著者:角田 光代
出版社:中央公論新社

紹介文:
「八日目の蝉」の前半はサスペンスタッチの事件物、後半は家族の在り方を問う家族物、二倍楽しめる作品です。
不倫の末、相手の妻に中絶したことを誹謗された女性が、赤ん坊を誘拐して逃亡を続けるという第一章。
第二章では誘拐された後の被害者家族の物語が描かれます。事件によってバラバラになった家族の苦悩と悲劇。
この第二章がサスペンスタッチの逃亡劇を、深みのある家族の物語に変えていったように思えます。
ラストは希和子の言葉に集約された母の思いが切なく、心に残る素敵な作品でした。

あらすじ:
不倫相手の赤ん坊を連れ去ってしまった希和子。数奇な運命に導かれ、薫と名づけた赤ん坊とともに逃亡を続ける。
誘拐犯と誘拐された子供の運命。家族の絆を問う作品。

この本にまつわる雑文:
実際にこういう事件があったと記憶しています。
やはりきっかけは、不倫相手の妻が放った一言。この時は不倫相手の自宅を放火し、子供たちだけが亡くなってしまう、という悲惨なものでした。