2017年10月02日

ドラゴンクエスト11 バトル面の感想

PS4版。ようやく裏ボスまで倒したので,本作のバトル面での感想と,攻略上の個人的なメモを。なお,過去のドラクエとの比較を頻繁にしているが,ドラクエ11は未プレイだが6・7・8くらいまではプレイしていた人を想定読者にしているためである。一方,私自身も9・10をプレイしていないので,取り上げたものが11での革新要素ではない可能性がある。その点はご了承願いたい(そういう意味では8以前と9以降のドラクエの差異の総集編として読んでもらえるとよいかも)。


すでに散々言われていることではあると思うが,本作のバトル面の快適さは非常に高い。これは既存のドラクエ(特に6・7・8)で出てきた欠点が大幅に改善されているからだと思われる。たとえば,既存のドラクエではダンジョンの長さやボスの強さが未確定であるにもかかわらず,MPを回復させる機会はかなり少なく,アイテムかマホトラに頼るしかなかった。ゆえに基本戦略は基本的にMPを節約して耐えに耐えてダンジョン最深部まで行き,リレミト・ルーラのMPを残してボスは全力ということになる。これはこれでMPの使いどころを考えるという楽しみがあったことは否定しないものの,とするとどうしても使い勝手がいいのはMP消費の少ない前衛職のキャラになる。これで攻撃呪文の威力が前衛職の通常攻撃よりも圧倒的に高ければまだ使いどころがあったのだが,大概のナンバリングにおいて大差がなく,しかもドラクエ6以降は事実上の前衛職のための攻撃呪文である「特技」が誕生してしまったので,ますます攻撃呪文の価値が薄れてしまった。輝く息をMP消費なしで打てるのに,マヒャドを唱える必要がある場面は極めて少ない。極めつけはドラクエ8で,ゼシカさんメラゾーマを唱えるよりもバイキルトかけての双竜打ちの方が強くてコスパも良いってどういうことなのかという。

この点ドラクエ11はこういう手を打ってきた。たとえば,こまめにMPを回復できるポイントが設置されている。まず,魔法職のキャラが持つ杖は,通常攻撃時に高確率でマホトラが発動するようになった。MPが尽きそうになったら,弱そうなエンカウントモンスターと戦ってぺちぺち殴れば,割とすぐに回復する。しかもMP吸収量がダメージと比例するので,魔法職にも強い武器を持たせるインセンティブを発生させることにもなっている。次に,ダンジョンの中盤に「キャンプ」という休憩ポイントが設置され(ラスダンなど一部を除く),これが宿屋と教会の機能を持っている。これにより,ボスで全滅しても町まで戻されてダンジョンの最初からということもなくなったし,エンカウントモンスターでもそれほど気にせずMPを浪費できるようになった。ここだけ聞くとヌルゲーになった感じもするが,実のところ中盤以降のダンジョンはエンカウントモンスターがやや強めに設定されており,キャンプに着くまでそれなりにしんどいというバランスのとり方になっている。

呪文よりも特技のほうが使い勝手がいい問題にも,手は打たれている。今作は呪文の威力が固定ではなく,魔力というステータスに比例するようになった。既存のドラクエにも「賢さ」という死にステータスがあったが,これは消滅している。呪文と特技の差異の一つに,呪文はどれだけ賢さが上がっても呪文の威力はほとんど変わらなかったが,特技は力が上昇すると威力が変わるものがいくつかあった,という点があった。呪文の威力が変動するようになったことで,呪文側のデメリットが一つ減った。しかも,攻撃呪文の威力は同レベルの前衛職の通常攻撃よりも圧倒的に高く,前述の通りエンカウントモンスターが強めに設定されていることもあって,唱えないで道中を進むデメリットも高くなった。そうそう,PS4版の今作はシンボルエンカウントなので,プレイヤーの側でエンカウント数をかなり調整できる。当然全部よければレベルが上がらず長期的にはつらいが,1戦1戦でそれなりに傷つくのでダンジョン道中で当たりまくるのはお勧めできず,かといって安全なフィールド等でレベル上げをするのも面倒……というトリレンマはかなり絶妙に設定されている。

しかし,であれば余計に呪文と特技の差異がなくなってしまったのではないか,と思われるかもしれない。ここにも対策はなされていて,今作は前衛職の最大MPは上昇が緩やかだが,魔法職は成長が早いという特徴がある。感覚的に言えば,レベル50前後なら前衛職はHPが400〜500くらいでMPが150かそこらだが,同レベルの魔法職はHPが300,MPは400というような様相である。しかも,ほとんどの特技はMPが消費されるようになった。結果として,魔法職は前述のMP回復手段も相まってかなりカジュアルに呪文を唱えていけるが,前衛職の特技は本当に必殺技というニュアンスになった。そう,ダンジョン道中のMP消費とボス戦へのマラソンというジレンマは,いまや魔法職ではなく前衛職のものとなったのだ(といってもキャンプがあるので,それほど悩まないが)。実はこのジレンマに一番襲われるのが主人公というのもおもしろいところである。なぜなら,ステータス上はほぼ完全に前衛職なのに,回復魔法を覚えていくからである。

一方で,これにより死んだものもいくつかある。魔法職の前衛用装備が典型的なところで,これまでのドラクエの槍や鞭というと,僧侶や魔法使いが道中のMP節約のために装備した武器だった。道中で攻撃呪文を唱えたくないので,通常攻撃で戦闘に参加してもらうことになるため,こういう装備が用意されていたし,重宝した。特に鞭はグループ攻撃できる貴重な武器という側面もあった。しかし,道中の戦闘でバンバン呪文を唱えることができるようになったことで,魔法職にわざわざ槍や鞭を持たせるメリットが激減した。加えて今作の杖は上述のようなマホトラ仕様であり,しかも装備すると魔力を上昇させるので,呪文主体で戦闘するならメリットが大きい。序盤は仲間の加入順の関係や,まだ魔法職の最大MPが低いことから出番がなくもなかったが,レベル20あたりからまったく使うことなくラスボスまで行ってしまったプレイヤーも少なくないだろう。前衛職の武器の中でも,同様の理屈でブーメランは使い勝手が比較的悪い。カミュにブーメラン投げてもらうよりもベロニカにイオ系統を唱えてもらった方が強いので。この辺の改善点は,また5・6年後に出るであろうドラクエ12に期待したい。


以下は各キャラ評を,スキルパネルを中心に。基本的にネタバレは避けているが,部分的に伏字あり。特に断りがない場合,序盤はレベル20まで(仲間が7人になる),中盤はレベル35まで(大きなイベントが起きる),終盤はレベル50まで(ラスボス撃破),最終盤はレベル70まで(裏ボス撃破)の意味で使用。

【主人公】
・勇者。剣がメイン武器で回復呪文とデイン系を覚える,まごうことなき勇者。
・ほとんどのステータスがバランスよく上がっていくが,最大MPの低さだけがネック。おかげで「ここはベホマかギガデイン/ギガスラッシュか」という選択肢にはラスボスまで悩まされる。しかし,クリア後に毎ターンMPが10回復する専用装備を2つ手に入れてしまうとそれも解消されて完璧超人に
・使用可能武器は剣(片手剣)・大剣(両手剣)だが,イベント武器にして最強武器の「勇者の剣」が片手剣なので,片手剣で育てた方がよい気がする。勇者の盾も強いしね。ただ,大剣でもそれほどデメリットがあるわけでもなく,最終的には趣味の領域かも。
・スキルパネルは基本的に使っている武器を埋めていけばよいが,固有の「勇者」パネルもけっこうおいしいものが多いので,こちらを進めてもよいかも。なお,片手剣のスキルで覚える「二刀流」は,一見おいしいように見えて,利き手じゃない方の力は半分になるので実はそれほど役に立たない。


【カミュ】
・既存のドラクエでいうところの盗賊。
・ステータスと装備はやや貧弱ながらスキルパネルが強力。逆に言ってスキルパネルが埋まってくる終盤・最終盤になると輝くが,中盤は出番があまりない。
・上述のようにブーメランは使いにくい(デュアルブレイカーとか強力な特技もあるけど)。短剣か片手剣が良い。短剣はとんでもなく強い特技がある一方で,攻撃力自体は低く,種類も少ないのがややつらいところ。一方,片手剣は種類が豊富ながら,主人公・シルビアと競合するのが悩みどころ。私はブーメランの罠からのスキルリセットで片手剣に転進したパターン。
・スキルパネルはバランスブレイカーなものが多いが,何はなくとも次ターンに3回攻撃になる「分身」,メタル狩りで必須の「会心必中」,両利き手になる「二刀の極意」あたりは必ず取りたいところ。


【ベロニカ】
・既存のドラクエでいうところの魔法使い。みんな大好き,魔力タンクの幼女。
・前述の通り,本作の攻撃魔法は魔力に比例し,ベロニカさんは魔力がとんでもない勢いで上がっていく。火力は戦場の神を体現するお方。「今のはメラゾーマではない,メラだ」まではいかずとも,「メラミがメラゾーマ」くらいにはなる。ちなみに今作の攻撃呪文は4段階制で,メラ→メラミ→メラゾーマ→メラガイアー。
・しかも最終盤のスキルパネルで「やまびこの心得」(たまに呪文が反復)を覚えたりする。メラガイアーがやまびこった時には敵に同情します。
・ただ,当然ながら回復呪文やバフ呪文はほとんど覚えず,パーティー4人でアタッカー枠が1つというときに,彼女を出すか前衛職を出すかはかなりの迷いどころ。火力で殲滅してしまいたい気もするし,当然ながら前衛職の方がHPや守備力の面でタフだし……
・装備可能武器は両手杖と鞭だが,鞭の出番あるの……?
・ベロニカの場合,レベル上昇で覚える呪文が強力なので,スキルパネルはそれほど重要ではない。魔導書と両手杖を中心に進める。ただし,メラガイアーとイオグランデの2つはスキルパネルなので注意。最終盤まで開放されないので(どちらも魔導書ゾーン),適当に進めて待つしかないが。
・そうそう,この子は最終盤で手に入る固有装備のグラがドラクエ7のフォズ神官という,明らかに特定の層を狙い撃ったものになっているので,特定の層で未プレイの人は今すぐドラクエ11を買いに行こう。


【セーニャ】
・既存のドラクエでいうところの僧侶。他の魔法職よりは若干タフ。
・ザッツ回復役としか言いようがない。一応バギ系も覚えるけど,そんなに強くはない。
・かわいい。というよりも,ストーリー的にも主人公とこの子がくっついても全然おかしくなかったんだけど……結婚イベントがないのはバグでは。
・装備可能武器は片手杖と槍。ベロニカの鞭に比べればまだセーニャの槍は使いどころがある。でもまあ片手杖で育てるのが一般的と思われる。
・スキルパネルはベロニカ同様,片手杖を中心にしつつ適当で。竪琴スキルはそれほど役に立たない。彼女も最終盤に一人をバッドステータスから完全耐性にする「キラキラポーン」という大技を覚えるので(片手杖ゾーン),その準備はしておいた方がよい。


【シルビア】
・この人は既存のドラクエだと……なんだろう。ドラクエ6・7のスーパースターと魔法剣士を足したようなものだろうか。
・前衛のアタッカーとしての能力はマルティナやカミュにかなわず,主人公のように回復呪文を覚えるわけでもなく,中途半端といえばそうなるが,バイキルトだったりハッスルダンスだったりとかゆいところに手が届く呪文と特技を多く覚えるので,使い勝手の良い「中衛」という感じ。
・あと,さりげなく重装備可能でHPも高く,壁としても優秀。
・装備可能武器は片手剣・短剣・鞭だけど,そもそもこの人,あまり武器で攻撃しない気も。短剣はカミュの短剣特技に比べると小粒で攻撃力に欠き,鞭は両手装備だから盾が装備できなくなるのがネック。片手剣はそこらへんのデメリットはないが装備自体が主人公やカミュと競合する。自分は一応片手剣で育てた。
・スキルパネルも優良スキルは武器ではなく固有の「曲芸」と「乙女」に固まっているので,そちらに進んだ方がよい。最終盤に,女性に自分の行動順を譲る(譲られた女性は1ターンに2回行動になる)「レディーファースト」を覚えるので,マルティナやベロニカがメイン火力なら有用。



【マルティナ】
・槍を装備できることを除けば,完全に既存の武闘家。ドラクエ4のアリーナを彷彿とさせる会心率。
・カミュやシルビアは単純な攻撃以外の呪文・特技を覚えるが,唯一本当に攻撃しかしない特化型の前衛職。ボス戦は大体誰かがこの人にバイキルトをかけるところから始まる。
・装備可能武器は槍と爪。爪は攻撃力が低い代わりに,基本が二回攻撃になる。主人公同様,どっちで育てても大差はない気がするが,槍の方が武器には恵まれている気がする。あと,「格闘」スキルを使っていくなら槍の方がよい。格闘の時に参照される基礎値は力+武器の攻撃力になるので。あと,カミュが会心必中を覚えるまでのメタル狩りは,マルティナさんの雷光一閃突き頼りになるというのもある。自分は槍で育てた。
・スキルパネルはどう進めていっても間違いがない。槍で進めるなら「五月雨突き」,格闘なら「爆裂脚」,爪なら「タイガークロー」とどれも強い。「おいろけ」の技は他のスキルに比べると威力が弱いものの,耐性を持っている敵が少ないので,意外と使える。防御が固すぎてダメージが通らない敵にセクシービームを打ってみたら案外と簡単に倒れたり。



【ロウ】
・賢者。じゃあ魔法使いと僧侶の単純な上位互換かというとそうでもなく。特に覚える攻撃呪文がヒャド系とドルマ(闇)系に限定されるので,敵の耐性によっては打つ手がなくなる。魔力の伸びもベロニカとセーニャに比べると若干鈍い。
・補助呪文もバイキルトに限って覚えないし,スカラ・スクルトもない。万能になりすぎないように微妙に覚えないようにしたのだろう。そのせいで,微妙に使いどころがむつかしいキャラになっている。
・使用可能武器は両手杖と爪だが,ベロニカの鞭と同じで,爪で育てるメリットが非常に薄い。その結果,両手杖でベロニカと競合するものの,両手杖は種類が豊富な上に,最終盤の固有装備もきっちりとベロニカ,ロウそれぞれの両手杖が用意されているので全く問題ない。
・スキルパネルは両手杖一択。固有の「悟り」もまずまずいいものが多い。ベロニカ同様,最後の攻撃呪文「マヒャデドス」と「ドルマドン」のみレベルではなくスキルパネルで入手になる。マヒャデドスは有効性が高いので,取りに行きたい。


【8人目の仲間(グレイグ)
・重戦士・パラディン。自称「勇者の盾」。
・魔力とすばやさは低いが,HP・力・身の守りは異様なペースで上昇を続ける。その上,回復呪文と蘇生呪文,スカラ・スクルトまで覚え,スキルパネルで高威力の特技まで覚えるので有用性は高い。
・唯一の弱点として,バッドステータスに異様にかかりやすいというのがあるので注意。特にスタンしやすいし混乱しやすいし誘惑されやすいし……最終盤のボス戦は装備を固めるかキラキラポーンが必須。
・装備可能武器は片手剣・大剣・斧(片手)。斧は正直使うメリットがほとんどない。魔神斬りを使えるようになるけど,カミュの会心必中があるのに今更感漂う。最終盤に出てくる最強の固有装備が片手剣なので,その意味では片手剣で育てた方が格好はつく。私は両手剣で育てたが,十分強いので後悔はない(裏ボス撃破時の装備はメタルキングの大剣)。
・スキルパネルは使っている武器でよいが,両手剣なら「全身全霊斬り」,片手剣なら「超はやぶさ斬り」,「無心攻撃」がメインで使えるスキルになるはず。あとは最終盤でザオリクが出現するので,スキルポイントはある程度溜めておいた方がよい。