開院5周年を迎えました。

早いもので、クリニックを開院して5年が経ちました。
以前にも書きましたが、僕はもともと開業医にも医師にもなるつもりはありませんでした。自分の病気を知りたくて医学部に入ったに過ぎず卒業したら何をしようかと思っていました。そんな僕が、この豊洲の地で町のお医者さんをやっているのは不思議なものです。
そろそろ町のお医者さんとして馴染んだでしょうか。

この5年間色々ありましたが皆さんと共に成長してきたつもりです。感謝しています。
これからもスタッフ共々よろしくお願いします。
(お花を頂きましたN先生、Hさんありがとうございます!) 


doc_toyonaidoc_toyonai  at 21:24  | コメント(3)  |  この記事をクリップ! 

平成28年4月から風疹抗体検査が全額助成(無料)されます。

江東区では風疹検査への助成対象が拡充されます。大きく変わったのは男性も対象となったことと、近隣の医療機関で毎日できるようになったことです。

詳しく見てみましょう。

昨年度の対象者は「19歳から49歳までの妊娠を予定または希望する女性」のみでした。
今年度の対象者は以下の条件のいずれかにあたる人です。
1.妊娠を予定または希望する19歳以上50歳未満の女性
2.対象1の配偶者・同居者等(15歳以上)
3.風しん抗体価が低い妊婦の配偶者・同居者等(15歳以上)
44女性だけでなく男性も対象となっています。更にパートナーだけでなく同居者まで拡大されており、孫を待つ祖父母までも対象になります。実際、ここ数年の風疹流行の分析から、既に抗体を持っていると思われている50代以上にも抗体が不十分な方々が多く見られたことが理由のようです。

また昨年度までは保健相談所(江東区内で4カ所)でしかできず、月2回だけしか機会がありませんでした。風疹対策をやっているというアリバイ作り程度にしか思えませんでしたが、今年度からは地元の医療機関(協力医療機関)でできます。
さらに事前に江東区への申し込みは不要で、各医療機関にある申込書で行うことができます。(医療機関によって予約が必要ですのでお問い合わせ下さい。当院では予約不要です)

またもう一つ大事なことは、今回の助成は風疹の予防接種を受けた事があっても受けられることです。ただし、1年以内に風疹の抗体検査を受けたことがある人、あるいは1年以内に風疹の予防接種を受けたことがある人は対象外です。


このように風疹検査の助成対象は、かなり広がりました。医師会で開かれた説明会で江東区の担当者は、対象者を絞り込みたいのではなく、「必要な人に検査を受けて欲しい。とにかく先天性風疹症候群をなくすためにやっている。」と何度も言っていました。

江東区はやる気です。あとは対象となる方々が受けるかどうかです。
詳細は江東区のHPをご覧下さい。 
(平成28年度(成人対象)風しん抗体検査・風しん予防接種費用を全額助成)

ただし、抗体価が低かった場合のワクチンについてはこれまで通り、「妊娠を予定または希望する19歳から49歳までの女性で、風しん抗体価が低い方」が助成(無料)の対象となり、男性は含まれません。ここは残念なところです。


doc_toyonaidoc_toyonai  at 08:30  | コメント(0)  |  この記事をクリップ! 麻しん・風しん | 予防接種 

【インフルエンザの治癒証明書についてお願い】

14特に学校関係者の方に知って頂きたいのですが、インフルエンザの治癒証明書は法律で規定されてはいません。通常は必要ないものであり、生徒に強制しないでください。 
学校保健安全法施行規則には、出席停止期間の基準として「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児にあつては、三日)を経過するまで」とあるのみです。これはご家庭でチェックできます。

当院ではインフルエンザの患者さんに、「治ったか確認するために再検査する必要なく、基準を満たしていて落ち着いていれば登校していい」と説明しています。
それでも学校から「治癒証明書がないと登校できない」といわれてくる方がいます。

いま医療機関はインフルエンザや感染性下痢症の患者さんの診療で手一杯です。待ち時間も長時間になっています。その方々が治癒証明書をもらいに来るとパンクしてしまいます。
我々は学校のローカルルールのために証明書を書くよりも、辛くて診察待ちしている病気の方々の診療を優先させたいのです。またご本人にとって、医療機関に来ると別の病気をもらってしまう可能性もあり、通院の手間、費用の負担もあります。(おそらく診断書代は学校が負担するのでしょうが)

もちろん、症状が残っていて迷う場合や、インフルエンザ以外の病気では治癒証明書が必要なことがあります。しかし、順調に改善した方にただ事務的に治癒証明書を強制することは避けて頂きたいのです。

学校が社会の一員として医療機関の適正利用に協力して頂ければと思います。

以前、ブログ「インフルエンザの「治癒証明書」はおすすめしません。」にも書きました。あわせてご参照ください。 


doc_toyonaidoc_toyonai  at 15:20  | コメント(16)  |  この記事をクリップ! インフルエンザ | 医療を取り巻く問題 

中南米でジカ熱が流行

今話題のジカ熱(ジカウイルス感染症)。お恥ずかしながら全く知識はなく、報道で初めて知りました。そこでネットでさらっと調べてみました。

日本では3例報告があるそうです。いずれも国外で感染して持ち込んだもので、日本国内で感染した報告はありません。
  ポリネシア・ボラボラ島から帰国後の2例(2014年)
  タイ・サムイ島から帰国後の1例(2014年)

この報告をみると、特徴的な症状としては発熱(比較的軽度)、皮疹結膜充血などがあります。発熱に伴う筋肉痛・関節痛・頭痛などもみられます。血液検査では白血球と血小板が軽度減少していますが、特徴的なものではありません。

これらは一昨年流行したデング熱と似ています。

感染経路がネッタイシマカ・ヒトスジシマカなどの蚊が媒介するところもデング熱と同様です。ヒトスジシマカは日本にもいて、蚊が活動する時期には感染が拡がる可能性はあります。しかし蚊は越冬できないため、デング熱が気温が下がるにつれて終息したように、ジカ熱が国内で広く定着する可能性は低いと思われます。
(ヒトからヒトへ感染した報告は稀のようですが、今回、性行為や輸血での感染が報告されています)

ところでデング熱ではデング出血熱という重症型があり、生命に関わることがあります。
幸いジカ熱はそのような重症化は少なく、デング熱より軽症です。不顕性感染といって、症状がない感染者もいます。

特別な治療法はなく、自然軽快します。ワクチンもありません。

一方で今回大きな話題になったのは、ブラジルでジカ熱が流行し、妊婦の感染胎児の小頭症との関連が疑われたためでした。今のところ因果関係は調査中ですが、妊婦は流行地への渡航を自粛するよう警告が出ています。

WHOが緊急事態宣言を出しており、国としても対策をすすめていくところでしょうが、僕らが身近にできる対策は、流行地に行かない蚊に刺されないようにする周りで蚊が繁殖しないようにすることくらいでしょうか。また流行地に渡航した人は献血をしないこと、性行為ではコンドームを使用するなどが対策になりそうです。

厚生労働省の「ジカウイルス感染症に関するQ&Aについて」も参考にしてください。

冷静に対応しましょう。


doc_toyonaidoc_toyonai  at 02:30  | コメント(0)  |  この記事をクリップ! 

心臓突然死を防ぐ植込み型除細動器(ICD)

 今回は健診での写真です。毎年健診を受けている健康な40代の男性です。左が前年、右が今回の写真です。今回の写真には、胸に何か写ってます。

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「あれ、こんな若い人でペースメーカーの患者さんいたかな」と思いましたが、前回の健診の4ヶ月後、突発性心室細動で倒れたとのことでした。

 心室細動は心臓が細かく震えている状態です。震えていると言っても実際には血液を送り出すことができません。つまり心臓が止まったのです。放っておけば亡くなります。
 幸い倒れるところを奥さんが見ていたため、すぐに救急車を呼ぶことができました。搬送前にAEDで除細動(いわゆる電気ショック)で蘇生され息を吹き返し、幸運なことに麻痺も残りませんでした。

 そのまま搬送され、植込み型除細動器(ICD)を体内に埋め込まれました。レントゲンのあれはペースメーカーではなくこのICDだったのです。もしまた心室細動が起きても、このICDが自動的に作動して電気ショックをして助けてくれます。

前 同席した奥さんに、よかったねお手柄だね、と涙出そうになりながら話しを聞いていましたが、同時に僕は去年の健診の心電図が心配になりました。何せ健診の4ヶ月後の心臓発作です。何か異常を見落としたのではと不安になりました。
 しかし見直してみても発作前の心電図に問題はありませんでした。今回の健診も異常なしです。ホッとしました。

 ところで、この方には後日談があります。
 数週間後に健診結果を聞きに来るまでの間に、なんとまた発作を起こしたそうです。そして胸に埋め込んだICDが作動して救われたというのです。本当によかった!
  
 このように、事前に予期できない致死的な不整脈はあります。毎日200人年間7万人が心臓突然死するとのことです( 『減らせ突然死 ~使おうAED~』 )。しかし発作も何もない健康な人全てにICDを入れておくわけにもいきません。

 僕たちにできることは、突然の出来事の際、何をすべきか知識を身につけて備えることです(救急車を呼ぶ、心臓マッサージ、AEDなど)。自分で自分の心臓マッサージはできませんが、その知識はいつか大事な人に役立つでしょう。そして誰かの努力がいつか自分の命を助けてくれるかもしれないと思うのです。


doc_toyonaidoc_toyonai  at 09:45  | コメント(0)  |  この記事をクリップ! 医療に関する情報