2014年05月27日

舞の海講演会について(文字起こし有)

・“昭和天皇万歳”集会で――舞の海氏が排外発言(週刊金曜日)

この週刊金曜日の記事が物議を醸したが,本当に舞の海がそんなことを言うのか疑問であったので,映像を紹介されたこともあり,そちらを視聴してみた。以下の動画の45分頃からが舞の海の講演。



結果から言えば,週刊金曜日の記事はひどい発言の改竄である。舞の海氏が気づいて訴えたら弁解の余地がないレベルだと思う。一応言っておくと,舞の海氏の講演内容に残念な点が無いわけではない。しかしそれは非常にダメな俗流若者論であったり精神論であったりする面であって,週刊金曜日の言うような点での問題点ではない。


“「外国人力士が強くなり過ぎ、相撲を見なくなる人が多くなった。NHK解説では言えないが、蒙古襲来だ。外国人力士を排除したらいいと言う人がいる」と語ると、参加者から拍手が湧いた。“日の丸”旗を手にした男性が「頑張れよ」と叫び、会場は排外主義的空気が顕著になった。”
→ 確かに「蒙古襲来」の発言はあったが,それはハワイ勢が登場した時に「黒船襲来」と言われたのになぞらえるならば,という文脈である。追い返さなければならないというニュアンスは皆無であった。また「外国人力士を排除したらいいと言う人がいる」発言は,舞の海氏はそれを否定するために出した枕詞であって,氏の意見とは正反対である。それどころか,「今大相撲を支えているのは,実はモンゴル人」,「モンゴル人がいるからこそ,私達は横綱の土俵入りが見れる」,「高見山さんがやって来たその瞬間から,もう後戻りできないと思う」と発言しているわけだが,これのどこらへんが排外主義なのか説明してもらいたいもんだ。
→ ついでに言うと,外国出身力士と(民族的)日本人力士の違いについてハングリー精神の差と,「日本人は技を磨かずに体重ばかり増やそうとする」という点を指摘し,外国出身力士を褒めて日本人力士を叱咤する内容の講演なわけだけども。この「日本人は身体を軽くして,技で対抗せよ」というのは舞の海の持論である。

ちなみに,幕内は外国出身力士ばかりになっていっているというのは事実として誤りで,むしろ流入は止まっている。新弟子が来なくなったわけではなくて,むしろ海外の相撲エリートはバンバン来日しているわけだが,出世できていないのである(例外は大砂嵐くらいで,逸ノ城が次来るかどうか)。これは単純に幕内の平均レベルが上がっているからであって,その辺を知らずに発言すると変なことになりますよ,とは。これは舞の海氏にも言えることだが。


・舞の海氏が「天覧相撲の再開が必要だ。日本に天皇がいたからこそ、大相撲は生き延びてこられた。天皇という大きな懐の中で生かされていると感じる。皇室の安泰を」と結ぶと、大拍手が起こっていた。
→ これは大相撲の歴史を振り返るに,特に明治天皇と昭和天皇の相撲愛によって大相撲という興業が復活したという歴史的事実を話した文脈上での発言である。半分くらいはただの舞の海氏の右派的な信仰告白ではあって,そこが鼻につく人はいるだろう。しかし,「だから大相撲は国粋主義でなければならない」というニュアンスは一切無かった。で,何? 排外主義がなんだって? 

それはそれとして,週刊金曜日がこの記事で何をしたかったのかがさっぱりわからない。舞の海氏個人に排外主義者のレッテルを貼っただけのような。それともなんですか,大相撲嫌いですか。加えて,こちらのデイリースポーツの記事でも,北の富士氏の「モンゴル人には何の罪もないんだけれどもね」という枕詞をわざと削った上で彼の発言を引用しているんだけれども。世の中のマスコミには,大相撲関係者は排外主義でいてもらわないと困る理由とかあるんですか。


以下は,主要部分(59:00〜1:19:00)の文字起こしである。できれば動画を全部見て欲しいが,時間のない人は。または確認用にどうぞ。


最初に相撲の歴史の話が続き,舞の海氏が天覧相撲を熱望していることを語る。その後。

(59分頃から)
「(最近の大相撲は)盛り上がってきたとはいえ,何かもう一つ,寂しいなという気はするんですね。よく最近聞かれるのはですね,最近はもう外国人が強すぎて相撲を見なくなったという方がとても多いんですね。やはり頷いてる方もたくさんいらっしゃいますね。だからテレビではいいませんけどね(会場笑),私が現役の頃は,ハワイ勢くらいだったんですね。当時は黒船来航と言われまして。もう日本人勝てないんじゃないかと言われた時代がありました。ハワイ勢が引退した後は,今度は蒙古襲来(会場笑)。いや,解説では言えませんよ。800年振りに蒙古襲来。もう日本の相撲界は,モンゴル勢に制圧されてるなぁという見方もできるんですけれども,でも見方を変えますとね,今大相撲を支えているのは,実はモンゴル人なんですね。モンゴル人がいるからこそ,私達は横綱の土俵入りが見れるんですね。

彼らの目的は何か。日本のこの大相撲界に入って,早く強くなってお金を稼いで,そして両親家族の面倒を見なければいけない。つい最近引退した琴欧洲。お父さんが交通事故で,もう家族の収入が無いわけですね。ですから,そういうこともあって,相撲界にやってきて,もう強くなる,ならなければ帰ることはできないんですね。ケガをしても,一生懸命土俵に上がります。朝青龍から聞いたんですけどね,これ日本人勝てないなと思いましたね。朝青龍のお父さんが,どういう気持ちで相撲をとったらいいか,息子に教えたんです。「自分のお母さんを殺した犯人だと思って闘え」と(会場笑)。これを聞いた時,これ日本人勝てないなと思いましたね。ええ,まあ,あのー。それに比べて日本の力士はどうかと言いますとね,3年5年やってダメだったら,田舎に帰って,何か仕事を探せばいいかなーという力士もたくさんおります。親も変わってきました。昔は相撲界に入るとなると,強くなるまで帰ってくるなと言って送り出すんですけども,今は,苦しかったらすぐに帰ってきなさい,何も我慢することはないんだと(会場笑)。そうするとすぐ帰ります。ええ。ひどい人だと,朝来てその日の夜に帰っちゃうんですよ(会場笑)。

こういう状況なんですけれども,これはですね,相撲界だけの現象ではないんですね。ええ。企業の社長さんのお話を聞くと,最近の若い社員すぐ辞めていくんだよね。どうしてですか。理想の職場じゃなかったっていうんだよね。はー,まあどんな世界でも,いいところと悪いところがあってですね,皆それを押し殺しながら,我慢をしながら,仕事をしていくのになぁと。知り合いの医者と話してもそうなんですね。去年研修医30人入ってきました。でも一年後に一人もいなくなりました。ええ,ですからこれは相撲界だけじゃないんだなぁと思いましたね。

それからよく,あの,まあ言われるのがですね。相撲ももう時代も変わってきて,そろそろオリンピック競技にしたらどうか,という方もいらっしゃるんですね。でも,これは難しいと思います。オリンピック競技にしようと思うとですね,ドーピング検査をしないといけないんですね。何か薬物をやってるんじゃないかと。大体お相撲さん引っかかる人多いと思います。あの,これは馬鹿にしているわけではなく,何か薬物をやっているわけでもないんですね。大体,お相撲さんというのは身体を大きくするために,いっぱい食べますからね。痛風ですとか,糖尿病ですとかね,内蔵疾患いろんな病気を抱えてますから,いろんな薬を飲むわけですね。ですから,ほとんどドーピング検査引っかかってしまうと思います。ですから,オリンピック競技というのは難しいだろうなと思いますね。

まあ,先程も言いましたけれども,もう外国の力士を排除したらどうかという人もいるんですね(会場一部拍手)。いやいやいや,これはですね,(会場から「先生がんばれ」の声),いやいやいや,これはですね(相当焦っている),難しいですね。難しいというか,もう後戻りできないと思います。昭和三十……何年ですかね。横綱の前田山という人がですね,ハワイに行った帰りに,高見山さんを連れてきたんですね(編註:昭和39年のこと)。その瞬間からもう後戻りできないと思うんですねー。もし,そういうことでもしようと思ったらですね,外交問題に発展するんじゃないかなと。モンゴル政府は本当にもう怒るでしょうね。うちからレアアースが発見されても日本には輸出しないぞと(会場笑)。そういうことになるかもしれませんね。

ですから,世の中グローバル化といいますけれども,相撲界は一昔二昔前にはもう,グローバル化されてるんですね。ですから,このままいくと,もしかすると,この大相撲界もですね,二十年後三十年後は,幕内の全取組が外国人同士という日が来るかもしれませんね(会場笑)。まあ,そういった大相撲世界に私も,9年半身を置いてましたけれども,えー,やっぱり,相撲界に入ることができて,嬉しかったですけども,一つだけ嫌だったのはですね,あのー,ハワイ勢の対戦しなきゃいけなかったんですね。小錦・曙・武蔵丸。皆200kgを超える巨漢なんですね(会場笑)。この人達とは対戦せずに,現役を終えたいなと思ってたんですけれども。相撲の立ち会いというのは,両者がガツーンと当たった瞬間の力というのは2トン以上あります。ですから私にとって見れば,もう交通事故に遭いにいくようなもんなんですね(会場笑)。やりたくないわけです。

でも私も十両まで上がると関取ですから,地方巡業というのに参加しないといけない。地方巡業に行くと大きな体育館の中に土俵が一つしか無いわけですね。この一つの土俵で皆朝早くから土俵の周りに集まってきて,稽古します。どういう稽古かというとですね,勝った力士が次の力士をどんどん指名していくんですね。次はお前だ,次はお前だと。曙さんが強いですから,次々敵を倒していきます。私指名されたくないもんですから,怖いもんですから,他の力士の影にこう隠れてたですけども,そしたら「次は舞の海だ,来い」と。断るのも失礼ですから,恐る恐る曙さんにぶつかっていったら,(曙の)一突きで土俵の外にひっくり返ってましたね。ものすごい衝撃です。もう,手で押されたというよりも,足で踏まれたんじゃないかと。ものすごいパワーなんですね。

ですから,日本人はいくら鍛えても,外国人のパワーにはもう勝てないんです。ええ。で,気がついたらケガもなく,あー無事で良かった,これでもう曙さんは私を指名してこないだろうと,安心して他の力士の稽古見てたんですね。そして,また何番かすると,またまた指名してくるんですね。おかしいな,私曙にとって弱すぎて稽古相手にならないんですね。なのになぜ指名してくるんだろうと,考えてみたらわかりました。曙さんも私と,他の力士と何番も何番も稽古してると,疲れてくるんですね(会場笑)。疲れた頃に,私を指名してくると。ただそれだけなんです。それで,何番も何番も土俵の下にぶっ飛ばされて,それで気がついたんですね。それはですね,必ず私と相撲取る時だけ,立ち会いで両手を同時に伸ばしてくるんですね。(編註:いわゆる諸手突き。曙の他に把瑠都が得意とした。)
曙さんの両手が私のこの両肩にぶつかった瞬間に,私は5・6メートル向こうまでふっとばされると。いつもこれなんです。そこで私も考えたんですね。曙の,この手が無かったらなぁと。曙さんも弱点があるんです。足が細長い。身長2メートル4センチ,体重が235kg。でも体重のほとんどが上半身にあるわけですね。ですから私からすると,まあ大変失礼な表現なんですけれども,ナスにつまようじを刺したような(会場爆笑),あの,バカにしているわけじゃないんです。だから私あの,つまようじさえぼきっと折れば,ナスがごろっと転がるかもしれない,と思うんですけれども,今のままだと,曙さんの足まで辿りつけないわけですね。そこで考えたんです。こう手が伸びてきますよね,まともにぶつかっていく振りをしながら,今度は手が私の肩に当たる直前に,ひゅっとこうしゃがもうと思ったんですね,よしこれだ,すぐにやってみようと思ったんですけれども,ちょっと待てよと。これ稽古で勝っても仕方がない。いつか本場所で当たる日が来るかもしれない。その日までこれはとっておこうと(会場拍手)。ということで,ずっとその手をとっておきまして,普段曙さんと稽古をするときは,まともにぶつかっていってまともに吹き飛ばされるわけです。そうすると,曙さんとしては気分がいいわけですね。他の力士は,何発も突っ張っていかないと土俵の外まで出てくれない。でも舞の海だけは一突きすれば飛んでいってくれる。そうすると,いつ本場所で当たっても,一突きで仕留めることが出来る。そう思い込んでくれるわけですね。そう思ってくれるとさらにありがたい。

そうしているうちに私も,十両から幕内に上がりまして,ニ場所目の九州場所の十一日目に,とうとう曙さんと対戦する日が来たんですね。(編註:この日のこと
(編註:以下しばらく相撲の作法の説明が続く。興味がなければ,この段落は読み飛ばしてかまわない。)
花道を歩いていきます,そして土俵下に座ってます。そうしているうちに私達の出番がやってくるんですね。呼び出しさんが扇子を持って両者を呼び上げます。東,西とやりますよね。あれ別にね,呼び出しなんていらないんですね。場内放送で東誰々,西誰々と言えば,それで済むことなんですね。でも,ああいうところが伝統芸能ということなんですね。たとえば歌舞伎なんかでも,歌舞伎役者が見栄を切ってもですね,音響もなければ効果音もなければ,その見栄も見栄えしないんですね。これ裏方さんが鳴らしてくれるものがあるからこそ決まるわけですよね。ああいう,こうポーズもですね。それと同じように呼び出しさんが呼び上げることによって,その一番を盛り上げていくんですね。
そして土俵に上がります。土俵に上がった私はほんとはね,すぐ相撲をとってすぐ帰りたいんです。嫌なこと怖いことはさっさと終わらせたい。ところがですね,先程も言いましたが相撲は神事ですから,いろんな作法があるわけですね。土俵に上がって蹲踞をして,こうやってぱちんと手を叩いて,こういうことしますよね,私は武器は持ってませんよ,正々堂々とあなたと戦うんですよと。そして手を叩くというのは柏手の意味もあります。神社にお参りに行くとき,丁寧に作法している人というのはですね,必ず横綱土俵入りと同じように,手を合わせてから,手をもんでるんですね。あれが正式な所作なんですね。だいたい皆省略してこうやってますけどね。本当はちゃんと手をもまないといけない。あれはなぜかというと,神社にお参りするときに,手を洗って口をすすいで,そして神聖な気持ちで,手を合わせます。それと相撲も同じなんですね,神事ですから。ところが,昔はどこにも水が無かった。そういうときに蹲踞をしまして,下に手を伸ばして,草をむしりとって,その草で手をもんで,手を洗ったことにした。この名残なんですね。
そして土俵の中央でわざわざ向かい合って四股を踏みます。あの四股というのも神事から来てるんですね。大昔の人というのは土の中に魔物がいると。そういうときには力持ちの力士が,大地を踏みしめることによって魔物を退治して,五穀豊穣であると。世の中は安泰になる。そういう願いを込めて四股というのが始まったんですね。塩をまくのもそうなんですね。いろんな神事には必ず塩を使いますけども,塩をまくのもそうなんです。土俵を清める,邪気を払う,ケガをしないように,いろんな意味が込められてます。じゃああの塩一回でいいんじゃないですかね,あれなぜ何回もまくのに任せるのかなと。これはNHKの放送の関係で,ちょうど六時に終わらせないといけない(会場笑)。これご存じの方もいらっしゃると思うんですけれども,下の五人の審判の一人が時計係。時計を見ながら進行してます。でもその日に限ってあっけない相撲が何十番も続くと,このままだと五時半に終わっちゃいそうだなと。そうすると六時のニュースまで三十分あります。何回も塩をまくんです。逆に水入りの大相撲とか熱戦が多い。取り直しが。そうすると時間が押してくるんですね。このままだと六時に終われそうにない。というときには塩をまく回数が減るわけですね。そうやって時間調整してるわけですね。時間調整だけではなく,ああやって塩をまいて仕切りを重ねることによって,力士もだんだん気持ちが乗ってくるんですね。

(編註:ここから曙との一戦の話に戻ってくる。)
そして見ている方もですね,いきなり土俵に上がって,いきなり相撲を取るとですね,三十分くらいで終わっちゃうでしょうね。全取組が。こんな味気ない競技は無くなってしまいます。あの時間がまたいいんですね。いろんなことを考えさせる時間でもあるわけですね。あの仕切りを三回・四回やることによって,お互い両者はですね,頭の中はめまぐるしくいろんなことを考えています。でまあ,私もですね,話を戻すと,曙さんとこう仕切りを重ねていくうちに一つ気がついてしまったんですね。仕切り線に手をついて立ち上がったら,私の目の前が曙さんのへそなんですね(会場笑)。いやこれは大きいなと。それまで作戦に集中してたんですけど,今度は余計なことを考えだした。この巨体が乗っかってきたら,私の内蔵はどうなるんだろうかと(会場笑)。あの大きな手が間違って顔にあたったら,私の首の骨はどうなるんだろうかと。もう手も足も震えてきます。しかし私もこれまで温めてきた作戦を,今日やらないと,今度いつ挑戦できるかわからないと。いろんな葛藤をしながら,仕切りを重ねている内に,とうとう制限時間いっぱいが来ましてね。

行司の軍配が返って,曙さんが向かってきます。予定通り,両手を同時に押してきたんですね。難しいのは,いつしゃがむかなんです。あんまり早くしゃがんでしまうと,「お前何一人でしゃがんでんだよ」と,作戦が台無しになってしまいます(会場笑)。遅いと(曙の)手が当たってしまいますね。ですから,まともにぶつかっていく振りをしながら,曙さんの両手がどんどんどんどん近づいてくるのを待つわけですね。そして引きつけるだけ引きつけて,この辺まできたときにぱっとしゃがむわけです。タイミングよく,曙さんの手は空振りして,次の瞬間曙の腰にぐいっと組み付くことに成功した。曙はどうしたか。一突きで倒せるはずの相手が,急に目の前からいなくなって,ここ(腰)にくっついてるわけですね。予定通りいかない曙は慌てます。慌てて次どうしたか。上からまわしを取りに行くんですね。私のまわしを取って,つって土俵の外まで出してしまえと。おそらく次はつりに来てくれるだろうと予想してました。予想どころか,私はつりに来てくれないと困るんですね。というのは,相撲のつり出しというのは,組んだ状態から,いきなり持ち上げないんですね。持ち上げる前に必ず相手を引きつけるんですね。(編註:つり上げてから引きつける把瑠都とかいう怪物。)
引きつけて身体と身体を密着してから,持ち上げていくわけですね。この引きつけられた瞬間がたった一つのチャンスなんです。私の身体が曙さんの身体と密着して,そのときに私の足が曙さんの足に届くんですね。だから引きつけてくれないと,つりに来てくれないと困る。引きつけられた瞬間に左の足で内掛けにいった。私の計算ではこれで倒れるはずだったんですけど,私の計算も狂いました。思った以上に曙さんの足が長すぎて,全然技が効いてないんですね。その辺の電信柱にこうやっているような,わーしまったー,とどうしようと思った瞬間に,曙さんもですね,一旦つるのをやめて,下ろしに来た。また同じようにつり直しに来たんですね。今度また同じように左の足で内掛けにいって,今度は足を絡めた状態でもう一本の足をですね,右手でこうやって取りに行ったんですね。(編註:渡し込みという技。)
それでもまだ倒れない。両手両足ふさがってます。残ってるのはあと頭しかない。頭で曙さんのお腹をちょんちょんちょんちょん押して,同時に三箇所攻めてますよね。三所攻めという技で倒すことが出来ました(会場大拍手)。(編註:当時の映像はこれである。確かに,舞の海の発言通りに展開する。)
本当は,曙さんの倒れなくてよかったんですね。私の技が切れ味するどいかというと,そんなことないんですね。じゃあなぜ倒れなければいけなかったというと,せっかく自分のこの235kgある体重をですね,前に前に使っていけばいいんですね。ところがつろうつろうとします。つろうとすればするほど自分のかかとに,どんどんどんどん体重がかかってくんですね。そのタイミングで相手の足を刈ってやると,大きい人でもそれほど力を使わずに倒すことができると,いうことなんですね(会場再び大拍手)。ありがとうございます。

ええ,えーとまあ相撲というのはですね,実はあの身体が大きければいいかというと,決してそんなことはないんですね。身体が大きい人でも強いところと弱いところがあります。小さい人にももちろん,両方あります。小さい人というのは自分の強いところを相手の弱いところにいかにぶつけていこうかと,考えながら作戦を立てるんですね。それからよく怖くないかと聞かれるんですけど,怖くないですね。それはなぜかというと,私が気が強いわけではないんです。あの,何も曙さんの頭の天辺からつま先までを眺めながら相撲をとるわけじゃないんですね。
腰をこう割ると,私の目の前に曙さんの両足なんですね。あ,俺は曙と相撲をとるんじゃなく,この両足と相撲をとればいいんだなと。身長差がありすぎてですね,私にとっては曙さんの上半身はないものと同じなんですね。

そういうことでですね,えーまあ,大相撲界現役時代の思い出の一番を披露させていただきましたけども,今まあ,外国勢が強すぎて日本勢がなかなか振るわないと。まあ思ってる方たくさんいらっしゃると思うんですけども,日本力士はなぜダメかというとですね,今やっぱり飽食の時代で太り過ぎなんですね。ええ。モンゴルから来る力士は皆入門した時は60kg,70kg。皆ガリガリなんですね。鍛えながら相撲に必要な筋力をつけながら番付を上げていくんですね。日本人はもう小学校の頃から太ってるわけですね。やることが限られてくるんですね。ええ。ですから,なかなかこう勝てないと。ということでですね。亡くなった薬師寺の高田管長はですね,えー非常にこう,お仕事でおっしゃってたんですね。現代の世の中は物で栄えて心で滅んでいってると。あれ,これ相撲の世界でも共通するなと。体重で栄えて技で衰えていくと言うことですね。本当は日本人も体重を増やすことに一生懸命にならずにですね,技を磨いていかなければいけないんですけども,なぜか安易に体重に走ってしまうということで,なかなか外国勢に勝つことができないというわけなんですね。

まあ私の話はこれくらいにしておきまして,話は戻りますけれども,そして今こうやって振り返ってみますと,この大相撲,なぜここまで続いてきたか。やはり日本に天皇陛下,天皇陛下がいたからこそ,私達大相撲界は生き延びてこれたのではないかなと。(会場拍手)」
(1時間19分頃まで)

以下,再び相撲の歴史の話へ。明治天皇・昭和天皇への謝辞。「早く,また天覧相撲を開催するよう努力しないといけないのではないかなと思います」だそうで。最後になぜか「皇室の永世のご安泰のために,法整備をしっかりとしなければならない」と言及して終わった。

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http://trackback.blogsys.jp/livedoor/dg_law/52206553
この記事へのコメント
いや問題なのは舞の海が拝外主義的な発言をしたかどうかではなく
舞の海が拝外主義者たちの集会に参加したことでしょう。
仕事だから断れなかったとかは言い訳になりませんよ。
レイシストたちを止められず消極的にでも同調したならその人もレイシストなのです。
Posted by kiya2015 at 2014年05月27日 09:43
なるほど週刊金曜日の読者層ってこういう思考回路なのね(笑)
Posted by   at 2014年05月27日 10:42
レイシスト(笑)

元々、相撲が日本の国技と言われることに対して
違和感や嫌悪を持ち、相撲自体に興味がないのに
差別の匂いの話題を嗅ぎつけてレイシストだの排外主義者だの
思考回路が…残念ですね。

モンゴル人力士に対する差別だ!と騒ぎながら舞の海の功績を愚弄したり
…人格否定したり、、、舞の海さん…サッカー日韓戦、韓国の横断幕問題を
キッパリと断罪した辺りから標的にされて狙い撃ちにされたんだね。


Posted by   . at 2014年05月27日 12:27
昭和天皇を称える人はレイシストですかそうですか
Posted by   at 2014年05月27日 13:51
裕仁は形式的だったとはいえ大日本帝国のトップであり、
海外の人々から見ればヒトラーやムッソリーニと同等の存在です。
そういう人物を讃える行為がレイシズムと捉えられるのは
ネオナチがレイシズムであるのと同じでしょう。
Posted by kiya2015 at 2014年05月27日 18:35
この講演で舞の海は排外・差別的な考え方に異を唱えていました。
単に排外・差別発言を行わなかったというだけではありません。
Posted by   at 2014年05月27日 19:44
馬鹿なコメントをしている kiya2015 という方は
hatenaで界隈では有名な荒らしなので削除した方がよろしいかと>ブログ主様
Posted by JJ at 2014年05月27日 20:43
>JJさん
お心遣いありがとうございます。
私もはてなidを持ってますので,存じております。
とりあえずもう少し様子を見ようかと。
Posted by DG-Law at 2014年05月27日 21:08
文字起こしを拝読したけど、「「盛り上がってきたとはいえ,何かもう一つ,寂しいなという気はするんですね」」と言ったから誤解を生じさせちゃったんでしょうね。最初から、モンゴルの人が横綱になって、相撲はますますパワーアップした、ぐらいに言わないと。
Posted by 清高 at 2014年05月27日 21:58
お読みいただきありがとうございます。
そうですね。そこも含めて不用意な部分はともかく多いと思います。
あとは場の雰囲気ですかね。「外国人力士を排除したらいいと言う人がいる」に対して拍手した人というのはやはり異様と言わざるをえないので。
Posted by DG-Law at 2014年05月28日 01:54
ちょっと話が脱線するけど、
日本人が日本人の横綱が出てもらいたい(まあ白鴎は日本国籍とってるから日本人だけど)
と言ったくらいで文句を言う人がいるんだけど、おかしいよなぁ。

この間ウインブルドンで何十年ぶりかでイギリス人が優勝した時大きく盛り上がって、
日本でもそれを「微笑ましい」みたいなニュアンスで報道されてたはずだぜ。

それと一緒じゃん。
Posted by zzz at 2014年05月28日 08:30
↑すまん、白鵬ね。

あと、デーモン閣下は、横綱は日本国籍もしくはその予定者でなくてはこまるとたかじんの番組で発言してた。それも一つの考え方でしょう。
Posted by zzz at 2014年05月28日 08:32
>>kiya2015みたいなやつこそがレイシストだよなあ。
伝統とかそういうものの中に生きる人間の存在を許さないんだもんね。
週刊金曜日といいkiya2015と言い発想ややり方が文化大革命や原理主義テロと一緒なんだよな。
Posted by どっちかというとサヨクの人間 at 2014年05月28日 10:16
>zzzさん
ええ,ですので「日本で開催されている競技なのだから,日本人横綱が見たい」はセーフですし,普通の主張・欲望だと思います。
問題は連呼しすぎると「何,それは暗に外国出身横綱は不要だって言ってるの?」ってことになりかねないですし,実際の外国人横綱も良い気分はしないでしょう。

>デーモン閣下は、横綱は日本国籍もしくはその予定者でなくてはこまるとたかじんの番組で発言してた
それも一つの考え方なのは確かですが,個人的には賛同しません。
白鵬クラスの大横綱であれば,三顧の礼で迎えるべきであって,国籍はささいな問題じゃないかと。伝統文化の継承に国籍は関係あるかという話で。協会に骨を埋める覚悟を試しているという見方もできなくはないですが。
曙を親方に「しなかった」のは大きな損失だったと思います。
Posted by DG-Law at 2014年05月28日 10:27
> あと、デーモン閣下は、横綱は日本国籍もしくはその予定者でなくてはこまるとたかじんの番組で発言

外国籍力士が引退しても日本相撲協会に残れず「無関係の人」になっちゃうので、横綱まで務めた人が「無関係の人」になるのはまずいだろうということでの提案でした。
朝青龍が初のケース(曙も帰化してた)。
琴欧洲は帰化が遅れて大関陥落してからも続けて申請が通った後で引退となったはず。
Posted by kazu at 2014年05月28日 12:48
閣下は現在の日本相撲協会の規定があるからそう言われました。

つまり、横綱まで務めたら国籍は問わないとか、規定自体が変われば、日本国籍でなくても良いのです。

閣下のインタビューか何かの発言で、白鵬が帰化せずに、もし大記録を立て、相撲界に貢献したら外国籍のまま特例的に一代年寄に扱われるかどうかに触れられたことがありました。
Posted by kazu at 2014年05月28日 12:57
>kazuさん

>曙を親方に「しなかった」のは大きな損失だったと思います。
これは私の記憶違いですね。引退前に帰化してました。すみません。

>横綱まで務めたら国籍は問わないとか、規定自体が変われば、日本国籍でなくても良いのです。
そうですね。私は規定が変わる側に期待したいと思います。

>閣下のインタビューか何かの発言で、白鵬が帰化せずに、もし大記録を立て、相撲界に貢献したら外国籍のまま特例的に一代年寄に扱われるかどうかに触れられたことがありました。
これは気になるところですね。検索して探してみたんですが,これですかね。
http://aki-blog.net/gyoseisyosi-hakuhou-kokuseki
今年の初場所の二日目でしたか。私は痛恨の録画忘れで,深夜の放映で見たので,聞きそびれてしまったんですよね。
確かに,特例でひとまず白鵬は,というのも一つの手ではないかと思います。
Posted by DG-Law at 2014年05月28日 15:39
>うちからレアアースが発見されても日本には輸出しないぞと(会場笑)。そういうことになるかもしれませんね。

だからモンゴル人を排斥するわけにはいかないと。
拝金主義日本バンザイ!
Posted by eno at 2014年05月28日 22:27
どこからともなくブサヨが突撃しててワロタw
廃刊金曜日まだー?
Posted by aa at 2014年05月28日 22:45
記事が扱っている事柄で問題なのは、「外国人力士を排除したらいいと言う人がいる」との発言に対して「頑張れ」との声があがる会場の排外主義的空気であって、舞の海が排外発言したという見出しは不適切でしょうね。見出し以外の記事に不適切な点があるとは思いません。

「蒙古襲来」の発言について、「追い返さなければならないというニュアンスは皆無であった」とおっしゃいますが、「蒙古襲来」と言う時点で、いることが望ましくないというニュアンスが私には感じられます。

「外国人力士を排除したらいいと言う人がいる」発言は「氏の意見とは正反対である」とおっしゃいますが、「今大相撲を支えているのは,実はモンゴル人」という現状が望ましいと言っているわけではないでしょう。 「もう後戻りできないと思う」しかし「外国人」ばかりなのは望ましくないという思いが伝わります。そもそもなぜ「排除したらいいと言う人がいる」という話をするのか。排除したいという思いはわかるということを伝えるためにこの話をもちだしたのではないでしょうか。しかし言葉でそうは言っていないので、記事の見出しは不適切でしょうね。
Posted by 大川純平 at 2014年05月30日 05:54
いえ,記事中の文章も悪質です。
事実には反していないが,読者にミスリードを図る書き方をしているからです。
舞の海氏のことをよく知らない人が読めば,彼が「外国人力士を排除したらいいと言う人がいる」に同意して話を続けたように読めるように書いてあります。

>「蒙古襲来」と言う時点で、いることが望ましくないというニュアンスが私には感じられます。
あまり良いなぞらえ方ではないという自覚があったからこそ「テレビでは話せませんが」と言ってから言ったんだとは思います。
が,逆説的に,またその後の話の展開からして,追い出そうというニュアンスは読み取れないと判断しました。

>「もう後戻りできないと思う」しかし「外国人」ばかりなのは望ましくない
この表現自体は,「後戻りしてほしい」という聴衆の意見に対応したものと考えます。
ついでなので,他の方からもよく指摘されますが,聴衆の質は正直良くないですし,そんな聴衆のところに講演に行くなって指摘もその通りだとは思いますね(もっとも,舞の海氏自身も右派なのは確かなので親和性は高いですが……)
Posted by DG-Law at 2014年05月30日 10:34
じゃあ読者の質が正直良くない週刊金曜日の記者は
なんでそんな雑誌に寄稿するんでしょうか
Posted by 海外在住 at 2016年11月24日 18:13