2009年02月14日

北斗七星に象徴される伝説の暗殺拳

北斗七星に象徴される伝説の暗殺拳"北斗神拳"の伝承者、ケンシロウの生き様を描くハードボイルドアクション。舞台は199X年の最終戦争後の地球。核戦争によって文明と人々の秩序が失われ、残された資源(主に水と食料)をめぐって争いが繰り返されるという、暴力が支配する弱肉強食の世界である。『週刊少年ジャンプ』(集英社)1983年41号 - 1988年35号に連載。1980年代の『週刊少年ジャンプ』を代表する作品の一つであり、漫画家・原哲夫と漫画原作者・武論尊の最大のヒット作にして代表作である。単行本は1984年から1989年にかけてジャンプ・コミックス全27巻が発売されたほか、愛蔵版、文庫版(それぞれ全15巻)が刊行され、2006年には小学館より完全版全14巻が刊行された。2002年よりフルカラー化したマスターエディションがコアミックスより発売されたが、刊行は4巻までで頓挫している。2007年現在で単行本の累計発行部数は1億部超と言われる。主人公の使う北斗神拳により人間の頭や胴体が破裂するショッキングな描写、「ひでぶ」、「あべし」などといった言葉にならないような独特で異様な断末魔の悲鳴(#断末魔の叫び参照)、大時代的ともいえる宿命的な物語、ケンシロウが相手に対して「お前はもう死んでいる」と死を告げる台詞や、ラオウが死に際に「我が生涯に一片の悔いなし」と旨を叫ぶ場面など、数々の名台詞や名場面から一大ブームを巻き起こし、日本中でまねをする子供が見られた。また、「秘孔を突く」という言葉もよく使われた。ただし上記の名台詞の流行は、アニメの特に初期での多用が強く影響したもので、漫画本編では当の台詞は1・2回程度しか使われていない。『北斗の拳』の原型となる読み切り版「北斗の拳」が発表されたのは、『フレッシュジャンプ』1983年4月号だった。霞拳四郎という主人公が北斗神拳を使用して恋人ユキを殺した悪と闘うというもので、時代設定は現代である。これが、読者アンケート1位と好評を博したため、『週刊少年ジャンプ』での連載が検討されるが、慎重を期して再び『フレッシュジャンプ』1983年6月号に続編の読みきり「北斗の拳II」を掲載。これがまたも人気トップを獲得したため、『週刊少年ジャンプ』での連載が決定した。尚、この作品については、原哲夫のオリジナルで、武論尊は関わっていない。この読み切り版「北斗の拳」は『鉄のドンキホーテ』という原哲夫の単行本巻末に収録されている。『週刊少年ジャンプ』での連載は、1983年から1988年までに及び、時代設定は核戦争後となり、奪われた恋人を探す設定となった。週刊ペースで連載するには作画に専念したいという原哲夫の意向から、ジャンプでは『ドーベルマン刑事』以来ヒットに恵まれなかった武論尊が原作を担当する分業形式になった。連載開始間もない頃から大ヒット作品となり、落ち込み傾向にあった『ジャンプ』を救う看板作品となった。ラブコメ路線で30万部差までに追撃していた『週刊少年サンデー』を突き放し、1984年末に『ジャンプ』が400万部を達成。後の600万部体制の足がかりとなった。これについては『さらばわが青春の『少年ジャンプ』』において、元『ジャンプ』編集長の西村繁男は「サンデーのラブコメ路線を北斗の一撃が粉砕した。これにより、他誌の人気ジャンルには正反対のジャンルの作品をぶつけるというパターンができた」と語っている。常に人気もトップクラスで、武論尊と原哲夫ともに、この作品の印税収入で「北斗御殿」を建てたといわれる。武論尊と原哲夫は後述するケンシロウとラオウとの闘いの決着をもって物語を完結させる意向だったが、当時の『ジャンプ』の方針(編集部の業務命令:ちなみにこの時点の編集長は後藤広喜である)により連載は延長される。それ以降のストーリーは、矛盾が多く辻褄が合わないものと化し、カイオウ、ヒョウ、リュウの設定に至っては、それまでの物語を根本から覆してしまう程だった。もっとも上記のような状況に陥った原因は、再三続いた編集部の連載延長処置によるものである。武論尊はラオウの死後、新展開の構想のため2ヶ月間は休載出来ると思っていたが、実際には翌週から開始せねばならなかった。極めて短期間の間に物語と設定作りを同時に行うことになって混乱状態に陥ったためか、連載終了後も「ラオウ編以降はあまり覚えていない」と発言している。なお、本作の担当編集者の堀江信彦は本作の最終回に原哲夫や武論尊と同等の扱いで名前がクレジットされ、原哲夫らとは以後もコアミックスを立ち上げるなど良好な関係を続けている。作品完結後も高い人気を持ち続け、『ジャンプ』連載作品にも様々なパロディが登場している。2001年になってから、『週刊コミックバンチ』において原哲夫により兄弟作『蒼天の拳』(武論尊は監修として参加)が連載された。2007年にはレイが主人公の『北斗の拳レイ外伝-餓狼編-』が連載された。2003年にケンシロウをメインキャラクターにしたパチスロ機『北斗の拳』がパチスロメーカーサミーから発売され大人気となった。このパチスロ機は史上最高の60万台を超える出荷台数を記録している。2006年に後継機『北斗の拳SE』が発売され、2007年にはラオウをメインキャラクターに据えて『北斗の拳2 乱世覇王伝 天覇の章』を発売となっているなど、パチスロの分野でも人気は衰えていない。2002年・2005年にはパチンコ機『CR北斗の拳』も登場しており、こちらはパチスロ機ほどの人気は得られなかったものの、羽デジタイプである北斗の拳STVは、数ある羽デジ機の中でもかなりの人気を博している。2005年6月29日、ガンホー・オンライン・エンターテイメントが北斗の拳の世界を題材としたオンラインRPGの開発を発表。サービス開始は2006年内としていたが、2007年第2四半期βテスト開始予定となった。また、アイテム課金制を予定している。作中で敵が断末魔に上げる異様な悲鳴は『北斗の拳』の代名詞とも言える。特にハートが遺した断末魔の叫び「ひでぶ」は「あべし」「たわば」とともに『北斗の拳』の代表的な悲鳴である。これらはアニメでは多用されたが、原作では1回しか使用されていない。ちなみに「ひでぶ」の由来は「ひで=痛て(ハートの「いてぇよお!」という台詞)」+体の破裂する音「ぶ」の合成であると作者の原哲夫が文庫版『北斗の拳』最終巻で解説している。それまでは、手書きのネームの段階では「ひでえ」だったものが、原哲夫が悪筆のために写植の段階で「ひでぶ」と誤植されたという説が有力で、武論尊自身も信じていたようだ。アニメ版においては、千葉繁などのいわゆる「やられ役」要員の番組レギュラー出演者らにより、アフレコ現場で様々な断末魔演技が開発され続け、声優の言葉遊びの中から生じた叫び声もあるほどである。さらに、物語が進むにつれて、とても断末魔とは思えない所までエスカレートした。作品の一部がギャグとして捉えられることがあるが、これについて原哲夫は必然的に表現していると語り、また原作者の武論尊もスプラッタ描写をカラッと表現するように求めたと語っている事から、偶然に笑いの要素を含んでいるのではない。アニメ版の芦田豊雄監督も、ほぼ同様の意図で制作していたと言う。事実、悪党達のあの手この手の悪事と、それに対するサディスティックなまでのケンシロウの拷問・制裁というパターンは、「絶妙のボケとツッコミ」の一種のギャグ漫画とも解釈出来る事が、評論家の夏目房之介、岡田斗司夫らによって指摘されている[1]。中でもアミバはその典型的なキャラクターとして一部のファンに熱狂的な支持を得る等、残虐さと情けなさを併せ持つ(2線級以下の)悪役の存在は、見方によっては今なお作品の独自性を際立たせている重要な要素とも言えよう。
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dher at 21:49│この記事をクリップ!