2011年04月

2011年04月25日

米国と日本の下水道の技術的な相違

2011年4月、東日本大震災より日がたち数々のエピソードも語られ始めました。
本当に聞くに耐え難い話が多く出てきています。このような事が現実に現代の日本で起こったのです。同時に無力であり中途半端な支援は反って迷惑な行為になるのではと考えてもみます。また周囲の景気が落ちていくのも肌に感じます。

さてディスポーザのお話ですが今後の東北地方の復興はすでにディスポーザを不可とする理由が無くってくるのではないかと思います。一昔前は下水道や処理場への悪影響が懸念されると「想像」で言われていたのが最近ではディスポーザを推奨する自治体が出てきて根拠を失いました。大都市の古い下水道も以前は悪影響が懸念されると主張していたのが最近では雨水管と汚水管が一緒になっている「合流式」だからディスポーザに対応できないと表向きは抗弁しているがそろそろ根拠としては成り立たなくなってきていると言っています。多分に詭弁が含まれるのでしょうがないでしょう。復旧ではなく復興で町作りは大いにディスポーザを利用して循環型社会を実現しようという気運が高まってきているようです。

そもそもディスポーザを不可とする理由に日本の一部の下水道担当者はディスポーザが一般的に普及している米国と日本では下水道事情が違うと言い切ってきました。その反対側のディスポーザを推奨したい民間業者側は日本の下水道は米国の下水道をモデルにしていると主張しています。

実際はどうなのでしょうか?少し検証してみましょう。
(社)日本下水道協会の作成する基準では配管の流速を比較的に地方に多く新しい部類の下水管である分流式、詰まり雨などの雨水と生活排水などの汚水を別々の配管で下水処理場まで運ぶ分流式は0.6m/sの最小流速と定めています。合流式は0.8m/sです。つまり1秒間に水の速度が60cm進むように設計する事が定められているのです。そしてその最大流速は3.0m/sです。米国ではこれにあたる指針を出しているのが「Standard Handbook for Civil Engineers」です。これによると分流式で0.6m/s,合流式で0.9m/sとほぼ米国も日本も変わりありません。これに山間部が多い日本と違い勾配を確保できない場合はフラッシュアウト装置を設けることを義務つけています。また最小口径は日本では汚水200mm、雨水及びに合流は250mmとなっています。これに対して米国は合流も分流も200mmとなっており、更に150mm以下は使用してはならないとなっています。

実態としては米国も日本も同一なのが検証するとわかります。

disposer_kouei at 21:13|この記事のURL
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