディ    A☆☆☆☆☆☆
L.ジョンソン  A☆☆☆☆☆☆
ニクソン    A☆☆☆☆☆☆
フォード    D☆☆
カーター    B☆☆☆☆☆
レーガン    A☆☆☆☆☆☆
ブッシュ(父) A☆☆☆☆☆☆
クリントン   B☆☆☆☆☆
ブッシュ(子) A☆☆☆☆☆☆
オバマ     A☆☆☆☆☆☆
トランプ    ???

おそらく予想通り過ぎて盛り上がりに欠ける。アイゼンハワーは意外と聞き所がない。ノルマンディー上陸作戦かジュネーヴ4巨頭会談か。キューバとの断交で聞くのは勘弁してほしい。フォードさんはね……うん……用語集未収録です。ただ,マイナー界のメジャーなので,出題されたら(聞き方にもよるが)意外と正答率高そう。カーターは一応Bにしたし,私大・国立二次組は覚えるところだろうが,出題頻度はそう高くない。レーガン・ブッシュ(父)はどっちがINF全廃条約でどっちがマルタ会談だっけ? となるやつ。レーガノミクスで問われることは少ない。

クリントン以降はまだ歴史的評価が定まっていないから出題があまりない,という感じ。クリントンは現状だとBでよいだろうが,遠くない未来にCに下がりそう。NAFTA成立・セルビア空爆・オスロ合意とあるものの,それぞれ「クリントンが」というイメージの無さが足を引っ張り,現状でもセットで問われることがあまりないためである。一応オスロ合意に関連しての出題は見覚えがある。ブッシュ(子)は今年の慶應・経済で「悪の枢軸」演説で問われていたが,あれはレアケース。911事件・アフガン侵攻・イラク戦争があるのでおそらく出題され続ける。オバマは「核なき世界」演説で過去に二度出題があり(2013年慶應大・2016年明治大),それ以外だと初の黒人大統領&キューバとの国交回復が間違いなく高校世界史に載るので,おそらく今後も出題され続け,Aのままと思われる。


あとはFGOのサーヴァントな。私がFGOを全くやっていないので,本当にやるなら補助が必要かな。
  
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2019年02月25日

Nothing Escaped His Brush

河鍋暁斎《花鳥図》サントリー美術館の河鍋暁斎展に行ってきた。河鍋暁斎は作品が多数残っていることもあって比較的頻繁都内で企画展が開催される画家であるが,不思議と単独の企画展には行っていなかったので今回が初めてになる。

幕末から明治にかけての日本画家で狩野派の系譜を引き継ぎ……というところまでは狩野芳崖や橋本雅邦と同じ,生まれた年代もほぼ同じなのだが,この二人が日本画壇の表舞台で政治に深くかかわり,美術史の華々しいところで活躍した(ので高校日本史の教科書にも載りやすい)のに対し,河鍋暁斎は純粋に画家として活躍したので出自の割には別枠扱いになっている。そこに不思議さは全く無く,知名度がワンランク下がるのも当然だと思うのだが,そのことでかえって出自の共通性が覆い隠されているとは思う,作風が奇抜で,ぱっと見では狩野派よりも奇想の系譜に見える(しそれはそれで間違っていない)のが原因だろうか。筆禍事件があって弾圧も受けているので余計にそういうイメージが強い。

今回改めて作品を多数見た感想としては,ぱっと見の印象は間違いではなくやはり奇想の系譜に並べた方が良さそうというのが素直なところ。色鮮やかでゴテゴテとしていて,描写が細かくて動的である。無論のことながら狩野芳崖や橋本雅邦だってカラフルで描写が細かいのだが,狩野派らしい落ち着きを感じるのに対して河鍋暁斎は感じない。画題も九相図だったり鳥獣戯画だったり地獄絵だったりで,普通のチョイスではない。明らかにわざと奇をてらっている。こういう人が,自らのアイデンティティは狩野派の末裔で,狩野派の作品保護や継承の活動もしていて,社会的地位が高かったのは面白い現象で,明治という世の一面であるかなと思う。一方で,本展覧会では「狩野派にだって探幽以降に戯画が多くあって,河鍋暁斎はそれを引き継いだに過ぎない」という主張がされていて,これは説得力があったし,面白かった。本展の主眼はここにある。


河鍋暁斎の面白い一面と言えば外国人に対して友好的で,弟子の一人にジョサイア・コンドルがいる。河鍋暁斎のことが現在よく知られているのはコンドルの画帳や日記が残っていて,そこに河鍋暁斎のことが詳述されているからである。コンドルは河鍋暁斎の作品をかなり多数所有していて,それらの多くは現在イスラエル・ゴールドマン・コレクションが所蔵している。今回の展覧会も多数がイスラエル・ゴールドマン・コレクションからの出品になる。なお,気になって調べてみたところ,イスラエル・ゴールドマン氏はロンドンの画商で,別にイスラエル在住ではなかった。コンドル旧蔵品は直接引き継いだわけではなく,買い集めたもののようだ。ジョサイア・コンドルは河鍋暁斎と鎌倉に写生旅行に出かけていて,同行者某は「おっさん二人の写生旅行とか絶対楽しいやつやん」と感銘を受けていた。多分二人だったわけではないが,言いたいことは非常によくわかる。最後を看取ったのもコンドルで,この人種を超えた師弟愛,なかなかに尊い。なお,今回の記事タイトルは本展のサブタイトルで,印象深かったので使わせてもらったが,コンドルの言葉かどうかは確認が取れず(多分違う)。
  
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2019年02月24日

コンテンツも長生きする時代

・8歳少女、湖で1500年前の剣を発見 スウェーデン(BBC)
→ エクスカリバーの亜種ですね間違いない。湖で発見というのも1500年前というのも出来すぎている。おまけに少女の名前がサーガちゃんという。アーサー王はブリトン人だからそこは全然違うが。
→ このネタを英語で検索してみると世界中で同ネタで盛り上がっていて面白い。本人すらPeople on the internet are saying I am the queen of Sweden, because in the legend of King Arthur.ってコメント出しているの,最高では。なお,本人の実際の夢は獣医か女優だそうだ。


・バンクシー代表作、1.5億円で落札直後に自壊 仕掛けシュレッダーで(AFPBB)
・Banksy on Instagram: “. "The urge to destroy is also a creative urge" - Picasso”
→ 現代アートのネタとしては,文脈がわかりやすくて割と好き。これはデュシャンと同じ方向性を感じる。なお,シュレッダーが途中で止まってしまったのは本人としては想定外だったとのこと。そして「破壊への情熱もまた,創造への情熱である」という言葉はピカソではなくバクーニンのものというオチ付きで,手の込んだひねり方をしている。


・【コミケ特集】年間5000サークルと接する同人書店の統括が語る、同人市場の最前線「今人気の作品は”AKB48″の楽しみ方に似ている」(ニコニコニュース)
→ 2017年年末の記事だが,状況は変わっていないので。昔にゲーマーズの木谷元社長が「コンテンツの人気の寿命は3年」と言っていて,00年代は概ねそれで間違いなかったのだが,10年代は間違いなく風潮が変わった。東方もアイマスも型月も終わらないコンテンツになっているし,艦これも当初の勢いは無いにせよしぶとく生き残っている。二次創作の同人の場合,公式の供給が無かったら自然とジャンルも死に絶えていくものだが,公式がソシャゲ化等によって終わりが無くなったというのは大きかろう。漫画の連載やアニメ原作の場合,どうしてもアニメ放映期間が最高潮になって,その後も同人人気が持続する作品はさして多くない。ゲームの方が人気が持続しやすく,そのゲーム原作の二次創作が流行しているので,同人人気の寿命も伸びたと言えるだろうか。


・ドイツ「保守の牙城」で異変 与党、歴史的大敗の見通し(朝日新聞)
→ 極右のAfDに票が逃げないように過渡に右傾化すると,今度は穏健保守の移民寛容派の票が逃げていて,しかもそちらの方が大きいと。逃げた票が一つずれてSPDに行くかというとそうならず,同じ与党の道連れにSPDも支持を失い,緑の党まで流れ着いたというのは面白い(しかも左翼党までは流れず)。バイエルン州でこれで,全国の国政選挙になったらどうなるのか。まあ,次の国政選挙は2021年まで無いので,また情勢が変わっているかもしれない。なんにせよAfDの勢いが止まったのは良いことだ。  
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