新しい内視鏡システム(オリンパス EVIS X1)を導入しました。

2020年11月より内視鏡を一新し、オリンパスの最新のシステム EVIS X1 を導入しました。

●ビデオシステム
2020-12-28 13.18.57オリンパスの最新のシステム EVIS X1 を導入し、画面はとても明るくなり、より鮮明になりました。
オリンパスのシステムの大きな特徴であったNBIに加え、TXIという新しい画像処理機能も搭載され、コントラストや凹凸がはっきりした画像を撮影できるようになりました。

●胃カメラのスコープ
それにあわせて、胃カメラのスコープも経鼻で挿入可能な細さでありながら、ハイビジョンの高画質な観察が可能なGIF-1200Nを導入しました。
これにより口からの内視鏡の苦しさも軽減できます。

●大腸内視鏡のスコープ
大腸内視鏡では、拡大観察が可能なPCF-H290ZIを導入しております。こちらもこれまでのものよりも細い径となっており、お腹への負担は減ると思います。
ウォータージェットも導入し、速やかに洗浄できるようになり検査の迅速化が図れます。

●その他の当院の特徴
またこれまで通り、体内に吸収されやすい炭酸ガスで送気を行うことにより、検査中や検査後の腹部膨満感を軽減します。大腸だけでなく胃カメラでも使用しています。
適切に鎮静剤を使用することにより、寝ている間に終わり、苦しくない内視鏡を選ぶこともできます。

新型コロナウイルスのため、検査前後にかかる時間は以前より増えています。
お待たせしたりご迷惑をおかけすることがあるかと思いますが、万全に対策を行ってまいりますのでご理解ご協力お願いします。


doc_toyonaidoc_toyonai  at 17:22  | コメント(0)  |  この記事をクリップ! 内視鏡  

待合室を一新しました。

お久しぶりです。
前回の投稿の8周年から1年以上空いてしまいました。4月には9周年を迎えましたが、新型コロナウイルスですっかり忘れていました。

今回、内装と待合室を一新したのでご報告させて頂きます。

新型コロナウイルスに感染している方の中には無症状の方がいて、他の方へ感染させる可能性があることが分かってきました。症状がない場合は、お互いにマスクをして喋らないければ、ほとんど感染はありませんが、なるべく距離を取りたいものです。

_H3A2652待合室2そのためこの7月に夏休みを頂き、待合室の内装工事を行うとともに、間隔を空けて着座できる椅子に入れ替えました。

またパンフレットなどを置く棚や机は撤去させて頂きました。
さらに診察ベッドや、内視鏡ベッドを一新し、自動血圧計も変えました。(あわせてホームページも一新しましたのでご覧下さい)

このほかに行っている感染対策として、これまでのインフルエンザシーズンでも隔離を行っておりましたがそれを徹底しています。
5月からは高熱や咳などの患者さんの診療時間を分けています。(診療時間についてはHPをご参照ください)

さらに、院内の滞在時間を減らすための工夫として、初診問診票を自宅で入力できたり、再診の方には、自宅からスマホで順番予約を取ることができるようにしたりしています。
(来院時にお渡ししたQRコードややURLをご利用ください)

今後も感染対策に万全を期すよう努力して参ります。
よろしくお願いします。


doc_toyonaidoc_toyonai  at 12:00  | コメント(0)  |  この記事をクリップ! 

開院8周年となりました。


2019-04-10 193523b



 タイミングがずれましたが、先日開院して8年が経ちました。ありきたりの言葉ですがあっという間でした。
 開院当初からの患者さんのカルテは随分と分厚いものとなりました。実際には電子カルテなのでパソコン上でスクロールするだけですが^^;、それもなかなかのものです。
 あの頃まだ中学生だった子が、今や就職のため雇用時健診を受けにきたりするので感慨深いものがあります。
 病院勤めの時とは違う時間の経過を感じます。

 ところで、これまで待ち時間が長いことでご迷惑をおかけしておりました。
 皆様からのご要望を受けて、昨年から来院時に番号札を発券しています。これにより待ち人数の把握がしやすくなったと思います。
 また再診の方は当日自宅からネットで番号をとれるようになりました。詳細は来院時にお渡しした整理券をご参照下さい。
 ネットを使えない方のために、次回受診時の時間帯予約も始めました。これは受診後にお申し込み下さい。

 完全な予約制もいいとは思いますが、今のところそうなっていません。
 ネットを使えない方や急な病気の方の受診を考えて今の形になっています。不便でまだまだ足りないところはたくさんありますが、これからもよろしくお願いします。(現在ネットで予約のアドレスは公開しておりません。電話やメールでの問い合わせは受け付けておりません。ごめんなさい!)




doc_toyonaidoc_toyonai  at 09:30  | コメント(0)  |  この記事をクリップ! 

進行食道がんの放射線療法

 今回は食道がんに対して放射線治療を行ったあとの写真です。その前に少しだけノーベル賞の話しを。

 今年のノーベル生理学医学賞は本庶佑先生が受賞されました。
 本庶先生は、がん細胞が免疫から逃れるのに重要な物質を発見し、この応用により画期的ながん免疫療法が可能となりました。高価なことで話題になったオプジーボやキイトルーダがそれです。

 これまでがん治療は、手術、放射線、抗がん剤(化学療法)の3つが主だったものでした。
 免疫療法と言う名の治療分野はこれまでにもありましたが、効果が乏しく信用に足る治療はないに等しい状況でした。今後は大きく発展するでしょう。しかし本庶先生のノーベル賞受賞により免疫療法の情報が錯綜する可能性があります。ニセ免疫療法に皆様ご注意を
 自費診療しているところでの免疫療法はおすすめしません。主治医と相談を。

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 さて今回の写真ですが80代後半の方です。飲み込みが悪いとのことでした。
 見るからに進行した食道がんです。全身状態は悪くはないもののご高齢であり手術はよくないかもなと思っていました。
 ご本人の希望により紹介した自宅近くの病院は手術や放射線療法をやってないとのことで別の病院へ紹介されたようです(僕としては迂闊でした)。そのためもあり治療した施設から報告書が来ず、今回書いていることも本人のお話での治療経過です。

 それから1年、久々に来院されました。
 癌の治療は、手術は負担が大きいので放射線治療をすすめられたそうです。週5回で合計30回。抗がん剤は併用しませんでした。通常その後もフォローするものですが、ご高齢だからかその後の通院指示がないようでCTや内視鏡もされていません。

 今回は胸のつかえ感があって胃カメラをやりたいとのことでした。治療した病院をすすめましたが、大きい病院は大変なようで当院でやりました。

名称未設定 2 それがこの写真です。(放射線1年後)

 わずかに狭くなっていますが粘膜は瘢痕化して綺麗でした。つかえはこの狭くなったところが原因のようです。

 化学療法を併用しておらず今後再発があるかもしれません。しかし90歳近い方が進行食道癌をうまくあしらって、つかえがあるとはいえ身体に大きな負担を残さずこうして日常生活を送っていることに感動を覚えます。

 ノーベル賞でにわかに免疫療法が注目されていますが、現場は粛々と患者さんに適切な治療を行っています。ブログを書いている僕が書くのも変ですが、がんの患者の皆さんにはネットの情報に右往左往せず医療機関で主治医と相談して下さい。
 魔法のような治療はありません。皆さんがよりよい治療を受けられるよう願っています。(現在食道癌はオプジーボ/キイトルーダの治療適応となっておりません)


doc_toyonaidoc_toyonai  at 09:30  | コメント(0)  |  この記事をクリップ! 内視鏡  

麻疹の流行 2018年


32沖縄で麻疹が流行しています。
なぜ麻疹がこれだけ騒がれるかと言えば、とても感染しやすく重症化することがあるからです。

感染の仕方はインフルエンザのように飛沫感染や接触感染するだけでなく、空気感染します。ウイルスが空気中に浮いているため同じ空間にいるだけで感染します。

 また麻疹にかかると免疫機能が一時的におさえられてしまうため、他のウイルスや細菌による感染症が重症化します。1000人に1人の割合で死亡する可能性があるとされています。

 つまりインフルエンザよりも感染しやすく、インフルエンザよりも死亡率が高いのです。更に言えば麻疹ワクチンはインフルエンザワクチンよりも予防効果が高いです。2回接種するだけでかなりの発症リスクを抑えられます。

 GWを控え、麻疹ワクチンの問い合わせが増えています。間に合うでしょうかという問い合わせもあります。抗体がつくまで2週間くらい必要とされています。その意味では厳密には間に合わないかもしれません。しかし麻疹患者と接して緊急(72時間以内)にワクチン接種することで発症を防ぐ可能性があり、実際に行われています。また麻疹に感染するリスクは今回だけではありません。今後も考えれば時期に関係なく接種する意味はあるでしょう。

麻疹の抗体が十分あることを確認された方や、母子手帳などで2回予防接種を受けている方以外は予防接種を検討して下さい。1度も接種していない方は2回が理想的ですがまずは1回打ってください。2回目は1ヶ月後からできますが、流行期に急いで確実に免疫をつけたいとき以外はもう少し時間をあけた方がよいようです。

抗体を持っている人が繰り返しワクチンを打っても問題ありません。迷ったら抗体測定ではなくワクチン接種でよいと思われます。

また麻疹のワクチンには、麻疹単体のワクチンの他に、風疹と混合のMRワクチン、更におたふくも入ったMMRワクチンがありますが、通常はMRワクチンやMMRワクチン(当院ではPriorix)で予防接種します。

風疹の予防も重要です。麻疹と同様に流行が数年ごとにみられます。
必ず一緒に予防してください。

なおMMRワクチンは輸入ワクチンのため重篤な副作用の際に公費での救済措置がないのがデメリットですが、安全性はMRワクチンと変わらず一度の接種で3つの病気を防げることが大きなメリットです。世界的にはMMRワクチンが一般的で、麻疹単独のワクチンやMRワクチンはある意味ガラパゴス的なようです。



doc_toyonaidoc_toyonai  at 14:00  | コメント(0)  |  この記事をクリップ! 麻しん・風しん | 予防接種