2007年11月04日

“問題行動”は治せるか?

アスコ君とママ
皆さんお早う
今日はお母さんの独り言だってェ。ちょっと難しいお話だから、ワンコじゃおしゃべり出来ないからだってさッ
その前に、少し私のおしゃべりねッ。
これは、もうお馴染みのアスコ君とママのマドレーンさん
このアスコ君は鎖に繋がれて虐待されてたワンコだったって話はもうしたよねッ。
でね、お母さんが授業の間に観察した結果は、アスコ君は同じ家庭内では他のワンコを受け入れないって事
ずっと虐待されてて、マドレーンさんとマークスさんのカップルに助けられて、やっと幸せなワンコになったでしょう。だから、この幸せを他のワンコと分けられないって意味よッ。今の幸せが侵されるのを防ぐ(=恐怖)為に凶暴性を見せるリスクがあるの
このことは、授業中に見せるアスコ君の態度でも解っちゃうからね
だから、この子は一人飼いしか無理。その方がアスコ君の幸せの為ですってお母さんが言ってるよッ。
ヒヒヒィ、じゃァ、私は引っ込むからねェ、バーィ

金曜日にある女性から長いメールが届きました。
その人は、婚約者と猫二匹、8歳になるコリーのルナちゃんと郊外に住んでいます。
二週間前に、有名な犬保護施設から、ルイチ君三歳を里子に貰ってきました。
以来、日増しにルイチ君がルナちゃんに凶暴性を見せるようになって困っています、云々…






そのルイチ君も、禁止にも拘らず鎖に繋がれ虐待されていた可哀想な犬でした。
3ヶ月ほど前に、役所の所員が犬保護法違反で没収してこの愛護施設に連れてきたそうです。
その話を耳にして、可哀想になり里子にするつもりで愛護施設へ行ったのだそうです。
ルナちゃんは、とっても大人しく犬の社会性も抜群で問題は無いだろうと言うことで、ルイチ君が里親さんとルナちゃんに慣れる為の週3回の施設訪問が開始されました。
一回5時間ほどの訪問で、お散歩へ連れ出したりご飯を一緒に食べたりの練習が始まったわけです。
その間、一度も危険はなく、和気藹々とした雰囲気で3週間後に施設の人の勧めで、自宅へ連れて行きました。
ルイチ君は車に慣れていないので、興奮させないために麻酔にかけて運んだそうです。
そのメールには細々と経過が書かれていましたが、ここでははしょります。

すぐに、明日(昨日の土曜日)最後の授業の後に直接会ってお話がしたいと返事を書きました。
と言うのも、私の結論はルイチ君を施設に戻す以外に方法はないことで、メールや電話でお話するのが躊躇われたからです。
彼女から折り返し電話で連絡があって、ルナちゃんだけを連れて来ることになりました。
金曜の夜、私は眠れないで転々としていました。
解ってくれるだろうか、私の結論で彼女が傷つくのではないかなどと考えていたら、朝になっていました。
初対面の挨拶の後、開口一番、泣きながら彼女が言いました。
「昨日の夜電話したが、貴女が出なかったので、その後、施設に電話してルイチを戻すことにしました」
それで私も、「実は今日、私も施設に戻すことを勧めようと思っていました」と伝えました。
昨夜遅く、ルイチ君の凶暴性がピークに達して、止めに入った婚約者さんに怪我をさせたそうです。
その夜は、すぐにラファエラさんとルナちゃんは市内の自分のアパートに移って、婚約者さんとルイチ君は残りました。

私は何度もその処置は適切であった事を褒め、今の結果は貴女のせいではなく、保護施設の方の責任ですから、自分を責めないでほしいと繰り返しました。
保護施設はルイチ君のようなタイプは、絶対に郊外に住む人で子供が無く、一匹飼い
を条件にしなくていけなかったのです。
アスコ君の場合と同じで、少しでもリスクがある事は避けるべきだったのです。

問題行動(凶暴性他)は完治する可能性は少ないです。
その環境に入れば同じ行動を起こします。
特にこの二匹のタイプの犬達は、自分の幸せを守る為に(自分の正義の為に)あえて戦うでしょう。
本当に犬の幸せを願うなら、この事を常に頭に入れて処置しないと大変なことになりかねません。少しのリスクでも許してはいけません。
犬は人間ではないので、裏目に出たら結果は正に悲惨です。

昨日は、私も涙が止まりませんでした。





dixie1996 at 15:53│Comments(9)お母さんの独り言 

この記事へのコメント

1. Posted by おぎわん   2007年11月04日 17:22
ルイチ君。きっと新しいお家が見つかりますよ!ルナちゃんは大丈夫ですか?優しいルナちゃんが深く深く傷つく前で良かったです。不幸なわんこは沢山居ます。全てを救う事は出来ません。それが世の常です。。。涙を糧に。強くなりましょう。
どうかEggiさんの思いが大勢の人達に届きますように・・・願っております。

日本では幼児虐待の対処の仕方がそのレベルなんですよ。死ななくていい子が・・・殺されるんですから(TT0TT)悲しすぎます。。。
2. Posted by しょこらぶ   2007年11月04日 20:12
ワンコだって、トラウマになって心に残りますよね。。。自分の幸せが守らないと壊される、とられてしまうって思うワンコがいること自体、悲しい話です。心の傷が治りにくいのは人間と同じで、純粋なだけにワンコは尚更…なんでしょうね。ルナちゃんのママさんが出した答えが、どれだけ苦しいか分かるからこそ、悲しくて涙が出ます。。。ルナちゃんもルイチ君も幸せに過ごせますように。
3. Posted by ルビー   2007年11月04日 22:34
5 切ないお話ですね・・・。ルイチ君もルナちゃんも、これで良かったんですね。お互いの、そしてみんなの幸せのためにこれで良かったんですね。ルナちゃんは今日はどうしてるのでしょう?そして、ルイチ君・・・今度こそワンコのいない家庭で幸せになってほしいです。そうお祈りしています。絶対に幸せになって。ワンコの気持ちを無視しないで!!最近北海道の新聞では動物に関して悲しい記事が多いので・・・今日のEggiさんの記事にも強く胸が痛みました。・・・
Dixieちゃん、お父さんが帰ってきて嬉しいね
4. Posted by Eggi   2007年11月04日 23:04
おぎわんさん、昨日始めて出会ったルナちゃんは本当に大人しくていい子でした。
長くラファエラさんと話し込んでいて遅くなったので車で送って頂きました。その時にルナちゃん、道で出会った犬達にとても良いマナーでご挨拶していました
そんなにマナーのいい子に対してもルイチ君は駄目だったんですよ…
このトラブルは施設では見えない場合が多いのです。でもね、予測が出来る事態でもあるんです。犬の事をもっと知っていれば避けられた事ですから、悲しいんです。
5. Posted by Eggi   2007年11月04日 23:11
しょこらぶさん、私が一番心配なのは、ルイチ君がこの後の里親候補さんに心を開く事が出来るかどうかという危惧です。
孤児院の子供達が経験するであろう事ですよね。
最初の里親さんで成功すれば良いですが、何度も裏切られては心が乾いていく状態にはなって欲しくありません。
私の仕事も楽しいだけではないですよ。
こういう決断を下ろす強さも時には要求されます。
とても後味が悪いです
6. Posted by Eggi   2007年11月04日 23:25
ルビーさん、昨日は私も参ってしまいました。
この仕事をしていると、色んな出来事とぶつかります。
おぎわんさんにはもう話しましたが、飼い主さんが本当の事を隠していた為に危うく“死にそう”になった事もありました。運良く咄嗟の配慮でかすり傷で済みましたがァ
犬の目の色が狂気に変わる一瞬をクローズアップで見てしまいました。本当に色が変わるんですよ

それでも、犬が好きなんですから、救いようがないです


7. Posted by ルビー   2007年11月14日 00:08
5 Eggiさん、ルイチ君はその後どうしていますか??とても気になっていました。そして、ルナちゃんは??もしよければ2人の現在を教えてくださいね。ルイチ君・・・泣いてませんか??
8. Posted by Eggi   2007年11月14日 00:49
ルビーさん、ルイチ君の指導を依頼されたですが、ルイチ君がホームに戻されたので、ラファエラさんは今、私の生徒さんではないのです。
ルナちゃんは私の指導は必要ではありませんから。
ですから、彼女が連絡してこない限り、私にはルイチ君のその後は判りません。
心配はしていますが、こればかりはどうにも出来ませんから。
本当に、とても後味の悪い“エピソード”でした
9. Posted by チャチャ   2009年08月02日 16:58
この記事を読んで、色んな事を考えました

我が家は幸いにもこの様な事態にならなかっただけで、安易な多頭飼いはワンコの気持ちを傷つけるんだって事、忘れてはいけませんね

日本の愛護団体でも多頭飼いは基本禁止と言っている所が多いですが、でも大人しいワンコさんの場合は例外も認めているそうです

家の場合は家庭内では2匹が喧嘩する事もなく、同じベッドで一緒に寄り添って寝ていたりします。先住犬がリーダーで、保護犬の方がそれに従っています

ただお外に一緒に連れていくと、保護犬の方が先住犬を守ろうとしてるのか、集団心理なのか…いつも以上に興奮して攻撃的になります

ちなみに先住犬はワンコマナーを守れる子で、上手に色んなワンコとお付き合いしています。初対面の人に対して多少シャイな所はありますが、精神的には落ち着いていると思います

どうして保護犬がそのような行動に出るのか…2匹一緒に出かける機会があまりないので、まだ原因が解明できずにいます

ルイチ君今は幸せ生活しているでしょうか
そうであってくれる事を祈っています

でも

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