2012年05月31日

マリみてはどこまで続くのかな

・『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』の2巻読了。今回も良い感じに痛い。とりあえず表紙からつっこんでいくと,一見して美少女なのによく見るとクマひどすぎてヤバイ感がたまらない。どうしてこうなった(乙女ゲーのやりすぎです)。
→ もこっちの場合,「運悪くてかわいそう」というのと「ゲスいからそりゃダメだわw」というののバランスがとれているので,読みやすいのだと思う。前者だけだとかわいそうなだけだし,今ひとつもててないことにリアリティを欠くことになる。一方,後者だけだと気分を害されるだけだし,「努力してないのだからモテるわけねーだろ」と言われて作品のコンセプトが根底から崩壊する。努力すると,努力の方向性が間違ってたり不運でめげたりする。そしてたまにクズになって案の定失敗する。この繰り返しだからこそ,もこっちかわいいのである。
→ なんだかんだでそこまで邪険にしてない智貴くんマジ聖者。

・『マリみて フェアウェルブーケ』読了。本編完結後に続く短編集の最新刊。いつもの短篇集と異なり,つなぎの話が山百合会の面々の話であり,時間軸も最新の祐巳たちが3年生の7月である。蔦子さん真美さんまで出てきてオールキャストの態。その意味で,本編が少し戻ってきた感じがした。やはり,少しでも愛着ある彼女らに会えるのは嬉しいものだ。ドリルは相変わらずドリルだなぁ。
→ 短編それぞれの出来はいつも通りで。おっぱいクッキーの話が一番おもしろかったかな。
→ 表題に関しては,どうせなら短編集のつなぎで時間軸を進めて,祐巳卒業までやってほしいかな。瞳子の妹の話なんかは適当にぼかす感じで。


・うすいG8(Togetter)
→ 「"うp乙""すげー""いいね""GJ""88888"の頭文字をまとめた単語である」。批判・批評・長文コメを避けた結果,こうなるのはある種仕方ないのかなと。
→ 「うすいG8」でもいいからコメントが欲しい人・されるべき動画と,それ以外が欲しい人・される動画は別物ではあるだろうなと。具体的にどのジャンル・人がどうだとかという野暮な話はしないが。
→ 一般的には,すでに多くのコメントで埋まっている動画では「うすいG8」は敬遠されるし,コメントが少ない動画では「なんでもいいから」と思われている節はある。
→ 私は自分でコメントするとき,「うすいG8」になるコメントは避けている。やってて自分がつまらないから。
→ けっこう語呂がいいなと思っていたが,そう流行っていない模様。


・時論公論 「がれき受け入れ"拒否"の理由」(時論公論 | 解説委員室ブログ:NHK)
→ こういうのがあるからNIMBY問題は難しい。何も言えなくなるし,何も言える立場ではない。
→ 実際,こういうのの関連で自分が政治的な発言を避けているのは自分があまりに無知で,かつ利害関係も薄いからであろうなと。


・セブ島で大喜利をするニートの話(phaのニート日記)
→ リアル島流し,もしくは完全に「電波少年的大喜利生活」。懸賞はいけたが,どうやら大喜利もいけるらしい。
→ 恐ろしいまでの悪ふざけなのだが,素直に行ってけっこうまっとうに生活しているあたり,案外と悪くない悪ふざけの範囲で収まってしまっているらしい。まあ生活費も振り込まれているしね……
→ これで知名度が上がって生活が楽になるだろうか。実際会いに行ったことがある人もちらほらいる模様。


・エリザベス女王が結婚式に飛び入り参加 英国 (CNN)
→ 思いつきでVIPに招待状送ったら本当に来たという話。女王が楽しそうで何よりです。
→ まじめな話,こういうところから好感度って上がるんじゃないかとは思う。自らの威厳を損なわず,洒落がきくのを示し,親近感もわかせるという。一石二鳥・一挙両得。
→ さすがにニュースになったらしく,映像がある。
  

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2012年05月30日

やっぱりブロント語でしょう

・..勘と電子レンジだけでプリン作ってみた☆ (Togetter)
→ 相変わらずこの方はおもしろい。(以前のまとめ
→ アイコンの影響もあってとても笑えることになっている。
→  コメント欄で出てる答え合わせURLによると,泡立てた時点で失敗だった模様。あと片栗粉いらない。ひどい失敗っぷりからすると,レシピは案外と正解に近かった。


・和尚「You're埋葬www葬wwwwwいつもwwww」(もみあげチャ〜シュ〜)
→ これは良スレ。スレの中身を見なくてもスレタイだけで嵐の替え歌だってわかるほど,破壊力が高い。>>1が乗り気じゃないのに続いてしまったあたりは割と珍しい。
→ 「歌ってみた」も出てきたが,即消されてしまった。ジャニーズは著作権うるさいし洒落が通じないから仕方ないね。




・「例のアレ」カテゴリに属する各ジャンルについて(ニコニコ動画のもっと評価されるべき動画を発掘、紹介していくブログ)
→ 記事内容にはほぼ完全に同意。淫夢は無関係の動画に出張しなきゃ,あんなに嫌われんだろう。嫌われていることにとても自覚的な集団だと思う。
→ もっとも昔はレスリングシリーズも出張してたのでいつかは収まるのかもしれんが,考えてみると方向性的には実はレスリングシリーズよりも近い「必須アモト酸」は出張・釣りが収まらないままMAD文化自体が廃れた(orつつある)ので,無理かもしれない。
→ 淫夢ネタの言い回し自体はとても使いやすくて,流行するのはわかる。ブロント語がとって替わられて廃れそうな感じ。個人的には出自を考えてもブロント語のほうが好きなので,積極的に残していきたい。
→ ……とか書いてるここ数週間で,淫夢ネタを見なくなりつつあるような。言い回しだけ残る感じなのかなー。


・エロゲの主人公の友達が画一的すぎる(エロゲ情報とりあえずまとめ)
→ 画一的とは言わないけど,ある種のテンプレ・類型はある。不良だったり情報通だったり,良い奴だったり。何パターンかにはまとまりそう。
→ 今度類型化してみてもおもしろいかもしれない。が,気力と時間がないので誰か(他人任せ)


・佐々木健一 日本大学教授「芸術は終わったのか?」(2011.09.16) (京都大学新聞社)
→ 極めてざっくりばっさりではあるが,明快でおもしろく,何よりも言ってることが正しい良記事。この方(佐々木健一)の本は読んだことがあるけど,それほどおもしろいと思わなかったが,このインタビューは絶賛しておく。
→ 現代アートがわからない,現代アートがなぜああなったのかわからない人は,ぜひ全部読むといい。
「―現代アートを理解するにはどうすればよいでしょうか。
普通の美術史を勉強しても分からないし、理論についても実は理論史を勉強しても答えは見つからないかもしれません。美術史とは書かれている美術史ではなくて、美術の動向をフォローしているということが重要だと思います。」
は本当にそうで,だからこそ20世紀後半の美術の大部分は,既存の美術史とは別ジャンルじゃないかと思う。

  
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2012年05月29日

思ったよりチルノは見なかったかな

例大祭9の報告などをぼちぼちと。毎回書いてるが,例大祭は本当に良いイベントになった。結局のところ底を打ったのが例大祭5か6で,以降は

・参加者のマナー向上
・参加者の拡大に運営の対応が追いついてきたこと
・7以降の屋内休憩スペースの存在
・何よりも前回8以降の通路幅拡大

などにより,ビックサイトにいる人の量の割に体力気力を消耗せず帰って来られるイベントになった。まあ,逆に言って5や6あたりは極限的にひどいイベントではあったのだが,この際昔のことは振り返らないことにしよう。少なくとも,会場をビックサイト東に移したのが大正解。ただ,入場待機列形成とペナルティについてだけは社務所に文句がないわけではないので,以下で若干愚痴っている。

というわけで,例大祭9の記録。

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2012年05月27日

非ニコマス定期消化 2012.2月中旬〜2月下旬



あまりのくだらなさに大爆笑。やはり幕末志士たちは天才であった。目玉焼きの原理必聴。無論,センター試験には何の役にも立たない。




MMD杯以来この曲に感心を持ち,ちょっと歌ってみたを探してみたらLIQU@。が歌っていた。とても綺麗な歌い方。



TASでしばしば使用されるようになったゴールを引き寄せるアイテムを,いろいろと特殊なマップ・条件で使ったらどうなるかという実験。あのアイテムはクリア判定のみに使用されている,基本的に上書きされる,クリアの判定とボスを倒した判定は別物,などなどが判明。



なんとも強烈なキャラの声優さんが出てきたもので。



はたて・文の百合で,あまりの甘さに口から砂糖が出てくる動画。




またすごいモデルが出てきた。アペンドミクが原型で,カワイイ系というよりキレイ系という点でこれまでと大きく違う。きっちり細かいところまで動くが,ちょっと濃くてアクが強い造型が欠点か。Lat式の天下に食い込めるか。



上記モデルを使用したPV。美しい。




なぜか突然流行った「死ぬしかないじゃないシリーズ」。まどマギ10話のあの場面だけを使用して強引に押し切る,素材不足系MADである。何度も殺される杏子不憫。



究極の一発ネタ。



このシリーズの進化系。人間ひねりだせばネタがあるもんだ。

  
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2012年05月26日

朋遠方より来たる有り,そしてセザンヌ

《りんごとオレンジ》セザンヌ国立新美術館のセザンヌ展に行ってきた。行ってきたのだが,チケットを買って入ろうとしたその瞬間に,大学時代の友人に偶然出会った。しかも彼は就職ではるか遠方の美術館に行ってしまったため,都民に会うよりもよほど確率が低いはずである。今回は仕事からはやや離れて単純にセザンヌを見に来ていたようだが,それでも同業者の仕事ぶりは気になるらしく,「やっぱキャプションの字はでかいほうが見やすいよな」とか,「あの照明けっこういいお値段するんだぜ」など話していた。ちなみに,お年寄りに配慮なのか,今回のセザンヌ展のキャプションの文字は本当に大きかった。スペースが広く取れるからこその,ではあるが。

最近のはやりなのか何なのか,同じ事は同行友人も言っていたが,今回のセザンヌ展も画家の修行過程,様式変遷の歴史が大きなテーマであった。最近であれば近美のポロック展もそうだったし,ちょっと前の同じく新美のゴッホ展もそうであった。同じ新美だっただけあって,このゴッホ展はかなり構成が似ていたように感じた。ただし,今回のセザンヌ展は全品セザンヌで構成されており,他の画家の作品は展示されていない。

至極当たり前の話ではあるのだが,やはり様式が完成するまでにはいろいろ迷走するものだな,というのが素直な感想である。セザンヌがあのセザンヌらしい様式にたどり着くまでは,ごく平凡な印象派フォロワーであったし,さらにその前はアカデミーとも言えないただのヘタウマであった。このあたり,アカデミスム的に描かせてもうまかったモネやルノワールとはスタート地点が異なる。セザンヌが父親の別荘のために描いた巨大な絵が展示されていたが,隅に「アングル(INGRE)」と署名してあって,どういうこっちゃと思い図録を見てみたところ,何やらアカデミーへの反発から騙りをやってみたかったようである。様式以前の問題で絵としてうまくないので,今見ると相当にださいが,若い頃のセザンヌの様子が見て取れておもしろい。(ちなみにここの一番下)。

そして,彼が形態へ注目を始め,独特の筆触分割が見え始めると,よく知るセザンヌになってきたなと不思議な安心感を覚える。これはどの画家の画業をたどる歴史でもそうだろう。セザンヌの場合,そして静物画に行き着く。あのポリフォーカス的な,まっとうに見るとだまし絵にしか見えない静物画が今回も多く展示されていた。何度見ても重力に逆らっているというか,机の天板が歪んでいるというか。布でごまかしている分,本人にも思うところがあったのではないかと邪推する。あのりんごやオレンジを見ると,ここからフォヴィスムやキュビスムが生まれていったんだなぁと感慨深くなる。やはりセザンヌ抜きに20世紀の美術史は語りえない。

このような感想をつかむことができたので文句はなくいい展覧会であったと思う。が,コンセプト自体は失敗しているというか,無理があったのではないか。今回のセザンヌ展のコンセプトは「パリとプロヴァンス」で,セザンヌの画業はパリとプロヴァンスを行き来することで形成され,パリでインプットしたものをアウトプットしたのがプロヴァンスだったのではないか,というようなテーマ性が一応存在した。各作品ごとにどちらで描かれたものなのか明示してあったが,その表示自体があまり目立つものではなく,また実際に鑑賞して,描かれた場所による違いが明示的に存在しているとはあまり感じられなかった。それよりは,もっと素直にセザンヌ画業形成の過程で展覧会を組んだほうが良かったのではないか。

ところで,今回の展覧会ではセザンヌのアトリエが再現されていた。今回展示されていないものでもセザンヌの静物画を思い浮かべると「あー,確かに描かれてたな」というものが棚に置かれていて,なるほどと。同行友人が「新美って毎回何かしら再現してるよなw」と言っていたがそういえばそうかもしれない。これも字の大きいキャプション同様,スペースが余ってるからこそ出来る技と言えるかな。
  
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2012年05月25日

長い長い山水長巻

山水長巻サントリー美術館の,毛利博物館展に行ってきた。けっこう会期ぎりぎりであるが,これは新美のセザンヌ展・エルミタージュ展とあわせて全部一日で回ろうとしたのが一因である。なお,寝坊により結局エルミタージュ展には回れなかったのであるが,これが思わぬ僥倖を得た。この僥倖については美術とあまり関係がないが,セザンヌ展の方で語ろうと思う。

前置きが長くなったが,何を見に行ったか一言で言えば《山水長巻》でしかない。感想も一言で言えば,よくこれだけ山水画のモティーフを思いついたもんだな,とw。まあ本邦から離れれば,本家本元には「瀟湘八景」という霍香のモティーフがあるのではあるし,こうした長々しい巻物も珍しくない。そして雪舟は本家本元に留学をしているのではあるが,逆に言って瀟湘八景に則ることなく(似てはいるけど),かつ一場面として同じ風景がなく,間断なく樹木と岩と水を置き続けている。見るものを絵の中の幻想的な風景に連れていき,仙人になったような気分で遊ばせるという基本に忠実で,一応現実に仮託した《天橋立図》とも違う。山水図としてはかなり突飛な《秋冬山水図》とは全く別方向の,雪舟の集大成と言えるだろう。これは見に行ってよかったと思う。

残りの展示品もけっこうおもしろかったのだが,美術ファンとして心惹かれたというよりは,歴史好きとして興味を惹かれたもののほうが多かった。有名な毛利元就の肖像画だとか,直筆の書状だとか。村上水軍の戦勝報告なんてものもあったし,豊臣秀吉の「五大老秀頼頼む」の遺言状写し,徳川家康の「防長二カ国に削るんでよろ^^」という書状もあった。戦国時代好きならここだけでも十分楽しめるのではないかと思う。その意味で,美術作品はどうせなら雲谷派に限って持ってきても良かったのではないかと思う。都民に狩野探幽なんか見慣れているわけで。一応お茶碗にも触れておくと,天目茶碗と井戸茶碗は良かったかな。

展示数はあまり大きくないが,なにせ山水長巻が全編公開なのでそれでスペースをとられている感じではあった。記憶のある人に言えば,いつぞやの鳥獣戯画展に近い。そういえばサントリー美術館のある六本木・東京ミッドタウン及び檜町公園は,元毛利の江戸屋敷なんだそうで。それもあって,毛利博物館展はサントリー美術館がやることになった模様。奇縁ですのう。
  
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2012年05月23日

例大祭9チェックリスト

毎度の。「いつもDGさんが買ってるのに今回のリストにない」サークルは,新刊落としたか,完全に会場で買う予定がないと思ってよい。が,念のため気になるなら自分で確認して欲しい。新刊不明なサークルが多いので,前日までなるべく随時更新の予定。

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2012年05月22日

本割とはいかにあるべきか?

今場所はいろいろありすぎた。淡々と語っていこうと思う。まず,相撲内容は悪かった。初日から中日くらいまではどうしようもない状態で,白鵬の連敗につられるように立ち会いの不成立,しょうもない変化や引き技の多用,どうしようもないミスからの取組決着などがあり,眠気を誘うものであった。そんな中唯一暴れまわったのが境川部屋の力士たちであるが,彼らは逆に後半失速していったので評価が難しい。9日目,目の覚めるような相撲が続き,今場所は尻上がりかと思われたが,13日目以降再度失速し,結局千秋楽までメッタメタな相撲が多かったと評さざるを得ない。おおよそ下の中といったところだろう。

これに対し優勝争いは盛り上がったのでは?というとそうとも言いがたい。確かに白鵬の連敗により大関陣に優勝の芽が芽生えたことで一瞬の盛り上がりが見えたが,結局大関同士の星の潰し合いに白鵬の復調が重なり,上位陣総壊滅となった。ここに平幕が駆け上がってきて優勝争いに紛れ込むのは,荒れた場所の醍醐味ではあるのだが,結果的にあまりにも大関陣がふがいなかったため壁になれずカタルシスの無いままあっけなく平幕に優勝された,というのが今場所の優勝争いの真相であり,そりゃ内容とともに盛り上がりも13日目あたりが限界で失速するわな,という話である。優勝争いの展開を加味しても,今場所全体の総評は下の上か,甘く見て中の下と評価する。技量審査場所以来,低くても中の中という場所が続いていたので,悪意のある言い方をすれば「反省の効果が切れたか」という言い方もできよう。まあそんな辛辣な事を言う人はいないと思いたい。結局のところ,偉大なる白鵬に寄りかかった場所の運営ではダメなのだ。しかし,場所全体の流れとはそもそもコントロールしきれるものでもない,ということもあり,難しい。


次に,割の話をしておこう。14日目の取組で琴欧洲が歩けないほどの重傷を負ったところ,届出が14日夜ではなく千秋楽の朝であったため割を崩すことが出来ず,千秋楽に優勝争いに絡んだ相手を「不戦勝」とさせてしまった。結果的に優勝争いを盛り下げてしまった。「そもそも這ってでも出場すべき」というのは論外で,靭帯損傷で歩けないのだから,出場しても相手にならないわけで,休場ということ自体は正解であった。問題は

・14日目の夜に休場届を出しておけば本割の再構成は可能であったらしい。靭帯損傷の具合など一晩様子を見たところで良化するわけがないのだから,届出が遅れたのは単純な判断ミスだ。今場所の優勝争いに冷水を浴びせた責任が,親方と本人にあるのではないか。
・本割は発表したら最後,改変することが許されない。力士の側にも準備があり,だからこそ不戦勝という制度があるのであって,それは制度に対する挑戦である。優勝争いだからといって本割を崩すというのは,「全ての星の重みは均一」という公平性を破壊することになる。少なくとも制度の変更を見据えて来場所以降に議論を残すべきであり,今場所に関してはこれでよい。

というところで,好角家の意見が真っ二つに割れており,どちらにも一理ある。私自身,千秋楽の昼間にtwitterでこのニュースを聞いたときは思わず感情的に琴欧洲に対して腹が立ったが,冷静に考えると下の意見ももっともだ。ただし,そもそも番付通りに考えれば千秋楽の琴欧洲の対戦相手が,関脇豊ノ島であったところ,優勝争いを鑑みて栃煌山とした時点で本割は崩れており,本割通りであれば不戦勝は豊ノ島であった。これに対しては,だからこそできる限り割を崩すべきではない,とも言えるし,だからこそできる限り割は柔軟であるべきだ,とも言える。すなわち,「優勝争いを考慮して本割を崩し,幕内下位の力士を大関にぶつけるのは是か非か」という議論にも通ずるものがある。相撲協会内部でよく議論して,公式見解を出して欲しい。


最後に,史上初の6大関について。上で思いっきり批判しておいてなんだが,案の定つぶしあったなと。ちなみに,今場所の横綱大関陣の成績は,横綱大関戦20/40,関脇小結戦17/26,平幕戦27/39で,総合すると64/105。勝率は約61%。こうして見ると最大の黒星供給源はやはり同格との勝負であり,当然ゼロサムゲームになるんだから仕方がない。すなわち,この中で優勝する力士が出てくるということは,よほど全員が全員平幕から取りこぼしなく勝たないと,即角番・陥落ということになる。実に恐ろしい。今場所にしたって日馬富士は瀬戸際であった。しかし逆に言って,三役・前頭上位総崩れってそれはそれで見てておもしろいか?と好角家の皆さんに問うてみたい気もする。


個別評。白鵬は絶不調で,休場すべきだと思っていたが最後までとって10−5でまとめたのは立派である。しかし,左人差し指骨折なら組めないのは最初からわかっていたはずで,組めないなりに相撲をとって勝てなかったというのはなかなか厳しい。衰えが激しいと言わざるをえない。骨折自体は不運であった。長くとっているとこういうこともあろう。

大関陣。稀勢の里ェ……という一言で今場所の総括としてもいいくらいなのだが,彼の弱点である腋の甘さが全てである。ともかく立ち会いの腋ががら空きもがら空きで,栃煌山戦も白鵬戦もこれが原因の負け方であった。残りの妙義龍戦は相手の会心の相撲,把瑠都戦は完全な力負けなので仕方がない。返す返すも栃煌山戦が痛恨の極みである。把瑠都はあんなもんだろう。新大関鶴竜は緊張も考慮して今回は批判しない。琴欧洲は毎度のことなんでもう言ってもしょうがない。最後に日馬富士。鶴竜が同じ8−7だったのと,他に話題がありすぎてスルーされがちだが,正直今場所はひどかった。稀勢の里以上の戦犯と言ってもよい。身体が軽すぎるので,作りなおしてきてほしい。

三役はまあ,安美錦負け越しもったいないくらいであとは全員普通。前頭上位陣。高安は5−10という星の割りに動きは悪くなかった。特に連敗しても内容が下がっていかず,7連敗からの5−3でまとめたあたりはむしろ立派かもしれない。まだ若く,上位挑戦二度目でもあるので長い目で見たい。同様に臥牙丸も動きは悪くなかったが,現状ではこのあたりが彼の限界かもしれない。さらに同様に豊響,涙の金星をとった懇親のすくい投げ自体は立派で,あれをまぐれと言うほど私は無粋ではないが,にもかかわらず勝ち越せないあたりが地力である。惨敗の栃乃若はあまりにも怪我がひどかった。期待の力士だけに,無理せず休場してほしかったかな。

さて,妙義龍は褒めるしかなかろう。以前「なんで技能賞かわからん」とコメントしたことがあるが,先見の明がなかったことをお詫びしておく。立ち会いが綺麗でうまく,もろ差しにさっと入るのは確かに一種の技能であろう。同じような取り口には栃煌山がいるが,彼がはず押しでも押していけるように,割りと力で差し手をねじこむのに対し,妙義龍は確かに技術で差しており,その意味では鶴竜に近い。ただし,鶴竜ほど芸達者ではなく,上位定着にはもう一つ何かが必要だと思う。暗い暗い今場所で,旭天鵬以外の唯一の高評価力士。

栃煌山は12−3の準優勝ではあるものの,どちらかというとエレベーターの上昇期にちょうどよく白鵬が倒れてくれただけで,普段なら準優勝も何もないただの敢闘賞である。その意味で特にコメントのしようがない。来場所三役だと思うが,負け越しか8−7になりそうなのが……実は同様なのが旭天鵬で,彼もエレベーターの上昇期に偶然優勝できた,というだけなのではある。が,一方で

・日本モンゴル国交樹立40周年
・旭天鵬,旭鷲山来日20周年
・モンゴル出身力士の優勝50回目

という節目もいいところな優勝であり,かつ

・11年ぶりの平幕優勝(琴光喜以来)
・6年ぶり日本人(日本国籍保持者)優勝(栃東以来)
・史上最年長初優勝(37歳8ヶ月)
・歴代3位の高齢優勝(最高記録は太刀山の38歳9ヶ月)
・6場所制以後では史上最年長優勝
・初土俵以来最長所要場所(121場所)

などなど記録ラッシュである。しかも太刀山は友綱部屋で,旭天鵬は先場所後に友綱部屋に移籍したばかりであるという偶然も重なった。大相撲の神様に祝福されたとしか思えず,これにケチをつけるのは野暮だろう。ちなみに,私は優勝決定戦後の旭天鵬にもらい泣きした。

前頭中位。隠岐の海・碧山・若荒雄あたりがいつの間にか大勝していた。思い返すに確かに彼らはそこそこ内容が良かったかなと思うが,まあ来場所を見てからいろいろ書きたい。松鳳山は風貌といい小気味良いつっぱりといい嫌いな人が非常に少ない力士なのではないかと思うが,問題はつっぱりに足がいまいちついていっておらず威力を欠いたりはたかれたら落ちたりするのが残念。栃ノ心は,以前は左上手をとれば上位でもそこそことれたが今場所はそんなところもなく,この地位でなんとなくとって9−6では正直劣化したなぁと思ってしまう。天空兄さんは最近蹴りの空振りが多いのでがんばれ。

前頭下位。千代大龍休場はとても残念。よく取ってただけに,番付編成会議におかれましては情状酌量の余地をお願いしたい。天鎧鵬は腰が重い日と軽い日があるのだが,あれはなんなのだろうか。
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2012年05月21日

im@sMSC4準決勝メモ




予選で投票したもの8つのうち5つが準決勝進出。うち3つがBに行き,Bが一番苦しんだ。予選の細かい結果が出ていたので見てみると,他に投票したものも大体4位までにいて悔しい感じ。もっとも,準決勝の映像でかなり印象の変わったものも多い。これだからMSCはおもしろい。
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2012年05月18日

虚構新聞騒動雑感

言及するつもりがなかったし,そろそろ虚構新聞は平常営業に戻って欲しいと思っていたのだが,どうにも自分の立ち位置を確定しておかないと気持ち悪くなった。沈静化には若干の逆効果ではあるにせよ,気持ち悪さを解消するべく私見拙文をだらだらと書いておきたい。


・祭りの発火点
今回の騒動の奇妙さは,批判する人も擁護する人も元記事そのものにはほとんど触れていないということだ。それぞれの記事群を読んでいくとわかることだが,虚構新聞というサイトそのものへの言及であって,記事そのものへの言及ではない。すなわち,とりわけ批判派はくすぶっていた虚構新聞への不満や批判をぶちまける機会偶然訪れたに過ぎないのであり,橋下云々はどうでも良かったのである。最初に記事が社主の予想を越えて拡散されてしまったのだって,「橋下ならやりかねない」半分,単純に虚構新聞の知名度が臨界点を超えたのが半分といったところだろう。橋下さんの影響力を過大視する見方には賛同できない。

その意味で,これは多くの人が見誤っていることだと思うのだが,この騒動の着火点は例の記事では全くない。社主自身が言っているように,この記事の質は決して高くない。私自身ほとんど笑わずに,いまだもってブクマすらしていない。むしろ社主の謝罪が薪で,発火点となったのはkyoumoe(杏萌え)氏の記事n-styles(中村)氏の記事それぞれであろう。ただし,杏萌え氏は批判派最右翼的な感じだが,中村氏は古参の読者であって「直さないとつぶれるよ?」的な物言いで,実際のスタンスは割りと違うというのはおもしろい。

社主は薪のつもりなんて全くなく謝罪したはずで,多くの人が指摘している通り「懲りない!悪びれない!」系のお詫び(笑)であったはずなのだが,見事に燃料になってしまった。私はなんとなくそんなような気がしていて,謝る必要なんてないのに面倒な事にならなければいいのになぁと思っていたのだが,案の定な方向で延焼していったのであった。


・虚構新聞の問題点と,騒動拡大の原因
いろいろ騒がれているが,虚構新聞が指摘されている問題点は要するに,

・タイトルだけ読んで記事内容を読まずに,拡散(主にtwitter上でのRT)する人がいるので,風評被害が発生する可能性があるorしている
・記事を読んでもなおだまされる人や拡散する人がいるので,上記の問題点が悪化している
・多くの場合において1クリックしなければ嘘記事なのかわからないという点で,読者に行動を強いている

あたりである。箇条書きにしてみたが,実は着火点の中村氏の記事の時点で上2つは出ている。

が,これらの問題点のさらなる原因がある。端的に言ってしまうと「内輪ノリのはずが規模が大きくなりすぎてしゃれにならなくなった」問題である。そう,2chにせよニコニコにせよ,一度は経験したこの問題だ。上記の問題は,全部虚構新聞というサイトの存在とその性質を知っている人たちの間だけならば,どれもさしたる障害にはならない(それでも風評被害が発生する可能性は完全には否定しきれないが)。

が,その内輪ノリ,社主の言う”「僕と読者との一種のゲーム」だった”(直接の発言が消えているので引用してある記事にリンク)というようなことが通じるような規模のサイトではなくなってしまった。中村氏の言う通り,初見さんからすれば「記事を読めば嘘というのは自明だろ」や「左上のロゴで気づくだろ」というのは,実際にはなかなか困難である。また,虚構新聞のようなジョークサイトの存在を知らないような人からすれば,URLを踏まずに反射的に拡散するようなこともするだろう。もちろんこれらがインターネットリテラシーとして危うい行動であるのは言うまでもないが,内輪ノリが通じなくなった以上は覚悟して,虚構新聞がこうした層の行動まで責任を取らざるをえないであろう。理不尽な話ではあるが,実社会が許容するか否かは,理不尽さとは全くかけ離れたところにある。

実は,書き方が悪くてコメントでもブコメでもスルーされがちだが,最初からこの内輪ノリ問題を指摘していたのが前出の杏萌え氏の記事で,最初から論点は出揃っていたわけである。また,後続の批判者や,中立的な分析者によって,この点は何度も指摘されている。この増田なんかもそうだが,全部紹介するのは億劫なので適当にこの辺からたどってください。

だから,あのお二人の記事にアクセスとブクマが集まって終わり,になるはずであった。

しかし,どうも擁護側の悪手が続いて,いろいろと余分なものをあぶりだし,「はてな村に久々の祭だわっしょい」になってしまった感が私の中で大きい。私もこうしたネット上の祭りは基本的に好きだけど,今回の祭りを素直に楽しめないのは,擁護側としてすごく居心地が悪かったからだ。というか,批判された点はどれも正しいし,まったくの擁護は無理だろう。原理主義的なインターネット自由論を掲げるくらいしか手がない。あとは数少ないところで,あの記事に裁定を下すのは橋下さんという意見には首肯するのだけれど,どちらかというと「そこで橋下さんが怒っちゃったら,今後の虚構新聞存続できるの?」というのが,今回の問題で一番問われたところなのかなと。何やら実際に橋下さんにリプライが飛んでいたらしいことを踏まえるに,なかなか笑えない話だ。


・まとめと雑感
最低限の対策としては,やはり多くのサイト同様に,ヘッダーに記事タイトルに付随して「虚構新聞」と入れてしまうのが対策になる。こんなことを言っている場合ではない。その上で,お願い(案内)へのリンクは,あんな最下部ではなくて目立つようにしておくべきだ。”これは嘘ニュースです”も,もはや伏字にする意味はほとんどあるまい。記事の末尾でもいいから,しっかりと表示しておくべきであろう。これだけするだけで,相当危険性は減るし批判も減る……はず。


私は直後の虚構新聞の記事のヤケクソっぷりが大好きだし,こちらの記事も末尾で笑わせてもらったが,最終的にタイトルをつけない方向で行くのは残念である。残念であるというか,いつか本当に洒落にならないことになるんじゃ……という危惧が収まらないし,少なくとも今回批判に回った人はこれらの記事で納得はすまい。いつか似たようなことが起きたときに同じ批判は起こるであろうし,次も実社会からの制裁がないとは限らない。言ってしまえば現状は無責任のそしりは,割りと逃れられない状況であって。だからこそ,つぶれないための最低限の自衛策はとってほしいなぁ,というのがひとまずつぶれないことを願う一人のファンの意見である。まあ,社主がそうした自衛策はどうしてもポリシーに反するというのであれば,つぶれるまでは楽しむことにしたい。
  
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2012年05月14日

現在のアラル海は……

・乙嫁語り4巻。今回の乙嫁は双子の姉妹でドタバタ劇。おそらく,夢見がちな女の子がどうロマンスがあって大人の女性になっていくかを描きたかったのと同時に,じっくりとした結婚式の描写をそろそろ入れたかったのだろうなと。アミルさんが嫁いできたときは結婚式の描写がすぐに終わってしまったし,2・3巻はそれどころではない状態だったので,確かに5巻あたりで入るのが妥当だろう。5巻での作画に期待しておく。
→ そんなことよりパリヤさんの縁談が決まりそうで何よりです。そうだね,女の人は元気すぎるくらいでいい。
→ そしてチラチラ見えるロシアの影。しかし,この漫画の年代と場所がいまいちわからなくなってきた。まず場所のほうから。カスピ海地方と1巻に書いてあったが,3巻を見ると実はアラル海地方であったことが判明し,4巻では1・2巻でいた地方からかなり離れたはずなのに,まだアム川下流域にいるという。多分カスピ海地方という1巻の設定は無かったことになったのだろう。
→ 時代は1巻で19世紀とあり,何人かのイギリス人旅行家が中央アジアに出入りしているようなので,ヘディンの楼蘭発見が19世紀末,ロシアの侵攻が大分危機的(1860年頃から征服が始まる),などから考えて勝手に19世紀半ばの話と考えていたが,4巻の情報から考えるとそうでもないらしい。どうやらペルシアはまだ無事で,「ペルシアだって黙ってやられはすまい」などと語られていることを考えると,ペルシアが惨敗して大量の領土が取られた1828年のトルコマンチャーイ条約より前,ひょっとすると1813年のゴレスターン条約より前かもしれない。しかし,そう思って3巻の194ページの地図を見ると国境線が1828年以後になっている……うーん……大雑把に1830年代ってことなのかなぁ。
→ あと彼らはムスリムなんだろうか。ちっとも宗教色がないが。それともアニミズムということでいいのかな。


・WEB業界ろくろ回しすぎワロタ(ハム速)
→ 笑ってしまったけど,言われてみるとWEB業界でも何でもない自分でもときどきやってしまっている。動きがあるほうが議論してる雰囲気になれるんだよね(自分が)。
→ というかジェスチャーって意外と大事で,写真だと(その読者には)伝わりづらいけど,これで直の話相手には伝わりやすくなるところは実際にあるので。
→ なお,このネタはこの後WEB業界で流行し,とりわけ直後のエイプリルフールでしばしばネタにされた。実際に回した人も登場。


・まんが日本クトゥルフばなし(カオスちゃんねる)
→ クトゥルー神話は適応性高いな,と。今回の場合を冷静に考察すると,児童文学との相性が良いのは,そのカオスさが普段であれば子供らしい方向に解釈されるところ,クトゥルー風に解釈することで宇宙的恐怖に変換されてしまうところであろう。桃太郎の桃なんて,悪意あって解釈すれば典型的な怪異でしかない。
→ 浦島太郎ネタは,まあ日本人が海に親しみを持つのに対し,向こうの人はそうでもないという,あれだ。クトゥルーやらダゴンやらがなぜあんな風貌なのかという話でもある。
→ 一番笑ったのが一休さん。ハイキャンさんがブクマで引用していたが,「ある日殿様は虎の絵の前で一休さんに言いました「一休よ、この虎をふんじばってせい」既に殿様は狂気に陥っていたのです」言われてみればその通りである。


・橋爪大三郎×大澤真幸『ふしぎなキリスト教』に対する批判5(Togetter)
・ふしぎなキリスト教 @ ウィキ - 間違いだらけの「ふしぎなキリスト教」
→ 『ふしキリ批判』に関しては,ごく一部分のみに関して参加しているので,興味ある方はどうぞ。美術の部分。
→ ちなみに,この本はガチでひどい。事実に関して言えば間違いではない部分を探すほうが多く,特に史実については高校世界史からやり直したほうが良いレベルである。「東西教会分裂が395年」と言っている時点でお察しいただきたい。
→ このWikiでは,誤解・誤謬は指摘するが理論的誤りは指摘しない方針となっているのでわかりづらいが,無論分析もひどい。誤解の上に理論を構築しているから,異世界のキリスト教に関する明後日の方向を向いた分析が繰り広げられている。絶対に読んではいけないし真に受けても行けない。
→ 美術については,端的に言えば「崇拝」と「崇敬」の区別がついていない点と,美術史そのものに関する全くの無知が問題。
  
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2012年05月13日

第208・9・10回『新世界史の見取り図 上・中・下』荒巻豊志著,東進ブックス

以前紹介した参考書の改訂版。参考書としてはかなり異質で,大学受験の方向を必ずしも向いていない,というのが本書の変わらぬ特徴と言えるだろう。

本書については,旧シリーズの評判が良かったにもかかわらず完結せず,5冊中4冊までは出たところで止まっていたため,結局新シリーズ3冊として再出発してようやく完結した,という事情がある。その旧シリーズが完結しなかった事情はご本人のブログにて詳細に語られているが「受験世界史との折り合いがつかなかったため」である。確かにそれは旧シリーズにおいて感じられた点で,特に,本シリーズは論述対策と言える参考書であるのに私大の入試問題が練習問題として載っている等,迷走している部分があった。ついでに言えば,私は「旧2巻を高く評価し4巻は微妙だった」と評価していた受験生・大学生の一人なので,前出の記事を読んで若干申し訳ない気持ちになった。

しかし一方で,今回の新シリーズにおいても決してモチベーションが十分だったというわけではないようで,初版では非常に多くの誤植がある。下巻の「トルコ共和国2004年にEU加盟」がその最たるものだろう。ただし,これらの誤植については,これもまたご自身のブログで正誤表があるので,参照しながら読めばよいだろう。また,俗説や妥当性が高いとは言いがたい学説が註釈無く載っており,これらについては前段と逆に著者が好きに書いた結果だと思うのだが,これらは受験参考書としてどうかというよりも,歴史を語る言葉として危うい。著者が右派的なのは読んでいけばわかるところだが,南京論争についての指摘なんかも相当際どいものがある。

しかしそれでもなお,本書は世界史の参考書として一級品であると評さざるをえない。特に東大や一橋の論述対策として欲しいエッセンスがここには詰まっており,その範囲を超えて歴史叙述のおもしろさを存分に読者に教えていると言える。特に立憲主義やナショナリズムの説明は社会人となった今読んでもやはり十分におもしろいし,読む価値がある。この点は旧シリーズが受験生以外から高く評価された所以であり,その良さは失われていない。大人向けの振りをして書かれた凡百の「歴史がわかる本」や「現代世界がわかる本」なんかよりも,よほど理解が深まる。受験世界史を単語と年号の暗記で終わらせないためにも,本書は広く読まれるべきである。

荒巻の新世界史の見取り図 上巻 (東進ブックス 名人の授業)荒巻の新世界史の見取り図 上巻 (東進ブックス 名人の授業)
著者:荒巻 豊志
販売元:ナガセ
(2010-12)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
  
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2012年05月12日

東三河としては増えている(笑)

・上杉隆氏への公開質問状(ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記)
・ニコ生×BLOGOS番外編「3.14頂上決戦 上杉隆 VS 町山智浩 徹底討論」(ニコニコ生放送)
・上杉隆氏の華麗なる弁論テクニック(未来私考)
→ まあニコ生見ていたわけだが,あまりにも上杉隆が事前の町山さんの公開質問状を読んでおらず(まあ読んでいないところまで含めて作戦だったのだろうが),ぐだったのが残念な印象。加えて言えば,上杉隆の牛歩・焦土戦術は禁じ手としてブロゴスの司会がなんとかすべきであった。それが一番悔やまれる。それでもおもしろかったのは町山さんのおかげでしかない。
→ しかし,16万人も見ていたというのはすごい。そんなに盛り上がってた事案だとは思ってなかったというか,おもにはてな村とtwitterのごく一部だけで盛り上がってたと思っていたので。特に,はてな村なんてそんなに人数いないだろ。
→ 総括としてはGiGir氏の記事に完全同意。あの「1の質問に10答える」「相手に要約させる」戦法は見事と言えば見事。ゲスいけど。必殺「小島慶子の証言」をかわし「東電批判が原因という勘違い」も否定せず,という展開は正直想像してなかった。そこをかわせるから,いままでジャーナリスト(笑)として生きてこられたのかなと。
→ まとめて思い返してみると,結局上杉隆は「覚えてない」「知らない,他人に聞いて」「これから書くつもりなので待って」しか答えておらず,結局町山さんの追求の通りだったのだが,それでも町山さんが勝ったような気がしない。なんとも後味の悪い。


・トヨタら設立「海陽」1期生は東大13名合格(Response)
→ 地元では「牢獄」と名高い海陽高校ですが,文句を言われないだけの実績は出した模様。他の大学進学のデータ(pdf注意)も見たけど,東大にやや偏ってはいるものの,おおよそ難関大学に受かっている。加えて,けっこう海外受験組もいる。
→ こんなことも書かれてしまっているが,意外と学生本人たちの満足度は高く,そうした退学よりも授業料払えない系の退学のほうが多かったのだとか。もっとも,こういう学校は初速はいいが伸び悩む傾向があるので,第二の皇學館,叡明館にならぬよう気をつけて欲しい……が,初年度以降生徒のレベルは下がっているので苦しい。
→ なお,我らが時習館高校の東大合格者は減っておらず影響は無かった模様。一方岡崎高校は11名減少で,これが意味するところは……三河全体としては増えてないじゃん……
→ ちなみに立地はマジぱないです。どこの出島だよこれ。グーグルアースの航空写真が建設途中なのが惜しい。


・「数学の高校入試難しすぎる」 長野県教組が抗議声明
→ 前に世界史入試に対してあれだけぶちぎれていたわけですが,こういう報道にはやはり思うところがあるわけです。
→ 難易度の偏る試験は公正な選別ができない。他教科とのバランスも大事で,数学が難しければ必然比重は他の科目に偏る。英語や国語あたりが得意な子有利になりかねないだろう。
加えて,専門外だから具体的指摘はできないが,範囲外から出題したのなら作題者は処罰されるべき。それははっきり言って知的怠惰でしかない。教科書=基本書を読んでないってことだからな。研究論文でやったら一発アウトだろう。入試だって一緒。知的誠実さがあればやらない所業。
  
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2012年05月11日

im@sMSC4予選メモ



投票してきたので,メモと投票先をさらしておく。その前に,再生数が案外低いのがちょっとかなしいのでちょっと小言を。読みたくない人は読まずに「続き」へ。

確かに主催は江頭Pに話を通さずに企画は立てたし,その後発表された計画は無謀だと批判された。たとえそれでも,私は最初から最後まで応援する心づもりであった。しかしその計画の説明自体は至極まっとうでしっかりしていたし,そのような杞憂を横目に,ここまで彼らはその計画を順調にこなし,CMの出来も良かったところで,私は見方を変えた。企画者たちは十分に勝算があって立ち上げたのだなと。最後まで計画通りおおよそやりきるだろう。

予選を見るに,確かに参加者の質がどうかなーと思わないところがないでもないが,悪くない作品もある。余分なことは考えずに,祭りは楽しむべきだろう。  続きを読む
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2012年05月10日

百合百合アンド百合

・東山翔の『Prism』1巻。エロ漫画で有名だった方である。本作は幼馴染再会系の話だが,それを巧みに利用して,少女たちが同性愛に向かっていく過程を不自然さなく三段飛ばしで消化。内容満載の1話だが,どう展開するのかと思いきや「私ははじめから少女に恋していたのかもしれない」で落としたあたりに,とても衝撃を覚えた。

このあたりからわかるように百合が当然の世界観というわけではなく,まさに2・3話はそのあたりを語っていく展開になるのだが,軽すぎず重すぎすいい塩梅であったと思う。導入はちょっと重かったが,3話で物分りの良い友人たちを配したところで一気に軽くしてきたところはあり(トドメがあの先生である),今後この系統の話が出てくることはあまりないと思う(当方最近の雑誌収録分は未読)。一方で,あの先生を掘り下げるためにはちょっと重い話も必要で,それはそれでアリな展開かなと。

しかしまあ,何よりいろんな描写がエロいのなんの。わざとらしく振る舞わせたり露出させたりということはせず,身振り手振りで読者を惹きつけ,ここぞというところで直接的スキンシップを投入。特にキスシーンはどれも破壊力がある。さすがである。amazonのレビューで見かけた「「綺麗の中にいやらしさ」を隠したような作風」「品のあるいやらしさ」あたりは割と的を得てるかと。たまには宣伝のためamazonを張っておく。

prism (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)prism (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)
著者:東山 翔
販売元:芳文社
(2012-04-12)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る



・同じく「つぼみ」連載漫画より,玄鉄絢の『星川銀座四丁目』1・2巻。こちらは『少女セクト』で有名。とある女性教師(湊)が,崩壊した家庭から小学生の少女(乙女)を引き取って育てていく話だが,引き取った理由は表向き「教師として見ていられなかったから」で,実際それも重要な要素なのだが,それ以上に「一目惚れ」という,いろんな意味でどうしようもない理由である。本作の肝はこれらの事情が明確に分かれていないところであり,まああえて分けないあたりが百合なのかなと。そういうところは『少女セクト』にもあった。

ただし,「この感情はどっちなの?」と悩んでいくような話ではなくて,どちらかと言えば「この感情は言うまでもなく両方!」という二人の共通見解で,割りきって話が進んでいく。本作の(ひとまずの)ゴールは二人の「養子縁組」というのも二人の親子であり恋人であるというポジティブな中途半端さを明示しているのかな,と漠然と考えている。同様の理由で,5話での湊の友人との対話「そうやっていつまでも湊と寝るつもり?」「ええ」というやり取りも,とても趣深い。つくづくひねくれたようでよく考えられた設定であると思う。

1巻の1・2話ではまだ親子の関係という要素が強く,湊が乙女の何気ない振る舞いに一方的にドキドキさせられるという展開。3話の冒頭,乙女が「(湊先生は)彼氏だなんて……」と照れて友達の茶化しを否定しているが,3話の終わりで湊が「乙女とエッチしたい」とぶっちゃけると,一転して乙女もその気に。本作は本当に始まる。開闢ならぬ融合の開始。何度読み返しても,本作は3話で化けたなと思う。

2巻は過去話と,新キャラ投入による展開。後者は今後どうなってくかわからないので現時点での言及は避けたい。まあ,乙女ちゃんと湊の間はもはやどうやってもこじれそうにないので,展開を広げていくなら別のカップルを投入するのは一つの手かなと。

星川銀座四丁目 (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)星川銀座四丁目 (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)
著者:玄鉄 絢
販売元:芳文社
(2010-08-11)
販売元:Amazon.co.jp
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・最後にへーべーさんの『魔女とホウキと黒縁メガネ』1巻。うってかわって一迅社の4コマ漫画だが,熱心なうちのブログの読者なら,私がコミケごとに買っているアイマスと東方で活動中のSquare Metersの人である。黒縁メガネが主人公の高校生,魔女は自称魔女の一族の末裔のロリっ子,ホウキはそれに使えるダメイドという配置で,この3人を主軸に話が展開する。設定からするとロリっ子のリアナが痛い子というように見えるのだが,実際には主人公とダメイドがそれを上回るダメさ具合で,ひたすらダメな方向へのスパイラルでテンポよく話が進んでいく。しかし,それぞれのキャラのダメな方向性が微妙にずれているため,飽きが来づらく,誰かしらがツッコミ役になれるというのが作品の特徴と言える。ついでに言えば,というよりも言うまでもなく,追加で出てくるキャラも(一人を除き)やっぱりダメな子である。

百合描写としては意外と濃いというべきか,ギャグの重ねがけからさらっと入ってくるあたりはまあうまいのかなと。同人の時もそうだったが,正の(恋愛)感情を照れからギャグに転化するのはこの人のお家芸と言ってよい。そういう方向で笑いながらニヤニヤ出来る人ならば間違いなく買い。

魔女とほうきと黒縁メガネ (1) (4コマKINGSぱれっとコミックス)魔女とほうきと黒縁メガネ (1) (4コマKINGSぱれっとコミックス)
著者:へーべー
販売元:一迅社
(2012-04-21)
販売元:Amazon.co.jp
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2012年05月07日

非ニコマス定期消化 2012.2月上旬〜2月中旬

大体全部第8回MMD杯特集。




タイトルを読んだだけだと何をやったのか今ひとつわからなかったが,見てよくわかった。全駅制覇とは,全駅の物件購入を指す。いつもの「苦節3年」(笑)。「またおまえか」と思いきや新人という。歓迎すべき事態である。



これはまた奇妙なアレンジ。バロックにしてみたというかバッハにしてみたというか。短調でパイプオルガンになっている。


ここからずっと第8回MMD杯。



毎回来てるドミノはここまで進化。よくサムネで作るよなぁと毎回思う。最後のルービックキューブが頭おかしい(褒め言葉)



こちらも毎回ある曲の動画。ED採用おめでとう。いや,本当にいい歌だよね。



相変わらずこのモデルのお嬢様超かわいい。




下が公式だが,公式が暴走しているのでMMDがこうなるのは仕方ない。



正直BGMどうにかならなかったのか感はあるものの,映像美は半端ない。現状,弾幕再現のMMDとしてはこれより優れたものはほとんどないと思う。



準優勝動画。モデルの細かな表情付け,ギターを中心とした動き,それらを生かし切り,歌詞をうまいこと解釈したストーリーのあるPV。よくこれだけのものを作り上げたもんだ。



F-san。個人的には第8回最高傑作。表情すげぇよなぁ。IAの完璧な鳥の詩にまったく負けていない。

  
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2012年05月03日

再会型ならふたひねりくらい欲しい

・GWの後半は基本的に実家にいるので,少なくとも6日まではやる気のない更新になります。一応今日までは,はてブの再収録で予約更新してあるが。
→ 予告しておくと,GW明けはまず今話題の百合物について語っておきたい。加えて『東方求聞口授』覚書は必ず書くし,ネタが多いのでおそらく複数記事にまたがると思う。あとは世界史ネタでいくつか懐に温めているのがあるが,これについては諸般の事情によりGW明け直後に書き出せるか微妙なところ。『求聞口授』覚書が落ち着いてから書き始めるので,下旬頃かな。
→ あと,実はアイマスネタでメモ帳の奥に沈殿しかかっているのがあるので,書くぞという覚悟とともにその予定をここに記しておく。


・政治先進国日本を猛追する世界(Meine Sache 〜マイネ・ザッヘ〜)
→ 政治への無関心,総中道化,それに伴う政党内の意見対立と政党の形骸化,さらにその結果の「政局>政策」化,政治家の質の低下などなど。これらが先進各国で起こっているがゆえに,日本は実は政治先進国ではないか,という風刺。
→ これから民主主義はどうなるんでしょうね。かといって今更新たな政治制度が誕生するとも思えないし。は,まさか次の政治体制はコンピュータ様の(PAN。ニヒリズムには陥りたくないが,今は考えたくない案件。


・アフリカ諸国との格の違いを見せつけられたジンバブエの現状(GIGAZINE)
→ 崩壊するためには,崩壊するだけの経済があったということ。ジンバブエドルが消滅した結果,経済再建が進んでいるというのも皮肉な話。こちらの記事も参考になる。
→ チャリダーマンの連載はおもしろいのでずっと読んでいる。本人の考察は横においておいたとしても,アフリカのことがいろいろとわかって良い。


・ToHeart2って「お前いらねーよ」ってのが一人いたよな(家宝は二次元)
→ スレタイでキャラが特定できるあたり,キャラ立ちとしては成功しているんだと思います(棒読
→ ファンの方には悪いけど,正直に言ってストレスが溜まるだけのシナリオとキャラだったので……個人的には全く擁護しない。でもまあ,確か東鳩2のシステム上ほぼ無視して他のルートに入れるので,いらねーよってほどのものはない。
→ キャラデザは良かったんだがな。性格は基礎設定あのままとしても,見せ方も悪かったと思うし,なんだあのシナリオはって出来だったのでどうにもこうにも。それ以上は「蓼食う虫も好き好き」としか言いようがない。


・エロゲの幼馴染ヒロインでこれだけは譲れないって条件といえば?(家宝は2次元)
→ 確かに幼馴染キャラは「再会型」か「ずっと一緒にいた」かで大きく性質が異なる。後者のほうが人気が高い理由はわかるし,私もそちらのほうが好き。再会型は,それほど幼馴染としてのアドバンテージがないので,差異化が難しい。
→ すでに結婚してるかのような阿吽の呼吸はポイント高いが,画一的なキャラになってしまいがちな欠点もあるし,あまりやりすぎると他のキャラへのフラグ立てが不自然になったり,某ゲームのようにヤンデレ化ないしラスボス化してしまったりするのでバランスが難しい。
→ 個人的には佐本二厘より田口宏子=夏野こおり=ryのほうが幼馴染キャラのイメージ強い。多分に某ゲームとかのせい。タケルちゃんだの樹ちゃんだの。

  
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2012年05月02日

あの新聞はどうしてこう明後日の方向に

・早稲田大学法学部:政経入試問題
・<早大入試で偏向的出題 国旗国歌「教育にふさわしくない」(産経新聞)
・不適切な出題(おおやにき)
→ 早稲田の国旗国歌に絡んだ出題に対する産経の批判への批判。なんだが,産経の批判もおかしければ,それに対する批判もはっきり言うとずれている。
→ まず,出題は小論文ではなく政経であり,それに対する受験生の思想信条を問うものではない。さらに,早稲田自身が意見を述べている部分はいわゆる「リード文」であり,問題文そのものでもなく,解答に受験生の思想信条は全く関係がない。
→ いわばこれは意見広告に近い。である以上,早稲田が私学だから(思想信条を問うても)問題ないという以上に,このような意見の表明の仕方であれば国公立の大学であってもなんら問題がない。
→ 産経の記事も大概アレだが,産経たたきならばなんでもよしの風潮はなお是認しがたい。批判は批判であるからこそ的確に行うべきであろう。


・<君が代条例>自ら両脚折って不起立貫く 大阪・放出(虚構新聞)
→ 風刺が全方面すぎて,つっこみがとても100字では書ききれない……とブコメをしたが,後から見るとなんか意外とマジなコメントが多くて怖い。なにやらこれが虚構新聞の本性やらなんやら。少なくとも,別にネトウヨ的ではないと思うのだが。
→ これが橋下風刺だと思えない人や,「不起立職員に足を折ること」を求めている風刺だとしか捉えられない人は,相当バイアスがかかってるのではないか。無論ハードルを上げているわけではないし,本当にそんなことされても困る。左の人たちも所詮は読みたいようにしか読めないんだなというのが改めてよくわかる案件であった。
→ それゆえに,「不起立はこのくらいの覚悟を持って貫け」とかいう右(寄り)からのコメントは醜悪であるわけだ。それは風刺ポイントずれてるだろうと。というか,これもまた風刺として読めてない。
→ その意味では,「橋下徹大阪市長は「どうせ脚を折るんだったら、おれが折ってやりたかった。悔しい」と地団駄を踏み、「もし腕を折るときには、是非やらせて」と希望した……というぐらいに書かないと駄目だよ。」という批判はわりとわかる。ちと橋下への批判が左への風刺に比べると足りてない(文章量的にもインパクト的にも)。


・どうして紙にプリントアウトした方が圧倒的に間違いに気付きやすいのか (Togetter)
→ あるある。校正は紙のほうが圧倒的に良い。
→ 解像度の問題・画面が発行しているのが問題か,縦置き横置きの問題か。水平な画面ならまだやりやすいのかもしれない。
→ ブコメの皆さんは「iPadでAV見ると臨場感が凄いんですよ。」に反応しすぎである。
→ あと,これと「プリントアウト案件」は別物ですから。連想した人ははてな村に毒されすぎである。


枯山水の文化を考え出した奴って天才だよな…(無題のドキュメント)
→ 確かに天才。個人的には回遊式のほうが好きだが,枯山水の理念はすごいと思う。単なる借景だったはずが世界を写し取るまでに飛躍するのだから。
→ 「銀閣寺のプッチンプリンみたいな砂山」で皆即理解できるあたり,銀閣とプッチンプリンの偉大さを感じる。
  
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2012年05月01日

次のメガネはまた数年後

・先週メガネを買い換えたのだが,一週間誰も気づかなかった。というのもデザインが前のとほとんど一緒なので,気づいた人は多分私のストーカーかなんかだと思う。
→ 今回買い換えるにあたって,車の免許更新に絶対引っかからないようにと度数を上げるつもりであったのだが,乱視を上げただけで済んでしまった。私の場合,左目と右目の視力に大きく偏りがあったのだが,そうすると良い方よりも悪い方は対象が小さく見えるため統合するところで脳が混乱し,さらに乱視が進むという悪循環に陥っていたそうで,結果的に本来の矯正視力よりも見えにくい状態が続いていたそうだ。確かに今回乱視の矯正を強くした結果,それほど新メガネ特有の圧迫感なく,かなり見やすくなった。一応両眼で0.9見えたので免許は通りそう。と言っても,更新来年だけど。


・話題の『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』の1巻読了。私自身は小中高大・今の職場通してぼっちだったことが一回も無いのだが,だからこそか,読んでておもしろいと同時にとても心が痛い。いや多分,誰が読んでも大概の感想はこうなると思うのだが,これでもそれなりにぼっちの心持ちはわかるつもりで,だからこそ友人の多い生活になるよう努力してきたところはあるわけで,努力はしててもまるで報われないもこっちを見てるといたたまれなくなる。
→ しばしばある「こういう子でも見た目が普通以上なら,”そういう”女子(ともすれば男子)が寄ってくる」というのはその通りで,現にもこっち中学時代はそれほどぼっちでもなくオタ友もいたらしいので,作中でも保証されている意見だと思う。問題は,彼女がなぜだか”そういう”のがいなさそうな高校にいってしまったor偶然クラス分けでそういう羽目になってしまったことだが……こればっかりは作劇上の都合としか。
→ 「実際,3次元にしたらどの程度ブスなんだろう」ということは不毛なので避けるべき議論だが,あえて作画通りの見た目とするなら,6話の通りクマと目付きをなんとかして髪整えれば,細身だし,けっこうかわいくなれる。そこをしてないからひどいとしか言いようがない状態なのではないかと。だが彼女の最大の問題点は見た目ではなくて極度にも程がある人見知りなので,見た目が改善されても,周囲の環境を変えなければ焼け石に水感が。
→ なお,「また男オタクを女に変えただけかよ」というやっかみについては,そうは言ってもそういうジャンルですから,としか言いようがない。”そういうジャンル”に抵抗が無いならお勧めできる。
→ そういえば,もこっち担任の先生とは普通に(?)話せるんだから,担任の先生にフラグ立てればいいと思うよ(無茶ぶり)


・まっすぐ歌うボーカリストが多い理由 〜音楽業界の悪い影響〜(One's WILL Music School(ボイストレーニング・ボーカルスクール東京都品川区五反田) | ボーカル請負人)
→ 技術の発達で音声の補正ができるようになってしまったため,直される前の歌い方自体が教科書的になってきた,という話。
→ 遊びがないのでうまいのだけれどおもしろくなく,また一定のライン以上にうまいとは言いがたい。本当にうまい人は外れておらずかつ遊びもあるのではないか,という話でもある。
→ 音楽を聞く側の感覚まで変わってきた(教科書的な歌い方が受けるから広まっている),という話として読むとおもしろいけど,そこまで踏み込んで良いかはわからない。


・「嫌儲」思想への勘違い(物語を語ろう。物語を創ろう。)
→ 私的には,ろじぱらのワタナベさんが提唱したときからWeb投げ銭賛同派。いいものにはお金払ってもいいと思う。そうすると,著作権上非常にややこしいのは十二分にわかっているのだけれど。
→ 嫌儲思想には共感できないというか,それも含めて2chだろうという気はする。ただし,これがアフィブログの偏向と,偏向したほうがPVが集まるという問題が絡むと,ネタスレ以外の「転載禁止」も当然かなと。もっとも,アフィじゃなければ偏向しないかというのはあるので,根本的にはまとめブログ自体につきまとう問題ではある。
  
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