Disknote Morioka

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jazz today を含む記事

20180612 Jazz Today 「Joshua Redman / Still Dreaming」

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ジョシュアの父であるデューイ・レッドマン、ドン・チェリー、チャーリー・ヘイデン、エド・ブラックウェルによる伝説のグループ「オールド&ニュー・ドリームス」。ボスであるオーネット抜きで、サイドメンだけで結成したカルテット。76年に活動を開始し、3枚の作品をリリースしました。そう言えば、マイルス抜きのVSOPも、これと同じですね。
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その「オールド&ニュー・フレンズ」を、今度は息子であるジョシュアがその音楽性を引き継ぎ、かつその先をも提示した作品がこの「スティル・ドリーミング」。
昨年からこのバンドでの活動は大きな話題となっておりました。ジョシュア・レッドマンの新グループというだけでも注目ですが、そのメンバーも充実の面々。そしてもちろん、その音楽性も高く評価されており、先人たちの偉大な音楽に敬意を表しつつも、これからのジャズの可能性を多いに広げる、まさに「進化」を感じる作品となっております。

このバンドを模索している時から、メンバーはこの4人と決めていたそうで、彼らはその「オールド&ニュー・ドリームス」のメンバーと因縁浅からぬ関係とな。
ドラムのブライアン・ブレイドはエド・ブラックウェルと同郷のルイジアナ出身のドラマー、ベースのスコット・コーリーはチャーリー・ヘイデンの生徒、ロン・マイルスはドン・チェリーに長く影響を受けたコネット奏者。なるべくしてこのメンバーになった感がありますね。

 
■冒頭の「New Year」からして、まるでオーネット・グループなテーマ。軽快なスティックさばきと、ライド・シンバルのリズムのキレが実にエド・ブラックウェル!たっぷりとアンサンブルを聴かせるテーマ部もオーネット流の小気味良さ。たしかに父デューイなテナーの重さを披露しておりますが、オーネット的な流麗な響きも併せ持つ器用さは、流石!のジョシュア・レッドマン。
■コルネットのロン・マイルスも然り。チェリーのほのぼのとしたトーンと歌心がしっかりと彼の中にはあるな、と感じます。スコット・コーリーの柔軟さ、いや柔らかさかな?、どんな急展開もものともしない潔さ、それと「波」を作り出せる力量。
■なにより、この4人、音に無駄が無い。実にお互いの音を良く聴いていて反応する速度や、その呼応するアイディアも面白い。聴けば聴く程発見と、感嘆のため息、、、。



これを書いている今は6月11日。今日はオーネット・コールマンの命日。
レコード屋に勤めて数枚オーネットの新作がリリースされ、その度に紹介コメントが書ける幸せを感じたものでした。3年前のこの日、もう新作は聴けないのか、、、と悲しみましたが、オーネットのそのサイドメンのデューイの次世代の面々がこんな作品を聴かせてくれるとは、、、感慨深いですな。

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放送日:6月12日(火)ラヂオ盛岡76.9Mhz
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20180410 Jazz Today 「Sons Of Kemet / Your Queen Is A Reptile」

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Sons Of Kemet / Your Queen Is A Reptile (Impulse! : CD&LP)

「シャバカ&アンセスターズ」名義が2年前、ドス黒い現代版アフロ・ジャズを聴かせてくれた「シャバカ・ハッチングス」の新作は「ソンズ・オブ・ケメット」というグループ名義。テナー・サックス、チューバ、ダブル・ドラムという変則的な構成で聴かせるアフロ・ジャズ作品。

カマシ・ワシントンと並ぶロンドンのサックス奏者「シャバカ・ハッチングス」は、84年ロンドン生まれ。9〜16歳までカリブ海のバルバドスで本格的に音楽を学び、ロンドンに戻ってから結成したのがこの「サンズ・オブ・ケメット」。13年の作品が「ジャズ・アクト・オブ・ジ・イヤー」を受賞。
翌年にはサン・ラー・アーケストラに加入。その他、エチオピアン・ジャズの「ムラトゥ・アスタトゥケ」の作品にも参加。16年の「シャバカ&アンセスターズ」名義の作品でアフリカのジャズ・ミュージシャンと共演。今作は初心に帰るべく?自己のグループでのリリース。

本作は、「英国ではびこる階級と人種差別の不正を、正当としているライフスタイルを賞賛する英国君主制の圧制的なシステムに対しての言及、および一種の宣言と言える作品」とのこと。彼はこの偶像崇拝の代わりに自分自身の女王を提示しているという。「実際の行動によって導いてくれた私たちの女王たちは、たとえば人の話に耳を傾けた。残酷で不公平な過去から明るい未来を作ったのだ。」と。

そこで、このタイトル「Your Queen Is A Reptile(爬虫類)」。
各曲のタイトルは「My Queen Is Ada Eastman」、「My Queen Is Harriet Tubman」、「My Queen Is Angela Davis」、「My Queen Is Yaa Asantewaa」などそれぞれ違う女王を祝した曲に。

60年代以降ジャズが様々な表現で形を変え、時代を越えて来てもなお人種差別がある世の中へ、音楽で戦おうという姿勢を垣間みる一枚。ラップやレゲエのダブの手法を加えて、現代の「Impulse」からリリースされたというのも、私的には納得の作品です。


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放送日:4月10日(火)ラヂオ盛岡76.9Mhz
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20180313 Jazz Today 「Hermeto Pascoal & Big Band / Natureza Universal」

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Hermeto Pascoal & Big Band / Natureza Universal (Scubidu Records : CD)

ブラジルの奇才「エルメート・パスコアール」の17年発表の新作は、作編曲家の才能を発揮したビッグ・バンド作品。17年の年始に久しぶりの来日公演を行い、その8月には自身のグループ名義では15年ぶりのCD2枚組の大作をリリース、また英国のレーベル「FAR OUT」から76年録音の未発表音源も登場。まさに17年はパスコアール・イヤーだった年末にリリースされたのは、まさかの本作ビッグ・バンド作品。

パスコアール・グループの中心人物であり長年活動を共にして来た盟友「アンドレ・マルケス」がディレクションを担当。70年代のブラジル音楽の作品で数多くのアレンジをしたパスコアールは、自身の作品でも代表作の「べべ」をビッグ・バンドで録音することも多く、そんな彼のビッグ・バンド・アレンジの歴史を紐解くような内容で、30年ほど前に作曲された楽曲から近年の作品までを楽しめる作品となってます。

エルメート・パスコアール、1936年生まれ。アルビノであったため日光を避け、日中はバンドネオンの練習に費やしていたそうです。父親もバンドネオン奏者で、11歳になる頃には父親に代わって地元の祭りの演奏に参加するほど上達。またタンバリンとフルートも習得しはじめ、彼の多種多用な楽器使いはこの頃からだったようです。
60年代後半からボッサ・ジャズ・トリオ「サンブラーザ・トリオ」を結成。またその後の「クアルテート・ノーヴォ」で一躍有名に。70年代、アイアート・モレイラの紹介でマイルス・デイヴィスと会い、編曲を依頼され、またアルバム「ライヴ・イヴル」にも参加。ブラジルに戻った73年に「ア・ムジカ・リーヴリ・ジ・エルメート・パスコアール」を制作、76年には渡米し、あの子豚の鳴き声などを取り入れた作品「スレイヴズ・マス」を完成。以降は様々なジャズ・フェスへ参加し名実共にアヴァンギャルド・ジャズの第一人者として認知されました。

世界の音楽家の中でも、ブラジルのミュージシャンは一風変わってますが、このパスコアールはその中でもトップクラスの奇才。その奇才ぶりは、このビッグ・バンド・アンサンブルの何とも言えないハーモニー・アンサンブルで聞き取れます。しかし、パスコアールは元気。水の入ったグラスや、やかん(?)などをテンション高めに演奏する姿は目に浮かびますね、、、。

1 Obrigado Mestre (thank you master)
2 Viva o Gil Evans (Long live Gil Evans)
3 Choro Árabe (Arabic Cry)アラビアの叫び
4 Pulando a Cerca (Jumping the fence)
5 Brasil Universo (Brazil Universe)
6 Pirâmide (Pyramid)
7 Menina Ilza (Girl Ilza)
8 De Cuba Lanchando (From Cuba Lanchando)
9 Apresentação (Presentation)
10 O Som do Sol (The Sound of the Sun)
11 Jegue e Meu Jumento Mimoso (Jegue and My Sweetheart Ass)ジグエと私の恋人



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放送日:3月13日(火)ラヂオ盛岡76.9Mhz
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20180306 Jazz Today 「Melody Gardot / Live In Europe」

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Medoly Gardot / Live In Europe (Decca/2CD,3LP)

デビュー10周年、初のライヴ・アルバム「Live In Europe」。
12〜16年までの世界中で行ったライヴ音源から、彼女の代表曲のほか人気カヴァー曲など収録したまさに「ベスト」な内容。アルバムを通した統一感も見事です。

85年フィラデルフィア出身。16歳からピアノ・バーのアルバイトで歌いはじめたのがキャリアの最初。19歳の時に交通事故で重傷を負い、その後の1年間を寝たきりの生活を過ごし、かつ視覚に障害残るという不運に見舞われるも、リハビリの一環としてはじめたギターと作曲がきっかけで才能が開花。セラピー中に録音したシングルを05年にリリースし、これが地元を中心に話題になり、ついにはユニバーサルと契約。
奇跡のシンガーとしてデビューしたのが08年の「ウォリサム・ハート」、翌09年には代表曲「ベイビー・アイム・ア・フール」を収録した2作目「マイ・オンリー・スリル」を、12年には娯楽映画の音楽を数多く手掛けるヘイトール・ペレイラらと共同プロデュースで、得意のラテン・ミュージック作品をリリース。
15年には1st、2ndをプロデュースした巨匠「ラリー・クライン(マデリン・ペルー、ジョニ・ミッチェル、トレイシー・チャップマン、ティル・ブレナーなどをプロデュース)」が再担当し、ロック、ソウル、ダンス・ミュージックなど様々な要素を盛り込んだジャズ作品「カレンシー・オブ・マン」を。
そして、その全キャリアを総決算するが如くリリースされたのが初ライヴ盤「イン・ヨーロッパ」。

「このアルバムには、私の心が詰まっているの。私の心と私たちをこれまで支えてくれたすべての人々の愛が。これは私にとって大きな贈り物―。多くの思い出が詰まっているわ。そして同時にリスナーの皆様への贈り物でもあるの。この作品は簡単にいうと、皆様への長い感謝の気持ち。永遠に皆さまに感謝しているわ。」とは本人談。

そして、このアルバム・ジャケについて、アーティストというのはステージに立っているときが最も傷つきやすい状況で、魂と感情の全てをありのままにさらているということを表現したいというインスピレーションからこの撮影を自ら提案したそうな、、、。ということは「本人」なんですね。

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2CDはこちらを

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3LPはこちらを


こちら、アルバム収録とは別ヴァージョンです。
長めで、しかもアルト・ソロなど聴き所も多数!是非!

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20180213 Jazz Today 「Roy Haynes Quartet / Out Of The Afternoon」

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Roy Haynes / Out Of The Afternoon (impulse / CD)

古くはチャーリー・パーカーとの共演をはじめとして、近年ではチック・コリアやパット・メセニーとの作品で斬新なドラミングを聴かせた、常に時代をリードした名ドラマー「ロイ・ヘインズ」の62年リーダー作品「アウト・オブ・ジ・アフタヌーン」。

1925年の3月13日ボストン生まれ。40年代半ばからルイス・ラッセル、レスター・ヤングらと活動したのち、チャーリー・パーカーのグループで活躍。その後、マイルス、サラ・ヴォーン、コルトレーン、モンク、ドルフィー、チック・コリア、パット・メセニーらと共演。現在90歳を超えた今も最前線で活躍中のジャズ・ドラムのレジェンド。ケニー・クラークやアート・ブレイキーらをジャズ・ドラマー第1世代とすれば、ロイ・ヘインズはエルヴィン・ジョーンズ、マックス・ローチらと同世代の第2世代。リーダーとしてはイマイチですが、サイドメンとしての才覚はピカイチ。

58年「ウィ・スリー」、60年の「ジャスト・アス」に続く3作目のリーダー作としてリリースされたのが本作。ピアノにトミー・フラナガン、ベースには当時セシル・テイラーのユニットで活躍していた若き才能ヘンリー・グライムス。この録音の直後にロリンズに誘われクインテットのメンバーに大抜擢。そして、本作品の「肝」であるのはサックスのローランド・カーク。マーキュリーとの契約後「ウィ・フリー・キングス」「ドミノ」の初期の傑作2枚をリリースした直後の録音が本作。その「ドミノ」のセッションがまさにロイ・ヘインズで、本作品の伏線的な作品「ドミノ」。

オリジナル3曲、スタンダード4曲のワンホーン作品でありながら、カークが様々なリード楽器で多彩な顔を覗かせ、ヘインズとグライムスの強靭なリズムが煽り、ときにフラナガンはホロリとさせる、、、。こんなに見事なバランスのジャズ・アルバムはなかなかないのでは?ロイ・ヘインズ自身も「ベスト・アルバム」に挙げてるぐらいですし、、、。

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