2009年03月14日
ディスカス 基本的な飼育法

熱帯魚の王様として知られてきたディスカスも、今日では、どこのショップでも見られるほどポッピュラーな熱帯魚の一種になっている。品種のバラエティ、呼称がついていることも多く見られる。ディスカスがここまで普及した要因はいくつかあるが、基本的な飼育方法がかなり解明されたことの意味は大きい。ディスカスを飼育すること自体は難しいものではない。以前は、「本に水質に関して難しい記述があり、面倒くさそうだ」と言われたこともあったが、実際、魚を良くするためにどうしたら更に良くなるか?を追求して行けば、同じ熱帯魚を飼育するという意味もかわってくるのである。
ディスカスの基本的な飼育法には、4つの重要点がる。水質の熟知、水換えの体得、餌の種類と与え方、選別眼、観察眼の養成の4点である。これらは決して一朝一夕で身につくものではないが、何年もかかるほど大変なものでもない。要は日々の観察と根気の問題である。ディスカスという魚は飼育すればするほど、奥深さがある魚なのである。これまでにも、何度となく紹介してきた記事であるが、今一度、今風に原稿を手直しして、美しいディスカスを育成する具体的な方法を項目を追って紹介していくことにする。
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ディスカス 飼育計画を作る
まず、ディスカスをどういう目的で、またどのように飼育するか?を考えてみよう。●水槽を置くスペースはどれだけあるか?
●水槽は何本用意できるか?
●ろ過装置、保温器具には何を使用するか?
●予算はどれくらいか?
●どのような品種を飼育したいか?また何匹飼うか?
●繁殖を目的にするのか?観賞だけを目的にするのか?
この中で、スペースと予算は重要な問題である。また、飼育のハードウエアに関しては、水槽、フィルター、保温器具はもちろんのこと、蛍光灯、水換え用のホース、場合によっては湯沸器の新設や排水場所、水周りの新設まで考える必要がある。最近では本格的なディスカス飼育用の温室、部屋を持つ人も多くなってきており、フィルターにしても集中ろ過方式を採用するならば、最初から計画を持っていなければならないのである。そういった部分はプロショップに相談しながら決めていかれると良い。
多くのディスカス愛好者の設備を見てきた経験から言えば、"高価なディスカスには、それ相応の飼育器具を使用するべき"だということである。ディスカスは、水換えをある一定のペースで行なっていれば、かなり強い魚である。しかし、それをいいことに、無理な匹数を小容量の水槽に押し込んでしまったり、ろ過能力を無視したフィルターを使用しては良い結果はもたらさない。ディスカスそのものにいくらお金をかけても、飼育設備とのバランスが取れていなければならないのである。
また、繁殖を目的とした飼育法と観賞を主目的とした飼育法とは、根本的に違うものであることも知っておきたい。繁殖を狙う場合には、"...でなければならない"、"...してはならない"といった制約が多く、飼育は気が抜けない場面の連続である。成魚にまで持っていくことにも注意を要するし、水槽のサイズも120cm以上の大型水槽より、60x45x45cm水槽など、ペア飼育用の水槽が主流となるともある。しかし、観賞が目的の場合、水質的に幅をもった飼育が可能だし、味気ないペアタンクで飼育する必要もない。2m以上の大型水槽群泳を楽しむこともできる。自分のセンスとテクニックを生かしたレイアウト水槽での飼育も可能になるわけだ。
スペースの問題もあるだろうが、まず、普通の60cm水槽(60x30x36cm)とディスカス専用ともいえる60x45x45cm水槽2本、或は90x45x45cm水槽2本をフル装備して、ディスカス飼育に入ってみてはいかがだろう。
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ディスカス 飼育水槽と収容数
ディスカス飼育用の水槽は、大きければ大きいほどよい。これはどんな種類の熱帯魚にもいえることだが、水質が長時間安定し、魚の運動量は大きくなり、狭い環境によるストレスがなくなるからである。
そうはいっても、ディスカスの飼育に180cm以上の大型水槽を使用できる人は多くはない。そこで、容量に見合った適正な数を考えながら、各サイズの水槽を利用する方法を考えて行きたいのである。水槽のサイズの大小は魚のサイズに合わせて普及型の60cm水槽(60x30x36cm)から使用することができる。各サイズに合わせて、日常のメンテナンスを考えていくことにしよう。
60cm水槽
3〜5cmサイズの幼魚には、60cm水槽が最適である。市販の60x30x36cm水槽でもよいが、奥行のある60x45x36cm水槽が理想的である。このサイスの水槽はアクリル製のものを特注するしかないが、約100リットルの水量には魅力がある(普及型は60リットル)。最近では60x45x45cm水槽がポピュラーになってきており、やや高さがありすぎる面はあるが、その後の成長も考えると使い勝手がよい。90x45x45cm水槽で、高さを36cmにカットしてもらう方法もあるが、一本ではやってもらえないこともあり、友人、知人と相談して4本以上であれば、やってもらえるメーカーを見つけることができるだろう。
幼魚期の水換えや水質管理は、成長に伴う体色の発色や体形に大きな影響を及ぼす。3〜5cmの幼魚を8cmサイズに育てるまでの日常管理の善し悪しが、将来のディスカスの善し悪しに直結するのである。日々、長い時間をかけずに良好な水質を維持するには、60〜100リットルの水量が最適なのである。
水質維持の方法は毎日の水換えで、それを実行していけば、60〜100リットルの水量の中に10〜20匹の幼魚は楽に収容できる。フィルターには上面式とスポンジ・フィルター併用が効果的である。「毎日の水換えをどうにか数日毎まで減らせないか?」といった質問を受けるが、8cmサイズになるまで、毎日の水換えを行なっていけば3ヶ月ほどしかかからないので、この期間は水換えを楽しいものととらえて実践していっていただきたい。餌の食いも良いし、何よりディスカスの幼魚は水換えを喜ぶのである。また、ガラス面の掃除やフィルターの洗浄など、水換え以外の管理も、手を容易に入れられるサイズの水槽であれば、気付いた時にすぐに行なうことができる面も忘れられない。成魚にまで育てあげた時には、この3ヶ月が楽しい思い出になることが多いのである。毎日、ディスカスの気持ちよさそうな表情を見ていることができるからこそ、ディスカス飼育はやめられないのである。
高さ45cmの水槽
成長し、8cmを超えた若魚には、高さが36cmの水槽では体形的に上下に伸びる素質を十分にいかせなくなってくる。水槽の高さが最低でも45cmは欲しい時が来るのである。ここで用意したいのが、60x45x45cm水槽、あるいは75〜90cm水槽である。60x45x45cm水槽、75〜90cm水槽になると、水量も100〜190になり、フィルター、保温器具もワンランク上のものを使用しなければならなくなるが、水質の維持は60cm水槽よりもグンと楽になる。収容数も5〜10匹は軽く飼育でき、日常管理が適切であれば8cmサイズのディスカスを20〜30匹飼育することも可能である。この60x45x45cm水槽、75〜90cm水槽は、ディスカス飼育のメインタンクとして使うことができる。このサイズの水槽を2〜3本を持っていれば、幼魚から成魚までの全課程の飼育ができるし、ペアリング用にも利用できる。ディスカスの繁殖用水槽としても使用可能である。このサイズの水槽を使いこなせるようになれば、ディスカスの飼育に幅が出てくるのである。フィルターの種類もパワー・フィルター、上面式フィルター、ワンランク上のスポンジ・フィルターなどを2種類併用し、ろ過の部分も十分な能力を保ちたい。高さが45cmあることで、それまで使用していた60x30x36cm水槽に比べて手を入れにくくなる面はあるが、水槽のガラス面の隅々まで、ウールなどで掃除することにも慣れていっていただきたい。
さらに大型の水槽
成魚(14cm以上)を10匹以上飼育するには、120cm水槽が必要になってくる。ディスカスのプロ・ショップにはこの120cm水槽が必ず数本は置いてあるが、実はこの水槽ほどやっかいなものはないのである。といっても、それはだめというではなく、使いになすのに若干の知識と技術が必要になるという意味である。
水槽を60cmサイズから90cmサイズへとグレードアプする時にも多少のとまどいはあるものの、ある程度の器具を流用しても、なんとかごまかしがきく。市販の上面フィルターもあるし、保温も200wのヒーターがあれば冬を乗り切ることができるのである。しかし120cm以上の水槽では、そうはいかなくなってくるのである。
まず、フィルターは揚水量の大きな専用のポンプが必要になる。ろ過槽も大容量のあるパワー・フィルターかろ過箱式の大きなものを用意しなければならない。保温器具は、200wのヒーターが2本は必要である。他にも補助的に使用するスポンジ・フィルター、それ専用のエアポンプもいる。ガラス蓋でさえかなりの出費になるだろう。日常管理の面でも、水換えには1時間程度は要することもあるし、魚の収容数が中途半端な場合、魚のこぜり合い絶えず起こって強弱関係が生じることもある。これらをひとつひとつクリアしていかなければ、理想的に見える120cm水槽も無用の長物と化すのである。
しかし、フィルターレーション、適正な収容数、強弱関係への対処を理解し、実践できるようになれば、ディスカスの状態はグンと良くなるだろう。出費以上の効果が十分期待できるのである。10匹以上の成魚を飼育しようとしている人にとっては、一考をすすめたい。120cm水槽での平均的な成魚の収容数は、15匹前後である。ここで、様々な組み合わせのペアを得られれば、ディスカスに対する興味はまた一段と深くなっていくのである。
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