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2019/5/21 Jazz Today 「Onnykのビル・エヴァンス」


今週のJazz Todayは「ビル・エヴァンス」。
“ジャズピアノの詩人”と呼ばれたピアニスト「ビル・エヴァンス」の悲劇に満ちた51年の人生と音楽を捉えたドキュメンタリー映画「ビル・エヴァンス / タイム・リメンバード」の公開記念特別特集でございます。(5/24~30まで盛岡フォーラムで上映)
ゲストに盛岡で活躍中の即興演奏家「Onnyk」氏を迎えてお送り致します。

ビル・エヴァンス、本名ウィリアム・ジョン・エヴァンス。
1929年8月16日米国ニュージャージー州生まれ、父の影響で兄ハリーと共に幼い頃から音楽を学びラフマニノフやストラヴィンスキーなどのクラシック音楽に親しんだのち、10代からジャズに関心を持つようになったそうです。46年サウスイースタン・ルイジアナ大学進学。音楽活動も盛んになり後期のレパートリーのひとつとなる「ヴェリー・アーリー」はこの頃既に作曲。卒業後51年から軍隊で招集、陸軍バンドに所属するも、自身にとってはあまり良い時期ではなかったとか。またその後の悪癖となった「麻薬」はこの兵役中に覚えたのだそうです。
54年兵役終了。NYに出て音楽活動開始。その優秀ぶりは広く知られ流ようになった。この時期はサイドマンとしての活動が多く、ジョージ・ラッセルとはここで共演。56年デビュー盤「ニュー・ジャズ・コンセプションズ」発表。なんと当時500枚しか売れなかったそうです。
58年唯一の白人メンバーとしてマイルス・バンドに加入。録音とツアーもするが、ドラッグの問題と、エヴァンス自身がリーダーとしての活動を望んだため脱退。が、マイルスの要望で59年の「カインド・オブ・ブルー」に参加、モード・ジャズを目指していたマイルスがエヴァンスの影響を色濃く受けたのはご存知の通り。
59年ラファロ&モチアンとトリオを結成。それまでのリズム・セクションとしてのリズム隊とフロントのピアノという関係を打ち破り、それぞれが対等で3人のインプロが絡み合う新しい「ピアノ・トリオ・サウンド」を完成させます。「ポートレイト・イン・ジャズ」、「エクスプロレイションズ」、「ワルツ・フォー・デビイ」「サンディ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード」がリバーサイド4部作として有名。が、61年「サンデイ・アット〜」の収録から11日後にベーシスト「スコット・ラファロ」が25歳で事故死。時代を作りつつあった矢先の出来事にショックを受けた彼は半年間ジャズ・シーンを離れた。翌62年新メンバーにチャック・イスラエルズを迎え活動再開。
66年、当時21歳のエディ・ゴメスがラファロの後継者として登場、69年にマーティ・モレルが加入。このトリオ・メンバー所謂第2期トリオ、が歴代最長で活動。ゴメスは78年に、モレルは75年に脱退。
73年60年前期から内縁関係だった夫人(正式には未婚)エレインに、新恋人ネネット・ザザーラと結婚するために、一方的に別れ話をする。その後エレインは地下鉄へ投身自殺。またも悲痛を味わったエヴァンスですが、結局その新恋人と結婚。息子エヴァンも生まれています。
76年ドラムにエリオット・ジグモントが加入。この頃から麻薬と、肝炎などの病気の影響が出始め、孤独な側面を見せ始めます。78年マーク・ジョンソン、ジョー・ラバーベラの最後のトリオを結成。明るい演奏も見せるが、時に粗さも目立つことがあり、スロー曲と急速曲の落差が激しくなって行きます。不摂生もですが、これは兄ハリーの自殺や家族との別居などの影響もあったようです。これはその後も続き、70年代末期に20歳も年の離れた愛人を作るが、私生活は荒廃気味に、、、。
そして80年、NYでのライヴ中、既に体調不良だった彼を心配したジョンソンとラバーベラは演奏中止を申し立てるもエヴァンスはそれを振り切り演奏を続行、2日後ついに演奏不可能になり、公演中止。
3日間の看護ののち、ラバーベラの説得で病院へ搬送、その翌日9月15日に死去、51歳没。
死因は肝硬変ならびに出血性潰瘍による失血性ショック死。

◆ロマンティックなピアノ・トリオ名盤として、またジャズ史に欠かせない名盤を多数発表したビル・エヴァンスですが、実に壮絶な人生だったのです。そこには麻薬常習、元恋人と兄の自殺と、後期の破滅的なエヴァンスの姿はこれに起因していたと言われますが、真相は分かりません。その彼の人生は「時間をかけた自殺」と言われています。
今回の映画は、歴代トリオの元メンバーや共演者、近しい親族など、彼を直接知る人たちの貴重な証言や記録映像をもとに、その音楽性と死について語られているとのこと。あのピアノの調べが、どのように紡ぎ出されたか?がイメージ出来るのではないでしょうか?

◆Onnykさんは、彼のインプロの変遷、またトリオ録音ではない大編成での演奏などに注目。同列でセシル・テイラーも語れるとおっしゃっておりました。即興演奏家としてのインプロの構成、エヴァンスは麻薬常習者でしたから、昨今の「麻薬と音楽」の関係、また悲劇的な事件を経験をしたエヴァンスの演奏への影響などなど、面白いお話し出来ました。


5/21 Jazz Today on Air List
1: On Green Dolphin Street 
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1963 : Theme From The V.I.P.s & Other Great Songs
クリード・テイラーがプロデュースした、オーケストラとのコラボ作品。

2 : On Green Dolphin Street 
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1973 : Bill Evans Live In Tokyo
73年来日時の郵便貯金ホールでのライヴ盤。ゴメスとモレル。

3 : Waltz for Debby
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1971 : The Bill Evans Album
ゴメス&モレル。エレピも披露したアルバム。

4 : Symbiosis 1st Movement 
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1974 : Symbiosis
MPS原盤。ゴメス&モレルに加えフィル・ウッズやヒューバート・ロウズらも参加。

5 : Living Time Event Ⅱ
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1972 with George Russell Orchestra / Living Time
ジョージ・ラッセル・オーケストラとの共演盤。

6 : Nobody Else But Me
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1978 New Conversations
エレピとアコースティック・ピアノでのソロ作品。

7 : T.T.T. (Twelve Tone Tune)
SICP-30280
1971 : The Bill Evans Album

8 : T.T.T.T. (Twelve Tone Tune Two)
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1973 : Bill Evans Live In Tokyo

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放送日:5月21日(火)ラヂオ盛岡76.9Mhz
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2019/4/16-23 Jazz Today 「ビル・エヴァンス / エヴァンス・イン・イングランド」

Bill-Evans-In-England-Cover
Bill Evans / Evans in England (Resonance / 2LP)

「ビル・エヴァンス第二期トリオ@ロンドン“ロニー・スコッツ”  トリオ結成初期を記録した『Live at Top of the Gate』から一年 69年12月、格段の深化を見せたトリオの演奏!」
 
最近ではエリック・ドルフィーの未発音源を世に送り出してくれたジャズ・ファン注目のレーベル「レゾナンス」から、またも注目の「ビル・エヴァンス未発音源」がリリース!これまでの2作品のリリースではモントルー・ジャズ・フェスでしか聴くことができなかった、エディ・ゴメスとジャック・ディジョネットとのトリオでのスタジオ録音を作品化して、ジャズ・ファンを驚愕させました。
今回は本レーベル「レゾナンス」が初めてリリースしたエヴァンスの未発音源「ライヴ・アット・トップ・オブ・ザ・ゲイト(68年10月録音)」の約一年後の演奏がリリースされました。

所謂「第二期トリオ」と呼ばれるエディ・ゴメスとマーティ・モレルによるトリオは、エヴァンスのキャリアの中でも最も長い活動歴となったメンバーのもの。前述の68年ライヴ盤では結成間もないトリオが、NYで繰り広げた瑞々しい演奏が印象的でした。
今作ではイギリスの名門クラブ「ロニー・スコッツ」での演奏です。前年の68年には一ヶ月間、このクラブに出演。この時はゴメスとディジョネットのトリオで、「最高の演奏だった」と彼らが語っていますが、翌69年に新トリオで出演。68年のNYライヴでは、まだ手探りな部分もあったトリオですが、1年間の活動を経て、より進化したトリオ・ミュージックがここに記録されてます。
密接に絡み合う3人の呼吸と間、ラファロのベースとはまた違う領域でエヴァンスとの絶妙なバランス感覚を魅せるゴメスのベース、その緻密なリズム感を漏れなく感じすくい取るかの如くスイングするモレルのドラムがまた良いです。

これぞエヴァンス!という選曲が中心ですが、初期音源のライヴ演奏版や、あの「ワルツ・フォー・デビー」の冒頭を思わせる2曲の並びは、嬉しい構成。

ハラハラと舞う桜のような美しいピアノをご堪能ください。

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放送日:4月16、23日(火)ラヂオ盛岡76.9Mhz
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2019/4/9 Jazz Today 「グレゴリー・ポーター / 希望へのアレイ」

この時期の天気は1週間周期だとか。毎週末天気が悪いのはそのせいか?
でも、着実にあの「春」へと近づいている気がしますよ、ここ盛岡は。
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ここ最近店頭BGMで高回転率だったのがこのグレゴリー・ポーターの16年作品。
アメリカの歌手、ソングライター、そして俳優でもある彼は71年11月生まれ。
大学時代はフッドボール選手で奨学金を授与されるほどのプレイヤーだったそうです。
残念ながら肩の負傷で、フットボールのキャリアは絶望的となってしまいました。
21歳の時に、母親が癌で亡くなります。彼女は生前「あなたは歌手になるのよ」と言っていたそうな。04年からブルックリンに移住し、兄ロイドのレストランで料理人として働きながら、ジャズクラブで演奏、ハーレムでは毎週定期的に出演。この時のメンバーが後のツアーバンドに進化。

10年に「ウォーター」、12年に「ビー・グッド」とアルバムを発表。そして3枚目はブルーノートからのリリース作品「リキッド・スピリット」。この作品は14年のグラミー賞ベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバムを受賞。ジャズというジャンルのアルバムでは珍しい商業的成功を収めたこのアルバム。アメリカのみならず、イギリスでも10万枚以上を売り上げた人気作品となりました。

そして、16年の4作目が今作「テイク・ミー・トゥ・ザ・ アレイ/希望のへのアレイ」。世界的な成功を収めた後、世界中をツアーで廻った成長の証しと言える好盤で、全曲がオリジナル。 家族や友人へのラヴ・ソングや、現代社会へのメッセージ・ソングなど、彼の持ち味である「クリーミーなバリトン」で聞かせる全12曲。もはやジャズ・シンガーという括りではなく、ソウル・シンガーとしての風格も漂う作品に仕上がってます。男性シンガー独特の包容力のある声、その存在感。アメリカの伝統的なソウル・ミュージックやR&Bからの影響はもちろん、その先人たちの遺産を見事に自分自身のオリジナリティへと繋げた、間違いなく現代最高のヴォーカリストであります。



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2019/4/1 Jazz Today 「アール・オキンの眠れぬ夜のボサノバ」

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4月、いよいよ春到来ですね。雪でしたけど昨日、そしてまた冷えてきましたけど、、、。

「アール・オキン」というシンガーによるボサノバ集を今週はOn Air。
1947年英国生まれ。幼い頃から歌い始め、ピアノやギターも披露。12歳でTV出演、BBCからはレコーディングの話まで出たという類稀なる才能の持ち主。大学進学後、音楽マネージャーの紹介で、66年ビートルズでおなじみの「パーロフォン・レーベル」と契約。翌年、初のシングル盤を録音、69年にはCBSに移籍しシングル盤をリリース。その作曲センスを買われ、シラ・ブラック、ヘレン・シャピロ、ジョージ・フェイムなど英国を代表するポップ・シンガーに楽曲を提供。70年代には、フェアポート・コンヴェンション、ヴァン・モリソン、またレーベル繋がりでポール・マッカートニー率いるウイングスのツアーで前座を担当。
81年人気テレビ番組で、それまで前座で披露していたコメディ・タッチの音楽パフォーマンスが好評を博し「ミュージシャンとコメディアン」という新しい人生がスタート。現在に至るまで劇場やクラブなどで500回以上の公演を行なったそうな。この時期、ブラジルへも訪れ、その影響でボサノバ〜ジャズへと傾倒していったとのこと。

80年代以降、ライヴ・コメディの作品などの作品をリリース。今作は99年から00年の間に録音された作品。コメディの要素は一切なく、「アール・オキン」がミュージシャンとして純粋に音楽に取り組んだ内容。チェット・ベイカーのような包みこむようなヴォーカルと訥々と語るピアノ、寄り添うアコギの調べ、、、、。ジョビンのスタンダードや、シナトラやドリス・デイで知られるナンバー、エリントンのピアノ曲、コール・ポーターのジャズ・スタンダードなどなど。声とバックが絶妙にマッチした好カバーが楽しめます。
そして何より、彼の作曲センスを物語るオリジナル曲が、アルバムの半分を占めています。

帯に「〜の眠れぬ夜のボサノバ」とありますが、まさにそう。
のんびりとリビングで、書斎でスコッチ片手に、または作業にBGMにもバッチリ。

「粋」で「洒落た」英国のシンガーソングライターの本気の一枚。是非。



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2018/2/18 Jazz Today 「Javon Jackson / Once Upon A Melody」

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Javon Jackson / Once Upon A Message 2008 Palmetto : CD 

仕事で住んで、毎日色々と多種多様に、実に様々な音源聴いてます。
入荷したものはもちろん、お気に入りや推薦盤、レーベルからのサンプルなどなど。
しかし、どうしても偏っちゃうんですよ。なるべく耳触りの良いものを、、、とか。
もっと悪いのは先入観で選り好みしてしまうこと。
あー、この時代はイマイチなんだよなー、出た当時聞いたけど、、、、。と、
数回聞いただけで判断しちゃう自分が、最近めっきり嫌いです。

そんな中で、この一枚はグッと来た。
テナーマン「ジャヴォン・ジャクソン」の08年作品。
ハンク・モブレー直系の骨太豪快テナーを聞かせる65年生まれ。10代で晩年のブレイキー率いるメッセンジャーズに参加して注目され、その後もブルーノートからも作品をリリースした、今やベテランの風格さえ感じます。
やはり、モブレーの系譜を、、、となれば、ワンホーンがそのスタイルかと。
本作もワンホーン。ピアノにはエリック・リード。ウィントン・マルサリス、ロン・カーター、カサンドラ・ウィルソンらと共演。流麗なメロディを聞かせつつ、スピリチュアルな響きも感じるのは5才から教会で演奏を始めたからでしょう。ベースにはケニー・ギャレットのグループで来日もしているコーコラン・ホルト、ドラムはこちらもロン・カーターやケニー・バロンと共演しているビリー・ドラモンド。
そう、皆ベテラン陣に揉まれた実力派。

絶妙にコントロールされたジャヴォン・ジャクソンのテナーは時に豪快に、時にグッと抑えたトーンでじっくりと歌いこんでくれます。呼応するのがエリック・リード。ソウルっぽさも垣間見せつつも、得意の流れるようなプレイはお見事!爽快!リズムも多様な展開。ファンクなリズムもどこかスマート、上品なスーツをビシッと着込んで汗もかかずにクールに、、、なイメージ。

お互い知れた仲でしょうし、先輩らとのライヴでもよく会っていたんでしょう、「いつもの曲を、我々若手でやります?」的な気負いのない、実にリラックスした作品です。ゴリゴリにテナーを聞かせるというよりも4人のアンサンブル、かつソロの輝きがこの作品の魅力では?

選曲はショーター、ロリンズ、マッコイ・タイナーなどを取り上げてます。
特筆は「My One And Only Love」。シナトラのレパートリーとしても有名ですね。
ボブ・ディランやポール・マッカートニーも歌ってます。
でもこの豊かな音色のテナーが、このメロディの良さを十分に語ってくる気がします。

1 One By One 5:59
2 Will You Still Be Mine 6:50
3 Paradox 5:11
4 Mr. Jones 9:04
5 My One And Only Love 4:43
6 Mr. Taylor 7:22
7 The In Crowd 5:25
8 Inner Glimpse 4:43
9 Like A Star 5:16 

ではラストの曲をどうぞ。



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