ある歯医者の独り言

ある歯医者の日常の治療、特に咬み合わせの治療に関する思いを綴る日誌

2014年11月

入れ歯安定剤

 TVで入れ歯安定剤のCMをやっています。

 ある上顎が総入れ歯の患者さんが、入れ歯が安定せずよく外れると以前からやってこられていました。
 どうやってもだめで、今回新しい入れ歯を作りました。しかしやはり入れたらすぐ外れるのです。
 私は、総入れ歯が、指で引っ張っても、外れないどころか、引っ張ると顔がついて動いてくれるような入れ歯の作り方、調整の方法を見つけましたが、それをやってもだめなのです。
 この患者さんは、市販されている入れ歯安定剤を長いこと使っておられたのです。
 その結果、入れ歯を安定させる骨が壊れ、専門的にはフラビーガムという、ブヨブヨした歯茎に上顎全体がなってしまったのです。
 そのため入れ歯が吸着しない。
 手術をして、フラビーガムをとったとしても、吸着するだけの骨がありません。

 入れ歯安定剤は、フローと言って、薄く顎にあったように広がってくれません。我々がやっても無理なのです。
 結果あたりの強いところの骨から壊れていきます。そしてフラビーガムを作ってしまったのです。
 午前中いろいろ工夫して手を尽くしましたが、やはりしっかりした状態にはなりませんでした。夕方心配で電話をしてみると、食事はできるとのことで少しは安心しましたが、あれでは気の毒でこれから少しでも良くなるよう考えてみようと、材料とか方法を考えてあげたいと思っています。

 TVでやっている、部分入れ歯も、ある期間はしっかり咬めるようになるかもしれませんが、骨が壊れる、咬み合せが変わり、入れ歯の相手の歯を歯槽膿漏にしたり、所謂バネのかかっている歯を反対に傷める結果になるでしょう。

 最近はいろいろな入れ歯安定剤がでているようで、ドラッグストアーで、最も流れのよさそうなものを購入して、ある患者さんに試してみましたが、私が慎重にやっても、咬み合せが高くなり、長い目で見た危険性を感じました。

 確かに、今の日本の保険の入れ歯では、材料、設計に問題があり、初めからしっくりした入れ歯はなかなかできません。

 しかし、入れ歯安定剤を使うより、何度も調整してもらって、使いやすい入れ歯にしてもらうほうが、安易に入れ歯安定剤に頼るより、より安全だろうと思います。

 我々にとっても、患者さんにも考えて欲しいことは、それ以上大事な歯をなくさないことを考えることです。

独り言

 歯の咬み合せと身体の関係を知ってもらうことは本当に難しい。

 ある患者さんの話ですが、私が名前は別として苗字は覚えているほどですから、何度も当院に通って来られているはずです。

 右の犬歯が虫歯になっていました。虫歯は小さかったのですが、下の犬歯と全く咬んでいません。
 そこで犬歯が咬んでいないと、身体にどういうことが起こるか説明して、被せたほうがいいと勧めました。
 その折、いろいろな症状、膝が痛くなったり、肩こり、四十、五十肩、右だと、交感神経が緊張して、胃では胃酸過多、肝臓機能の低下、腸は便秘か、下痢、女性では生理痛など、またついでに左の犬歯が咬んでいないと、血圧の上昇、不整脈、心臓の病気、呼吸器系の病気、過換気症候群、メニエルなどになりやすいなど説明しました。

 当院には、私が書いた本、小冊子、咬み合せに関するDVD、各チェアーに、ある患者さんの、治療前、治療後の姿勢の変化の写真と、たくさんあった不定愁訴の改善などをプリントしたものを貼ってあり、DVDは各チェアーで、新しい患者さん、咬み合せを治して欲しい人などが来ると何度も目の前で見ているはずですが。

 話をしているうち、歯でそんなことが起こるんですかと、初めて聞いたような言葉、患者さんの驚き。

 私が、咬み合せの大切さを言い続けて、25年ほど経ちますが、当院の患者さんでさえ、このような状態です。

 今まで整形の何人かの先生には、まやかしだ、そんなことがありうるはずがないと何度か言われてきました。

 身体の歪みから来る病気を一番扱っている先生たちでさえこうです。

 とにかく私にできることは、保険治療でもとにかく病気を治してあげること、病気を作らない治療を毎日やっていくしかないようです。

 しかし、歯の治療をしてから身体が楽になった、肩こり、首筋の痛みが治ったと言われたときの満足感がないとやっていけませんね。(本音の独り言)

独り言

 今年の10月中旬に、ゴルフの練習をしていて、左の肋骨にヒビが入りました。
 
 ゴルフに関しては、クラブが変わってきて、昔のようなドローというのですが、右に飛び出して左に曲がるような球が、以前のように自在に打てなくなっていました。

 ゴルフ雑誌を見ていて、最近のクラブのドローの打ち方というのを読んで、あるヒントを得て練習場に行ったのですが、その日は調子も良かったのか、思うような球が打てて、喜んで、これを身体に覚えこまさないと思い、夢中で球を打っているうち、丁度180球ほど打った時、胸にズキント痛みが走りました。
 普通の人ならそこで止めてでしょうが、そこが私の悪いところで、そのあと痛みをこらえながら軽くですが120球程打って帰りました。
 練習場から家まで20分ほどですが、家について見てみると、左の胸がちょうど手の平の大きさほど腫れていました。
 翌日は、クシャミ、咳や、人に笑わせられると激痛でたまらなかったのですが、診療があるので病院にも行けず、翌々日たまらないのと、流石に心配になって、病院に行ってレントゲンを撮ってもらいましたが、骨折まで行ってなかったので少しは安心しました。
 先生からは、いくら頑張っても若いころのようには飛ばないんだから、年を考え、ほどほどにしなさいと怒られましたが、私の反省は。

 以前は、ストレッチや、クラブの素振り、ダンベルを使った筋トレなどで、練習には忙しくて行けなくても、ゴルフができる身体づくりはしていたのですが、夏の暑いうちからサボっていました。
 それをいきなり、ストレッチもせず、以前のような練習をしたために痛い思いをしなければなくなったことです。

 「ゴルフのお話」という小冊子を以前書きました。

 歯の咬みあわせとあわせて、正しい咬みあわせにすると、ボールがよく飛ぶようになることも書きましたが、身体が歪んだ状態でゴルフをしていると、肩、肘、膝、腰を痛めるという結論で、皆さんに長く楽しいゴルフをして欲しいことでしめくくりました。

 私の友人と、時々ゴルフを一緒にしている方が、左肩が挙がらないと言っているうちに、左肩の腱を断裂し、二人とも手術をしましたが、この手術は再発しやすいそうですが、二人とも顎が左にずれて、左肩が低くなっていました。
 おそらく原因をとらずに手術をするから、再発しやすいのではと思います。

 とにかく、どのようなスポーツをやるにも、それが出来るような身体づくりが先になるのではないでしょうか。

独り言

 昨日来られた患者さん。
 歯を治してから、それまで左の首筋が凝って、硬いくらいになり、左の頭が痛かったのですが、それがすっかりなくなり楽になりましたと、何度も言っておられました。
 これだけ喜んでもらうと本当に嬉しいですね。

 実はこの患者さん。広島から来られていますが、まず娘さんが来られ、身体の調子が良くなったことから、来られました。
 
 下の歯が、両側奥歯がなくて、特に奥の大臼歯部分は、骨の吸収がひどくて、インプラントができない状態でした。
 結局は下の歯は入れ歯という形になりました。
 右下犬歯、第一小臼歯、左下第一小臼歯が動揺歯だったので、その処置をして、左右、第二小臼歯部にインプラントをして、コーヌスクローネという装置を使って、入れ歯を作りました。

 順序が逆になりましたが、歯は、まず上の奥歯を作り、それに合わせて下の奥歯を作り、最後に前歯を治すのが、順序ですが、この場合は、先に、上の右第二小臼歯から左第二大臼歯までの、ブリッジを作りました。
 そして、右上第一、第二大臼歯の歯の無い部分は保険の入れ歯にしています。
 この患者さんは、定期的に検診に来られますが、今回は、右上の入れ歯を作り変えに来られました。

 しかし、来られるたびに、なんでも食べられ、身体の調子が良くなりましたと言われていますが、やはり忘れることのできない患者さんの一人です。
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