2018年10月26日

どうやってそれでインド独立を教えるの……

・刺殺された岡本さん、「Hagex」の名でブログ(朝日新聞)
・Hagexに王様はいなかった(やまもといちろう 公式ブログ)
→ これはさすがに動揺した。さすがにはてな村で殺人事件が起きるとは思ってもみなかった。逆にはてな村以外のネットユーザーには,これがなぜ重大事件かすぐに理解できるものではないだろう。知っている人は知っている通り,まず,Hagex氏は別に殺人犯と深いかかわりがあったわけではなく,単に顔が割れてて犯人の近くに来ていたからというだけで殺された。悲しいのは当然のこととして,事件のその無差別性にやりきれない思いが強い。
→ これまた知っている人は知っていることだが,今回の犯人はネット上での暴言が非常に多く(こんなんばっかり),それを周囲に散々に咎められ,逆ギレとしての犯行である。その咎め方に犯人を馬鹿にした言い方が無かったとは言わないが,圧倒的に発端の暴言の方がひどかった。情状酌量の余地はなく,これがまたやるせなさを増幅させる。こうしたことは多少なりともネット上で目立つ活動をしていれば起きうる。ネットと現実の方と接続させて活動させることと,ネット上の悪事を咎めることの両立はかくも難しいのかということを各人に重くのしかからせた事件であった。
→ 追悼エントリがいくつかあがっていたが,ここではやまもといちろう氏のものを挙げておく。


・「鎌倉を読み解く―中世都市の内と外」秋山哲雄 著(Call of History)
>「三方を山に囲まれた天然の要害ゆえに頼朝は鎌倉を本拠地とした」という通説が近年否定されてきている
→ ついこの間まで天然の要害説が正しいと思ってましたわ。言われて高校日本史の山川の教科書を見たら,まだ天然の要害説だった。一方で浜島の資料集は両論併記。


・ガンジーもタージマハルも… インドで進む歴史書き換え(朝日新聞)
→ 最近のインドのヒンドゥー至上主義の高揚は本当にまずいと思う。ガンディー,ネルーの扱いが薄くなるなんて考えられなかったことだ。日本史の南京虐殺や従軍慰安婦を消すどころの話ではなく(無論のことながらそれらが軽いと言っているわけではない),もっとラディカルな,それこそ日中戦争や太平洋戦争全体を正当化するような荒業に感じる。タージ=マハルの否定はさしずめ廃仏毀釈の流れが現代まで残ってしまって法隆寺や東大寺の偉業を否定しているようなものと考えると恐ろしい話だ。


・ドイツ代表どころか国も揺るがす"エジルとギュンドアン"の禍根(footballista)
→ エジルは結局この後ドイツ代表を引退することになってしまった。右派からは所詮移民と言われ,左派からはエルドアンを支持するなんて,と言われて居場所がなくなってしまったのは不幸である。根本的には右派が悪いのはそうだが,エルドアン支持を明言しないと居心地が悪くなるのであれば,在ドイツのトルコ人コミュニティにも相当に問題があると思われ,いずれにしてもエジルとギュンドアンは,しいて言えば政治的に幼く不用意だったというくらいしか本人に落ち度はなかろう。少なくとも自発的に代表を辞めることになるような落ち度ではなかった。
→ この件,メキシコ系移民がアメリカに来ると最初は民主党を支持するが,カトリックの篤い信徒なので根の部分ではWASPの宗教右派に信条が近く,次第に保守化して民主党支持層ではなくなっていく現象と無関係ではないと思う。差別にさらされるので余計に故郷の伝統にアイデンティティを求めて保守化し,地位が確立すると現地のリベラルからは離れていく。発端としての現地の右派が最大にして根本的な原因というのは異論がなかろうが,現実的な解としての「多文化共生の理念を理解してもらった上で移民に来てもらう」というのも非常に難しかろうし,どうしたものか。

この記事へのコメント
エジルはこの前のW杯でも統計のデータ的には高得点なのに不当に戦犯扱いされていて本当に気の毒でした
元々「ガッツを全面に出して」というよりは淡々とやるべきことをやって貢献するタイプなのでチームが不調だと槍玉に挙げられやすい選手ですけど、今回は政治的なあれこれで特にそれが酷かった印象です
チームで一番違いを生み出してた選手が一番叩かれるのは遣る瀬ないですね…
あれほどの選手をサポートするどころか追い打ちをして代表引退に追い込んだサッカー協会含め、色々なところに失望させられる案件でした
Posted by bv at 2018年10月27日 09:32
確かに,サッカー外のあれこれに巻き込まれた時こそ協会には守ってほしいところではありますね。
揉め事の種になるなら出て行けというような態度は失望させられましたね。
Posted by DG-Law at 2018年10月29日 06:33