2011年11月30日

第200回『絶頂美術館』西岡文彦著,新潮文庫

「神は細部に宿る」とは言われても,細部であるからこそ気づきにくい。実際細部とはどこなのだ?というのを,うまいこと解説した本であると思う。タイトルやサブタイトルの「名画に隠されたエロス」の通り,中でも本書が焦点を当てているのは女性のエクスタシーであり,西洋美術史がいかに男性の欲望を気付かれないよう細部に込めてきたかを解説している。

第一章からして「カバネルの《ヴィーナスの誕生》のヴィーナスは,なぜ足指がそりかえっているのか?」であり,そのほかの不自然な描写も含めて,ずばりこの絵は誕生のシーンに見せかけて実際にはエクスタシーのシーンを描いたものだからだと喝破する。その他,比較的メジャーな作品としてはアングルの《トルコ風呂》と《グランド・オダリスク》,ドラクロワの《サルダナパールの死》と《キオス島の虐殺》,クールベの《眠り》と《画家のアトリエ》,マネの《草上の昼食》と《オランピア》,ゴヤの両《マハ》。ややマイナーなところではアルマ=タデマ,ジェロームとブーグロー,ロセッティとミレイなどのラファエロ前派などである。

細部にこだわった解説だから敷居が高いかというとそうではなく,むしろ非常に平易な書き方をしているため,ある程度詳しい人から全くの初心者まで幅広く楽しめる作りになっている。あとがきで触れられているように,著者はNHKの「日曜美術館」やテレビ東京の「誰でもピカソ」などテレビ番組の企画・制作に長年携わってきた方であるため,そこらへんのさじ加減は心得たものであったのだろう。「西洋美術は男女ともにやたらめったら裸なのはなぜなのか」とか,「マネの《草上の昼食》はどこがスキャンダルになったのか」など,基礎の基礎から徹底的に説明されている。ジェロームの《剣闘士》が映画『グラディエーター』のイメージソースになったことなどの小ネタが挟まれている点も良い。

ちょっと大胆に言いすぎなところがなきにしもあらずだけど(ロセッティが現代ヒロイン像を作ったと言われると違和感がある),まあ誤差範囲だろう。エロというド直球に惹きつけられて,美術に全く興味なかった人が手にとってくれると嬉しい本である。本書一冊だけでも,入り口としては十分すぎる情報量だろうし。

ついでに書くと,あとがきの文章には全力で同意する。批評や感想文を詩作や随筆と勘違いしている方は残念ながら時代遅れだと思うし,嫌いである。ましてや,平均的知性で読解できないものには,首をかしげざるを得ない。いかに「美術作品のパズル化」と避難されようが,ストイックな絵解き解説のほうが良心的と言えるのではないか。批評はその先にあるのだから。なお,本書の多くは1990年代の連載のリライトであり,筆者の先見の明は卓越していたように思う。


絶頂美術館―名画に隠されたエロス (新潮文庫)絶頂美術館―名画に隠されたエロス (新潮文庫)
著者:西岡 文彦
販売元:新潮社
(2011-10-28)
販売元:Amazon.co.jp
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2011年11月29日

ブログって形式はいいものだと思う

・麻雀のローカルルールの多さは異常 ルールが統一されてないから世界的競技にならない(ネットのお話 ブログ(^ー^))
→ アリアリは甘え……と思ってたがうちの完全先付けは割と緩い部類だったようだな……
→ うちのナシナシルールだと,>>277の意味で「完全先付け」をつかっているので,>>100のパターンはダマで待ってもチョンボにはならない。しかし,>>100がアウトなのはまだわかるが,>>120がアウトなのは理解に苦しむ。さすがに厳しすぎるような。んなこと言ってたらフリテンだらけでゲームにならん。まさに「有利なはずの両面が逆に足を引っ張る謎の構造」でしかない。
→ 大富豪はあきらめろん。8切りくらいだろ,「大車輪」レベルにメジャーでもめないルールって。大富豪のローカルルールについての雑感は,後日別のサイトをブクマしているのでそちらで。

・魂を漁る少女−暁美ほむらの系譜−(凍てつくが如く、哀槌を鍛つ)
→ たまには友人のブログより。元が底辺→救いを与えられる→救い主がピンチ→自分が底辺に戻ってでも助けるという覚悟。外から見ると無限ループだけど,内なる魂の救済とはそういう問題ではないのよ……というわけで自らの幸福を信じこんで追い求める狂信者が生まれる。
→ ぶっさんはこういう描写うまいよね。ストーリーのためにキャラが死んでるって批判は当て嵌まりづらいと思うんだがなぁ。


・なんか思う事、ちょっと長文。(orangestarの日記)
→ 書いてあることは同意。ゆっくり考えて,長文化することは大事だ。ブログじゃないと長文書きづらいし,アーカイブ化もしづらいので,短文でスピーディーなコミュニケーションに重点が置かれていくのは,寂しい流れではある。
→ だからこそ,はてブのメモも,こうしてブログに移管しているわけでして。これをやってなければ,書きっぱなしにして内容忘れるだろうからなー。また,一言からこうした短文メモにする過程自体が思考整理になってちょうどよい。


・新城直衛は、末法の世に抗うようです 番外編 「仏教史概説その3」(それにつけても金のほしさよ)
→ 聖徳太子関連で,東方神霊廟としてばっちりな説明。あの方,神主に「歴史上リアルに幻想入りしそうだったので」とか言われてたからなぁ。
→ まるっきり架空というよりは,確かにとある一人に(その後衰退した)蘇我氏の業績が全部押しつけられたとするほうが理解しやすい。その結果が聖徳太子というのは,過程は違えどヤマトタケルの誕生に近いものは感じる。
→ それ以外にも仏教伝来552年説と538年説の違いがなぜ生じたかの説明としても適切である。安閑・宣化朝周囲の問題は半永久的に解決しないんだろうな……


・いくら食べても太らない。太りたいんだけど太れないんだよ…!!(【2ch】ニュー速クオリティ)
→ BMI等で計算すると大体標準と痩せすぎの境界線上なデータが出る。別段努力して太る気はないので太るわけもないのだが。計算したことあるが一日約2000kcal弱だった。それ以上食うと胃が荒れることが多い。特に油っこいものを食べるのは最近とんとダメになり,歳食ったなと思うようになった。あの真っ黒の油であげた揚げ物が出てくる学食は,まさに学生のための物だったんだなとしみじみ思うわけである。
→ 美食は興味あるけど食そのものは別に。うまいものでないのならば量食べる必要なくないかというところから,面倒くさいと一日一食のこともたまにある。なんかもう仙人になりたい。霞食って生きたい。
  
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2011年11月28日

おめでとう稀勢の里

冒頭に書いておこう。先場所の記事に「12勝を上げてかつ白鵬を倒し,実質的な準優勝であることを考えると,来場所の昇進基準は相当緩くしてもいいように思われる。」なんてことを書いていたように,私は稀勢の里の昇進を歓迎している。ここで理由をさらに明確にすると,稀勢の里の昇進については,3つの点でよしと思っている。どうでもいい人は大したことも書いてないので3段落ほど読み飛ばしてほしい。

一つは数字が欲しかったところにちょうどtwitterの#sumoハッシュタグで流れてきてタイムリーだったのだが,稀勢の里の安定感である。過去6場所関脇を守りその間60−30。同期間の大関陣は,日馬富士が48−31−11(休)で優勝1回。把瑠都が62−28で,琴欧洲が40−38−12。そして大関昇進挑戦期間を含む琴奨菊でさえ64−26に過ぎない(ちなみに白鵬は80−10)。琴奨菊水準を求めるのであればアウトだが,把瑠都がおおよそ同程度だし,日馬富士と琴欧洲に比べるとずいぶんと安定している。まあ日馬富士は優勝1回があるので情状酌量の余地があるが,琴欧洲は言い訳がきかない状態であり,このままずるずると往年の魁皇・千代大海化していく気配がすでに見え隠れしている。

二つ目の理由として,横綱戦の戦績がある。直近6場所の対横綱勝利数を比べるとその10敗のうち,稀勢の里が3勝,把瑠都が2勝,日馬富士が2勝,琴奨菊が2勝,魁皇が1勝と最も分が良い。横綱戦は2勝分の厚みと考えると直近3場所で33勝になる。「他の大関陣に勝てない」とよく言われるが,実は直近22戦で9−13。確かに負け越しているものの,今場所も負けたように把瑠都戦が0−6と壊滅的な成績なだけで,それを除くと9−7になり勝ち越しに変わる。さらに,引退した魁皇の2−2を除くと7−5。この内訳は琴欧洲戦得意で4−1,日馬富士戦が3−3,琴奨菊戦は今場所だけなので0ー1。と,いろいろなデータを出してみると大関戦の成績もそこまで悪いわけではない。ただし,新大関である琴奨菊戦は昇進前まで含めると11−24で,確かに圧倒的に分が悪い。稀勢の里が以後大関として安定するための課題は,白鵬よりも把瑠都と琴奨菊であろう。

三つ目の理由として,近頃神格化・鉄の規律になりつつあった33勝という目安の緩和になるのではないか,ということ。稀勢の里本人の実力に関連した事柄ではないが,前述のように稀勢の里の場合は横綱戦の勝ち星と安定感を考慮すると「実質33勝」という扱いでもいいのではないかと思う。私は,横綱の場合であっても必ず連続優勝でなくてもよく,優勝1回のみはさすがに不安だが,2回目以降の大関については,翌場所も優勝争いに参加できれば,必ずしも連続優勝でなくてもかまわないと思う。そのかわり,衰えたらさっさと引退させるべきであろう。そうしないから動脈硬化が起こり,地位への失着は必ず互助会,ひいては八百長の温床になる。33勝が鉄壁になったのは雅山と出島の陥落のせいだが,今考えればあれは誤った判断であった。確かにあのせいで大関の地位が軽くなってしまった感は否定しがたいが,実情を考えず重くせんとした結果が朝青龍時代から続く今の惨状であろう。魁皇師父に幕内最多勝記録を塗り替えられてしまったことを,仮に反省するのであれば,むしろ上げ下げはもっと緩くしても良かろう。

ここであえて反対理由を挙げるとすれば,彼が5大関目ということである。白鵬を含めて6人はやはり多い。惜しいことに,これで圧倒的に苦しくなったのは鶴竜で,おそらく過去に前例の無い(はずの)6大関目は避けたいであろうから,本当に琴欧洲か日馬富士が2場所連続の絶不調で陥落することにでもならない限り,「情状酌量の33勝」では昇進できないだろう。どころか,「素の33勝」でも難しく,横綱戦白星を含む34〜35勝でかつ中身のあるものが求められる。絶対に鶴竜のほうが昇進早いと思ってたんだが……彼については後述する。

なお,把瑠都が横綱になってくれれば2横綱4大関になってバランスが取れ,鶴竜にも望みが出てくるのだが,それも近くはなさそうだ。2横綱5大関=7人体制なら直近で朝青龍・白鵬・魁皇・千代大海・琴欧洲・琴光喜・日馬富士の時代があり,さらにさかのぼれば横綱が貴乃花・曙・武蔵丸,大関が魁皇・千代大海・武双山・出島・雅山の計8人という時代が存在する(もっとも曙が実働しておらず実質7人,出島と雅山は直後に陥落したためわずか3場所で終了)。もっとさかのぼっていっても,例えば輪湖時代にも2横綱5大関時代があり(現会長魁傑・後の2代目若乃花こと若三杉・三重の海・旭國・初代貴ノ花),5大関自体はそれほど珍しいものではないことは一応書いておく。理事長は在りし日の記憶があるから稀勢の里の昇進には積極的だったのではないか。



話を今場所に戻すと,全体としての出来は中の中で可も不可もないところではないかと思う。先場所に比べると圧倒的に見劣りがする。理由は2つ。1つは良い日と悪い日の差がありすぎたこと。熱戦が続いた翌日がどうしもようないのだから,実際の内容以上に視聴者は冷める。気迫が続かないのは悲しい事だ。2つ目は,もう書くのも億劫になるほど長期化している,立ち会いの乱れである。いや,立ち会いの乱れというと語弊があろう。なんと表現すればよいのか浅学にして語彙が足りずわからないが,待ったなしからの立ち会い不成立があまりにも多い。お前ら全員垣添に弟子入りでもしたのかと思える量だったのが今場所で,適当に名指しするなら剣武や富士東,時天空,豊響等になるんだろうがもう全員悪いよこれ。本当になんとかしてください。

個別評。ただし,1年総まとめ記事は別に書く予定なので,今場所のみの評価。白鵬はどうせなら全勝優勝して欲しかったな。千秋楽についてはまあ把瑠都を褒めるべきであろう。今場所の白鵬は必ずしも鉄壁というわけではなかったものの,いいところでうまい具合にとれていた。琴欧洲戦の謎の上手投げがハイライト。

大関陣。新大関琴奨菊はあんなもんだろう。プレッシャーに耐えてよくがんばったが,真価が問われるのはむしろプレッシャーのない来場所以降。日馬富士と琴欧洲はケガの調子に左右されすぎで横綱倒せるんじゃないかという日と平幕下位にも負けそうな日が混在していた。ケガはなんともならんのが悔しい。把瑠都は雑な相撲が多いのが治らない。ケガのせいでないだけに別方向に悔しい。千秋楽の相撲が毎日取れれば,再来場所にでも横綱なのだが。

三役。稀勢の里は前述の通り。さて,鶴竜である。先々場所に「技巧に凝りすぎて負けるようなところが昨今見られ,これは悪癖になるかもしれない。」と書いたが,まさにそれが現実味を帯びつつある。特にまずいのが張り手で,先場所も今場所もやたらと多用していたがこれが相手によってはまるできいておらず,北の富士には見ぬかれて「上っ面」とまで言われてしまった。角界随一の技巧派でそれは誰しもが認めるところだと思うのだが,おごって組みに行き思わぬ力勝負にさせられ挙句あっさりと負けるシーンが多く,今場所の把瑠都や琴奨菊戦が典型的なそれである。大関取りが白紙に戻ったのだし,前述の事情でハードルも高そうなので,一度張り手を封印するなり逆に押しの威力を上げてみるなり何かしら工夫は絶対に必要である。なお,大関比較で用いた直近6場所成績では56−34で,実力そのものはやはり大関水準に限りなく近い。小結,豊ノ島はある種の平常営業だが,体調が良かったようで何よりである。豊真将は新小結になってもやっぱりエレベーターであった。

前頭上位陣。エレベーターが多すぎて書くことがない。大関全員勝ち越しに関脇二人が10勝となれば引き算として必然的にそうなるのではあるが,あまりにも無残な状況である。旭天鵬先生なんて中日過ぎた辺りからあからさまに力が抜けていた。でも,それが長くとるコツなんだろうなぁ。ケガしないコツと言いますか。隠岐の海は大器の片鱗を見せるものの脇が甘い,これは豪栄道にも言えるが,彼の場合は加えて立ち会いに威力を欠いた。臥牙丸はいい加減ぶち当たるだけじゃ勝てない。栃煌山はケガで休場だから情状酌量の余地があるが,阿覧・栃ノ心はほんとノーコメントとしか。

そんな中唯一ピックアップして語る価値があるのは,今場所のNHK実況でもやたらと持ち上げられていた栃乃若である。正直な話,私は先場所までほとんど印象がなかった。今場所見ててもなんで勝てているのかよくわからなかったが,ふと思い当たったのは上がってきた頃の鶴竜の感じである。決して技巧派ではなくむしろ身体の大きさには頼り切っているが,かと言って往時の把瑠都ほど不器用ではなく,おそらく鶴竜に重なったのは意外とどっしりしていて上位でも当たり負けせず,とりあえず前に出ることが可能な圧力を持っている点であろう。鶴竜の場合そこから膝を使って寄ったり投げたりがあったが,栃乃若の場合愚直に押すかおっつけるか寄るだけであり,それで上位初挑戦7−8のギリギリ負け越しというのは驚くほかない。某翔平のヨイショではなくとも,技能がつけばすぐに豪栄道や栃ノ心あたりを抜き去るだろう。先場所までなぜに完全なノーチェックだったのが自分で不思議だが,ここは私の先見の明のなさを恥じておくことにする。ところで,四股名を李に戻す気はないですか?w キャラが立っておいしいような。松鳳山や勢には負けてられない。


前頭中位〜下位。やたらと新入幕ががんばった印象。若荒雄と木村山の千代大海→雅山の後継者争いは若荒雄に軍配が上がりそうである。若荒雄は来場所えらいところまで地位が上がりそうだが,エレベーターにならないようにがんばってほしい。木村山は十両で鍛え直せ。時天空はけたぐり4回と魅せてくれたが,成功率50%で星が伴わず,今場所は身体が軽くやたらと吹っ飛んでいた。高安は強いんだけど時折雑で土俵際最後の一歩が足りないことがあり,第二の稀勢の里を彷彿とさせる。妙義龍は組んでも押しても勝てる力士で見応えはあるが,今場所だけでは測りかねる。最後に松鳳山,GoogleIMEがまだ覚えてないので打ちづらいから松谷に戻してほしいという一方的な愚痴はおいといて,彼も似たようなタイプでどうなっても取れそうである。ただ,ユルフンは直せ。最後に碧山。パワー相撲のヨーロッパ系力士はちょっと食傷気味ではあるのだが,それでも強いものは強い。今のまま上に上がると今場所の臥牙丸のような大敗をしそうではあるが,それも経験だと思うので,上位戦が見たいところだ。


最後にいつもの予想番付。
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2011年11月26日

打ち切りサバイバルも良し悪し

・【地獄先生ぬ〜べ〜】はジャンプ打ち切りサバイバルをこう乗り切った!(紫の物語的解釈)
→ 前・中・後編に分かれている大作。ぬーべーの作風の変化は,打ち切りサバイバルレースと担当者の交代に大きく依っているという話。
→ 言われてみると作風の変化が思い出せる。自分が読んでたのは割りと人気出てからだったりするんだな,とか。ラブコメ色強めで記憶に残っているので。というよりも,自分がジャンプをちゃんと読みだしたのがそのくらいの時期だったのだろう。それまで週刊漫画自体を読んでいなかったような気がする。
→ 当時はそれほど気にしてなかったが,こうして見るとぬーべーもジャンプにありがちな,キャラ設定が担当者の変更や作者の気まぐれによってどんどんぶれていく漫画だったんだなと思った。ゆきめさんかわいそうです。
→ 「会議の直前だけバトルをやる! それ以外の時は一話完結の従来のスタイルをやる!」というのは,おそらく多くのジャンプ漫画家がたどり着く境地なのだと思うが,実際やってしまったところはぬーべーすごいと思う。だからこそだれずにこれだけ続いたんだろうな。漫画家にも戦略性は必要だ。


・初のアフリカ大陸出身力士へ就活中!(デイリースポーツ)
→ このエジプト出身のシャーランさんは,その後大嶽部屋への入門が決定した。ちゃんこに豚肉を使わない等,配慮がなされるという。大相撲の国際化が進んだほうがおもしろいと思っている立場としては,ぜひここでアラブ人にがんばってほしいところである。
→ なお,記事中には「幕下力士を相手に27勝1敗」とあるが,実際のところ入門先の大嶽部屋では三段目に対し5−15とそこまで突出しているわけでもないらしい。外国人にありがちなことで,腰が高いのだとか。関取になるのはまだまだ先か。


・RolanDellさんの「そして明日の世界より――」の感想(ErogameScape -エロゲー批評空間-)
→ twitterでつぶやいたらやたらとふぁぼられた一件。にしてもこのツッコミはすごい。
→ エロゲは一種,専門分野の紹介になっているところはあるが,調べずに書くとこうなる。プレイヤーが大人で,多岐にわたるからなぁ。どんなプレイヤーがいてもおかしくない。
→ 自分の場合,幸いなことに美術関連で今のところ無い。というよりも,歴史関連はいい加減なのが多すぎて気にするだけ負けだし,美術関連は好きな人は全力で調べるだろうからいい加減ぶっこかないしそもそもネタが少ない。まあ仮に適当な扱いを受けたら全力で切れるだろうな。


・王家問題(extra innings)
→ NHKはそもそも「王家」というタームの使い方が適当だったのではないか,という指摘。この食い違いはちょっと気になってた。教えて詳しい人……というブコメを書いてはみたものの,誰も教えてくれなかった。やっぱりNHKの使い方は適当だったと思う。
→ ちなみに,私自身「王家」という言い方が一般的だとはあまり思えない。無論,院政期を指して「王朝国家」という言い方をするのは一般的ではあるし,「王権」も天皇家に対して使うことがあるだろう。じゃあ「王家」はと言われると一般的かは疑問がある。
→ もっとも,発端の人や騒いでた人たちは,「王朝国家」というターム自体を単純に知らなかっただけだとは思うけどね。やはり糾弾されても仕方がない。そして案の定そんなような人が訳知り顔でコメント欄にあらわれてうんざりするのはもはや決まりきった流れとしか。


・野田首相「バリアー張ればいいだけ」 経産大臣発言で(虚構新聞)
→ 人間年を取ると次第に精神が子供に近づくらしいのだが,62歳児とは良い表現である。小2病とも言う。
→ アッテムトネタは炭鉱町ということで夕張に使うことのほうが多い,というどうでもいいツッコミでも入れておくべきか。そのことを虚構新聞主宰が知らなかったとは思えないんだが,語呂がいいから使っちゃったのかな。

  
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2011年11月25日

白磁と紅葉

白磁浄瓶(唐)根津美術館の中国陶磁器・漆器展に行ってきた。というよりも,根津美術館の紅葉を見に行ったというほうが正しい。都内の多くの庭園はいまだ紅葉未満なのだが,根津美術館は見頃を迎えていますと宣伝していたため,じゃあ行ってみようかと。

実際のところもまずまずといったところで,割りと綺麗であった。残りはもう日当たりの関係であろう,あせつつあるものからちょうど見頃のもの,まだ緑のものまで混在しており,確かに昨日から今週末くらいがちょうど見頃と言えるかもしれない。紅葉は時期が非常に短いのでタイミングが難しい。ただし,根津美術館の場合は常緑樹が比較的多く,モミジや銀杏が密集しておらず割りに散って配置されているため,圧倒されるような紅葉ではない。常緑樹との混在によるコントラストを積極的に楽しむべきであろう。デジカメを持っていくのを忘れたのが悔やまれる。しかし,私としては根津美術館の庭園の一番良い季節は5〜6月頃の一面真緑になる季節であり,紅葉ではない気がした。紅葉が悪かったのではなく,あの季節の統一感がすごすぎる。

さて,企画展のほうである。陶磁器は根津お得意の唐以前のものから明代まで,時代としては非常に幅広く展示されていた。また,器形もバラエティに富んでいた。しかし,質はそう高くないように見えた。時代を追って技術の進化やデザインセンスの違いを見ていくのには十分おもしろかったが,器一つ一つの創意に感動するような展示会ではないと言える。まあ,唐以前の陶磁器はそれだけで十分に珍しいので,根津美術館の常設展示である青銅器の饕餮文とともに楽しむことはできるだろう。

特に今回の展示では,後漢や南北朝時代の原始的な青磁や白磁が多くおもしろかった。まだまだ釉が全身にかかってなかったり薄かったり,色が真っ白でなかったりくすんでたりしている。たとえば今回の画像は唐時代の原始的な白磁だが,実際のところは珪素を含んだ白い土で表面を塗り固めた後に全身に透明の釉薬をかけているだけである。こういうものが北宋期の白磁の隣に置かれているから,見応えがある。漆器や青銅器も置かれていたが,こちらはまあ申し訳なさ程度。量はそこそこあったが,陶磁器同様あまりおもしろいものはなく,技術的進歩の過程もさして感動するほどのものでもなかった。
  
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2011年11月23日

京騒戯画は気になるなー

・『ネギま』の36巻。ひどく長かった魔法世界編ではあるが,この巻だけ見れば綺麗に落ちてるのかなと思った。無論放り投げられた設定や学園物という観点では魔法世界編自体がもうちょっとなんとかならなかったのか感はあるし,風呂敷広げすぎとか主人公が10歳ということの欠点が浮き彫りになってきたこととか,劇場版の一件も含めて頭を抱えることは大量にある。しかし,とりあえず魔法世界編自体はこれでまとまったように思うし,今の連載分の展開含めて,今後の展開や本作の終着点がひとまず見えてきた。40巻はむりでも45巻までには終わりそうな気がする。
→『ラブひな』でもそうだったが,赤松健の作品の終わらせ方は割りと下手で,あまり良くない意味で終着点が見えない。『ラブひな』も終盤旅行編続きでひなた荘が舞台になってないこと,ストーリーが1パターンであることが「迷走」として散々叩かれていた。唐突だっただけに,ここまで一番綺麗に終わったのがむしろ『AI止ま』じゃなかろうか。『ネギま』の魔法世界編は『ラブひな』の東北・北海道編にまんま当てはまると思われる。


・『ヒストリエ』7巻。マケドニア将棋を通勤(帰宅)途上の本屋を駆けまわってなんとか手に入れたわけだが,よく考えなくても私は日本の将棋に習熟していないのであった。打ってくれそうな人もいないし,自分対自分で何度かやってお蔵入りかなぁ。
→ エウメネスの出世凱旋はカタルシスを感じる。しかし,ここまではおおよそオリジナル展開で許されたが,ここからは史実がしっかり残っているので描き方が多少変わってくるのではないかと思う。というかどこまでやるんですかね。ディアドコイ戦争までやると,エウメネス含め登場人物のほとんどが悲惨な目にあうわけだが……


・麻雀で一番コスパ悪い役って何だと思う?(世界ランク速報)
→ アリアリかナシナシか,赤牌の枚数,宇宙麻雀か否か等で大きく(ry
→ まあダブリー・二盃口・小三元あたりでしょうね。三槓子という意見もあったが,あれは狙って出すものではない&どうせ対々和とかぶるという点で2役妥当だと思う。混老頭も実質4役も納得いかないなw。チンイツと同じ扱いでよかろうに。
→ チャンタの下がり1役もしんどいが,あれは食い下がらない2役はそんなもんだろうという気はする。純チャンも同じく。ただ,食いタン有りだとするとあれで食い下がった1役は労力を考えると納得行かない気持ちもわかる。ただまあ,チャンタの場合は大概他にもう1つ役がついてるだろうとは思う。
→ 宇宙麻雀的にはどう考えても面前清一色ですね!あれで6役はない。待ち考えるのが自動じゃなかったらフリテン怖すぎてあきらめるわ。
→ 鷲巣麻雀だとどうなんだろうな。やった回数が少なすぎてぴんと来ない。


・左利きにしか分からない苦労(もみあげチャ〜シュ〜 )
→ 身に覚えがあること多数。切符,飯のときの配置,習字,ハサミ,鉛筆による手の汚れ,急須,配膳時のおたまの向きetc。おたまはカレーなどで見る,すくう向きが固定されているものは破壊したくなる衝動にかられる。
→ 「左利きは右利きより寿命が短い」というのは別のサイトで見たことがある。ちまちまたまるストレスが寿命に影響を与えているそうで,さもありなんという程度には自分もストレスをためているような気はする。そして追加で浮上する左右盲問題。
→ 正直,左利きにも配慮した社会にしてほしい。それも一種のノーマライゼーションだろうに。ハサミはようやく左利き用が普及してきたが,次は改札あたりからなんとか。


・アリス×京都×鳥獣戯画、オリジナルアニメ「京騒戯画」のステージレポート(GIGAZINE)
・京騒戯画公式サイト
→ これは劇場公開されたら見に行くつもり。けっこう期待している。
→ 某人が言っていたが,鳥獣戯画を用いたなら,どうせなら甲巻以外にもスポットライトを。
  
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2011年11月21日

第199回『有頂天家族』森見登美彦著,幻冬舎文庫

今度はいつもの森見節の小説だろ,と思っていたら,その要素もあるものの,けっこうしんみりする人情話であった。そのせいか,文庫で420ページといつもよりもちょっと厚い。

舞台はいつも通りの現代の京都。ただし,京都には人間以外に狸と天狗が住んでいるという設定である。主人公の狸・下鴨矢三郎は苗字の通り,下鴨神社奥の糺ノ森に居住する狸である。これも森見読者にはおなじみであろう,とりわけ『四畳半神話大系』の舞台もまさに下鴨であった。設定もいつも通り共通しており,金曜倶楽部や偽電気ブラン,京都大学詭弁論部が登場する。特に金曜倶楽部のメンバーはおおよそ『夜は短し』と共通しており(李白は寿老人と推定される=高利貸しである点や偽電気ブランの元締めである点が共通しているため),先にこれらを読んでおくとより楽しめるかもしれない。また,逆に偽電気ブランの工場を運営しているのは狸であることが本作であきらかになるため,他作品で登場したときにニヤリとできるかもしれない。

タイトルの通り,主人公の家族である下鴨家を巡る騒動が本作の本筋である。これも,森見作品としては珍しいことに余分な横道にそれることなく,おおよそまっすぐ本筋を進んでいく。無論,この一家は狸であり,森見作品の登場キャラなので,言うまでもなく阿呆の塊である。阿呆ではあるのだが,本作の大騒動の発端となった事件が主人公の父である下鴨総一郎の死であり,下鴨家の家族愛もかなりストレートに描かれている。結果として,同じ阿呆でもずいぶんと哀愁の漂う阿呆さとなっており,笑いながら読めるシーンもあればしんみりするシーンもあり,簡単に笑い飛ばして終わることができるものではなく,本作はなかなか複雑な様相を見せる。そして,そこに潜むストレートな家族愛が,とても温かい。

シリアスな場面にあたって,普段阿呆な連中の本気が見せる哀愁や滑稽さという点では,同じ狸を描いた傑作であるジブリの『平成狸合戦ぽんぽこ』に似たものがあるかもしれない。そういったものを描くのに,狸は向いているのだろう。森見登美彦はこういうのも書けたのか,とちょっと驚いた。いつもとちょっと違う,けど大きくは違わない森見節をご覧あれ。


有頂天家族 (幻冬舎文庫)有頂天家族 (幻冬舎文庫)
著者:森見 登美彦
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2011年11月17日

ウィンザー朝?ハノーヴァー朝でしょ?的な。

・言論の自由はどこまで言論の自由を許すか?・・・平林久和「ゲームの未来を語る」第21回(GameBusiness.jp)
→ 名前が具体的に挙がったところは一つ新しいのかなと。
→ ゲハブログに限らずイエロージャーナリズムは無くならない物だし,それにすがる読者がいるのも確かだが,一方でやはり改竄や虚報は許されないものだし,「改竄をおそれて業界人の発言が萎縮する」のは不用意な発言がさらされるよりもまずいことだろう。このあたりはアイマス2のネガキャンで散々やられたので,割と他人事ではない。「ゴシップならゴシップでもいいから騒ぎ立てることだけしたい人たち」の存在を軽視するべきではない。


・コミックマーケット80 c80企業ブース牛歩番付(オタサガ〜悲しくも頼もしきオタクのSaga(性)〜)
→ オーガストは過去最高8レジだったが今回9レジへ。「列捌きだけに命をかけている企業。」の称号は伊達じゃない。
→ 一迅社はその後「ゆるゆり本誌購入で全員通販」という神業をやってのけたが,その本誌が圧倒的売り切れ。赤字まで出してかけた重版も売り切れで結局通販できず。ゆるゆりバブル恐ろしい。
→ しかし,数回前に企業ブース全体が拡張されて列作りやすくなったというのに,これだもんなぁ。売上が読めなくて即売り切れた嬉し涙なところはしょうがないとして,単純に牛歩してしまった企業は本気で反省して欲しい。そんな冬コミまでもうあと1ヶ月半。


・古代エジプトと王朝の区分 ―全32王朝は「実は分けすぎ」。(現在位置を確認します。)
→ 古代エジプトはなぜに30もの王朝に分かれているのか。理由は,元々女性に王位継承権を認めているにもかかわらず,古代エジプトの重要な史料を残した紀元前3世紀のエジプト人マネトーが,「女性が立つたびに王朝交代をカウントしていたため」らしい。そして,近代の学者はマネトーの恣意的なカウントに気づくまで,それを流用するしか無く,その慣習が現在でも続いていると。
→ 王朝交代の基準自体は世界各地バラバラなのは当然なのでいいのだけれど,古代エジプト人の中で基準がぶれてる(ように見える)のはなんだかなーと。史料がマネトーさん以外にあれば相当違ったのだが……
→ 王朝交代の基準というのは案外と適当でお国柄がけっこう出てたり,当時の人々や後世の歴史家がわかりやすいように区切ってたりするのは確かなので,古代エジプトだけをあまりとやかくは言えない。でもエジプトはやっぱり分けすぎだと思うな。代わりにあるのが古王国・中王国・新王国・末期王朝って区分ではあるのだろう。


・戯画「この青空に約束を―」ネタ辞典 他
→ こんにゃく,パルフェ等の元ネタ事典。自分もPULLTOP作品で似たようなことをしてましたが,これはそれに輪をかけてすごい。
→ やはりこういうのを作るときはブログよりもHPやwikiだなぁ,とは思う。ただ,今後PULLTOP作品の行方がよくわからんというか,丸谷ラインが実質的に瓦解しているというか……移行の予定はない。申し訳ない。


・なぜジャンプで新連載が生き残れないのかについて(倩)
→ 非常に同感できる記事。
→ 私的には,アンケート関係ないプロテクト枠が下のほうに留まると,新連載がきつくなる感じがしている。アニメ化中はよほどのことがないと打ち切れないので,実質的にこち亀,ハンター,ぬらりひょん等が全部壁に。
→ 加えて雑誌のバランスというのも確かに大きな要素で。厚くするのも難しいだろうし,テニプリやとらぶるのごとく,移住を推奨していくしかないかなぁ。現実のSQなり,『バクマン』の必勝ジャンプなりは良い発想だと思うのだけど。
→ マジコもST&RSもどうなるのか……なんとなくクロガネだけ生き残りそうな雰囲気。展開はベタすぎるけど,剣道漫画としては悪くないのであれはあれで続いてくれていいのだけれど,そんなことよりST&RSが打ち切られたらショック受けそうだ。一応,最近の順位でもぬらりひょんや黒子よりは前にいるんだが,前述の事情により正直危うい位置が続いている。

  
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2011年11月16日

第198回『美女と竹林』森見登美彦著,光文社

森見登美彦のエッセイ。タイトルを読んで「どうせ美女なんて出てこないんだろwwwww」と思い,前半半分読み終わったところで案の定だわざまぁって言ってたら突然登場してびびったでござるの巻。

エッセイではあるが,いつもの森見登美彦節はなんら変わらず健在である。一応,竹林の伐採を職場の同僚から請け負い,そこから話が展開していくはずだったのだが,実際のところ森見自身の多忙によりまるで竹林の伐採を行なっておらず,自然話も弁明中心になり,挙句の果てにはどんどん全く関係のない話にそれていき,(まるでイカ娘の侵略のごとき)適当極まりない扱いを受けるのが本作の竹林伐採の扱いである。伐採を除いた竹林自体の話はそれよりは話題に上るが,ここはまあそれなりにエッセイになっている。美女のほうは一瞬出てくるが,あとはまあ関係ない。取ってつけたように「美女と竹林は等価交換」とかいつもの調子で吹いているが,まあ平常営業である。

というように,基本的には竹林伐採に出かける余裕がないことに対する弁明からつながる妄想トークで,「それならお前,エッセイじゃなくても普段の小説と変わらんじゃないかい!」というツッコミが入ることは間違いない。「もしも、同作家の別の小説を知らずに最初にコレを手にしてしまったら、大変危険」ということを書いている書評があったが,全力で同意しておく。文章中で自ら『四畳半神話大系』のパロディをしているように,あらかじめ森見登美彦がどういった文章を書くかを知っている人向けのエッセイである。でなければ,どこまでがマジでどこからがギャグなのか判別がつくまい。

……しかし,多分本当は本当に,妄想エッセイにする予定はなくて,ちゃんと竹林伐採記をやりたかったんだろうなぁ。ちゃんと締切を守っている以上,本当はこの人スケジュール管理がしっかり出来てしまうんだろうけど,お人好しに仕事を請け負ううちに溜まっていって「この状況はそれはそれでおいしい」などと考えているうちに,半ば確信犯的にこういうエッセイになっていっただろうことは容易に想像できる。なお,80〜81ページの説明は,ある種の大学生の精神の描写としてこの上なく適切であるので必読である。これは,彼の小説読解にも役に立つだろう。

いやあ,いいよね竹林。私も大好きですよ。俺も週末遁世を流行させて,隣の庵のイケてる乙女と「世の捨て方」について議論したいわー。んで,かぐや姫発見したら結婚するわー。


美女と竹林 (光文社文庫)美女と竹林 (光文社文庫)
著者:森見 登美彦
販売元:光文社
(2010-12-09)
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2011年11月15日

はてなのサービスの全貌がわからない

・ところで「ポカリスエット」と「アクエリアス」って何が違うの(コブス横丁)
→ アクエリアスよりもポカリのほうが濃いのは,そもそも使用目的が異なるからという話。とても納得した。味としてはアクエリアスのほうが好き。
→ 原材料に「海藻エキス」とあるせいで,高校時代の友人達の間では「こんぶ水」と呼称されていた。もっとも,その海藻エキスが昆布から取られたものかどうかは全く知らない。いまだに知らない。


・九州王朝説(Wikipedia)
→ 九州王朝説。とある日本史のHPの方が展開していて,違和感を覚えたので少し調べてみた。
→ 九州王朝説内でも様々な説があるが,共通している点は「大和朝廷以外の独立した政権が太宰府に存在し,白村江で大敗するまでは日本を代表する政権だった」としている点。確かにこれで行くといくつかの点でしっくり来るところはあるものの,しかし史料の読み方が恣意的である点やいくつかの史料を意図的に無視している点,考古学的成果を一切無視している点などが批判され現在ほとんどまともに扱われていない。史料の読み方の批判としてはこちらへ。
→ これで邪馬台国が九州説に落ち着いていたらまだ生き延びたと思うが,近畿説に落ち着きそうな昨今,立場はますます苦しそうである。個人的にも,継体以前の王朝がどうなっているのかは非常に怪しいとは思うものの,大和朝廷そのものがすでに西日本に一円的支配を行なっていたことは確かなんだろうなと思っている。


・quote:[夜86] 助教授の悩み ksg 2003/07/19(Sat) 23:58 (Tumblr Port)
→ 日付を見れば分かる通り,ネタ自体は2003年からある。架空の出来事だろうがとてもそれっぽくてよい。
→ ネタのためなら単位を犠牲にして全力を尽くす学生的な何か。定量的に述べろと言われれば統計を取り,屁理屈をこねるためにネコの死骸を用意する根性に惜しみない称賛(笑)を送りたい。


・はてなブックマークの仕様のおかしいところ (増田)
→ もうはてなアイデア要らないだろ。最近まで存在すら知らなかったぞ。
→ エロのゾーニングやスパム対策などは割と必須ではないかと思う。もうはてなははてなの空気があるので一般化はニコニコ動画以上に困難だと思うし,おそらくネット原住民(笑)に近いであろう私的には情報収集ツールとして非常に使い勝手がいいのだが,それはそれとしてもこの辺りは万人にとってなんとかすべきだろう。
私的にはスターの連打がスパム化しているように思われるので,これこそやっていただきたい。あとは2chまとめブログの隔離(カテゴリ化)かなぁ。なくなっても困るけど,あまりにもホッテントリを占領しててうざったい。(こっちも参照。)


・今までの人生で一番感動したスポーツの名場面・奇跡のプレー(うましかニュース)
→ 単純にスポーツで感動した場面というとかなり数があるよなぁ。最近だとサッカーワールドカップのデンマーク戦が最大。
→ 長野五輪のジャンプはドラマ展開すぎてw。第2回のWBCも良いなぁ。決勝のイチローのヒットは,日本中が揺れたといっても過言ではない。新体操にはほとんど興味がないが,「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!!! 」は記憶に残っている。名調子だと思う。
→ K-1名勝負は単独で語れるほどあるが,まずバンナ・フィリオのKO劇は筆頭。ピーター・アーツの全KO優勝や,同じくシュルトの全KO優勝。カラエフVSバダハリも捨てがたい。
→ 逆に言って,当時サッカーにほとんど興味がなかったため,ドーハの悲劇もジョホールバルの歓喜もまるで記憶にない。本当に惜しいことである。  
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2011年11月14日

レビューを片付けたので

二ヶ月ぶりのエロゲ進捗報告。前回。もう少し先に更新する予定だったが,状況がいろいろ大きく変わってきたのでここらで。

・クドわふたー → クリア後4ヶ月放置しようやくレビュー済。
・仏蘭西少女 → クドわふに同期して2ヶ月ほど放置後レビュー済。
・素晴らしき日々 → クリア後即レビュー済。傑作だった。

・群青の空を越えて → 購入・インストール済,プレイ中。一人目(若菜)がもうすぐ終わるっぽい。11月中には崩せる?
・世界征服彼女 → 某ORATORIOとかいう人が「NAVELの血脈をついでる作品(ギャグ的な意味で)」とか言ってたので,「お前すば日々,俺セカジョ」という謎の交換条件を締結してしまったため,いろいろな予定を割り込んで『群青』の次にプレイ。おもしろかったら,最近出たとかいうファンディスクにそのままつっこむかもしれない。
・ワールドエンドエコノミカ → 某ネ右とかいう紳士から投げつけられたので。続き物の同人一作目なだけあって3時間くらいで終わるらしいので,セカジョとあわせて。
・white → ねこねこソフトのアレ。これも某ネ右とかいう紳士がry。あんまりやる気なかったけどいつの間にか手元にあるから仕方がない。興が乗ったらセカジョの次くらいにがんばります。

9・10月は案の定仕事が忙しかったが,11月に入ったら途端に暇になったので『すば日々』を一気に崩せた。11月下旬がどのくらい仕事暇かにもよるが,多分『white』が終わったところで12月の下旬になるので,そしたら(延期してない場合)WA2IC・CCをまとめて買って今年は打ち止めだろう。WA2が延期してたら,セカジョFDに手をつけるか,もしくはいよいよVic2を買うか。でもEU3DWが楽しいので,当分歴史SLG新しいのを買う気力も湧きそうにないんだよなぁ。ちょっとArsenal of Democracyも気になっている。
  
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2011年11月12日

非ニコマス定期消化 2011.8月中旬〜9月上旬

第7回MMD杯優勝作品と,引き続きアニメMAD。



武士語シリーズ。前回以上に無茶で御座候。



心の折れるほむらちゃんのNGシーン集。何があってもくじけません。魔法少女ですから。



曲はVenus Blood ABYSS(黒箱系)というね。緩くなさそうと言うか11eyesあたりの系統のエロゲっぽくなっている。シーンごとに切っていけば大概のものは雰囲気をがらっと変えられるという好例で,いい出来。ちなつの表情とかよく使うなぁ。京子あたりは陵辱されて大変な目に遭いそうなムービーである。あかりはきっとチート設定なんだけど終盤まで出てこない的な。



嘘字幕新素材。新素材も何も有名な映画ではあるが。「大人の会話を聞かすな」からの「またアニメで喧嘩してるの?」のコンボが腹筋に直撃した。使い勝手のある素材である。



ボウゲッシャーホイホイ。幻想郷の美しい土下座。




原点。乗れる曲である。しかし,いつ聞いてもろんの性別がよくわからない。ここから



振り付けがつき,



こずえが踊って,



MMDになって,モデルもダンスもすばらしく,そのクオリティが評価されてMMD杯優勝。実にニコニコらしい流れで感動した。なんかもうみなさんすげぇよ。



おまけ。今日の父兄参観会場。小さいモデルで見ると,より腰の動きのリアルさがよくわかる。それにしてもかわいいなぁこのモデル。
  
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2011年11月10日

素晴らしき日々―不連続存在― レビュー

(11/14ネタバレゾーンに追記有。)非常に評判の良い2010年の傑作。SCA自本人は下敷きにしただけと言っているが,実質的には『終ノ空』のリメイクである。ただし,ある大きな設定の変更が行われており,それに伴う部分の物語が改変されているほか,『終ノ空』にはなかった5・6章が追加され,変更された部分の設定が掘り下げられている。結果的に,物語全体として共通している部分は3〜4割ほどになるかと思う。

追加された設定自体はよくあるものなので,『終ノ空』との相違点を探しながらプレーすれば,4章冒頭でネタばらしされるまでにあっさり気づくと思う(私自身は2章中盤で気づいた)。その後は「ああ,設定がこう変わったから,ストーリー展開をこう変えざるをえなかったのか」,「ここは無理してでも残したっぽいなw」というのを探す観点で進めていくと,これはこれでなかなか楽しめる。たとえば三角木馬のシーンが『終ノ空』から引き継がれているわけだが,絶対に要らないだろと思っていたらうまいこと使ってて感心させられた。無論,『終ノ空』未プレイのほうが新鮮な気持ちで楽しめると思う。

ついでに言えば,全く同じトリックが使われた某作品も未プレイなら尚更楽しめるかなと思う。正直に言えば,トリックの使い方としてはあちらのほうが一枚上手だった。使い方がちょっと違うので,比較自体が不毛とも言えるが……本作は優れた作品であるため,すでに多くの論評・考察がなされている。その中では,案外となされていないのが某作品との比較なのかなと思うので,ちょっとだけ考えてみた。詳しくはネタバレ隔離の下で比較しているのでそちらへ。


先にネタバレしない範囲で感じたことを。SCA自は物勧めるのとキャラを描写するのは本当にうまくなった。キャラの描写としては特に,『H2O』のいじめ描写を踏まえているからこそ,2・3章は特に光ったというレビューを読んで,なるほどその通りだろうと納得した。間宮卓司にしろ高島ざくろにしろ橘希実香にしろ,いじめられる側の心理が非常に秀逸で欝になる事この上ない。あまりにも陰惨なので,これが原因でギブアップする人もいるんじゃないだろうか。

物の方も。本作も相変わらずシナリオとはあまり関係ないSCA自の衒学趣味満載で,これも『H2O』ではあまりにも脈絡なさすぎてちょっとげんなりしたが,『終ノ空』やあれに比べれば格段の進歩である。特に『シラノ・ド・ベルジュラック』は本当に読みたくなった。で,東大図書館に『シラノ』を借りに行ったら『猫とともに去りぬ』と一緒に借りられてたわけだが,明らかに動機が同じである。怒らないから出てきなさい今度飲みましょう。ついでに,ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』はかなり昔に読んだことがあるが,当時は何を言っているのかさっぱりわからなかった。クザーヌスの『学識ある無知について』も部分的に読んだことあるが,感想としては由岐と同じで,とにかくこの人はがんばって三位一体を論証したかったんだな,という程度である。

あとは,クラシック好きとして一言だけ言わせてもらうと,「主よ,人の望みの喜びよ」を印象的に使ったエロゲは,『しろくまベルスターズ』以来2作目。にもかかわらず印象が違いすぎる。『しろくま』は素直で,単純に神への感謝の念が感じられ,思わず「ハッピーホリデーズ!」と叫びたくなる。これに対し,『素晴らしき日々』の使い方は卑怯,もしくは皮肉が効き過ぎと表することができよう。無慈悲な神なんていなくていい,というのは本作のテーマに沿ってるし,こうした使い方をしても似合うほどこの曲は深い情念をたたえているのは確かなのだが,やはり私としてはこの曲はあくまで神への賛歌であってほしいものだ。素直に聞けなくなったら恨む(笑)んだぜ。(曲と,ついでに引用文献のまとめはこちらに。


さて,以下は某作品との比較について。困ったことに某作品の名前を出した瞬間,どちらか片方をプレイしてない人に対して完全なるネタバレになるので,以下は必ず最低限『すば日々』をクリアしていること,かつ比較される某作品の見当がある程度ついている人のみ推奨,ということにしたい。万が一,それでもネタバレを踏んでしまった場合は大変申し訳ないが,がんばって見なかったことにしてください。
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2011年11月09日

仏蘭西少女 レビュー

本作を最も特徴付けているのは,その長大さと難易度である。8月の頭に開始して最初は1日1時間弱ずつちまちま進めていたが,20時間以上経過してまだ終わらないことに焦りを抱き,夏コミ明けてからは倍速でプレイして,何とか仕事が忙しくなる9月の上旬には終わらせた,という感じ。少なくとも60時間以上はかかっているし,80時間に到達しているかもしれない。『Fate/stay night』でも『CLANNAD』でも『マブラヴオルタネイティヴ』でもこれほどかかってないはずなので,おそらく人生最長のエロゲと言える。そのあとは,『クドわふたー』のレビューとともに2ヶ月ほど放置された。

難易度のほうはもっとずば抜けていて,実はそれだけやってもエンディングがやっと埋まり,シーンとCGについてはとうとう諦めた。今まで途中でギブアップしたエロゲがほとんどなく,手をつけたエロゲは可能なかぎりコンプしてきた私だが,エンディングが埋まった所で満足し,CGとシーン回想は断念させられたのは本作が初めてである。なんとかCGはあと5枚まで来たが(総数165枚),シーン回想は22も空いている(総数114)。そもそもエンディング数が48もあり,ボリュームだけは誰か点数をつけても満点以外はつくまい。エンディングに関しては,公式配布されているパッチver1.20を適用すると,それぞれにヒントや正解のルート(選択肢一覧)が表示されるため,最悪これに沿っていけば全部見れる(というよりもバグが多いため,このver1.20を当てないとゲーム自体が成立しない)。しかし,このヒントも案外と当てにならず,表示されるルートも必ずしも最も効率的な手順が示されているわけではないため,公式ヒントに乗っていくとさらに時間を食うというジレンマがある。

これほど難易度を高くしている理由は明白で,選択肢が無数に用意されており,それでいて不要選択肢がほとんど存在しないという点だ。選択肢の文自体はわかりやすく,どの選択肢を選べば誰の好感度がどう変動するかは明白なので,その点に困難はない。しかし,そのパラメータの変動が細かく,しかもキャラ別好感度以外の隠しパラメータが存在し,それらのパラメータの状況で判定される分岐点がいくつもあるため,ルートの選定が異常な困難さとなっている。歴戦のエロゲーマーほど驚くと思われるが,他の多くのエロゲと異なってささいな選択肢1つ変えただけですぐに未読の文章に突入するし,場合によってはパラメータが微細に違うだけで別のエンディングが表示される。無論,プレイヤーからはパラメータが見えないし,どこの選択肢がフラグになってそのエンディングになったのか,あまり判然としないので,最終的には気の遠くなるような虱潰し戦法しかない。公式がヒントを出してくれなかったらぞっとする難易度である。それでもエンディングに関しては公式のヒントと,かなり充実した攻略サイトがあるため,なんとかコンプリートできる。単純な選択肢のみで分岐するノベル形式のエロゲとしては,『MinDeaDBlooD』や『Extravaganza』を超えた究極の難易度と言え,エロゲ史上最高難易度と言えるかもしれない。あんなわかりにくい公式ヒントを出すくらいなら,『MinDeaDBlooD』のように重要パラメータを視認できるようにするか,『アカイイト』方式にフローチャートをつけてくれたほうがよほど楽であった。


で,この長大さと難易度が大きく足を引っ張っている,むしろ癌と言えるのが本作である。絵も音楽も良く,シナリオもテキストも一癖も二癖もあって,多くの人には受け入れられなくとも一部の人には確実に受ける作風であるのにもかかわらず,長さと難易度がすべてをぶち壊している。長い原因はシナリオにもテキストにもある。まずテキストの方は明らかな装飾過多で,作品のコンセプト・雰囲気からすると仕方のない部分もあるのだが,それにしても無駄が多い。わずかに文言が違うだけで未読扱いになるため度々スキップが止まり,いちいち覚えてもいないのでどこが変わったのか全くわからないからさらにイライラさせられる。表題の通りフランスを「仏蘭西」にするなど,大正時代の雰囲気を出すため漢字・漢語表現が多く,読みづらいとまでは言わないものの読む速度には影響を与えているだろう。もういいから……いいから先のシナリオを読ませてくれ,と何度も思ったものである。

シナリオのほうは,そんなにエンディング数が必要だったのかということを問いたい。『Extravaganza』や『アカイイト』もエンディング数が無数にあるゲームとして挙げられるが,この両作品は『Fate/stay night』のごとく単純な即死エンドが多く,そうでないものはかなり作りこまれていた。『仏蘭西少女』の場合,分岐してからエンディングまでが長く,かつ内容が似通っているため達成感が薄く,エンディングに到達したことで公開される真相に近づくための情報量も少ない。完全に埋めるための作業であり,その作業が煩雑だから不満がたまるわけである。すっきりとまとめれば半分の25,がんばれば20くらいで済みそうな気がする。同様に選択肢もあんなにいらない。同じ高難易度でも少ない選択肢で明確に分岐させた『Extravaganza』を見習って欲しい。

ここで,「だったら途中でコンプを諦めればよかったじゃないか」という反論が聞こえてきそうだが,これについてはマルセルさんが本作の構造に引っ掛けて超長文で論証しているので,めんどうでなければそちらをお読みいただきたい。一言で言えば「なんだかんだ言って20くらいは真っ当なエンディングがあるので,物語の全貌把握のためには結局コンプするしかないし,コンプしないと批判もしづらい」ということになる。

その割に,必要なところにあるべき選択肢がない。主人公の矢木澤政重は巷で「鳴海孝之や伊藤誠,ロメオさんに並ぶ逸材」と称されているそうだ。彼の場合は単純なダメ主人公というよりは清く正しい太宰治のご先祖様であり,ダメであること自体は批判できるものではない。しかし,より正確に言えば彼は少女の購入により完全な堕落が始まるため,それ以前の段階で錯乱しているのはおかしいはずである。たとえば,最初に「遺産を受け取らない」選択肢や,少女に関する契約書にサインするときに「値段を聞いた上でサインしない」選択肢でも作っておけば相当主人公及び物語に対する評価は違ったはずである。まあ,そうしたプレイヤーのガス抜きをあえて用意しなかったのは制作側の判断なんだろうけど,賛同できない。これらの選択肢がないせいで,主人公を真人間に更生させようとして選択肢を選んでいくと,結局ろくでもないエンディングにしか到達しないからである。「空中文明」や「夏旅」など,必要ないエンディングの最たるものだ。(ついでに言えば,香純玩具ルートはルートごと要らないと思う。)


と,ぼっこぼこに叩いてしまったが,悲しいことに素材と設定は間違いなく良いのである。「人として最低であることを自覚しつつ,さらに堕落していく過程」の描写は抜群で,そのために設置された舞台も完璧であった。そこにファム・ファタル要素やサスペンス・ミステリー要素も盛り込んで,それほど破綻なく一つの作品にまとめ上げた点はすばらしいと思う。本来であれば,このコンセプトに加えてTonyの原画,丸谷のテキストの組み合わせで,完全勝利が約束されていたはずの作品であった。繰り返して言うが,それを完全にぶち壊したのは,長大さと難易度である。どれだけすばらしい文でも絵でも,繰り返し見せられれば飽きるし,時間あたりの価値は減じていく。どうしてこうなった……というプレイヤーの嘆息が聞こえてくる作品であった。70点以上はあげたくない。

最後に,本作は抜きゲーとして見ることができるか,という点について。バリエーション豊富で絵もテキストも良いので使えるとは思うけど,回収のために60時間超を投資できますか?という一点において,ノーである。


(追記)以下,ネタバレ。
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2011年11月08日

クドわふたー レビュー

評価そのものは割と早期に固まったが書くまでの踏ん切りがつかず,クリアからレビューまで4ヶ月も放置してしまった。端的に言って,一般に言われているよりも良い作品であると感じたが,そう褒めるほどの印象もなく,凡作と良作の間という評価になる。65点くらいかな。

そうは見えないかもしれないが,「襲いかかる不条理」に対して人間がせいいっぱいの努力をした結果,奇跡が起きるというKEY特有の構造は,本作でも一応維持されている。ただし,本作はFDらしく小さな作りであるためか,具体的なシステムを用意している分量的余裕がなく,かと言ってリトバス本体から流用するわけにもいかず(本編は終了している),結果的に一つの特殊なシステムを構築しているわけではない。そこにあるのは,「正体不明だが確実に起きる奇跡」ではなく,天文学的確率で起きる一般的な奇跡であり,その点ではリトバス本体やその他KEY作品と一線を画すだろう。これを革新的と見る向きも可能と言えば可能だが,どちらかというと,中途半端にKEY作品の構造をずらしたせいで,奇跡がより陳腐化してしまった感もなくはなく(ただでさえKEYの奇跡は陳腐化しやすいのに),「だったらKEYである必要がない」と,ファンディスクであるにもかかわらず思わせられてしまった。

短くまとまってたのは確かで,前半はペットボトルロケット大会とクドとのいちゃラブ,後半は宇宙飛行士になるという夢を掲げたクドのがんばりと,とある事件の顛末について。ペットボトルロケット制作は正直眠かったので,「終始飽きさせないように」とはいかずとも,まあ無駄なく詰め込んだかなとは思う。しいて削るならペットボトルロケット制作しかないが,あそこはライターが一番書きたかった空気を感じるしな……後半の宇宙に関する話も含めて,ライターの趣味が大きく出たんだろう。クドといちゃいちゃしてた時間よりも,ペットボトル切ってた時間のほうが,体感時間的に長かった。『リトバス』本編のクドシナリオからしてそんな空気を感じていた。眠かったのは,私がそこらへんに全く興味がないからというのもないわけではない。興味をひかれるほど,テキストがうまかったわけでもない。

クドが好きならもちろんやるべきだろうが,そうでなくとも宇宙関係に興味があるなら,いろいろクドに共感できるところがあるかもしれないので,やってもよいだろう。注意点として,『リトバス』とはほぼ完全に分離しており,恭介も謙吾も真人も鈴も全く出てこない。というか,佳奈多以外のキャラはほぼ『リトバス』から引き継いでいないと思ってよいし,佳奈多にしても葉留佳との和解が済んでいるのか,それとも葉留佳もなかったことにされてるかいずれかの設定だと脳内補完しておくと良い。クド以外とのキャラの存在は相当ぼかされていて,どこかで公開されているのかもしれないが,少なくとも作中ではあいまいなまま話が進む。そのくらい『リトバス』からは分離した作品であるということは,先に頭に入れておかないといろいろ混乱すると思う。  
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2011年11月05日

第197回『世界各国女傑列伝』山本昌弘著,社会評論社

本書は『ダメ人間の世界史』,及び『ダメ人間の日本史』の著者たちによる第四弾である。社会評論社の悪乗りはさらに続く。本書のコンセプトは明確で「全国家から一人ずつ女傑を挙げていく」というもの。全国家とは現代基準であるため,無論のことながら本来複数挙げられて然るべき国家もあり,逆にむりくり現代史の女性運動家・政治家からひねくり出さないとどうにもならない国家まで存在している。南スーダンまで含めて総勢194人,なかなかの大著である。

本書はまえがきにて,現代の国家という枠組が恣意的である点,しかしそこからひねりだされて作られた人為的な列伝であることは重々自覚していることが説明されており,そのようなミクロ国家や文字史料の希薄な国については,「その国の紙幣や切手になりそうな女傑は誰か」ということに重点を置いて楽しんで欲しいことが説明されている。結果的に,モナコはグレースケリーになっている。一方,もっと他に候補がたくさんいただろう中国は呂后だし,アメリカは吝嗇で有名な実業家ヘティ・グリーンが選ばれていて,メジャーな国家は逆に著者の趣味が出過ぎているとは言える。(アメリカならストウ夫人なりアメリア・イアハートなりのほうがよかったんじゃ。ヘティ・グリーンは奇をてらうにしても,正直インパクトに欠ける人選である。)

おもしろいのはコンセプトに則ったマイナー国家群で,アフリカや中南米,東欧となるとエヴァ・ペロンやハトシェプスト,ヤドヴィガのような例外を除くと多くの人物は全く知られていない。彼女らを大きく分けると,前近代の王朝においてなんらかの事情で活躍せざるを得ず,政治的に活躍させられた王族。もしくは,近現代において,民族運動や独立運動で活躍した政治家の2グループに分けられる。著者はどうも,探せる限り探して前者が見つからなかった場合,後者を紹介することにしているようだ。まあ,ジャンヌ・ダルクやエカチェリーナ2世のような存在がいる国のほうが少ない。なお,本邦を代表しているのは北条政子である。


世界各国女傑列伝―全独立国から代表的な女性を一人ずつ紹介世界各国女傑列伝―全独立国から代表的な女性を一人ずつ紹介
著者:山田 昌弘
販売元:社会評論社
(2011-09)
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2011年11月03日

安定の鮫島オチ

・シュヴァルツェスマーケン2巻読了(ネタバレ注意)。某人が「アイリスディーナ様のおっぱいにはテオドール君だって勝てませんって」とかなんとか言っていたが,いやほんとそうですね。ただこれ,テオドール視点ではイイハナシダナーなんだけど,第三者視点では「アイリスディーナはテオドールの過去を知ってて入隊させたわけだよな?自分の派閥を増やすために他人を利用してるだけじゃ」とも見える。別にあんまりキャラの主体性に興味はないし,現実的に考えてテオドール君はこれ以外に生きる道はないので,とやかくは言わんけども。
→ ところで,ここまでの挿絵でアイリスディーナ,カティア,ファム,アネットの4人は衛士服が出てきたが,シルヴィアとグレーテルは出てきていない。カラーで胸を大きく開いた軍服姿をもらっているシルヴィアはいいとして,やはり「グレーテルの衛士服とか誰得」ってことなんだろうか。


・メインヒロイン(笑)(ピクシブ百科事典)
→ 昔,「メインヒロインは当たり障りのないキャラにせざるをえない以上,どうしても埋没しやすい」というようなことを書いたのを思い出す。この概念については,ネット上でもかなり早い時期から着手していたという自負がある。ニコニコ大百科のほうでは,まさにそのことが書いてあり,こちらのほうが丁寧と言えるかもしれない。
→ しかしまあ,あのノベマスから生まれた言葉がこうもまあ広まるとは。使いやすいのは確かだけども。そして,用語の誕生がニコマスってことを知らない人も多そうな気がする。



「時代が追いついた」タグまで貼られてるよおい。
→ ピクシブ百科事典の例一覧について2点だけ。メインヒロインが人気投票で1位取れないというのがオーガスト作品ではあるが,『ユースティア』は最初からそういうの狙ってなさそうだったし,『フォアテリ』の瑛里華は人気投票こそ負けたけど扱いとしては完全に前面に出てるので(むしろ陽菜はあまり見ない),巷の印象ほどオーガストはメインヒロインの扱いがぞんざいというわけでもない。どうにも言い訳が効かなそうなのは美琴だけかなぁ。
→ 『とらハ3』の美由希はOVAでメイン扱いなので,そこまで扱い悪くない。が,フィアッセは言い訳できない……原因はシナリオのせいかな。『なのは』では存在ごとほぼ抹消されててびびった。ちなみに,「正史」という意味では忍がメインヒロインになる。『なのは』含め,その後のスピンアウト作品等では,ほぼ恭也と忍が付き合っている。


・アイマスはどれだけユーザー意見を取り入れてきたのだろうか?の考察(ウメブラックのアイマスイズム)
→ こうして見るとうまいこと要望に応えたからこそ360無印のヒットがあったのだなと。一番はPV映像の進化が理由だとは思うのだけど。
→ ただし,SP・DSに関しては要望の応え方としてやや誤った感がある。追加曲が欲しかったのではなくて,正確には追加曲でHDで踊るアイドルが見たかったわけであるわけで。携帯機というところに限界があった。
→ 後段の推測はおそらく正しくて,「キャラ物3年の法則」に従ってユーザーの765プロ離れを進めようとしたんだけれども,思った以上に皆離れてくれなかったので,2の方向性を当初の構想から変えざるを得なくなった。そこをDSで読み取れたのであれば,本来竜宮小町という措置も避けるべきであったのだが,お財布の事情とかもあったんだろうな。小町はやっとアニマスで救われた感が,私的にはある。


・魂持つ短剣「クリス」 インドネシア 信じる(6)(朝日新聞)
→ ロマサガシリーズでは有名な「クリスナイフ」。属性は隕石……を連想したのがブコメに自分しかいなかったのが意外である。
→ こうしてみると,ジャワがヒンドゥー教国だった名残の一つなんだなぁと。影絵のほうが有名だけど。


・2ch史上最高の釣りってなんなの?(カオスちゃんねる)
→ 記憶に残ってるところでインパクト強いのは,やはりユニバーサルメルカトル図法と釣神様かな。あと,緯度経度のやつ。謎解きとしてよくできていたと思う。
→ モスバーガーは釣りではないでしょうね。電車男も釣ってはないと思う。三浦茜は釣りというかそれもまた別なようなw
  
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2011年11月01日

SIR(スーパーアイドルランキング)のP名数を数えてみた in 2010

え,今更?的な。やってなかったことを思い出し,思い切って集計してみた。




去年の結果。

今までと同様に長期は正式にカウント,除外は参考記録としてカウントで,長期は上位10作品のみカウント。合作の場合,3人くらいまでのものはバラバラにカウント。参加Pが多すぎて収拾がつかないものに関しては「合作」でカウントした。また,シリーズ最上位以外も除外同様参考記録としてカウントする。

いつもならここで総評を書くところなのだが,今更総評してもしょうがないので簡単に。データ面で言うと,200位水準が3300pts。これは2009の4500pts,2008と2007の5500ptsから見ると,長期的に下落傾向にある。また,ランクインしたPの人数は長期込み,合作・除外抜きで184人と大幅に増え(09:161,08:139,07:108),一作のみランクインも昨年の111人に対し142人とこちらも大きく増加した。登場回数の最高記録は,前回まで10回を越えていたが,今回はわかむらP引退もあってたったの5回,シリーズ除外をカウントしても8回となった。各Pの寡作化傾向、大作化傾向はさらに進んだと言える。大人数合作の数は9のまま変わらず。


登場回数1回 142人

しーなP,ベルナール・リヨ3世,慧P,えこP,桃邪気P,傭兵P,MNAP(※ ここまで長期作品のみランクイン)
小町P,プレミアムP,いとしいさかなP,yajilshiP,うてにゃんP,ほっちP,rippy氏,デボp,BB3000氏,795P,NaTuP,TPTP,だいすP,potechiP,Not-Sixx氏,cyanP,#0000ffP,慈風P,イカdeゲソP,のぽぽんP,HHH氏,グレイト斎藤氏,獣道を逆走P,もう,ダメP,牛乳P,蝉丸P,ぽんぽこP,ひのきの薪P,教訓P,Ienal氏,ガテラ−星人P,ぎょP,腰痛P,らぶじゃんP,あずP,ナファランP,wooser氏,ryo氏,dbdbP,イテス氏,カマトロP,dodoP,アシスP,keykeip,陽一P,シメジP,木っ端っP,masuzushi氏,サーディP,べろちょろP,ひろ。P,すちーむ&びーすと,2番P,桃月P,総理P,remyP,ニラP,かよーP,豚角煮氏,fazzP,ホワイトファーブラックアイP,Echo氏,arcus氏,翼P,魔汁P,こんにゃくP,sitaP,ekaoP,orgoneP,Die棟梁P,轟P,ぬこP,桃白白P,倭五夢P,椅子P,爽快P,ハリアーP,薄幸P,蔵人P,deadblue238P,シンコーシャcP,ティルムP,りーP,mms.P,マディンP,ガンプラP,sabishiroP,ブリッツP,ボン太くんP,ダイヤルアップP,あおみP,フラットウッドP,しょじょんP,お茶P,ジアースP,ゴロゴロウ氏,フィロソP, 氏,聖上P,76葛P,マスターボールP,佐野倉P,ニット帽P,itachiP,AuraP,安息香P,くんかP,おからP,シラカワP,段差ー氏,よんP,せん・りつP,もりもーP,ツナマヨP,ちんすこうP,アワビP,Mr.X氏,ゆっきーP,淫の蘭P,十六夜氏,トカチP,少年P,DSP,土石P,ナンカンP,大胸筋ブラジャー氏,てってってーP,motaP,セバスチャンP,七夕P,MCFP,Rukou氏,でんP,hikoP,霧卯眠氏


登場回数1回+α 6人

鎌*renn*氏 1(+1):MMDの人。除外は上様によるrelations。
ておくれP 1(+2):もちろん全部マスクエによるシリーズ除外。
足汁P 1(+3):貫禄の足汁。
そば処五三郎氏 1(+3):チートマスターによるシリーズ除外。
ともきP 1(+5):逆転裁判春香シリーズ。9.18での引退がなければもう1つ2つ増えていたかもしれない。
介党鱈P 1(+7):ぷよますシリーズ。除外を考えなければ8回は今回のぶっちぎり最高記録。

登場回数2回 22人

しーなP,ソラユニP,キーボーP,遠心力P,こんp,寝たラーP,ゆりあP,タカシP,∀P,友P,りよまる。氏,ダブルボギーP,すまーとくっきーP,えにこP,うしわかP,下井草P,KenjoP,さぼてんP,オンナスキーP,KIDP,tiaraP,ああああ氏
(※ しーなPは長期作品のみ,ソラユニPは長期作品が1つ)

手描きP多めな印象。KenjoP2つというのは意外だが,確かに寡作な人ではある。

登場回数2回+α 3人

緑茶戌P:由々女史のどぴゅどぴゅ的な何か。
メカP:ミルキィホームズのてってってーが除外。
ハロP:エリシャダイ(実写版)。


以降の結果は続きにてどうぞ。
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Posted by dg_law at 21:42Comments(0)TrackBack(0)