新しいローマ法王が選出された。欧州外出身、そして初の南米(アルゼンチン)出身の法王が誕生した。

こうやって書くと、私がクリスチャンみたいなイメージを持たれるかもしれないが、別にそうではない。ただ、出身校がミッションスクール(ローマカトリック)だったので、キリスト教が遠いものではないからである。

むしろ、かなり近いところで接しているかも。

大学生の頃、バチカンに行ったことがある。中にも入ることが出来て、『ピエタ』像も実際に見ている。当時の法王はヨハネ=パウロ2世。大学からの研修旅行という名で欧州に行ったのと、当時大学にいたFatherがポーランド出身で、法王に教えてもらったことがあるということから、すんなり中に入れてもらい、ミサにも参加したのである。

その後、一緒に記念撮影をして、祝福を受けた。

その当時でも、バチカンの壮大さとミサに集まる信者の数に圧倒され、ものすごいインパクトだった。

今日は別に待っていたわけではない。が、たまたま、NY Timesのバチカンライブ放送を見始めて、途中でやめられなくなってしまった。しかも、あと30分くらいで結果が出そうというので、まぁ黒煙か白煙か見ておこうかな、報道によってはまだ決まらなそうというのもあったので、「どうせ黒煙だろうけど、とりあえず」くらいの気持ちで見ていたら、なんと白煙が・・・!!!

そしてすぐに鐘が鳴り響き、バチカンに集まった人たちからものすごい歓声が。もうここまで来ると眠るわけにはいかない。結局、誰が選ばれたのか、どのような演説をするのか、最後まで見たいと思い、それから待つことほぼ1時間・・・。

フランスのトラン枢機卿がラテン語で発表・・・アルゼンチンのベルゴリオ枢機卿が選ばれた。米大陸出身者は初めて、そして本命不在と言われながらも名前が挙がっていた枢機卿ではなかったというわけだ。なんという歴史的瞬間!!!

今、ローマカトリックはいろいろな批判にさらされている。不正資金問題、虐待事件、汚職など改革が求められているのも事実だ。だが、世界中に12億人の信者がいると言われるカトリックの総本山であり、雨にも関わらず、あれだけ多くの人が世界中から集まるのを見ると、バチカンの歴史と重み、そして「神の力」を感じざるを得ない。

それにしても・・・もうちょっとラテン語を勉強しとけばよかったと思った・・・(涙)。いちおう、言語を専門にしてるのになぁ・・・。フランス語の先生と共に「もうちょっとやっとけばよかったね。」と慰めあった瞬間でもあった。