2007年09月

2007年09月30日

シドニー・ポワチェ

『ジャッカル』(97・米、英、仏、独、日*アルファヴィル、BBC、丸紅、ミューチアル、TMG、東宝、U・G・C・PH)カラーP 124分

 The Jackal

(製作・監督)マイケル・ケイトン=ジョーンズ
(原作)フレデリック・フォーサイス
(オリジナル脚色)ケネス・ロス<『ジャッカルの日』(73)より>
(脚色)チャック・ファーラー
(撮影)カール・ウオルター・リンデン・ローブ
(音楽)カーター・バーウェル
(PD)マイケル・ホワイト
(美術)レイモンド・デュプイス、リッキー・イーレス、ジョン・フェナー、ブルトン・ジョーンズ
(装置)ケイト・サリヴァン
(録音)マーク・オウガスト、リチャード・キング
(照明)エディ・ナイト
(編集)ジム・クラーク
(衣装)アルバート・ウオルスキイ
(メイク)フェリシティ・ボーリング、イースン・フュネル、イザベル・ハークネス、キャロル・メイクル、バニー・パーカー
(特殊メイク)トニー・ガードナー
(配役)エレン・チェノース
(PM)テレンス・クレッグ
(特殊効果)イヴ・デ・ボノ
(視覚効果)ヴァン・リング、リチャード・マルザン、リチャード・パターソン、オール・デイーター・スターム、ロン・ソーントン
(スタント)ジョー・ダン、テリー・ジャクソン<ブルース・ウィリスのダブル>
(スチール)エド・リード
(スクリプト)リビー・バー
(タイトルデザイナー)サイモン・テイラー
(第二班)バディ・ジョーフッカー
(助監督)ビル・ウェストリー
(製作)ジェームス・ジャクス、ショーン・ダニエル、ケヴィン・ジャール
(製作総指揮)テレンス・クレッグ、ハル・リーバーマン、ゲイリー・レヴィンソン、マーク・ゴードン

(出演)ブルース・ウィリス、リチャード・ギア、シドニー・ポワチェ、ダイアン・ヴェノーラ、マチルダ・メイ、J・K・シモンズ、リチャード・ラインバック、ジョン・カニンガム、ジャック・ブラック、テス・ハーパー、スティーヴン・スピネラ、ソフィー・オコネドー、デヴィッド・ハイマン、スティーヴ・バセット、ユーリ・ステパノヴ、ウオルト・マクファーソン、ラヴィル・イスヤノヴ、マギー・キャッスル、カレン・キルシェイン・バウアー、テレンス・カリール、ダニエル・デーキム、マイケル・ケイトン=ジョーンズ、ローラ・ヴァーダーマン、ピーター・サリヴァン、リチャード・カビソン、ジム・グリムショウ、グレッグ・ミラー、ボブ・キングダム、マーフイ・ガイヤー、フイリップ・レ・メイストレ、サージ・ハウド、ジェームズ・マッカレイ、テリー・ラフリン、ヴィクター・ソブチャク、サージ・クリスチャンセン、ボリス・ボスコヴィック、イーワン・ベイリー、ダネット・アルベリコ、デブラ・ガノ、ジョン・ブランド、パメラ・ポイテール、ジョナサン・エリス、エディ”ギー”スミスJr、ラリー・キング、ダニエル・ジスキー、ゲイリー・ジェスプ、ビル・コリンズ、デヴィッド・ゲン・ギブス、ジェームズ・M・ヘルキイ、アレン・アルトマン、カリン・チーヴァー、ジム・クラーク(声のみ)、トム・デルマー、サム・フェアー、エリック・ホジール、ジェフ・ジョンストン、ティム・クルーガー、リー・リタス、ジャーモ・マキネン、フランク・プリンスプ、J・クリストファー・スワット、ドミニク・テスタ、リック・トーヒィ

(評)フレッド・ジンネマン監督の秀作『ジャッカルの日』(73)のハリウッド・リメイク版。グローヴァルという旗印の下に例によって完璧に近いオリジナル・シナリオをいじくり倒したため、原作者であるフレデリック・フォーサイスが協力を全面的に拒否したのもうなずけるほどの、ひどい改悪ぶりである。元版はアルジェリア戦争を終結させたフランス大統領、シャルル・ド・ゴールを、戦争終結によって既得権益を奪われた連中が、凄腕のスナイパー”ジャッカル”にド・ゴール暗殺を依頼するというもので、フランスの汚点ともいうべきアルジェリア戦争が背景にあるというのが、ストーリーを一段としき締めたものにしていた。だが、今回はFBIとKGBに身内を殺されたロシアンマフイアが、報復としてFBIの長官暗殺を企てるというB級映画もどきの設定に改変されてしまっている。主演のジャッカルに扮するブルース・ウィリスはどう贔屓目にみてもクールなスナイパーには見えず、元版のエドワード・フォックスに比べるとまさに月とすっぽんである。元版にはなかったジャッカル追跡に協力するIRAのテロリストに扮するリチャード・ギアも、テロリストという柄でない。主演スターふたりがミス・キャストで、おまけにストーリーがB級ときては映画が面白くなるはずもない。唯一、ジャッカルの追跡指揮をとるFBI副長官に扮したこの時すでに70才のシドニー・ポワチェが、隙のない身のこなしと演技で大スターのオーラを放ち、ただひとり気を吐いていたのが、昔からの彼のファンとしては嬉しい。

(点)50点


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2007年09月29日

アルカトラズ刑務所

『ザ・ロック』(96・ハリウッドピクチャーズ、ドン・シンプソン&ジェリー・ブラカイマー・フイルム)カラー 136分

 The Rock

(監督)マイケル・ベイ
(原案・脚本)デイヴィッド・ウェイスバーグ、ダグラス・S・クック
(脚本)マーク・ロスナー
(撮影)ジョン・シュワルツマン
(音楽)ニック・グレニー=スミス
(PD)マイケル・ホワイト
(美術)エド・マカヴォイ
(装置)ローズマリー・ブランデンバーグ
(録音)ジム・アシュウェル、ボブ・バダミ、ジュノ・J・エリス
(照明)パット・マーレー
(編集)リチャード・フランシス・グルース
(衣装)ボビー・リード
(メイク)スティーヴン・E・アンダーソン、パット・ジェラルド、ニーナ・クラフト、ピーター・ロブ=キング
(特殊メイク)トニー・ガードナー
(配役)ビリー・ホプキンス、ヘイデイ・レヴィット
(PM)ナンシー・J・キング
(特殊効果)マイケル・メイナーダス
(視覚効果)スコット・ビーテイ、ドン・デリーウ、ミッチ・ドブロウナー、マーク・ドーンフェルド
(スタント)ケニー・ベイテス
(スチール)フランク・マシ
(スクリプト)ロビン・アンダーソン、ジャンヌ・バイルド
(タイトルデザイナー)ロバート・ドーソン
(助監督)ジェリー・グランデイ
(製作)ドン・シンプソン、ジェリー・ジェリー・ブラッカイマー
(製作総指揮)ウィリアム・スチュアート、ショーン・コネリー、ルイス・A・ストローラー

(出演)ショーン・コネリー、ニコラス・ケイジ、エド・ハリス、マイケル・ビーン、ウィリアム・フォーサイス、デヴィッド・モース、ジョン・スペンサー、ジョン・C・マッギンレー、ヴァネッサ・マーシャル、クレア・フォーラン、トニー・トッド、ジェームズ・ガヴィーゼル、ダニー・ヌッチ、フイリップ・ベイカー・ホール、ザンダー・バークレイ、レイモンド・クルツ、ボキーム・ウッドバイン、グレゴリー・スポーレダー、ジム・マニアッチ、グレッグ・コリンズ、ブレンダン・ケリー、スティーヴ・ハリス、セレステ・ウィーヴァー、トッド・ルイゾー、デヴィッド・ボウ、ラクウェル・クレール、デニス・チャルカー、マーシャル・テイーグ、ダフイ・ガヴァー、スティーヴ・デッカー、ジョセフ・ハウズ、マイク・マーラー、カーロス・サンドヴァル、リック・トムズ、ビリー・デヴリン、ジャック・イエーズ、ヨアン・A・リオジャス、ジョセフ・パトリック・ケリー、インゴー・ニューハウス、ジョン・ラフリン、ハリー・ハンフリーズ、ハワード・プラット、ウィリー・ガーソン、ジョン・ネーザン、ロバート・M・アンセルモ、ジャック・フォード、T・J・ヘイジボーク、ドワイト・ヒックス、ラルフ・ぺドウト、アンソニー・クラーク、アンデイ・ライアン、ハンス・ジョージ・ストラハー、ロバート・C・べスグローヴ、シアン・スケルトン、レイモンド・オコーナー、ジューン・サングイネッテイ・ルエネル、ジョン・W・ラヴJr、サム・ワイプル、トム・トーレス、ロナルド・シモンズ、スチュアート・ウィルソン

(評)アルカトラズ島にあった連邦刑務所は、1934年に正式に設立され1963年に閉鎖されるまで”ザ・ロック”と呼ばれて凶悪犯ばかりを収容する脱出不可能な刑務所として有名であった。収容者にはアル・カポネやジョージ”マシンガン”ケリーなど著名なギャングスターもいたそうな。本作は現在では歴史史跡として観光地となっているアルカトラズ島を、ハメット推将(エド・ハリス)率いる海兵隊が観光客を人質に島を占拠するのが導入部である。彼らは、人質とVXガス搭載のミサイルを交渉アイテムにして、政府に一億ドルの要求を突きつける。政府は極秘裏に事件を解決すべく、現在刑期をつとめているアルカトラズ監獄唯一の脱獄成功者メーソン(ショーン・コネリー)の協力を仰ぐが・・・。老囚人のわりには、やけに若々しくてカッコいいのは、扮するコネリーが主役で製作も兼ねているから当然といえば当然だが、もうひとりの主役であるニコラス・ケイジがすっかりワリをくってしまたのはお気の毒さまだ。島を占拠するのが定番のテロリストではなく、極秘作戦で死亡した兵士の遺族たちに正等な補償を求める同僚の海兵隊員というのが、ひとひねりしてあるが、テロリストのように無条件で殺せないのがアクション映画としては若干ネックにはなっている。マイケル・ベイの大味な演出はスリルもサスペンスもあまり感じさせないが、要所要所に仕掛けられたアクション・シーンはハリウッド製大作らしくさすがに見ごたえがあるので、黙って観ている分にはさほど文句もでないであろう。

(点)65点



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2007年09月28日

現代風ですが何か?

 『ダイヤルM』(98・WB、コペルソン)カラー  107分

 A Perfect Murder

(監督)アンドリュー・ディヴィス
(原作戯曲)フレデリック・ノット
(脚色)パトリック・スミス・ケリー
(撮影)ダリウス・ウオルスキー
(音楽)ジェームズ・ニュートン・ハワード
(PD)フイリップ・ローゼンバーグ
(美術)パトリシア・ウッドブリッジ
(装置)デブラ・シャット
(録音)マイケル・ドレッセル、ジョー・メイヤー、ブルース・L・スタンブラー
(照明)モーリス・フレーム
(編集)ドーヴ・ホーニング、デニス・ヴァークラー
(衣装)エレーン・ミロジニック
(メイク)カーリン・ブロストロフ、ミルトン・ブラス、アラン・ダンジュリオ、ナオミ・ドンネ、トム・ルーカス
(配役)アマンダ・マッケイ・ジョンソン、キャシー・サンドリック
(PM)ジャン・フォスター、クリストファー・デファリア
(特殊効果)ジェフリー・S・ブリンク、ロブ・べネヴィデス、マンネックス・エフレム
(視覚効果)ネーザン・ラフイオネティス
(スタント)マイケル・ランヤード、ダナ・ヒー
(スチール)アンデイ・シュワルツ
(スクリプト)ドルシア・A・カールソン
(タイトルデザイナー)ジェイ・ジョンソン
(助監督)ヘンリー・ブロンチティン
(製作)ピーター・マクレガー=スコット、クリストファー・マンキウィッツ、アーノルド・コペルソン
(製作総指揮)スティーブン・ブラウン

(出演)マイケル・ダグラス、グウィネス・パルトロウ、ヴィゴ・モーテンセン、デヴィッド・スーシエ、コンスタンス・タワーズ、サリタ・チョウドリー、マイケル・P・モラン、ノヴェラ・ネルソンウィル・ライマン、メーヴ・マグガイア、スティーヴン・シンガー、ローリンダ・バレット、アイディーン・オケリー、リード・バーニー、ロバート・ヴィンセント・スミス、ビル・アンブローズイ、ジョージ・S・ブルメンタル、アイリス・ブレイドン、マリオン・ブルメンタル、アンドリュー・サスマン、ロビン・N・サスマン、ラドニー・タッカー、ビヴァリー・タッカー、ブラッドフォード・ビレット、ロバート・ボスコ・コクルジャット、マラット・コシム、リー・ウオン、ロベルタ・オーラン、フランシス・デュモリール、デイーン・バタロウ、ピーター・ベンソン、ジェフ・ウィリアムズ、デヴィッド・イーゲンバーグ、ゾーン・デボール、マイケル・・モイノット、ゲリット・ヴォーレン、モニカ・パーカー、マイケル・H・イングラム、スコット・ディリン、スターラ・ベンフォード、ボブ・ボワーソックス、ジョアンナ・P・アドラー、ジェームズ・ジョージアデス、ホセ・ラモン、ゲイリー・ベッカー、ウィリアム・ボガート、エードリアン・マルティネス、デクスター・ブラウン、ケリー・アウコリン、ジャック・ムルカイ、トード・シーガラ、テイラー・マッコール

(評)ヒッチコックの佳作『ダイヤルMを廻せ!』(54)のリメイク版だが、さすがにこの時代になると電話もダイヤルからプッシュホンに移行しているので、そのままリメイクは難しいと考えたのか、かなり現代風な改変が加えられている。夫が金に窮して妻の財産を得るために、妻を殺し屋を使って殺害しようと計画を立てるが、妻の思わぬ逆襲で殺し屋が反対に殺されてしまう・・・、というストーリーのアウトラインはほぼ同じである。大きく違っているのは、妻の愛人と殺し屋が同一人物ということである。正確に言うと同一だったのだが、同一ではなかったということだが、これ以上言うと本当にネタバレになってしまうので、詳しくは映画を観てもらいたい。だがこの大胆な改変が、誰も信用できない現代社会の空気を醸し出すのに貢献したようだ。ただ細かい部分の演出はヒッチと比較するにはいささか粗雑で、適役と思えた夫役のマイケル・ダグラスのせっかくの巧演も生かしきれなかった。

(点)60点


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2007年09月27日

3Dで観たい!

『ダイヤルMを廻せ!』(54・WB)カラー3D 105分

 Dial M For Murder

(製作・監督)アルフレッド・ヒッチコック
(原作戯曲・脚色)フレデリック・ノット
(撮影)ロバート・バークス
(音楽)ディミトリ・ティオムキン
(美術)エドワード・キャレーレ
(装置)ジョージ・ジェームス・ホプキンス
(録音)オリヴァー・S・ガレットソン
(編集)ルデイ・ファー
(衣装)モス・マブリー
(メイク)ゴードン・ボー
(助監督)メル・デラー

(出演)レイ・ミランド、グレイス・ケリー、ロバート・カミングス、ジョン・ウィリアムス、レオ・ブリット、パトリック・アレン、ジョージ・リー、ジョージ・アルダーソン、ロビン・ヒューズ、サンダース・クラーク、ジャック・カニンガム、ロバート・ドブソン、ガイ・ドールマン、べス・フラワーズ、サム・ハリス、ハロルド・ミラー、マーティン・ミルナー、フォーブス・マーレイ、ザイアー・ロバーツ

(評)ヒッチのグレース・ケリー三部作の一作目<ちなみに他の二作は『裏窓』(54)と『泥棒成金』(55)>。フレデリック・ノットの完成度の高い原作戯曲を、巧みな空間演出とカッティングで見事に映画に移し変えたのは、さすがヒッチコックである。だがヒッチはただウェルメイドに原作戯曲を映像化しただけで満足するような男ではない。グレース・ケリー扮する妻マーゴが、夫トニー(レイ・ミランド)に雇われた殺し屋レズゲート(アンソニー・ドーソン)によって絞殺されそうになる有名なシーン。机の上に倒され首を絞められながらもケリーの恍惚とも思える表情や、ネグリジェから伸びてばたつかせる白くきゃしゃな手足などにゾクッとするようなヒッチ独特の倒錯したエロティシズムを盛り込んでいる。さらにケリーが鋏を掴み、ドーソンの背中へ振りかざす鋭角的なショットのなまめかしさはヒッチならではのエクスタシーの瞬間なのであろう。おそらくこのシーンのためだけに、当時単なる見世物として疎まれていた3Dを起用したヒッチの慧眼は素晴らしい。ただ、私は当の3D版をいまだに観れていないので、この映画の真価というものが十分に掴みきれていないのかもしれない。この後ヒッチはグレース・ケリーという好材料を得て、倒錯したエロティシズムをさらに追求していくことになる。

(点)70点


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2007年09月26日

地味な2トップ

『依頼人』(94・WB、アルカー、レジェンシー)カラーP 119分

 The Client

(監督)ジョエル・シューマカー
(原作)ジョン・グリシャム
(脚色)アキヴァ・ゴールズマン、ロバート。ゲッチェル
(撮影)トニー・ピアース=ロバーツ
(音楽)ハワード・ショア
(PD)ブルーノ・ルベオ
(美術)P・マイケル・ジョンストン、ジェームズ・F・トラスディール
(装置)アン・D・マッカリー
(録音)チャールズ・L・キャンベル、ドナルド・J・マローフ
(照明)パトリック・M・マーレー
(編集)ロバート・ブラウン
(衣装)イングリッド・フェリン
(メイク)デヴィッド・クレイグ・フォレスト、メリー=アンジー・リプカ
(特殊メイク)ジョー・モンテロンゴ、ランデイ・ウェストゲイト
(特殊効果)ラリー・フイオリットー、ウェス・マトックス、スティーヴ・ウオルフ
(配役)メリー・フイン
(PM)シドニー・バーナード
(スタント)リック・バーカー、グローリー・フイオラモンテイ
(スチール)デミー・トッド
(スクリプト)ナンシー・ホプトン
(助監督)コーディ・ベネット
(製作)アーノン・ミルチャン、スティーヴン・ルーサー

(出演)スーザン・サランドン、トミー・リー・ジョーンズ、ブラッド・レンフロ、メアリー=ルイズ・パーカー、アンソニー・ラパグリア、J・T・ウオルシュ、アンソニー・エドワーズ、デヴィッド・スペック、アンソニー・ヒールド、ウオルター・オルケウィック、ウィリアム・リチャート、オシー・デイヴィス、ウィリアム・H・メイシー、ウィル・パットン、ジョン・デイール、ブラッドリー・ホワイトフォード、キム・コーテイス、キンバリー・スコット、ミコール・マルクリオ、ウィリアム・サンダーソン、エミー・ハザウェイ、ジミー・ハーヴェイ・アレン、ロン・デイーン、ウィル・ザーン、マーク・キャブス、ダン・キャステラネタ、トム・キャギイ、アレックス・コールマン、リン・ベックシトラー、ステファニー・ウィーヴァー、トッド・デマース、アシティン・タイラー、ルビイ・ウィルソン、アンデイ・スタール、ロニー・ランドリー、ジェフリー・フォード、マコーン・マカルマン、マイケル・デトロイト、ジョン・フインク、ミミー・グッド、ロバート・ハチェット、コニー・フロランス、サンドラ・プレイ、イヴォンヌ・サンダース、ノーマ・ウッデル、カレン・ウオーカー、レベッカ・ジャーニガン、トミー・クレスウェル、ナット・ロビンソン、メリー・マカスカー、べテイーナ・ローズ、ジョーイ・ハッドリー、マイケル・サンダース、アンジェロ・R・セールズ、クリストファー・グレイ、ジェシー・L・ダンラップ、ジミー・ケント、ロビー・ビリングス、ジョン・メーソン、ロバート・H・ウィリアムズ、ダレル・D・ジョンソン、マーク・パイレス、クレイ・レーシー、ゲリー・ロウ、アンソニー・C・ホール、ジョージ・クレイン、ジェフ・プライス、コデイ・スコット

(評)この時期ベストセラー作家として飛ぶ鳥落とす勢いのジョン・グリシャムをハリウッドが放っておくはずもなく、ジュリア・ロバーツ主演の『ペリカン文書』(93・アラン・J・パクラ)、トム・クルーズ主演の『ザ・ファーム/法律事務所』(93・シドニー・ポラック)と次々と映画化され、時ならぬグリシャム・ブームを巻き起こした。本作もそんな時期に映画化された作品である。正直前2作品は、ハリウッド製スター主義の典型的な作品で、原作の面白さもスター主義の前には埋没するしかなかったようである。本作の主演はスターではなく、スーザン・サランドンとトミー・リー・ジョーンズという地味なことこの上ないお二人であるが、演技力は保障つきなので、今回は原作の面白さを生かした映画に仕上がるかと思いきやこれがさっぱり面白くないのだ。最大の原因は、監督であるジョエル・シューマカーの演出力不足と、5000人から選ばれたという依頼人となる11才の少年役に選ばれたブラッド・レンフロのミス・キャストぶりにある。とにかく実質上の主役であるこの少年が、くそ生意気なガキにしか描かれていないために、彼がいかにピンチになろうともこれっぽっちのシンパシーも感じないのでは、映画としては致命的であろう。

(点)55点


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2007年09月25日

『用心棒』

『ボデイガード』(92・WB*カスダン、ティグ)カラー 130分

 The Bodyguard

(監督)ミック・ジャクソン
(製作・脚本)ローレンス・カスダン
(撮影)アンドリュー・ダン
(音楽)アラン・シルヴェストリ、アラン・デニス・リッチ
(主題歌)”I Will Always Love You”byホイットニー・ヒューストン
(PD)ジェフリー・ビークロフト
(美術)ヴィム・ラッド・スキナー
(装飾)リサ・ディーン
(録音)ジュリア・エヴァシェイド、ジョージ・シンプソン
(照明)ポール・エリー
(編集)ドン・チャンバーン、リチャード・A・ハリス
(配役)エリザベス・ルスティグ
(PM)へレン・ポラック
(衣装)スーザン・ニニンガー
(メイク)キャリー・アングランド、エル・エリオット、エリン・ラ・ヴァル、メデューサ、ヴァリー・オライリー、フランク・キャリソサ
(特殊メイク)トーマス・R・バーマン、バリ・ドレイバンド=バーマン、ジェイク・ガーバー
(特殊効果)バート・ダルトン
(スタント)ノーマン・L・ハウェル(ケヴィン・コスナーのダブル)、ジョイス・ラーキン(ホイットニー・ヒューストンのダブル)
(スチール)ベン・グラス
(スクリプト)カレン・ゴールデン
(助監督)アルバート・シャピロ
(製作)ジム・ウィルソン、ケヴィン・コスナー

(出演)ケヴィン・コスナー、ホイットニー・ヒューストン、ビル・コップス、ゲイリー・ケンプ、クリストファー・バート、ミシェル・ラマー・リチャード、マイク・スター、トーマス・アラナ、ラルフ・ウェイト、リチャード・シフ、デヴィッド・フォスター、デヴォーン・ニクソン、ゲイリー・バーマン、ジョー・ウルフ、トニー・ピアス、チャールズ・キーティング、ロバート・ウール、デビー・レイノルズ、ダニエル・タッカーカミン、エセル・アイラー、ショーン・チーズマン、クリス・コネリー、ナサニエル・パーカー、バート・レムゼン、ドナルド・ハットン、ニタ・ホワイテカー、パトリシア・シーリー、ブルメン・ヤング、ロブ・サリヴァン、ジェニファー・ライオン=ブキャナン、スティーブン・シーレン、ヴィクトリア・バス、アビー・ヴィン、フイル・レッドロウ、ジョセフ・ヘス、マーク・ヴェラスコ、ジョー・アンガー、グウェン・シリガー、スーザン・トレイラー、パット・ヴァン・パッテン、シェリー・A・ヒル、エミー・ロー・デンプシー、ロージー・リー・フックス、ケン・マイルス、ロバート・L・フェイスト、チャールズ。バザルドウア、トレーシー・ローガン、アート・スパン、ダグラス・プライス、エリン・ラ・ヴァル、ジョセフ・ザブロスキー、ローリン・ジャレット、デヴィッド・M・モラノ、カーラ・リゼット・メシア、リンダ・トンプソン、トワンナ・キング、タイス・ブーン、ショウン・イール、アル・カマル、ダン・ココ、L・A・ロスマン、ジョン・テシュ、マーク・トマソン

(評)元々は70年代にスティーヴ・マックイーンとダイアナ・ロスのコンビで企画されたらしいが、当時はまだ人種差別やら何やらで実現にはいたらなかったようである。20年後満を持してケヴィン・コスナーとホイットニー・ヒューストンのコンビで映画化実現したのが本作である。内容は超一流のボデイガード、フランク・ファーマー(コスナー)が、悪質な脅迫に脅える人気歌手レイチェル・マローン(ヒューストン)を警護する内に恋におちてしまうというもの。だが主人公のフランクは超一流のボディガードと自慢しているわりには、誘惑に負けて依頼主と出来てしまうは、危険なダウンタウンへふたりっきりでのん気に映画<黒澤明監督の『用心棒』(61)>を観に出かけてしまうなど、超一流とはとても思えない行動をするのは大いに白けてしまう。さらに人気女性歌手役のヒューストンに女優としての魅力があまりないのもツライね。キャンキャン怒鳴っているだけのキャラクターずけも感心しない。シナリオがこれまた絵に描いたようなご都合主義で、演出もそれに右ならえではまともな映画が出来るはずもない。ダシに使われた『用心棒』には、まことに不名誉としか言いようがない。

(点)40点


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2007年09月24日

ハーヴェイ・カイテル

『アサシン』(93・WB=アートリンソン・プロ)カラーP 109分

 The Assassin(Point of No Return)

(監督)ジョン・バダム
(原作)リュック・ベッソン
(脚色)ロバート・ゲッチェル、アレクサンドラ・セレス
(撮影)マイケル・W・ワトキンス
(音楽)ハンス・ジマー、ハリー・ペリー
(PD)フイリップ・ハリソン
(美術)シドニー・Z・リトウェック
(装置)ジュリア・ラフリン
(録音)ウェイン・アートマン、ウィリー・デ・バートン、トム・え・ダール、アレックス・ギブソン、ジェームズ・J・イサクス、デール・ジョンソン、フランク・ジョーンズ、マーヴィン・E・ルイス、ウィリアム・L・マンガー、リチャード・オズワルド、ソレンジ・S・シュワルブ、シェリー・ホイットフイールド
(照明)マーク・アボット
(編集)フランク・モリス
(衣装)マレーネ・スチワート
(メイク)R・クリストファー・ビッグス、キンバリー・フェリックス、ヴィヴィアン・マカティール、トニー=アン・ウオーカー、リザベス・ウィリアムソン
(配役)ボニー・ティマーマン
(PM)ジェームズ・ハーバート
(特殊効果)ピーター・アルビーズ、ラーズ・アンダーソン、アルバート・デルガード、ゲイリー・L・カラス、ケリー・カービイ、ロバート・L・オルムステッド、ケン・ぺピオット、ジンター・レペカス、トーマス・R・ワード
(スタント)スティーヴ・チャンバース、ジョージ・ジョルダーノ、マイク・ロジャース、スズメイ・アンダーソン
(スチール)ブルース・W・タラモン
(タイトルデザイナー)ウェイン・フイッツジェラルド
(第二班)D・J・カルーソ
(助監督)デヴィッド・ソースナ
(製作)アート・リンソン
(製作総指揮)ロバート・ゲッチェル、アレクサンドラ・セレス

(出演)ブリジット・フォンダ、ガブリエル・バーン、ダーモット・マローニー、アン・バンクロフト、ハーヴェイ・カイテル、ミゲル・ファーラー、オリヴィアス・ダボ、ジェフリー・ルイス、、リチャード・ロマナス、ローレイン・トーセイント、マイク・ロジャース、マイケル・ラパポート、レイ・オリエル、スパイク・マックルーレ、リュークス・ドレスラー、ジョン・カポタイス、カーメン・ザパタ、カルヴィン・レヴェルス、マイケル・ランヤード、ビル・M・リューザキ、ジャン・スペック、フランチェスコ・メッシーナ、ピーター・マーク・ヴァスケス、ウェンデイ・L・デイヴィス、ジェームズ・ハンデイ、リー・デュプリー、デヴィッド・ソスナ、ブルース・バーンズ、ジャクリーン・コッチ、ケニー・エンドーソ、ゲイリー・カスパー、ロザリンド・ジュー、エリック・コーヘン、フランシス・チョウ、ジョー・ガルシア、フランク・ジェラルドウ、クラーク・へザークリフ・ブローリー、ジュデイ・マーケル、ロバート・ハーヴェイ、ハリー・ペリー、ロバート・アピサ、デヴィッド・R・メイール、ロニー・ロンデルJr

(評)リュック・ベッソン監督の快作『ニキータ』(90)のハリウッド版リメイク。基本的なストーリーや人物等の設定はほぼ一緒だが、フイルム・ノワール色の強かった前作に比べると、派手ではあるが内容の薄いB級アクションと化してしまている。元のシナリオが面白ければその通りに撮れば、どんな監督が撮ろうともそこそこ面白くなるはずなのだが、凡手のジョン・バダムではそれもかなわなかったようだ。このバダムという監督は、売れっ子で矢継ぎばやに新作を発表しており、私も何故かほとんど観ているのだが、いずれも凡作、駄作、愚作ばかりで快作と言えるのは『ブルーサンダー』(83)ぐらいしか思いつかない。予算内できっちり仕上げて、そこそこヒットをとばすというので重宝されているのだろうが、目に見える画面ずくりにばかりに気がいって、人間ドラマの方がすっかりお留守になってしまっている。前作ではニキータという名であった主人公が、ここではマギーというアメリカ風の名に変わり、ピーター・フォンダの娘ブリジット・フォンダが熱演しているものの、人間ドラマがお寒いため、彼女の熱演も空回り気味なのは残念である。他の役者も生殺し状態の中で唯一気を吐いたのは、前作でジャン・レノが扮した死体掃除人役を、今回はハーヴェイ・カイテルが扮して前作同様ショートリリーフながら、圧倒的な存在感で場面をかっさらった。あと前作で印象的だったラストを改悪してしまたのも問題ありだぜ。

(点)55点



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2007年09月23日

掃除人

『ニキータ』(90・仏、伊*セッチ・ゴリ・グループ、レス・フイルム、ソサイエット)カラーV 115分

 Nikita

(監督・脚本)リュック・ベンソン
(撮影)テイエリー・アルボガスト
(音楽)エリック・セラ
(PD)ダン・ウェイル
(装置)ジュリー・スフェツ
(録音)ジャン=フランシス・アウガー、マイケル・バーリル、ピエール・ベフブ、ドミニク・ボード、サヴィエル・グリエット、パトリス・グリソレット、マリー・グエスニール、ジェラルド・ラプス、ジャック・レヴィ、ジェローム・レヴィ、エリック・モール、フランシス・レヴィ
(編集)オリヴィエ・マーフロイ
(衣装)アレヌ・アンジェリーン、ヴァレンティン・ブレストン・デス・ロイス、ミミ・レムピッカ
(メイク)ポール・デーフイッシャー、クロディーヌ・グルメラート、ジュヌヴィエーヴ・ペイララド
(配役)ナタリー・シェロン
(PM)ジェローム・チョーロー
(特殊効果)ジャック・マーティン
(スタント)イザベル・アドノット、ジャン=ルイス・エローラ、フランク・べドウ、ゲイタノ・フォルゾーネ、イヴス・ガブリエリ、ゾーア・レイナフ、マイケル・ノーマン、レスリー・レイン
(スチール)パトリック・キャンボーリヴ
(スクリプト)エリザベス・チョーチュイ
(助監督)クリストフ・ヴァソート
(製作)パトリス・ルドウー
(製作総指揮)クロード・ベッソン

(出演)アンヌ・パリロー、ジャン=ユーグ・アングラード、チェッキー・カーリョ、ジャンヌ・モロー、ジャン・レノ、ロラン・ブランシェ、ジャン・ブイーズ、フイリップ・ドウ・ジャネラン、フイリップ・ルロワ・ボーリュー、マルク・デュレ、パトリック・フォンタナ、ジャック・ブーデ、アレイン・ラジェル、ローラ・チュワン、エレーネ・アリギール、ピエール=アラン・デ・ガリグエス、パトリック・ペレス、ブルーノ・ランドン、ヴィンセント・スキメンテイ、ジョセフ・テルエル、ジャック・ディセル、ステフイン・フェイ、フイリップ・テヘステイン、マイケル・ブルーノ、ロドルフ・フレイット、パヴェル・スラビア、ジャン=リュック・キャメロン、レノス・マンデイス、ジャン=マーク・マーセット、パトリック・セリエレ、イスカ・カーン、ヘイケ・フイッシャー、パトリック・ビークワンダ、エディ・ガイドウ、ホセ・スタインマン、フイリップ・アナンド、ジェラルド・トゥーレイテール、ジャン・べディン、イーデイス・ペレット、ジャン=ピエール・ポーテイ、マイケル・キャンパ、マーレー・グランウェル、ピエリック・カーペンティア、ラファエル・サルタン、エリック・プラット、ミア・フライ、オリヴァー・ヒーモン、クリスチャン・ガジオ、ジェローム・チャロウ、ジャン=クロード・ボール・レダト、パトリック・チャウボー、モーリス・アントニ、マシュー・アーチャー、アレクシス・デュプイ、マイケル・アミエル、ガイ・ヴァン・リエット、サヴィエル・ボナストレ

(評)日本製アニメにインスパイアされたとおぼしきニキータと呼ばれる女殺し屋が活躍する小気味のいいアクション映画。ニキータ(アンヌ・パリロー)は、警官殺しで死刑宣告を受けたとんでもない女だが、政府のために強制的に殺し屋として生まれ変わるという設定が、大仰で過激ながらある種のリアリテイを感じさせるところが、日本製のアニメ、劇画に非常に似通っている。女殺し屋といえば必ずありがちなお色気シーンを極力押さえ、ニキータと彼女を監視する上司ボブ(チェッキー・カリョ)そして彼女の恋人マルコ(ジャン=ユーグ・アングラード)の三者三様の心理描写を的確にからめていったあたりに、この映画にある種のリアリテイが生まれた秘密があるようである。アクションスターではないアンヌ・パリローのタイトなアクションシーンもまずまずの出来ばえだし、ラストのアラン・レネ風なアンニュイな終わり方も悪くない。アンヌ・パリローを初め主演チームはそれぞれ好演だが、途中で突然登場し嵐のように去っていく死体の掃除人役のジャン・レノがまんまと場面をさらって行く。この役のスピンアウトが、後年『レオン』(94・リュック・ベッソン)へと発展していくわけだ。

(点)70点


dkp123 at 13:39|Permalink

2007年09月22日

エロール・フリン

『上海から来た女』(47・コロンビア、マーカス・プロ)モノクロ 87分

 The Lady from Shanghai

(監督・脚色・製作)オーソン・ウェルズ
(原作)シャーウッド・キング
(脚色)チャールズ・レデラー、フレッチャー・マークル
(脚色・共同製作)ウィリアム・キャッスル
(撮影)チャールズ・ロートンJr、ルドルフ・マテ、ジョセフ・ウオーカー
(音楽)ハインツ・ロームヘルド 
(美術)スタージェス・カーン、スティーヴン・グーソン
(装置)ウィルバー・メネフイ、ハーマン・ショーエンブラン
(録音)ロージ・カニンガム
(編集)ヴィオラ・ローレンス
(衣装・第二班)ジーン・ルイス
(メイク)クレイ・キャンベル、ヘレン・ハント、ロバート・J・シェィファー
(特殊効果)ローレンス・W・バトラー
(スタント)テリー・ウィルソン
(スチール)エドワード・クロネンウェス、ネッド・スコット
(歌吹き替え)アニタ・エリス(リタ・ヘイワース)
(スクリプト)ドロシー・B・カーマック
(コンティニュイティ)ヴァージニア・ヴァンアップ
(テクニカル・アドバイザー)エロール・フリン<ヨット・シーン>
(助監督)サム・ネルソン
(共同製作)リチャード・ウィルソン
(製作総指揮)ハリー・コーン

(出演)リタ・ヘイワース、オーソン・ウェルズ、エヴァレット・スローン、グレン・アンダース、テッド・デ・コルシア、ルイス・メリル、イヴリン・エリス、エルスキン・サンフォード、ガス・シュリング、カール・フランク、ハリー・シャノン、ウィリアム・アランド、ジェシー・アーノルド、ジャック・バクスレイ、スティーヴ・ベントン、ヴァーノン・キャンシノ、ドリス・チャン、ジョージ・チレロ、ウオン・チャン、エディ・コーク、ピーター・クサネリ、アル・イーブン、エデイス・エリオット、ヒーナン・エリオット、ジョン・エリオット、ジョセフ・グランビイ、ロバート・グレイ、アルヴィン・バイ、メイナード・ホルムズ、テイニイ・ジョーンズ、バイロン・ケーン、ミルトン・キビー、プレストン・リー、グレース・レム、ビリー・ルイ、チャールズ・ミーキン、フイリップ・モリス、サム・ネルソン、メリー・ニュートン、ジョー・パルマ、エドワード・ペイルSr、ジェラルド・ピアス、ジョー・レチト、メーベル・スマニー、ハリー・ストレンジ、ノーマン・トムソン、ファリップ・ヴァン・ザント、ドロシー・ヴォーン、ブラッキー・ホワイトフォード、リチャード・ウィルソン、アルタルネ・ウオン、ジーン・ウオン、エロール・フリン<カメオ>

(評)当時別居中の妻リタ・ヘイワースをファムファタールに据えた、オーソン・ウェルズのフイルム・ノワール仕立ての野心作。フイルム・ノワール仕立てといったのは、途中までは確かに雰囲気、ストーリーともに正調フイルム・ノワールとして進行するのであるが、クライマックスに至りそれまでの積み重ねを捨て去るが如き大暴走、大爆発をしてしまう。この辺は後年のケン・ラッセルを彷彿とさせる。無実の罪を着せられた主人公オハラ(ウェルズ)が、突如休演中の遊園地に連れ込まれて、鏡の間で撃ちあいとなるかの有名なシーンである。この正調シーンからクライマックスシーンへの大胆なジャンプが、いささか唐突感を与えるとすれば、それは本作が会社側から1時間ほど強制的にカットされたせいであろう。しかるにこれは、ウェルズがおそらく別れ行くであろう妻リタに向けた、逆ラブレターとでも言えるメッセージ映画だったのかもしれない。この映画は興行的に失敗し、リタとウェルズもほどなく正式に離婚した。ちなみに自分のヨットを撮影に提供したエロール・フリンが、カメオ出演している。


(点)70点


dkp123 at 16:31|Permalink

2007年09月21日

カジキマグロ漁

『パーフェクト・ストーム』(00・WB、ボルティモア・スプリング・クラーク、ラデイアント・プロ)カラーP 130分

 The Perfect Storm

(製作・監督)ヴォルフガング・ペーターゼン
(原作)セバスチャン・コンガー
(脚色)ビル・ウィットリフ
(撮影)ジョン・シール
(音楽)ジェームズ・ホーナー
(PD)ウィリアム・サンデル
(美術)チェス・ブッチャー、ブルース・クローン
(装置)エルニー・ビショップ
(録音)ジム・ヘンドリクソン、ウィリー・ステートマン
(照明)ジョン・カーニー、ジェシ・マザー、パトリック・マーレー
(編集)リチャード・フランシス=ブルース
(衣装)エリカ・エデル・フイリプス
(メイク)スーザン・キャブラル=エバート、ヴァージュア・G・ハッドフイールド
(配役)ジャネット・ハーシェンソン、ジューン・ジェンキンス
(PM)トッド・エルノウ、ダンカン・ヘンダーソン
(第二班)デヴィッド・R・エリス
(特殊効果)ジョン・フレイジャー
(視覚効果)シュテフェン・ファンマイヤー、ヨアキム・アーネッソン、ジョエル・アローン、ピーター・ダルトン、ダン・ゴールドマン、サミール・ホーン、キース・ジョンソン、スチュワート・リュウ、カート・ミヤシロ、ヘンリー・プレストン
(スタント)ダニエル・W・バーリンガー
(スチール)クラウデット・バリアス
(助監督)アラン・B・カーティス
(製作)ポーラ・ワインスタイン、ゲイル・カッツ
(製作総指揮)バリー・レビンソン、ダンカン・ヘンダーソン

(出演)ジョージ・クルーニー、マーク・ウオールバーグ、ダイアン・レイン、ジョン・C・ライリー、ウィリアム・フイクトナー、カレン・アレン、ボブ・ガントン、メアリー・エリザベス・マストラントニオ、ジョン・ホークス、ジョシュ・ホプキンス、ラステイ・シュイマー、アレン・ペイン、クリストファー・マクドナルド、ダッシュ・ミホク、マイケル・アイアンサイド、チェリイ・ジョーンズ、ジャネット・ライト、ブルース・マーラー、トッド・キムゼイ、ブラッド・マーテイン、クリス・パレルモ、ヘイドン・タンク、マール・ケネデイ、ジョセフ・D・ライトマン、サンデイ・ワード、メリッサ・サミュエル、J・スコット・ションカ、ビリー・メイヨ、パトリック・スティンソン、テリー・アンザー、ジェームズ・リー、クリストファー・メルバーグ、ロイド・マローン、ティム・トロットマン、カテリン・C・ブラウン、マイケル・スパセク、ウオルター・アルトマン、マイルス・シュナイダー、バリー・ルトスタイン、ジム・アルゲンブラット、ウィリー・M・ピケット、スティーヴ・バー、マーク・アダムス、パトリック・フォリー、ジェニファー・サマーフイールド、ジャネット・ボーグマン、ティム・カウギル、エリザベス・ダウ、マット・デュガン、アラン・フランシス、セバスチャン・ユンガー、エドモンド・ローフリン、ケヴィン・マクナマラ、ケン・パーラム、マルシオ・ロザリオ、マイク・スワンソン、アレックス・ウオーレス

(評)1991年に北大西洋上でハリケーンと3つの嵐が大激突して発生した”パーフェクトストーム”に、カジキマグロ漁をしていて巻き込まれた一隻の漁船の運命が描かれる。観客をピンチの連続で散々ハラハラさせておいて、最後の最後にハッピーエンドに持っていくというのがハリウッド製大作娯楽映画の王道であるが、漁船の乗組員が全員死んでしまうのは実話だからしょうがないのかもしれないが、後味はやはりよくない。その辺のセオリーの外し方が、ヴォルフガング・ペーターセンのクセ者ぶりをアピールしているようでもある。この映画の最大のウリである”パーフェクトストーム”は、看板に偽りなしの大迫力の出来なので、パニック映画としての及第点には達している。ただ個人的にはパーフェクトストームよりも、酒場での船員たちのグタグタしたドラマに、ペーターセン演出のちょっとしたコクを感じた。

(点)65点


dkp123 at 12:34|Permalink