著者:高野 和明
出版:角川書店

感想:
すでに本年度No1と呼び声の高い高野和明さんの『ジェノサイド』。評判通り、綿密に構築された壮大なスケールの作品でした。
物語は三つのグループに分かれて進行します。
一つは内戦続くアフリカ。イエイガーたちが殲滅を命じらたある部族と新種の生物の探索。
二つ目は日本。急死した父からのメールによって創薬化学を専攻する研人が父の謎の研究を引き継いでいます。
三つ目はアメリカ、ホワイトハウス。イエイガーたちの計画を統括する合衆国では何やら陰謀が……。
初期設定も大がかりですが、後半になるとさらに隠された真のシナリオが浮かび上がってきます。
人類滅亡の危機に問われる「人間」の倫理と知性。全ての鍵となる「ハイズマン・レポート」が示す人類の未来とは?
計画と対比するように語られる進化論や大量虐殺の歴史は作中の問題提起を真に迫るものにしています。
小難しい専門分野の話もあり読み進めるのは大変でしたが、読み応えたっぷりで面白かったです。

おススメ度:☆☆☆☆
ポイント:昔なら「SF超大作」なんて呼ばれたような作品。今風なら冒険エンターテイメント?

あらすじ:
急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。
同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが……。