DISC SHOP ZERO
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2005年10月02日

■『COCONUT FM』ライナー抄訳


★重要★DISC SHOP ZEROのブログは移転しました
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COCONUT FM

セニョール・ココナッツことATOM HEART選曲の、ラテン〜レゲトン〜クンビア〜バイリ・ファンキ・コンピレーション『COCONUT FM 』が人気です。
現地の言葉で自己紹介もかねたアナウンスで始まるイントロから、可愛い女子コーラスのバイリ・ファンキに突入する冒頭部分でもうノックアウト! 同じくESSAY RECORDINGSからの『FAVELA BOOTY BEATS』シリーズがバイリ・ファンキの正統派ガイドなら、こっちは裏街道ガイド……とも言えるようなユニークな選曲ですが、バイリ・ファンキの例にもれず、現地で発生している膨大な曲の中から、信頼のセンスで選ばれたものばかりで、音楽的にも質の高いものが選ばれてます。
そのCDに掲載された解説を当店スタッフMAKIこと近藤牧子による抄訳でお楽しみ下さい。

Senor Coconut presents
Coconut FM
Legendary Latin Club Tunes

セニョール・ココナッツ プレゼンツ『ココナッツFM』〜ラテン・クラブ・チューン編〜 (抄訳)



実在のラジオ番組じゃないので、そんなにダイアルをいじらなくても、ちゃんと聴くことができますよ!

ココナッツFMは、ジャマイカのレゲエやアフロ・キューバンのソン、ドイツのポルカが出逢い、伝統的フルートとサイレンが競って鳴らされ、マイアミ・ベースが活力源になった、リオ・デ・ジャネイロの丘とファヴェーラ(*註1)の出逢いとも言える、南米からカリブ海をまたにかけた架空のラジオ局なのだから!

ココナッツFMのプログラムは、進行するにつれてその音楽の関連性を紐解いてくれる。
“ファンク・カリオカ”(*2)“レゲトン”“クンビア”といった主なリズム、またそこから自然に発生したジャンル……“クンビア・ルナティカ”“クンビネーション”“アシトン”そして“スパゲッティ・ファンク”(これだけは僕の思いつきだけれども、DJ Alexandreの「Toma Toma」の荒野の銃声をきいてみたらきっとそう思うはず)にまで、どんどんと枝別れしてゆく。
これら全てのジャンルには共通点がある:程度の差こそあれ、全てが“barrio”“favela”“villa”に生活する人々の音楽ということだ。
かといって、これらの音楽を関連づけることには、それ程こだわらなくてもいいだろう。
それに、スペイン語やポルトガル語やプエルトリコのスラングを知らなくても、気にしなくていい。

決して、そこで語られている内容が取るに足らないということではないけれど。

なぜなら歌詞は、これらの音楽を自身の代弁者として大切に思っている子供達にとっては重要なものだからだ。
Tego Calderonの気怠いフロウは現状を乗り越えさせてくれるものだし、Los Pibes Chorrosは、彼等から搾取する金持ちとIMF(国連国際通貨基金)の詐欺が横行するこの世の中に現れた、“ロビン・フッド”(*3)のような存在だったりする。

そして(歌詞以外の)もう半分のメッセージは、エディットやビートやサンプリング、つまりトラックの部分に込められている。
言ってしまえばそのトラック達は、石油缶がスティール・ドラムになり、著作権利なんぞは回れ右をして路地の喧騒に紛れ込んでしまい、その上盗電しないと制作もできないような、植民地主義のつめ痕が残る地域のサウンド・トラックだ。

そこに行ってみれば、あなたがどんな事情でどこから来たのであれ、必ず驚かされるだろう。
もしあなたがラテン・ミュージックの初心者なら、ココナッツFMは、一ケ所ではあり得ないぐらいの、例えば幻の栄光を求めて南北アメリカから人々が集った地ーマイアミでもあり得ないくらい、数多くのラテン・ミュージックの交差点にいるような気分にさせてくれる。
例え(エレクトリック・ミュージック)音楽のことなら少しぐらい知っていると思っている人達(実際にそうかもしれないけれども)にでも、ココナッツFMは、レイヴ・ミュージック誕生初期でもあり得なかった程の喧騒を届けてくれるのだ。
ココナッツFMは、無気力なスノッブ達を打ち負かす、大衆的アヴァンギャルド・ブームなのだ!

Cumbia →ストック検索
このような背景のコンピレーションだからこそ、“クンビア”からスタートするのはとても印象的だ。
クンビアはコロンビアで生まれた音楽で、北はメキシコから合衆国にかけて広まり、セレナ(メキシコの歌手)はクンビアとテジャーノ(*4)を融合させたりしている。
また、南はアルゼンチンにかけて広まり、労働者階級の住む地域からは“cumbia villera”が生まれたりもしている。
19世紀初頭には、アフリカン・ドラムと古来のGAITAフルートによって発展し、その他のトロピカル・ミュージックの例にもれず、カシオトーン風のシンセサイザーのような機材によって大幅に電子音楽化され、ますますその軽快なリズムと不思議で純粋な輝きを高めることとなった。
そして、アルゼンチンに広まったクンビアは、ギャングスタ風に聴こえなくもない程度に、力強いリズムとなった。

Los Pibes Chorrosのシンセサイザー(サックス)は、Quinceaneraドレス(*5)のような安っぽい輝きがあり、その後ろで鳴らされる微妙にスカっぽく作られたビートは、ゆったりとしたレゲエに聴こえなくもない。
でも、その滑らかな語り口にだまされないように。
ここで語られているのは、銃やドラッグやゲットーでのサバイバルについてであり、彼等にとっての守護聖徒(*6)は、貧困のために奇跡を起こそうと(近所の住民が言うには)して、警官に殺された17才の少年なのだから。

一方でクンビアは、意識的に実験的側面も持ち合わせている。
その名もさることながら、独自の電子クンビアを "cumbia lunatica"として発展させたことでも知られる、オランダ人のDick el Demasiadoは、(そのリズムにふさわしく)トン・ゼーとリー・ペリーを足したようなスタイルだ。
さらに"cumbia lunatica"を、ココナッツFMにピッタリの呼び名 - "tierra de nadie"=“前線の無法地帯”とも公言している!

Reggaeton →ストック検索
“レゲトン”とは文字どおり「レゲエとラテンが融合」した音楽のこと。
レゲトンは、Chico ManとVico C.の共演に見られるように、80年代中期にパナマ人とプエルトリコ人が、ジャマイカのリディムと北アメリカのヒップホップを混ぜ合わせたトラック上でスペイン語でトースティングを乗せ始めたことから生まれた。
90年代初頭には、パナマ共和国のEl Generalが「Tu Pum Pum」や「Muevelo」といったヒットを放って、増々レゲトンを広めている。
それからというもの、星屑ほどの将来性あるプエルトリコ人アーティストが現れ、土着のリズムの上でごろつき人生と自活への希望を歌った曲をレコーディングしている。

今日(こんにち)のレゲトンは、前述のEl GeneralよりもCypress Hillに影響を受け、ヒップホップを思わせる形式となったプエルトリコ人によるものや、クラシックなダンスホールのリズムにボリウッド(*7)的なストリングスや粗いシンセサイザーや豪華なギターなどを加えた、アルゼンチンの黒人によるものなどが、NY周辺にとってのヒップホップのような役割を果たしている。
その山のように大量なレゲトンの中でも、Peter Rapの「Punta」は、LENKY(*8)でさえ思いつかなかったぐらい、どんなダンスホール・レゲエよりも変則的なリズムと、気違いじみたデジタルなハーモニーを持っていて、北アメリカ人が「crazy good = すごくいい」もの(事)を「バナナ」と呼ぶその理由も何となく解るような気がする。

熱帯地方だから、こんな変わった音が音楽として成り立っているのだろうか?

さらに、アシッド・ハウスとレゲトンが混ぜ合わされた“アシトン”というとんでもないスタイルもある。
アシトンの世界初のレコーディングとも言えるのが、Don Atom and Tea Timeの「Mueva la Cintura」だ。
レイヴ・シーンは消え去ったのではなく、これまでとは違う場所に息づいていたのだ。

Funk →ストック検索
ところでレイヴ・シーンは、どのようにリオのファヴェーラに伝わっていったのだろうか?
マイアミ経由で、というのがその答えだ。
リオのファンク(=ファンキ)、あるいはファンクの登場は、ブラジル音楽として認知されていたものの常識を完全に覆すことになった。

ファンキは、大量のスピーカーを積んだ70年代のサウンド・システムでかけられていた、北アメリカ産のソウル・ヒット曲に継ぐものとして、80年代の終わりに誕生した。
また、同時期に勢いのあるベースを使ったヒップホップがリオで流行り始めていた。
ファンキは瞬く間に地元の音楽として溶け込み、共通のスタイルやステップ、そしてあの特異な節回しを確立していた。
また、そこで常に語られる暴力的で性的で反道徳的な内容のために、大論争も巻き起こした。
しかしこれはゲットーの音楽だから、誰も悪びれることはなかった。

オペラからTVテーマまであらゆる音楽をサンプリングして、ファンキのビートはブラジルのグラフィティのように雑なものとなり、また、ファヴェーラにある即席小屋のように工夫されたコラージュとなった。
あのつぶれそうな家々のように、ファンキは違法すれすれのところに存在していたけれど、サンプリングされて文句を言うアーティストは少なかった。
最も、そこまでする意味もないけれども。
出来上がった曲は、ブートレグとなったり、稀に違法コンピレーションに収録されることもあるけれど、だいたいその前に、クラブで数カ月間何度も何度もプレイされる。
ファンキのDJはレコードではなく、安価で早く作ることのできるMDかCDRに録音したものを使っている。
そもそもが違法なファンキっぽいやり方だ。

Vabessinha & Alessandra'sの「Gira」のいななき風ラップや、Malha Funkの「Nova Danca」のブーブー声や、 DJ Alexandreの「Toma Toma」の銃声など、原始的と言える箇所も多くあるけれど、それはパンク・ミュージックとも言えるのかもしれない。
つまり、アップテンポでチープで衝動的で、短命なポップ・ミュージックの良点を、加速させてループしたものと言える。

リオとサン・パウロにあっという間に広まったグラフィティのように、ファンキは衰退しながらも予想以上に素早く広まった。
とにかく、未来を見据えつつも彼等自身のイメージで作り変えられたファンキは、クラブに向かう人々の笑顔を生み出したのだ。


Phillip Sherburne, SF
抄訳:近藤牧子(DISC SHOP ZERO)



(*1)ファベーラ
大都市に必ずといってよいほど存在する貧困地区のこと。麻薬売買、ギャング同士の銃撃戦、多発する強盗などで危険なイメージが強く、ブラジルでは一般の人でも近付かないスラムとなっており、ファベーラの中で何が起こっているか知る人は少ない。

(*2)カリオカ
リオ生まれの人々のこと。

(*3)ロビン・フッド
12世紀後半の英国を舞台にした物語の主人公。圧政を強いるノッティンガムの代官に立ち向かうべく、シャーウッドの森を居城とし仲間と共に戦った国民的英雄。

(*4)テジャーノ
中米やラテンアメリカのアーティストがスペイン語で歌うポップ・ミュージック=ラテン・ポップス中でも、アコーディオンで演奏されポルカの影響を強く受けたスタイル。テジャーノの要素を持つ代表的なアーティストにロス・ロボス、セレナなどがいる。

(*5)quinceanera
ヒスパニック系の文化では現在も続いている、古代メキシコから中南米の地域の文化で発生した、女子の15才の誕生日を祝う儀式。

(*6)守護聖徒
各土地の守護神となる聖人。

(*7)ボリウッド
映画産業の盛んなインド西部の都市ムンバイ(旧称ボンベイ)のこと。
(ボンベイ=Bombayを,映画産業の盛んなアメリカの都市ハリウッド=Hollywoodになぞらえた)

(*8)LENKY
WAYNE WONDER「NO LETTING GO」でも知られるダンスホール・レゲエ界のプロデューサー。


★CDのお求め/試聴は→コチラ

1. Coconut FM 1
2. Gladys - No Te Vayas Corazon (ARG) Cumbia Tropica
3. Vanessinha & Alessandra - Gira (BRA) Funk
4. Malha Funk - Nova Danca (Melo Do James Brown) (BRA) Funk
5. Os Carrascos - Labirinto Dos Carrasco (BRA) Funk
6. Piedra Feat Chicho & Delaselva - Quiero Pare (CHI) Cumbiaton
7. Los Pibes Chorros - Llegamos Los Pibes Chorrors (ARG) Cumbia Villera
8. Dick El Demasiado - La Cebolla (ARG) Cumbia Lunática
9. Tego Calderon - Cambumbo (PR) Reggaeton
10. Negreton - Dile (ARG) Reggaeton
11. Coconut FM 2
12. Catherine - No Me K'S-Tigues (PAN) Reggaeton
13. Peter Rap - Punta (CHI) Reggaeton
14. Don Atom feat Tea Time - Mueve La Cintura (Live Version) (CHI) Aciton
15. DJ Alexandre - Toma Toma (BRA) Funk
16. Bonde Neurose - Feia Pra Cascalho (BRA) Funk
17. Vanessinha Picatchu - Pega Pega (BRA) Funk


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ノルデスチ、バイレ・ファンキ【MUSIC FOR ASTRO AGE MEMORY BAND】at 2005年10月06日 00:12