2013年01月26日

『咲-Saki-』の登場人物が宇宙麻雀を打ったらどうなるか

思考実験。まずは宇宙麻雀のルールを確認。

・東南西北で順子が作れる。しかもループしている。(ex.東南西、北東南で順子)
・白發中も同様。つまり、白發を持っていれば、中をチーできる。
・各牌の1と9がつながっていてループしている。つまり、891や912が順子になる。
・上家だけでなくどこからでもチー可能。
・ドラのみで上がれる。

結果的に早上がり傾向が強まり,食い仕掛けによるチャンタや三色・一通の有効性が恐ろしく高まる。このルールの下で咲キャラが打った場合,通常の麻雀とどの程度の違いが出るのか,考えてみた。本当は全キャラやろうと思ったがあまりにも長くなったので,特に能力・打ち筋の変わらない者に関してはばっさりと省略した。適応度は★で1〜5の五段階。★3つは通常の麻雀と変化なし,多いほど宇宙麻雀化した際に有利になり,少ないほど不利になる。ただしこれはあくまで適応度の話であって,結果の強さは評価対象としていない(たとえば天江衣は適応度は低いが,強いことは強い)。簡単なまとめとしては

・圧倒的有利になるのが玄。ドラのみであがれるから。
・次点で憧,和あたりの「上手い」タイプ。というか阿知賀の面々は大体強化されるので,インターハイに宇宙麻雀ルールの大会があったら圧勝する気がする。
・案外と苦戦するのは魔物の皆さん。妨害系能力は大半意味をなさなくなる。

単行本派の方は,石戸霞・亦野誠子・大星淡の能力ネタバレ注意。


清澄
・染谷まこ 適応度:★
彼女ほど不利になる人もあまりいまい。まず,彼女の特性である牌譜記憶がまるで役に立たなくなる。宇宙麻雀が一般に流布していないし,通常の麻雀とは全く違った展開になることが多いため。また,染め手が得意というのも辛い。面清なんか作ろうもんなら待ちの多さで頭が死ぬ。読めたところでフリテン必至すぎてお勧めしかねる打ち方である。ただし,基礎雀力が高いので,適応度の割には奮闘するのではないかと。

・原村和 適応度:★★★★
宇宙麻雀は食い仕掛けのチャンスが多く,手の作り方も多様性が増すので,通常なら彼女のような緻密に計算しながら打つタイプは非常に可能性が広がるのではないかと思う。「得点と和了率の計算の結果,ドラ3のみ」といった上がりは多用されそう。

・宮永咲 適応度:★★
魔物の中ではマシな部類。ただし,展開が非常に早いので,いつものように展開の中で槓材を待っているようだと置いていかれる可能性も。普段よりも必死に場を支配する羽目になりそうな気はする。あと,全方位からチーできるのでシュンツ場になりがちなので,オカルト的に考えれば不利かもしれない。


風越女子
・福地美穂子 適応度:★★★
あまり変化はないが,しいて言えばキャップは手からの切り出し位置による牌の特定がやや難しくなるかもしれない。なにせ9と1がループしているので,通常の麻雀とは全く異なるシュンツが作られる。7pを捨てたからといって8・9pが死ぬわけではないのである。


鶴賀学園
・東横桃子 適応度:★★
鳴けないというのは大いなる不利になるだろう。なお,原作『いただきじゃんがりあんR』に「鳴き禁止」というイカサマがあるが,宇宙ルールではとてつもなくうざったい妨害である。もっとも,もっと凶悪なイカサマがいくらでもあるので多くの場合何の障害にもならないのが原作であった。モモの場合,場の鳴きを禁止するのではなく自分にかかわる鳴きが封じられるだけだが,相手が宇宙に適した能力者なら同じようなことは起きうるだろう。


龍門淵
・天江衣 適応度:★
苦戦する魔物の代表格。一向聴地獄はおそらくまるで通用しない。少なくとも作中にあるような「手牌と捨て牌全て合わせても国士無双以外でテンパイできない」という状況はありえない。こうした場合はツモに字牌が多数見られることが想定されるが,なにせ宇宙は東南西で順子になるのである。「字牌は平和に不要」という常識は一切通用しない。そういう事情もあって流局もめったにないのが宇宙麻雀で,海底摸月まで誰にも上がらせないというのは天江衣の支配力をもってしても相当に苦しい。

たとえば単行本5巻のp.176,「完全に近い一向聴地獄」のはずだが,どれが手出しでツモ切りかは判然としないものの,考察はできる。まず,加治木ゆみの捨て牌には白發中の順子がそろっており(しかもp.167を見ると中は配牌にある手出し),かつ912pの順子もあるので宇宙的には十分上がれる。同様に池田の捨て牌も南西北の順子があり,おそらく最初の3枚「北・9m・西」は手出しであるが,宇宙ならこんな切り方は絶対に無い。池田の手は12mの3m辺張待ちで手が止まっているが,宇宙的には912mで順子であるから,むしろ配牌時点で順子が1つ完成している状態である。こうして見ると池田の捨て牌は宇宙的に考えて宝の山であり,上がれないほうがおかしい。咲に至っては赤五筒を2枚切っており,宇宙的には極めてもったいないことになっている。

ともあれ,結果として衣が宇宙麻雀に臨むなら終始出和了りモードでやっていくしかないし,こちらなら通常麻雀同様高火力で押していけるだろう。宇宙なら勝てそうだぞ池田ァ!とはならないわけである。その意味で,「宇宙でもやっぱり魔物は魔物」と言えるのだが,適応度は低いと判断せざるを得ない。龍門渕透華(治水)でも同じようなことは起きそうだが,いかんせん作中での描写が少ないのでわからない。「どうやっても鳴けない」河はおそらく作れない。


阿知賀女子
・松実玄 適応度:★★★★★
宇宙麻雀なら魔物と言ってなんら差し支えない。何より「ドラのみで上がれる」というルールが彼女を全力で味方しているからである。実際やってみるとわかるが,玄の能力で苦労するのが「リーチをかけないと役が無いけどリーチをかけたら次にドラが来た時に困る」という状態である。特に赤五筒・萬・索のせいでチャンタ系の役がつぶされ,どうしても中張牌に頼った戦いを強いられる。これらが解消される。どころか,ガンガン食い仕掛けて攻めていくことができる。

しかも打点の高さは保証されたままだ。宇宙はどうしても展開の早さゆえに打点が下がりがちだが,玄の能力なら5巡目あたりで「ドラ4のみ 8000点」なんて芸当が出来てしまう。これはひどい。もう一つ玄の能力で困るのが「どうにも使いようがないけど切れない赤五筒・萬・索をつもってしまった」という状況だが,これも早上がりによってツモ回数が減り,ある程度解消される。余分なものをツモって来る前に上がってしまえばいいのだ。

行けるぞクロチャー!ルールを宇宙に変えて,怜さんとテルテルにリベンジだ!

・新子憧 適応度:★★★★
和のところでも書いたが,宇宙麻雀は食い仕掛けのタイミングが多く,手も大きく広がる。ただし,計算無く速攻を極めると「ドラ1のみ 1000点」とかいう雀卓ひっくり返されそうな上がりを連発することになるので,どこまで打点とのバランスがとれるかどうかが鍵か。適応度自体は間違いなく高い。というか即慣れそう。

阿知賀は強化され具合が半端無いので,是非とも優勝を狙ってほしい。インターハイに宇宙麻雀ルールなんてあるわけないだろいい加減にしろ


白糸台
・宮永照 適応度:★★
苦戦する魔物その3。基本的に,彼女自身の能力に対する直接的影響力は薄い。しかし,照の特徴である「早上がりのまま打点上昇」は宇宙ルールによって間接的に妨害される。無論のことながら照自身の上がりも早くなるとは思うが,そもそも通常ルールでの照がほとんど限界まで早いので,宇宙に変えるとほぼ一方的に追いつかれる側になると思う。また,宇宙は打点を上げることにはほとんど影響力がない。相手が全力で「ドラのみ」で上がりにきたら,けっこう早いタイミングで連荘が止められてしまうのではないか。

・弘世菫 適応度:★★
的が多すぎて絞り切れないのでは無いかと思う。宇宙では浮き牌が実に多様になるからだ。あと絞ってる暇が無い説もある。これも照と同様に,手作りで追いぬかれてしまう可能性がある。

・亦野誠子 適応度:★★★★★
白糸台で唯一有利になる子。全方位からチーできるというのが圧倒的優位である。彼女の能力は「3フーロしたら限定条件での支配力が働き,勝手に役が付いて必ず5巡以内にツモれる」のか,「3フーロしたら,5巡以内に上がり形にはなるものの,役なしツモになる可能性が含まれる」のかが判然としない。しかし,仮に前者だとしたら恐ろしい。宇宙麻雀では玄並に無双状態になるだろう。

・大星淡 適応度:★
苦戦する魔物その4。天江衣の項目でも詳述したように,字牌が有効活用されてしまう宇宙麻雀で配牌五向聴を強制するのは厳しい。これも実際の配牌から検討して見るに(阿知賀編の17話),穏乃は四向聴,姫子の配牌は三向聴になる。竜華の配牌に至っては白發中がそろっているので順子1つ,1・8mも9m嵌張待ちになるので,なんと二向聴。絶対安全圏がちっとも絶対安全ではない。というか宇宙麻雀で五向聴以下ってどの程度可能なんだろうか。どなたか麻雀と数学に詳しい方は読者におられませんか(他力本願寺)。

もっともこれは現時点での話で,たぶん絶対安全圏・ダブルリーチに続く第三の能力も持っているだろうから,そこに期待しておく。大丈夫か白糸台。全体的に弱ってて亦野が一番頼りになるという異常事態。宇宙麻雀インターハイがあったら厳しい結果になりそうだ。だからあるわけry


永水女子
・石戸霞 適応度:★★
まこのところで書いたが,基本的に染める方向の手は,宇宙では厳しい。まあ「神様はフリテンなんかしない」というのであれば関係ないのだが……どうなんでしょうねそこら辺。九連宝燈から見るに神代さんも染め手のような気がする。あわせて続報(?)待ち。


宮守女子
・エイスリン 適応度:★★
宇宙だと13巡以内じゃ遅いんだよ……宮永照同様,周囲の聴牌速度が上がるせいで,本人の能力は劣化しないのに相対的に不利になるかわいそうな子。

・姉帯豊音 適応度:★★★★
これはもう友引無双でしょう。亦野さんと同様の疑問は残されてるけど。先負の効力が弱まるわけでもなし。



あとこれどうか?とか,その能力解釈はおかしい!とかありましたら遠慮なくどうぞ。

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現代科学によれば、宇宙は百三十七億年にわたって膨張し続け冷え続けているが、その過
変化しない宇宙【哲学はなぜ間違うのか?】at 2013年03月27日 23:08
この記事へのコメント
クロチャーはメンゼン派なので打ち方変えないとどうにも
Posted by 通りすがり at 2013年01月27日 09:56
なかなか面白い考察ですね。
字牌やペンチャンが愚形になりにくいから部長も適応度は低そうに思えます。


>宇宙麻雀で五向聴以下ってどの程度可能なんだろうか
ちょっと考えてみました。
配牌に極力面子・塔子を作らない形となるのは「マンピンソーそれぞれに筋牌3枚ずつ+三元牌1枚+風牌1枚」が含まれる形です。
例)一四七147´き東白
ここに3枚何を加えても必ず面子か塔子ができてしまいます。
その面子と塔子の数は次の3パターンになります。
1面子1塔子  例)一二三四七1247´き東白 ⇒五向聴
3塔子     例)一二四七1247´↓き東白 ⇒五向聴
1面子(1槓子)例)一一一一四七147´き東白 ⇒六向聴だが七対子だと五向聴

つまり宇宙麻雀では五向聴が最低で六向聴以下にはなりません。
その出現率がどれくらいかはわかりませんが、通常の麻雀で十三不塔が出るよりはずっと低いはずです。
Posted by しののぬ at 2013年01月27日 15:15
>通りすがりさん
twitterでいのけんさんにも突っ込まれていましたが,そこはちょっと舌っ足らずでしたね。
玄が鳴けない主要な要因は,鳴いてしまうと自由にできる面子が減ってしまい,ツモで新たなドラを引いてきてしまった時に往々にして「詰む」からです。
鳴けないので手作りが遅くなり,結果として不要なドラを拾ってくる確率も高くなる……という悪循環が生じます。
宇宙だとこれがある程度解消されるのではないか,というのが上記の推論です。


>しののぬさん
ありがとうございます。
部長については省略しましたが,おおよそ同じ考えです。どうしても能力を活かしたいなら,悪い待ちを意識しながら手作りする,最後に辺張待ち・単騎待ちを残すようにする,というとても矛盾した打ち筋になりそうな気がします。

>五向聴以下
やっぱり無理みたいですね。五向聴でさえもきついという……がんばれあわあわ。

こちらもいのけんさんがコメントしていましたので,紹介しておきます。
https://twitter.com/inoken0315/status/295213954798587905
Posted by DG-Law at 2013年01月27日 23:36
亦野の能力はポンの三副露でないと発動しないので、チーはカウント出来ません。

白糸台\(^o^)/
Posted by 麻雀初心者 at 2016年12月03日 00:00
咲ポータブル阿知賀編だとそんな設定でしたね……なぜそんな設定に。
読み返してみると漫画の方でも今のところポンしかしてないですね。
3副露がポンしかダメというゲーム設定が真相だとすると,★★★★★どころか★★くらいまで減りますね。白糸台……
Posted by DG-Law at 2016年12月03日 23:14