2007年07月14日

ホラー・モノクロ・ヒント

小さな穴からこんにちは。
ガメラが水着に着替えたら、サンマ苦いかコスタリカってくらい夏のはずなのにこっちは近頃大変涼しくて、夏将軍はデートか寝てるかグニョグニョなのか分からんけど真夏の断頭台だとか真夏のメリーゴーランドなんて見る影もない状況下、おい、泣いてるのか?スシ食いねぇ!彼女が死んじゃった?スシ食いねぇ!itと呼ばれた?スシ食いねぇ!血を吸いねぇ!見てほらあの染み、顔に見えねぇ?ギャー!夏だからね、ホラーをね。怖いよね。ママもきっと怖い。太ったママが太った子を連れていて、太った子は息子か娘かわからない。あのママは普段は朗らか快活お話好きの気のいい優しいママだけど、話題が体型やそれを連想させる事項に及ぶや否や巨大な体躯を存分に活かしたしつけと言う名の体罰で子を殺す。殺すっていっても2秒だけだけどね。2秒経ったら息子だった場合は娘に、娘だった場合は息子に、ピザだった場合はお好み焼きになってしまうだけの話です。
そういえばエンゲル。生きてるだけでも腹は減る。あなたが死んでもお腹は空くもの・・・。僕の住む街には駅があって、スーパーがあって、ガソリンスタンドがあって、美容院があって、レンタルビデオ屋があって、大蛇の巣があって、不動産屋があって、コンビニがあって、携帯屋があって、ブリーフの館があって、クリーニング屋があって、ロボ屋敷があって、薬局があって、学習塾があって、金物屋があって、ギョロ眼サロンがあって、中古レコード屋があって、オカマ工場があって、スポーツクラブがあって、銀行があって、アパートマンション一軒家があって、ってまあ普通の街ですからお腹が空いたらご飯食べるとこもあるよねーあるあるって外に出たら知らないお店が出来ている。
ワインとパスタって書いてある。ワインはみなさんご存知でしょうけど、パスタっていうのは小麦粉を水でぺースト状に練った生地から作るスパゲッティーの事です。スパゲッティーだけがパスタです。スパゲッティーは美味しいからお店に入ったら白い服の男と黒い服の女が数人と、お客さんがノーバディー。嗚呼と思ったがしかしそこで踵を返すのはもの凄く丁寧に迎えてくれた白と黒の男と女に対して大変な失礼にあたる気がして、大人しく着席し早速の勢いで俺は腹ペコメニューを見たら、もうワケがわからん。哀しい。メニューが分からん大人が一人。
ずっと前にラーメン屋に入ったら品書きの上段にデカデカと「目に言う」って書かれてあって、僕はそれが「メニュー」と掛けられているのだと気付いた瞬間、目で一緒に行った友達の目に「何これ?こういうダジャレみたいなのは友達に言うべき事で客に言う事じゃないよね。って事は店は客と友達になりたがっているのかしら願い下げだよね」って目で言ったけど目で全然目で通じなくて、とても目で残念だった。でも開いてもワケのわからんメニューを見せられるくらいだったら、ちょっとくらいダジャレを言ったって構わないから直接僕の暗い目に言って欲しい。僕が間違ってた。僕はいつもずっと後から間違いに気付くのだ。きっと今だってどこかが間違っているんだろう。それに気付くのはずっと先なのだ。僕は(間違いに気付くまでの)ずっと先までは正しいわけだから、アキレスとか亀とか飛んでる矢とか言ってれば俺は常に正しいって気持ちになっても良さそうなもんだけど、結局きっと間違いなく間違ってるけどどこが間違ってるのかわからんまま生きるのはなかなかにしんどいものです。逃げ続けるのは正解の方だ。
とにかく知ってる言葉がちょっとでも入っている料理を指差し、大いに狼狽し、チラッと目の隅に入った¥1,380円の前菜を頼まなくて本当に良かったと汗を拭ったのですが、料理はしばらく来ない。仕方がなく(こんなに仕方がないのは本当に久しぶりだった)携帯を取り出しミクシークマプーDKOと一人安定しない椅子の上で身じろぎせずにうろついていると、黒がツカツカと小気味良い足音で近づいてくるのでパスタパスタと振り向くと、女の顔には微笑みが、皿にパンが、ついに火の手が、僕の頭にはクエスチョンマークが。キョトンとしている僕に女は微笑み絶やさず「何とかかんとかとコーヒーの何とかです」と早口で囁き、そして去って行きました。意地悪なお店だな、と思ったけどきっと、お店としては何ていうか、焦らし上手な俺たち、みたいな自信自負自意識でやっているに決まっているので負けまいと程よく固いパンを齧りながら孤独な気持ちで窓の外を眺めてましたが、恐ろしいくらい何も起きない。本当はとっくに世界は滅びちゃったのかなあ、って思う頃になって大きめの皿にちょこっとだけ載せられた「燻製したアナゴと夏野菜のペペロンチーノ」が出てきたのでペロリと平らげて1,470円を支払い、店を出た。珍しく早めに間違いに気付いた。「ワインと」がヒントだったのだ。満足に飯に適した店も選べない自分に腹は立てども満たされず憤懣やるかたなくラーメン屋に寄って帰った。600円。どっちも別に美味くも不味くもなかった。
あと、はてなの人たちがはてなスターに大パニックで、僕も意図せずして星付けちゃってオロオロしたりしたけど、次行ったら星屑はみんな消えちゃってたので拾って付けてみました。期間限定ゼロでも良いじゃん。