嘔吐、下痢の際の水分補給に:経口補水塩(ORS)の作り方 最終更新日:2011年3月16日
リヴァプール熱帯医学校 DTM&Hコース(元亀田総合病院 総合診療・感染症科) 山本舜悟

■手作り経口補水塩(ORS)の作り方
・1リットルの水に、小さじすり切り6杯の砂糖と小さじ1/2杯の塩を入れて混ぜるだけです。
小さじ(5cc)がない場合は、ペットボトルのフタがちょうど同じ5ccに当たりますので、これで代用可能です。
・ペットボトルの清潔な水でなければ、可能なら一度煮沸した水の方がよいです。
・もしあれば、上記に100cc程度のオレンジジュースを混ぜると味がよくなり、カリウムを補充することができます。
・目分量で多少不正確になっても構いませんが、塩分が濃すぎるよりは薄目の方が飲みやすいです。きちんと作れば、涙よりも塩辛くならないはずです。

■小さなお子さんへの飲ませ方
・スプーンでゆっくり飲ませて下さい。
・吐いてしまったら、10分ほど待ってから繰り返し飲ませて下さい。
・下痢をする度に少しずつ飲ませるとよいでしょう。
・下痢が止まったら終了です。

■一般によくある誤解
・「水を飲むから下痢をする」→下痢をしても飲んでください。
・「吐いていると、口からは飲めない」→飲める時に飲んでください。
下痢をしたり吐いても、水分、塩分はそれなりに吸収されます。

■以下の場合には、点滴が必要になる可能性が高く、また、他の病気がないかの診察が必要になりますので医療機関を受診しましょう。
・尿が出ないような重度の脱水
・意識がおかしい場合
・続けて吐いてしまって飲めない場合
・強い腹痛や腹部膨満がある場合

以下は、もっと詳しく知りたい人へ
■経口補水塩(ORS: Oral Rehydration Salts)て何ですか?
・下痢や嘔吐時の脱水に対して、水分、塩分補給のために用いられるものです。
・特に途上国で点滴が困難な場合に重宝しますが、先進国でも乳幼児で長時間の点滴が困難な場合にも役立ちます。きちんと飲めれば、点滴をせずに脱水を改善することができます。もちろん大人が飲んでも大丈夫です。
・普通の水よりもはるかによく吸収されます。
・市販のスポーツドリンクは糖分が高めで塩分が低いので下痢のある時の脱水補正には向きません(糖分が高いと浸透圧により下痢が悪化することがあり、塩分が低いと、特に乳幼児では低ナトリウム血症を起こすことがあります)。
・経口補水塩の欠点は、あまりおいしくないことです。味の問題でどうしても飲めないようであれば、飲めるものを飲むのも大事です。

■インターネットではいろいろな経口補水塩(ORS)の作り方が紹介されていますが、どれがいいのでしょう?
・どれでもいいです。
・上記のレシピは2003年以降のWHO/UNICEFの低浸透圧ORSのハンドメイド版に従ったものです。浸透圧が低いものの方が嘔吐、下痢が減少、点滴の減少につながったという報告があります。

参考ウェブサイト(英語です)
http://www.supply.unicef.dk/catalogue/NewORSQ&A.pdf
http://www.who.int/cholera/technical/en/
http://rehydrate.org/solutions/homemade.htm