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20170207 Jazz Today 「Chet Baker / Sings」


孤高のトランぺッター「チェット・ベイカー」の半生を描いた映画「ボーン・トゥ・ビー・ブルー〜ブルーに生まれついて」が2月25日から盛岡フォーラムで上映されます。

50年代には時代の寵児として一世を風靡するも、ドラッグに依存し、どん底に落ちたチェット・ベイカーが再生を目指す姿を「イーサン・ホーク」が見事に演じ、そして自身のヴォーカルも披露。トランペットも6ヶ月間練習したとか、、、。いかにして天才チェット・ベイカーは転落し、そして復活したのか?またジャズ史でも重要な60年代における、白人ジャズメンの苦悩や、恋人との関係などなど、「音楽が官能をもたらす傑作音楽映画」。乞うご期待!


チェット・ベイカーは1929年12月23日オクラホマ州のイェール生まれ。エル・カミノ・カレッジで音楽を専攻、その才能をチャーリー・パーカーに認められ、23歳 からパーカーのバンドに参加。ヴォーカルにも意欲をみせたチェットは、54年に代表作「チェット・ベイカー・シングル」を録音。名演「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」はここで誕生。囁くような、呟くような、独特の歌い方は彼の代名詞となった。この演奏を聴いたジョアン・ジルベルトが影響を受け、あの「ゲッツ/ジルベルト」を録音したというのは有名なエピソード。
当時はマイルスをも凌ぐ人気だったという50年代半ば、その後はヘロインに溺れ、これに起因するトラブルを繰り返し、アメリカや公演先のイタリアなど複数の国で逮捕、短期間でしたが服役経験もあり。ドラッグが原因で喧嘩し、前歯を折られ演奏活動の休止に追い込まれ、この間は生活保護を受け、ガソリン・スタンドで働いていたそうな。
73年にディジー・ガレスピーの尽力で復活を果たす。元々ディジーの演奏を聴いてトランペットを志したチェットだったので、巨匠が手を差し伸べたのはまさに「神の救い」だったのでは?
75年頃 から欧州に活動拠点を移し、再始動。彼は生涯約150枚のアルバムを発表、その半分以上の80タイトルが、この時期から亡くなるまでに集中しています。
86年に初来日、翌87年も再来日。88年5月13日、オランダはアムステルダムのホテルの窓から転落死。原因は今も不明。享年59歳。


■マイルスは1926年生まれ、チェットの3つ歳上。ディジーに憧れ、パーカーらと活動、、、というのは二人の共通点。マイルスは「ディジーのようなハイトーン、そしてパーカーの高速フレーズ」は自分には出来ない!と独自の表現「クール」を完成させます。チェット・ベイカーは、ヴォーカルに意欲をみせそれまでのエンターテイメント的な男性ヴォーカルではなく、マイルス同様「クール」な新しいジャズ・ヴォーカルを完成。これがあのジョアン・ジルベルトとゲッツの「ジャズ・ボッサ」に繋がるというのも面白いですね。

マイルスはその後、バンド・サウンドを追求しし、「マイルス」というジャズ・ミュージックを目指していくのに対して、チェットはあくまで「一人のジャズメンとして」トランペットを吹いていたのではないでしょうか?溢れ出るメロディと、そのトランペットのテクニック、そしてもう一つの武器「ヴォーカル」を兼ね備えて。

ドラッグに溺れるのも同じですね。マイルスはスパッと切り替えて音楽に専念しますが、チェットはボロボロになって行きます。チェットが麻薬を断ち切り、野心に燃える60年代を過ごしていたら、どうなっていたのでしょうか?「たられば」ですが、ジャズの歴史の中でも重要な時期だけに、興味はつきません
ね。この話しで酒飲めそうな気がします。




と、いうわけでやはりこの一枚ですね。MI0002769268
Chet Baker / Sings 
56年発表の西海岸ジャズの名盤。53年頃から取り組んだヴォーカルを54年に本格的に録音。新曲などを追加してリリースしたのがこの作品。スタンダード中心の内容で、その独特の歌い口と、全体的に漂うムードは唯一無比。なかでも「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」は人気。マイルスやシナトラ、キース・ジャレットら多くのジャズメンに愛される名曲だが、このチェットのヴォーカル版が一番!というジャズ・ファンも多い。 


で、この映画「ボーン・トゥ・ビー・ブルー」。監督はロバート・パドロー。この監督さん、過去にチェット・ベイカーの死の真相に迫った映画も撮ってまして、その時のチェット役の俳優さんが、今回のイーサン・ホーク演じるチェットの父親役だそうです。 
また、晩年のチェットを描いた映画「レッツ・ゲット・ロスト」も参考までに。

では、マリガン・グループ時の56年ローマでの演奏をどぅーぞ。
 

20161115 Jazz Today 「Avishai Cohen Trio / From Darkness」

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現代ジャズ・シーンを牽引するイスラエル出身のベーシスト「アヴィシャイ・コーエン」の15年トリオ作品。

作曲家、バンド・リーダーとしてもその才能を発揮する超絶ベーシスト「アヴィシャイ・コーエン」は、幼少期からピアノを演奏、14歳で父親の転勤で米国はセントルイスに移住。ここでジャズに出会い、15歳でベースをはじめ、16歳で母国に帰りバンド活動をスタート。が、イスラエルでの音楽活動に限界を感じ、単身渡米。音楽活動よりも生きていく為に働くことで精一杯だったというこの時期が人生最大の苦難だったとは、本人談。
93年、ジャズ・クラブでの定期的演奏ができるようになったある日。偶然来店したチック・コリアがその才能に惚れ込み、彼をレコーディングに参加させ、さらに彼を含む新バンドまで結成したというのですから人生何が有るか分かりませんね。このグループで03年まで、10年活動しました。
このチック・コリアとの共演で一躍注目を浴び、チック・コリアのレーベルからリーダー作をリリースしたり、ロンドン交響楽団、イスラエル交響楽団、ボストン・ポップス響との共演や母国イスラエルでのジャズ・フェスの音楽監督を担当するなど、才能が爆発!
09年からはブルーノートに移籍し、コンスタントに作品をリリース。11年の作品ではほとんどの曲を作詞&作曲し、ヴォーカルも務めたという作品「7つの海」は、ジャズ・ファンのみならず、音楽ファン全般から支持を得た、彼のターニングポイントと言える傑作です。

そのアヴィシャイ・コーエンが満を持して録音したのが「トリオ作品」。ニタイ・ハーシュコヴィッツ、ダニエル・ドールとの練りに練られたアンサンブルと、それぞれの華麗なソロ、ソロ、ソロ、、、、。ため息が出る程「上手い」「巧い」「旨い」。ウネル&ハネル&ノタウツ、リズム。
ベーシストのリーダー作だからでしょうね、こんなにリズムが多彩なジャズ作品は初耳です。

 

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iphoneやipadで気軽に聴けますよ。
こちらのアプリがオススメです→Tunein Radio
世界のラジオも聴けちゃうんですよ、面白い!!

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放送日:11月15日(火)ラヂオ盛岡76.9Mhz
リアルタイムでサイマル放送もやってます→こちら 

20161108 Jazz Today 「Arthur Taylor / Mr. A.T」

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1950年代の黄金のハードバップ時代を支えたドラマー「アーサー・テイラー」が率いたグループ「テイラーズ・ウェイラーズ」のEnjaでの91年復活作品。

アート・テイラーの名前でお馴染みのドラマー「アーサー・テイラー」は1929年、ニューヨークでジャマイカ移民の家庭に生まれる。音楽に熱心な父は彼をよくジャズ・クラブへ連れて行きチャック・ウェブやジョー・ジョーンズなどの名ドラマーを目の当たりにしたそうな。その影響でジャズ・ドラマーを志したのは17歳、その歳のクリスマス・プレゼントがドラムセットだったというんですから、両親の熱い思い感じますね。

ハーレムでの活動はロリンズ、ジャッキー・マクリーン、ケニー・ドリューとのバンドでスタート。ハワード・マギーの目に止まりプロデビューを果たし、50年にはオスカー・ペティフォードのバンドに参加、ここではウィントン・ケリーに出会い、今度はコールマン・ホーキンス のバンドに参加、ここではハーレム時代の盟友ケニー・ドリューと再会。と強者たちとの共演で腕をあげたテーラーに注目したのはマックス・ローチ。彼の推薦でバド・パウエル・トリオに参加。あの「バド・パウエルの芸術」や「シーン・チェンジズ」など代表作はテーラーのドラム。
バド・パウエルとの活動で一躍有名になったあとは、マイルス、ジョージ・ウォーリントンのバンドや、プレスティッジのハウス・ドラマーとしてマル・ウォルドロン、ガーランド、ドナルド・バードにコルトレーンまで数多くの作品でその実力を披露。

この時期に組んだ自らのバンド「テイラーズ・ウェイラーズ」を始動。プレスティッジへの録音作品も残しております。「ウェイラー」とは当時のジャズマンの造語で、良い演奏をするイカしたミュージシャンを指したそう。ドナルド・バードにジャッキー・マクリーンなどが当時のメンバー。

パウエルのバンドに続き、モンクのバンドにも参加しております。「ファイブ・バイ・モンク・バイ・ファイブ」や「タウンホール・コンサート」がそれ。そのモンクの刺激で「テイラーズ・テナーズ」なるモンク作品集もあり、こちらではフランク・フォスターに加え後にモンク・カルテットで活躍するチャーリー・ラウズを起用。その後、ローランド・カークとも共演し63年には多くのジャズマン同様、ヨーロッパへと移住。パリでは移住組の先輩ケニー・クラークが開いた学校でドラムの講師をしつつも、フランスのブルーノート・ジャズ・クラブでケニー・ドリュー、ジョニー・グリフィンと共演。70年ベルギー移住後はデクスター・ゴードンら渡欧組と、アメリカからやって来るジャズメンと変わらぬ音楽活動を続けたそうです。この時期の代表作は82年のトミー・フラナガンのenja盤「セロニカ」。

84年に母の病気を機にアメリカに戻りニューヨークで活動再開して録音したのが本作「Mr. A.T」。翌92年にジャッキー・テラソンを迎えて「ウェリントン・アット・ザ・ヴァンガード」を発表。94年のジミー・スミスの作品が最後となり、95年に永眠。享年66歳。

積極的に新人を起用し続け、ジャズを今に伝えようという気概感じる活動ですね。本作のメンバーも実にフレッシュな若手で、アルトのエイブラハム・バートンとマーク・キャリーはEnjaのプロデューサーに育てられ共にリーダー作品をEnjaからリリース。にエイブラハム・バートンは、ダスコ・ゴイコヴィッチのEnja盤「ビ・バップ・シティ」にも起用されるほど気に入られたようです。マーク・キャリーは、ジャズとヒップホップの融合をいち早く試みた最初のピアニスト。ロバート・グラスパーの先輩格だそうで、若手ミュージシャンからの尊敬される才能の持ち主。テナーのウィリー・ウィリアムスは少し年上、ブレイキーのメッセンジャーズ出身で、ミンガス・ダイナスティやクリフォード・ジョーダン・ビッグ・バンドにも参加したバリバリのテナーマン。ベースのタイラー・ミッチェルはシカゴ出身、サンラー・アーケストラやスティーヴ・グロスマンのバンドでプレイした実力派。テイラーが新バンドを結成する際に真っ先に声をかけたのが彼だったそうな。


■2管のバランス、ドラマーがリーダーであるというサウンド。緩急鋭い選曲。そしてなにより録音が良い!テイラーの希望で録音はヴァン・ゲルダー・スタジオだって言うんですから当然ですな。キリッとしたシンバルの鳴りと深みのあるブラシ・ワークの音色。腹にくるバスドラ。これゾ!なジャズ!

 

 

 
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iphoneやipadで気軽に聴けますよ。
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放送日:11月8日(火)ラヂオ盛岡76.9Mhz
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酒井助六、入間川正美、Onnyk。コンサートのお知らせ

こんにちは。
ラジオJazz Todayの「ジャズ横丁」のお相手、即興演奏家のONNYKこと金野さんの主宰ライブのお知らせです。
現代音楽、即興演奏と、秋の芸術を是非!



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ゲージツの秋、魔人、酒井助六が現代音楽の深淵を探る、レクチャー&レコードコンサート!

グラフィックスコア(図形楽譜)とアートレコード(美術家の音楽)
 

10月22日(土)

18時半より21時

盛岡市、桜山、「コーヒー&酒<米山>」(よねやま)

(池沿い、「サッコ食堂」の二階)

料金:1,500円(ドリンク一杯つきます)

問合せ<poq96@ezweb.ne.jp>
 
二次会>「レーベル、OMEGA POINTリリースの楽屋話」を飲み食いしながら聴きましょう。

市内某所で。「米山」に来た人は案内します。二次会は持ち寄りです。
 
 

20世紀、12音主義音楽出現以降、作曲の概念は際限なく拡大して行く。そのなかで、既存の5線譜に記述できないサウンド、あるいは、新しい記譜法を求め、あるいは、楽譜自体をアートとする者達までが出現した。こうして、グラフィックスコア=図形楽譜は生まれた。幾何学的記号の配置のみならず、見るも鮮やかなヴィジュアル作品まで、そこからどんな音楽が生まれたのか!

一方、本来美術家なのに、「表現領域の拡張」なんて美名に隠れて、コッソリ音楽をやってた人たちがいる。彼ら彼女らは治外法権なので、音楽的不文律は無視して何をやってもいいのだから始末が悪い。スーダラ系、暗黒自閉系、そして過激オブジェまで、現代音楽のデーモン、酒井助六(オメガポイント店主)が満を持して公開!






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入間川正美 無伴奏チェロ ライブ3デイズ 2016年盛岡
 

①11月3日(木・祝) 
19時〜 @酒・珈琲「米山」盛岡市桜山地区西側、サッコ食堂の上 

共演:金殺米(米山&Onnyk)、料金¥1500(ワンドリンク付き)
 

②11月4日(金) 
開場19:30~終演21:30 @ギャラリー彩園子二階「一茶寮」

盛岡市上の橋付近、イワセンビル隣り入る 共演:Onnyk、料金¥1000
 

③11月5日(土) 
開演14時~終演15時 @旧石井県令邸、盛岡市下の橋付近、

演奏:入間川正美ソロ、料金¥1000(施設保存寄付含む) 
 
 

入間川正美:1989年よりチェロの即興演奏をはじめる。以降、現代美術・実験演劇との共演を重ね、1998年よりソロシリーズ「セロの即興もしくは非越境的独奏」を高田馬場プロト・ シアターにて開始し、現在も八丁堀・七針で継続する。また、同タイトルのCD、CD-Rをリリースしている。2004年演劇ユニットLens(佐藤照+渡部美保)と共にニューヨークに遠征、演劇公演だけでなくソロ演奏も好評を得る。それ以降、国内外の音楽家との共演を重ねる。現在なぜか沖縄での演奏が多くなっている。
 

20160830 Jazz Today 「Arild Andersen / The Rose Window」

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Arild Andersen / The Rose Window INTUITION / CD

ドイツのジャズ誌「Jazzthing」が創刊100号を記念して立ち上げた企画 「European Jazz Legends」と、レーベル「Intuition」のコラボ企画第5弾作品。ノルウェイが誇る巨匠ベーシスト、「アーリル・アンダーシェン」の新作はライヴ録音!

「アーリル・アンダーシェン」は、1945年生まれ、現在70歳。1968年に23歳にしてドン・チェリーのバンドに抜擢され、名盤「永遠のリズム」に参加。また、ヤン・ガルバレクの数々の作品や、ケニー・ホィーラー、ジョン・テイラー、ナナ・ヴァスコンセロス、ラルフ・タウナーといったECM界隈の数々の巨匠の演奏家と共演し、バンドの屋台骨として活躍してきたことは、シーンにおける存在感の大きさを物語っています。
そんな「アーリル・アンダーシェン」の新作は、日本でも大変人気の高いピアニスト「ヘルゲ・リエン」、ドラマーに「ガール・ニールセン」を迎えたトリオ編成のライヴ盤。
75年生まれのヘルゲ・リエン、83年生まれのニールセン。2人とアーリルとの年の差は30歳余り。しかし、過去にも「ニルス・ペッター・モルヴェル」や「トーレ・ブルンボルグ」といった新鋭アーティストを自らのバンド「マスカレーロ」に抜擢し、若い才能をシーンに送り出している「アーリル・アンダーシェン」であり、一方「ヘルゲ・リエン」は、このライヴの一年前から「アーリル・アンダーシェン」の新しいカルテットのメンバーにも迎えられたアーティスト。生みだされる音に、年齢の差なんてまったく感じません。

冒頭のイントロのベースソロ部分の、「ここでは無いどこか感」はやはりドン・チェリーのサウンドを思わせ、ECMサウンドとアンビエントな欧州ジャズ然としたムードも、どこか貫禄を感じます。3人のインプロも、欧州の壮大なスケールを感じさせますし、なにより「ヘルゲ・リエン」と「アーリル・アンダーシェン」とのメロディの温かさがじんわりと、、、。


ヨーロッパのジャズの底力を感じさせるトリオ演奏!年々キャリアを重ね、スケールアップを見せるピアニスト「ヘルゲ・リエン」の今を記録した意味でも注目の一枚です。

 
こちらミンガス曲を演奏。参考までに。 
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