DJ Mizuta:衣食住音

DJ MIZUTA : 衣食住音

10年後に読んでも面白い音楽ブログ。「10年経ってみないと全てを語れない」の気持ちを込めた“10年レビュー”など。全ての音楽は絶妙な関係性を持って存在しているのです。

2016年06月22日

「そして10年後がやってきた。」 ブログ閉鎖のお知らせ

「10年後に読んでも面白い音楽ブログ」を目指してきた当ブログ「衣食住音」は、開設後10年を超え、その賞味期限を全うしましたので、2016年6月末日をもって閉鎖致します。記事の更新も、今回が最後です。

「衣食住音」を通して、他府県を含めた沢山の方と出会いました。クラブでお客さんから「ブログ見てます」と声を掛けてもらう事も本当に多かったし、ブログがきっかけでオファーを頂いた事も多数ありました。

途中、病気で倒れた時は、「衣食住音」で真っ先に経緯を伝えたし、復帰した時も同じでした。

↓Livedoorが提供するヒストリー表示機能を使って、ブログの歴史を一部表示。懐かしいです。
history


当ブログでは開設当初から風営法にまつわる記事を書いていました。本当は、2015年末辺りで閉鎖しようと思っていたのですが、法改正関係でメディア関係の方や法律家の先生方から「ミズタさんのブログを参考にしています」と声を掛けてもらう事が非常に多く、法改正が一段落するまでは続けようと考え、その改正風営法が施行される6月を閉鎖の期日に選んだ次第です。

その改正風営法が、明日6月23日にいよいよ施行されます。国民の力で法律を変えたという意味で、とても重要な法改正ですが、一方でいくつか大きな課題が残っている事は、このブログでも何度か書いてきました。改正後のクラブが、DJが、音楽が、どう変化していくのか興味は尽きませんが、最後に、ちょうど1年前に僕が仕込んだタイムカプセルへのリンクを貼って、「衣食住音」を終了したいと思います。


改正風営法が国会で可決される2日前に書いた記事
・風営法改正案が可決される前に書いておきたい事(2015年06月15日)


2016年06月21日

「Mizuta的DJ論」の10年

2005年12月に始めた当ブログも、とうとう10年が経過しました。現在ブログの紹介文として用いている「10年後に読んでも面白い音楽ブログ」の基準で言えば、当初に書いた記事はそろそろ賞味期限が切れるという事です。というわけで、そろそろブログ「衣食住音」を終了したいと思います。その前に「10年後に読んでも面白い音楽ブログ」の10年間と、音楽・DJをめぐる10年間を、僕なりに振り返っていこうと思います。

今回は「Mizuta的DJ論」の10年について。


■クラブのお客さんから要望が多かったので始めました。

カテゴリー別では、おそらく一番アクセスが多かったのが、この「Mizuta的DJ論」。クラブでDJをした後に、DJスキルに関する質問を受ける事が多かったので連載を始めました。当時(2006年)の段階では、DJ教則本みたいなのはありましたが、どうもそういうテイストは格好悪いと感じていたので、敢えて学術的にディフォルメして「DJ論」と名付けました。

連載1発目の「お客さんに感想を聞いてはいけない」はタイトルにインパクトがあって、そして僕のDJスタイルの根底にある物でもあり、反響も上々でした。気が付けば、Googleで「DJ論」を検索した際の表示順位もトップに。この状態は、Zeebraさんがわずか13分で書き上げたDJ論がトップ表示される2012年まで続きました。(ただし、Zeebraさんのやつは、本人ではなく、他の方がまとめたNaver記事なので、純粋に比較は出来ないですけど(負け惜しみ)。今では割りと浸透している「DJ論」という言葉ですが、少なくともインターネット上では、僕は、その言葉を使った、恐らくかなり初期のDJなのだと思います。

一部では「ネット上でDJ論を披露すると仕事が減る」とも言われているらしいですが、僕の場合はそんな事無かったですよ。記事内でも何度も書いていますが、これらは僕なりのDJ論なのであって、鵜呑みにしちゃうと、僕程度のDJにしかなれない、、、そういう話なので、格好付け過ぎずに続けられたのだと思います。


■機材が進化しても通用するスキルを。

僕のDJ論は全22編。その中に機材の操作に関する細かな記述は殆どありません。そうした小手先の部分は、機材が進化し移り変わっていく中で意味を失っていきます。だから、機材が変わっても通用する、フロアとのコミュニケーションの取り方や、選曲術、音量管理、立ち振る舞いに関する記述が中心なんです。この辺りの感覚は、ブログのコンセプト「10年後に読んでも面白い」とリンクしています。


■書けば書くほど、現場では直感的になれる。

それまで何となく頭の中にあったDJスキルは、文章としてまとめる事で明確になり、現場のDJブースに入る時に悩む事がなくなりました。僕のDJ論だけを読むと、ちょっと理屈臭いDJをしているように見えそうですが、実際は全く逆なんです。そうやって頭の中をすっきりさせる事で、新しい音楽を受け入れる余裕も出てくるし、この連載は僕にとってかなりプラスに働きました。自分のDJスタイルについて悩んでいるDJは、頭の中を整理する意味でも、一度文章化してみる事をお勧めします。「こんな小さな事に拘るなんて無駄」みたいな部分も見えてくるだろうし、そうやって、どんどん自分を脱皮させれば良いと思います。


■タイトル命!!

それから「Mizuta的DJ論」の最大の特徴は変なタイトルですよね(笑)。結局のところ
「Mizuta的DJ論」は僕にとってDJスキルを紹介する場であると同時に、ライティング・スキルを磨く場でもあったような気がします。以下、自分でも特に気に入っている記事を紹介しておきます。 

・曲と曲ではなく、人と人を繋いでいる。(2006年07月31日)


・最前列は男の子? 女の子?(2006年08月29日)

・僕達はリクエストされながら育ったDJなんです(2008年06月06日)

・野外DJと白玉の関係(2010年03月12日)

・とにかく前を向く。それだけでフロアの雰囲気は大きく変わる。(2010年11月01日)


さて、次回の更新で、本当にこのブログの最後の投稿にしたいと思います。


2016年06月19日

「10年レビュー」の10年

2005年12月に始めた当ブログも、とうとう10年が経過しました。現在ブログの紹介文として用いている「10年後に読んでも面白い音楽ブログ」の基準で言えば、当初に書いた記事はそろそろ賞味期限が切れるという事です。というわけで、そろそろブログ「衣食住音」を終了したいと思います。その前に「10年後に読んでも面白い音楽ブログ」の10年間と、音楽・DJをめぐる10年間を、僕なりに振り返っていこうと思います。

今回は「10年レビュー」の10年について。


■10年経ってみないと全てを語れない


Web 2.0の申し子であったブログというツールは、誰でも簡単に更新作業が出来る事から、当初は芸能人やスポーツ選手による「今日は良い天気ですね!」とか「昨日は**でライヴでした」みたいな日記形式のブログが持てはやされました。このやり方を、いちローカルDJである僕がやっても、友達に対する私信以上の価値は無いだろうと思い、自分なりのスタイルを模索するべく、書籍や音楽関係以外のブログ、サイトをひたすら研究した結果、たどり着いたのが、即時性からの脱却です。

それを最も分かり易い形で表現したのが「10年レビュー」の連載。2005年当初の音楽情報サイトで主流だったな新譜レビューではなく、リリース後10年以上を経た旧譜を、現代の視点で再評価する試みで、古くは'40年代のブルースから、'90年代のテクノ、Jポップまで、10年間で300近い作品をレビューしました。ブログ「衣食住音」のメインコンテンツなのだと胸を張って言えます。

↓当初からずっと用いてきたコンセプト文がこれ。

"Run DMCがカバーするまで、Aerosmithの“Walk This Way”は、ロック・クラシックと呼ばれていませんでした。ポップ・ミュージックって、その瞬間の刹那的な魅力もさることながら、色んな人の耳や心に響い て、語り継がれてカバーされて、、、ようやく真価を発揮する物だと思うのです。10年経ってみないと全てを語れない。そういう気持ちを込めて、「10年レ ビュー」です。"

今では、過去の名曲を懐かしむスタイルのブログも増えましたが、それとも一線を画すものにしたかった。あくまでも現代との接点ありきのスタイル。僕が映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」好きであった事も大きく影響していると思います。


■ブログ= 即時性、という固定観念から脱却する為の手法


「衣食住音」では、そもそも開設前に基本コンセプト検討の段階で、即時性からの脱却を決めていたのですが、開設の4ヵ月後に始めた「10年レビュー」以降は、それを更に徹底するようになりました。まず、記事を書いて直ぐにアップ、、、、という事を殆どやっていません。ブログ内には「昨日」「今日」といった相対的時系列表記を極力無くし、「2016年6月19日」というように絶対的な表記で統一。また、最新記事の末尾に関連する過去記事のリンクを設けるのはもちろん、トラックバック機能を利用して、過去記事から最新記事へ気軽に飛べるようにしました。これを僕は「自己トラックバック」と呼んでいます。だから、ウチのブログって、最新記事が玄関口では無いんですよ。これは10年間ずっと変わらない事です。


■格闘ゲーム「バーチャファイター」が好きだったので、、、

「10年」というキーワードを導入したのは、音楽の流行サイクルを基準に考えた結果でもあるのですが、実は単にキャッチーだったからというのが一番の理由だったりします。僕はセガの格闘ゲーム「バーチャファイター」が大好きだったのですが、その主人公、結城 晶の決めゼリフ「10年早いんだよ!」のインパクトが強烈だったので、そこから拝借したというのが主な経緯です(笑)

即時性を排除したブログのスタイルを伝える為に「10年後に読んでも面白い音楽ブログ」というキャッチフレーズを掲げたのも、同じく「バーチャファイター」が起源です。

(関連記事)
・ゲームな日々(2008年07月30日)


■音楽の未来に向けた、僕の願い

「バレアリックを考える」、「ビッグビートの光と影」といった特集を交えつつ連載した「10年レビュー」ですが、2012年頃から更新頻度が落ちてしまいました。ひとことで言えば、ブログ更新以外で忙しくなったというのが理由です。特にブログ開設後にレビュー対象時期に入った(つまり、リリース後10年が経過した)1995年から2005年の作品は、ほぼ手付かずのままになってしまいました。そこだけは心残りですが、他に関しては、今読んでも面白い記事ばかりだと自負しています。

この10年の間で、新しい音楽が沢山生まれてきました。一方で古い音楽の再発やベスト盤のリリース、再結成は盛んですよね。日本人は沢山の音楽を知っていますが、それらを体系的に紹介するメディアや仕組みが不足していると感じます。古い音楽と新しい音楽の関係を、もっと積極的に紹介していく事で、世代や時代の壁が壊され、音楽マーケットに新しい風が吹くようになるのではないか? 未来に向けた僕の願いです。

↓「10年レビュー」を代表する記事といえば、やはりこれになると思います。
・Run DMC - “Walk This Way”の10年 (2008年01月18日)


次回の更新では「Mizuta的DJ論」の10年について書きます。

2016年06月18日

「インターネット」の10年

2005年12月に始めた当ブログも、とうとう10年が経過しました。現在ブログの紹介文として用いている「10年後に読んでも面白い音楽ブログ」の基準で言えば、当初に書いた記事はそろそろ賞味期限が切れるという事です。

というわけで、まあこれは当初から決めていた事なのですが、そろそろブログ「衣食住音」を終了したいと思います。その前に「10年後に読んでも面白い音楽ブログ」の10年間と、音楽・DJをめぐる10年間を、僕なりに振り返ってみたいと思います。

まずは「インターネット」の10年について。


■Web 2.0という概念

「衣食住音」を始めた2005年当初、Web、IT業界では「Web 2.0」という概念が持てはやされていました。それ以前のインターネットでは情報の送り手と受け手が固定的でしたが、2000年代中盤以降では、技術の進歩により両者が流動的になりました。音楽関係の話で言えば、旧来のインターネットで僕達はアーティストやレコード会社のホームページにアクセスし、情報を入手していたわけですが、Web 2.0以降は、自らが情報の発信側になる事が出来るようになった。DJがブログを使って自らの活動を告知するようになったのも、Web 2.0以降の傾向です。


■SNSの普及とイベント告知の変化

Web 2.0の申し子と言えるのがSNSです。日本で真っ先に普及したのがミクシィ(mixi)ですね。ミクシィには同じ趣味を持つユーザーが情報交換を行う「コミュニティ」と「イベント」の機能を有していたので、これを利用してイベント告知を行うクラブやDJが激増しました。

しかし、初心者でも簡単に扱えるミクシィであったが故に、そこから発信される情報の質は、非常に低いものだと感じていました。正直げんなりでしたよ。

同じ情報を多数のコミュニティでコピペして書き込んでいくマルチポスト行為は、特に目に余るものがありました。洋楽一般を扱うコミュニティでも、ダンスミュージックのマニアックな情報を扱うコミュニティでも、地域の掲示板的コミュニティでも、全て同じ文章のコピペ。お客さんを完全になめていますよね。そして印刷代も掛からないわけですから、テキストやグラフィックの質も一段落ちたように感じました。

当時の落胆をまとめた記事がこれです。
・クラブ情報のスパム化 - その1 (2006年04月15日)

クラブ情報がSNSで流れるようになってから以降の傾向として、もうひとつ顕著だったのが、入場料金の割引です。元々は業界に携わる人やメディア関係者を優待する際に使っていた「ゲスト」という名の下に、一般のお客さんに対してもかなり安い料金で入場できるシステムが構築されていきました。イベント当日のお客さんの中で、この「ゲスト」が過半数を超える事もざらになり、そうなると、正規料金を引き上げないと採算が取れないし、ノーギャラでプレイさせられるDJも増えていきます。ノーギャラでプレイするDJが増えれば、現実問題としてプロ意識を持たないDJも増えてきます。そうやって負の連鎖が始まっていくわけですが、この話をすればキリが無いので省略します。


■DJの可能性を広げたWebサービス群

SNSに対する悲観的な事を書きましたが、インターネットから新しく生まれたサービスには、DJの可能性を広げる物も沢山ありました。mp3音源を買える音楽配信サービスが増えたのもこの10年だし、SoundcloudやUstreamを使って自らの作品やDJプレイを公開する事が出来るようになったのも大きな変化です。逆に、実際にクラブに出向いたお客さん同士による、口コミでの情報交換の相対的価値が下がってしまった感もありますが、プラスマイナスで考えれば圧倒的にプラスの方が大きく、特に若い世代はこれらのツールを駆使して、業界の古い価値観を壊していって欲しいと思います。


とにかく、音楽とDJをめぐるこの10年間を語る上で、インターネットの普及と、新たなWebサービス群はとても重要だったと思います。逆に言うと、これらのサービスは10年前には無かったんですよね。ちょっと考えられない話ですが(笑) 先に書いたSNSにおける弊害みたいな事例もあるわけで、それらの新技術にどう向き合って行くかは、今後もDJにとって重要なポイントになると思います。


次回の更新では「10年レビュー」の10年について書きます。

2016年04月02日

3月 26日 “NOON” Renewal Party の様子がSPACESHOWER NEWSで公開されています

3月26日は中崎町NOONのリニューアルパーティーでした。

改装された店内、DJ/バンドも素晴らしかったけど、敢えて言います、お客さんが最高でした! 

この日のフライヤーにはDJの格好良い(?)アー写も載っていません。ゲストDJもいません。書かれているのは店の未来を表すイラストと、風営法に対する疑問。この打ち出しの時点でNOONは、自らが目指すリニューアルパーティーのスタイルを明確にプロデュースしていたと思うんです。それは音楽を楽しむ事に対してとびきり純粋で敏感な人達が集まるパーティーです。しかもそれは凄い人数でした。 

そんなお客さんのエネルギーは本当に凄くて、DJミキサーのつまみをちょっと動かしたり、細かいサンプリングをカットインするだけで、テンションがぐいぐい上がっていくのを感じました。僕の指先とお客さんの身体が繋がっている感覚、、、、こんな凄いのはなかなか無いですよ!  古くからのDJ仲間、法律家の先生方、映画監督、バンドマン、、、、沢山の人が集まっていましたが、ここでは職業や立場は関係ありません。それがクラブの醍醐味である事を確認できた、最高のパーティーでした。

当日の様子はSPACESHOWER NEWSで公開されています。NOONがオールナイト営業再開に踏み切った経緯や、改正風営法の問題点にも触れられています。ところでこの動画の雰囲気、どこか馴染みがありませんか? 実は映画「SAVE THE CLUB NOON」の宮本杜朗、佐伯慎亮の両氏が撮影しているんですよ。さすが当日の熱い雰囲気を捉えています。