2018年10月29日

小技の効いた外交,良い

・難問数独専門 | The room of sudoku hard
→ 仮置きさせないという理念も更新頻度もすばらしい。しかし,画面上で解くのがどうにもなれないので,時間がとれないこともあり結局私は全然やっていない。数独好きな人にお勧めはしておきます。


・HD PENTAX-DA 20-40mm F2.8-4ED Limited DC WRで梅雨明けの霧ヶ峰を撮る:ゆるハイク&レンズインプレッション(I AM A DOG)
→ どちらも山に行く話なのに,意外と『ヤマノススメ』と『ゆるキャン△』の聖地が重ならない中,貴重な事例なのが霧ヶ峰だったりする。行きたかったけど,なんとなくタイミングを逃してしまった。来年の夏かなー。また参加者募集すると思います。


・「潜伏キリシタン」世界遺産へ…日本人がしがちな誤解を解いておこう(堀井 憲一郎)(現代ビジネス)
→ 言われてみると。大日本帝国憲法の成立をもって認められたと解釈すべきなのだろう。
→ しかし,それはそれとしてお雇い外国人を通じての布教は明治の初期からそれなりに進んでいて,高校日本史でも登場するレベル(その最も有名な例が内村鑑三と新渡戸稲造)なのだから,明治政府としては知識人層にキリスト教が広まる分には近代化のため仕方がないが,一般庶民に広まるのは社会不安の種になるから避けたいくらいの感覚だったのだろう。そう考えると,キリスト教に対する態度は鎖国期の江戸時代と変わらないというよりかは,鎖国前の江戸時代や豊臣政権と変わらないジレンマを持っていたと言ったほうが適切になりそう。


・日本の「凡庸な漢籍」ゲットで習近平が大喜びの理由 文化財流出ではなく粋な対中外交だった細川コレクション寄贈(JBpress)
→ 二束三文というほど価値が無いわけでもないが,習近平のご機嫌が買えると思えば高くもないという絶妙なラインの典籍を,日本の元首相の管理下にあった,といういろいろな幸運が重なってできた外交の小技というところか。小技なだけに,冊数の水増し・習近平が喜ぶ理由等も含めて背景事情が非常に面白い話だった。それを活かした関係者はすばらしい。
→ 一覧を見ると,『五経正義』だったり『説文解字注』に『資治通鑑』,焦点の『群書治要』だったりと自分でも知っているレベルの典籍がごろごろとあり,確かに冊数がありそうと素人目にも納得できるものばかりで,記事中にある通り印刷されたタイミングが全体的に随分と新しい。なるほど,見事なカモフラージュである。文化財流出と叩かれたところはちょっと予想外だったかもしれないが。  

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2018年10月26日

どうやってそれでインド独立を教えるの……

・刺殺された岡本さん、「Hagex」の名でブログ(朝日新聞)
・Hagexに王様はいなかった(やまもといちろう 公式ブログ)
→ これはさすがに動揺した。さすがにはてな村で殺人事件が起きるとは思ってもみなかった。逆にはてな村以外のネットユーザーには,これがなぜ重大事件かすぐに理解できるものではないだろう。知っている人は知っている通り,まず,Hagex氏は別に殺人犯と深いかかわりがあったわけではなく,単に顔が割れてて犯人の近くに来ていたからというだけで殺された。悲しいのは当然のこととして,事件のその無差別性にやりきれない思いが強い。
→ これまた知っている人は知っていることだが,今回の犯人はネット上での暴言が非常に多く(こんなんばっかり),それを周囲に散々に咎められ,逆ギレとしての犯行である。その咎め方に犯人を馬鹿にした言い方が無かったとは言わないが,圧倒的に発端の暴言の方がひどかった。情状酌量の余地はなく,これがまたやるせなさを増幅させる。こうしたことは多少なりともネット上で目立つ活動をしていれば起きうる。ネットと現実の方と接続させて活動させることと,ネット上の悪事を咎めることの両立はかくも難しいのかということを各人に重くのしかからせた事件であった。
→ 追悼エントリがいくつかあがっていたが,ここではやまもといちろう氏のものを挙げておく。


・「鎌倉を読み解く―中世都市の内と外」秋山哲雄 著(Call of History)
>「三方を山に囲まれた天然の要害ゆえに頼朝は鎌倉を本拠地とした」という通説が近年否定されてきている
→ ついこの間まで天然の要害説が正しいと思ってましたわ。言われて高校日本史の山川の教科書を見たら,まだ天然の要害説だった。一方で浜島の資料集は両論併記。


・ガンジーもタージマハルも… インドで進む歴史書き換え(朝日新聞)
→ 最近のインドのヒンドゥー至上主義の高揚は本当にまずいと思う。ガンディー,ネルーの扱いが薄くなるなんて考えられなかったことだ。日本史の南京虐殺や従軍慰安婦を消すどころの話ではなく(無論のことながらそれらが軽いと言っているわけではない),もっとラディカルな,それこそ日中戦争や太平洋戦争全体を正当化するような荒業に感じる。タージ=マハルの否定はさしずめ廃仏毀釈の流れが現代まで残ってしまって法隆寺や東大寺の偉業を否定しているようなものと考えると恐ろしい話だ。


・ドイツ代表どころか国も揺るがす"エジルとギュンドアン"の禍根(footballista)
→ エジルは結局この後ドイツ代表を引退することになってしまった。右派からは所詮移民と言われ,左派からはエルドアンを支持するなんて,と言われて居場所がなくなってしまったのは不幸である。根本的には右派が悪いのはそうだが,エルドアン支持を明言しないと居心地が悪くなるのであれば,在ドイツのトルコ人コミュニティにも相当に問題があると思われ,いずれにしてもエジルとギュンドアンは,しいて言えば政治的に幼く不用意だったというくらいしか本人に落ち度はなかろう。少なくとも自発的に代表を辞めることになるような落ち度ではなかった。
→ この件,メキシコ系移民がアメリカに来ると最初は民主党を支持するが,カトリックの篤い信徒なので根の部分ではWASPの宗教右派に信条が近く,次第に保守化して民主党支持層ではなくなっていく現象と無関係ではないと思う。差別にさらされるので余計に故郷の伝統にアイデンティティを求めて保守化し,地位が確立すると現地のリベラルからは離れていく。発端としての現地の右派が最大にして根本的な原因というのは異論がなかろうが,現実的な解としての「多文化共生の理念を理解してもらった上で移民に来てもらう」というのも非常に難しかろうし,どうしたものか。  
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2018年10月21日

ローカルチェーン店あれこれ

・【遂に完成】「47都道府県のローカルチェーン店まとめ」が出来たので見て欲しい【疲労困憊】(みんなのごはん)
→ 大変な労作ではあるのだが,それでも異論が出ているところがローカルフードの難しいところで。

たとえば愛知県,これでは「尾張県」状態であり三河の人間は納得しまい,というか私からして3つとも全く愛着がない。代案を考えるに,すでに散々突っ込まれているが少なくともあんかけパスタ枠は間違いなくチャオに変更だが,そもそもあんかけパスタ枠必要なのかという疑問もなくはない。スガキヤは店舗を調べてみると最西端が兵庫,最東端が静岡だったので,言うほど全国区でもなく,これは間違いなく入れる。残り1つはコメダ珈琲も風来坊も山ちゃんも矢場とんも結局尾張のものなので個人的には微妙な感じがするが,強いて言うならコメダじゃないか。難しいのは台湾ラーメンにせよ小倉トーストにせよ「この店」という絶対的なチェーン店がなく,それを出している店が複数あるので,こういう店舗単位の区分けだと愛知県は絶対に揉めると思う。個人的に推薦したいのは若鯱家のカレーうどんだが,他の愛知県民を説得できる自信は無い。ちなみに,誰も押してないし私も押す気が無いが,ブロンコビリーは名古屋本店で店舗の多くは愛知県にあるローカルチェーン店です。関東にも店舗があるのでそんな雰囲気は無いけど。ローカルチェーン店縛りというのを外せば各ご家庭にある「つけてみそかけてみそ」が完全解になりそう。

他の県についての雑感。
〔茨城〕ばんどう太郎は茨城に本社があることをこの記事で知った。栃木県民や千葉県民も地元フードだと思っているらしいので茨城限定にしていいのかは難しいところ。フライングガーデンが群馬か栃木かの心配をするならこっちの心配をした方がいい。
〔栃木〕フライングガーデンについては長くなったので後述。ステーキ宮って言うほど全国区なんだっけ? と店舗一覧を調べてめちゃくちゃ多くて驚いた。栃木ローカルだと思ってました。それでも「宮のたれ」は栃木県民のソウルフードらしいので,入れてあげてもよかったのかも。
〔東京〕個人的には異論なし。ただ,ねぎしは最西端が吉祥寺で残りはほぼ全て都区内にしか店舗がない(例外:神奈川県)ので,西東京の人に怒られそうな気も。
〔静岡〕五味八珍,実は三河にもあるので,静岡のローカルフードというイメージが個人的には無いのであった。微妙にはみ出しているのがさわやかと違うところ。

さて,「爆弾ハンバーグは、「さわやか」のハンバーグネタがネットでバズる度に北関東民が「フライングガーデンも美味しいのに!」ってブチ切れてるところをよく見ます。」はマジである。私自身,ついこの間までさわやかしか知らなかった。なぜかバズるのはさわやかという。それで調べてみて驚いたのだが,創業はどちらも1976年で同じ。げんこつハンバーグ・爆弾ハンバーグの誕生もどちらも1990年頃。偶然なんですかね。どっちが先にあの方式を確立したのか大変気になります(死人が出る発言)。
  
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2018年10月12日

世界史上の諸君主の出題頻度グレーディング:イングランド王(テューダー朝以後)編

これの続き。ちょっと間が空いてしまったが,やっていきます。

基準はこれまでと同様に以下の通り。

A:基礎知識。センター試験世界史B以上の入試を受けるなら知ってないとダメ。
B:国立二次・MARCH以上の私大を受けるなら必要。
B-:教科書に載っていて用語集頻度もそれなりに高いが,便宜上掲載されているという色彩が強く,実際には入試にはほとんど出ない。ネルウァが好例。
C:高校世界史範囲内・外のグレーゾーン。用語集頻度が低いか掲載されていないもの,または旧課程では範囲内だったもの等,早慶上智対策としてなら見るもの。
D:高校世界史範囲外だが,早慶上智でなら見たことがある。満点が欲しいなら覚えてもいい(が当然推奨しない)。
E:完全な高校世界史範囲外で,早慶上智ですら10年に1回未満のレベルでしか見たことがない。

視認性を高めるために,グレーディングのアルファベットに沿って☆を付した。Aなら6個,Eなら1個である。ズレがあったら☆の数の方が間違いなのでアルファベットの方を信じてほしい。意外と思われそうな人は赤で表示した。また,感覚には個人差があるので☆半分くらいは異論があると思われる。特に綿密にデータを収集してデジタルな判断をしたわけではないので,DとEの差については多く異論がありそうだが,そこはご寛恕いただきたい。以下,本編。


《テューダー朝》
君主名グレーディング
ヘンリ7世    A☆☆☆☆☆☆
ヘンリ8世    A☆☆☆☆☆☆
エドワード6世  C☆☆☆
メアリ1世    B☆☆☆☆☆
エリザベス1世  A☆☆☆☆☆☆

D以下がいない重要な王朝。ヘンリ7世は,以前は星室庁裁判所の創設者として教えられていたが,近年はヘンリ8世とする教科書もあるので,出題ミスの温床になっている。エドワード6世は一般祈祷書を制定して,国教会の教義に本格的なカルヴァン派を導入した時期の国王として出題がある。ヘンリ8世:国王至上法(首長法),メアリ1世:カトリック復帰,エリザベス1世:統一法と覚えるのがセンターレベルか国公立専願の人,これにエドワード6世:一般祈祷書を加えて覚えるのが上位の私立も考えている人という点で,受験生の勉強の方向性の見極めに極めて役に立つのがエドワード6世であり,意外と目立つ人物だったりする。念のため言及しておくと,ジェーン=グレイは入試で見たことがなく(E),メアリ=ステュアートは範囲外のレアキャラ(D)。前者は怖い絵で話題になってるし,そのうち早稲田が出しそう。フィリップ1世は,この名前で出題されることは無い。少なくとも私は見たことが全く無い。


《ステュアート朝》
君主名グレーディング
ジェームズ1世  A☆☆☆☆☆☆
チャールズ1世  A☆☆☆☆☆☆
チャールズ2世  A☆☆☆☆☆☆
ジェームズ2世  A☆☆☆☆☆☆
メアリ2世    A☆☆☆☆☆☆
ウィリアム3世  A☆☆☆☆☆☆
アン女王     B☆☆☆☆☆

ひょっとして最強の王朝では。清教徒革命(イギリス革命)・名誉革命を挟む関係で欠いて問題ない人がほぼいない。用語集頻度で見てもアン女王以外は全員MAXのАアン女王も人によってはAにするかもしれない。彼女もスコットランドと正式に合同して成立したグレートブリテン王国の初代女王であり,その治世は第二次英仏百年戦争の最初の激戦であるスペイン継承戦争(アン女王戦争)にほぼ重なる。ユトレヒト条約の締結を見て安心したかのようにこの世を去った。その絡みで言えば,近年は財政-軍事国家の概念が第二次英仏百年戦争のイギリスの勝因として高校世界史に降りてきていて,たとえば「イングランド銀行」なんて一昔前は早慶レベルの用語だったが,2018年現在ではセンターレベルである。ウィリアム3世の高校世界史上の地位向上はこの恩恵もあるだろう。なお,二人の護国卿については,オリヴァーがA,リチャードはD。


《ハノーヴァー朝》
君主名グレーディング
ジョージ1世    A☆☆☆☆☆☆
ジョージ2世    D☆☆
ジョージ3世    C☆☆☆
ジョージ4世    E
ウィリアム4世   E
ヴィクトリア女王  A☆☆☆☆☆☆
エドワード7世   E

ジョージ1世は「英語を解さなかった」ことを理由に世界史に名を残した大変なレアケースと思われる。以後は責任内閣制が本格的に確立していくので,国王の存在はどんどん薄く。ジョージ2世はウォルポール辞任時の国王(ウォルポールを慰留している),あるいは第二次英仏百年戦争のオーストリア継承戦争(ジョージ王戦争)の名前の由来。ジョージ3世はアメリカ独立宣言で名指しで暴君扱いされている国王,あるいはフランス革命時の小ピットの国王として稀に意地悪な私大が出す。ややジョージ3世の方が知名度が高いか。用語集上はいずれも未収録であり,ジョージ3世の出題頻度が低いのはイギリス史に詳しい人だと意外に見えるかも。ジョージ4世・ウィリアム4世は入試で見たことがない。ところで,本題とは全く関係ないがヴィクトリアの文字列を見ただけで頭の中でアイーダの凱旋行進曲が流れ出すので完全に病気だと思う。


《ウィンザー朝》
君主名グレーディング
ジョージ5世   E
エドワード8世  E
ジョージ6世   E
エリザベス2世  B-☆☆☆☆

今回の自分の中での最大の発見。ウィンザー朝,全然入試に出ていない。王冠を賭けた恋,『英国王のスピーチ』と大英帝国騒乱記と話題に事欠かない人たちではあるが,確かに高校世界史上で重要な事実がない。エリザベス2世陛下はB-にするかCにするか悩んだところ。入試ではめったに見ないし用語集は意外にも収録対象外だが,教科書や資料集を読んでいるとなんのかんので名前は出てくるという(拾っていない用語集の怠慢とも)。ローマの五賢帝とは別の意味で宙に浮いている感じはある。亡くなられたらまた立場が変わるのかもしれない。


以下はおまけで,ウォルポール以後の主要な首相・大統領。フランスと違って政体が変わらず,王朝も1回しか変わらないので,適当な転機をこちらで用意した。Eにあたる人物は省略。


《政党政治の確立前(〜1840年頃)》
首相名グレーディング
ウォルポール   A☆☆☆☆☆☆
小ピット     A☆☆☆☆☆☆
カニング     B☆☆☆☆☆
ウェリントン公  C☆☆☆
グレイ      B☆☆☆☆

小ピットは意外とBにするか迷った。センター試験や中堅以下の私大だとそこまで出題頻度が高くない気も。第1回対仏大同盟での出題が最多。その他にマカートニー派遣,アイルランド併合があるがこれらで聞くことはめったにない。前に上智大が奴隷貿易廃止に関連する人物として出題していたが,そんな聞き方をするのは上智さんだけです。カニングは首相在任期間が極めて短いが,外相としての活躍で有名。ラテンアメリカ独立支援で出る。用語集頻度はぁウェリントンは当然首相として出題されることは皆無で,ワーテルローの戦いの関連で出題される。ただし,年々用語集頻度が下がっていて,いつ教科書・用語集から消滅してDになってもおかしくない。

グレイ内閣は第一回選挙法改正,奴隷制廃止,東インド会社の中国貿易独占権廃止と業績が多いが,その割に出題頻度は高くない。というよりも,実は用語集では項目が立っておらず頻度ゼロなのだが,業績が多すぎて名前を見かけることが多いから,誰も受験世界史範囲外とは思っていないという稀有な事例と思われる。


《自由党・保守党の時代(〜1920年頃まで)》
首相名グレーディング
ピール       D☆☆
ダービー      D☆☆
パーマストン    D☆☆
ディズレーリ    A☆☆☆☆☆☆
グラッドストン   A☆☆☆☆☆☆
バルフォア     A☆☆☆☆☆☆
アスキス      C☆☆☆
ロイド=ジョージ  A☆☆☆☆☆☆

ピールは穀物法廃止時の内閣。昔は早慶対策で覚えさせられたので人によってはCにするだろうが,今はさして名前を見ない。航海法廃止のラッセル内閣はEなので格差がある。廃止決議にかかわる混乱の差か。ラッセル内閣は他に1848年革命への対応,第1回万博の挙行と事績がないわけではないが,それでも出題が皆無でピール内閣と差がある辺りに「出題頻度とは極論慣例であり,作成者も実は歴史的な重要性を把握していない可能性がある」という現実が見え隠れする。ダービー内閣もピールと同じで,昔は第二回選挙法改正でたまに見る名前であったが,最近はとんと出なくなった。パーマストンは実は用語集未収録。カニングとの差がひどい。

ディズレーリとグラッドストンとロイド=ジョージは説明不要だろう。バルフォアは首相在任中の出来事で出題されることは皆無だが,後のバルフォア宣言のおかげで高校世界史に名前がある。アスキスは庶民院の優位を確定させた1911年の議会法,同年の国民保険法,1914年のアイルランド自治法,同年の一次大戦勃発と,直接用語集に項目が立っていないが説明でどうしても目につく名前という点でグレイ内閣に近い。ただし出題頻度はグレイと雲泥の差で低い。Cにしておいたが,Dでもいいかも。


《戦間期以降》
首相名グレーディング
マクドナルド       A☆☆☆☆☆☆
ネヴィル=チェンバレン  A☆☆☆☆☆☆
チャーチル        A☆☆☆☆☆☆
アトリー         B☆☆☆☆☆
イーデン         D☆☆
ハロルド=ウィルソン   C☆☆☆
サッチャー        A☆☆☆☆☆☆
ブレア          C☆☆☆

20世紀前半は説明不要の人物が並ぶ。アトリーは「ゆりかごから墓場まで」の人かポツダム会談の人のどちらかで出題。イーデンはピール,ダービーと同じく,昔は第二次中東戦争を引き起こした極悪人みたいな感じで早慶対策で名前を見たが,近年は全く出題がない。ハロルド=ウィルソンはむしろ読者の側に「誰だお前」みたいなリアクションがありそうだが,スエズ以東撤兵(植民地帝国の最終的解体),ポンド切り下げと大英帝国の終焉を象徴するような事績になっていることで注目を浴び,最近になって教科書・用語集に載った。ただし出題頻度は高くなく,早慶対策の域は出ない。なお,この人が教科書に載ったせいで,混同を避けるべくウッドロー=ウィルソンも「ウッドロー」が付されて掲載されるようになった。ブレアは用語集頻度 次の改訂で増えなかったら,おそらくこの地位で定着してしまうと思う。

  
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2018年10月09日

ひなたが素直になれるので登山はいいぞ

3連休でがっつりドラクエをやってブログも書く予定が,出勤になった上に風邪を引いて(治った)全部つぶれたぞい。


・増補改訂版☆「漆は英語でjapan」は本当か(Togetter)
→ 内容が錯綜しているが,要するにこういうことらしい。勉強になった。
◯japanが「(日本製の)漆器」を意味したことが歴史上存在しているものの,基本的に17〜19世紀の英語でのみの用法。現代では用いられない。また,OED等に記載があり,これは完全な和製英語というわけではない。
◯現代で漆器と言うならJapanese lacquer wareまたはUrushi ware辺り。
◯逆に漆や漆器の一般的な訳語がjapanだったことは古今東西で存在しない。
◯japanningは西洋で用いられた漆風塗料のことで,これもまた漆器とは別物。要するにイミテーション。
◯上述のようなにもかかわらず,主要な英和辞典を引くと未だにjapanを漆器,漆の意味で載せている。どころか,japanningを「漆を塗る」という意味合いで載せている辞書もある。
→ japanに漆器という意味が全く無いかのような議論になっていたTogetterの最初の方は少々勇み足であったか。japanningという用語の存在を鑑みても全く無関係ということはあるまいし,chinaが中国製の磁器を意味した経緯を鑑みてもJapanese lacquerがjapanに縮むのはありうる変化であるように思う。ともかく,主要な英和辞典は早急に古語という注釈を載せ,japanningについては完全な誤りなので修正するべきであろう。



・5ch冒険家×カメ五郎が語る「僕らがサバイバルの世界に足を踏み入れたワケ」(best-times)
・【第2回】動物を「愛おしむ」ことと「食べる」こと。その間にあるもの
・【第3回】5ch冒険家×カメ五郎の共通点。大胆な行動の裏にある「ネガティブ思考」
→ お二人とものファンではあるが,縁遠いように思えたので対談していて驚いた。3回分をあわせても短いのが残念。お二人とも無茶無謀な冒険を繰り返しているが,カメ五郎は装備不十分・完全に孤独なかわりに国内,春間氏はコミュ力を生かして協力を得まくる代わりに海外という活動範囲の違いは対話によく出ていて面白かった。春間氏は普通の服だと普通の人に見えるが,カメちゃんはそれでも普通の人に見えないのも,そうした活動範囲の違いを垣間見せてくれているようなw。カメちゃんの海外編はおもしろそうだが,実際本当に死にそうである。二人で国内サバイバルの企画とか立てる会社,無いだろうか。
→ 記事中に紹介はあるが,実際それぞれの動画と著書を読んだほうがよいと思う。春間氏の著書は,21世紀にこんなドラクエらしさしかない旅行,やろうと思えばできるんだなという新鮮な驚きがあるので,本当にお勧め。





・のぞみぞ概念(新・怖いくらいに青い空)
→ こんなのぞみぞ概念が流行したその年の内に(記事中に言及がある通り)『よりもい』があって(別記事が立っているように)『ヤマノススメ』のサードシーズンがあったわけですが,2018年の百合業界何があった。視聴者の精神はもうボロボロ。人によっては斉藤恵那概念という自爆によりダメージは加速した。
→ とはいえ,そのすれ違いが才能の問題に直結するのぞみぞが話としては一番重い。『よりもい』はめぐっちゃんに(ネタバレ注意)「絶交しに来た」と言ってみたり,自分は正反対の北極に行くような強さがあったし,『ヤマノススメ』のひなたは自分の執着をちゃんとあおいに吐露でき,あおいがそれを察して促すような関係性と環境があった。ひるがえってのぞみぞは三つの中では解決の先延ばし感が最も強く,先の不透明感はSNS上で多くの妄想を生み出すことになった。なんとも応用が効き,しかも強度のある概念である……  
Posted by dg_law at 07:30Comments(0)

2018年10月05日

最近読んだもの・買ったもの

・『東方外來韋編』vo.5(2018春)。季刊化したようで,番号の付け方が変わった。
→ 特集は東方憑依華。タッグ戦は見ている側は楽しかったけど,やはり作業はシステム面でもテキスト面でもしんどかったようだ。海原海豚氏が「完全にこれまでの空中バトルの締めとしてやろうという意味もあって」と言っているが,似たようなことを『東方深秘録』の時にも聞いたようなw。
→ インタビューは,まず博麗神社例大祭社務所の代表。意外と当たり障りのない内容でちょっと残念。第5回の大惨事などにも突っ込んでほしかったところ。神主には儚月抄について聞けたんだからいけるいける。もう一つはまらしぃさん。今回のCDはこの方のアレンジ。3つめで火鳥さん。ドラクエ5,『ラブひな』,侍魂,永新参とどう見ても同世代であった。
→ 過去作品紹介は地霊殿と星蓮船。地霊殿では,霊夢のさとり評の「−1点」,さとりの自己評価「11点」が話題に。さとり様は自分に限らず地霊殿の登場人物全員に甘く,心を読めるからこそ身内に甘いということで,こんなところでほろりとさせられる。あるいは地霊殿のボスとしての威厳か。特にパルスィに対するコメント「みんなが思っている子よりもずっと優しい子よ」は最高では。完全にさとパルが始まるレベル。他のインパクトであまり話題になっていないが。あと,界隈で話題になっていたのは魔理沙のこいし評で8点&「組んでみると素直で扱いやすい奴」か。こいマリおいしいです。神主へのインタビューでは,嫌われ者の象徴として核を最後に持ってきたと言っていたのが今更ながらなるほどと。これ,2008年だから2011年の前の作品なのだ。あと,洞窟のモデルは秋芳洞だそうで。聖地が増えた。
→ 星蓮船では,神主がインタビューに対して「地霊殿は設定先行型,星蓮船はストーリー先行型」「ストーリー先行型の方がキャラクターのパッケージ感が出て,受けがいい」「最近はストーリー先行型ばっかり作ってる」と言っていたのが印象深い。また,ストーリー先行型は主人公が傍観者になりがちで,特に星蓮船は主人公側にほぼ動機がないので1つの作品としては完成していないのが反省点だそうだ。言われてみると星蓮船ほど主人公側が実はあまり何もしていない作品は無いかも。神霊廟もこれに近い。しかし,輝針城は一応正邪の野望を阻止しているし,紺珠伝は主人公勢ががっちりとストーリーに組み込まれているし,天空璋は設定先行型であるので,神主が自分で言うほど最近の作品に普遍的な欠点ではなくて,星蓮船と神霊廟に固有の問題と言ってもいいかもしれない。
→ 新企画で「幻想郷ジオグラフィ」。公式作品に則って幻想郷の地理を考察・妄想するというもの。企画としては悪くないものの,同人考察界隈では人気のネタで,すでに考察され尽くしている感があるのだが……半公式の解答を高みの見物である。
→ 漫画はALISON航空が増えてて驚いた。出世した(?)なぁ。


・『U.Q.HOLDER』16巻。刀太たちが京都にいる間のアジトにカトラス襲撃,宍戸甚兵衛と真壁源五郎による対処,軌道ステーション爆発事件。
→ 真壁源五郎の不死は残機制。相手の能力をデジタルなステータスで分析できる,武器が異空間から取り出せる,復活直後から3秒は無敵といった能力も含めて完全に「ゲームにありがちな設定」で,非常によく出来てる。工夫次第ではセーブ制と並んで面白く活用できそうな不死。
→ 軌道ステーション爆発事件は完結が次巻なので現時点ではなんとも。


・『ゴールデンカムイ』13巻。都丹庵士編終幕,網走監獄潜入編。
→ アイヌ料理はど本命の鮭料理。和人のメンバーが増えて,その中ではアイヌ料理を知っている方の杉元がお料理紹介で最近若干調子に乗っているのが面白い。そして和泉守兼定でチタタプする土方。
→ 杉元・土方組が土方一派と杉元組で仲間割れ状態になる中,駆逐艦で網走川をさかのぼって第七師団が乱入,というところで次の巻へ。『ゴールデンカムイ』は1囚人ごとの話が短く,割と単行本単位で区切れていることが多いが,さすがにそれがのっぺらぼうだと長い。  
Posted by dg_law at 07:30Comments(0)

2018年10月03日

モリカケ問題はもう盛り上がらなさそうで……

ドラクエ11の2周めをやっているので諸事に時間が足りない。ブログは2周めがクリアできたら一気に書く予定です(積み上がっていく草稿)。目標10月末。

・森友に「収賄的関与ない」=安倍首相、説明を修正−ごみ撤去費、1.5億円増(時事通信)
→ いわゆるモリカケ問題はいろいろあったけども,野党が一気呵成に攻め立てたのは「私や妻が関係していたとなれば、首相も国会議員もやめる」発言からであって,今更「そういう意味での関わりはあった」としつつも「お金のやりとりがあって、頼まれて行政に働き掛けをした、という意味での関わり合いはしていない」というのはさすがに筋が通らない。他はどうあれ,この発言修正だけは認めてはいけなかった。しかし,実際には野党もこう言われては詰めきれず,事実この後モリカケ問題に対する野党の関心は薄れていったように思う。
→ それはそれとするなら,安倍首相のこういう発言の修正は日常茶飯事であり,結果的に当該発言が闘牛の赤いマントの役割を果たしたところがあり,長引かせるだけ長引かせてからの体よくあしらわれた。そもそも野党がこの発言を追いかけることに注力しすぎていたのも問題の初期からの疑問であり,安倍首相の首を取ったところで衆院選で勝たない限りは自民党政権が続き,すなわち政権の体質は変わらないとすれば,安倍首相の首にどれほどの価値があろうか(個人的にはアベやめろというフレーズに関する違和感もこれに起因する)。結局,本問題の核心であるところの政権による官僚への過干渉(その逆方向としての忖度),改ざんすら発覚した杜撰な公文書管理といったところの再発防止策については,与党のやるやる詐欺が非難に当たるのは当然のこととして,野党に安倍首相の首ほどの関心があったのかは疑問であり,結果的にそれも進まず世論の支持にもつながらず(むしろ立憲民主党は支持率が下がっている)という結果に至ったのは残念至極である。


新潟の山で遭難した親子が道をまちがえた場所、やばすぎる(登山ちゃんねる)
→ これで気になって調べみたら,この山は新潟県の定めるグレーディングで3Bになっているので,難易度は決して低くない。詳しくは今度書く予定の『ヤマノススメ』聖地巡礼記事で紹介しようと考えているが,日本の都道府県が共同で定めているグレーディングは技術レベルと体力レベルに分けられる。技術レベルはA〜Eの5段階で,登山経験が皆無な人でも安全に登れる山(高尾山レベル)はAだけ。Bになると如実に道が険しくなり,岩場が確実に存在する(雲取山や富士山がB)。Cから上はかなり慣れた登山者向けという感じ。体力レベルは1〜8の8段階で,概ね2〜2.5を掛けた数字が往復にかかる時間になる(高尾山は雲取山は5,富士山は5〜6)。この山の場合は3だから6〜8時間程度は往復にかかる。しかもこれは登山に適した季節でのグレーディングであり,雪渓が残る季節だと技術レベルも体力レベルも1ランクずつ上がる感じ。スレ内で指摘されている通り,雪渓は道がわかりにくくなり,滑りやすくなる。なお,このグレーディングからもわかる通り,標高の低さは全く当てにならない。低くても危険なところは危険。
→ 総じて考えると,スレ内で言われているような「町の近くのザコ山 」では決してなく,むしろ慣れた登山者であっても残雪期に親子連れで行くような山ではない。そもそも登山計画が無謀だったのではないか。登る時はグレーディングの確認はしっかりとしたいところ。


・ヲタサーの花嫁警報(増田)
→ ブコメの「これ老人ホームでもよく見るやつだ」と「なんかそれ「子供が生まれました!」ってなっても囲ってる奴らは素直に祝福しそうだな…ご祝儀すら用意しそうだ…」というのがおそらくすごく本質を突いていて,女性の絶対数が少ないと不思議とこういう空間は割とどこにでも普遍的に誕生するし,その際の男女の年齢層はさして関係ないというのがここまでの人生経験で見えてきた。「オタサーの姫」現象という語ではあるがオタサーに限らない,というのは前にもブログ上で書いたことがあるような気がするが,いよいよもって単純に「姫」現象と呼べばよいような気がしている。  
Posted by dg_law at 07:11Comments(0)