ある歯医者の独り言

ある歯医者の日常の治療、特に咬み合わせの治療に関する思いを綴る日誌

独り言

 遠方から来られた患者さんの話ですが、噛み合わせを治して欲しいと言って来られました。口の中を診たり、レントゲンを撮ったりして治療方針は決まっていたのですが、その要になる犬歯の根の治療をやり直せなければいけない状態でした。その治療に通って来られるのは大変だろうと、根の治療は地元の歯科で治してもらったらと話をして、その治療が終って今度来られるときは、仮の歯で噛み合わせが造れるように準備だけしておこうと仮の歯の型を採りました。噛み合わせだけを治すならそんなに難しい治療ではありませんでした。
 その後すぐ電話があり、根の治療を専門的にやっている歯科で保険外でやってもらっていますという事でした。この時思ったのは、保険で有ろうと、保険外で有ろうとしっかりやらなけばいけないのは当然ではないかという事でした。
 そうしてまたすぐに電話がありました。根の治療が終ったのでこちらに伺いますという電話がありました。治療が早すぎるなと、とっさに思いました。もともと神経が壊死してない歯なら、2回の治療で終われますが、神経が壊死している歯は、感染根管と言って、根の先の骨も感染している恐れがあります。ただ単に感染している根管という神経が入っていたところを綺麗にするだけではいけません。根の先の骨の部分も何度か消毒して、無菌状態になったのを確認して治療を終えなくてはいけません。それにはどうしても日数が要ります。 
 治療した先生からの報告書がありました。確かにレントゲンで見る限り確かな治療がしてありました。ところが一つ大きな問題がありました。歯を被せるために、虫歯でなくなった部分を補うために、コアーを入れて、被せが出来るような形にしなければいけません。私のところではそれを金属で作っています。しかしこの歯にはレジンポストコアーというものが入っていました。その上歯との境に亀裂が入っているのでそれを修正してくださいとのコメントが書かれていました。
 私がとっさに思ったのは、この患者の治療はやらないほうがいいという事でした。というのは犬歯は物を噛み切ったり、他にも大事な機能があります。かなり負荷がかかる歯です。レジンポストコアーではこの歯では将来破折する危険があります。患者さんというのは、何か起こった際、最後に治療した先生に責任を押し付ける物です。あとで言いつくろっても聞いてくれません。
 そこで私は何とかこの根の治療をした先生にも迷惑をかけないように、うまく治療を止めてくれないかと四苦八苦して、色々話をしました。色々話をして、結局その日は何も治療をしませんでした。
 その後電話がかかって来て、先生は認知症があるみたいだから、もう治療はしませんという内容です。認知症にされたのは悔しいですが、それよりも止めてくれると言ってくれて内心ホットしました。

ある患者さんの話

 一昨日来られた患者さんの話です。75歳男性。実はこの患者さんは10年ほど前噛み合わせを治しました。
 今回来られたのは、右のほうでしっかり噛めない、そして左下股関節が痛いのは何か噛み合わせに関係あるのだろうかという事でした。
 その患者さんとはチェアーに座ってもらう前に、立ち話をして症状を聞いていましたが、その時気が付いたのは右肩が下がっていることで下顎が右のほうに後退して来ているなという事でした。
 初めは右の犬歯に被せがしてあるのですが、それが擦り減って噛んではいないのだろうと思い犬歯を調べてみましたが、しっかり噛んでいました。そこで奥歯を調べましたが、第2小臼歯に動揺があり、これに歯周病が起こっているのかと、レントゲンを撮ってみました。その結果、第2小臼歯と第1大臼歯の歯茎の周りに虫歯が進行していました。歯周病のほうは問題なかったようです。
 治療方針としては、右下の小臼歯2本と、第2大臼歯がないので、この3本の被せをやり直すことにしました。
 まず第1大臼歯の被せを外して、虫歯の部分を削って取り、外した被せを利用して、仮の歯を作りました。それを形態修正して、まずこの歯だけでも正しい噛み合わせに治しました。そして残りの2本を治すための仮の歯の型を採りました。次回はこれら3本の歯を仮の歯に治して様子を見てよければこの仮歯の噛み合わせのまま3本の歯の被せを治していく予定です。
 実はこの患者さんに説明のためにレントゲンを見てもらおうとしましたが、レントゲンが右側にあるため、見てくださいと言っても、首が右側に回らないのです。
 その日の治療が終って、歩いている後ろ姿を見ると、両方の肩が同じ高さになっていました。そうして受付に私ももう少し患者さんに言いたいことがあったので行ってみると、患者さんから「今まで腰を落として膝を曲げると、股関節が痛かったのに、まったく痛くない。」と驚いていました。そこでまた「首を左右に回してみてください。」と言ってやってもらうと、「首が右にもスムースに回る。」という事でした。
 被せた2本の歯が虫歯になったのも、噛む位置が変わってきたためですが、10年前に噛み合わせを治した人が何故また悪くなったかについては、説明すると長くなるので、またの機会にします。

ある患者さんの話

 44歳男性の患者さんです。左上の歯が咬んだら痛いと言って来院しました。
 口の中を診ましたが、虫歯のようではないと思いました。上下第一大臼歯に詰め物がしてあったので、もし詰めたところが2次カリエスと言ってまた虫歯になっていてはいけないと思いレントゲンんを撮りましたが、虫歯ではなかったようです。歯周病のほうも骨の吸収はなく異常はありませんでした。
 そこで噛み合わせを診てみようと左の奥歯の噛み合わせを診ました。左上第一大臼歯が他の歯と比べて高く下の第一大臼歯の詰め物は、一目でわかるほど窪んでいました。
 そこでまず顎関節の触診を行いましたが、大きく口を開けてもらうと左の関節がカクンと音がします。口を大きく開けるとき、真っ直ぐ口が開かないのです。
 そこで丁度患者さんの口と同じような上顎第一大臼歯を高く作り、下の第一大臼歯を低く作った模型をみてもらいながら、どうして左顎が後退するか説明しました。そして自分の指で、実際左上第一大臼歯が飛び出ていることを確認してもらい、このような場合正しい位置で咬もうとすると上の第一大臼歯の奥の方が、下の奥歯にあたって咬めない。そこで上の顎と下の顎が咬みあうには、下顎をずらさないと咬めないことを理解してもらいました。そうして、上の歯を調整して他の歯と同じ高さにして、口をゆすいでもらい、そのあとすぐ大きく口を開けてもらいました。カクンという音は無くなりました。
 このような咬み合せが、殆どの場合、顎が痛い、口が開かない、大きく口を開けるとカクカク音がする原因になっています。
 上下の歯は1対2で咬んでいます。決して1対1で咬んでいません。このためこのようなことが起きるのです。
 その上日本人はお米を主食としてきた民族です。そのためものを食べるのに磨り潰すような食べ方をします。歯は垂直な力には強いのですが、横や斜めからの力には弱く強く咬めません。1本高い歯があったらどうでしょうか、この歯だけガチガチ当たって痛くなるのは当然です。こういう咬み合せの歯は将来歯周病としてグラグラしだすのです。
 また第一大臼歯の噛み合わせが悪いと腰痛が起こりやすい。彼に聞いてみると、やはり時々痛くなるとのことでした。
 また左下顎が後退すると、循環器系、呼吸器系に影響が出ることも説明しましたが、例えば血圧が高くなる、不整脈、狭心症、酷くすると心筋梗塞などになることもあると説明したところ。もう不整脈が時々出ているとのことでした。

私の忘れられない嚙み合わせ治療2

 この患者さんは、まだ若い二十歳代の患者さんだったと思います。顎が痛くて口を開けるとカクカク音がすると言って来たように思います。見ると顎の問題だけでなく、手足や顔が広い範囲に広がってただれていて、これはかわいそうにと思いました。これは噛み合わせの所為なんだろうか、それとも口の中の銀合金によるアレルギーなのか判断が付きませんでした。とにかく顎の痛みが取れるように治療しようと始めましたが、かなりの歯の被せをやり直しました。結構長期間の治療になりましたが、顎のほうは治りました。それから何年かしてある保育所に噛み合わせの話をしに行ったとき、彼のほうから話かけて来て、手足や、顔のただれが綺麗に無くなって「ありがとうございました。おかげで結婚もでき、子供もできました。」とお礼に来てくれました。身体の調子も良くなったそうです。
 次の患者さんは若い女性でしたが、虫歯の治療でなく身体の調子が悪いから噛み合わせを診て欲しいと言って来た患者さんです。
 不定愁訴は、肩首回りの凝り、腰痛、生理痛、顔の吹き出物、まだほかにもありましたが、もう一つは鬱病で心療内科に2年程通っていたそうです。
 この患者さんは左上第一大臼歯が他の歯より高かったのでそれを調整しました。それと上下大臼歯に詰めてあったCRという詰め物を3本インレーという金属で作った詰め物に変えました。治療日数は3回です。それだけで全ての不定愁訴が治りました。もちろん鬱病もです。その後時々検診に来ていましたが、再発はありません。
 次はゴルフで知り合った人なので良く覚えているのですが、左肩が痛くて上がらないということで、2年間ダンベルで肩を鍛えようとしていたらしいのですが、いつまで経っても治らず、一度私が嚙み合わせと身体の話をしていたのを聞いて来られたのですが、左下奥歯2本をインレーを詰め直してあげただけです。治療が終って椅子から降りたとき、「腕が挙がらないんだよなー」と言って左腕を上げようとしました。「あれ腕が挙がる。痛くもない。」と言って喜んでおられましたが、その後ゴルフも順調で、シングルになられました。
 次は友人の娘さんの話ですが、所謂緊張性不安症で、睡眠が良く取れない、結婚してなかなか子供ができない其の所為かもしれないが、精神的に不安定になっている。噛み合わせで治るだろうか相談を受けました。そして来院して、右側の下顎が前に出て来るように仮の歯で噛み合わせを造りました。実はそれだけで良く寝れるようになり、精神的にも落ち着いたようです。それから仮の歯を本当の被せに治して治療を終わりましたが、その後精神的にも落ち着いたこと、妊娠したとの報告も受けました。友人は孫が出来たと本当に喜んでいました。
 私の忘れられない患者さんはまだまだいます。それが医科の先生だったりしたことも3人ばかりおられます。
 日々の診療で感じることは歯の噛み合わせから起こる病気で困っている人は結構多いだろうという事です。
 だから例え1本の虫歯でも、噛み合わせを狂わさない治療を私たちは心掛けなければいけません。

私の忘れられない嚙み合わせ治療

 私が嚙み合わせ治療を始めて最初の患者さんです。お年寄りでしたが、足が悪くタクシーで来られ杖をついて来られていました。その患者さんのは上下とも総入れ歯でしたが、新しい入れ歯を入れて1週間ほどして、朝私が朝散歩している時、その患者さんがバイクに乗っているのです。驚きました。同時に嚙み合わせの大切さを身に沁みて感じました。
 次の患者さんは、2番目に治療した患者さんです。腰が痛くて痛くて夜も寝れない、相当辛そうでした。左上の犬歯、第一第二小臼歯にかかっているブリッジを外して、新しいブリッジを作ってあげたのですが、腰の痛みは完全に治りました。喜んでこの話を会社の同僚に話をしたそうですが、だれも信じてくれなかったそうです。
 次の患者さんは広島から来られていましたが、車から降りて娘さんと、ご主人に抱えられて来られました。これは大変だと、土曜日でしたが、午前午後と時間をかけて仮の歯で噛み合わせを作りました。月曜日に電話がかかって来ました。家の中では自分で歩けるようになりましたと。そうして本当の歯を入れて元気になられたようです。
 次の患者さんは、身体の調子が悪いと言って来られました。左下のブリッジが悪いとすぐ気が付き、それを治すための仮の歯のための型を採ってその日は帰ってもらいました。ところが次に来られた時、内科で診てもらったところ、心臓の手術をしなければいけないと診断され、心臓専門の病院に行っても同じことを言われ手術をすることにしましたと言われました。そこで手術がうまく行くように、左下のブリッジを仮の歯に治しときましょうと言って治しましたが、それから間もなくして来られて、実は手術前の検査をしたら、手術は必要ないといわれ退院して来られたようです。その後本当のブリッジを入れて、息子さんとは顔見知りだったので、その後を聞いてみると元気にされているという事でした。
 次の患者さんは、首が原因で脳に入る血流が不足しているので、首の手術をしなければいけなかったようですが手術が怖くてやめていたそうです。その患者さんがかかっていた病院に電話をして主治医の先生に話を聞き、その頃は仕事もできず、生活保護を受けtられていたようですが、とにかく下の奥歯にはインプラントをし上は総入れ歯で治しました。その後やって来て、船乗りさんだったらしいのですが、また船に乗って仕事をしているとのことでした。
 次の患者さんですが、鬱病で、話をした当時は不安で家からも出ることが出来ない状態だったのですが、噛み合わせから起こることも多いので勇気を出してくるように言ったところ来院してきたので、噛み合わせを治しました。鬱病は治ったようで、それから働きだし、実は昨日あったのですが、話していても笑顔が絶えない、楽しそうに振舞っていました。
 忘れられない患者さんはまだまだおられますが、治療を始めた頃から順に書いてみました。また他の患者さんのことも書いてみたいと思っています。

お口から始まる全身の健康

 先日ある会社から一冊の本をいただきました。
 糖尿病専門医である西田亙先生の書かれた「糖尿病がイヤなら歯を磨きなさい」という本です。
 この本によると先生自身が、糖尿病専門医であるにも関わらずメタボリックシンドロームの権化で糖尿病、おまけに重症の不整脈もあったそうです。そんなとき歯科衛生士に歯垢と歯石をとってお口の中をピカピカにしてもらい、正しい正しい歯磨きと歯間清掃(歯と歯の間の掃除)のやり方を教えてもらった先生の身体に奇跡とも思えることが起こったそうです。
 約1年で18キロのダイエットに成功し、高血圧や高血糖、重症の不整脈など、抱えていた病魔は全て退散したそうです。
 近年歯周病による微小炎症が慢性的に毛細血管を通して身体に様々なダメージを与え、全身疾患のリスクを高めることがわかって来ました。
 糖尿病、肺炎、骨粗しょう症、心疾患、脳卒中動脈硬化などです。特に糖尿病発症率は2・5倍、心筋梗塞の発症率は3倍に高まるそうです。
 当院では歯ブラシと歯間ブラシを使って歯の磨き方を必ず指導していますが、初めて来られた方の殆どと言っていいほど間違った磨き方をしています。まず口の中を診て、歯茎の状態、歯の状態を見れば、正しい磨き方をしているかどうかはすぐ私にはわかりますが、まず患者さんの毎日やっている磨き方をやってもらいます。そこであなたの歯ブラシは、使っているうち毛先が開いてきませんかと質問すると「はいそうです」という答えが返ってきます。正しい磨き方をしていると、歯ブラシの毛先は何か月使っても毛先が開いてくるようなことはありません。また歯間ブラシにしても使ってないか、殆どが爪楊枝代わりに使っているだけです。正しい使い方で磨いてあげると必ず歯茎から出血してきます。歯肉炎を起こしているのです。
 また当院ではバクテリアセラピーといって、ノーベル生理学、医学賞審査本部が産学協同した、口内菌を管理する新しい方法ですが、善玉菌「ロイテリ菌」によって口内の菌室をコントロールする方法です。トローチですが一日一粒なめてもらうだけです。歯周病歯肉炎への効果はもちろんですが、口臭、母乳の乳質を高める、アトピーを抑える、ピロリ菌を抑える、便秘などに効果があり、善玉菌は脂肪を餌としているのでダイエットにもいいそうです。
 とにかく、歯周病が身体じゅうの病気との関係性が確認されている以上、まず口の中を健康にしておくことが大事なことです。
 

ウィニングスマイル

 先日ある人から質問を受けました。
 ガムを噛んでいるのだが、片方だけで咬んでいいのかという質問です。
 小山悠子先生の「美顔術」という本の言葉を借りると、顔の歪みの原因ベスト3は、1噛み癖、2口呼吸、3寝ぐせだそうです。
 これも小山先生の本から引用させてもらったことですが、アメリカでは昔から「笑顔のいい人は成功し、いい収入を得て、いい友達に恵まれ、人生を豊かに過ごすことができる」と言われているそうです。魅力的な笑顔のことを「ウィニングスマイル、またはサクセススマイルと言います。
 笑顔は知性と魅力をアピールし、笑顔が素敵な人は、仕事、プライベートを問わず成功する可能性が拡大するというわけです。
 ウィニングスマイルのポイントは、一番に「口角」にある。週刊誌の特集に「口角アップは好感美人の条件」という記事があったそうです。
 この小山先生の本の中に、TVや映画で、口角アップの女優さんは主役や重要な役をやっているのに、口角がさがっている女優さんは、わき役か、悪役にしかなれないという部分もありました。
 私は最近、良くTVでサスペンスものをよく見ているのですが、そういう目で見ているとなるほどそうだと思わされます。
 ある会社の話を聞いたことがありますが毎朝仕事の前に、女子従業員に笑顔を作る練習をさせているそうです。
 では口角アップの条件はというと、両方の口角が同じようにアップするには下顎がどちらか片方にズレているとできません。つまり咬み合せが悪いと、左右綺麗な口角アップはできません。また前歯が綺麗で歯並びが良くないと、なかなか大きな口を開けて、お話をしたり、笑ったりすることが出来ないのではないかと思います。
 あるひとの質問の問題に戻ります。片方だけで咬んでいいのかという事ですが、良く咬んでいる筋肉は引き締まって輪郭もシャープになりますが咬んでないほうは表情筋もたるんできます。左右両方の歯でよく咬むことが大切になって来ます。
 これも小山先生の本の中から引用させていただいた言葉ですが「若いときから意識して口角アップを心掛けましょう。口角がアップしていると、いつまでも若く見えてごまかしがきくのです。」
 口角をアップする訓練用の道具もあります。これを使うのも一つの手です。

顔の崩れの原因は噛み合わせ

 先日TVを見ていると、〇〇美容整形外科で法令線の手術の費用がいくらかというコマーシャルが出ていました。確かに手術によって、法令線を目立たなくすることが出来るのだろうと思います。しかし私が思ったことはその法令線が手術が必要なようになった原因です。それが咬み合わせに原因があればまたもとのようになるのではないかという懸念です。
 我々が患者さんが来られて咬み合せが左右どちらにズレているか診る目安に顔が左右対称であるかどうか、そして患者さんに顎のズレを納得してもらうために鏡で顔を見てもらうことが良くあります。
 唇の口角が歪んでないか、鼻が左右どちらかに曲がってないか、法令線が左右どちらかが深くないか、左右の目の大きさが同じか、眉毛が左右違ってないかなどを顎のズレの一つの目安にしています。
 西村雅興先生の書かれた{美顔力}という本があります。
 この本の中で興味を持ったのは、{顔の崩れの原因は、咬み合せにあった}と明言され例えば40代に顔の変形があった女性が60代になると顔が余計に変形していく様子がイラストで比べていること、また入れ歯を入れている人の写真を例に挙げて、入れ歯を正しい咬み合せに調整するだけで、細かった目が大きく開いたり、老人性斑が無くなったり、首回りがすっきりと細くなり血圧も下がったという実例の写真を載せて実例を挙げていたことです。
 咬み合わせの勉強を始めた頃、この先生の本に出合いました。それまで咬み合わせと身体の病気のことばかり勉強していた私には非常に興味深く読ませていただきました。
 尾澤先生が書かれた{全身咬合}という本にも咬み合わせを治した女性の治療後の写真が載っていましたが、まるで整形をしたかのように、細かった目が大きくなり、顔もすっきりし、別人のようでした。私のところに4人の女性の写真がありますが、この写真を皆さんに見てもらいたいのですが、先生たちの許可もなく掲載することは法律にも触れるかもしれません。話だけにしておきましょう。
 実は私の母親が、上だけ総入れ歯になり、作ってやりましたが、まるで違った顔になり、急いで入れ歯を作り直させました。作り直した入れ歯ではむしろ以前より若返ったようになりましたが、歯が違うだけで顔には大きな影響が出ることの大きな経験でした。
 

ある患者さんの話

 この患者さんは何年前でしたか、当院で初めてノンクラスプデンチャーと言うバネを使わない入れ歯を作ってあげた患者さんです。右の奥歯2本がないところにこの入れ歯を作りました。その前は他院で作った保険の入れ歯でした。
 このノンクラスプの入れ歯を作ってあげると、非常に喜んでくれて、「入れ歯を入れた感じがしないし、なんでも咬める。人生が変わって来そうで楽しみ。」と言っておられました。それからはできるだけこの入れ歯を薦めるようにしていますが、他の患者さんでも中には検診に来て、「あ!入れ歯を入れていたかな」と確認しながら、「良かった入れ歯が入ってた。」という患者さんも時々おられます。それほど違和感がないようです。
 ところで今回はいい入れ歯があるという話ではなく、実はこの話の患者さんは、左側も入れていたブリッジが悪くなり、左にも入れ歯を入れなくてはいけなくなりましたが、今度は左右一体になった入れ歯にしました。入れ歯の検診は噛み合わせや、入れ歯の適合が悪くなるのは、6か月くらいと考えてその時期になるとハガキで検診の必要があることを連絡していますが、この患者さんは結構熱心に来られていたのが、間が空いていました。訳を聞くと「左肩や、腰のあたりが痛くて整体のほうに通っていました。」という事でした。左の方は歯を抜いてからすぐ入れ歯を作っていたので、顎の骨が小さくなって、入れ歯と顎の骨との間に隙間ができ、咬むと入れ歯が大きく沈むため身体の色々な部分に痛みが出て来ていたのでしょう。「それで身体の痛みは取れましたか?」と聞くと「いいえ」という返事でした。実はこの患者さんはもともとは咬み合わせが悪くて、わざわざ隣の島から通って来た患者さんです。
 一応、顎が小さくなって、入れ歯と顎との間にできた隙間を埋めてあげました。そうして咬んでもらうと「しっかり咬んだ感じがします」という事です。おそらく左肩や左半身の痛みは取れると思っています。
 以前咬み合わせを治して楽になった人でさえ、身体の痛みの原因が咬み合わせの狂いから来ていることを疑いもせず、痛みもとれない整体に長い事通っていた、まだまだ咬み合せに対する知識はこのようなものだとがっかりしました。
 今日は朝から入れ歯の修理や、入れ歯が緩くなったとか、咬み合わせを診て欲しいとか、入れ歯の患者さんが次から次へという表現が適当なように入れ歯の患者さんが多い日でした。
 しかしその殆どが、6か月検診には来ていない人たちです。
 入れ歯は一度作ったら、そのまま使えるというものではありません。顎の形が変わったり、人工歯という歯にあたる部分が擦り減ったりして咬み合せは必ず変わります。そのため入れ歯を入れた人には検診の必要があると通知しています。
 その検診には来ず、どうしようもなくなってくる人は殆どの人が身体にも問題が起こって、色々な病院に通っていることは偶然ではありません。悪い入れ歯こそ、病気を作る一番の原因になっています。

お口から始まる全身の健康

 咬み合せが狂うと必ず色々な病気が起こると書いてきました。
 しかし最近は、それだけでなく病気が起こる原因について、歯周病、大きい虫歯の放置が色々な病気の原因になっていることが確認されています。
 入院されて特に手術をする予定の患者さんは、最近必ず事前に口の中の病気を治すように入院先の病院から依頼が来るようになっています。その主な理由は歯周病や虫歯などがあると肺炎を起こしやすいという理由からです。
 それは歯周病などは、お口の中で休むことなく小さな炎症を起こし、血管を通じて全身に内毒素をまき散らし、身体の様々な部位にダメージを蓄積しているからです。歯周病とは歯肉炎、歯周炎を総称する歯肉(歯茎)の病気で細菌感染症です。
 それでは歯周病を放置しておくとどのような病気になりやすいかというと。
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 これらですが、特に糖尿病の発症率は2.5倍、心筋梗塞の発症率は3倍になることが確認されています。
 歯周病という病気は、我々は、原因をとってあげる、それは歯の周りのプラークや歯石つまり汚れを取ってあげたり、咬み合わせを調整してあげたりすることだけです。本当に治すのは患者さんです。我々がいくらいいことをしてあげても患者さんが、毎日の歯磨きをしっかりやってくれないと治りません。
 私が卒業した大学の歯周病科は優秀ですが、歯周病の患者さんにまず歯磨きの正しいやり方を教え、患者さんが来るたびに歯ブラシと歯間ブラシを持って来てもらって、まず歯磨きをしてもらいます。その時磨き方が正しくできてないと、治療はせず、正しい磨き方ができるまで治療はしません。それは歯磨きが出来てないと、歯周病は治らないからです。
 当院に初めて来られる患者さんは、殆どと言っていいくらい正しい磨き方、歯間ブラシの使い方を知りません。それは初めて患者さんの、歯茎の状態、歯の状態を見ると一目瞭然です。おそらく殆どの人がそうだと思います。
 歯周病の酷い人には当院では、バクテリアセラピーとして、バイオガイアというトローチを薦めています。これは医療と福祉の先進国スウェーデンで開発された予防歯学で効果は大きいようです。
 そしてそれだけでなく、口臭菌を抑制する、母乳の乳質を高める、アトピーを抑える、ピロリ菌を抑える、便秘にも。ちなみにこれは善玉菌を増やします。善玉菌は体内の脂肪を餌としているのでダイエットにもいいそうです。
  
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